2022年12月31日土曜日

2022年バレエ総括





2022年もまもなく終わり。今年もたくさんの素敵な舞台に出会えました。好みなもの、そうでなかったものも人間ですからあったものの
劇場での鑑賞はヤクルト1000以上に心身の調子を上げてくれました。舞台制作、公演関係者の皆様、ありがとうございます。
コロナは相変わらず収まらない状況ですが、国外に目を向けると今年は更に痛ましい情勢になってしまいました。
呼称をキーウに変えても戦況は静まるどころか未だ終わりが見えず、夏は昔から親しまれている呼び方との考えからキエフバレエガラの名称で公演が行われ
冬にはオーケストラ帯同での全幕来日が告知されたとき、その頃にはどうか状況が落ち着いているよう望みを持ったものの
連日の悲しい報道は止まらず。穏和な日々が戻るよう願ってやみません。

さて、今年の舞台を振り返ると、新制作且つ連日通った公演が自ずと上位に台頭。
勿論記憶に刻まれる出演者の姿があったわけですが、決して豪華絢爛華麗な趣である物語ではなくても
中世ドイツの村、神様降臨な衝撃を静かに深く味わった秋でございます。狩猟の文化もリアルに描写され
実は鍵を握る人物と思わす存在であった子供がキツネを巻いていた姿も目に残っております。
英国系の演出はリアリティ追求ばかりで黒色な背景が目立つのは如何なものかと思うときもあれど、物語の筋が整理されている点はよろしいとも捉えつつあり
昨年日本のバレエ団としては1年の延期を経て初演し、来年の再演も決定しているライト版『白鳥の湖』のプロローグで国葬が描かれているのもまずまず納得です。

ところで今年もあちこちへ旅路を行って参りましたが、私の良くない習慣の1つが交通手段予約の順序。
次の事が決まらないとその先に進めず、例えば航空機なんぞ早期に申し込んだ方が早割が利いてより抑えた価格で予約できるにも拘らず
夜行バスにしても新幹線利用にしてもまずは直近の予約が完了しない限り、先回りしての他日の予約に辿り着けないのです。
案の定、今夏愛媛訪問において、日程順に行っていたら往路分はあれよあれよとお手頃価格の航空券が完売。
そのときは半ば仕方なく夜行バスでの岡山経由で特急しおかぜ利用にしたところ、
お世話になっているレッスン上級者で我が2年ぶりのズンドコドッスンをいつも浪速の地から励ましてくださっている大阪人と岡山駅で合流できる展開に。
日付順序に忠実に物事を進め、交通手段予約にしてもまずは直近のものから進めて行くのは大事であると
勝手に悟り、これからも先回りせずてまえどり精神で行こうと思ったのでした。

話が二転三転いたしまして失礼。ふと思い立ち、今年大活躍されたヤクルトの村上選手のご年齢を調べたら2000年生まれの22歳!
つまり2000年問題発生時を知らぬ世代とは、お若くしての大記録達成に驚愕でございます。
しかし管理人、今年宿泊先の群馬県高崎市の大浴場にあった体組成計に乗ってみると表示されたよ体年齢18歳!!
基礎代謝や筋肉量で算出されるらしいが、有酸素運動の習慣もなく飲酒や食生活の抑制もしていない私でございます。この時期は不思議の国のアリス三昧でしたから
たった1回とは言えアリスなお店でヌン活やら、劇場ではジャムタルト、初台の隣駅ではヴィクトリアケーキにキャロットケーキも食し、糖分過剰摂取時期であったぞ。
機械、故障でないわよね!?!?と何度も見返したが表示は変わらず18歳。飲酒して良いんか笑。
文明開化以降、鉄道開通以降の生まれですから実年齢の半分未満やで。(当たり前だ)
そんな調子であった2022年、今年も一挙に総括して振り返ります。一応該当記事のリンク貼っておりますがきちんと繋がっていなかったらすみません。
また普段以上に言葉遣いも荒めで言いたい放題で作品によって文字数バラバラでございますが、誤字脱字大幅増加と思いますが悪しからず。


※上の画像、特に印象深く残った公演チラシ等を組み合わせたものです。順不同。ざっと数えた限り、今年の劇場での鑑賞回数は94回です。
★Etsuko Ballet  アトリエ公演(大阪市)
★京都バレエ団『ロミオとジュリエット』(京都市)
★新国立劇場バレエ団『ジゼル』
★新国立劇場バレエ団『不思議の国のアリス』
★バレエ・アステラス2022
★Ballet Studio Planè バレエスタジオプラネ第36回発表会 (福島県白河市)
★2年ぶりの有酸素運動、2カ所で渡邊さんに習いましたレッスン


※以下ひとまず時系列にだーーっと書いています。
漏れがあったら失礼、読み辛いと思いますが、忍耐力を試したい方はどうぞー。


新国立劇場バレエ団 『くるみ割り人形』※前年末からの継続公演  2022年1月は2回鑑賞
新国立バレエ団史上?新国立劇場自体初!?大晦日やお正月3が日公演開催。大晦日には鴨葱そば、お正月はお汁粉や甘酒も販売。
大晦日は紅白歌合戦なフィナーレ、お正月はキャスト変更に伴い、行く予定のなかった2日から出動。
変更発表後に購入した舞台近くの席のチケット手に初詣(実は行ったこと、1回しかない)気分で初台へ。
お正月から渡邊さん王子であけましておめでとうございます2022でした。
パートナーリング過酷くるみで2人相手に計4回、心身が余程しっかりしていないと務められません。
2017年のこどもバレエしらゆきひめでも渡邊さんは同様の事態であったが
異なる女性ダンサー相手に同じ公演期間に主演なんて山本さんや菅野さん以来では!?本当に、恐れ入った次第です。


新国立劇場バレエ団   ニューイヤー・バレエ  『テーマとヴァリエーション』『ペンギン・カフェ』 1月14日(金)〜16日(日)
テーマ、米沢さん奥村さん組はともに経験者同士で安定したクオリティ。柴山さん渡邊さん組はともに初役同士で、後半のアダージョが随分とゆったりテンポな気もしたが
少しヒヤリ。されど渡邊さんのテーマプリンシパル、観たかったのだ。衣装は白地に簡素な金模様でちょいと古めかしいが汗それでも似合う、
長身男性軍従えての前進、ああこーれーも観たかったーと願い叶いました。何しろ山本隆之さんが新国立初主役の作品でしたので(観ていないのが悔やまれる)
2017年のNHK饗宴テレビ放送観て以来新国立のテーマ鑑賞が夢であった妹も来場、柴山さん渡邊さんを観るのは初でした。
男性のレベル上がったよね、と終演後ぽつり。そしてテーマ爆上がり~との連絡入りました!
ペンギンは生で観ると悲しみの余韻が全然違う、配信では体感できぬ感覚でした。妹曰く、うちにあるぬいぐるみみたいと言っておりました笑。
そして本島さんや貝川さん、福田圭吾さんらベテランやビントレー世代の健在ぶりも嬉しかった様子です。


Kバレエカンパニー『クラリモンド~死霊の恋~』全編 『FLOW ROUTE』 『シンプル・シンフォニー』1月29日(土)
この日は新国立の枚方市公演に行く予定だったが中止に。数日前から何か気配がしていたため一応交通やホテルも予約せずにいたら本当に中止に涙。
計画変更してKバレエへ。クラリモンドは日髙さんの艶かしい色気やしなる脚を素早く捌く術にもびっくり。
フロールートは飯島さんの軽々自在な身体能力に脱帽。光の大胆な使い方や疾走感のままに終わる一斉ポーズも圧巻。渡辺レイさんの振付の虜にもなりました。


【お茶の間観劇】宝満直也さん振付  大和シティーバレエ『美女と野獣』
2020年12月公演の配信。振付演出は全く違えど同名作品で余りに思い入れあるものがあるため、鑑賞見合わせてしまいましたが評判を聞き配信にて視聴。
ショスタコーヴィチの音楽構成が抜群に良く、コミカルな部分もしっとり悲しい部分も流れるような展開な仕上がり。
衣装も可愛らしく洗練され、小野絢子さんのベルの愛らしさといったら。中家さんら黒集団?のチームも良き味。


スティーヴン・スピルバーグ版 映画『ウエスト・サイド・ストーリー』
音楽はニューヨークシティバレエや演奏会でも度々耳にしていながら作品を通しての鑑賞は初。
有名曲がどこにどう置かれているか分かったのも収穫で、人種差別や貧困等想像以上に重たい要素が終始のしかかる作風に
今更ながら驚きを覚えました。しかも今もなお根絶していない問題ばかり。


Kyoto Ballet Gala Special  2月19日(土)《京都市》
京都バレエ団がゲストを迎えてのガラ。The Man I Loveはしっとり大人な雰囲気満点、ブルックリンの夜景が見えた私です。
清水寺近くの静寂に包まれたお店で中庭眺めながら湯豆腐を味わったのも思い出でございます。


新国立劇場 舞台美術展で巡るオペラ・バレエの世界2022 ~Opera&Ballet Stage Set&Design Exhibition 2022~
吉田都セレクションが中止となり涙、重なって行けないと思っていたこちらへ。提案してくださった友人に感謝!
ライト版白鳥の衣装が何点か展示され、細かな作りを凝視。


日本バレエ協会『ラ・エスメラルダ』3月5日(土)
だいぶ突っ込みどころ満載。2幕のフルールの宴が長いが当時を知る上では良かったか。フェビュスがあれだけ刺されてなんで生きていたんだ??と
散々なことをやらかしては最後は改心してヒロイックにエスメラルダを助ける流れもねえ笑。
米沢さん木下さん中家さんの新国トリオに救われた舞台でした。米沢さんの悲しみを全身で訴える踊りが響く宴の場、忘れられません。


NBAバレエ団『ロミオとジュリエット』3月6日(日)
小野絢子さんが緊急代役出演!刑部星矢さんロミオとのピュアな雰囲気がとってもフレッシュで好印象。
ロマたちのパワフルな賑わいも楽しく、だからこそ悲劇が引き立つ。世界情勢を考えると、両家が和解する幕切れに救われる思いが一層いたしました。


東京シティ・バレエ団トリプル・ビル2022 3月10日(木)
1月の公演中止の延期公演実現。火の鳥は主役以外はアイドルのコンサートや南国風やら謎な衣装多しであったが
オクテットの高揚、伸ばしたポーズを更に引き上げての美を目指す振付は何度観ても面白い。
バナ作品では三浦さんとのヴァイオリン共演も耳に目に喜ばしい作品でした。


チャコット代官山スタジオオープニング特別レッスン
まさかの渡邊さんレッスンを受講することに。概要発表時の2月12日の朝、管理人の電話着信音が鳴り止まず、
前日の北京五輪スノーボードで金メダル獲得した平野選手と間違えて祝電いれてくる方がいるのかと思ったくらい笑。
9年前の秋から再開はしていましたがただでさえ訳あって年1回程度の頻度なレッスンでしたし2年間つまりはコロナ禍となってからレッスン一切やっておらず、
しかもチャコットの代官山オープンとなればバレエの大ブランド且つお洒落な立地からして綺麗な人しか行ってはいけないとも思わせ、私なんぞ門前払いやん、と思ったわけです。
1日がかりで後輩や彼女の友人から説得され続け笑、受講に至りました。
とにかく渡邊さんがどんな指導されるのか一般のクラスでの指導の話は耳にしておらず
スパルタなのか優しめなのか見当もつかず、このときばかりが大ファンではなく「大不安」を胸に向かいました。
結果楽しいよりも緊張しっぱなしでしたが汗、追い出されるかもしれないと何度も思うほど見た目も技術レベルもクラス一の出来損ないであったのも明らかでしたが汗
90分間同じ場所にて間近でお手本も拝見でき、幸せな時間でございました。
疲れは全然せず、すぐにでももう一回同じ内容で丸々受講したいと思ったほどです。
偶々ですが、終盤のジャンプにて、ソロルのヴァリエーション曲で同じタイミングでぶわっと一緒に跳んでいました目撃証言も2名からいただき
勿論だいぶ気遣っての証言であったと受け止めておりますが、ジムにも行った経験無く、2年間これといった運動習慣一切無しで何もやっていない割には
筋肉痛にもならず体力は全く落ちず、(もともとあるほうでも無いか汗)その部分のみはよくやったほうではないかと調子に乗りやすい私は嬉しくなった次第です。


アーキタンツにてレッスン初受講
何と2週連続でレッスンなんぞ子供の頃以来です。初めてアーキタンツさんへ行きました。
私の思い違いにもほどがあったのですが、アーキタンツは大変敷居が高いスタジオと思い込んでいてしかもレベルフリーとなれば上級者優先なクラスで
下級者初級者は静かにお邪魔いたしますな雰囲気で、ついてこられない受講者に対しては怒号が飛んだり容赦なく退出処分させられると信じて疑っておりませんでした。
電話で問い合わせまでしてスタッフの方が親切に案内してくださったのに。
※実際にはそんな懲罰ありません、誤解なきように。
そんなわけで、顔は青ざめそれ以前に田町駅到着までに緊張が限界を超え汗、
今日で私のノホホン幸せな人生もピリオドになりそうと完全後ろ向き精神で向かっておりました(駄目受講者です本当に)。
バーからして余りの難しさにぶったまげましたが(周りの方々は余裕綽々でしたので単に私が駄目なんだと思うしかなく、、、。
ただ渡邊さんのお手本は整理されたパズルのようでしたー)
いよいよ退出処分の文字も過ったものです。だいぶ大目に見てくださったのか、我が地味埋没存在が良い方向に働き視界にお入りにならなかったか、追い出しの事態にはならず
センターのジャンプが一番好きなので最後までいさせてもらえるか心配したもののどうにか最後までおりました。
音楽も振付も好きなのでアクティオンなジャンプ、最後に観られて幸せでございました。
このときのアンシェヌマン、実は今もまだ覚えており毎日思い出しているくらい。なんだかんだ言って幸せなレッスンだったわけです笑。


Kバレエカンパニー『ロミオとジュリエット』3月20日(日)昼
新国立の研修所出身吉田早織さんが主役デビュー。少し粗削りなーところはあれどひたむきでパワフルなジュリエットに拍手。
ロザラインの位置づけが不思議だが、浦邉さんの艶やかさは目を惹いた。


シュツットガルト・バレエ団の輝けるスターたち    3月21日(月祝)
全幕中止から一転、ガラ形式での来日実現。フォーゲルのボレロ、ドカンとしたインパクトは薄めだったが良く言えば丁寧な印象。
バデネスとのうたかたの恋が歪みの極致へと到達する恐ろしさをパドドゥのみでも体現。


スターダンサーズ・バレエ団   DANCE SPEAKS  2022  3月26日(土)
セレナーデはキビキビと軽やかなパワーに満ち、バレエ団による味わいの違いを堪能。安定した軸から繰り出す喜入さん、芳醇な色気にくらり。
マラサングレはノリの良さの中からダークな皮肉がチラリ。貞松浜田バレエとの共同制作である点も注目し、
西日本では王子貴公子系統の役では何度か観ていた水城さんの身体能力の高さに驚愕。
そして緑のテーブル、戦争開始を指示する上層部に対する批判が痛烈で、池田武志さんの死が強烈な突出。この世界状況下で鑑賞することになるとは。


Etsuko Yamamoto アトリエ公演 3月27日(日)《大阪市天王寺区》
山本悦子さんが振付企画。山本隆之さんとピアニスト山本規子さんの夫婦共演も実現!!
何曲も規子さんがピアノに編曲して演奏に臨まれました!!
山本悦子さん版じゃじゃ馬ならしは米沢さんと速水さんによるドタバタパドドゥ。
じゃれ合う姿もどこか可愛らしい2人でした。


グラッシオバレエスクール第41回発表会『ジゼル』『リトルマーメイド』ほか《兵庫県姫路市》
山本さんが1幕アルブレヒトとしてご登場。マント姿は最後走り去る場しかお目にかかれずでしたが涙
どう見ても村人に見えず貴族のお坊っちゃまであってもあんなに温厚に優しく接してもらえたら、結果として裏切りではあってもジゼルは許すことでしょう。
2幕アルブレヒトの宗近さんが山本さんの趣を引き継いでの表現で(考え込むときの顔の角度など)大きな違和感なく繋いでいらしてびっくり。
生徒さん達のウィリのコール・ド、すっとした静けさと恐怖感がいいバランス、統制もしっかり取れていました。
公演日の朝に食した姫路の喫茶店、その名も葡萄屋のアーモンドトースト(姫路のソウルフード!)のふっくらボリューム感や
鑑賞後の姫路おでん、焼き穴子も美味しうございました。


バレエカレッジ バレエ音楽の魅力と秘密〈第22回〉「ライモンダ」~舞曲を愛した作曲家グラズノフの絶頂~
井田勝大さんが講師の配信授業。そういえば、この時期にルーマニア国立バレエが牧さん版を上演したり、オランダ国立バレエ、イングリッシュナショナルバレエも独自の版を上演。
東洋の世界の描き方において上演が難しい役柄設定作品と言われがちな割には創意工夫して新制作上演が続き、音楽の魅力の大きさを再確認。
私はマントでジャン!のテーマが大好きっす笑。(忘れられないのよ、2021年6月11日金曜日の初台でのこの場面~)


新宿村に篠原聖一さん下村由理恵さんのオープンクラス受講
バレエ界大御所なお2人のオープンクラスへ。アーキでの散々な出来を基本能天気な私も久々に引き摺り、縋るような気持ちで行ってしまいました。
(レッスン回数少ない割には選ぶクラスがドエライところばっかりやんと言われますが笑)
舞台で何度も拝見しているプロの方々も一緒に受講でしたが不思議と変な恐怖感はなく、
終了後は篠原さんも下村さんも随分と励ましてくださり(初受講の事情もあったかと思いますが)、お2人の優しさに触れた1日となりました。


東京インターナショナルバレエカンパニー  Bright Ballet Performance Peace for Ukraine    ウクライナに平和を  4月23日(土)
初めて観た団体の公演。ウクライナのハリコフで制作されたバヤデールの舞台美術の壮麗さにも見入りました。
お国は異なりますがカンボジアのアンコールワット遺跡や天空の城ラピュタをも想起。
このカンパニー(付属教室もあるようだが)の代表大串千恵子さんは私にとって発表会において最初で最後の全幕バレエ『シンデレラ』の振付者。
この日が誕生日であったプロコフィエフの摩訶不思議な音楽が好きになるきっかけとなったのでした。


新国立劇場バレエ団『シンデレラ』ゲネプロ見学(総舞台稽古見学会)
吉田都セレクションで当選していたがゲネも中止になり、そのまま封書が届き、直前になって注意書きを読んでおこうと開封したらゲネ予定キャストに歓喜!
通常の通し稽古のみならず、木村さんが指揮者とのテンポ確認光景や、なぜだか渡邊さんがタオル持って
上手側と下手側を小走り往復など笑(お姉さんズかいな笑)珍しい景色に居合わせて幸運。
王子友人は全員初役陣で、これは興奮しそうな方、あの人とあの人と、とお顔が浮かんだものです。


上野の森バレエホリデイ
今年は現地でも開催!東京バレエ団のクラスレッスンは思った以上に注意も細かく、個人の名も呼んでの指摘も多々あり。
イベント感はゼロで、佐野志織さんの指導もまことに勉強になりました。脳裏に残る名言いくつかあります。
厚地さん佐久間さん柄本さんによるマクミラン版とクランコ版ロミジュリクロストークも面白く、
ロミオの過酷さは共通であったり、リピートとサイレントについても、経験者の肉声を間近で聞くと説得力大!
大阪府堺市のアンディオールさんのコンフィチュールも購入できました。ソフィア堺にいったことがあると店主に話したところ驚かれましたが笑。
バレエみくじや占い、武蔵野ルネさんが私を実物の何億倍にも綺麗に描いてくださり(見たままに描いたらチュチュなんて着させられません涙)
中世フランスの姫にしてくださいました。イエイ!危機的状況になったときは、誰か助けに来てくださいと言いたいところですが現実はそうもいきません。


東京バレエ団『ロミオとジュリエット  4月30日(土)
足立さんが意思のある、ロミオよりも強く突っ走るジュリエットを好演。最期は母性に溢れ、ロミオを抱く姿も刻まれました。
それにしても、ハードなバルコニーパドドゥの締めにロミオは懸垂するわ、
マントだったか引っ掛けて降下するわ、消防士かい!?


新国立劇場バレエ団『シンデレラ』5月1日(日)〜5月5日(木)  計5回
新国立、久々の公演!全日できてまずは良かった。渡邊さんが貫禄ある王子で、友人役が全員初役且つ長身でつい名付けたヒマラヤフレッシャーズ!
細田さんのつややかで繊細な光が零れる仙女にもどれだけ夢見心地になったことか。
奥村さんが最終日、途中で王子を降板され心配に。アリス高崎公演にてびっくり嬉しい復帰でした。


アーキタンツ2回目
前回の最たる大反省、心の持ち方を大幅に変えて臨みました。見た目も技術レベルもクラス一の出来損ないであったのは毎度と同様に明らかでしたが汗
結果、この回は3月の初受講時とは打って変わって楽しみながら受講できました。
念のため申し上げますが、渡邊さんは萎縮させるような指導は一切なさっていませんので誤解なきように。
万一そういった内容のレッスンでしたら、いくら好きなダンサーであっても私は行きません笑。
色々なレベル、上はプロ並み、下は私のような最下層民まで集まっているのに皆が楽しめるように考えてくださっている姿勢に毎度頭が下がります。


【お茶の間観劇】コール・ドに力を注ぐ大切さ  Angel R  ODORIGOKORO(オドリゴコロ)Vol.10  5月8日(日)
カウンセラー友人を通して知り合った方が長谷川智佳子さん振付『ライモンダ』夢の場に出演。
フォーメーションの変化も見事なもので、身体の傾け方や角度もよく揃いレベルの高さに驚くばかり。
長谷川さんのご指導や出演者の努力の賜物でしょう。他にも、主にコールドをきちんと踊る指針な作品が揃い、
近年町興し並みの増加傾向にあるパ・ド・ドゥ大会(需要はあるようだが何でだ?汗)なものは無し。


 O.F.C. 合唱舞踊劇『カルミナ・ブラーナ』5月14日(土)
歌い踊る合唱団やあの壮大な曲の中で踊る酒井はなさんらの光景に圧倒。
ビントレー版もまた観たくなる。
開演前に立ち寄った向かいの国立西洋美術館の常設展の教会史料やダイアナとアクタイオンの絵も凝視。


スターダンサーズ・バレエ団『ジゼル』5月15日(日)《神奈川県川崎市》
1幕全体衣装の色味を茶色いお弁当と呼んでおり(申し訳ございません)、廃れたお墓も好みでなく
何でもかんでもリアリティ追求すればいいんかなあとばかり思っていたライト版ジゼル。
しかし貴族と村人の境界線やバチルドのフルフォードさんの高飛車な名演もあり、母親ベルタとヒラリオンの関係など辻褄がきちんとなされた版であると発見。
ウィリは緑がかっていて恐ろしかー!


清泉ラファエラ・アカデミア   バレエへの招待  2022年春期
今春期のテーマはオネーギン。クランコ版を中心に振付の特徴や音楽構成等学んでいきました。
ガラでもお馴染み鏡のパドドゥに潜む要素には初心なタチヤーナの胸の内を思うと、話を聞くだけでもどきりとするものでございます。


バレエシャンブルウエスト『タチヤーナ』5月28日(土)
タイムリーなことにシャンブルが上演。作品は16年ぶりの鑑賞です。
川口ゆり子さんが内気な少女から立派な貴婦人まで年齢段階をくっきり示しながら披露され、これが最後のタチヤーナとのこと。
この16年の間に三大バレエ以外にもチャイコフスキーの曲を使った様々な作品を鑑賞してきたためか
前回16年前にはオペラと同じポロネーズがある、ぐらいにしか印象に残らずであった音楽も
エイフマン版『アンナ・カレーニナ』やクランコ版『オネーギン』等で耳にした曲も多々あると気づき、歳月経ってからこその鑑賞の面白さも体感。


新国立劇場バレエ団『不思議の国のアリス』  6月3日(金)〜12日(日)計8回
延期を経ての再演!米沢さんアリスと渡邊さんジャックの更なるスケール度増したパドドゥが圧巻。
4階から観ると巨大な飛び出す絵本を眺めている気持ちに。
渡邊さんによるジャックの色付けも見事で、内気な庭師、おっちょこちょいだけれど姿美しいハートの騎士、そしてちょいと強引な現代青年まで
市販の画材では足りないほど豊かな色彩で見せてくださいました。
中島さんうさぎの自然な芝居運びも好印象。小野さんアリス、福岡さんジャックという大先輩看板ペアを相手に堂々好演でした。
本島さんの品格と美を崩さずユーモアある恐怖感を含ませたハートの女王、目に心に焼き付けました。
退団公演での花束贈呈、学級委員長なハートの2番家臣が代表で跪いて贈りました。
そして白バラが見つかり4人一斉逃亡笑、でも本島女王、とっても嬉しそうに怒りながら追いかけていました!


新国立劇場バレエ団『不思議の国のアリス』群馬県高崎公演 6月18日(土)19日(日)
延期を経て、高崎の劇場側も待ち望んでいた高崎公演無事実現。2階建の観やすい作りでした。
2日目だったか、料理女の渡辺与布さんがテーブルから落下し、されどそのまま続行していましたが怪我なかったか心配に。
この日の高崎の大半のホテルはB'zコンサート来場者で埋め尽くされ、私の宿泊先も同様。
大浴場の脱衣所でB'zファンの方々と仲良くなりました。これぞ裸の付き合いかー笑。来年も心はウルトラソウルで参ります!


東京バレエ団『ドン・キホーテ』  6月24日(金)
涌田美紀さんが本公演主役デビュー!丁寧且つ色っぽさもほんのりとある踊りに好感。ワシリエフ版は最後もワイワイ、お祭りで楽しい。


東京シティ・バレエ団『ジゼル』 7月2日(土)
清水さんの育ちの良い上品な娘なジゼル、ミルタ平田さんの堂々君臨で長身ながらコントロール力も抜群な踊りも強烈。
仲良くなったジゼルが実は婚約者と関係を持っていた事実を知り、難しい立場に置かれてしまったバチルドを櫻井美咲さんが細かく表現していたのも良かった。
2幕ウィリ達は舞台後方の墓地からうらめしやーと言わんばかりに立ち上がり、これがほんとの肝試し汗。猛暑であったこの日にはピッタリであったかも笑。


NBAバレエ団『ラ・フィユ・マル・ガルデ』 『ブルッフ  ヴァイオリン協奏曲』7月9日(土)夜
カラフル麗しいブルッフ、NBAレパートリーの中で特に好きです。フィナーレの盛り上がりも宜しい〜。
そしてラフィユ、やっとこさ発表会定番パドドゥ位置づけ分かり、刑部さんのシモーヌが抱腹絶倒且つエレガントなお母さん。舞台袖への箒丸投げは大笑い。


バレエカレッジ  小林十市スペシャルトーク 〜ベジャール「火の鳥」のこと。そして、これからのこと。
東京バレエ団の公演前に開催の講座。ご自身の経験や東バでの指導のこと、そしてBBLバレエマスター着任のびっくりニュースも!
初めて生で観た小林さん、ああ某ダンサーはこの方から火の鳥を南仏で学ばれたのかあ、としみじみ。(観に行くのは東バやで笑)


ロイヤル・バレエ・ガラ【Bプログラム】7月17日(日)昼
ガラにおける演目選びや配役の重要性を感じたガラでした。アリスは抜粋でやってもねえ。高田さんとサンベのコンテンポラリーは良かったぐらいか。


キエフ・バレエ・ガラ2022 7月18日(月祝)
大変厳しい状況下に来日。定番古典中心であっても楽しいプログラム。 中でもムロムツワとスハルコフ組による、
勢い任せにしない品格あるバヤデール婚約式やダイアナとアクティオンを鑑賞でき大収穫。トークショーも聞きました。


東京バレエ団ベジャール・ガラ  7月22日(金)23日(土)24日(日)
待っていました、訳あって南仏のバレエ団のリハーサル映像は何度も視聴し2017年は特に再生回数数知れずなベジャール版『火の鳥』。
ようやく作品を生で観る機会に恵まれました。我が節目に近い日程で、東バからの誕生日の贈り物と思っております笑。
何度も脳内転換してああ観たかった、叶うなら2016年6月のトゥールーズ行きたいドラえもんーと心の声を発していた私です。勿論今からでも機会あれば是非踊っていただきたい!!!!
パルチザンの振付、特に伝田隊長!?の仲間達を鼓舞する鋭い活躍にも痺れました。


新国立劇場バレエ団  こどものためのバレエ劇場2022『ペンギン・カフェ』 7月29日(金)〜31日(日)計5回
夏の子どもバレエにペンギンかあ、売れるのかしら、結果は以下略。解説付きで、まあ時にはこういう年もあっても良いのかもしれません。
ここずっと福岡さんのシングルキャストであったモンキーに渡邊さんが新登場。
豪快な福岡さんとは全く異なる個性で、ふわっと木々を飛びながら両手で大事そうに果物食べていそうなモンキーさんでした。金ぴかサンバ座長も良かったで。
そして細田さんの退団発表、私は未だショック引きずっとります。


清水純子バレエアカデミー第39回発表会  8月4日(木)《東京都渋谷区》
我が愛する後輩が本番直前に涙の降板。ああ。しかし大人同士のペザントや、眠り3幕の狼含むチーム赤頭巾の結束の見事なこと!
一番辛かったであろう後輩本人も家から電子手段で私が楽しんで鑑賞できるよう、また仲間達の晴れ姿を喜ぶ連絡くれまして、どんだけ優しいのでしょうか!!


BALLET theNewClassic 8月5日(金)
斬新だけれどクラシックなユニークお衣装満載、間近で観た中村祥子さんにも感激。
最後、みんなで踊ろうライモンダハイライトは(盆踊りか笑)なかなか抜粋では披露されない曲もあり、
作品好きに嬉しい選曲でした。登場シーンの中村さん、2幕帰還のヴァリエーションの横山さん、素敵でございやした。


バレエ・アステラス2022 8月6日(土)7日(日)
発表会では2度観ており、単に賑やかに超絶技巧お披露目にとどまらず、野性味と美しさ兼備で物語の想像を掻き立ててくださっていた、
またトゥールーズ時代に出演されたガラらしき写真でのブルーハーレムパンツ姿も惚れ惚れし、
渡邊さんアリをいつかは初台で!!と願い続けて早3年、ようやく叶いました!!!!!
ヴァリエーションでの跳躍後に身を低く屈めるポーズも初台で目にでき感無量。お仕え忠臣ぶりや、目のギラリ度も胸に刺さり
ロマンス物でよくある、貴公子が一族を奇襲によって失い、復讐に燃えて奴隷となって海賊船に乗り込んだストーリーも見えた気がいたしますー。
今回は池田さんとのパドドゥ相性も良さそうに感じました。


【お茶の間観劇】GGGガチョーク讃歌プロジェクト  8月8日(月)
作品自体は好きで西日本では何度も観ているが、思えば非公式上演。このたび公式に上演できたのは吉。
また私が大人になってから再開したレッスン初日からお世話になっているお方のお嬢様がアンサンブルにて月曜日に出演。東京の親戚になった気分で映像越しに大応援!!


エチュード・バレエ・アカデミー バレエフェスティバル 8月9日(火)《多摩市》
柴山さん渡邊さんがパキータに客演。爽やか&品のある将校でございました。
渡邊さんのシルヴィアパドドゥも清らかな爽快感!いつかあのABTのブルー系衣装姿で観てみたい。(1984年だったかハーメル&ビッセルの映像。1984年なんてつい最近やんか笑)


谷桃子バレエ団『レ・ミゼラブル』 8月10日(水)
迫り出した舞台機構や後方の橋を生かし、モルダウの曲で民衆が蜂起する演出が面白かった。


京都バレエ団『ロミオとジュリエット』 8月11日(木祝)《京都市》
山本さんがキャピュレット卿でご出演。書斎でジュリエットのドレス眺めながらの回想から始まる演出!
訳あって映像では何度も観ているトゥールーズキャピトルの金子稔さんマキューシオの上体の美しさ、芝居心も巧みで衝撃。主役2人はあまりよく覚えていない汗。


NHKバレエの饗宴2022 8月13日(土)
コンセプト大幅転換、瞬時に完売こんなものなのねえ。妙に豪華なまさにプライドのぶつかり合いなパ・ド・カトル、
宇宙からの使者か!?男版セーラームーンなるフォーフォー、貴重な共演でした。


大和シティー・バレエ2022 想像×創造 8月14日(日)《神奈川県大和市》
本島さんと渡邊さんの主演共演が実現!冷たくも美しいゆきおんなと純朴な青年の禁断の恋に身震いでした。ああ、和の美男美女なお姿の並びの魅力なことよ。
今夏も渡邊さんの和装を拝見できました。今回は木こり?
何しろ、格式ある着物雑誌でモデル務められたほどですから。和洋どちらも絵になりますなあ。


The 1st BALLET EDUCATION(第1回 バレエ・エデュケーション)8月17日(水)《東京都葛飾区》
田北志のぶさんのオープンクラスの生徒さん中心の発表会、レベル高く、基礎が盤石な方々ばかり。
新国立根岸さんと渡邊さんによるコッペリア3幕が大人可愛いほのぼの感。また観たいと思っていた渡邊さんの3幕の白い結婚式フランツのお姿も目にでき楽しき平日夏の夜。
代役で海賊も踊られ、赤い宝石つけた鉢巻(頭飾りと言わんかい笑)で情熱的なアリでございました。
そして田北さんと、特別出演スハルコフさんによるウィンナワルツのオシャレなこと。
更にー、シルヴィアパドドゥコーダ曲にのせたフィナーレでは渡邊さんとスハルコフさんが並んだー。
盆と有休(正月ではない笑。それは来年2月こそ!)同時到来な事態に大興奮。


BALLET NOW バレエ ナウ第15回発表会 8月19日(金)《東京都八王子市》
夏の恒例ほっこり八王子祭り!貝川さん振付のパキータ大改訂版がとってもわくわく、出演者全員が楽しく踊れるよう
少し易し目にした部分もありつつ、見応えあるクラシックバレエ観た気分にさせてくださいました。
そしてアルレキナーダにて、年齢不詳な渡邊さんのハーレキン笑。あどけない可愛らしい役もお任せあれ、らしい。引き出しの数が無限大かこの方は笑笑。
コロンビーヌ役の生徒さんの表現達者な持ち味にも拍手です!
それからナウさん名物キャラクターダンスが毎回楽しみで、ライモンダマズルカやチロリアン風な(多分)ダンスまで!
開演から終演まで、小さなお子さんの観客も親御さんと一緒に幸せそうに鑑賞している姿も毎回心和む光景です。
バレエを習うだけでなく未来の観客育成につながれば!


Ballet Studio Planè バレエスタジオプラネ第36回発表会『ジゼル』『コッペリア』他 8月21日(日)《福島県白河市》
昨年に続き今年も行けました、白河!昨年と同じ千駒酒造さんを見学、同じ方が担当者でいらしたので来た経緯をあれやこれや打ち明けたら喜んでくださり一安心。
今年はとら食堂へ観光案内所レンタル自転車で、税務署まで出ればほぼ1本道のため分かりやすいのです。焼豚ワンタン麺、スープ1口目から幸福でございました。
このままではラーメンの話で終わりそうなのであとは割愛笑。
ジゼル2幕は静かな悲しみ纏うウィリー達のコールド、引き込まれました。
そして渡邊さんアルブレヒトとお姉様がミルタで共演!君臨力がある女王様でお見事!ご兄弟に似ていらっしゃり、美女美男姉弟でございました。
渡邊ご兄弟と中島さんの並びを観ていたら、峻郁さんが愛する弟&中島さんに振り付けたあの幻になりつつある作品、公演でのご披露お待ち申し上げます。


エンドウ・バレエ発表会  8月27日(土)《東京都立川市》
何を踊られるのか分からぬまま想像しつつ、これぞ立川記念(競輪ではない汗)、いざ立川へ。
遠藤さん指導のスタジオなだけあってジュニアのコンテンポラリーも面白い。
渡邊さんが何と白鳥トロワにご登場。プリンシパルに昇格された今は目にする機会はなく、爽やかな宮廷が立川に現れましたとさ。
人生初バレエ鑑賞時のABT来日公演白鳥において、トロワしか印象に残っていなかった当時を思い出し懐かしくもなりました。
白鳥3幕では王子、椅子に座ったり佇んでいるだけでも、雅やかでした。


板東ゆう子ジュニアバレエ第5回サマーバレエコンサート  8月28日(日)《愛媛県西条市》
さあ8月最後、2022夏の最後は愛媛。God save the Queen(水兵さんたちのあの作品)、海に近く、関西人の出入りの多いスタジオにぴったり。
船長は山本さん~。そんなわけで、私も港に泊まろうと宿泊は今治港隣の宿へ。
夏の締めくくりとして鯛の華コースを味わいました。来島海峡の鯛、むっちり美味しい!!
そして偶然にもこの日の夕食後は24時間テレビのマラソンゴール時間。私も夏の鑑賞マラソンが終わり、部屋で一緒にサライ歌いましたとさ。
職場も例のアレ関連でバタバタバタと次々人が休み、ただでさえ夏は繁忙期なのだが業務も全体が遅れ、1人でウン人分こなすなど
(もう遅れてもしょうがない、一番大変なのはかかってしまった方々本人なのだからと皆で共有)
なぜだか私は元気にずっと過ごしてきたわけですが、残っている皆さん休日はゆっくり身体休めてください通達もありましたが
私しゃこのスケジュール笑。業務の都合上在宅勤務が不可能なためとにかく体調崩さないようにしなければと気を張っていたので
最後はバタンキュー、にも全くならず、晴れ晴れと秋を迎えました。いざ、9月!!


小林紀子バレエシアター アシュトン・マクミランプログラム9月3日(土)
スケートで遊ぶ紳士淑女を描いたレ・パティヌールは涼やかな品があり、フォーシーズンズは古典的かと思いきや衣装や背景は随分とモダン。
顕微鏡、ジンベエザメ等、美術衣装は色々ご意見あり。


牧阿佐美バレヱ団『飛鳥』9月4日(日)
映像が予想以上に鮮やかで変な違和感なし。天空から飛び込むような錯覚を起こす演出もなかなか良かった。
生駒など馴染みある地名もあって親しみも湧いた作品です。


K BALLET STUDIO (Kバレエスタジオ)36th Concert  9月18日(日)《大阪府吹田市》
観に行き始めて今年で15年のスタジオ。修学旅行以外、縁もゆかりもなかった大阪への扉を本格的に開けてくださったスタジオでもあります。感謝!
まさかの、本島さん細田さん福岡さんによる海と真珠が実現。格調高いトロワでやした。
久留美先生版アラジン宝石はクラシカルな趣きで、細田さんや山本さんの品性香る美しさも堪能。
福田紘也さん振付死神の大和市初演以来の再演も嬉しく、シャープでスタイリッシュな本島さん死神の凄みを満喫!
通天閣にオープンした滑り台アトラクションも体験、大阪在住者からもびっくりな反応いただきました笑。


スターダンサーズ・バレエ団   The Concert  スコッチ・シンフォニー/牧神の午後/コンサート(国内バレエ団による初演) 9月23日(金)
コンサート、待っていました!厳格な決まりごとを守るからこそぎりぎりの部分で生じるおかしさに笑いそして唸らせました。
作品をよりくっきりと見せる林田さんの大胆な振る舞いや渡辺さんのずっこけぶりも拍手。


映画『新章パリ・オペラ座 特別なシーズンの始まり』
日頃お世話になって方よりおすすめと聞き、鑑賞。練習再開以降を記録し、葛藤や不安も赤裸々に語るダンサーの声とリハーサルや舞台映像ともに豊富でした。
オレリ・デュポン、このときはまだ監督だったのよねえ。


COCON de Ballet.Arts(ココンドバレエアーツ)発表会  9月25日(日)《大阪市淀川区》
岸本繭子さんが大阪で主宰され、このたび名称が変わり、クラス編成も増え、またホームページもでき、再始動。
岸本さんと山本さんのコンテンポラリーのロミジュリが情感溢れる美しさ。
パキータには木下嘉人さん客演。クールされど熱いリュシアンで、来場叶わなかった木下さんファンの方の分も凝視!
この舞台の件がきっかけで接点ができ、帰京後には新国立劇場で対面!嬉しうございました。(半獣神のときはお互い揃ってウハウハ笑)


Kバレエ  オプト  プティ・コレクション  K-BALLET OPTO  Petit Petit Petit  10月1日(土)夜
KAATの舞台機構を生かした大掛かりコンテンポラリー3作品、どれも面白かったが、ゆがんだ真珠と小さな家はまた観たい。
フロールートでも感じたが、どうやら私は飯島さんが踊るコンテンポラリーが好みらしい。
帰りは中華街で紹興酒と麻婆炒飯!!炒飯大好き。


【人生3度目】アーキタンツにてレッスン受講
今回は初級Ⅱクラス。レベルフリーに比較するとシンプルな振りが多く、また雰囲気も一層和やか。以前よりも格段にリラックスして受講いたしました。
どのレッスンでも言えることなのですが、全体への言葉のかけ方がとても優しく、変な恐怖心を持たずに受講できるように渡邊さんはいつも組み立ててくださっています。


バレエシャンブルウエスト『眠れる森の美女』10月9日(日)《東京都八王子市》
ウエストモーランド版を基盤にした品のある演出。プロローグカヴァリエ達が白地に色違いの模様入りで、王宮戦隊ロクレンジャーに見えたのはご愛嬌。
柴田さんが登場の壇上アラベスクから魅せるオーロラ姫、主役公演鑑賞でき幸せな夢心地でした。


東京バレエ団「ラ・バヤデール」10月15日(土)
秋山さんの、クリアなテクニックと秘めた意志の強さが光るニキヤに見入り、修羅場に驚いたのか前代未聞花籠のソロ中にまさかの蛇ぶっ飛び事件も勃発しましたが
マグダヴェヤの機転と即座の台本執筆により無事進行。(この日のMVPでしょう)


清泉女子大学ラファエラアカデミア  2022年度秋期バレエへの招待
くるみ割り人形について学ぶ後期。原作や各版の違い、そもそもクリスマスとは何ぞやな基礎知識から(キリスト教系の大学なだけある)学んでおります。
来年1月にあと1回あり、心待ちにしているところです。地下のカフェのケーキやコーヒー、ピザがお手頃価格なのに美味しくて気に入っております。


新国立劇場バレエ団『ジゼル』10月21日(金)〜10月30日(日)   計8回
少数派でしょうがセルゲイエフ版も好きでしたが、新演出もなかなか良い。衣装装置が細やかなデザインになり、家の屋根や煙突も立派な作りに。
渡邊さんアルブレヒト、2日間のうち23日のほうが私は好みで、かなりの傲慢でちょこっと意地悪で
決してジゼルを褒めちぎったりおだてたりもせず愛想も特別良いわけではないのに自然と惹かれてしまう青年でございました。
一歩間違えれば憎らしい役に思えてしまうところを、ジゼルからしたら何もかもがときめきに映る魅力に変えられたのは、
渡邊さんの徹底した造形力があったからこそと思います。遊び人アルブレヒトは何人も観てきましたが、今回は衝撃のアルブレヒト像でした。
ボンボンであっても胆力ありそうな逞しい佇まいも、ジゼルからしたら頼もしく思えたのかと見て取れます。背中に隠して守ってくれそうです。
そして全5組、ヒラリオンも含めて皆違うアプローチで興味津々!木下ヒラリオンの翳りある男前青年でジゼルの手首を優しく持つところも強烈印象でした。
んで、月はいつ消えたーーー笑???


DaBYパフォーミングアーツ・セレクション2022 in Tokyo 11月1日(火)
吉祥寺シアターの間近な距離で酒井はなさんによる瀕死の白鳥がとてもユーモア一杯。まずはきっちりと踊った後、
そもそも何で瀕死になったのか台詞と踊りで解剖する後半、チャーミングでした!


DAIFUKU à la carte  11月2日(水)
ダイフクが板橋区に上陸!Homeは360度空間な横浜と大劇場な大阪で観ているが、小さな板橋区のホールでも健在!
LOVEおっさんずは意見は色々あった模様ですが、サラリーマンの哀愁を上手く舞踊化していると私は捉えております。
Kバレエカンパニーがバレエジェンツなら、新国立はバレエリーマン、ぴったりでしょう。
次回上演時は是非ご出演いただきたい方が約1名いまーす。菅野さんと共演されての経理主任など、ぴったりでは!?!?


第48回現代バレエ合同公演  11月3日(木)《千葉市中央区》
新国立から池田さん渡邊さんがパキータにゲスト出演。渡邊さんリュシアン、宝塚風な前髪で何をどうしたらこうなった笑、将校らしさは金白軍服をお召しになっていた昨年の白河市での舞台が断トツでしたが、今回は麗しいリュシアンであった。
念願のチーバくん物産館にも訪問!!


モンテカルロ・バレエ団『じゃじゃ馬馴らし』 11月11日(金)
ショスタコーヴィチの音楽やスタイリッシュな衣装と装置、振付もダンサーの技量全てがお洒落にマッチ!!


牧阿佐美バレヱ団『ダンス ヴァンドゥ』 11月12日(土)
誕生日の贈り物が優雅で丁寧に作り上げた幸福感でいっぱい。序盤のワルツから浮き浮きとしてしまったほど。
芥川也寸志作曲のトリプティーク、哀愁帯びた重厚で歯切れ良い曲調が好みで、生で聴けて嬉しい。
グラズノフ、ビゼー、芥川也寸志、グノーなど音楽も聴きごたえあり、アビアントは全幕よりパドドゥ抜粋が良い笑。


ステージバレエアカデミーにて江藤勝己さんによるバレエセミナー『くるみ割り人形』
10月のアーキタンツレッスンにて江藤さんの伴奏や選曲について書いたところご連絡が入り、まさかの有酸素運動から座学講座へ繋がるとはびっくりぽん(古い)
くるみの音楽構造を分析し、雪の合唱も初めて挑戦!音痴には難しい笑、でも楽しく気分すっきり。
江藤さんのスタジオ生徒さんに当ブログ愛読者の方がいらっしゃり、アーキ日記の内容を伝えてくださったそうです。ありがとうございます涙。
当ブログなんて、読み続けるのはさぞかし忍耐力要りますのに、12月の講座でご本人とも対面でき感激でした。


新国立劇場バレエ団『春の祭典』『半獣神の午後』 11月25日(金)~27日(日)
半獣神はBキャスト渡邊さんのキャッツアイ風な紫マンと木下さんの南ちゃん風な赤新体操コンビの妖しい亜熱帯な絡みが色気ムンムン。出番がああ短過ぎた涙
こういうもの、もっと観たいものです!!


【 ワールド・バレエ・デー 2022】オーストラリア・バレエのクラスレッスン
巷ではロイヤルやパリオペラ座に注目が集まっていたようですが、私はオーストラリアのレッスンを一番心地良く視聴。
明るい開放感のある空間で間隔を広く空けた、区画整理された並び方や有名どころのバレエ音楽多く、
センターではヴァリエーション曲メドレーも聴いていて楽しく、好みでした。芸術監督ホールバーグさん自ら指導しお手本もしっかり、お声も聞き取りやすく
ついていけないのは目に見えておりますが(1億年早いでー)私も受けてみたくなりました笑。


アーティゾン美術館 パリ・オペラ座  響き合う芸術の殿堂
バレエのみならず、ガルニエの設計図や構想図、オペラの舞台美術絵も多数。
勿論、タリオーニのポワントやファニー・エルスラーらの絵、ディアギレフの私物もじっくり鑑賞。


ステージバレエアカデミーにて江藤勝己さんによるバレエセミナー  チャイコフスキーの三大バレエ
三大バレエを総括した内容で、特に白鳥の湖における振付の逸話が驚きの連続でした!


NBAバレエ団『眠れる森の美女』 12月17日(土)昼《埼玉県所沢市》
眠り全幕上演はバレエ団としては初めてとのこと。振付助手に2人の団員を起用し、
特に岩田さんが手掛けた森の場でのオーロラ姫とデジレ王子の心が近づいていくパドドゥが自然な説得力。
オーロラ姫の野久保さんがまろやかな愛らしさと高い技術を示しプリンシパル昇格も納得です!


清水純子バレエアカデミー  クリスマスパフォーマンス   12月18日(日)
我が愛する後輩が無事にオデットのヴァリエーション披露。とにかくお客さんの前で踊れたのが喜びです。
全幕を観ている気持ちにさせ、皮肉屋な私の心を清らかさで満たしてくれました。
バレエは誰がどう見ても上級者で、見た目も中身も美しいながら、謙虚さの塊な性格である後輩。調子に乗りやすい私の性格を分配したいくらいです笑。
オデットの衣装なんてなかなか似合う人はおらず、憧れはするが私が着たら白鳥ではなく雪達磨になる汗。ズンドコドッスン!


ウクライナ国立バレエ(旧キエフ・バレエ)『ドン・キホーテ』 12月26日(月)
スハルコフさんが大柄な身体を抜群のコントロール力で陽気な面から格式ある結婚式まで品良くバジルをご披露。観に行って良かった!
全体の人数は少なめであったが全員が全身から屈託ない明るさを発している姿に、ドンキを持ってきたのは正解と思う夜でした。
束の間ですが公演関係者の皆様、日本公演をどうか楽しんでくださいますように。


川上恵子バレエスクール発表会 12月28日(水)《大阪府吹田市》
年末恒例の大阪へ。深川さん版シンデレラ『ガラスの靴』は1幕物でも内容展開が工夫され、照明や星空の美にも感嘆。
板東さんと山本さんのコンテンポラリーロミジュリの初心な面と大人な情感双方が含まれ、3年前の愛媛に続き感激でした。


新国立劇場バレエ団『くるみ割り人形』2022  ※ひとまずクリスマス2日間   年末年始も上演
とりあえず2日間3回鑑賞。今年もこのあと大晦日公演に行きます。6年連続、観る側も慣れてきたものの振付特にリフトは(以下略)。
今年もイブに渡邊ご兄弟のダイナミック対決を目にでき興奮な夜でございました!
渡邊(峻)さんの軍服も凛々しいことよー(心臓印)。大晦日も行くでーーーー笑!!!!



以上、2022年の総括を終わります。大埋没高脂肪な当ブログをお読みいただいた皆様への感謝は尽きません。本当にありがとうございました。
長くなりましたので、また当ブログは来年3月末に開設10年を迎えますのでまどろっこしいようわからん挨拶はそのときにでも行いたいと思っております。
皆様どうぞ良いお年をお迎えください。

2022年12月31日  アンデオールバレエ日和管理人

2022年12月29日木曜日

踊り手と照明でお洒落に見せる深川さんの美意識 川上恵子バレエスクール発表会  12月28日(水)大阪府吹田市





12月28日(水)、大阪府吹田市にて川上恵子バレエスクール発表会を観て参りました。
2014年から観に行き始めて恐らくは7回目の鑑賞。年末恒例行事でございます。
http://www.kawakami-ballet.com/

今回もバレエ・コンサートから幕物まで盛りだくさんな構成でしたが、まずコンサートで印象に刻まれたのは 板東ゆう子さんと山本隆之さんによるConfidence。
ロミオとジュリエットのバルコニーコンテンポラリー版で佐藤美由紀さんによる振付です。2019年に愛媛県で披露されたときも鑑賞しておりますが
白いシャツや白いワンピースでシンプルな衣装で踊られ、大人な風情もあればふとした瞬間には初心な少年少女に見え、
両側面を見せてくださったのは熟練者なお2人だからこそでしょう。
子供達の作品もどれも可愛らしく、中でもオッフェンバックの『パリの喜び』序曲を使った子猫の踊りはショーダンスのような華やかさに映りました。

第2部は子供の生徒さん達中心の『アラジン』。1時間程度に纏められ、アラジンとジャスミンが試練を乗り越え結ばれるまでを見せ場豊富にして展開されていきました。
まず好感を持ったのはアラジンの描き方。女子生徒さんが務めていたのですが、いかにもやんちゃで無鉄砲な男の子な面を出し過ぎず
あくまで心優しい、ジャスミンにあたたかく気持ちを寄せる品のある少年として描いていたこと。
また格好も白シャツにベスト、白タイツに膝丈パンツで頭はシニヨンのまま。話の展開や行動からしてアラジンに十分見えますから
変にコスプレさせるようなことをせずあくまで生徒さんのナチュラルな美しさが引き出されるような恰好であったのです。
年頃の生徒さんに異なる性別の役を当てるとき細かな配慮が必要と私は経験者(男側をやった立場)として毎度思うわけでございます。

ジャスミンはコバルトブルーのエキゾチックな装いで麗しく、街の人などはバヤデールでも目にしそうな華やぐ東洋風の衣装で
まあこの際インドでもアラビアンナイトでも作品の雰囲気や生徒さん達に似合っていれば(これ大事)宜しいでしょう。
他は宝石始め概ねクラシックな衣装路線でアラジンのお供アブー(猿)も茶色いふわふわなお耳とチュチュ。 色とりどりな世界が広がり、
内田卓さんの奇怪なカラボス風のジャファー、顔を青塗りしたアンドレイ・クードリャさんのジーニーとゲスト陣が強烈個性な役でサポート。
そして閉じ込められたお城に斜め上から射し込む光の美しさも目を惹き、(照明の上質な点についてはガラスの靴でも同様に感嘆)
装置はそう多くはなくてもすっと話の中に引き込まれる効果大でした。
音楽はバロック系もあればディズニーの同名作品の音楽もあったかと思いますが、どれもそれぞれの場面に溶け込んでいた印象です。

第3部は深川秀夫さん振付『ガラスの靴』。『シンデレラ』全編を所々カットしつつ、
時には2つの場面を1曲で見せつつ約1時間の1幕に纏め、シンプルながらお洒落な世界観を満喫いたしました。
序曲が鳴り響く中で幕が開くと寂しそうにするシンデレラと既に仙女の姿もあり清らかなシンデレラを仙女はずっと見守ってきた経緯を示唆する幕開けです。

3役とも女性が演じながら継母と義理の姉妹の描き方も行き届いていると思わせ、時々他の団でも見かける女性同士であると生じる痛々しさ、惨さが控えめであったこと。
余計な身体のぶつけやシンデレラへの辛辣な接し方よりも、3人でガヤガヤと歯切れ良く踊るほうに重きを置いていたと見て取れました。
その代わり3人とも、継母含めて踊る箇所やハードテクニックは多し。されど継母の宅和千恵子さんから覗くすっきりとしたラインや
義理の姉妹の平林万里さん板東さんのすぱすぱっと切れ味鋭い踊りっぷりが痛快でそうこうするうち瞬く間に四季の場に移ったのでした。

春夏秋冬は各々ソロがあり、皆膝丈のふわっとした、切込みがふんだんに入ったデザインで
(深川さんはこの系統のふわふわな切込みデザインがお好みだったのかもしれません。オーロラの結婚やくるみ割り人形でも目にした記憶あり)
ふわりと靡くさまがまさに妖精。コールドの妖精たちも大忙しで、四季の精のソロのたびに斜め2列や全体を見渡す半円形まで隊列を変えて踊る目まぐるしさで
装置が少ない分、踊り手そのものであらゆる場の空気を表出させるのは難しいと思うものの川上バレエの皆さん、お見事でした。

全幕を1時間に纏めますからカットをいかにしていくのか注目しておりましたが、面白かったのは四季の精達のフィナーレのワルツの前半に
シンデレラの出発、後半にはパーティーの客人やシャンデリアの装置も現れてお城の大広間に変化。やがて継母や姉妹、王子の友人も登場し
1曲の中への回収に成功していました。これなら短縮しても違和感なし。

王子の友人も活躍で、シンデレラと王子のパ・ド・ドゥを見届けシンデレラのヴァリエーションの最後にリフトして王子にぱっとアピールしたり
オレンジ大使も不在のため代わりに友人が軽快に踊って場を繋げ頑張る活躍。靴の持ち主探しでも昨今では珍しい東洋への旅も描かれ、
王子と友人の3人で騎乗して駆ける振付で走り回って旅路を行く描写でした。 旅路はスペインとなぜかエチオピアで、但し時短対策のためスペインの曲に両国を盛り込んで終了。
思えばスペインの曲、長めですから2国分含ませても案外丁度良いと思えたものです。

最後も工夫がなされ、シンデレラが靴の持ち主と分かると王子がそっと三角巾を頭から外してあげる仕草を見せ、シンデレラの顔をじっくり確認。
時間の関係上シンデレラは着替えずそのまま結婚式かと思いきや、王子がティアラを、仙女が持ってきたマントを装着させて
マントをくるっと回してシンデレラの身体を包み、戴冠式に臨むかのような風貌に変身し、妖精達や継母や姉妹、スペインやエチオピアの人々も集合して結婚を祝し、幕が下りました。
紫がかった照明や両脇からオーロラのように帯びた光が彩る優美に瞬く星空の効果も絶大で、先述の通り豪華な装置は無くても、
踊り手の存在や照明技術でおとぎ話の夢物語な世界観をお洒落にぐっと後押し。深川さんの美意識に再度参った次第です。

発表会のフィナーレは恒例レハール作曲のメリー・ウィドウのワルツ。川上バレエで聴くと、曲も好印象に変わるものです。
今年の師走も聴けて良かったと安堵すらする、浪速の第九でございます。川上先生は相変わらずの黒いスタイリッシュな服装がお似合いでいらっしゃいました。
2022年の遠征はこれにて終了。年末は大阪に来て、川上バレエで深川作品を観てフィナーレでメリーウィドウのワルツを聴いてからでないと年越しできぬ身体になってしまいました。
来年もまた心待ちにしております。




初めて梅田スカイビルへ。高所好意症、あべのハルカス屋上ヘリポートにも今秋に行きましたので思ったほどのインパクトは薄めながら、晴天に恵まれ満足!



ユニークな形のスカイウォーク。



腰掛け気持ち良い窓辺。伊丹空港に着陸する飛行機もよく見えました。



千葉県浦安市の夢の国スペースマウンテン彷彿なエスカレーター。



昼は阪急百貨店13階にある、本店をヴェローナに構えるイタリアンへ。生ハムが華やぐサラダに平日正午前から白ワイン。



メインはパッパルデッレ備中高原鶏ブランラグーソースヴェネト風(覚えられん笑)
クリームとチーズのバランスが良くしつこすぎず、
ワインが進みました。パスタのもっちり具合やソースのなじみ具合も丸。



おかわり自由フォカッチャ。ほのかな甘味がある香ばしさです。勿論おかわりいたしました。



食後はエスプレッソ



ミッフィーちゃん、お好み焼きやたこ焼き味わう⁈阪急電車。来年は卯年です。
吹田へ向かう電車は乗り換え時、お世話になっている素敵親子なお2人に遭遇。
お嬢様は愛媛で可愛らしいピュアなジゼルヴァリエーションが記憶に新しく、舞台からのみならず直接会っても心に癒しを与えてくださる外見中身ともに魅力溢れる女性で見習いたい。
お母様は私の今年の三大事件の一つでしょう、ズンドコドッスンイン東京を心配し⁈励ましてくださっています笑。



帰りは梅田のお好み焼き屋さん、ゆかりへ。出身も育ちも住まいも生まれてから変わらず東京な私が
バレエの素敵な縁あって大阪訪問回数は80回は超えたかもしれません。初回のみ、バレエ以外の用事でした。
(高校の修学旅行、道頓堀の川の色に同級生らとびっくりした記憶ございます笑)



ミックス焼。豚バラ、イカ、むきえび入りです。えびもたくさん入っていて断面から赤色が覗き、嬉しくなります。豚バラのカリッとした焼き加減も好み。
2022年遠征グルメの締め括りに相応しい一品でした。
さらば大阪また来年!そして山本さん、2月は初台でお待ち申し上げます。次こそはと願いも込めて、「生」で乾杯!!

2022年12月27日火曜日

スハルコフさんのバジル   ウクライナ国立バレエ(旧キエフ・バレエ)『ドン・キホーテ』 12月26日(月)




12月26日(月)、ウクライナ国立バレエ団(旧キエフ・バレエ団)『ドン・キホーテ』を観て参りました。
 https://www.koransha.com/ballet/ukraine_ballet/  

キトリ:オリガ・ゴリッツァ
バジル:ニキータ・スハルコフ



年末月曜日の夕方5時開演でしたがニキータ・スハルコフさんのバジル観たさに早退して行って参りました。大正解!
ゴリッツァのキトリは大人びた色気とお茶目な可愛らしさ兼備のチャーミングなキトリで
上は黒、半袖部分は網網でスカートは段々状の赤、といった明快な色合わせでもそうだ私はこのオーソドックスな色味が好みであると再確認させるほど
きびきびとした踊りや豊かな表情、1幕ソロでの空気を裂くようなシャープな姿も目に刻まれました。

そして最大のお目当てスハルコフのバジルは、四コマ漫画、時には重厚な古き良き装丁の文芸作品かと変化に富んだ青年で、「笑撃」が止まらず。
私にとっては数少ない海外の男性ダンサーの中で(国内も同様か汗)3本指に入るダンサーで(但し国内の東西のお2方と異なりときめきはしないのだが)
夏のキエフバレエガラではアフタートークまで聞いてきたわけですが、そのときの生真面目風味な語り口と表情からは到底想像がつかぬ
お茶目な雰囲気や、大柄な身体であってもアレグロであれアダージョであれコントロール力が自在である点、
キトリと一緒に小ジャンプのときも身をちょこっとすくめてすぐさま同じ距離感で跳んだりと調和し、驚倒仰天の連続でございました。
また夏のガラにおけるソロルやアクティオンでも感じましたが、超絶技巧系統の振付や役柄であっても品格は維持しつつ(これ大事!)様々な楽しい膨らましを見せてくださって大感激。
中でもキトリ友人とのトロワでは、通常とはやや異なる、序盤は左右に大ジャンプをしてから背中を反らせるランベルセに入る流れであって
音からはみ出ず切り替えも実に巧み。勢い任せに見得を切りがちな最後のポーズではやんわりと優雅に手を掲げてあっと驚かせ
実にエレガントな締め括り。あくまで品良く見せて客席をどっと沸かせる術に驚嘆でございました。
今夏の亀有における田北志のぶさん指導のオープンクラス発表会に特別出演されたときのウィンナワルツもお洒落で素敵でしたが
(加えてシルヴィアの曲にのせたフィナーレの回転の並びと言ったら盆と有休同時到来な歓喜であったのがもう4ヶ月も前か)
全幕バジルの剽軽な面から格式ある結婚式まで、品性を保ちつつあらゆる色を示して展開していく全幕でのお姿を目にできたのは大きな喜びです。

本拠地が今もなお痛ましい状況が続く事情から来日出演者人数は最小限にとどまっていたと思われ、1幕は街の人々兼セギリディリアは男女8組のみ。
売り子もおらず、ロレンツォの宿屋の食堂?も飲み物のみで東京文化会館大ホールの広さでは物寂しいかと思いきや序盤で打ち消され
とにかく1人1人の人間力の振り幅の大きさが爽快なバルセロナの活気を盛り立てていた気がいたします。
酒場の場面もひっそりとした重厚な空間ではなく、海が見渡せるオープンテラスにテーブル1台で駆け落ちには不向きとは思ったのも束の間。
キトリの色っぽさ振りまく扇子仰ぎやワイン飲み過ぎバジルを始め、闘牛士達もわいわい賑やかに盛り上げ係を担っていて
店員がいなくても、飲み物のみで生ハムもパンも果物も無くても、きっとセルフサービスの店で(人件費抑制のため最近増えておりますが汗)
皆で愉快な時間を過ごしているのであろうと想像。店主もおらず、狂言自殺の罠には待ったロレンツォを誰が慰めるのかと思ったら
エスパーダがなだめ係を担い、しかも音楽の拍子に合わせてロレンツォのグラスにワインを注いで乾杯したりと僅かな間であっても息を合わせて踊っているようにも見え
そしてロレンツォはキトリとバジルを両肩に抱き寄せ前に進み出たところで幕が下りる、それはそれはほっこりとする幕切れから結婚式へと繋ぎました。
実のところ、全幕をオーケストラ帯同で持ってきてくださるとはいえウクライナ国立バレエの『ドン・キホーテ』上演は当初はそこまで気乗りしなかったものの
祖国や故郷、本拠地の苦しい厳しい状況を思わせぬ、全身で屈託なく笑い踊るダンサー達を観ているとドンキを持ってきたのは正解だったのかもしれないと思う夜でした。

管弦楽団の演奏を聴けたことも喜ばしく、キトリの1幕ソロでは聴き慣れたものよりも更にカスタネットの台数が増加したようにも感じられ、
ピットの中で複数頭のラッコが一斉に貝を割って食事しているのかと思ったほど。
カチカチと複雑な音色を奏でていた気がしてならず、面白味が詰まった演奏を聴けた良き体験でした。

3幕はロレンツォ達が登場せずあら寂しいと思ったら、フィナーレではロレンツォやガマーシュも森の女王もキューピッドも皆でお祝いに駆けつけ、晴れやかに終了。
1階席はほぼ総立ちで、出演者と観客がずっと会話を交わしているが如くカーテンコールも鳴り止まず。困難な状況下、来日にただただ感謝ばかりが込み上げてきます。
  戦争が終結し、平和な国ウクライナに戻って欲しいと願ってやまず。全幕を持ってオーケストラ帯同で大変な最中に来日くださった喜びを胸に劇場をあとにいたしました。




美しいパネル。青や透き通る緑を基調にした夢の場の涼やかさも満喫。



CHINTAIのマスコット、チンタイガー。寅年の今年も間も無く終わり。
夢中に撮影していたら、あらゆる団の鑑賞に足を運ばれている関東各地の劇場で遭遇率1位なお方に見つかった笑。
今年もありがとうございました。



帰りに立ち寄り、ボルシチ。寒い夜に嬉しい、好物です。



何度か飲んでいる、ワイン使用ジャム入り紅茶もほっとする甘さです。
バレエ団の歴史についても詳しく書かれたプログラムで、まだ鑑賞歴の浅い管理人はタヤキナやスモルガチョワ、
ヤレメンコやクシネリョーワあたりからしか知らず。じっくり学びたいと思います。

2022年12月26日月曜日

【速報でもないが】新国立劇場バレエ団『くるみ割り人形』2022クリスマス2日間






12月24日(土)と25日(日)、新国立劇場バレエ団『くるみ割り人形』を3回観て参りました。このあと年末年始も公演は続きます。
https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/nutcracker/

相変わらず頭の回転が宜しくありませんので、引き続き年明けまで複数回鑑賞いたしますのでペアごとの印象に絞りひとまず大まかな内容のみ綴って参ります。
既に回毎の感想を詳しく掲載してくださっている頭脳明晰な方もいらっしゃいますので、詳細が気になる方は検索の上、そちらをご覧ください。
あみんの代表曲以上に(お若い世代の皆様、ご自身でお調べください)待機力に自信のある方は、年明け後の連休あたりになるであろう当ブログの総まとめをお待ちください。

2017年のバレエ団初演以来6年連続の上演で振付や演出に関しては申したい事柄を並べ始めると、もういくつ寝なくてもお正月な状態になりかねませんので割愛。
小野絢子さん福岡雄大さん組は高難度なパ・ド・ドゥも滑らかで、特に福岡さんの体力はご年齢を考えると超人級かと思わす舞台姿です。
小野さんはクララの眼前に現れたくるみ割り人形に対する怯えから人形が甥っ子へと変貌した後の徐々に目覚めていく恋の昂りを段階を丁寧に辿りながら表現。
上階の隅々まで行き渡る視線に毎度惚れ惚れしておりますが、リフトされぐるりと回される遠心力真っ只中であっても目が合った気がしてしまったほどです。
柴山紗帆さん速水渉悟さん組は、柴山さんが前回の初挑戦経験を生かしパドドゥの最中も何があっても動じなさそうなくらいに終始溌剌と頼もしくリード。
王子初役の速水さんは無駄に難しいリフト等も変に冒険せずどうにか安全第一に乗り切り、まずは一安心です。

木村優里さん渡邊峻郁さん組は、木村さんが憧れを募らす少女クララがぐっと色めいていく過程を色濃く描画し
渡邊峻郁さんは凛々しい軍服青年もシャンパンゴールド上着もサマになり力強い張りが増した踊りも目に福が舞い込んでおりました。
弟君の渡邊拓朗さんねずみの王様との兄弟ダイナミックバトルも昨年に続き再実現し、興奮クリスマスイブ2022でございます。

今回から雪の合唱団がバルコニー側に復帰し、マスク着用で苦しいでしょうに客席に向かって温もり広がる歌声を届けてくださっています。
また私のみであろう、1幕にてパーティー場面に移り変わり、ツリーの下に置かれた羊滑車の位置や角度確認。正面に近い向きのときもあれば
大砲の中を覗いている状態のときもあり、グッズ化されたら直ちに購入へ走るに違いないと初演時から考えており、つい注目してしまう小道具です。

まだ公演は年末年始と続きますので、また私は大晦日までの間に西への移動もあり、全日程終了いたしましたら纏めて書いて参ります。




夜に映えます。



ホワイエツリー近くにて。



マエストロへ、24日25日に行きました。ひとまず24日分。シュタルバウム家の気分で乾杯。



クリスマスカラーな前菜。



ホワイトソースのペンネに白ワインが進みます。

2022年12月22日木曜日

唐木田の集会所でアットホームな会  清水純子バレエアカデミー  クリスマスパフォーマンス   12月18日(日)






12月18日(日)、小田急多摩線唐木田駅近くのヒルサイドタウン鶴牧6団地 集会所内にて開催された
清水純子バレエアカデミークリスマスパフォーマンスを観て参りました。清水バレエさんの舞台は夏の発表会に続き今年は2度目の鑑賞です。
http://shimizu-sumiko-ballet.jp/

こちらの集会所は唐木田支部の練習場としても長年使用されているとのことですが、広いとは聞いていたものの行って入って大驚愕。
団地の集会所とは到底思えぬ面積の広さと天井の高さに仰天し、東大阪市に位置する、関西地域でのオーディションや照明合わせでも度々利用されている
ガレージアートスペースさんのスタジオに外観が似ていた気がいたします。

プログラムは13本。清水先生が司会を務められ、ヴァリエーションを中心にパ・ド・ドゥや少人数グループでの踊りもあり、幼児さんから大人まで年齢層も幅広く
上演時間は1時間弱。出演者の皆様から観客の前で踊る嬉しさ楽しさが伝わるパフォーマンスでした。
中でも、当ブログレギュラーの我が愛する後輩が披露したオデットのヴァリエーションの完成度の高いことよ。
持ち前の長い手脚を生かした優雅で品格ある踊りに魅せられるだけでなく、同じパや腕運びの繰り返しが多めでこれといった派手な部分もなく
勢い任せでは誤魔化せぬ振付であっても、腕も脚も1つ1つの軌跡が余裕ある美しい弧を描いていて、直線的にならぬ点にも見惚れました。
更には私が抜粋物で最たる重要視ポイントである「全幕を観ている気分になるか」、これも難なくクリア。
唐木田の集会所がドイツの森の湖畔に見え、柔らか且つ張りのある背中の向こうには彼女を慕う白鳥の侍女達、そしてオデットに恋い焦がれる王子がいるとしか思えぬ
王女の気品と大勢の者たちを率いる風格が備わったオデットでございました。

オデットのヴァリエーションと言えば、私の中で刷り込まれているインタビュー記事があり、1989年の森下洋子さんのお話。オデットほど難しいヴァリエーションはないと断言され
気軽に観てはならない踊りなのであろう、また踊る人は選ばれし者に限り、余程の人しか踊ってはならない踊りであると解釈していたものです。
昔の記憶を引き摺ったままですので目を一段と光らせて鑑賞に臨んでしまいましたが、皮肉屋な私の感情を清らかな方角へと大きく動かすオデットが唐木田に出現。
恐れ入ったとしか申せません。私の調子に乗りやすい性格を分けたいくらいに、
どれだけ褒めちぎっても謙遜の塊である後輩の努力が実を結んだ本番を、しかも近い場所から鑑賞でき居合わせ幸せ一杯でございます。

また直前になって今年8月の発表会を泣く泣く降板した経緯を思うと、観客前で披露できたことにも安堵。
降板事情を思うと例えば私を始め周囲に八つ当たりしても何らおかしくない状況であっても
私が予定通り発表会を楽しく観に行けるように配慮の連絡をまめにくれたり、本番当日の幕間は我が拙いレポートを読んでは自分が踊ったかのように
仲間達の晴れ舞台を祝す言葉を並べ私に伝えてくれたりと、電子手段であってもこちらが癒されるばかり。
一番辛い心境であったはずなのにその心優しさは何処から来るのか不思議なほど、見た目の美しさのみならず周囲への気配りを忘れぬ人柄を再度見習いたいと思った夏でした。
幼い頃からブランク無くずっと継続している持続力、加えて苦しいときであっても仲間達の幸せを自分の事のように喜べる優しさは簡単には備わらないもの。
先生から信頼され、スタジオの生徒さん達に慕われ、終演後の談笑の様子を見渡すと保護者の皆様からも好かれている自慢の後輩でごさいます。

唯一パ・ド・ドゥを披露されたのは講師の女性の先生と大人の男性の生徒さんによる『ドン・キホーテ』アダージオ。
真紅のキトリと黒バジルの円熟美そして結婚式を迎える晴れ晴れとした幸福を見せてくださいました。
リフトのときは観客からどよめきも上がり、ゲストではなく生徒の男性でこうも盤石なサポート力のある方はきっと稀な存在でしょう。
先生も客席の反応に後押しされたのか、ドンキ終了後に特例で談話開始。高々と安定感のあるリフトはいかにして出来上がるのか
2人のタイミングや呼吸の大切さ等を説明され、近くの観客の男性の方々には、是非チャレンジをと勧めていらっしゃるほどでした。
名サポートでバレエが持つ力強い魅力をも示されたバジルと幸福たっぷりなキトリが作り出す世界であったからこそ、
先生も思わず談話に踏み切られたのでしょう。距離感や客席への語りかけ方が『笑っていいとも』のタモリさんのようでした。

トリはジョコンダより時の踊り。4人で踊られ、曲は軽やかながら振付は過酷そうで細かいステップ盛りだくさん。しかし実に息の合った可愛らしい踊りで、
水色、薄紫、ピンク、ゴールドな色違いチュチュに胸元には斜めにお花が彩られた衣装も皆お似合いでした。

フィナーレはルロイ・アンダーソン作曲の『そり滑り』乗せて全員が次々と登場。トナカイさんなどクリスマスな頭飾りを付け、
疾走感のある曲調に鈴の音も加わった雪景色がすぐさま浮かぶ音楽ですからまさに動く立体型クリスマスカードを眺めているワクワクとした気持ちとなりました。
太古の昔に私もこの曲で勉強会にて踊ったことございますが、当時とは大違いな心和むひとときを満喫です。

出演者や保護者の皆様が準備された布の敷物をたくさん敷いてくださっているところに観客が座り、椅子も数脚用意。
観客の年齢も乳児から人生の大先輩まで幅広く、寛ぎながら楽しみました。
出演者が踊るスペースにはリノリウム?が敷かれ、前に出過ぎないよう、出演者と観客の距離が短くなり過ぎないような面積でしたので一安心。
2017年11月における伝説の東京タワー横のスタジオ事件のような、最前列着席者は出演者に手が届きそうではなく手が届く、(触ってはいません、誤解無きように汗)
理性が蕩けかけるほどの近さではありませんでしたので、唐木田では落ち着いて鑑賞できました。

子供から大人まで、踊るときの移動時は距離感をも意識していて変にはみ出たり行き過ぎたりもせず、日頃からの練習の積み重ねを思わせました。
普段の練習場所としていた幼稚園の一室を利用しての勉強会出演時、ただでさえ狭い部屋に椅子を並べるため更に半分の面積で踊ることになった本番にて
飛距離の計算が当時もできず園長先生の家まで跳んでいきそうになった(飛距離だけは元気の精であった)私のような不出来な者も世の中にはいるのです汗。

クリスマスツリーやタペストリー、手作りの模造紙プログラムも掲示されたアットホームな会で、何より出演者が楽しそうに踊る姿が目の保養。
初上陸した唐木田にて、清水バレエの皆様からの一足早いクリスマスの贈り物を両手にたくさん抱えて帰途についた師走のパフォーマンスでした。
来年2023年は第40回の記念発表会を開催。心待ちにしております。



多摩支部のレッスン場所である団地の集会所、とても集会所とは思えぬ広さ、天井の高さがあります。
パ・ド・ドゥのリフト練習も問題無しな空間です。これで2階建てなら東京都多摩市のガレージアートスペース!



オデットの純白チュチュ、上品な模様が更に後輩の美を引き立てます。膨張色のボリュームあるチュチュ、なかなか着こなせる人はいないでしょう。
腰位置高い我が後輩。身長差は私とさほどないはずが、私より腰は15cmは高いと思われる!しかし謙遜の塊な性格で、見習いたいばかりです。
もし私が彼女のような長い手脚に小さな頭、麗しい容貌に恵まれていたなら、今以上に調子に乗りやすく傲慢この上ない性格になっていたはず。
ズンドコドッスンな姿であるのは寧ろ良かったのかもしれないと近年思う管理人でございます。



お世話になっているバジル役の方へ、クレイジーバジル!喜んで大笑いしてくださいました笑。バジルが決め手、の文言ございます。



終演後、多摩センターへ。大切にしているオデットキティーちゃんを持ってきた後輩。
駅から近いピューロランドのものではないらしい。
キティーちゃんやピンクの服が似合う、それはそれは見るからに優美な雰囲気の後輩です。
プログラムはクリスマスカード型の可愛らしいデザイン。



バジル不在でしたので、国産バジル使用のパスタを注文。後輩は白サングリア、私は白ワインで乾杯。



カマンベールのアヒージョ。ワインもパンも進みます。



ラザニア。後輩はカシスサワーだったか、私は赤ワイン。話も弾みます。



ピンクのケーキも似合う後輩。



後輩へ、スワンベーカリーで色々調達。(一部水族館のお土産もありますが)随分前に購入していたオデットの絵葉書、ようやく出番が来た!

2022年12月20日火曜日

2人の振付助手の手腕発揮   NBAバレエ団『眠れる森の美女』 12月17日(土)昼《埼玉県所沢市》




12月17日(土)昼、NBAバレエ団の新制作『眠れる森の美女』全幕を観て参りました。眠りを全幕で上演するのはNBAとしては初とのことです。
https://nbaballet.org/official/sleeping_beauty/


オーロラ姫:野久保奈央
デジレ王子:刑部星矢
リラの精:浅井杏里
カラボス:古道貴大
王様:三船元維
王妃:吉川風音
カタラビュット:佐藤史哉




振付助手の安西さんと岩田さん。全幕しかも『眠れる森の美女』に携わる緊張や注目ポイント、
久保監督からの高い要求に悩まされた日々、そして助言に救われた出来事も丁寧に語ってくださっています。



野久保さんと勅使河原さん。2人のオーロラ姫が作品の魅力、難しさを睦まじく語ってくださっています。



野久保さんは登場からまろやかな愛らしさですぐさま魅了し、オーロラ姫役のダンサーにありがちなひやりとする緊張が一切見当たらず、軸の強靭ぶりや安定感にも脱帽。
ほのかに頬がバラ色で、にこやかな笑みも零れ踊りは軽やか。花が舞うような空気に満たされた思いでおります。
イメージとしてはダイナミックな踊り方が持ち味と思っておりましたが全身に朗らかな品を行き届かせていて姫に似つかわしい振る舞いも好印象。
溌剌としていても乱雑さは皆無で、中でも結婚式では一層スケール大きく魅せる姿にすっかり見入っておりました。この度のプリンシパル昇格、おめでとうございます!

刑部さんは、通常の狩猟での戯れる場面も鹿仕留めましたの下りバッサリカットされた2幕にて幕が開くと孤独感を募らせなが舞台に出現。
身体のラインや歩き方が綺麗で、唐突な登場であっても妙な違和感もなく森の世界へと観る側も入り込んでいけた気がいたします。
夏に鑑賞したノリノリ且つエレガントな品もある、しかし箒を舞台袖へと放り投げたりと会場を大笑い状態にした
大胆なママっぷりが忘れられない『ラ・フィーユ・マル・ガルデ』シモーヌや
春には小野絢子さんと共演された『ロミオとジュリエット』ロミオまで、幅広い役柄対応型ダンサーでいらっしゃると再確認。
NBAに移籍されて本当に良かったと思います汗。そういえば、ラフィーユでは母と娘の関係であった野久保さんとは
今回は王子と姫。両作品ともに並びがバランス良く感じられたのもまた、お2人の役造形の上手さに参りました。

リラの浅井さんは包容力は勿論のこと、強い背中についていきたくなるリーダー。振付はセルゲイエフ版を踏襲しているのか
プロローグでの登場が何時の間にか中央にいる流れで(セルゲイエフ版やロシア系では定番なのかもしれませんが)
曲調ががらりと変わって高揚するところでの登場こそ望ましいと毎度思うわけですが、半端な登場であっても
舞台中央でお付き達に囲まれながら上体を豊かに使って場を包み込む姿は大輪の花が徐々に開いていくさまそのもの。
カラボスに対しても弱味を塵1つ見せず、跳ね除けるされどやんわりと包むメリハリに富んだ魔法の表現も目を惹きました。
2幕の森の場は他の団に比較すると簡素な趣で大道具も見当たらず、舟もなし。つまり王子とリラは徒歩移動でお城へ向かうのです。
会場最寄りの隣駅の発車や到着音楽からも伝わる、世界に誇るお化け達にゆかりある所沢であるため妖精も王族も歩くの大好きどんどん行こう精神であるのか
リラ王国は経費節減に邁進中で造船予算案が通過しなかったか、事情は分かりかねるものの
時折見掛ける船舶免許必須であろう無駄に大きな舟がなくても(どこの団とは言わないが笑)音楽にも歩み寄るように
やがて待ち受ける運命へと一歩一歩足を踏み入れていく後ろ姿が観る側を舞台の奥へ奥へと引っ張ってくれている効果が生じていると感じさせました。

今回の新制作の大きな特徴がダンサーが2名振付助手として関わったこと。1人は安西健塁さんで、上にて紹介した動画インタビューによれば
最初に手をつけたのがプロローグでのカラボスと手下達の場面であったそうです。
手下達には低い重心を用いず四方八方に俊敏に飛び交う怪しくもスタイリッシュな黒集団として斬り込ませ、興奮を刺激し斬新に映る展開に見て取れました。
古道さんのカラボスがまたざくざくと妖艶に踊り、長い裾のドレスであるとは思わせぬ颯爽機敏な身動きにも仰天。
視線の使い方も巧みで流し目からの凝視は上階に腰掛けた私までもが仰け反りそうになる迫力を帯びていて、王様王妃様始め宮廷関係者はどれだけ怯えていたことか。

そして振付助手のもう1人、岩田雅女さんが手掛けた森の場面におけるオーロラと王子の愛の深まりが自然な説得力で
通常はオーロラのソロとして踊られる曲をオーロラと王子の心が近づいていく様子を描画したパ・ド・ドゥに変更。
音楽と溶け合い、流れるようでいてダンサーの四肢が多方向にすっと伸びていて上の階から観ていても立体感が見事でした。
オーロラのソロとして定着している曲であっても、追いかけるように掛け合いながら徐々に膨らんでいく曲調ですから確かに2人の会話にも聞こえ、
但しオーロラは幻影ですからやり取りの表現に力を込め過ぎてしまうと生々しくなってロミジュリ状態にもなりかねず
しかし一方通行な心の流れはいただけない難しい振付場面であったかと思います。
いかにして姫と王子を美しく、狩猟場面が全カットの森の場にて2人の恋模様を繊細に体現させていくか見せ場として焦点を当てつつ
岩田さんが心を砕いての創意工夫の賜物でしょう。野久保さん刑部さんのお2人も音楽に気持ち良くのって互いの存在をそっと静かに探るように細やかに丁寧に表現。
プロローグやオーロラ姫16歳の誕生日会で既に疲弊し時には観客も睡眠時間と化す場面ながら、今回は最も目が冴え渡る場面として鑑賞いたしました。
小品の1作ではなく全幕作品の一部の振付を担当されるとなると前後の流れにも意識を向けながら臨まねばならずしかも三大バレエの眠り。
更には安西さん岩田さんともに作品への出番も多く、両立させながらの取り組みは大変な労力を要したことと想像いたしますが成功へと導かれ、大きな拍手を送りたい思いです。

お2人が語っていらした、カラボスの敗北演出はこれまでに目にしたことのない展開で、リラと森の妖精達が集団で追い詰めていくとカラボスがリフトされた状態となり(確か)
崩れ落ちたかと思ったら邪悪な魔法も解けたのか人の姿に戻り、頭を抱え慌てふためきながら走り去って行く演出でした。
大変なスピード感の中で何時何が起きたか把握できぬほどで、映像や恐らくは大道具も使わず人力のみでやり遂げるアイディアと力量にびっくりしたものです。

全体を通してはマリインスキーの版を踏襲した王道路線な演出で、奇を衒わずされどNBAの独創性をも取り入れ、休憩1回を含む約2時間20分の濃縮版。
頑張ってあちこちをカットした感がなく、見せ場をぎゅっと盛り上げる工夫がなされていました。
その昔、あるバレエ団にて眠り全幕にしては短めの上演時間で不思議に思いつつ足を運んだところ
森の場はハワイアンダンサーズのような衣装の妖精が通過してほぼおしまいの演出もあり、いくら短くしたとは言えこれはいただけないと思ったものです。
NBAの場合は他にも宮廷内部が出現する前段階に赤ちゃんの誕生に歓喜する王妃や、怪しげに作戦へと突入しようと目論むカラボスが
序曲の最中に現れるのも序盤から対立を示唆する展開で面白みある工夫もあり。妖精達のパ・ド・シスはアダージョ部分は無しにして短縮し、
姫は100年の眠りにつくのであると予言するリラに宮廷全体が安堵して一旦幕が下り、そして16歳のオーロラ姫の登場の幕への舞台転換が恐ろしく早い!想像する限り、
テレビ朝日の長寿生放送音楽番組で歌手の出番ごとに装置が変わるミュージックステーションより早いと思わせました。
所沢にてこの急速舞台転換に先日居合わせ、思い出したのは四半世紀以上前のこと。相川七瀬さんが番組の拡大版に出演されたとき
初登場の前週にスタジオに見学に来たら、歌手たちと司会者のタモリさんとの談話中に装置転換を猛スピードでこなすスタッフ達の動きに大衝撃を受けたとのお話で
生放送ですから許されぬ遅延に神経をすり減らして臨む姿勢に震え圧倒されたご様子でした。
バレエも生、しかも映像越しではなく目の前に観客がいる状態ですから益々遅延も許されず、
今回の所沢NBA全幕眠りにおける前半の急速舞台転換の様子、別モニターで見てみたかったと好奇心をくすぐりました。

話を戻します。衣装はアトリエ公演や夏の公演とほぼ同じかと思われますが、パステルカラーで整えた衣装もキュート。
リラ以外も色は各々異なり(本来は当たり前であると思うが笑)、模様や頭飾りの形状も全員違うデザインで背中には小さな羽がつき、おとぎの国の妖精さんそのものな愛らしさです。
リラが登場し人々を安堵させる場における淡い紫を帯びた照明も美しく、目に残る光の膜でした。
衣装は新制作せず既存の物を採用と思われますがオーソドックスなデザインで取り揃え、新たにヘンテコな衣装を大量生産されるよりはずっと好ましいでしょう。
狼がシベリアンハスキー風のもふもふ明るめグレーで腕には事務員さん風のもふもふカバーも装着していてほっこりしてしまいましたが
考えてみれば管理人、2009年にモスクワに降り立ったとき、シェレメチェボ空港の敷地内で野生のシベリアンハスキーに遭遇いたしまして周囲に人もおらず
とにかく願った念を送った、克つては生類憐みの令が制定された国から来た者ですとがくがくと立ち震え、抽出に失敗した狭山茶以上に苦い記憶がございます。

それからもう1つ嬉々としたのは、徳島県の清水洋子バレエスクールの舞台で度々拝見していた荘野千尋さんがコールドのあちこちで踊っていらっしゃり大活躍であったこと。
手元のキャスト表や掲示も見るなり鳴門海峡の渦潮鑑賞帰りに、眉山帰りに、時期によってはすだち盛り放題であった
徳島駅前のセルフうどんやまにて食事後に(ローカルな話が尽きず笑)、駅前での催しに偶然居合せ県のマスコットすだちくんと記念撮影した日もあった
訪問10回は超える阿波の思い出は語り出すと止まらずそれはさておき、徳島県内のホールで何度も観ているあの荘野さん!?とびっくり嬉しい瞬間でした。
急遽リラのお付き役でも出演され、堂々と滑らかで上品な踊り方や肩のラインが抜群に綺麗で妖精としての立ち姿も目をぐっと惹きました。
パ・ド・シス妖精達のソロの時、上手側列の最前列にいらしたかと思います。スタジオカンパニー生の欄にお名前があり、これからも注目して参りたいと思っております。

恒例の久保監督によるプレ漫談(失礼)ではなくプレトークは今回も楽しませてくださいました。
ただ昨年5月の『ドン・キホーテ』での舞台でバナナを食べる人を探してみてください案内や
今春の池袋『ロミオとジュリエット』での行きつけの近場のお蕎麦屋さん等の和やか内容はなく笑
クラシックバレエの最高峰の全幕を遂に上演しかも初日の初回でしたから「緊張します」と本音を吐露。
無事成功を収め、野久保さんはプリンシパルに昇格、めでたい初演となり心より祝します。
早くも再演が待ち遠しく、願うならばオーケストラ演奏での上演も検討いただけたら幸いに存じます。来春の創立30周年記念公演バレエ・リュスガラも今から楽しみです。





往路の西武線。6000シリーズは今年で30周年らしい。来年はNBAバレエ団が創立30周年!



最寄りの航空公園駅。所沢のご当地キャラクターと日本が世界に誇るお化けさん。並びを眺めているとトコろん トトロ〜と歌いたくなります。
所沢はとなりのトトロゆかりの地域、所沢駅の列車到着や発車音楽は『さんぽ』と『となりのトトロ』です。
森の中に昔から住んでいるトトロの森(塚森)にも行きトトロに会いに行きたいところですが、今回はオーロラ姫が眠る森へ参ったのでした。
市の鳥のひばりと航空発祥地としてプロペラ、首には狭山茶カラーのスカーフを付けたトコろんについては
こちらをご覧ください。所沢の名産等を全部取り入れたのか笑

https://www.city.tokorozawa.saitama.jp/iitokoro/tokoron/index.html




所沢の会場横のイーフォレストカフェにて、チーズケーキ。しっとり品のある甘さです。おすすめでございます。コーヒーはブレンドを選択。
緑の植物が窓辺に飾られ、店名の通り森を訪れた気分です。この後はオーロラ姫へ会いに眠れる森へ移動。



帰り、所沢駅の西武にて、ビール工房所沢。1階にあります。



岩田さんのお名前も振付助手欄に記載されていました。嬉しうございます。関東の大きな全幕公演で振付に携わる日が到来するとは、後日たこ焼きでお祝いやー笑。



狭山茶ビールとサクサク軽やか食感な唐揚げ。お茶の旨味を感じるビールでございます。ビールと唐揚げは黄金の組み合わせです。
そしてご当地の名物を飲食せずに帰れぬ性格は来年も続くことでしょう。皆様、お付き合いのほど我慢願います。
東京以外での舞台鑑賞予定は今年は残すところあと1本のみです。



2022年12月15日木曜日

ステージバレエアカデミーにて江藤勝己さんによるバレエセミナー  チャイコフスキーの三大バレエ




12月11日(日)、先月に引き続き千葉県柏市のステージバレエアカデミーで開催された、江藤勝己さんが講師を務めるバレエセミナーに行って参りました。
https://www.stageballet.net/index.html

今回はチャイコフスキー三大バレエ総括。三大バレエに潜む音楽の豆知識をたっぷり聞かせてくださいました。
1時間半で大作3本についての説明ですから大急ぎな展開かと思いきや、作品の短調長調の法則について江藤さんによるピアノを弾きながらの説明を聞いたり、
『コッペリア』から影響を受けた『白鳥の湖』の部分や耳に刷り込まれていながら実はチャイコフスキーの作曲ではないと言われている曲、
ルースカヤ誕生の秘話や指揮者フェドートフさんの親交のお話に至るまで驚きなエピソードがかけ流し温泉の如く続々と出現。
三大バレエの話はこういった講座で度々聞いているはずが、まだまだ知らぬ事柄が山ほどあると再確認です。

映像の見比べも面白く、何度か観ていながらも刺激度の強さにヒリヒリと高揚したのはパリ・オペラ座バレエ団『白鳥の湖』。
マリ=クロード・ピエトラガラとパトリック・デュポン主演のブルメイステル版で、痺れるほどにきりりとシャープなオディールに
デュポンのパッションが抑えきれぬ(落ち着きがないとも思えたが笑)破天荒な異端児な踊りが繰り出す興奮に、もはや笑うしかありませんでした。
スタジオの子供の生徒さんも何名か受講していて、子供の頃から踊るだけでなく作品についても知ることはとても大切ですから、
生徒さん達の座学にも熱心な受講姿勢を見習いたいと思った次第です。私が子供の頃に行ったならば、レッスンは横に置き座学一辺倒になっていたでしょうが汗。
次回のセミナーは2月に開催を予定されているとのこと。2月上旬は日本バレエ協会『ドン・キホーテ』を控え、江藤さんも一層多忙にお過ごしかと存じます。

それから、この日は終了後に当ブログを随分と前から読んでくださっている方と初対面。
10月に受講したアーキタンツでのレッスンにて江藤さんのピアノ伴奏に心は楽しく躍り、身体は相変わらずズンドコドッスン状態で反省云々と綴った記事を見つけ
江藤さん達に伝えてくださったのは、スタジオに通う大人の生徒さんでいらっしゃいました。
昨年夏の熱帯夜な東京における運動競技祭典での開会式にて会長の話を長々と聞かされる以上に
忍耐力や寛大な性格を求められ、テレビでいえば紹介がない限り毎度打ち切り寸前な知名度低し埋没ブログを読んでくださっているとは感激の一言でございます。
短時間の対面であってもとても真面目できちんとしたお人柄が伝わり、印象に残っている記事についてもお聞かせくださって調子に乗りやすい管理人。
その記事に関連する映画を年末あたりに鑑賞に行こうかと検討しておりますがその前に、
該当記事に綴った、「諦めたらそこで試合終了ですよ」を脳裏に浮かべ、2022年頑張って参りたいとの目標は果たしてこの1年実行できていたか。
来年も反省の日々は続きそうでございます。




帰り、南柏駅近くにてチャーハン専門店。入口のドアやメニューにはチーバくんの絵も。千葉県に来た気分に一段と浸れます。



焼豚と海老のミックスチャーハンと中瓶ビール。海老がたっぷり、そして管理人、チャーハンは好物の1品です。



南柏駅改札前の店舗にて地元名産品を販売。洋菓子や和菓子、色々ございましたが私が選んだのは梨のジャム。
トロトロとした中にも梨のシャキシャキした食感があり、美味しうございました。
ジャムを始め蜂蜜やスプレッドクリーム等この手の瓶詰甘味に弱く、つい一度に多量摂取してしまいます汗。
蜂蜜やジャムが残り少なくスプーンで取り出しづらくなると、瓶に紅茶を入れて混ぜ合わせ
カップに注いで飲み干しております。中身を残さず、瓶の洗浄も楽になります。
そういえば、今年の8月に福島県白河市のだるまランドで購入した地元産の苺ジャムも、瞬く間に空になりました。

2022年12月13日火曜日

アーティゾン美術館 パリ・オペラ座  響き合う芸術の殿堂





先日、アーティゾン美術館で開催中の展覧会 「パリ・オペラ座 響き合う芸術の殿堂」に行って参りました。
https://www.artizon.museum/exhibition/detail/545

https://www.artizon.museum/exhibition_sp/opera/












来年2月まで開催が続き、これから足を運ばれる方も大勢いらっしゃることと存じますので細かな内容は伏せておきますが
ガルニエの設計段階のスケッチからロマンティック・バレエ隆盛期のスター達の絵、バレエ・リュス関連、舞台美術の構想図から立体模型、
衣装の展示もあり予想以上に豊富な点数に圧倒された次第です。12月11日(日)には草刈民代さんと市川猿之助さんが案内する特集番組が放送され、
展覧会を思い出しつつ視聴しながらの振り返り時間もまた楽しいひとときでした。草刈さん、相変わらず立ち姿や歩く姿も凛として美しうございます。

展示数が多く、どれから挙げたら良いか迷うところですが特に印象深かった作品を何点か。
まず『ジゼル』にも影響を与えたオペラ『悪魔のロベール』の柱が並び奥行きのある美術画、
メルヘン・オペラに分類されていたらしい『アラジン(あるいは魔法のランプ)』の舞台絵、
偶然近場に居合わせたユベール・ロベールが大急ぎで現場の様子を描画したのであろう、
今でいうならば報道写真なる臨場感のある「パレ・ロワイヤルの庭園からみたオペラ座の火事、1781年6月8日」も強いインパクトが残りました。
バレエ関連では、ファニー・エルスラーの魅惑的な姿の絵や、ディアギレフの帽子等、当時の使用感が残ったままの私物もじっくり観察。
マリー・タリオーニのトゥ・シューズは本当に小さく細く、先端が硬くはなっていても立ち易いとは言い難い作りで
振付も限られていたでしょうに一世を風靡したのはたゆまぬ努力の賜物と唸らせます。
一部の作品は撮影可、階を跨ぎながらの順路で歩数もなかなかの数字になるかと思います。是非じっくりとご覧ください。




ミュージアムカフェにて、ミルフィーユポムタタン。クリームの道しるべに花が散らされたお洒落なケーキでございます。
メニュー説明によれば、紅玉、ほうじ茶カスタードクリーム、マスカルポーネクリーム、バラサワークリーム、ほうじ茶キャラメルを使用。
覚えられぬが汗、香ばしい甘さがあとを引きました。
花の都パリとはよく呼ばれますが、この翌日には県庁所在地駅には花束を手に抱えた赤いキャラクターが出迎える、
日本の中の花の都の県へ行って参り、パリ・オペラ座の映像も鑑賞しながら学んできましたのでまた後日。

2022年12月11日日曜日

【来春トラウマ脱却なるか】『禁じられた遊び』の音楽でアルブレヒトとロミオとソロルとジャンとバジルとエスパーダとホセとジェイムズを足して8で割った倫理に反する行為に手を染める雄牛を踊った11歳女児の話   ー後編ー





※忍耐力に自信のある方は以下どうぞ。次回は健全な内容の予定でおります。

さて、ドンキ1幕のトロワで牛の闘牛士に不納得なまま振り写しも練習も続いたわけでございますが
もう1つ、他のキャラクターとの絡みを見せる場を先生は発想されたようでした。それこそ、『禁じられた遊び』音楽を使用した場面。
禁断の恋に落ちた雌猫と雄牛の寸劇のようなもので、当日の客席の冷ややかな反応は今思い出しても悪夢に魘された心持ちとなります。
ただこの振り写し時に初めて聴いた音楽であった『禁じられた遊び』のテーマ曲は聴く限りでは気に入り、哀愁が伝うギターの旋律も耳に残っておりました。
但し、音楽の面ではどうにか第一関門を通過したもののどうにもこの年齢のこの時期特有の症状が原因で再び鬱蒼とした森へ入った心持ちに。

まず、ちょうど初潮の時期であったこと。学校ではこれといって女の子らしいと呼ばれるタイプの女子では全くなかった私でしたが
身長のみならず身体のあらゆる部分の成長が早く、恐らくはクラスでも最初にあたる時期であったかと思います。
そのためまだまだ珍しい事態ですから級友からは冷やかし半分にポーチの中を覗かれたり、やはり女の子であった云々言われ続けたものです。
ただいずれは女子には皆に訪れることですから中身を覗かれても嫌とは思わず、おすすめ商品の案内をしたり
学習の面においてはクラスに学校に何の貢献もできずにいた学業成績最下層民でしたから
将来に向けてのせめてもの知識共有の役立ちをと思えば案外嬉しいもので、また自身の性別は「女」であるとこれまでの人生の中で最も意識した時期でした。
お尻の膨らみも気になり出した頃でやや長めのスカート付きウェアを着用していた点も今思えば「雄」「男」への入口を阻む原因にも繋がっていたかもしれません。
現在のレッスン時のほうが全身の線がくっきりと出る格好をしており、ただでさえ重量感のある身体のため身につけるものは極力少なめに
電化製品開発ではないが身体の薄型化軽量化を図りたい現実問題があるとはいえ、中高年の年齢に達して図太くなった神経の恐ろしさを感じる今日この頃です。

話を太古の昔に戻します。ドンキのトロワ曲でのソロにはふんだんに男性風ヴァリエーションなポーズが含まれてはいたものの
ミンクス特有の賑やかズンチャッチャ曲調による誤魔化しも効いて一応はこなすことができましたが
悲哀感が宿る『禁じられた遊び』は勢いのみではとてもでないが乗り切れず。まず設定が「禁じられた恋」だったようで雄牛の雄度を上げて臨まねばならず。
身体の状態と劇中での性別なんぞ一旦は切り離して考えることくらい容易にできそうですが、欠陥だらけの私はなかなか心身の切り替えができず。
更には雌猫と雄牛が恋に落ちるって何のこっちゃ、だったわけで、禁じられた恋にも色々あると想像膨らませましたがまだ僅か人生経験11年弱の脳みそでは答えが掴めず
誠にお恥ずかしい話、愛を交わす2人の関係を表現する危うい系統の言葉が持つ意味合いの違いも分かっておらず。
駆け落ち、不倫、浮気、情事、或いは異種相姦等と浮かんでは消え、どれが当て嵌まるか想像力に限界を感じる11歳女児でございました。
先生からはそこまで細かな設定の話はなかったものの(プログラムにもあらすじ明記無し)
唐突に始まる場面でしたし禁断の状況に至った理由によって登場方法や振る舞いも変わってくると閃いた11歳の私です。
しかし、学業成績常時低迷を毎学期の通知表にて散々突きつけられている身からするとバレエにおいても頭の可笑しさを指摘されるのはまっぴら御免でしたから、
それなら黙って淡々とこなすほうが良かろうと判断したのでした。学校でもバレエでも、劣等生街道まっしぐらな子供だったのです。

まず振付ですが、黒いマント羽織った私が上手側奥から歩きながら悲壮感漂わせて登場し、やがて舞台中央へ走り寄ってまた袖へ引っ込む流れ。
もう某精霊作品の2幕、陰を帯びた貴公子中の貴公子の懺悔行脚の振付しか思い浮かびませんが
つまりは私は墓地でのマントアルブレヒト後悔歩きを11歳のときにたどたどしく披露していたのです。
小さな教室の発表会とはいえどもこれらを容姿醜し11歳女児が男装(雄装か)舞台でやっていたと思うと再び悪夢に魘されます。
先生からは悲しそうに怪しげにと助言をいただきましたが、ただ墓地アルブレヒトや影の王国前のソロルとは違って誰かを死に至らせた設定はなく、
のちに雌猫と会うと考えると、そこまで悲しみの雨に打たれるような歩き方ではない、
序盤の振付は懺悔のアルブレヒトであっても心境はバルコニー前のロミオや1幕逢瀬の場面のソロル、シルフィードに会いに行くジェイムズであろうと勝手に分析。
前編へ綴った通り不真面目劣等生な子供であり、『土佐日記』を完成させた紀貫之のような異なる性の立場からの文筆力も皆無な身で
性差超越分析論を唱えるのもおかしいことですから黙って場をしのいでおりましたが笑。

そしてその後の展開の振付では冷やかしに遭う雌猫を舞台中央にて堂々と立って背中の後ろに隠し、冷やかし隊から守る場もありまして
つまりはジャンの帰還と似た構図を容姿醜し11歳女児が男装(雄装か)舞台でやっていたと思うと更に悪夢に魘され、客席の寒々しい空気感は今も忘れられません。
盾になって守る側ではなく背後で守られる側に立ってみたいなんぞ容姿醜し11歳女児、言えるはずもなく現在に至るまで永遠の憧れ状況でございますが
今やこの場面をプロの公演にて鑑賞するたびに、危機的な慌ただしい状況下においてもただ避難させるだけでなく目を合わせ頷くなりして姫に安心感を与えているか等
NHK『ためしてガッテン』の調査員並みに注視し判定をするまでになるきっかけになっただけでも幸いと思ってもう諦めの境地におります汗。

それはさておき加えて続いてはタンゴだったか、雌猫と少し踊ったのち(社交ダンスの経験やピアソラを知っていたら楽しめたであろうかと現在も自問自答)
決めポーズにて一瞬ではありますが雌猫を抱く場があり。ただ『くるみ割り人形』1幕のように幼い男女が微笑ましく戯れている場ではなく
倫理に反する行為から生じる抱擁ですから健全さを出してはならず単にぎゅっとやれば良いものでもない。
しかし11歳にして男女交際経験もなければ情事が延々と続く映画鑑賞経験も、そして大映ドラマや赤いシリーズドラマ視聴経験もなし。
早寝派な子供でしたので恋愛ドラマも殆ど見る機会がなかったのです。バレエを辞めて年月が経過してから不倫を題材にした映画やドラマの存在を知ったが時既に遅し。

そこで11歳女児、乏しい脳みそを精一杯駆使し頼みの綱として辿り着いたのは、学力が低い分、世の中の事柄は知っておこうと
半分趣味気分で新聞を読む習慣はあったためふと思い出した新聞の下部に仰々しく掲載された週刊誌の宣伝。
駆け落ちの果ての不倫婚やら浮気からの略奪愛等々の見出しにヒントが隠されていそうに思えたのです。
小学生の子供が出演するバレエの発表会の役のために週刊誌掲載のスキャンダル記事を頼るなんて前代未聞でしょうが親にも言えず、そうするしか方法がなかったのでした。
しかし、いざ書店やら歯医者や眼科に行ったときに手にとって読んでみても理解には到達できず
ついでに中のほうに書かれていた連載の官能小説にも目を通してみたが露骨な性描写の連続に絶えられず。途方に暮れて終わりました汗。
バレエにおける例えば『ドン・キホーテ』や『ラ・バヤデール』『カルメン』等の逢瀬場面は目にしていて想像はできたものの
11歳にして男側をやるとは思ってもみませんでしたから結局鑑賞経験は役立たず。
パリ・オペラ座バレエ団による『コッペリア』初演時はフランツ役も女性が踊った旨は薄井憲二さんの昭和期の出版書籍では知っていながらも
フランツは浮気性ではあるものの飄々軽妙で作品も喜劇。暗い陰を引き摺る役ではありませんから初演時の女性ダンサーに敬意を表して努めようとする気持ちにも至らず。
先生から時折指摘された「男らしく雄らしく」表現には到底近づけず、引き裂かれるようにして
上手側と下手側に別れながら袖に入っていく最後、そして中盤の守るも抱くも双方の行為も大失態のまま終了いたしました。

せめてもの救いは雌猫役の生徒がそれはそれは愛らしい容貌で守りたいと思わずにはいられぬ存在であった点と曲が短い構成であった点でしょう。
勿論非は完全に私自身にあり、古典とコンテンポラリーを同時進行で練習を重ねたり
心優しい純朴な人が暴君な役柄を当てられた等のプロの方々の重圧極まりない状況に比較したら塵の1画目にも及ばぬ規模の小さな話であるのは承知しておりますが
頭と心の切り替えすら出来なかった不器用さや、そして大根であったのは脚のみならず芝居力も同様である姿を晒して舞台を台無しにしてしまったのでした。

先生がいかにしてこの場面を思いつかれたのか今も不明で、私が将来倫理に反する行為に手を染めると想像されたのか、
乙女な印象もなく守りたいと思えぬ容貌ですから恋愛成就するとは思えず
自分の身は自分で守らないかんと言いたくて男側の立場を与えるに至ったか想像はあれこれ今も巡っております。
他にも私自身は生まれて以来11年間(当時)身も心も「女」として意識し生き続け、男子に間違われたことはなかったと思っておりますが
実は先生の目には男に見えていたのかもしれぬとも考え、入浴中も連日自身の体を観察したものの丸みを帯びていく体つきの変化の始まりの時期で
日に日に胸やお尻も膨らみ、月のものも順調なサイクルで訪れておりましたから性別は女子には違いない、問題は顔立ちにあったのか。
或いは陰鬱な役が絵になる人の虜にいずれはなるだろうからまずは自分で体験と仮にお思いになっていたならば
新宿の母やノストラダムスを遥かに超える大予言者でいらっしゃいますがそれはないでしょう笑。

つらつらと長くなりましたが、以上が『禁じられた遊び』テーマ曲を踊った我が体験談です。
先月半ばに来春の新国立劇場バレエ団の公演Dance to the Future2023にて上演との発表以来https://www.nntt.jac.go.jp/dance/dtf/
太古の昔の11歳当時の記憶が毎日毎日激流の如く脳内を駆けており整理整頓ができず、この場を借りて文字化した次第でございます。

前編後編と続いて当ブログ開設以来であろう、誠に不健全な内容となり大変申し訳ございませんでした。
この曲が突如流れてくる分には何ら問題なく耳を傾けることもでき、今年のお正月の『くるみ割り人形』鑑賞帰りに立ち寄ったオペラシティ飲食店においても
今秋に視聴したワールド・バレエ・デーでのオーストラリア・バレエ団クラスレッスンでピアノ伴奏されていても哀愁のある素敵な曲調であると思った程度でした。
一方、この曲が流れると分かっている状態でその空間に身を置くことができるかと聞かれると、無惨な11歳女児なんぞと比較にならぬほどの世にも美しいダンサーペアで披露されますし
別格な舞台が出来上がる様子は目に見えているものの、内面が未熟なあまり週刊誌読み漁るも内容によっては拒絶反応起こしたり
入浴時に自身の身体を眺め回して男性の象徴部分を探すも当然無く、性別を深々考える日々が続いたあげく
身体も芝居力も大根な無残な姿を晒した本番における寒々しい11歳当時における醜き不真面目な女児が招いた
自業自得な惨劇を思い出してしまいすぐさまには首を縦に振れず。

しかし救いとなっている要素が2点。まず来春の初台における披露に対してこの曲も映画も好むお考えや
出演者2人が生み出す化学反応への期待等、周囲から前向きなお声が多々聞こえ、私にも希望をもたらしつつあります。周囲の皆様、ありがとうございます。
それから振付が木村優里さんでいらっしゃること。木村さんの独特の面白い感性には毎回惹かれており、
昨年秋のDTFでの『コッペリア』曲にのせた不思議な趣の可愛らしい作品にも目を奪われましたから、来春の新作も楽しみでおります。
何より出演者の名前の並びを目にすると、本来ならば迷いなく「光速」で観に行きたい欲を表したいところです。

実は私の中でこれまた過去分含む発表会三大トラウマ(大袈裟な言い方かもしれないが)曲があり、1曲は数少ないクラシックチュチュ着用機会にて、
太く短いにもほどがある手脚や欠点を覆うための技術上達の向上心の無さに嫌気がさしチュチュの着用回数少ない理由にも思わず納得したメサジェ作曲『イゾリーヌ』。
しかし10月の記事で少し綴ったように、アーキタンツにて前のクラスを待っているときにグランジャンプの箇所にて耳にし
曲だけは好きであったが第三者の方々が踊っていらっしゃる光景と一緒に聴くと心も弾みすんなりと耳に入って解消成功。
それから雄牛と同じ発表会にて踊ったレハールのワルツは打って変わりリボン多しフリルドレスな衣装で
吐き気がするほど似合わず、これは雄牛のほうがマシであり先生が雄役に配した意図を思い知らされたと心底思ったものです。
しかし時を経て数年前からは年末の風物詩となっている大阪の川上恵子バレエスクール発表会フィナーレにて
恒例の曲として流れ、我が脳内では「浪速の第九」として定着し、解消成功。とうとう残り1曲『禁じられた遊び』のみとなったのです。

この曲を使用しバレエとして他人が踊るのを舞台で観るのは初であり
毎度購入している紅茶のパックの付録にあった、かれこれ半年前から戸棚に貼り付けている
ナマケモノのシールを眺めるたびに思い出す木村さんが手がける振付ならば嬉々として鑑賞に駆けつけたい気持ちは山々。
あとは「出演者名」も心に刻み、レッスンではなく鑑賞においても沈み行く重い身体を引き上げ、田町にてジャンプの際の指導で目に耳に残る講師のお姿とお声
「お尻ごと移動〜!」を実践して初台に飛び、来春3月下旬辿り着けたらと思っております。


【来春トラウマ脱却なるか】『禁じられた遊び』の音楽でアルブレヒトとロミオとソロルとジャンとバジルとエスパーダとホセとジェイムズを足して8で割った倫理に反する行為に手を染める雄牛を踊った11歳女児の話   ー前編ー





長い題名で失礼いたします。先月中旬の初台における発表以降脳内を小学校高学年の記憶がずっと巡って止まらず
整理整頓を兼ねて記しており、以下生々しい及び現代にはそぐわない表現表記もございます。
あくまで太古の昔の我が脳内で生じた内容を極力そのまま載せており、放送禁止用語は無いと判断し記載しておりますが
嫌気が差した方は無理に読もうとなさらず、健全な内容となるであろう次の次の回をお待ちください。

まず、突然の長い題名で失礼をお許しください。文字の並びだけでは一見訳がわからぬ役を踊った11歳女児とは、私のことでございます。
また後日と申しながら長らく放置しておりました、今年の秋公演『ジゼル』総括の最終部分におけるバレエと牛の事項、
及び遡って昨年末から今年のお正月にかけての『くるみ割り人形』総括最終部分における、オペラシティの店舗内で流れていた
来春3月には2人のダンサーによって初台にてバレエとして振り付けられた作品の上演決定が発表された
映画音楽『禁じられた遊び』に関する話で、正確には小学校6年に進級したばかりの春の発表会の出来事です。

私が通っていたバレエ教室は人数が随分と少なかったことは以前にも触れたかもしれませんが、発表会も少人数で出来得る演目をどうにかこうにかやっておりました。
古典全幕は到底困難ですから抜粋と、近年はバレエ・コンサートと呼ぶらしい小品集、そして先生が創作された1幕物の作品、の構成が定番であったかと思います。
少人数ですから配役等は貼り出しではなく先生が口頭でぱぱっと伝えくださっていて小学校5年生の秋頃であったか、翌年春の発表会の1幕創作物の概要説明がありました。
先生曰く、動物達が集う光景をテーマにされたそうで、ある女の子が動物達が暮らす地域にやってきて色々な仲間と出会う、といった展開を浮かばれたようです。
ちなみに衣装は所謂クラシック・チュチュは誰も無し、観る方によってはコントにしか見えないとお思いになったかもしれませんが
当時はインターネット普及前の時代で良かったと再度思います。(今だったら私なんぞ何を書かれたことか笑)猫やらねずみやらうさぎやら、
バレエで定番な種類や鳥、虫に扮する役もあり。そこで私に告げられたのが、「牛」。
公演にしても発表会にしても、運命の象徴として描いたアロンソ版の『カルメン』は別にしてバレエの舞台で牛を踊る作品はまずお目にかかる機会は無いと思われ、
牛にしても何種もいますからどういった役どころであるか、現在以上に脳みそ貧相な11歳女児。当初は想像がつかずでございました。
作品中にそれぞれの役の見せ場も設けられ、複数人数の役もあれば1人の役もありまちまちである中、私は1人役。つまりソロだったわけです。
人数が少ないとコール・ド・バレエは経験できず、代わりに幼い頃から少数で舞台に立たざるを得ない、
風変わりな経験ができたのは果たして正解であったのか今も答えは分からずでございます。

ソロの振り写しのとき先生から再度説明があり、先生の口から出たのは牛は牛でもスペインの闘牛をイメージした雄牛の役、とのこと。
一族の中では大きい部類に入る我が目が点になったのは一瞬だけで、性別が異なる役は決して嫌ではなかったのです。
なぜならば、私に会われたことがある方は想像がつくかと存じますが、昔からとにかく容姿が醜く、おまけに手脚も膝下も短く
所謂バレエの発表会で踊る女の子をイメージさせるチュチュやリボン、ティアラといった衣装や装飾物が悲嘆に暮れるレベルで似合わなかったため。
先生も人間ですから私にはあまり着せたくなかったのか、一応9年ぐらい習っていながら私自身クラシック・チュチュ着用経験が実に少なく、
先生が私に対して着用を望まぬ方針がもしあったならば理解も大いにできるわけです。
体操服を着ての運動会をテーマにした作品を踊ったこともございます。衣装代が安価でしたから親は大助かりであったかもしれませんが
ただ教室内では年代によってお洒落で可愛らしい系統の衣装で踊る正統派世代と、時にはコントかと見紛う変わった衣装で踊るネタ世代が区分化されていて勿論私は後者。
原因は容姿も中身も問題だらけな私にあり、私1人がコント衣装になるわけにも教室の運営上いかず
そのため可愛らしくバレエも上手なはずの同級生達が巻き添えになってしまったと思っております。
彼女たち同級生らにもそして先生に対しても、床に額を付けても詫び切れないほどに私はどうしようもない生徒だったのです。

少々話を転換させて、例えば古典バレエ全幕を発表会で上演しようとすると大概のバレエ教室は
女子生徒のほうが圧倒的に多いため、女子が男役を担当することは珍しいことではありません。
『くるみ割り人形』の男の子達の役はしばしば見るパターンでしょう。少し珍しいところでは
『ドン・キホーテ』サンチョ・パンサ、闘牛士達、『白鳥の湖』式典長を女子が務めている舞台の鑑賞経験はございます。
しかし私が牛指名された当時の発表会は古典バレエではなく完全に先生の創作で、どんな役もあらすじも自由にできる条件下で私に牛、しかも「雄」指定されたのですから
余程女の子らしく見えない絶望級の不細工であるのが明らかになったと当時の11歳女児は考えたものでした。
今も後悔しているのはなぜこの役を私に当てたのか理由をはっきりと尋ねず終いであった点で
仮に「○○ちゃん(私の名前)は女の子らしいチュチュが似合わないから、不細工だから」と言われたしても、
幼児期から我が身の醜さは自覚しながら生きておりましたので傷つくなんてことはなく、寧ろ仰る通りでございます、
はっきりと言葉にしてくださってありがとうございます、と11歳女児は心から納得したことでしょう。
1つ考えられるのは、身体の成長が早く背が周りよりも当時は高めであったことも「雄」役の決定要素にはなったのかもしれませんが
しかし背の高さならば、例えば当ブログレギュラーの我が大学の後輩は子供の頃から背があるほうだったようですが
子供時代の写真を見ても見るからに姫や妖精といった役柄しか思い浮かばぬ、歩く花園と呼びたくなるほどの
華麗な容姿でしたから、人の心を持った教師ならば雄の役なんて当てないはず。そう考えると、決定要素は身長のみではなかろうと思えてくるのです。

これまた以前から触れている事柄ですが、私は子供の頃から習ってはいても踊ることよりも鑑賞や書籍等バレエについて調べる作業を遥かに好む子供でした。
鑑賞も踊ることも両方好きな子供や全く習わず鑑賞のみの子供はいくらでもいるでしょうが、
私の場合は習ってはいても鑑賞側に立つほうがレッスンよりも発表会への出演よりもずっと幸せに思えていたのです。
幼い頃からバレエ史等の研究熱心であった性格を褒めてくださる方も稀にいらっしゃるのですが、実のところ褒められるような行動は一切しておらず。
プロか素人か、チケット代金の有無等異なる点は多々あれど発表会であれ公演であれ、舞台出演するとなれば観客から時間をいただくのは共通項で
つまり観客に楽しんで幸福になってくださるよう努めるのはプロも素人も変わりはないと昔から感じておりました。
ところが、私の場合とてもではないが観に来てくださった方に幸せな時間なんぞ約束できず、それどころか苦痛な時間しか約束できず。
発表会でも友人はごく少数しか呼ばず、客席埋めにも貢献できずでしたが苦痛を強いられる人が少ない方が良かろうと特に11歳のときは結論づけていたものです。

近年では、例えば当ブログレギュラー大学の後輩の様子を見るとここ数年はロビーでの面会は困難ですが
数年前は発表会終演後ロビーにて待っていると、恐らくは20人以上は知人や友人達が来ていてしかも誰もからこれ以上にないほどの幸せな笑みが表情からこぼれ
会話する番を待っているときですら、面会対応中の光景を眺めているだけでも
趣味で上がる舞台であっても客席へ幸福を届ける意義を学んだ次第。また生徒に知り合いがいなくても、
帰り際ロビーでの面会を晴れ晴れと行っている生徒さんやご家族ご友人達の幸せな光景から、
その場を通り過ぎるだけでも一層の幸福をいただいた気分となります。私には微塵も成し得なかったことです。

幼児期からソビエトバレエを中心に研究に没頭してしまいバレエをやるイコール綺麗な人であるのは必須と思い込んでしまった経緯から
とても自身がやるものではないと子供ながら感じてはおりましたが、容姿もさることながら、例え醜い見苦しい見た目であっても
そういった負の部分を覆い尽くす勢いで技術向上、上達に向けての努力が全くできぬ、最早救いようがない子供だったわけです。
そうすると習っている身であるにも拘らず日々何の努力もせず益々鑑賞、研究への偏りは止まらず
もし幼い頃から容姿端麗且つ謙虚な努力家で、レッスンにも発表会に情熱を注いでいたならば、
少なくとも子供時代までもが鑑賞研究熱心にはならなかったであろうと思っております。現在の鑑賞愛好オタクの根底にはそんな皮肉な背景があったのでした。

さて話を戻します。ソロの振り写しのときに先生から大まかな役どころを聞いたわけですが、更に躓いたのは使用音楽。
恐らくはカウントが取りやすい且つ短い点が丁度良かったのか、『ドン・キホーテ』よりバジルとキトリ友人のパ・ド・トロワでございました。
それまでさほど古典バレエの音楽で踊った経験がなく嬉しいと思う一方引っかかってしまったのがこの場面、闘牛士は登場しません。
プティパとミンクスがいかにして話し合って作り上げたか過程は分かりかねるものの、
この曲はどの版を観てもバジルとキトリ友人3人以外は周囲でわいわい盛り上げる係に徹していて、どう考えても闘牛士が踊る曲ではないと頭に刷り込まれていたのでした。
発表会等で『ドン・キホーテ』の曲で踊ったことはなく、おおよそはどの曲も同じリズムであるから闘牛士云々までは先生も考えていらっしゃらなかったと思われますし
そしてまさか私が踊ったことのない作品の音楽の全編を11歳にして把握しているとは想像もできなかったはず。
いかんせん先述の通りレッスンは淡々と必要最小限のことしかやらず、あとは鑑賞や研究に夢中でしたから
この年齢の頃には三大バレエや『ライモンダ』、『コッペリア』、『ラ・バヤデール』、『海賊』、『シンデレラ』、『ジゼル』、『レ・シルフィード』、
『パキータ』、『ロミオとジュリエット』等の有名どころの幕物作品の物語や音楽展開は頭に入っていたのです。

映像資料はまだまだ少ない時代でしたから、書籍に頼るといっても図書館では所蔵本の種類が私には足りず、
書店へ行ってもまだ幼い子供ですので経済事情から自由な買い物が難しい年頃。立ち読みが中心で
時にはあろうことか、高所にあり手が届かぬ書籍を店員さんに取ってもらい、読むだけ読んで返すなんてこともしており
店員さんが忙しそう或いは見当たらないときには見ず知らずの近くのお客さんにお願いして取ってもらったこともございました。
運良くどなたも嫌な顔1つせず快く応じてくださり、店員さんにしてもお客さんにしても、バレエ好きなんだね、とても綺麗な写真だねと言葉をかけてくださった方もいて
戻したいときや他にも取って欲しい本があればまた声かけて、とまで優しく気遣ってくださった方もいらっしゃいました。
当時居合わせた店員さんやお客さん達には申し訳なかったと今も感謝状と謝罪文が脳裏で作成しては過ぎっております。

今でこそ、年数回のレッスン受講時にピアニストさんが奏でてくださるバレエ音楽から即座に舞台の振付や光景ばかりが目に浮かび覚えの悪さに拍車をかけておりますが
良いか否かは別として、指導者にとっては消去して欲しい余計な思考力であるのは承知しておりますが前向き上向きにな気持ちになるのは確か。
しかし11歳のこの当時は舞台の振付や光景が先行し過ぎて先生が新たに作ったイメージがどうしてもできず
歪み捻じ曲がった感性が生じてしまう事態となっておりました。そうは言っても、違和感しか感じずにいたソロの曲であっても闘牛士のイメージ沸きませんとなんぞ
劣等生である上に不真面目な11歳女児が言えるはずもなく、ムレタを用いたイメージの振付や
リュシアンやバジル等を想起させるポーズも盛り込まれた男性風ヴァリエーションな振付を、不納得なまま淡々と取り組んでいたのでした。
もし宝塚歌劇団の男役スターなり、男装の麗人として名を馳せた川島芳子に興味を持ち知識も有していたならば役に入り込んで臨めたかもしれませんが
双方に無関心無知であった11歳女児で、思い出す今も猛省しかありません。習っていながらバレエは鑑賞に重きを置いていた性分に理解を示してくださっていた先生には
感謝ばかりが尚募ってきます。他の教室であれば即効退会処分になっていたことでしょう。

実は闘牛は闘牛でも、「スペインの」と先生が仰ったとき、すぐさま思い浮かんだのは「殺処分」。
『ドン・キホーテ』を複数種の版を観るにあたって小学校低学年の頃だったか学校の図書室か地域の図書館であったか闘牛について調べたとき
スペインでは殺すがポルトガルでは殺さないといった文が書かれていたのです。(現在の状況は分からず)
ですから先生の口からスペインと発せられた瞬間、「殺処分、つまり私もいよいよ退会処分か」と
日頃の行い、バレエへの取り組み方に対していよいよ先生も嘆きが頂点へと達しつつあると捉えておりました。
加えて牛が闘牛士、となると共食いの果てに自滅か、とも行く末を考えましたが実際にはすぐの退会には至らず終いで、先生の器の大きさに触れたものです。

※思いのほか長くなってしまったため、後編へ続く。


※上の写真、今年11月半ばに所用で訪れた三重県の伊勢神宮そばの通りにて。先生は11歳当時の私のイメージに対してこういった牛を重ねられたものと捉えております。