2026年5月20日水曜日

殿岡遥さんの谷デビュー 谷桃子バレエ団『眠れる森の美女』5月17日(日)16時公演




順番前後いたしますが5月17日(日)、谷桃子バレエ団『眠れる森の美女』16時公演を観て参りました。
谷バレエの鑑賞は2022年『レ・ミゼラブル』以来、現在の赤裸々裏側配信なるYouTube体制になって以降は初でございます。
https://www.tanimomoko-ballet.or.jp/2026sleeping-beauty/

監修 イリーナ・コルパコワ
振付・演出 エルダー・アリエフ

オーロラ姫:殿岡遥
デジレ王子:今井智也
リラの精:嶌田紗希
カラボス:三木雄馬
フロレスタン王:齊藤拓
王妃:光永百花
カタラビュート:貫渡竹暁
優しさの精:佐藤舞
元気の精:齊藤綾乃
鷹揚の精:手塚歩美
のんきの精:鈴木利沙
勇気の精:田中景都
オーロラの婚約者(プログラムはこの表記ですが求婚者の間違い??):
二村康哉 飯田嵐 西出拓真 安田幹

子猫:石川真悠
長靴を履いた猫:児玉光希
赤頭巾:奥山紗希子
狼:鈴木謙信
フロリナ姫:高谷麗美
青い鳥:田村幸弘
シンデレラ:白井成奈
フォルチュネ王子:飯田嵐


殿岡さんのオーロラ姫(大塚アリスさんの代役。初日に引き続きご出演)は内側から朗らかな輝きを放ち、安定したコントロールも腕の使い方もエレガントなオーロラ姫。
ロシアな振付を、細部まで神経を行き届かせつつ大らかな優雅さが花開いていた印象です。
森の場でゆったりとした曲調の中で音楽をたっぷりと使いながらも粗が無く滑らかで精巧な職人ぶり。
見るからに煌めく生粋のプリンセスなタイプではないかもしれませんが、幸せなオーラを晴れ晴れと振りまく愛らしい姿から、
個性豊かなキャラクター達が勢揃いする中を登場する結婚式冒頭での格高い威厳あるお姿まで、大絵巻物な世界の中での見事なデビューを飾られました。
今回の最大の目当てが殿岡さんで、トゥールーズのキャピトル・バレエから谷バレエへの移籍は驚きを覚え、コンテンポラリーも多種レパートリー上演していたであろう
キャピトルとは全くカラーが異なる、クラシック作品中心に上演している団への移籍となったわけですが、これからの活躍、楽しみです。

今井さんはテクニックの精度がやや抑え気味になっていた点はあれど、他の版に比較すると森の場への登場がスタコラサッサなすぐさま出現な演出であっても
颯爽とした出で立ちも目を惹く存在感。特筆すべきはサポートで、
当初組む予定であった大塚さんとは体型も全く異なる、しかも入団して間もない殿岡さんが気持ち良く伸びやかに踊られていて、
数ある作品の中でも最たる様式美を貫いているであろう眠りのパ・ド・ドゥでの表情、身体双方の優しげな会話が織りなす光景に見入りました。
数少ない谷バレエ鑑賞歴の中で私が観に行っていた20年前の『ラ・バヤデール』においても主役ソロルを踊られていて
恐らくは男性ダンサーの中でもかなりの長い在籍歴であろう今井さんの、誰でもぱっと受け止めて団に馴染ませてパートナーの魅力を引き出す術に拍手でございます。

リラの嶌田さんはプロローグのVaは目線が下降気味に感じられ、せっかく恵まれたプロポーションながら縮こまった印象を受けてしまいましたが
森の場で王子を導きオーロラの幻影に出会わせる仲介の支配感や艶やかな母性は魅力大。
三木雄馬さんのカラボスは妖しいノリ具合といい所作の色っぽさといい悪女であっても観る側からすれば楽しくなってしまうチャーミングな要素全開。
王子とカラボスの対決が意外にも呆気ない終わり方で、手下達1人1人を鋭く突いて倒していく様子はなかなか迫力あるものの、
カラボスに対しては剣で上手側の階段へ追い詰めていったあと突如ボン!と爆発して消え去ってしまう演出。
バレエ団を長年率いていらっしゃる主役級ダンサーの今井さん三木さんの対決であっただけにもっと魅せる演出であって欲しかったと思えます。

近年は谷バレエも参入し始めた上野の森バレエホリディにて、昨年は一般申込者がジゼルになりきって花占いを演じる企画があり、アルブレヒト役を務められたお1人が今井さんでしたが
バレエホリディでも初企画でしたからその様子を近所の出展関係者も通りすがりの人々も野次馬の如き集まって見学。
その中にいらしたのが三木さんで、同僚の今井さんと、ジゼル役の参加者達へ優しい目線を送っていらっしゃいました。
その後の屋外で行われた谷バレエトーク企画では司会進行を担当されている三木さんを、今度は今井さんが一般客に混じりながら大応援。
長年バレエ団を支えてきた者同士の間柄が窺える一コマでした。

谷の眠りも前から観たかった作品で、しかし前回10年前はどうしても行けず、カラフルな衣装の並びも生で観てみたかったのです。
一度広島県福山市でのガラにて大塚さん今井さんのペアがパ・ド・ドゥを踊られましたが私は大阪への移動のためお2人が出演された第2部は鑑賞できず。
しかしオープニングで各ペアがさらっとひと踊りされたときのキラリとした気品や優雅さ、白と銀で整えられた衣装の優美な着こなしもよく覚えております。
そうこうするうちに全幕再演時はチケット入手困難バレエ団になってしまいました。

衣装はコッテリ古典で貴族の如きふっくら豪奢な青い鳥に(リアル鳥貴族)、長いスカートのリラといった古き良き趣きがしっかり。 プロローグ5人の妖精達の色分けもセーラームーン並みにはっきりです。求婚者達のカールロング鬘や、遠目で見ると
りんごが乗っかっているような国王夫妻の王冠を始め一部疑問はあれどカラフルなお伽話絵巻を味わいました。
所々カットして全幕約2時間半にまとめ、宝石無しは寂しかったが短縮事業仕分けにて真っ先にカットの対象になりがちなシンデレラが入っていたのは嬉しく、
じんわりと旋律が織り重なるように展開する曲調も好んでおります。白井さんの綿菓子のような繊細でソフトな踊り、
白とピンクのラブリーなお衣装や白鬘も難なく着けこなしていて、御伽の国のお姫様そのものでした。

YouTubeの時折過激そうな内容や私生活に密着し過ぎる映像、降板するダンサーが登場しての謝罪には疑問あり
(実を申すと谷バレエさんのYouTubeにおいて最初から最後まで視聴したのは1回のみで、しかも今回の鑑賞の朝に、眠り配役発表の回のみ)
仮にYouTube配信の頻度が抑え目になったとしても今後も集客維持継続ができるか正念場でしょう。
そうはいってもこれまで何度か、10年前や20年前にも足を運んでいた東京文化会館での谷バレエの公演は3階より上の階はガラガラである上に
開演前や幕間に聞こえてくるのは〇〇先生おはようございますや、チケットご用意ありがとうございますといった、関係者やご親族の挨拶ばかり。
ホームページ等からチケットを購入して来場した一般の観客は果たしてどの程度であったのか、今では考えられぬ低い割合であったはずです。
20年前のバヤデールのプログラムの出演者紹介デザインやダンサー写真も昭和を引き摺っている感のあるレトロな具合でございました。
当時を思い起こすとここ数年で劇変した毎度満席上演はめでたく、出演者のチケットノルマどころかチケット足りません状態は悲願であったと思います。
先述の通り全部視聴した配信回は眠りの配役発表の回のみですが、この1回をみるだけでも定期的に配信を見ていれば
自ずと主役級のみならずコール・ドのダンサーの顔と名前も一致するようになると思われ、応援に熱が入るのも納得です。

概ね予想通りであったのは会場の大イベントな雰囲気で、東京文化会館に似た作りといい窓から見える新緑といい千葉の森バレエホリデイかと思うほど笑。
開演前には非番ダンサー達との写真撮影も賑わい、グッズもよく売れていて、幕間には「森岡恋ちゃん来ていますー。サイン貰えますー!」と、ここは本当にバレエ公演会場か笑。
ただ、各売り場や受付の導線はきちんと整備されていて、現在のような完売公演続出且つ初めてバレエを観にいらっしゃる観客が急増する状況になってから何年か経過して、
スタッフも手慣れた様子で会場を捌いていて昨年鑑賞した友人から聞いていた会場内大混乱な様子も無く、頼もしく映りました。

客席マナーも少々心配していたもののとんだ失礼で、私がいたエリアは皆様修行僧の如き鑑賞で物音少しでも立てたら大目立ちしそうな集中度。
谷バレエを心から応援して、激戦チケットを入手してお越しになっている方々ばかりで、私はすっかり紅葉マークを額につけて謙虚に鑑賞です。
おかしなタイミングでのブラボーもなく(最後の最後だけあったか)、またYouTubeを通して主役級のみならず 新人公演からの抜擢やオーディション映像等で
コールドや若手ダンサーのことも詳しく把握なさっているのでしょう。どの役柄の出演者達に対しても、特に結婚式での猫や赤頭巾といった御伽話キャラクター達に対しても
登場するとあたたかな拍手が沸き起こり、他の団の眠りではなかなか見かけない光景で新鮮でした。

新しい形での応援、鑑賞に賛否両論あるかと思いますし、繰り返しになりますがYouTubeの時に過激な裏側や出演者による謝罪、私生活に迫り過ぎた配信には思う部分あれど、
義理ではなく本当に観たくて来場されている、谷バレエをきっかけにバレエに興味持ち始め好奇心で一杯な観客で溢れ返り、楽しく過ごしてもらおうと奔走するスタッフの方々の
熱気ある会場に身を置いた数時間。バレエを観始めて間もない頃に抱いていた、目に入るもの全てにワクワク感を募らせる、
忘れかけていたフレッシュなワクワク感を思い出させてくれました。

そうでした。本千葉駅近くのビアバーからの帰りぎわに、我々も谷バレエ観てきました!と声を掛けてくださったお二方、ありがとうございました!
本当はもっともっと会話したかったものの遠足な距離を帰らねばならず早々に失礼してしまいました。
またどこかで、もしかしたら次公演シンデレラ会場の初台にて⁈お目にかかれますように!!
髙部監督のシンデレラを約35年前に観ている私でございます。




乗り換え、いざ千葉へ。



本千葉駅。本当の千葉、本家の千葉?本の意味するところが気になります。



会場に向かう途中、モノレール駅。



近未来な空間。



スプレーバラらしき花々。



青空



お城が見える会場前の広場。開演1時間前には長蛇の列、しかし係員が指示するわけてもなく、
皆様自主的に足並み揃えながらUの字を描きながら列を乱さず会場へ。
新国ライモンダ第1幕宴のグラン・ワルツのフォーメーションな会場入り光景です。



入ってすぐ、イベント会場な雰囲気。



タイムスケジュール。森岡恋さん、昨年夏にSHIVERガラにて福岡市と名古屋市で鑑賞。
なんでもトークの時間にて、日々の練習での身体との向き合い方についてテレパシーを駆使していると発言。
名言の一つになりました。福岡と名古屋両方とも、各出演者何かしら名言録を残していてためになる学びたくさんな面白いガラでした。



殿岡さんと森岡さん。オカコンビ。



花々の撮影スポット



撮影タイムはミストレスの日原さんが取り仕切ってくださいます。我が家に、ソ連崩壊から間もない時代に日原さんがモスクワ留学されたときの写真が掲載された雑誌、ございます。



ぼやけていてすみません。プロローグ妖精達や女官も集まって、カラフルな大絵巻物です。



手を振ってくださいます。



チーバくんも花束を。



帰りに立ち寄ったビアバー。



香りが華やかと記載された、スープライダー。



千葉駅改札内にある、チーバくんグッズ多数のお店です。チーバくん、シンプルで分かりやすいお名前です。名付け親のセンスにリラも脱帽でしょう。

2026年5月17日日曜日

吉田周平さんのスタダンデビュースターダンサーズ・バレエ団 リラックスパフォーマンス『シンデレラ』15時公演5月10日(日)




順番前後いたしますが5月10日(日)、スターダンサーズ・バレエ団リラックスパフオーマンス「シンデレラ」15時公演を観て参りました。
鈴木さん版の鑑賞は初演、昨年の渡辺恭子さんのラスト公演に続き3回目です。
https://www.sdballet.com/performances/2605_rp/









シンデレラ:塩谷綾菜
王子:吉田周平
父:大野大輔
継母:中川郁
義姉妹:石山沙央理 前田望友紀
王子の友人:小澤倖造
臣下:鴻巣明史
家来:飛永嘉尉
仙女:角屋みづき
シンデレラの小さなお友達:髙橋麗 愛澤佑樹 早乙女愛毬 加地暢文
洋服屋:関口啓
父の秘書:若宮嘉紀
大臣:福原大介


塩谷さんのシンデレラはしっかり者なヒロインで、継母や義姉妹達からのいじめにも容易には屈さず平然としている様子が健気。
ただ1人になったときはポロポロと涙する姿がいたく哀れで、我慢続きな日常が窺える一コマです。
何処を切り取ってもテクニックが安定している上に、感情の沸き上がりと溶け合って自然と駆使しているため、非常に難しいことをやってのけていても一切そう思わせず。
それどころか今回は入団後の初舞台となる王子役の吉田さんを頼もしくリードなさっていて、
されど王子からの救いの導きには戸惑ったり誘いを拒絶してしまったりと守ってあげたい感もあり。とてもチャーミングなヒロインを造形なさっていた印象です。

スタダン団員デビューとなった王子の吉田さんは、Kバレエ時代のハイパーテクニシャンな道化の印象が余りに強く、
序盤こそシンデレラの曲で王子様を踊っていらっしゃる姿が妙に不思議に思えたもののノーブル過ぎない姿は(前向きに捉えてください)
幕開けに街中を散策する王子と友人らの冒険心あふれる若者らしさが自然に表れていて
シンデレラとの出会いも、お城の煌びやかな空間に馴染めずなかなか心を開けないシンデレラをそっと、無理なく舞踏会の輪に入れていく過程も好印象。
(シンデレラと王子が一瞬で恋に落ちてからシンデレラがすぐさま王子と踊り出し、あたかも昔から宮殿に住んでいたかとも見紛うアシュトン版は、
全てが滑らかに行き過ぎている気も最近はしてきたが、それぞれ魅力があるのでしょう)
待機中や次の場所への移動時の歩行はもう少しノーブルな雰囲気が宿ると尚良きかと思います。男性ダンサーにとって最たる難関課題かとは想像いたしますが。
鈴木版名物であろうJRAもびっくり、シンデレラを探しにお馬でGO!!は乗り方といい手綱捌きといいすっかり馴染んでいらして、
新宿や池袋駅改札前広場で時々開催されているリアルな馬模型に乗るイベントへのご参加経験がおありとしか思えず笑。
愛馬のお顔を撫でてあげたりと細かい箇所も行き渡り、お城に戻ったあとはご褒美にたっぷりの人参を食べさせてあげていることでしょう。
お馬でGOは、一番後ろの一頭には臣下と家来がコアラの親子の如く抱きつくように騎乗していたのもツボでした。

初演の頃に比べれはソフトになりつつあるとはいえと継母や義姉妹によるいじめはなかなか苛烈で、掃除した箇所をわざと汚したり、
極めつけはシンデレラが着用しているドレスをスカートから順々にビリっと外して最後は暖炉へ放り込む行為は行き過ぎかとは思えます。
ただ継母も、仕事が多忙な夫に家庭を全く気にかけてもらえず愛情に飢え続けているストレスが蓄積しての悪循環が
シンデレラへのいじめのエスカレートに繋がってしまっている、現代でもあちこちで起きているであるう家庭内問題に踏み込んだ演出。
救いは例えば洋服屋さんなどシンデレラの家に出入りする人々が、せっせと働き回るシンデレラを目で追い、結局は破られてしまうが、ドレスを喜んで用意していたり
父親も常時仕事人間ではあってもシンデレラへの愛情はしっかり示していて、洋服屋さん達にも娘は3人いる旨を伝達。
そして最後、シンデレラがガラスの靴の持ち主であると判明したときに納得いかず騒ぎ立てる継母や義姉妹達を叱り飛ばし、
すると家族で本気で向き合う自身に驚く父と、叱ってまで自分達のことに心を寄せてくれて喜びが募った継母達、両者の間にあった壁が崩れ落ち
やがてシンデレラも加わって輪になって抱き合いながら家庭内和解がなされたこと。一部始終を見守っていた王子や家臣、家来達の視線もあたたかで、
空間いっぱいに広がっていくじんわりとした温もりがいつまでも響き渡りました。

継母や義姉妹達も意地悪ばかりしているのではなく、1幕の家での騒動も、舞踏会も踊る場場面が非常に多し。 喧嘩しながらのドタバタ踊りも、舞踏会にて王子友人を慌てさせながらトラブル起こしつつ達者に踊る場もお見事なもの。
そして小さなねずみさんが大きくなって被り物の紳士淑女なねずみさんとなったお友達の愛らしさよ。
パチクリする瞬きも可愛らしいながら、パ・ド・ドゥのプロムナードも軽快な踊りもきちんと行う、折り目正しいねずみさん達でございます。
そして人間のお友達に変身すると、シンデレラが王子と安全に過ごせるよう舞踏会の中で踊りながらさりげなく継母や義姉妹達に仕返ししていく様子も痛快。
早乙女さん加地さんともに、身体の表情も巧みに変えながらシンデレラ安全確保のために舞踏会の輪を辿って行く作戦踊りもお手の物でした。
モダンな味わいある仙女の角屋さんの、妖精達をダイナミックに取り仕切る姿も目に残っております。

王子と再会できても古びた仕事着である服装にコンプレックスを持ち、そんなシンデレラの願いをまた叶えようと仙女が魔法をかけようとするも王子が阻止し、
着飾らずそのままでいて欲しいと訴える結末も、分かってはいても毎度清らかな余韻が沁み入る中で終演。
また今回はオーケストラ演奏付きで、生でプロコフィエフの流麗な音楽を次々に聴ける喜びたるや。

リラックスパフォーマンス企画もスムーズな進行で、開演時のプレトークでの洋服屋の関口さんの楽しいマイム講座や小山さんの分かりやすい解説、
そして誰でも舞台鑑賞しやすいよう客席の配置や、ロビーに出てからも安心して過ごせるようにするための声かけも優しく、とても良い企画であるとこの度も感心いたしました。
是非継続して欲しい企画です。




青空を背景に、新緑が美しい季節です。











シンデレラを導く星空彷彿な銀河羊羹。



お馬でGO!

2026年5月14日木曜日

スタジオの節目に燃ゆるバジルとソロル エンドウ・バレエ発表会 5月9日(土)《杉並区》




順番前後いたしますが5月9日(土)、セシオン杉並にてエンドウ・バレエ発表会を観て参りました。
遠藤康行さん、須永リエさん主宰のスタジオで2022年から数えて恐らく4回目の鑑賞です。
クラシックとコンテンポラリー両方含むバレエコンサートや『ラ・バヤデール』より婚礼の場まで、時間の経過が瞬く間に感じる楽しい構成でした。
ゲストは新国立劇場バレエ団から渡邊峻郁さん、石山蓮さんです。

バレエコンサートでは遠藤さん振付作品が3本披露され、ジュニアの方々のコンテンポラリー AKIRAスイートは近未来な背景と合わさって
摩訶不思議でスタイリッシュなエネルギーに満ち、生徒さん達の身体能力の高さにもまたもや驚かされました。
小学生くらいの生徒さん達が踊られたエチュードは可愛らしくカラフルな世界観で、生き生き楽しそうに踊る表情も皆さん素敵でございました。
それから7月の初演に先駆けて披露されたDuoN/CRACKER/Clara Wakesより抜粋の遠藤ゆまさんと石山蓮さんのパ・ド・ドゥは
星空を背景にパワフルな躍動感たっぷりに踊られ、7月ご覧になる方はどうぞお楽しみに!

ヴァリエーション単体ではなく実は初めて全編通して観たのがフローラの目覚め。
近年コンクールでも人気作品のようで発表会でもよく目にするようになりましたが、この度ようやく全編を生で観る機会に恵まれました。
ディアナ、オーロラ、ヘーベ、フローラの4人の名前もやっと把握し、それぞれ特徴のあるヴァリエーションを踊ってからコーダもあり。
皆様それぞれに美しく、中でもフローラを踊られた方の柔らかさの中にも芯がスッと通った優雅な踊りに見惚れてしまいました。
グラン・パ・ド・ドゥは2本あり、タリスマンは石山さんが衣装ハプニング?!にも動じず、生徒さんを優しく導いていらしてとても爽やか。
渡邊さんはドン・キホーテにて、表情もサポートも燃ゆるバジル。そんな熱さにも圧倒されず笑、落ち着いて踊られたキトリの生徒さんもお見事です。
初めてエンドウバレエ発表会を拝見して以来ずっと注目している生徒さんで、プログラム開くとまずお名前探しております。
グラン・パ・ド・ドゥ挑戦の姿、眩しく格好良く映りました。

3部のパリの喜びは子供の生徒さんのみで上演。聴き馴染みのある曲の数々が益々お洒落に聴こえてくるほど、可愛らしく楽しい踊りが続いて
観光客やギャルソン、仔犬からマドモワゼルまで個性豊かなキャラクター達が登場するも大人不在の状態であってもとてもよくまっていて心から拍手を送りたくなりました。
途中降雨に見舞われる場面の逃げ回る様子も皆コミカルで楽しい表現がたくさん。最後は勿論天国と地獄で賑やかに締め括りです。
パリの喜びの曲を組み合わせた構成の作品は太古の昔に私も発表会で踊った作品ですが、ゲストの先生や生徒兼講師といった大人も出演していましたので
何処か安心感を持ちながら取り組んでおりましたが、繰り返しになりますがエンドウバレ工版は子供の生徒さんのみで1幕物の作品をきちんと進行。
当時の私に見せてあげたいくらいきちんとした、お手本な舞台進行でした。
またひときわ嬉しかったのは仔犬の設定。従来は犬を題材にしているわけではない曲でしょうが、同じ曲で妹が踊ったのも仔犬。
エンドウバレエさんはトイプードル、妹達は白いチュチュ着た柴犬なイメージで、妹が私との血縁関係に疑念を持たずにはいられないほど破壊級に可愛かった姿は今も忘れられずにおります。
それはそうと、先生方のインスピレーションの共通性に喜びもひとしおでした。

そうでした、パリの喜びの曲といえばもう2つ。国内では新国立劇場バレエ団と牧阿佐美バレヱ団がレパートリーとして持つ『ホフマン物語』
そして福島県白河市のだるまランドでの歴史映像で流れている印象も大。今年こそはだるまの絵付け、チャレンジしてみようか。

第4部は『ラ・バヤデール』より婚礼の場。ベール(ジャンペ)や太鼓も入れての豪華版で、小さなお子様からジュニアの方々まで総出演。
配役の割り当ても年齢に合わせたアレンジもしっくり自然で、例えば太鼓はリードは女子2名で無理に謎の南国な格好はせず
インド風のきらきらした長いスカート衣装でエネルギッシュに、男の子達も溌剌と楽しそう。
毒蛇巻き込んでの追い詰められる修羅場はカットするもニキヤのソロは独立した形で挿入。金の神像の男子生徒さんの端正で歯切れ良いテクニックも素敵でございました。
ガムザッティの遠藤ゆまさんはゴージャスなお姫様、ソロルの渡邊さんは白と金系の衣装で新国立の見慣れた渋い深緑とは正反対なすっきりデザインながら
羽根つき鉢巻締めての顔付きはキリッと、しかしふとニキヤを思い起こす場は不安そうな苦悩を静かに浮かべ、全幕通して観ている気分。
バジルに続いて燃ゆるテクニックも戦士らしくドヤッと披露され、舞台周りを彩る小さなお子様の生徒さん達を越えそうになりながら
向かって右に跳べば東高円寺駅へ、左に跳べば梅里公園まで跳んでいきそうな勢いでございました。
生徒さん達もソロルの飛距離に圧倒されていたと思いますが(私も子供の頃に同様の経験ありますので気持ちが分かります。
それこそパリの喜び構成な作品にて天国と地獄に合わせてすぐ目の前を男性ゲストダンサーがマネージュしていく勢いは特急電車通過並の恐ろしさよ笑笑)
座り位置についてポーズをずっと取っていて、これまた拍手です。

昭島スタジオ10周年、浜田山スタジオ5周年の節目にあたる年であったそうで、須永さんもフィナーレに嬉しそうにご登場。
遠藤さんも恭しくお花を手渡し、祝福に包まれての終演となりました。
帰宅後にプログラムをよく眺めてみると、ページ毎に パリの喜びのキャラクター達(仔犬、カンカン、ギャルソン、マドモワゼル、観光客、メイド、かと思います)、
ラ・バヤデールのキャラクター達(ニキヤ、ガムザッティ、ソロル、ベール、太鼓、金の神像、パダクション等)の
決めポーズシルエットが細かく背景になっていて、大変凝った作りです。有料プログラムのため掲載は控えますが、本当は拡大写真ををお見せしたいくらいでございます。

遠藤康行さんといえば、昨年は8/3横浜バレエフェスティバル、8/6 SHIVER福岡、8/8 SHIVER名古屋と、携わっていらっしゃる夏のガラを立て続けに拝見。
福岡と名古屋での公開クラスセンターレッスン解説や、出演者身体を張っての何でもありトークにおけるゆるり具合と引き締め具合のバランス絶妙な司会進行も
頭に目に残り続けております。名古屋のセンターレッスンでのフォンデュの解説であったか、
「チーズフォンデュは英仏混合、フランス語で並べるならフロマージュフォンデュ」は2025年私の中での流行語大賞です笑。
(加えて後方にて目眉をハの字にして笑っていらした、今回のソロルとは正反対な渡邊さんのくしゃっとした笑み零れる表情も笑笑)
再び何処かで名司会進行を拝見する機会がありますように。




Endo Ballet Atelier7月公演のお知らせ。リハーサルレポートも掲載されています。
石山さんのTシャツ、富山県魚津市のキャラクター、頭に蜃気楼のせたミラたんのスターウォーズ版でしょうか。
ユニークなセンスです!昨年秋に魚津市に行きましたら、ミラたんグッズ多種販売、コミュニティバスもミラたんでした。
https://magazine.confetti-web.com/news/report/90025/



昨年と同様に代田橋駅から徒歩でセシオン方面へ。 代田橋駅前にある和田堀給水所のラピュタのような外観が以前から気になっており、初めて近くの柵越しから観察です。



それにしても初夏な空。眩しさのあまり、目が一目がー!!今年は天空の城ラピュタ公開から40年です。



甲州街道の上、面白い通路を渡ります。



直進です。以前所縁のあったビルを通過。



神田川を渡ります。赤いてぬぐいマフラーにしたら今は暑い時期です。(お若い世代の方々、各自でお調べください。名曲です)



方南町ビール。美味しそう。



更に直進、会場のセシオン杉並を通過。6月上旬に開催のアスパラまつり、美味しそうです!休日なら間違いなく行くのだが。
https://www.sesion-suginami.jp/event/others/7086



杉並車庫の辺りまで歩いていくと、ありました。 分子栄養学キッチン カレーライフバランス。身体に良さそうなカレーをいただけそうです。



目立つポスター



3種きのことクリームチキン、ひよこ豆キーマのあいがけです。チキンはマイルド、キーマはスパイシー。良いバランスです。スパイシー煮卵も注文。
かなりこだわり強めメニュー揃いのようですが、店員さん達はとても穏やかで親切。



解説メニュー、文字量多し!もはや文献です。近所にあれば通いたいと思う、研究重ねて考案された健康に良いメニューばかりです。お酒のアテにもなりそうな料理も多種あり。



ランチタイムは200円で10種のお茶飲み放題。せっかくですので注文。珍しい名称のものからいただいてみましょう。
1杯目クミスクチン茶。蜂蜜のような滑らかな甘い喉越しですっかり気に入ってしまいました。



2杯目、黒豆茶と、砂糖不使用のアボカドチョコレートケーキ。お店の解説文によれば、純ココアパウダーの深い香りと完熟アボカドのなめらかさ、
ココナッツオイルのやさしいコクを生かしているそうです。十分な甘みもあり、ほっくりねっとり滑らかです。飲み物はウイスキーロックではありません、黒豆茶です!念のため。



3杯目グリーンルイボスティー。酸味が強いかと思いきや爽やかな味です。



ソロルの衣装に似た色味の、華やかに香るビールで乾杯です。
衣装の色味は爽やかでしたが、根付き鉢巻締めての顔つきや踊りは燃える男でした!
頭飾りやヘアバンドとでも言うのでしょうが、渡邊さんがお召しになるとどうしても鉢巻と呼びたくなります。



話題は変わりますが、この日は鳥羽水族館のラッコのメイちゃん22歳の誕生日でした。おめでとうございます!現在水族館で飼育されている2頭のうちの1頭です。



メイちゃんと同居しているのはキラちゃん。キラちゃんのお母さんの名前はフローラでした。フローラとの響きに、バレエとラッコ両方が過ぎるのでございます。

2026年5月10日日曜日

長台詞も喋る王子さま 新国立劇場バレエ団こどものためのバレエ劇場2026 エデュケーショナル・プログラム『白鳥の湖』 5月6日(水)昼夕







順番前後いたしますが、5月6日(水)新国立劇場バレエ団こどものためのバレエ劇場2026 エデュケーショナル・プログラム『白鳥の湖』昼夕公演を観て参りました。
前回2023年夏の子どもバレエ以来の再演です。感想短めですのでご安心ください。
https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/educational-programme-swanlake/



昼のオデット/オディールは米沢唯さん。愛らしい声でオデットの切実な願いを訴え、健気な美しさは声と踊り双方から伝わりました。
声出しジークフリードは初挑戦の福岡雄大さん。大阪弁を封印し笑(好きでもない人と結婚せなあかんのや。そうやな、ほな舞踏会へ行くさかい。
ロットバルトの呪いを解くことができたんや!!と大阪弁Verも聞いてみたかったが笑)空気に優しく馴染む、そしてやや哀愁も帯びた声。標準語語り口は貴重かもしれません。
ナレーター見寺剛さんは穏やか明るい声でダンサーとも子供達とも会話がらかでオーケストラ解説や聴き比べ、
マイム体験もお子様達がとにかく楽しそう。学び盛りだくさんでした。

夕方のオデット/オディールの木村優里さんは優しくも落ち着いた声で流れを作り、
最早声の職業従事者にも思えるジークフリード渡邊峻郁さんの感情表情豊かで聞き取りやすい声でよく通る語りかけ。
制限された中でも喜怒哀楽の細やかさが声やマイムからも発せられ、関修人さんとも相性抜群。長台詞も滑らかで、橋田壽賀子さんドラマも出演可能でしょう。

途中オーケストラの音楽聴き比べのときだったか、泣き出してしまったお子様に「怖いよねえ、泣きたくなっちゃうよね!」と心を寄せながら弾ける関さんの語りで楽しく進行。
お子様達からは元気な反応たくさんで照明浴びる体験は余りの眩しさに衝撃受け、大人も貴重な体験でございます。

2023年夏の子どもバレエ以来の再演で、忘れかけていた箇所がいくつかあり、初めてバレエを観に来たお子様達と同様に初心に返って鑑賞。
ナレーターさんがまずは子供達と会話をたっぷりやりとりして、オーケストラや指揮者を紹介してバレエに不可欠な音楽の役割のついても触れたり、楽器クイズもあ り。
暗転にも配慮をして子供達が怯えないよう声をかけながらそっと暗転。王子がびっくりしないよう少し暗くするね、といった言葉も添えていらしたかと思います。
そして皆でハッピーバースデー歌いながらこの日がお誕生日の王子様を迎えるも、重い足取りでやってくる王子は元気なく憂鬱そう。
続いてオデットも登場して出会いのやりとりのマイムと言葉編、舞踊編双方を紹介したり、2羽と4羽の白鳥が踊りを披露。
ナレーターも衣装着替えて3幕の舞踏会場面への移り変わりは赤と黒を基調にした重厚な世界がいきなり出現し、壮観でございました。
ハンガリー、ボーランド、イタリア各国の姫君は華々しく登場し、さらっと並んで踊るもソロは無し。本公演のお楽しみといたしましょう。
私としては注目している堀之内さんのポーランド姫君抜擢が嬉しく、きっと本公演でも披露されますことを願います。
民族舞踊はマズルカは一部カットしていた程度で他はどれも本公演と変わらず披露されていたかと思います。
黒鳥グラン・パ・ド・ドゥはヴァリエーション無し以外は変わらず。王子がオディールに結婚を申し込み、しかしオデットではなかったと悟り走り去っていった後に
再びナレーターが登場し、大変な事態になったと叫びながら訴えていると息切らせながら笑、王子登場。
その後はオデットと再会し、呪いも解けた旨を語り、また過ぎ去っていきました。(ライト版は悲劇結末ですが、そこはまあ笑)

それにしても民族舞踊含め衣装がどれも重厚で、王妃は小林幸子さん状態ですし笑、各国の統率リーダー?の格好も笑ってしまうほど仰々しいばかり。
これらを衣装負けせずに着こなす新国ダンサー天晴れです。統率リーダーの1人のカブトムシな帽子は名物でしょう。赤ダルマも同様か。
窓のオデットは直塚美穂さんと思われ、私じゃー!!と正面向きながらの訴えが熱烈且つ響き、オデット/オディールデビュー益々楽しみになりました。

最後、舞踏会の場面の中でオデットと王子が立ち、フィナーレを迎えるのはエデュケーショナルならではの珍しい光景。
子供達の可愛らしい元気な反応、バイバーイと声を出しながら舞台に向かって手を振るお子さんもいて、それはそれは微笑ましい限り。
何度も劇場へ通っているとつい当たり前のように思えてしまう進行に対して敏感に反応し更に楽しんで観ていきたいと、何十年生きている私も子供達を見習いたいと思った次第です。
長期総力公演な『ライモンダ』からほぼ休み無しの準備でも高水準な舞台で、手を合わせながら鑑賞いたしました。

見寺さんや関さんによる最初の会場アンケートにて観客のお子様達の中には、この日が観劇初体験だった子も多くいたもよう。
初観劇が新国立劇場だなんて、なんて幸せでしょう。観劇が趣味になるか否かは別として、心に残り続ける体験となったに違いありません。
初観劇地がこの日で約3年は休館となる東京文化会館であった私も、居合わせた初観劇のお子様達の心を重ねずにはいられませんでした。


※撮影技術下手人候補選びなら1位に輝く写真ばかりですが(夕方の王子様から花束いただけるかしら。いや、京王ライナー並みの速度で通過でしょう笑)
宜しければご覧ください。



昼キャスト



イラストで紹介



米沢さん福岡さん組



全体



夕方キャスト







上演時間



新国メンバーズの特典にていただいたカード



木村さん渡邊さん組



お子様達にたくさんの笑顔を届けてくださいました!



お辞儀



幕が下りる途中しか撮れず汗、閉店ガラガラな写りですみません笑。ロットバルトもお茶目です!



ジークフリード王子の衣装、アイリッシュハープでしょうが竪琴に見え、ライモンダ回顧と白鳥の湖に向けて両方気分味わえますギネスビール!



ビールとチラシ



ロンドンに舞い戻った気分でいただきます!英国発祥のライト版白鳥の湖でございます。