2022年5月25日水曜日

清泉ラファエラ・アカデミア   バレエへの招待  2022年春期

2022年度も開講した清泉女子大学の生涯学習講座ラファエラ・アカデミア バレエへの招待を受講して参りました。講師はバレエ評論家でいらっしゃる守山実花先生です。
初受講が2013年の春でしたので、五反田に通い始めて今年で10年目。当たり前ですが我が齢の年代も変わり
還暦を迎えたばかりかと思いきやまもなく古希へ向かいつつあるのは真実か否かはさておき、受講の度に鑑賞知識が益々深まる発見の連続です。
https://www.seisen-u.ac.jp/rafaela/

https://rafaela.seisen-u.ac.jp/lecture/detail.php?lecturecd=20221601,20221603


春期のテーマは『オネーギン』。クランコ版はシュツットガルト・バレエ団の看板とも呼べる作品で、来日上演も多数。
私も何度か鑑賞しており、好きなバレエ作品上位13本に入るほど、初鑑賞時から魅力に取り憑かれました。
そう多冊は読んでおりませんが『バフチサライの泉』と並び、ロシア文学の中でも最も好きな小説の1本でもあります。

初回はまず原作について、作者プーシキンや作品の背景といった概要を聞き、そしてクランコ版の第1幕を中心に学んでいきました。
中でも重きを置いて教えてくださったのは音楽構成について。初鑑賞時、振付や出演者よりもチャイコフスキーの楽曲の寄せ集めとは到底考えられぬ、
オペラのエフゲニー・オネーギンの曲は使わずして全体の纏まりや登場人物の感情の襞に至るまで物語る、
この作品のために書き下ろされたとしか思えぬ音楽の構成に度肝を抜かれたあの日は今も覚えております。
劇中で使用されている曲のピアノ版やオペラのロミオとジュリエットの中の二重唱を聴いたあとに
オネーギン用の編曲を聴くとだいぶ違った曲調にも聴こえ、編曲者の手腕に唸るばかりでした。
特に幕開けの序曲から1幕中盤あたりが私は好きで、賑やかに鳴り響きつつもタチヤーナの夢想と憂鬱、
鈴が転がるかの如くオルガの浮き立つ心や翳りあるオネーギンの登場まで一気に語る展開に耳はたいそう衝撃を受けておりました。

それから群舞の振付の面白さについても説明があり、古典バレエな格式ある趣きと主人公が後方にいながら
群舞は快活に、時に哀愁を含みながら進行していく自由度のある趣き双方の合体に今更ながら気づかされクランコの構想力に脱帽です。
そしてダンサーによるオネーギン役の造形解釈の違いのポイントも今後より鑑賞が面白くなりそうで
タチヤーナの本を手に取ったときのオネーギンの表情や反応はじっくり観察してみたいと思います。

それからガラでもすっかりお馴染みである鏡のパ・ド・ドゥ。不穏な曲調が覆う中、憧れの男性が鏡から出てくる何ともロマンティックな場面と思いがちですが
先生の解説付きでよくよく振付を見てみると、タチヤーナはオネーギンから首筋に口づけされていると初めて知り
ただの綺麗な夢ではなく、夢は夢でもパステル画のような淡い美しさではなく何処か黒味も帯びた、妖しく官能的な夢であると考察。
別世界に住む憧れの男性を背後から眺めたり、腕を組むだけでも心臓が破裂しそうな高鳴りを秘めていたであろう初心なタチヤーナからすれば
現実世界ではあり得ぬ事態なわけで、振り上げるようなリフトもてんこ盛り。内気なタチヤーナが瞬く間に大胆奔放になる変わりように再度驚きを覚えた次第です。
人間関係に歪みが生じていく2幕や帝政ロシアの栄華が彩りオネーギンの後悔と懇願が強く刻まれる3幕についても、学ぶ日が今から待ち遠しく感じております。


※原作は同じで、題名を『タチヤーナ』としたバレエシャンブルウエストの公演が今週末の土曜日に開催されます。16年前に1度観て以来鑑賞に参ります。
オペラのポロネーズも使用されているなど音楽構成にも興味津々であった記憶があり、この16年の間に
チャイコフスキーのバレエ音楽でない曲で構成されたバレエも何本も触れてきた経緯から一層堪能できそうです。
2004年にはウクライナとロシアでの上演も成功を収め、音楽は現地の管弦楽団が演奏。選曲者江藤勝己さんが書かれた、キエフのシェフチェンコ劇場管弦楽団による『タチヤーナ』演奏時の裏話の紹介ページを2006年公演プログラムにて目を通し
今の現地の状況を思うと、募るのは週末の上演の楽しみだけではありません。
http://www.chambreouest.com/performance_info/第93回定期公演「タチヤーナ」




地元の図書館で借りた2冊のオネーギン、記念に清泉女子大学本館前で撮影。ロシア語本は翻訳と照らし合わせながら読み進められるかと思ったが
タチヤーナ達の恋愛と同様に甘くはなく、何処に何が書かれているかさっぱり分からず。
中国語の本の場合は漢字に助けられ翻訳と同時進行で少しは理解ができるのだが、キリル文字は読解不可能。
1本の三つ編みして庭で読書に耽っていたらオネーギンが現れる云々といった夢なんぞ砕け散ってお終いでございます。



大学地下の清泉カフェにて。甘酸っぱく口溶け軽いレモンメレンゲタルトに、大葉とシラスのピザ。お値段お手頃で(全部で500円以内であったはず)
この後に友人が注文したスコーンも半分いただき、学びに来ているのか食欲を満たしに来ているのか。目的に疑念を持たれても仕方ありません。

2022年5月23日月曜日

茶系配色や廃れた十字架だけではなかった  スターダンサーズ・バレエ団『ジゼル』5月15日(日)《神奈川県川崎市》





5月15日(日)、スターダンサーズ・バレエ団『ジゼル』を観て参りました。
https://www.sdballet.com/performances/2205_giselle/


ジゼル:喜入依里

アルブレヒト:池田武志

ヒラリオン:久野直哉

ウィルフリード:友杉洋之

ベルタ:周防サユル

クールランド公:鈴木稔

バチルド:フルフォード佳林

狩猟長:鴻巣明史

パ・ド・シス:
西原友衣菜 西澤優希
塩谷綾菜 前田望友紀  佐野朋太郎 関口啓

村娘たち
秋山和沙 井後麻友美 岩崎醇花 海老原詩織 早乙女愛毬 田中絵美
谷川実奈美 野口熙子 橋本まゆり 東真帆 森田理紗 山内優奈

村の若者たち
井上興紀 小澤倖造 加地暢文 仲田直樹 宮司知英 和田瞬

ミルタ:杉山桃子

ドゥ・ウィリ
石山沙央理 東真帆

ウィリたち
秋山和沙 井後麻友美 岩崎醇花 海老原詩織 岡田夏希
角屋みづき 早乙女愛毬  塩谷綾菜 谷川実奈美 玉村都   冨岡玲美
西原友衣菜 野口熙子 橋本まゆり フルフォード佳林 前田望友紀 森田理紗 山内優奈


ピーター・ライト版ジゼルの鑑賞はこれまで全てスタダンにて2回あり。2006年の佐久間奈緒さんとロバート・テューズリーさんの客演、
翌年の林ゆりえさんと福原大介さん主演と観ておりますが、1幕の茶系配色な衣装や2幕におけるジゼルのお墓の廃れた作りの印象が上回ってしまい
大の苦手な版として捉えていたはずが今回はがらりと一変。主役から群舞、貴族に至るまで充実した舞台でようやく演出の意図の面白味を堪能できました。

ジゼルの喜入さんはバランシン『セレナーデ』等で色気を醸す大人な魅力を振り撒いていらした印象が残り、少女役をどう見せるか注目しておりましたが
それはそれは愛らしく、加えてただの夢見がちな少女ではなく何処か落ち着きもあり、アルブレヒトとの恋のときめきを
じっくり胸の内に秘めるような穏やかで理知的な風情を描き出していらっしゃいました。
ベルタに対しても母親思いな様子も心に響き、ペザントの最中に居眠りしてしまったベルタを
優しく起こしてあげる箇所は日頃から仲良く力を合わせて暮らしてきた生活が垣間見えるひと幕でした。
狂乱での剣を胸に血を流してしまう場での残酷な痛々しさは全身から震え上がっているようで、目を伏せてしままいたくなったほど。
ウィリになってからも微かにあたたかな質感を残した精霊で、命令を頑なに拒み、遊び人であった(失礼)アルブレヒトを守り切る強さを冷徹なミルタに示す姿に
身分詐称と結婚詐欺はショックではあったがアルブレヒトといた時間の幸福が憎悪を超越して身体に残っていたと思わせ、胸に沁み入りました。

池田さんはジゼルに語りかけるときからほんのりからかいの表情が貴族の火遊びな趣きがあり花占いでは一瞬嘲笑うような黒さもチラリ。
バチルドから状況を問われても躊躇なく手を差し出し、なかなか恨めしさのある青年を造形していました。
しかしジゼルが息を引き取ると絶望に瀕した状態に一変。感情の変化を短時間で劇的に体現し、
2幕最後はジゼルに救われても尚、取り返しのつかない過ちを犯した懺悔を訴えるように悲しみに暮れる中で幕。
許しを乞いながらの跳躍も怯え切っている内面をじわりと身体に顔に届かせながら披露され、観ているこちらまでもが悶え苦しみそうになりました。

頭1つ抜けた存在感で沸かせたのはフルフォード佳林さんのバチルド。登場時から高飛車な圧力で場を攫い
クールランド公も困り果て周囲に愚痴をちゃっかりこぼすほど笑、気の強い姫として君臨。
ジゼルの家に招かれても庶民の家の作りや飛び交う虫にあからさまに不満を表し、されどツンと澄ました美しさがあるため憎めずです。
村人とは厚く高い壁を維持しての接し方で、ジゼルに対しては少し心を開き首飾りを贈るに至っても
手を触れられるとさっと避けるように振る舞うプライド高き姫でした。アルブレヒトの格好を目にしたときの眼差しも恐ろしく
しかし意地悪な性格ではなく家柄、格式を何よりも重んじてきたからこそ自然に出た表情であったと捉えております。

杉山さんのミルタも忘れられず、美と恐怖が凝縮した佇まいや他者を寄せ付けぬ凛然とした踊りに惚れ惚れ。
ウィリ達を率いる姿も威厳を頭の頂や脚先からも放ち、ただでさえ強面なメイクをしているライト版ウィリ達の中にいても強烈な女王として森を支配していました。
ウィリ達のヒラリオン追いかけ走法による詰め寄り移動も悍ましく、悪夢に晒されそうな不気味さも刻まれております。

冒頭で述べた通り過去2回鑑賞していながらライト版ジゼルは1幕の茶色系の配色や廃れたお墓と言い大の苦手な演出でしたが、今回は面白さの発見の連続。
その発端となったのは貴族達の登場場面。単にそぞろ歩いて立ち位置につくのではなく、村人達とのはっきりとした境界線を作り身分差を明示していた点で
愛想良く村人達に挨拶するのではなく、そもそも住む世界が異なり本来ならば親しい交流なんぞしてはならない者同士である状況を
全員が雄弁に表現していたと見受けます。上階席にてさほど意識せずに鑑賞していても、貴族が登場した途端に空気が張り詰め始めていたのは明らかでした。
すると貴族側の一見冷たい振る舞いやバチルドの棘のある接し方にも説得力が増強。長年の苦手な版の印象に雪解けの兆しが見えてきたのでした。
時代もお国も大きく違いながら、交わってはならない者同士が同じ空間にて真っ二つに分かれて立つ構図は
ヌレエフの半生を描いた映画『ホワイトクロウ』にて、鉄のカーテンが下ろされていた時代にキーロフ・バレエがパリ公演を行ったとき
現地関係者とは一言も交わそうとしないレセプション会場の緊迫した光景を思い出します。

大概踊り終えた後はいずこへ行ったか不明となるペザントもギャロップでも村人達と戯れながら踊り、6人とも軽快で達者。
描かれる生活感もリアルでペザントの間に居眠りしてしまう愛嬌も持ち、ヒラリオンに笑みを湛えて接し良好な関係を既に築いていたベルタの設定から
母親には認められていても娘には振り向いてもらえないヒラリオンの焦りも納得でき、
嫌がるジゼルのスカートを思わず掴んでしまったりと強行手段に出てしまうのも哀れに感じたものです。
浮気して騙したアルブレヒトは助かって、一筋の恋を貫いていたヒラリオンは沼に落とされる運命について
この作品の納得いかずな意見として頻繁に耳にし、私も初めて作品のあらすじを知った頃、鑑賞した頃は同感でした。
しかしいくら本気でジゼルを愛してはいてもジゼルの心情を汲めず時に過剰に迫っていたヒラリオンの求愛は
ジゼルと同じく恋が実らず若くして命を落としてしまった過去を持つミルタも見逃してはおらず、夜の森へやって来たならば
即座に踊り狂い死の対象となったのは当然の成り行きだったのかもしれないとジゼルが多く上演され観る機会に恵まれた16年ほど前からは解釈しております。
ジゼルがアルブレヒトを助けたのも、初めて恋い焦がれた人に優しく接してもらい、危機一髪のときは守られたりする経験を1回でもしてしまうと
純白な心が一気に桃色に染め上がって恋のときめきが瞬く間に頂点へと達し、結果として息絶えてしまったのは可哀想でなりませんが
一時的には裏切りと思っても、身分詐称者であっても、自身を幸せにしてくれた人をそう簡単に憎悪の感情は持てず
ミルタに刃向かってでも守る決意を滲ませていたのであろうと思っております。(合っているかは自信ございませんが)

音楽が実に張りのある編曲で、序奏からしてドラマティック。低音で聴き慣れている箇所が高音であったり、鋭く弾ける珍しい響きも所々にあった印象です。
ジゼルの1幕衣装は青が好み、村人達もカラフルが良い、そしてお墓は納品が早いのはさておき立派な名前彫り入りが良いからと
苦手で仕方なかったライト版でしたが、身分差の表現や辻褄が合う展開の魅力にようやく気づいた公演でした。





帰りはカウンセラー友人の案内で新百合ケ丘駅前のビルに入る、珈琲屋OB。森の中に足を踏み入れた心持ちとなり
木材をふんだんに使用した内装、座席で木の温もりに包まれた空間です。



チーズケーキとコーヒー。甘さを抑えた口当たり滑らかな味に生クリームとオレンジが程よい爽やかさを加えています
コーヒーのカップのサイズが大きめであるのも嬉しい。




改札すぐそばにありながら知らずにいた隠れ家なカレー屋さんチェリーブロッサム。素敵な女性店主が切り盛りされ、青い外観でテラス席もあり。
いただいたのは身体に優しいハーブが詰まったカレーとビーフカレーが半々のメニューです。丁寧に作られた過程が伝わり、食後にはレモングラスのハーブティーで心身寛ぎました。
まさにジゼルとアルブレヒトが語らいで着席したような木製の長椅子も隣にございましたが
ジゼルとアルブレヒトでない限り、複数人で腰掛けるときは最初から正しい位置に座り、ソワソワと横移動せずじらさないようにしましょう。



自宅の白ワインの在庫が無くなったため、購入していたドイツ産ワイン。ラベルが中世彷彿なデザイン、やや甘めでございました。
自宅でも葡萄祭り、やっとこさライト版ジゼルの面白さに気づいた記念に乾杯です。

2022年5月20日金曜日

合唱も踊る壮大空間   O.F.C. 合唱舞踊劇『カルミナ・ブラーナ』5月14日(土)





佐多達枝さん振付O.F.C. 合唱舞踊劇『カルミナ・ブラーナ』を観て参りました。
https://www.choraldancetheatre-ofc.com/

佐多さんの作品は初鑑賞。カルミナは身体中の細胞が騒ぎ出すほど心から好きな音楽で、佐多さん版は過去にも何度も上演を重ねていながら
機会を逃して行けずにおり、舞踊と合唱の構成も気になっておりましたが序盤から驚愕の連続でした。
まず独唱歌手も舞台中央に登場したり合唱も踊る群舞兼任な大掛かり演出に驚嘆。実のところ、壮大で1時間以上はある音楽に対し
ダンサーの人数が少なめな気もしておりましたが心配は無用で、青空時には星空にも変化する円形照明の下に実力者が次々登場。
捻りやユーモアも散りばめられた振付を全員が音楽を身体で目一杯奏でていて、透けた素材のシンプルな衣装であっても物足りなさは皆無でした。
春を謳歌する前半が遂には天体讃美かと見紛う宇宙なる空間への変貌も目に響き、スケール感を満喫です。

そして最たる驚きは舞台の左右に大勢のコロスが立ち、群舞の役割も果たす演出。例えばゴスペルのような、手拍子や少しリズムを取る風ではなく
身体の曲げ伸ばしを行ったり、方向転換や前進後進もこなしながら歌い続け、舞台全体が作り出す舞踊と合唱一心同体な空気にひたすら圧倒されました。
舞台両脇の出っ張り?ような場所の合唱団と舞台上のコロスともにマスクを着用。約1時間強、壮大と言う他ない作品を全曲歌うと考えただけでも
息切れしてしまいそうですが、好条件とは言い難い中であっても堂々とした立ち姿或いは
大人数で息を合わせながら踊り歌う合唱の方々に今一度拍手を送りたい思いでおります。

そして独唱歌手の方々も舞台中央まで登場しダンサーと向き合って呼応しながら歌ったりと、舞踊、独唱、合唱、演奏全てが主役とも見て取れる演出。
声楽界については大変疎くあれこれ感想を綴るべきではないかもしれませんが中江早希さんの、頂点に達したかと思えば更に膨らみを帯びて響き渡る声量は
天まで届きそうな迫力と艶で、東京文化会館の5階末端席で鑑賞していても今にも声に引っ張られる感覚を呼び起こされました。
各地から複数の団体が集結して臨んだ子供達の合唱も、ピュアな中に陰が落ちていくような孤独感を秘めた歌声で会場を包み、耳がぞわっと反応。

ダンサーの中ではとりわけ酒井はなさんと島地保武さんが印象に残り、 大所帯の中であっても埋もれず、音楽を身体でくっきりと描き出しながら舞う酒井さんと
長身を持て余さずしなやかな軌跡を残して行く島地さんのパ・ド・ドゥを目にできたのは大きな喜びです。

カーテンコールに佐多さんも登場され、残念ながら当方の席からは殆ど見えずでしたが車椅子に乗っていらしたとのこと。
日本のバレエ創成期から続々と作品を生み出してこられたエネルギーに平伏し、プログラムに掲載された
作品の記録を眺めているともっと前から観ておくべきであったと後悔すら募ります。
中でもベートーヴェンの『交響曲第9番』は約20年前のバレエ雑誌にてリハーサル記事を読み、坂本登喜彦さんや高部尚子さん、安達悦子さんや柳瀬真澄さんといった
所属の垣根を越えての稽古写真を目にし、何が飛び出すかわからない面白さがあって大好きとの高部さんから見た佐多さん作品の魅力についてのご発言や
日本では1回きりの公演が多いため作品もなかなか残らず振付家も観客も育たないと思う、と
佐多さんご自身が日本のバレエ公演事情の難しさについて語る内容にも関心を持っていたはずが行けず終いであったのは悔やまれます。

カルミナのバレエは3人の神学生が踊り繋ぐ展開を見せる、刺激度の強い衣装が大半を占める演出に大変な衝撃が走った新国立劇場でのビントレー版、
京都では女神に気まぐれで神出鬼没な性格を加味して描いた石井潤さん版を鑑賞しておりますが佐多さん版鑑賞ができた今回は誠に幸運。
ダンサーからソリストの歌手、合唱まで舞台を埋め尽くす壮大な合唱舞踊劇を堪能いたしました。これからも踊り継いでいって欲しい作品です。





鑑賞前、東京文化会館目の前の国立西洋美術館の常設展へ。いくつもの部屋に跨って展示作品多数。
常設展は初めて訪れ、作品数や製作時代の幅広さにも今更ながら驚かされました。個人の使用においては写真撮影も可能とのこと。
特に目にしたかったのが中世時代の詩集で、昔から教会史料や色づかい、文字の形に興味もあり。カルミナ・ブラーナ鑑賞前で好タイミングでした。



金色の文字と抑えた青色の組み合わせが美しい歌集。5線譜ではなく4線譜です。



鳥と植物の渋めな色彩模様にも魅せられ、綴られている内容をいつの日か読み解きたい。



こちらも感激、テオドール・シャセリオー作『アクタイオンに驚くディアナ』。37歳で生涯を終えた画家であったらしい。
まさにアクタイオンが水浴び中のディアナに見つかり、鹿に姿を変えられた瞬間を描いています。ディアナの頭に三日月あり。
少し前までならば、この絵の鑑賞中はギリシャ神話の中で3本の指に数える好きな物語であり、絵について、話について再度本で調べようと思う或いは
グラン・パ・ド・ドゥ抜粋なら晴れ晴れ爽快な作品に思えるが全幕の中の余興に入れるのは無理矢理感が拭えずであった云々
バレエにおける鑑賞時の記憶掘り起こしにとどまったのでしょうが、今回は生活習慣の変化の兆しが表れつつあった今年3月中旬を思い出し
アクティオンコーダのジャンプもう1回やってみたいと某日の有酸素運動終盤が脳裏にて再生。
何しろ突如ふわっと勇ましく舞う目の前のお手本に眼福でございました。音楽も爽快で宜しい。



帰りは当ブログレギュラーの後輩と、後輩と同い年でバレエの歴史や作品について学ぶ講座を検索するうちに当ブログに辿り着いてくれた方と食事へ。
ひとまずビールで乾杯。
今年3月の管理人2年2ヶ月ぶりのレッスン受講において、都内一等地での移転オープニング記念であるからズンドコ人間ではなく踊れるお綺麗な方々が行くべきと
断固不参加を明言していた私に対し、是非受講するよう約1日がかりで説得してくれたお2人です。
踊れる女子なこの2人は酒井はなさん指導クラスで知り合って以来の仲だそうで、私も1度6年前にクラスを受講。2人の存在が心強かったものです。
2人とも見るからに「バレエ女子」な風貌容姿で、例えるならば大輪の薔薇と涼やかな菫といった雰囲気を持ち
カルミナの第1部春の一節にある花いっぱいの気高き森、花は咲きほころび、の歌詞がそのまま当て嵌まります。
私と違い、レッスン後に大衆酒場へはまず行きそうにない、子供時代から現在に至るまでブランク無しのバレエ歴を誇る2人組でございます。
私の良き理解者でもあり、鑑賞やバレエ史等の座学講座受講が中心である我が習慣を尊重及び
レッスン回数が極端に少ない割にはクラス選択や受講時の格好が大胆にもほどがある点⁉も優しい反応を示してくれています。



鎌倉ハムフェア中。鎌倉は酒井さん所縁の地域で2人も嬉しそうな笑みを浮かべていました。
ピザはチーズ控えめでハムが前面に出た味わい。リエットも旨味があり、ビールに合う料理ばかりです。



ベーコンフリットは肉汁が溢れました。衣はサクサク軽い。ハムカツはレギュラーメニューで、ゆで卵も挟まっていてまろみもあり。



お店名物のロースビーフもいただきました。豪快なボリュームです。
スタジオは広いところがいい、床はリノリウムがいい、音楽は生伴奏がいい、と踊れぬ素人にも拘らず
レッスン環境の理想を八代亜紀さんの代表曲『舟唄』風につらつら並べても耳を傾けてくれる優しきお2人です。


デザート、春らしいパフェが似合う2人。私はプリンと赤ワインで締め括りです。

それにしても新国立劇場で久々に観たい、ビントレー版。特に性欲に溺れる神学生3は名演者が、そしてこれから観たい人も脳裏を過って止まらず。
我が目が黒いうちに実現しますように。

2022年5月16日月曜日

ゲネから千秋楽まで波乱続いた約4ヶ月ぶりの本拠地公演  新国立劇場バレエ団『シンデレラ』5月1日(日)〜5月5日(木)  計5回




5月1日(日)から5月5日(木)、新国立劇場バレエ団『シンデレラ』を計5回観て参りました。
https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/cinderella/


シンデレラ:米沢唯(1日、4日)  木村優里(3日昼)  小野絢子(3日夜)   池田理沙子(5日)

王子:井澤 駿 (1日、4日)  渡邊峻郁(3日昼)  福岡雄大(3日夜)  奥村康祐(5日  3幕は井澤さん)

義理の姉たち:
奥村康祐(3日夜)  清水裕三郎(1日、4日) 小柴富久修(3日昼、5日)

小野寺 雄(3日夜)  福田圭吾(1日、4日) 髙橋一輝(3日昼、5日)

仙女:細田千晶(1日、3日昼夜、4日)  木村優里(5日)

春の精:五月女 遥(3日夜、5日) 広瀬 碧(1日、3日昼、4日)

夏の精:渡辺与布(1日、3日昼、4日)  飯野萌子(3日夜、5日)

秋の精:奥田花純(1日、4日) 柴山紗帆(3日昼、5日)  池田理沙子(3日夜)

冬の精:中島春菜(1日、3日昼、4日)  寺田亜沙子(3日夜、5日)

道化:木下嘉人(1日、3日夜、5日)  佐野和輝(3日昼、4日)


米沢さんのシンデレラは繊細な脚の差し出しや上体のキュッと締まった動きも快く、朗らかさと翳りを行き交うシンデレラの内面も細やかに表現。
中でも舞踏会へ行ってしまった義理の姉妹達を追いかけたものの自身は行けず、がっくりと落ち込んでからの箒とのパ・ド・ドゥにおける
箒と一体化したさらりと風を吹かすような清らかな踊りが目に残っております。

小野さんは以前にも増してステップにメリハリが効いていて、内側から沸き上がる感情を実に滑らかに身体中に届かせて披露。
随分と快活なシンデレラであるのは相変わらずですがこれもご愛嬌。義理の姉妹達とのやり取りからもか弱さは無く、されど夢見る少女な趣きも十二分に持ち合わせ
快活な中にも四季の精達への憧憬や王子を前にした恥じらう乙女心も醸す可愛らしさが度々覗くヒロインでした。
3日夜公演ではちょうどシンデレラのヴァリエーションの真っ最中に強めの地震が発生し、縦にドンと突き上げる揺れでしたから悲鳴も聞こえてきたほど。
4階隅の迫り出した辺りに座っていた私の近隣でも思わず声を発してしまう方もいらっしゃいました。
舞台はそのまま進行し、小野さんがお気づきであったかは把握できていないものの一挙手一投足が救いの象徴の如く場を煌めかせ、レヴェランスにて
いつも以上に客席を上下左右隅々まで見渡しながら落ち着いて安心させるように語りかけてくださり全観客が励まされたことでしょう。
そして続いて福岡さんが客席の動揺を掻き消すように勇壮なヴァリエーションを披露され、最後まで順調に進行。舞台に救われた一夜となりました。
今月の新国立劇場卓上カレンダーは小野さん福岡さんの『シンデレラ』。職場にて期日関係の確認でしばしば愛用しており
目にする度に、一時不穏な空気に包まれた客席を一旦落ち着かせ再度夢の宴に導いてくださった3日の夜が思い起こされます。
お2人はこの作品での共演も回数多く、昂ぶる恋心が溢れる印象は抑えめであったのは正直なところですが
パ・ド・ドゥにおける呼吸やフォルムのシンクロは時にシャープに時に柔らかに、どの箇所でもぴたりと合っていて大看板ペアと唸らせました。

木村さんは仙女とかけ持ちであったためか、また身体改造もなさったためか随分と大人びたシンデレラであった印象。
私個人としては余りに華奢であった以前よりも今の体型の方が好みで豪奢な衣装にも負けぬ魅力もあると思え、パワーを増しつつエレガントな踊りに見入りました。
シンデレラと仙女両役を観た限り今回は仙女の方が胸に響き、母性溢れる大らかな、芯が盤石な統率力やステッキを振るときの上体の使い方がより深くなり
麗しい光と化して宮殿へと案内してくださいました。中止になってしまった2月のエデュケーショナルプログラムでの案内役仙女も観たかったと悔やまれます。

池田さんは素朴な女の子が夢を掴んで宮殿へと向かうストーリーに自然と溶け込み、とりわけ1幕のひとりぼっちになった場では
安定感のあるキビキビとした踊りと腕を掲げるときの少し抑えたポーズが可愛らしく、目に残っております。
3幕からは井澤さんと急遽組んでの披露となりながらも慌てぶりや不安感は無く務め上げたのはお見事。
全幕作品主演としては初共演となる『不思議の国のアリス』を楽しみに待っております。

今回はゲネから波乱の連続で、千秋楽は奥村さんが2幕での怪我により3幕から井澤さんが靴を持って登場。
3幕開演直前にスタッフが登場して事情を説明し客席騒然となり、怪我なさったとは全く気づかなかった、
アリスにはどうか間に合って欲しい等心配する声があちこちから聞こえ、このときばかりは
隣近所知らない者同士でも顔を見合わせ、驚きを隠せずにいた方も多数であったかと思います。
奥村さんはゴージャスな姉を2日間踊っていらしたとは思えぬ、全身からにこやかさを放ち、シンデレラへの恋模様も
驚きの出会いからすっかり心を通わせて行く王子の内面変化の表現もはっきりとなさっていましたから心身の切り替え力に脱帽していただけに
『不思議の国のアリス』白うさぎ役の降板も発表されたのは誠に残念でならず。回復と再び元気な舞台姿にお目にかかれる日を心待ちにしております。

井澤さんは物語終盤になってのいきなりの登場で身支度だけでなく、この日初登場の時点で既に恋に落ちたシンデレラの突如の帰宅を追いかける心の準備も
大急ぎで行っていたかと察しますが、井澤さんを讃える大きくあたたかい拍手が沸きました。
靴を巡る姉妹達との困惑なやりとりから結婚式までそのまま話をスムーズに繋いで終演。

※ちょいと長くなります。小休止をどうぞ。
渡邊さんは登場からして仰々しいファンファーレをも撥ね退ける勢いとオーラを振り撒く王子で座長らしい貫禄もあり、浮かんだ4文字は眉目秀麗。
階段からの跳躍から弧を描く柔らかさとぐっと締まりのある強さの比率絶妙でございました。青い襷が選挙にならず、格式高くああ似合う。
歩き方や立ち姿も堂々且つ高貴で、壇上から若き4人の友人を見つめる眼差しはやや保護者な趣きも無きにしも非ずはご愛嬌。(褒め言葉)
力みのない片脚着地や背筋がすらりと伸びた状態を維持しながら度々の清爽とした跳躍を披露されたソロにも興奮。
パ・ド・ドゥでの言葉をかけるかのような目線の送り方や、シンデレラが落とした靴をそっと拾う所作から立ち上がり
捜査本部長な顔つきに変わってのシンデレラを探し出す信念意思の貫きにも我が目は心臓印になり続けておりました。
髪型もゲネ、本番含め自然な纏め具合で二重丸でございます。
アシュトン版ではカットされていますが、仮に靴を持っての世界捜索の旅が描かれたならば
4人の友人も率いて危険を顧みず、一念岩をも通すの精神でシンデレラ探しに明け暮れていたことでしょう。

思えば今回でアシュトン版『シンデレラ』で組むダンサーは柴山さん、米沢さん、木村さんで3人目。(こどもシンデレラでは木村さんとも共演あり)
パートナーが変われば物語の構築も変わる面白さも思い起こされ、アシュトン版においては
徐々に心を開いていくシンデレラと、慎重に接しつつもシンデレラに心を寄せていく安心感を与える王子が
ようやく2人の感情が高まったところで一気に距離が近づく段階を丁寧に積み上げた2017年の柴山さんとのパートナーシップが今も深く印象に刻まれておりますが
木村さんとのぱっと華やぐ輝きが舞い上がるようなパ・ド・ドゥも響き、当たり前ではありますが
同じ作品でも相手によって異なる化学反応が生じるからこそ、繰り返し鑑賞し通いたくなってしまうものです。

ゲスト無しで3キャスト組めたのは初と思われる義理の姉たちも3組3様。美貌で大胆、細やかな仕草が前回より遥かに色めき立っていた奥村さんが圧巻で
ニコッとした笑みからドタバタなダンスまで嫌味一つなく体現。小野寺さん妹のほのぼのした可愛らしさも毎度増強傾向で
困り果てて戸惑う様子も姉からの助言をもと立て直そうと奮闘する健気さが伝わるひと幕でした。
予測がつかない展開をもたらしていたのは一見クール美女な清水さんで、間の取り方も上手く活発そうな妹の福田さんと面白コンビな仕上がり。
1幕における、福田さんが通りすがりに御者の持つ鞭をびよんと弾かせてからかう様子も憎めずです笑。
小柴さんは派手メイクをしても生来のお顔立ちが生かされたすっきり美人な姉で、おっとり困り顔な髙橋さん妹と
顔の系統もどこか似ているためか姉妹としては一番しっくりしたコンビ。
3組に共通していたのは陰湿な意地悪は無く、ちょこっと我儘で身勝手で、シンデレラをこき使ってはいても執拗ないじめはしておらず。
例えばシンデレラを横へ追いやるときも力ずくで押さず、床に思い切り叩きつけたりはせずほんの少し寸止めな状態で終わらせていると見て取れたりと
余計な胸の痛みを感じぬような振付で、男性が演じることでコミカルな割合が高まるだけでなく振付にも意図工夫があると思っております。

木下さんの道化の闊達で緩急自在な跳躍や自分の顔が付いたステッキや王子との語らいも台詞が聞こえてきそうで、宮殿と観客の距離をぐっと近づける役目を果たす活躍。
怪我で降板された山田さんに代わり大抜擢で急遽初の大役に挑んだ佐野さんは初回の前半こそ硬さがありましたが
王子とのやりとりや舞踏会での姉妹達との大騒動、靴合わせのときの心穏やかではない王子への心を寄せた優しい気配りと、要所を繋ぎ
柔らかで軽快な踊りの持ち味も発揮。長い在団を経ての初の大役を立派に務め上げました。
実はゲネで当初登板のはずだった山田さんに代わり予告無しで木下さんが登場し、御者が佐野さん。今思えば裏は大慌てな状況であったと推察いたします。
(公演にて配布のプログラムによれば道化と御者は木下さん山田さんで分担予定であったもよう)
御者もそれぞれ面白い役作りで、佐野さんは意外にも粘ってチップを稼ごうと何度もシンデレラ父親に言い寄り
木下さんは中家さん父親から代金を受け取るとき、2人して悪巧みな表情で取引成立させていた日もあり
時代劇の悪代官と越後屋の関係を思い出してしまい、笑いが込み上げておりました。

溜息物の美しさ、精度の高さに魅了されたのは細田さんの仙女。奥底からの慈愛が全身に滲み出て場を染め上げ、ひたすら優雅であり
浮遊しつつもポワントワークの正確さにも唸り寸分の隙も無い、まさに妖精。指先脚先から音符と星屑の両方を放っているような音楽との溶け合いも眼福でした。
加えて、ゆったりとした音楽を奏でているかと思えば1幕コーダでのアレグロも盤石に魅せ、腰を屈めながら左右交互のポジション転換もお手の物で
最後は余裕のある柔和な上体を引き上げて締め括り。技術と表現、オーラと3拍子揃った、いつまでも観続けたい仙女でした。

随分と平均身長が高くなった王子の友人は2チームで、ベテラン組は他日父親も務めた中家さんも溶け込み(変幻自在だ)
速水さんが無事新国立公演に復帰。終始4人ともびしっとした揃い具合であった点も好印象でした。
もう1組は全員初役で、ゲネでこの並びを目にしたとき卒倒するお方もさぞかし多かろうと想像。
ゲネ直後はまだ親しい方々にも出演者までは打ち明けられず、フレッシュな面々であった旨のみ伝達でございました。
今年1月ニューイヤーでの『テーマとヴァリエーション』からして渡邊さん日は若手長身組で整えてくるキャストもありかと予想はしておりましたが的中し
ヒマラヤフレッシャーズと勝手に名付けた旨、お許しください。全員それぞれに個性もあり、
中島さんはどこか淡くで上品(白うさぎ、健闘祈る)、渡邊拓朗さんはパワーと貫禄、仲村さんは立ち姿がいたく綺麗で、太田さんは軽やかで端正。
そこへ朝日が昇ったかの如く太陽な煌めきの渡邊さん王子が階段上に現れた、どの名所で撮影した初日の出よりも
めでたさが昇華したこの構図をそのまま切り取って来年の年賀状に載せたいと欲を募らせたゲネでした。
公演期間前の段階でしたので誰にどこまで話して良いのやら笑、興奮は容易におさまらなかったものです。
実のところゲネでは4人が揃っているとは言い難い箇所もありましたが、 四季の精への速度も求められる一斉サポートや
シンデレラが現れた直後のワルツにおける王子を主軸に友人が交差しながら展開する場も本番ではきっちりと仕上げてきた点も喜ばしく思えました。

四季の精では五月女さんの春の精の完成度の高さがひときわ刻まれ、弾みっぷりやポーズのぶれない維持力に感嘆し、ずれが微塵もない
切り絵が出来上がるまでの軌跡を目にした気分です。夏の飯野さんの、下手すれば冗長な印象を与えかねない音楽の中で強弱をしっかり付ける踊りや
秋の奥田さんによる刺した針のような真っ直ぐな軸と自在に操る上体の素早さにも引き込まれました。
全員異なる形、装飾の凝った頭飾り観察も毎度の楽しみで、春の葉っぱ、夏の橙色の植物、
秋の紅葉、冬の雪の結晶や氷らしきもの、と双眼鏡越しに見入ってしまいます。シンデレラ、仙女、星の精もですが
輪っかの後ろ側を高めにしたカチューシャ型ティアラである点もユニークで構造をじっくり目にしたくなるポイントです。

度々上演を重ねた今回もしかしたら初注目したのは父親で、家では気弱ながら娘を気遣いつつも舞踏会では心が解放されたのか!?やりたい放題で
特に中家さんがマズルカ陣を巡回しては腕をほぼ水平に掲げるポーズを真似たり、立ち役に対しても(石山さんがターゲットになっていたか笑)
近づいて眼鏡越しに眺めてはご満悦な表情を浮かべたりと弱々しいだけの父親ではない人物像を色濃く描画。今後も注目して参りたい役に加わりました。
注目と言えば、ウェリントンの渡邊拓朗さんが何処かの国の紙幣になっても何ら違和感のない勇猛な英雄そうな軍人でございました。
鬘が別の種類であるのか、前はカズレーザーさん風の形のものを先代の皆様は使用されていたかと思われますが記憶に自信無く、ご了承ください。

そして忘れてはならないプロコフィエフの音楽の魅力。毎度虜となり、1幕四季の精たちや2幕の靴落とし前の
摩訶不思議なワルツはひときわ心揺さぶられ、異世界に迷い込みそうな心持ちとなる曲でハッピーエンドなおとぎ話であっても
幸福だけではない、不安や切なさ、おどろおどろしさ
そしてシンデレラと王子の恋が一気に加速するときめきも掻き立てられ曲に込められた感情の振り幅の広さに触れる思いでおります。
だいぶ風変わりな楽曲であっても幼少期から好んで鑑賞し、『シンデレラ』や『ロミオとジュリエット』に聴き惚れている私は
人によっては珍種な子供に映っていたのかもしれませんが笑、何十年を経てもプロコフィエフ好きは不変でございます。

また3幕結婚式前の星の精達が紡ぎ出す明かりと星空の広がりの曲を耳にすると、これまでにも何度か紹介している
プロコフィエフ関連書籍にて故郷である現在のウクライナに位置するドネツクのソンツォフカ村の風景を記した文中の
夜半には、きらきら瞬く星くずをちりばめられた黒いビロードの天空が、の下りを思い出さずにいられず。
悲惨な状況の報道が連日なされている昨今、ただ星々の瞬きにうっとり見惚れるだけでなく平和な日々の訪れを願わずにいられぬ終幕場面となりました。
ドネツクの国際空港のロビーにはプロコフィエフの肖像画が掲げられ、正式名称はセルゲイ・プロコフィエフ国際空港であると書籍で読んで以来
いつか降り立ってみたい空港として憧れを持っておりましたが、現在の様子も気がかりでなりません。

新国立劇場バレエ団のレパートリーとしては上演年数回数は最長最多作品であろう変わらぬ人気を誇っていて
私も2006年以降はほぼ全上演を観ているためか飛び上がって歓喜するほどではなくなっているかもしれません。
しかしいざ鑑賞すると音楽、振付、衣装どれにも魅せられ主役以外の強烈個性な人物達や
ひょっとしたらシンデレラが仙女に渡すパンが長い形状から丸みのあるブールパンに新調された(確信はないが)云々、小道具対しても
更なる観察を行なっている自身に気づき、鑑賞後は再演の積み重ねを毎度幸せに思う作品です。
英国ロイヤルから受け継いだ古き良きクラシカルで凝った衣装装置はそのままに、これからも上演を重ねて欲しいと願っております。




ゲネプロと同じキャスト公演前、今回は心のみならず天候も快晴の空! 約1時間後、太陽の光に反射するこのスプマンテ以上に煌めく爽快な王子が舞台にご登場です。



マエストロにて乾杯。この日人生の節目を迎えられたお方も一緒に祝福。めでたさが何倍にも膨らんだひとときとなりました。



前菜の盛り合わせ。目が覚めるような彩り明るいお皿です。



サーモンとイクラ、春キャベツの生パスタ。春の便りでございます。白ワインとも相性抜群です。



オレンジ入りのセミフレッド。シンデレラ王子の宮殿では、手を叩くとオレンジ注文が完了する仕組みであったらしい。



当ブログレギュラーの愛すべき後輩と。春限定のオレンジハイボールだったか、で乾杯。エメラルドグリーンが眩しい。



テキーラオレンジ。酔いの回りが早そうな強さです。



飲むチーズケーキ。甘さ抑えめでさっぱりといただけました。フルーツものっていて華やかデザートです。



英国風カレーとHUBオレンジ。英国風とは何ぞやとカレーを口にしつつ、アシュトン版シンデレラの要素に考えを巡らせていただきます。
それにしても初台シンデレラ期間はあたかも伊予の国滞在の如きオレンジ消費量。管理人、蜜柑星人になりそうだ。

2022年5月10日火曜日

【お茶の間観劇】コール・ドに力を注ぐ大切さ  Angel R  ODORIGOKORO(オドリゴコロ)Vol.10  5月8日(日)

順番前後いたしますがこちらから。5月8日(日)、Angel R  Dance Palace  ODORIGOKORO(オドリゴコロ)Vol.10を配信にて視聴いたしました。
https://www.angel-r.jp/event_ar/odorigokoro/%E3%82%AA%E3%83%89%E3%83%AA%E3%82%B4%E3%82%B3%E3%83%AD-vol-10/32496/






劇場にてカウンセラー友人を通して知り合ったとても素敵なお方が出演、また出演作品の構成や音楽の使い方、衣装の印象も気になり
Angel Rさんの舞台にも何度か足を運んでおりますため視聴。会場の三軒茶屋を最寄駅とする昭和女子大学人見記念講堂に向けて拍手を送りながら観劇いたしました。

オドリゴコロはAngel Rさんにて定期的に開催されているようで、スタジオのときもあれば渋谷の大和田さくらホールといった劇場での開催もあったようですが
今回は過去の全幕作品上演の発表会会場にもなった昭和女子大学の人見記念講堂。作品は17本に及び
古典から創作まで、初級者から上級者まで、心から楽しんで踊る皆様の姿が清々しい余韻を残しました。

全体を通して大きな魅力に感じた要素の1つが、古典にしても創作にしても初級や上級といったレベル関係なく
大人数作品が大半を占め、コール・ド(群舞)を踊る重要性に力を注いでいた点。
ヴァリエーションや王道のパ・ド・ドゥは無く、皆で息を合わせて揃え、協調性を大切にしながら丁寧に踊る
バレエの舞台の基本をまずはしっかりと学ぶ姿勢が伝わりました。
作品も古典から創作、コミカルなものからしっとり優雅なものまでバランスの取れた構成で
生徒さん達のレベルに即した作品が揃い、観ていて楽しさと安堵感を持たせるプログラムです。

特に舌を巻いたのは約20名構成であった長谷川智佳子さん振付『ライモンダ』第1幕より夢の場。
全幕における、ライモンダとジャンのアダージオが始まる直前の音楽で幕が開け、ワルツ・ファンタジアとコーダ部分を用いた構成で
知人が出演していたことも理由の1つではあるのですが最たる驚きは全体の調和力。
幻想的な美しさは勿論のこと、ビシッと締まりある仕上がりで、夢の場だからといって柔らかになり過ぎずされどばたついた歩き方にもならず
入り組んだフォーメーション場面やポーズや立ち位置を変化させていく過程でも乱れ無し。全員がきりっとした美と優雅な趣きの両方を
全身から表していた印象で、集合して左右対称にふわりと花が開いたような幕開けから目を見張りました。
振付指導の長谷川さんは東京バレエ団ソリスト時代の舞台を何度も拝見しており、準主役な立場で舞台を引き締める職人肌なダンサーでいらしたと記憶。
持ち味が作品にも反映されているのか、腕の運び方や移動時の脚の出し方といった細部に至るまで事細かな指導が窺えました。
皆で呼吸を意識し協調性を重んじ、派手さはない1つ1つの要素も決して疎かにしない練習が
結果として全体の質向上に繋がったのでしょう。大人の趣味バレエであっても妥協や甘やかしは一切ないと思われます。

それから作品に興味を惹かれた理由がもう1つ、事前に衣装の写真を見せていただいたとき、新国立劇場の『ライモンダ』2幕の主役衣装
(もし1着だけ好きな衣装を着用させてもらえる願いが叶うならば管理人、これを希望)に似た、青と金色を組み合わせた私好みなデザインで凝視していたところ既視感が募り
辿って調べてみると昨秋愛媛県西条市で鑑賞した篠原聖一さん版の2幕での友人と同じ衣装であったもよう。
昨年2021年約90回の鑑賞上位に入っているほど思い入れのある舞台で、つまり私の中ではライモンダの友人衣装として脳裏に刻まれているデザインを
今度は同じ作品の夢の場で使用されたときに受ける印象にも関心を持たずにいられなかったのです。
結果、青を基調とした照明と衣装による落ち着いたトーンの生み出しにも目を奪われ、今では夢の場と友人双方の好印象衣装となりました。

そして知人も発見。普段からそれはそれは謙虚さの塊なお人柄で、まだバレエ鑑賞歴はそう長くないからといつも謙遜していらっしゃるのですが
踊りの随分と細かな部分まで目を行き届かせ、同じ振付でも出演者による僅かな差異にも気づいていらしたりと冴え渡る鑑賞眼から毎度私も学んでおります。
鑑賞感想を好き勝手にぼやく捻くれた性格の私にもたいそう優しく、接すると間違いなく心穏やかになる寛大なお方です。
次回また近いうちに劇場でお目にかかれますように。

それから人数を増やしたパ・ド・カトルことPas de neufの春めくボックスフラワーの箱を開けたかのような薔薇ピンクの集いも華やぎ、この作品、題名通りに4人で素明かりで踊っても
例えプロでも余程の大スター陣でなければ冗長になりやすく、(吉田都さんと酒井はなさんの共演は身震いしたが。今夏のNHKバレエの饗宴布陣も興奮極まりない4人になりそう)
寧ろ人数を増やしての振付のほうがピンクのロマンティックチュチュが舞台を覆い、観ていて心が浮き立つと思っております。
ゆったりとした足取りや見つめ合ってからに鷹揚とした動きも実に丁寧で、好感を持ちました。
子供の頃発表会でも大人の生徒達が題名はそのままに8人ぐらいでプロローグとヴァリエーションを分け合って踊っていて
カトルのはずが4人でない点に疑問を投げかけておりましたが、すぐさまバレエ作品ガイド書籍にて
時代を代表するプリマ達の競演が原型であったと知り、素人4人では物寂しい舞台になっていた可能性も十分あり得ると思えたものです。

最後を飾ったのは『エスメラルダ』よりフルールとフェブの婚約の宴で披露されるグラン・パ・ド・フルール。
大概はカットされる場面ながら今年3月の日本バレエ協会ブルラーカ版上演では丸々入り、全幕の中で観るとああ長い笑。
しかし抜粋で観る限りはソリスト、コール・ドが次々と登場する典雅なクラシックを堪能でき、こうも印象が違うのかと捉える好機となりました。
フルール役は講師でいらっしゃる岡陽子さんで、佇まいがきりっと美しく、きらりと輝くオーラと誇り高さも感じる令嬢。

実は岡さんは7年前の10月、私がAngel Rさんの体験レッスン時にクラスを担当されていた方で
(同年9月の10周年記念発表会ドン・キホーテを観に行き、プログラムに無料体験レッスンチケットが付いていました)
大手スタジオらしくクラスが多彩で細分化されていて電話でスタッフに相談したところ私には初級も難しいと思えたため確か入門チャレンジの受講であったと思いますが、
明るくからっとした優しい教え方で、ワルツのとき皆でカウントを取りながら踊りやすい道へと導いてくださり
バーでは身体をじっくり楽しく引き上げる練習として『テーマとヴァリエーション』冒頭部分の音楽を使って自然と背筋が伸びる快い感覚を
体感させてくださったことも忘れられず。大人になってからの再開後、今日に至るまでただ1回、平日仕事帰りに受講したレッスンでもありました。
(私の性分上、レッスンは基本休日、つまりは他の用事がない真っさらな日でないと困難らしい)
しかし岡さんのレッスンによりAngel Rさんの印象が益々良いものとなり、レッスン受講状況を尋ねられたあとき、
2年前(2013年)に再開し但し年に2、3回の受講と申し上げ、驚かれながらも励ましながら受け止めてくださりその節はありがとうございました。

初めて鑑賞した企画舞台でしたがかれこれ10回記念を迎え、作品選びや出演者のレベルを考慮した振付、上演順序に至るまでこなれていて工夫に富んだ演出。
何よりも初級者から上級者まで、大人数で呼吸を合わせて踊る喜びを全身から放っている様子が目に入り、日々のたゆまぬ努力に今一度拍手を送りたい思いでございます。

2022年5月8日日曜日

【人生2度目】アーキタンツにてレッスン受講

5月7日(土)、スタジオアーキタンツにて、渡邊峻郁さんのレベルフリークラスを受講して参りました。3月中旬に続きアーキさんは人生2度目の受講。
今年は増加傾向にある!?どう目を凝らしても劇場での鑑賞或いは教室や図書館でのバレエ作品の歴史研究向きな
跳んでも宙に浮きそうもない管理人のズンドコドッスン日記2022年第4弾です。
http://a-tanz.com/ballet/2022/05/06120250





渡邊さんと言えば、今年のゴールデンウィーク初日を飾った新国立劇場バレエ団ゲネプロ『シンデレラ』王子にて、
そしてつい先日5月3日の本番では1階最前列にて拝見し、ヒマラヤフレッシャーズこと先に登場して整列する
長身4人の友人の更に上を行く太陽の如き煌めきと風格漂うお姿にひたすら見惚れておりましたが
今回はレッスンですので自身で覚え即座の実践が求められ、ぽわっと見惚れているだけではいけません。
しかもオーケストラピットもない、同じスタジオ内ですからオペラパレスの最前列以上に近距離で拝見です。
現時点では地球上の人類で最も魅力に取り憑かれているお2人の男性のうちのお1人ですから緊張しないほうが困難でございます。
今回も01スタジオでの開催で(基本レベルフリーは01スタジオかと思われます)広々とした空間にて伸び伸びと受講できました。
クラス名の通りプロ級な上級者から、下は初級最下層民の私まで、大変様々なレベルの受講者が集まっていますから
レッスンの組み立てはさぞ悩まされる作業かと推察いたしますが、シンプルなものからチャレンジングで複雑なものまで
多岐に渡る要素を合わせた内容を考えてくださり、加えて初級者にも優しく向き合いながら懇切丁寧に指導。安心感を与えてくださいました。

さて、今回もバーからして複雑で方向転換で私は大混乱。外側に身体を向けたかと思えばすぐ内側に向け、
次は向きどっちやねんと度々方向感覚がおかしくなってしまい反省でございます。しかし、渡邊さんがなさるお姿を目にするとそれはそれはくっきりと美しい
方向が変わるからこそ生み出されるより立体感のある動きが眼前を覆い、惚れ惚れと心を持っていかれました。

センターでは私が一度やってみたい挑戦してみたいと密かに憧れていたテクニックも冒頭から登場、フェッテでございます。
勿論グルグル多量回転のほうではなく、振り上げた脚を保ったままアラベスクに移るもので
実は子供の頃の経験した唯一の全幕物『シンデレラ』四季の精の上級生4人が、シンデレラ出発前の摩訶不思議なワルツにて
横一列に並んで潔くこなしていた光景が今も忘れられず。ひっそり憧れを抱いておりました。
あれから何十年、遂にこの日が到来したもののお手本を見ると随分とゆったりしたテンポでポーズの維持が大困難で終わりそうな予感が募り、
不安が過ぎりますができるか否か考える暇はなく伴奏が始まったらやるしかありません。
案の定、頭の上から手先脚先までがくがくと震えが走ってしまったまま終了してしまい、できへんかった今回。次回再度臨める機会がありますように。
音楽を持て余すことなくふわりとしなやかに、腕の線からも情感が優しく広がるような渡邊さんのお手本を眼前で拝めましたので良しといたしましょう。
他の箇所において、少々長めにポーズを保ってみることを意識する旨では外からの見え方にもユーモアを交えて触れられ、腑に落ちた次第です。

それから背中を正面に見せてからのバランセしながら正面に向き直る(分かりづらい表現で失礼)背中を強調するポーズも
アシュトン版シンデレラをゲネプロ含めて6回鑑賞して間もないタイミングであるためか願望があり(振りはだいぶ違いますが)
今年のお正月以降正月太り防止の為に日課として始めた肩甲骨の動きを活発化させ背中を華奢にするための
山の字体操の成果のほどはひとまず忘れて、深い着地からすぐさま切り換えてこなすのは難易度高しです。

あくまで想像ですが、前回3月19日のレベルフリー時よりも渡邊さんは柔らかな印象で、
アーキでの講師勤務は初めてでいらした前回はご自身も気を張って臨まれていたのかもしれません。
先にも述べた通り、今回は初級者にも一層優しく心を寄せてのご指導で全体を通しても温和な語り口で笑いも折り込みながら和ませてくださり
この日の昼以降の天候と同様時間の経過と共にみるみると晴れ間が広がっていったように感じております。
阿部さんのピアノも優美な音色に包まれて響き、伴奏付きの幸福感が身に沁みました。
バーとセンターの間には一生懸命空調の確認もなさっていて偶々近くにいたため目が合うとにっこりとした笑みを見せてくださり、心癒されたものです。

前回と今回では私も受講前も後も心身の様子が明らかに違い、前回はただひたすら猛省しかなく、9割反省で楽しんだ割合は1割にも満たなかったかもしれません。
今思えば最大の原因は私の心の持ち方で、事前に問い合わせをしてスタッフの方が親切に対応してくださったにもかかわらず
レベルフリークラスに対して過剰な恐怖感を持ってしまい、レベルに満たない者に対しては当人に責任があるとして
放置或いは途中退室催促も辞さない云々実に勝手な思い込みが先行してしまっていた点が原因と思っております。(計2回受講いたしましたがそんな懲罰ございません)
終了後も受講態度に問題が無かったか延々と考え込んでしまい、帰宅後も至らなかった点が脳内を1時間以上、
入浴中も旋回し気持ちのみならず気づけば身体まで沈みかけだいぶ危うい状態に。その上、3日後ぐらいまでは重たく引き摺り、
翌日のKバレエカンパニーロミオとジュリエット鑑賞時には、ヴェローナからの追放処分を受けるロミオの場に差し掛かると私は芝浦から追放処分であろうと脳裏を過り
翌々日のシュツットガルト・バレエ団来日公演会場で会った数名の知人に対しても暗い顔でしか接することができず、随分と励ましてくれたものです。
(その節はありがとうございました)

今回は2回目のアーキさん受講である点も影響したのでしょうが、いくら講師と受講者である上下がはっきりとした関係にある立場であっても
講師が憧れのダンサーでいらっしゃる存在であって、私自身が初級の中でも2021年と2020年の2年間レッスン回数は1回それもコロナ前で
レッスン回数最少であろう最下層レベルのみならず瞬時の覚えの悪さや膨張体型その他挙げ出したら
短所が原稿用紙10枚分には達しそうな底辺住民あっても、ただ緊張と萎縮してばかりではあかんと反省。
プロ養成クラスやコンクール特訓クラスではありませんから、肩の力を抜いて受講しよう、
レベルフリーの名の通り全レベルの人がいて当たり前と再度思ってみようと決意し2回目を迎えたところ前回とは打って変わりリラックスして受講することができました。

また先月の篠原聖一さん下村由理恵さんオープンクラスでのプロの方とも一緒の受講においてお2人や
第一線で活躍されている受講者の方からも気持ちが上に向くお言葉をいただけたことや
上野の森バレエホリデイにおける、公演当日の大カンパニーのプロ集団に対しても大人の初級クラスと同様に
基礎の大切さを事細かく指摘する佐野志織さん指導の東京バレエ団レッスン見学も好影響したと捉えております。
しかし何よりも、繰り返しにはなりますがあらゆるレベルの受講者が集まる中でも隈なく目を配り
咄嗟のときでも優しく応えてくださる渡邊さんのお力は実に大きいとこの度再確認。
前回は今後田町駅での下車は禁止対象になるんちゃうかとまで勝手に沈んでおりました私が
今回は反省はあれど後ろ向きな心持ちになることは一切なく、楽しめた部分を次々と思い出しながらスタジオをあとにいたしました。

それから大人になって再開したレッスン全てに共通するのは時間の経過が早く、全く疲れず。
終了直後であってももう1回1時間半丸々受講したいと思わせてくださるのも魅力で今回も同じ。
日頃運動習慣はありませんので疲労を脳が感知していない可能性もございますが体力が有り余っており、帰り道、スタジオ隣の芝浦公園にて
バスケットボールで遊ぶ子供達の仲間に混じりたいと動き回る欲が止まらずでした。

それよりも、1時間半のレッスン後も汗も額から出ず、疲労度皆無でケロっと涼しい顔をしている自身が恨めしい笑。
疲れたけれども良い汗たっぷりかきました、と大きめのタオルを手に堂々と口にしてみたいものです。さすがに夏場は汗よ、しっかり出ますように。





スタジオ近く、バスケットボールゴールが備えられた芝浦公園。諦めたらそこで試合終了です。バレエも同じでしょう。
帰りは雨も止み、日差しも気持ち良くご近所の方々が公園に集い楽しそうな声が聞こえてきました。
私も心機一転、でもないが新しいウェアを入手して受講。普段まず着用しない色で春らしい
且つ、家の机上に今も記念に立て掛けているバックナンバー取り寄せ時に発送されてきた福島民報社の封筒に似ているとも思えた色味で惹かれたが
購入の前に何かやることあるんやないか、まずは要レベル底上げやと見頃を迎えた新緑眩しい若草山の鹿の声や東大寺の鐘が虚しく鳴り響いてきた気もいたします。



良いところを発見、帰りは田町駅すぐそばのビルのこちらへ。角打ちは平日限定だそうで、田町駅近辺の勤務となったら毎回休前日通ってしまいそうです。



まずは駅に向かってビールで乾杯。田町1人飲みでございます。



彩りの綺麗なお寿司と唐揚げ。レッスンの後は、ビールと海産物、揚げ物が欲しくなる性分です。優雅に紅茶とお菓子、にはなりません笑。
田町の魚輝水産に通ずるお店、開拓です。



ふと壁を見ると視界に入った日本酒。ひろきと読むそうで、飛び上がるほど露に喜ぶ、といった意味合いでしょうか。
独断解釈ですがまさにこのときの私の心境を表していました。福島県会津坂下のお酒です。
以前仕事で会津の方と主に電話で関わり何度も丁寧に対応してくださり、1度お目にかかったとき福島の食文化に興味がある旨と合わせてお礼を申し上げると
会津、福島を是非好きになってくださいと喜多方ラーメンやあかべこグッズなど嬉しいことにたくさんの名産物をいただいてしまいました。
会津の文字を目にすると思い起こされます。お元気でお過ごしでいらっしゃいますように。



アーキさんにて、再び宝物が増えた1日となりました。

2022年5月5日木曜日

足立真里亜さん大作で東京本公演主役デビュー    東京バレエ団『ロミオとジュリエット  4月30日(土)





4月30日(土)、東京バレエ団『ロミオとジュリエット』を観て参りました。
https://www.nbs.or.jp/stages/2022/romeo/

※キャスト等はNBSホームページより
東京バレエ団「ロミオとジュリエット」全3幕
振付:ジョン・クランコ
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
装置・衣裳:ユルゲン・ローゼ

キャピュレット家
キャピュレット公:木村和夫
キャピュレット夫人:奈良春夏
ジュリエット:足立真里亜
ティボルト:安村圭太
パリス:大塚卓
乳母:坂井直子
 
モンタギュー家
モンタギュー公:中嶋智哉
モンタギュー夫人:菊池彩美
ロミオ:秋元康臣
マキューシオ:宮川新大
ベンヴォーリオ:玉川貴博
 
ヴェローナの大公: 和田康佑
僧ローレンス:ブラウリオ・アルバレス
ロザリンド:三雲友里加
ジプシー:二瓶加奈子、政本絵美、平木菜子
カーニバルのダンサー:岡﨑司
                    涌田美紀、安西くるみ
                    岡崎隼也、井福俊太郎
 
指揮:ベンジャミン・ポープ
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団


足立さんのジュリエットは登場時はそれはそれは純粋初心な少女で、乳母の裾を踏む悪戯も憎めぬ可愛らしさで魅了。
くりっとした目と全身でドレスへの興味も示し、少女はこの後どんな運命を辿るのであろうかと展開が分かっていても引き寄せられるヒロインでした。
実はクランコ版のロミジュリ全幕鑑賞は今回が初で、解釈が違っていましたらご指摘願いたいのですが
観た限りではジュリエットは婚期の訪れやパリスに対しても戸惑う様子は見せず、結婚相手を親が決めるこの時代当たり前であっただろう慣習を素直に受け入れていて
赤と白の入ったドレスをいたく気に入ったりと親からすれば聞き分けの良い自慢の娘であったと推察。だからこそ、舞踏会での運命の出会いと歯車の狂いによって
一気にジュリエットを親に刃向かう行動にまで駆り立てる展開が胸にずっしりと押し迫るように思えたかと捉えております。

またパリス役の大塚さんも好演で、昨夏にこども眠りでの足立さんとの共演でアニメ風な背景美術にも2人揃って溶け込むお伽話な雰囲気に仰天したわけですが
この作品においても気品ある雰囲気を湛えたお姿で並びがたいそうお似合い。ジュリエットへの接し方も丁重な振る舞いで
政略結婚であってもジュリエットが嫌がることなく、自然と惹かれて目をしっかり見つめて手を取り合い仲を育みつつあった点も納得。
ロミオに出会わなければ全ては安泰だったのでしょう。運命とは恐ろしい。
舞踏会での赤白ドレスも実に絵になっていて蕩けずにいられず。可愛らしさと真っ直ぐな心が
そのまま表れたようなピュアな踊りも目を惹き、ロミオが恋に落ちるのも無理ありません。
最後、後ろからロミオを抱き締めた場では1幕での幼さは最早微塵もないく、ロミオを包み込む母性までをも感じさせ
ジュリエットを大変化させる短くも燃えるような恋であった証でしょう。家の掟に逆らってでも恋を貫き通し
ロミオと添い遂げようと覚悟を決めての変貌まで、ジュリエットとして生きていました。
大入の東京文化会館での大作主演であっても物怖じしている気配もなく、昨夏のこどもバレエ眠りや
昨冬の『くるみ割り人形』全国公演での経験が生かされたのであろう足立さんの東京本公演主役デビューに立ち会い今も喜びが膨れ上がっております。

秋元さんの颯爽としたロミオとのバルコニーも印象深く、バルコニーからジュリエットを優しく抱き下ろす序盤や
数箇所で披露されるユニゾンでの左右対称のポーズ(恐らく)も益々高まる恋心を2人で一気に突き上げる強さが伝わりました。
そしてクランコ版名物バルコニー終盤の懸垂は秋元さん、少々苦しそうでしたが(当然でしょうが涙)
別れを惜しみながら身体を張り、力を振り絞っての訴えは間違いなく届いたはずです。
宮川さんの急速テンポに嵌め込まれた振付を易々とこなす闊達なマキューシオ、次々とくっきり明瞭なステップで魅せる玉川さんのベンヴォーリオからも目が離せず。

場をぐっと締めてくださったのは安村さんのティボルト。他版に比較すると髭面でもなく濃いめのメイクでもない、細身でナチュラルな風貌の青年ですが
全身が針を思わす鋭さで、怒りだけでなく誇り高さをも内側から沸々と滲ませていく姿によって舞台の格と厚みを加えていらっしゃいました。
安村さんと言えば昨夏に井脇幸江さんリサイタル『トスカ』でのカヴァラドッシ役が恐らくは初めてお名前とお顔を一致での鑑賞であったかと記憶しておりますが
純粋で繊細、心優しい画家であるがゆえに拷問を受ける痛々しさが強烈に目に残っていただけに
こちらまでもが慄いてしまう役の造形にいたく驚かされた次第。手袋を投げる所作や立ち居振る舞いにも鋭い威厳があり、作品の要として大活躍。

群舞の用い方の面白さにも関心を持ち、舞踏会でマキューシオが快調な姿を見せつける場では客人達が一斉に磁力のようなマキューシオに引き寄せられ移動。
全体がうねって見えるため観ているこちらまで客人達と共に身体が仰け反ってしまいそうになるほど場の空気を一変させる効果もありました。
そしてカーニバルの長いリボンを多用した衣装の明るい配色と賑やかさも忘れられず。横1列に並んで踊っているかと思えば
徐々にグループに分かれて踊り繋いでいく幾何学模様な変化は上階から眺めていると、
カチッとした規範を守りながらも弾け飛ぶ楽しさやめでたさが溢れ、今観ても飽きさせぬ展開です。

葬列にも驚かされ、暗い中を舞台装置の上を歩いてジュリエットの棺が運ばれ、中央に差し掛かると正面側つまりは眠るジュリエットの姿を
客席側に向けて降ろしていく演出にキャピュレット家を突如襲った悲劇をこれでもかと露わに示され目に焼き付けられ、胸の痛みが止まりませんでした。
それにしても懸垂したりマントを柱に巻いて高階から降下したり、消防士訓練を彷彿させるロミオの演出にはたまげてしまい
クランコは消防士志望だったわけではないでしょうが、愛するジュリエットに尽くすロミオの真剣な行動とは百も承知ながら口あんぐりしてしまった点はお許しください。

ユルゲン・ローゼが手掛けた、寒色系を基調にした細やかな貴族達の衣装や装置も度々双眼鏡で観察し
装置の奥まった窓にも赤のカーテンが装着されていたりと隅々まで眺めてしまう美しさ。
一方で前述の通り、カーニバルでは黄色や赤を入れた目にも楽しいお祭りデザインな衣装を用い、振付も衣装や装置、美術含め見所が凝縮。
マクミラン版よりも前に作られていながらシュツットガルトバレエ団来日公演においても
これまで全編通しては鑑賞していなかったことを悔やみ、早い再演を待ち望んでおります。
ゲスト無しで3日間連日大入の東京文化会館上演、成功を心から祝します。





ロビーに現れたバルコニー。立ち入り、勿論懸垂も禁止です笑。



帰りは久々のご登場、ムンタ先輩と上野駅近くのトラットリア・イタリアへ。先輩はノンアルコールビール、私は白ワインでまずは乾杯。
おすすめメニューにあったソーセージが想像以上にボリュームあり、シラスとブロッコリーのアヒージョもワインに合います。



赤ワインとジェノベーゼピザ。ロミオとジュリエットの後は赤ワインが欠かせぬ管理人。
ピザは耳の部分までふわっとかりっと香ばしく、美味しくいただきました。具だくさんでカーニバルな彩りです。




2人で分け合おうとドルチェの盛り合わせ。仰天級の量、種類も豊富でこれで1000円はお値打ちでしょう。
ティラミス、ジェラードにベイクドチーズケーキ、キャラメルムース、ガトーショコラ、パンナコッタ。少しずつ様々なドルチェを頬張り大満足。



半個室風の席を予約。入口には赤茶色のカーテンも付き、入ると回廊のような内装でまさにロミオとジュリエットの世界の建造物で食事をした気分となりました。

2022年5月2日月曜日

上野の森バレエホリデイ2022




快晴に恵まれた4月最終日、上野の森バレエホリデイ2022に行って参りました。
一昨年と昨年は緊急事態宣言のため全てオンラインプログラムでの対応となり特に昨年は現地開催とオンライン両方を予定していながら
突如の宣言発令により本番数日前になって止むを得ず現地開催分は断念。今回は久々3年ぶりに東京文化会館においても実施となりました。
https://balletholiday.com/index.html


東京バレエ団『ロミオとジュリエット』も鑑賞いたしましたがその他イベントにも出向きましたのでこちらを先に。
まず東京バレエ団の公開クラスレッスン。舞台装置の奥側にまでダンサーが整然と並ぶ中、佐野志織さん指導による、歯切れ良いレッスンが行われました。
これまでクラスレッスン見学は何度か経験はありながら今回はせっかくの機会、自身もレッスンを受講いるつもりで
アンシェヌマンを覚えようと臨みましたが、一発で覚えるなんぞとてもできず早々に断念。
我が脳味噌では何年であろうと訓練しても覚えられるようになるとは思えず、そんなわけで全体を隈なく見渡し見学に没頭いたしました。
東京バレエ団のダンサーは東京文化会館での公演前には舞台上でのレッスンも度々行っているとは思いますが
それでも佐野さんからは舞台の大きさに負けないように、背中をしっかりと立てるよう何度も注意が飛び、常に空間に対する意識を心がけている様子が伝わりました。
また心に残る名言もあり、流れるように踊って欲しいけれどもでも流さない、等脳内の用紙に書き綴った次第です。

小ホールで開催された『ロミオとジュリエット』名版クロストークでは英国バーミンガム・ロイヤルバレエ団で活躍されてきた
厚地康雄さん、佐久間奈緒さん、前日にクランコ版のロミオを踊り終えたばかりの東京バレエ団柄本弾さんが登場。
主にクランコ版とマクミラン版の特徴やお三方各々の思い入れのある場面やお互いへの疑問質問まで、和やかで笑いも度々起こる楽しい空気の中で繰り広げられました。
振付の面白さの1つとして柄本さんはクランコ版の「リピート」、厚地さん佐久間さんマクミラン版の「サイレント」を取り上げていらして
前者は私にとってはこの後に全幕通しては初鑑賞となるクランコ版ロミジュリの参考に、
後者はシネマや映像の含めればかれこれ何十回と鑑賞していながら静寂な部分の魅力については書籍やインタビューでもダンサーのお話には出てくるにも拘らず
どうしてもリフトや疾走感の印象を持ちがちでしたので、踊り込んでこられたお2人の生のお声を聞く場に居合わせ、思わず大きく頷きながら聞き入ってしまいました。
佐久間さんからの、ベッドに腰掛ける場での自然と感情が込み上げてくる様子や客席の啜り泣く反応も感じながら
臨んでいらしたことにも関心を持たずにいられず、数多く踊り込んできたからこそのお話です。

そして振付演出問わず共通して話題となったのはロミオの過酷さ。「ロミオはつらいよ」シリーズドキュメンタリー映画でも完成しそうなほど
前半から飛ばす振付盛りだくさんなばかりにバルコニーでは既にぐったり疲弊する逸話が次々と飛び出しました。
この辺りのお話もインタビュー等で読んだりはしておりましたが、これまた経験者による肉声を聞く場に居合わせると説得力が何倍にも増して伝わり
中でも厚地さんによるロミオの本音を台詞化しての解説には場内大笑い。既に大汗状態なバルコニーパドドゥ登場前の舞台袖での準備から
満面の笑みで駆け寄ってこようとするジュリエットに対する正直な気持ちまで、ロミオ役の過酷な振付を物語るお話満載でした。

前日にクランコ版のロミオを踊られた柄本さんからは、名物バルコニー終盤の疲弊しきった状態での懸垂や
3幕でのマントを用いて降下する場面のリハーサル失敗談もわかりやすく説明。これまた大変な要素が散りばめられた版であると学びの場となりました。
https://balletholiday.com/2022/venue/tokyobunka/recital/post-87.html


小ホールホワイエでも様々な催しがあり、当日予約で参加。バレエイラストレーターの武蔵野ルネさんに私のイラストを描いていただき
特徴を捉えつつ実物の何十億倍も綺麗に描いてくださいました。
しかもバレエ衣装着けた管理人、更にはあるチラシを参考資料として持って行き衣装のイメージを伝えたところ理想通りに描いてくださり
駄目だこりゃな容貌容姿でマイナス要素しかない実物本人にも拘らず、誠にありがとうございました。イラスト、大切にいたします。
じっと座ったままでその場で自身の絵を描いていただいたのは初めてかもしれず、『二羽の鳩』での画家少年が懸命に描く絵のモデルとして腰掛ける少女や
ちょうどこの前夜に金曜ロードショーで放送された『魔女の宅急便』にて、落としてしまった届け物の猫のぬいぐるみをきっかけに親交を深めた
魔女キキと画家ウルスラの交流をも思い出した次第です。完成までの間、不思議な緊張と期待が巡っておりました。
https://balletholiday.com/2022/news/post-106.html


バレエ占いはバレエチャンネルの占いも担当なさっているKeke.Landさんに今後3ヶ月間の運勢を占っていただき、参考にしつつきちんとした生活を送ろうと決意いたしました。
最初に生年月日を書いたところすぐさま当て嵌まるバレエのヒロインを教えてくださり、私には特にあり得ぬと思うヒロイン上位3名のうちの1名でしたので驚愕。
愛する人を命懸けで守るらしいのですがそんなたいそうな面、管理人にはございません。そういった経験が無いだけか?
https://balletholiday.com/2022/venue/tokyobunka/recital-foyer/event-uranai.html



シェイクスピアやロミオとジュリエット様々な版について展示。


オリビア・ハッセー主演映画も!


小ホールへの通路ににダンサーシルエット


4年ぶりにバレエみくじも引きましたらこれまた特にあり得ぬと思うヒロイン上位3名のうちの1名で、
今も首を傾げたままでおります。重なる要素が1つもないが、結果は結果。
時計音や物音、家族の声、或いは夜行バス到着じにおける乗務員さんの「まもなく大阪梅田到着です」アナウンス以外で目覚めることなんぞない笑。
そして眠って起きたら100年後であったなら、先行き不安となるでしょう。



大阪府堺市に本店のあるアンディオールさんの商品も購入。 バレエのキャラクターをイメージした商品を開発して揃えていて一度後輩がお礼に贈ってくれたことがあり
チーズオレンジ味の「キトリ」スプレッドがとても滑らか爽やかで美味しく、今回代表の西辻さんもいらしての出店でしたので午前中に立ち寄りました。
https://en-dehors.net/

瓶のラベルのシルエットも美しく、購入したライモンダのラムレーズン味のチーズスプレッドは上品でほのかに甘く、ワインにも合いそうなお味でございます。
管理人、ジャムや蜂蜜等瓶に入った、パンやクラッカーに付ける甘味系はつい付け過ぎてしまうため昔から要注意です笑。(だから万年プーさん体型なのか)
それはさておき、購入時に店長の西辻さんに野間バレエ団鑑賞のためソフィア堺に行った旨を話したところ大変驚かれましたがそりゃそうだ。
そうだ、堺は他にアンディオールさんの店舗にも近い栂文化会館や堺市立東文化会館にも足を運んだことがございます。
しかし泉北高速鉄道には未だ乗り慣れず、次回はスムーズに乗り換えできますように。

以上、ざっとではございますが開催3日間のうち唯一快晴に恵まれた中日、朝から夜まで上野周辺で過ごし、今年は予定通り会場開催も実現して良かったと安堵。
来年も楽しみにしております。