2022年5月16日月曜日

ゲネから千秋楽まで波乱続いた約4ヶ月ぶりの本拠地公演  新国立劇場バレエ団『シンデレラ』5月1日(日)〜5月5日(木)  計5回




5月1日(日)から5月5日(木)、新国立劇場バレエ団『シンデレラ』を計5回観て参りました。
https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/cinderella/


シンデレラ:米沢唯(1日、4日)  木村優里(3日昼)  小野絢子(3日夜)   池田理沙子(5日)

王子:井澤 駿 (1日、4日)  渡邊峻郁(3日昼)  福岡雄大(3日夜)  奥村康祐(5日  3幕は井澤さん)

義理の姉たち:
奥村康祐(3日夜)  清水裕三郎(1日、4日) 小柴富久修(3日昼、5日)

小野寺 雄(3日夜)  福田圭吾(1日、4日) 髙橋一輝(3日昼、5日)

仙女:細田千晶(1日、3日昼夜、4日)  木村優里(5日)

春の精:五月女 遥(3日夜、5日) 広瀬 碧(1日、3日昼、4日)

夏の精:渡辺与布(1日、3日昼、4日)  飯野萌子(3日夜、5日)

秋の精:奥田花純(1日、4日) 柴山紗帆(3日昼、5日)  池田理沙子(3日夜)

冬の精:中島春菜(1日、3日昼、4日)  寺田亜沙子(3日夜、5日)

道化:木下嘉人(1日、3日夜、5日)  佐野和輝(3日昼、4日)


米沢さんのシンデレラは繊細な脚の差し出しや上体のキュッと締まった動きも快く、朗らかさと翳りを行き交うシンデレラの内面も細やかに表現。
中でも舞踏会へ行ってしまった義理の姉妹達を追いかけたものの自身は行けず、がっくりと落ち込んでからの箒とのパ・ド・ドゥにおける
箒と一体化したさらりと風を吹かすような清らかな踊りが目に残っております。

小野さんは以前にも増してステップにメリハリが効いていて、内側から沸き上がる感情を実に滑らかに身体中に届かせて披露。
随分と快活なシンデレラであるのは相変わらずですがこれもご愛嬌。義理の姉妹達とのやり取りからもか弱さは無く、されど夢見る少女な趣きも十二分に持ち合わせ
快活な中にも四季の精達への憧憬や王子を前にした恥じらう乙女心も醸す可愛らしさが度々覗くヒロインでした。
3日夜公演ではちょうどシンデレラのヴァリエーションの真っ最中に強めの地震が発生し、縦にドンと突き上げる揺れでしたから悲鳴も聞こえてきたほど。
4階隅の迫り出した辺りに座っていた私の近隣でも思わず声を発してしまう方もいらっしゃいました。
舞台はそのまま進行し、小野さんがお気づきであったかは把握できていないものの一挙手一投足が救いの象徴の如く場を煌めかせ、レヴェランスにて
いつも以上に客席を上下左右隅々まで見渡しながら落ち着いて安心させるように語りかけてくださり全観客が励まされたことでしょう。
そして続いて福岡さんが客席の動揺を掻き消すように勇壮なヴァリエーションを披露され、最後まで順調に進行。舞台に救われた一夜となりました。
今月の新国立劇場卓上カレンダーは小野さん福岡さんの『シンデレラ』。職場にて期日関係の確認でしばしば愛用しており
目にする度に、一時不穏な空気に包まれた客席を一旦落ち着かせ再度夢の宴に導いてくださった3日の夜が思い起こされます。
お2人はこの作品での共演も回数多く、昂ぶる恋心が溢れる印象は抑えめであったのは正直なところですが
パ・ド・ドゥにおける呼吸やフォルムのシンクロは時にシャープに時に柔らかに、どの箇所でもぴたりと合っていて大看板ペアと唸らせました。

木村さんは仙女とかけ持ちであったためか、また身体改造もなさったためか随分と大人びたシンデレラであった印象。
私個人としては余りに華奢であった以前よりも今の体型の方が好みで豪奢な衣装にも負けぬ魅力もあると思え、パワーを増しつつエレガントな踊りに見入りました。
シンデレラと仙女両役を観た限り今回は仙女の方が胸に響き、母性溢れる大らかな、芯が盤石な統率力やステッキを振るときの上体の使い方がより深くなり
麗しい光と化して宮殿へと案内してくださいました。中止になってしまった2月のエデュケーショナルプログラムでの案内役仙女も観たかったと悔やまれます。

池田さんは素朴な女の子が夢を掴んで宮殿へと向かうストーリーに自然と溶け込み、とりわけ1幕のひとりぼっちになった場では
安定感のあるキビキビとした踊りと腕を掲げるときの少し抑えたポーズが可愛らしく、目に残っております。
3幕からは井澤さんと急遽組んでの披露となりながらも慌てぶりや不安感は無く務め上げたのはお見事。
全幕作品主演としては初共演となる『不思議の国のアリス』を楽しみに待っております。

今回はゲネから波乱の連続で、千秋楽は奥村さんが2幕での怪我により3幕から井澤さんが靴を持って登場。
3幕開演直前にスタッフが登場して事情を説明し客席騒然となり、怪我なさったとは全く気づかなかった、
アリスにはどうか間に合って欲しい等心配する声があちこちから聞こえ、このときばかりは
隣近所知らない者同士でも顔を見合わせ、驚きを隠せずにいた方も多数であったかと思います。
奥村さんはゴージャスな姉を2日間踊っていらしたとは思えぬ、全身からにこやかさを放ち、シンデレラへの恋模様も
驚きの出会いからすっかり心を通わせて行く王子の内面変化の表現もはっきりとなさっていましたから心身の切り替え力に脱帽していただけに
『不思議の国のアリス』白うさぎ役の降板も発表されたのは誠に残念でならず。回復と再び元気な舞台姿にお目にかかれる日を心待ちにしております。

井澤さんは物語終盤になってのいきなりの登場で身支度だけでなく、この日初登場の時点で既に恋に落ちたシンデレラの突如の帰宅を追いかける心の準備も
大急ぎで行っていたかと察しますが、井澤さんを讃える大きくあたたかい拍手が沸きました。
靴を巡る姉妹達との困惑なやりとりから結婚式までそのまま話をスムーズに繋いで終演。

※ちょいと長くなります。小休止をどうぞ。
渡邊さんは登場からして仰々しいファンファーレをも撥ね退ける勢いとオーラを振り撒く王子で座長らしい貫禄もあり、浮かんだ4文字は眉目秀麗。
階段からの跳躍から弧を描く柔らかさとぐっと締まりのある強さの比率絶妙でございました。青い襷が選挙にならず、格式高くああ似合う。
歩き方や立ち姿も堂々且つ高貴で、壇上から若き4人の友人を見つめる眼差しはやや保護者な趣きも無きにしも非ずはご愛嬌。(褒め言葉)
力みのない片脚着地や背筋がすらりと伸びた状態を維持しながら度々の清爽とした跳躍を披露されたソロにも興奮。
パ・ド・ドゥでの言葉をかけるかのような目線の送り方や、シンデレラが落とした靴をそっと拾う所作から立ち上がり
捜査本部長な顔つきに変わってのシンデレラを探し出す信念意思の貫きにも我が目は心臓印になり続けておりました。
髪型もゲネ、本番含め自然な纏め具合で二重丸でございます。
アシュトン版ではカットされていますが、仮に靴を持っての世界捜索の旅が描かれたならば
4人の友人も率いて危険を顧みず、一念岩をも通すの精神でシンデレラ探しに明け暮れていたことでしょう。

思えば今回でアシュトン版『シンデレラ』で組むダンサーは柴山さん、米沢さん、木村さんで3人目。(こどもシンデレラでは木村さんとも共演あり)
パートナーが変われば物語の構築も変わる面白さも思い起こされ、アシュトン版においては
徐々に心を開いていくシンデレラと、慎重に接しつつもシンデレラに心を寄せていく安心感を与える王子が
ようやく2人の感情が高まったところで一気に距離が近づく段階を丁寧に積み上げた2017年の柴山さんとのパートナーシップが今も深く印象に刻まれておりますが
木村さんとのぱっと華やぐ輝きが舞い上がるようなパ・ド・ドゥも響き、当たり前ではありますが
同じ作品でも相手によって異なる化学反応が生じるからこそ、繰り返し鑑賞し通いたくなってしまうものです。

ゲスト無しで3キャスト組めたのは初と思われる義理の姉たちも3組3様。美貌で大胆、細やかな仕草が前回より遥かに色めき立っていた奥村さんが圧巻で
ニコッとした笑みからドタバタなダンスまで嫌味一つなく体現。小野寺さん妹のほのぼのした可愛らしさも毎度増強傾向で
困り果てて戸惑う様子も姉からの助言をもと立て直そうと奮闘する健気さが伝わるひと幕でした。
予測がつかない展開をもたらしていたのは一見クール美女な清水さんで、間の取り方も上手く活発そうな妹の福田さんと面白コンビな仕上がり。
1幕における、福田さんが通りすがりに御者の持つ鞭をびよんと弾かせてからかう様子も憎めずです笑。
小柴さんは派手メイクをしても生来のお顔立ちが生かされたすっきり美人な姉で、おっとり困り顔な髙橋さん妹と
顔の系統もどこか似ているためか姉妹としては一番しっくりしたコンビ。
3組に共通していたのは陰湿な意地悪は無く、ちょこっと我儘で身勝手で、シンデレラをこき使ってはいても執拗ないじめはしておらず。
例えばシンデレラを横へ追いやるときも力ずくで押さず、床に思い切り叩きつけたりはせずほんの少し寸止めな状態で終わらせていると見て取れたりと
余計な胸の痛みを感じぬような振付で、男性が演じることでコミカルな割合が高まるだけでなく振付にも意図工夫があると思っております。

木下さんの道化の闊達で緩急自在な跳躍や自分の顔が付いたステッキや王子との語らいも台詞が聞こえてきそうで、宮殿と観客の距離をぐっと近づける役目を果たす活躍。
怪我で降板された山田さんに代わり大抜擢で急遽初の大役に挑んだ佐野さんは初回の前半こそ硬さがありましたが
王子とのやりとりや舞踏会での姉妹達との大騒動、靴合わせのときの心穏やかではない王子への心を寄せた優しい気配りと、要所を繋ぎ
柔らかで軽快な踊りの持ち味も発揮。長い在団を経ての初の大役を立派に務め上げました。
実はゲネで当初登板のはずだった山田さんに代わり予告無しで木下さんが登場し、御者が佐野さん。今思えば裏は大慌てな状況であったと推察いたします。
(公演にて配布のプログラムによれば道化と御者は木下さん山田さんで分担予定であったもよう)
御者もそれぞれ面白い役作りで、佐野さんは意外にも粘ってチップを稼ごうと何度もシンデレラ父親に言い寄り
木下さんは中家さん父親から代金を受け取るとき、2人して悪巧みな表情で取引成立させていた日もあり
時代劇の悪代官と越後屋の関係を思い出してしまい、笑いが込み上げておりました。

溜息物の美しさ、精度の高さに魅了されたのは細田さんの仙女。奥底からの慈愛が全身に滲み出て場を染め上げ、ひたすら優雅であり
浮遊しつつもポワントワークの正確さにも唸り寸分の隙も無い、まさに妖精。指先脚先から音符と星屑の両方を放っているような音楽との溶け合いも眼福でした。
加えて、ゆったりとした音楽を奏でているかと思えば1幕コーダでのアレグロも盤石に魅せ、腰を屈めながら左右交互のポジション転換もお手の物で
最後は余裕のある柔和な上体を引き上げて締め括り。技術と表現、オーラと3拍子揃った、いつまでも観続けたい仙女でした。

随分と平均身長が高くなった王子の友人は2チームで、ベテラン組は他日父親も務めた中家さんも溶け込み(変幻自在だ)
速水さんが無事新国立公演に復帰。終始4人ともびしっとした揃い具合であった点も好印象でした。
もう1組は全員初役で、ゲネでこの並びを目にしたとき卒倒するお方もさぞかし多かろうと想像。
ゲネ直後はまだ親しい方々にも出演者までは打ち明けられず、フレッシュな面々であった旨のみ伝達でございました。
今年1月ニューイヤーでの『テーマとヴァリエーション』からして渡邊さん日は若手長身組で整えてくるキャストもありかと予想はしておりましたが的中し
ヒマラヤフレッシャーズと勝手に名付けた旨、お許しください。全員それぞれに個性もあり、
中島さんはどこか淡くで上品(白うさぎ、健闘祈る)、渡邊拓朗さんはパワーと貫禄、仲村さんは立ち姿がいたく綺麗で、太田さんは軽やかで端正。
そこへ朝日が昇ったかの如く太陽な煌めきの渡邊さん王子が階段上に現れた、どの名所で撮影した初日の出よりも
めでたさが昇華したこの構図をそのまま切り取って来年の年賀状に載せたいと欲を募らせたゲネでした。
公演期間前の段階でしたので誰にどこまで話して良いのやら笑、興奮は容易におさまらなかったものです。
実のところゲネでは4人が揃っているとは言い難い箇所もありましたが、 四季の精への速度も求められる一斉サポートや
シンデレラが現れた直後のワルツにおける王子を主軸に友人が交差しながら展開する場も本番ではきっちりと仕上げてきた点も喜ばしく思えました。

四季の精では五月女さんの春の精の完成度の高さがひときわ刻まれ、弾みっぷりやポーズのぶれない維持力に感嘆し、ずれが微塵もない
切り絵が出来上がるまでの軌跡を目にした気分です。夏の飯野さんの、下手すれば冗長な印象を与えかねない音楽の中で強弱をしっかり付ける踊りや
秋の奥田さんによる刺した針のような真っ直ぐな軸と自在に操る上体の素早さにも引き込まれました。
全員異なる形、装飾の凝った頭飾り観察も毎度の楽しみで、春の葉っぱ、夏の橙色の植物、
秋の紅葉、冬の雪の結晶や氷らしきもの、と双眼鏡越しに見入ってしまいます。シンデレラ、仙女、星の精もですが
輪っかの後ろ側を高めにしたカチューシャ型ティアラである点もユニークで構造をじっくり目にしたくなるポイントです。

度々上演を重ねた今回もしかしたら初注目したのは父親で、家では気弱ながら娘を気遣いつつも舞踏会では心が解放されたのか!?やりたい放題で
特に中家さんがマズルカ陣を巡回しては腕をほぼ水平に掲げるポーズを真似たり、立ち役に対しても(石山さんがターゲットになっていたか笑)
近づいて眼鏡越しに眺めてはご満悦な表情を浮かべたりと弱々しいだけの父親ではない人物像を色濃く描画。今後も注目して参りたい役に加わりました。
注目と言えば、ウェリントンの渡邊拓朗さんが何処かの国の紙幣になっても何ら違和感のない勇猛な英雄そうな軍人でございました。
鬘が別の種類であるのか、前はカズレーザーさん風の形のものを先代の皆様は使用されていたかと思われますが記憶に自信無く、ご了承ください。

そして忘れてはならないプロコフィエフの音楽の魅力。毎度虜となり、1幕四季の精たちや2幕の靴落とし前の
摩訶不思議なワルツはひときわ心揺さぶられ、異世界に迷い込みそうな心持ちとなる曲でハッピーエンドなおとぎ話であっても
幸福だけではない、不安や切なさ、おどろおどろしさ
そしてシンデレラと王子の恋が一気に加速するときめきも掻き立てられ曲に込められた感情の振り幅の広さに触れる思いでおります。
だいぶ風変わりな楽曲であっても幼少期から好んで鑑賞し、『シンデレラ』や『ロミオとジュリエット』に聴き惚れている私は
人によっては珍種な子供に映っていたのかもしれませんが笑、何十年を経てもプロコフィエフ好きは不変でございます。

また3幕結婚式前の星の精達が紡ぎ出す明かりと星空の広がりの曲を耳にすると、これまでにも何度か紹介している
プロコフィエフ関連書籍にて故郷である現在のウクライナに位置するドネツクのソンツォフカ村の風景を記した文中の
夜半には、きらきら瞬く星くずをちりばめられた黒いビロードの天空が、の下りを思い出さずにいられず。
悲惨な状況の報道が連日なされている昨今、ただ星々の瞬きにうっとり見惚れるだけでなく平和な日々の訪れを願わずにいられぬ終幕場面となりました。
ドネツクの国際空港のロビーにはプロコフィエフの肖像画が掲げられ、正式名称はセルゲイ・プロコフィエフ国際空港であると書籍で読んで以来
いつか降り立ってみたい空港として憧れを持っておりましたが、現在の様子も気がかりでなりません。

新国立劇場バレエ団のレパートリーとしては上演年数回数は最長最多作品であろう変わらぬ人気を誇っていて
私も2006年以降はほぼ全上演を観ているためか飛び上がって歓喜するほどではなくなっているかもしれません。
しかしいざ鑑賞すると音楽、振付、衣装どれにも魅せられ主役以外の強烈個性な人物達や
ひょっとしたらシンデレラが仙女に渡すパンが長い形状から丸みのあるブールパンに新調された(確信はないが)云々、小道具対しても
更なる観察を行なっている自身に気づき、鑑賞後は再演の積み重ねを毎度幸せに思う作品です。
英国ロイヤルから受け継いだ古き良きクラシカルで凝った衣装装置はそのままに、これからも上演を重ねて欲しいと願っております。




ゲネプロと同じキャスト公演前、今回は心のみならず天候も快晴の空! 約1時間後、太陽の光に反射するこのスプマンテ以上に煌めく爽快な王子が舞台にご登場です。



マエストロにて乾杯。この日人生の節目を迎えられたお方も一緒に祝福。めでたさが何倍にも膨らんだひとときとなりました。



前菜の盛り合わせ。目が覚めるような彩り明るいお皿です。



サーモンとイクラ、春キャベツの生パスタ。春の便りでございます。白ワインとも相性抜群です。



オレンジ入りのセミフレッド。シンデレラ王子の宮殿では、手を叩くとオレンジ注文が完了する仕組みであったらしい。



当ブログレギュラーの愛すべき後輩と。春限定のオレンジハイボールだったか、で乾杯。エメラルドグリーンが眩しい。



テキーラオレンジ。酔いの回りが早そうな強さです。



飲むチーズケーキ。甘さ抑えめでさっぱりといただけました。フルーツものっていて華やかデザートです。



英国風カレーとHUBオレンジ。英国風とは何ぞやとカレーを口にしつつ、アシュトン版シンデレラの要素に考えを巡らせていただきます。
それにしても初台シンデレラ期間はあたかも伊予の国滞在の如きオレンジ消費量。管理人、蜜柑星人になりそうだ。

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