2026年10月16日金曜日

川越の祝宴 日本バレエ協会関東支部埼玉ブロック 第33回バレエファンタジー『眠れる森の美女』よりオーロラ姫の結婚 9月20日(日)《埼玉県川越市》




9月20日(日)ウエスタ川越にて、日本バレエ協会関東支部埼玉ブロック
第33回バレエファンタジー『眠れる森の美女』よりオーロラ姫の結婚を観て参りました。
https://www.j-ballet-kanto.jp/area/saitama/

前半は各教室ごと、或いは合同の作品を計7本上演。中でも新村純一さん振付でグラズノフのヴァイオリン協奏曲イ短調作品82第3番に振り付けられた
三好恵美バレエスタジオと腰塚なつ子バレエアトリエによるEternal Symphonyの大人数で畳み掛けてくる展開や、複雑であっても統制が取れた出入りのフォーメーションといい見応えがありました。
音楽もほんのり哀愁を帯びつつも華々しい曲調で、クラシックチュチュ姿で一斉に舞う光景も壮観。


『眠れる森の美女』よりオーロラ姫の結婚
再振付・演出:高田宏子
バレエミストレス:菊池紀子 三好恵美

オーロラ姫:木村優里
デジレ王子:渡邊峻郁
王様:佐藤良寛
王妃:関口祐美
リラの精:横山柊子
フロリナ姫:根岸茉矢
ブルーバード:新井悠汰
白猫:中島玲奈
長靴をはいた猫:坂爪智来
赤ずきん:新谷梨紗
狼:岡本尚之

プロローグと第3幕を組み合わせて結婚式場面を上演。眠りは数ある古典作品の中でも最長丁場で名作であるのは分かっていても全幕観るのはかなかなか大変笑。
そのため、3幕にプロローグの妖精達もお祝いに来た設定でのハイライトな結婚式演出はパ・ド・シスや宝石が音楽も振付も非常に好きな私としては誠に喜ばしく、
新国立劇場バレエ研修所公演と同様にリラと部下達のソロ踊りも挿入されていると華やぎも倍増でございます。
今回は冒頭にオーロラ姫の誕生祝いの場も少し取り入れていて、あたたかな祝福を受けて誕生した様子を王様、王妃様が表現。
とりわけ関口さんのにこやかな愛情に満ちた視線や鷹揚とした仕草に惹きつけられ、NBAバレエ団では以前よく観ていたダンサーを久々に目にでき、
喜びもひとしおでした。結婚式での腰掛け姿、横顔も麗しい気品が漂いうっとり。

そしてオーロラ姫誕生からやがて116年後!?、愛らしい姫君は美しく成長してデジレ王子と結ばれましたとの展開を
中央後方の階段上に置かれた丸窓のような空間に手を取って見つめ合うオーロラ姫とデジレ王子が登場。
森の幻影の場面は上演されずとも、リラの導きやオーロラ姫がデジレ王子に出会う想像を掻き立てる絵巻物が始まって
眩くも温かな光に包まれたお2人の立ち姿が一層祝福感を誘い、結婚式の前触れを優雅に景気づける演出でした。
式が始まると各キャラクター達が登場し終えたところで、先ほどの中央階段上にお2人が今度は正面を見渡しながら現れ、いよいよ華麗なる結婚式の幕開けです。

まずは妖精達のパ・ド・シスが色鮮やかに繰り広げられ、リラの横山さんの抜群に美しいライン、コントロールカに大驚嘆。
空間の使い方も大きく、手脚が以前より何倍も長く見え、妖精達のリーダーらしい場を引き締める風格禄の備わりにも目を見張り
指先脚先が隣のヤオコーを越えて川越駅の改札まで届きそうな伸びやかさ。装飾控えめなシンプル衣装であっても踊りと存在感が突出していて、
新国立退団後はフリーで活動なさっている中でいかにして技術や身体管理をなさっているのか読み解きたくなるほどの統率力ある舞台姿でした。

妖精達の中では新国立バレエ研修所出身で現在東京シティで活躍中の岡田百音さんの度胸の精の、嫋やかさと強さを兼備した踊りが目を惹きました。
リラの精達は様々な教室から集まっていながら、ただ揃っているだけではなくクリーンで爽やかな踊りの呼吸がよく合っていて、式を優美に彩る妖精達。
グラン・パ・ド・ドゥの最中もずっと舞台に立っていて、誰もが綺麗で品ある立ち姿です。
宝石達はダイヤ、金、銀、サファイヤ、ルビーの5人構成で王道クラシカルなチュチュで、各々の煌めきも十二分。
眠りでルビーは珍しい気もしたが、活気付くめでたい趣がありますから良いのでしよう。
私の中ではNBAレパートリーでアイリッシュダンスを題材にした作品の主軸としての印象が強烈で「ミスターケルツ」と勝手に呼んでいる
新井さんのブルーバードの飛び具合も勢いがあり、端正で愛らしい根岸さんのプロリナも好印象でした。

さて木村さんのオーロラ姫と渡邊さんのデジレ王子のグラン・パ・ド・ドウでは、前奏の部分から再び妖精達が大勢入っていたりとお祝いを溜めに溜めてのご登場。
お2人の眠りのパ・ド・ドゥは今年8月に秋田県由利本荘市での発表会で鑑賞しており真っ新無背景であっても瞬時に舞台を王宮化させたプリンシパル組の底力に恐れ入ったわけですが
今回は宮殿の大広間の美術に囲まれあらゆる招待客達の個性溢れる踊りが披露された直後であっても更に麗しさで満たすオーラの眩しいこと。
またきらきらしているのみにとどまらず、王宮の盛大な式に臨む姫と王子らしい品位を持ち、自己を律しながら格調高さを放っていらした点も感激を強めた次第です。
殊に渡邊さんデジレ王子の歓喜と勇壮さが入り組んだ、ラインを力強くエレガントに描き出すヴァリエーションもさることながら
背中の流線模様や後ろ姿に至るまで高貴な立ち姿が気高さを感じさせ、王家を背負う強さや覚悟が滲んだお姿もまた壮麗な王朝絵巻物に相応しうございました。
貴族が不在である分、通常は貴族達が担うコーダのマズルカもリラの妖精達や宝石達もエネルギッシュに対角線上を往復しながら盛り立て、目の保養。
やがて荘厳なアポテーズにて幕が下り、全体を通して爽やかクリーンでテンポ良く、且つ上品な彩りに満たされるオーロラ姫の結婚でした。

埼玉バレエファンタジーは初鑑賞でしたが、チケット申し込み時の広報担当者の方の丁寧で分かりやすいご案内、
前日にも当日のチケット受け取りまでの流れの再案内までいただき、痒い所に手が届くとはこういうことかと唸らすお仕事ぶりにも心から賛辞を申し上げます。ありがとうございました。
営業エネルギー爽快な販促広報もこまめで、入魂の残席状況発信にも拍手でございます。





川越といえば、時の鐘。しらかわん、初めて来ました!白河の城下町な通りに少し似ているところもあり親近感を持ったようです。



さて少し遅めのお昼ご飯を。奥の通りに入ったところにある手打ちうどんのお店へ。大きくも愛くるしいうさぎさん達がお出迎えです。



コエドビール、そしてさつまいも粉を練りこんだほのかな甘みがある手打ちうどん。さつまいも天ぷらはサクサクと甘くてほっと和みます。
川越に来た!気分が高まります。(目的はバレエ鑑賞です笑)



よく見ると、COEDOの文字が向きを変えながら散りばめられています。視力検査のようにも見えますが。
そして眠れる森の美女を観るにあたって祝福感のある名称と薔薇印でございます。



こちらはオランダのうさぎさん。ミッフィーのパン屋さんです。電球もミッフィー。うさぎ型のパンも、パン屋さんの格好をしたミッフィーも可愛らしい。
そういえば妹がミッフィー好きなのですが本人もミッフィー系の顔をしております。しらかわんとミッフィーを足して2で割ったような顔です。
(つまりは私とは何処も似ておらず可愛らしい容貌です)



川越のどんぐり共和国。店舗によって造りが全く異なるため、近くに立ち寄る用事があればつい出向いてしまいます。川越の店舗は渋く古めかしい蔵造りです。
福岡のキャナルシティ店に行きそびれたのは後悔、、、。福岡、今年2回も行ったのだが笑。過去にも何度も福岡観劇しているのだが。



所沢や狭山など、トトロの舞台設定地域に近いためかトトロのものがリアルに展示。



ねこバスが隠れていました。メイちゃんからのとうもろこしもあるかしら??



ガーデニング業にも精を出すラピュタのロボット。劇中ではお墓に供えるお花も用意してシータの涙を誘っています。良い場面です。
直後に映る、征服欲丸出しの将軍の表情も強烈です。(天空の城ラピュタ公開40周年記念事業を1人でやっております)



伝統、歴史の息遣い感じられる理容室を見るとつい観察。隣は掛軸と額縁屋さん。



渋い家並みが続きます。当方鰻が苦手で土用の丑の日は毎年悩みどころでございますが(名古屋で櫃まぶし食べておりません)
今年は7/26且つ人魚姫のタコクイーンフェスタ状態でしたので、何時の間にか終わっていた気がいたします。
牛タン、ソーキそば、とご当地名物で苦手なものが実は何種もあり、仙台行く用事は今のところないのだが、
後者は、年内に何処かしらで味わってみる予定でおります。どの店舗へ行くか考えが巡る、安室奈美恵さん節目日であった2026年9/20でございます。



高品質間違いないであろうお布団屋さん。創業116年の老舗です。



地元の王子様、髷結って着物姿でお店から颯爽と出てきそうと想像するしらかわん。この後はフランスのおとぎ話の王子様です。しかし着物姿もお似合いなのは確実。



会場のウエスタ川越に到着。2022年年末のウクライナ国立バレエ団雪の女王以来です。



ヤオコーの文字が力強い。



夜空に輝くヤオコー。雨が強まってきましたのでさっさと帰りましょう。



帰り、川越駅で電車を待っているとナマケモノのポスター!
2020年春、福岡雄大さんのインスタグラムトークにて木村さんのナマケモノに対する愛情の深さを語る対談を思い出します。手脚の筋力、強靭です。



土砂降りの中、やっとこさ自宅到着。ヤオコーのヤッポーゼリーで一息です。
しらかわんも眠りの余韻に浸りつつ、ヤッポーとジャンタンで遊びたがっています。9月の鑑賞はこれにておしまい。



埼玉バレエファンタジー、私にとっては4年越しの鑑賞でした。2022年も足を運びたかったものの、大阪のKバレエスタジオと重なったためこのときは大阪へ。
2021年、2022年、2023年は3年連続足を運びたい舞台が遠方同士2本重なり、行った先の名所でチラシ2枚掲げて撮影し、
出向けなかった地域へ声援を送っていたのは今となっては記念です笑。2022年は大阪の通天閣でこの写真でございます。
(2021年は福島県白河市の小峰城、2023年は大阪の道頓堀にて撮影)
ただ今年と2022年の共通であったのは、天候不順。関東も関西も暴風雨の予報が忍び寄るヒヤヒヤ天候で、 埼玉組の友人達が終演後無事帰途についていると知ったときは一安心。
大阪は翌日朝まではぎりぎり落ち着いた天候で、連休中であったため1泊したものの午前中の帰京が望ましいとの予報でしたので朝食終えたらさっさか新幹線で帰京。
私は自由席でしたのですぐ改札を通って乗車できましたが午後以降の指定席を取っていた方々の時間変更希望の行列が新大阪駅の窓口に出来ていた記憶があります。
無事帰京できそうか、新幹線動いているか等、東京の友人達も随分と心配してくれていました。
歴代の鑑賞を振り返っても、9月は天候に振り回されやすい季節です。ああ。

2026年10月12日月曜日

バレエと朗読で駆け抜ける昭和の名作漫画 SWAN BALLET cross READING 9/5(土)夜 9/6(日)夜 9/8(火)夜








だいぶ遅くなり、もう感想もあちこちに上がっていて需要はないと思いますが9/5(土)夜、9/6(日)夜、9/8(火)夜、SWAN BALLET cross READINGを3回鑑賞して参りました。
他の日程も合わせて見比べたかったのですが強気価格設定のため3回全て同じキャストで鑑賞です。後悔はありません。
https://swan-balletcrossreading.com/



主要キャスト発表映像。テーマ曲が未だ頭から離れません。バレエキャストはダブル或いはトリプルキャスト横並びで壮観です。
当方は1キャスト鑑賞でしたが、他のキャストの真澄や小夜子、飛翔や葵も思い浮かべてくださると幸いに存じます。




ゲネより 飯島望未さん達のキャスト



※(リ)リーディング(バ)バレエ
聖真澄:井桁弘恵(リ)柴山紗帆(バ)
京極小夜子:村川絵梨(リ)木村優里(バ)
草壁飛翔:東啓介(リ)渡邊峻郁(バ)
柳沢葵:西野遼(リ)中島瑞生(バ)
亜鷺悠加/ラリサ・マクシモーヴァ:中野伶美(バ)
アレクセイ・セルゲイエフ:福士誠治(リ)菊地研(バ)
アンサンブル:石塚あずさ(バ)太田弓恵(バ)中村春奈(バ)吉岡眞友子(バ)
マルチ:牧紅葉(リ) 山田里奈(リ)椎原克知(リ)
マヤ・プリセツカヤ:佐久間奈緒(バ)

原作:有吉京子
脚本・演出:小林香
バレエ監修・振付:福田圭吾
振付・ステージング:大野幸人
音楽監督・作曲・編曲:大貫祐一郎
バレエ音楽監修・録音指揮:井田勝大



昭和に誕生した往年の有名バレエ漫画SWANを朗読とダンサーで、殆どの役を2人1役で臨む形の演出です。
バレエ好きと言いながら少女漫画特有のお目目キラキラな絵が苦手で原作も、自宅にあるSWAN MAGAZINE(公演記事との合体型冊子で現在は休刊)の
漫画内容も読まずに鑑賞いたしましたが、朗読による説明で人物関係は把握でき一安心。
真澄と小夜子、開演するまでどちらがエリートであるかすら知らずにいた無知者でございます。

柴山さんの真澄はピュア過ぎる上に、プリセツカヤの楽屋へ突撃して踊り出すなど衝動のままに行動起こしてしまうのは現実にはあり得ぬが笑
柴山さんが務めると旭川から出てきた純朴な少女像もしっくりくるのか無理矢理な話であっても引き込まれてしまう不思議展開です。
小夜子には憧れを持ちつつも、配役審査でのシンデレラヴァリエーションを小夜子と踊るとき拮抗し合う競争心と、
自身が直前にコーヒーを小夜子の脚にこぼしてしまったが故の小夜子の不調に動揺してしまう箇所の流れも分かりやすく表現されていました。
やがて『森の詩』での主役はすっかり堂々と。繰り返しにはなりますが、今以上にぶっ飛んだ(失礼)描写も多くあったであろう昭和の漫画の要素をあり得ないと思いがならも
すっと惹きつけてしまっていたのは柴山さんの慎ましくもバイタリティーの強い頑張り屋、そして持ち前の端正な技術を駆使しての真澄の造形があったからこそでしよう。

井桁さんのリーディングは冒頭でのプリセツカヤをどうにか観たいとせがむ場は甲高い声の刺激がだいぶ強く、私自身が朗読劇に慣れていないせいもあってか
3時間聞き続けると思うと正直ゾッとした部分はあれど、ここまで甲高かったのは冒頭くらいで一安心笑。 飛翔とのやり取りでの甘酸っぱさから、
怪我で苦悩し絶望の淵にいる状態の小夜子との命削る会話まで、真澄の人間らしさを多彩に表現なさっていました。

木村さんの小夜子は女王然とした威厳、麗しいスターオーラの強さに圧倒され、立ち姿歩き姿だけでも違う空気を纏っている存在感。
されど偉ぶる様子は微塵もなく、真澄に対しては常に励まし、魅力を尊重し、肩への手の添え方や顔の覗き方も優しさが込められていて舞台姿は有無を言わせぬ説得力があり、隙は無し。
しかしそんな心身の隅々までを律する人間の鑑であった小夜子を襲った大怪我。病床での苦悩や絶望を訴える姿は非常に生々しく、
2023年お正月の新国立『くるみ割り人形』にて木村さんの舞台上での転倒(その後は新国立の公演復帰まで約7ヶ月を要した)を1階最前列で観ていた私は当時の記憶が一気に過ぎり
いくら今回は劇中の出来事とはいえ直視できぬ状態が続いたのは否めません。しかしその流れがあった分、
森の詩での復帰にて更にスケールアップした踊りで魅了して観客そして共演者達からも拍手で讃えられる姿が胸にくるものがありました。

村川さんのリーディングはやや低めの落ち着いた声色で、己を厳しく律する小夜子の心構えがそのまま表れていた印象。
一方で病床での葛藤場面は朗読だけでなく這いながら悲嘆に暮れて全てを投げ捨てるように訴える姿が痛々しく映り、
木村さんと交互にその場で演じては小夜子の挫折を強烈に打ち付けていらっしゃいました。

渡邊さんの飛翔は絵に描いたような好青年。稽古場に1人でいた真澄のもとに突然舞い降りてきた感な登場で、東さんによるキザな台詞回しにも負けぬどころか
連載時に漫画を手に取った女子が思い描く理想な王子様な雰囲気をより押し上げての潔い表現にも、
少し余韻を残しながら振り返るさまといい、笑いを超えて口あんぐりした私でございます。
お名前からしてもっとプライドの高い、他者を近寄らせぬオーラの持ち主かと思いきや、将来有望株でスター性も十二分ながら
誰にでも分け隔てなく優しく接する人物で、10代にしては人間出来上がり過ぎな印象はあれど、真澄の目が桃色になるのも大いに頷ける人物です。
踊る場面も予想以上にあり、小夜子との『ライモンダ』や『眠れる森の美女』は王者感あるペア。真澄との『森の詩』や旭川での再会時は微笑ましい朗らかさあるペアを構築され
つまりは女性をより美しく魅力的に見せる術を、同じ作品の中でパートナーや場面によって使用する画材までも変えて彩っていくかのように変化を持たせながら再度証明してくださったのです。心底惚れ惚れでございました。

公演の中で我が最大のハイライトは真澄と飛翔の旭川の夜の再会デート。(後日知ったが、ファーストラブとのタイトルがあったもよう)
井桁さん東さんの語りも付いて、満天の星空の下で2人が踊り、食事して赤い靴の映画を観て、とニヤケが止まらぬ展開にこれまた口あんぐりでした笑。
10年前にお2人が初めて組んだ『シンデレラ』公演時から感じているのだが
柴山さんと渡邊さんの並びを観ていると、体型は勿論現代型なのだが醸す雰囲気は古き良き時代を香らせて、今回は時代設定もあってかとりわけ朝ドラを彷彿。
レッスンウェアの上からそのままコートを着用した大胆な対応ではあるものの笑、丸襟のコートが時代を匂わせて良き風情で
昭和なノスタルジック喫茶店にてコーヒー味わう、或いはダイヤル式電話をかけるお2人までもが目に浮かびました。それにしても随分と大人びて男前な飛翔です。
正直、飛翔は真澄をどう思っていたのでしょう。優しくも世話を焼いていたと思えるがあくまで真澄は妹分で本命は小夜子なのか。
しかし真澄への接し方を見ていると、目だけでなく心の奥までしっかり見つめてくれていると思い込むのも無理はなく、真澄あれは蕩けるしかない笑。
この飛翔さんの真っ直ぐな眼差しや語り口で言われたら、ねえ。真澄への赤い靴の説明も、実際には20分以上は語っていそうで、
真澄が頷きながら耳を傾けている場が想像できます。あれ、日本の昭和のジゼルが出来上がってしまいそうです笑。

場を爽やかに仕立てていたのは中島さんの葵で、サラサラふわふわと靡く長めの髪といい見るからに踊る清涼剤。
ただ綺麗なだけなく、仲は良くも互いを高め合う競争相手でもある飛翔にはどうしても勝てぬ弱点を把握して 王子系ではなくキャラクター系へ、
クラシックの分野にとらわれないダンスへの飽くなき追求ぶりには負けん気の強さを思わせました。
特に『森の詩』でのペレレスニクは、きらりとした風貌からは想像つかぬ熱の感情を帯びた、そして衣装も背景も赤色系であってもくっきりと描き出されていく踊りっぷりにびっくり。
西野さんの若々しい溌剌としたリーディングともイメージが合い、顔立ちも何だかよく似ていて笑、最初からバレエとリーディングの一体感が最もよく出ていた印象 です。

ビシッと全体を引き締めてくださっていたのは菊地さんのセルゲイエフ先生。幕開けからプリセツカヤと黒鳥のグラン・パ・ド・ドゥアダージョにて現れ、
始まって5分も経たぬ段階で当時の日本人には到底近寄り難い存在であっただろうスターな存在感を明示されていました。
また強靭なサポート力も試される役柄で、真骨頂は複数の審査場面にて何名ものバレリーナを1人で立て続けにサポートしては審査員達に見せていくパ・ド・ドゥ。
1本目は『眠れる森の美女』3幕よりアダージョ分割式で真澄、小夜子、ラリサだったか。後半には白鳥の湖より湖畔のアダージョ分割式で、真澄とラリサ。
3名とも体型骨格からして全く異なるも、サポートは鉄壁である上に音楽の流れから外れぬようスムーズに、
そして審査ですから全員がより綺麗な印象に残るよう、且つ役柄上失敗も許されぬ状況であってもいとも易々と導く術に天晴れでした。
『白鳥の湖』の場合はラリサと真澄の解釈について解説朗読されるため、2人の声に応えるよう一層愛情深し。

一番の見せ所はレッスン指導でしょう。全員に基礎反復練習を課し、真澄には厳しい指導が響き、
できていない部分をドスの効いた声で次々と指摘しては修正させていく猛烈なやり方は今の時代は受け止めが難しい指導かもしれません。
しかし真澄からしたら本気で成し遂げたいことを憧れの、心から敬う先生が教えてくださるならば寧ろ奮い立たせてくるパワーの源であったに違いありません。
セルゲイエフ先生も単にガミガミ言うのではなく、言い放ったあとにふと真澄と視線を合わせ、
必ずできるようになると信じていると言わんばかりに頷いたりと愛情と頼を込めての厳しさと見て取れました。
リーディング福士さんの深みある声もマッチして、時折発せられるロシア語の恐ろしいことよ笑。2006年NHK朝の連続テレビ小説『純情きらり』にて
宮﨑あおいさんの夫役で古風な青年の達彦さんの印象が未だにありまさかバレエが関わる舞台にて鑑賞する機会が巡ってくるとは、
しかもソ連人の役柄で目にするとは、不思議なものです。立ち姿もすらりとしていてバレエ教師らしい仕草や振る舞いの優雅さも見所でした。
アンデオールの説明にて、普段閉ざされている部分を開くからこそあたたかみが出るとの内容にはこれまで気に留めずであったためかハッとさせられた次第です。

プリセツカヤの佐久間さんは実のところあまり各キャラクター達と絡みがなかったのは残念であったが幕開けからいきなりボリショイバレエ団日本公演における
黒鳥のグラン・パ・ド・ドゥにてリフトされた状態で姿を表し、威厳と凛としたオーラに身震い。
そのあと現実ではあり得ぬが笑、突如楽屋に押し掛けてきた真澄の白鳥の舞いを目にするハメになっても
姿形を崩さずスパシーバと言い放つ落ち着きぶりも大物感がありました。
瀕死の白鳥はフルで目にでき、力強く波打つ腕の動きがまさに魔術師で、映像でしか観てはいないもののプリセツカヤの瀕死の白鳥での腕の凄みに通ずるものがありました。

初回はテクノポップ系音楽や朗読や漫画の世界観の独特の甲高い声やキザな台詞回しに驚いてしまい、慣れぬジャンルになかなか馴染めず。
しかし思えば新国立劇場バレエ団で2007年に上演した、歌手とダンサーが同じ役を務める『オルフェオとエウリディーチェ』と違い、
リーディング俳優さん達も動く動く動く、時には踊る、サポートもする、凄腕で身体も効く、体力もある、驚嘆でした。
そうだ、ある他の団体主催の多分野合同上演にて、チャイコフスキーとラフマニノフが坂本九さんの名曲を歌う場面がありましたから、
以降演出の許容範囲が大幅に広がり、大概の演出は受け止め可能になってきたのでした笑。
それはそうと予想を遥かに上回る、リーディングとバレエの一心同体な務めに驚嘆し、オープニングからバディ感たっぷり。
3回観ていると日に日にリーディングとバレエキャストの顔つきが似てきた気すらしてきて強固な結束力で同じ役、方向性に歩みながら力を注いでいるからでしょう。
特に飛翔と葵、セルゲイエフ先生はリーディングとバレエキャストが並ぶと親族同士に見えたほど。
9/6夜はカーテンコールにて渡邊さんがリーディング東さんに首をヒコヒコな反応も微笑ましく映りました笑。

ただ時としてリーディングがダンサーの重圧になりそうに思う部分もあり、審査場面においての、今日は絶好調!等の声からして失敗したら大変。
またあらすじ上、競い合って勝つ展開にもかかわらず万一失敗でもしたら、台詞はアドリブで変えるのか、対応策も気になるところ。
しかしそんな心配をよそに、ダンサーの皆様はリーディング台詞をエネルギーに置き換えていらっしゃる様子で、何て強靭な精神力でしょう。
審査場面では審査されるダンサーの命削る気迫と、リーディングの方々の息遣い、双方が結集して息つく暇もない緊迫した空気が立ち上がっていた気がいたします。

それから審査にしても公演場面にしてもバレエ名場面いきなり抜粋披露も多く、切り替えや集中力の強さにも感嘆。
ライモンダのグラン・パ、シンデレラのヴァリエーション、眠りのオーロラ登場やグラン・パ・ド・ドゥ、白鳥の湖より黒鳥、四羽、湖畔アダージョ等、展開の中に名場面盛りだくさんです。
審査の場面ではこの舞台ならではなのか、2人横並びで同時に踊り出す演出で、シンデレラのヴァリエーションにて
脚の不調で音に遅れ気味になる小夜子と気を取られる真澄の不安定感は妙にリアル。
飛翔と葵はデジレ王子のヴァリエーションにてレッスンウェアのままだったか、ブルーの飛翔とワイン色の葵が互いの存在をこれでもかと示しながら踊り
飛翔は目に炎、まではいかずとも(巨人の星になってしまいます笑)、ギラつかせているのも負けず嫌い精神が露わになっていて、
さらりと洗練された優しい青年像だけではない面が覗けたひと幕でした。
小夜子のオーロラ姫として登場時には登場前の緊張に押し潰れそうな心境までもが描かれ、しかしいざ出番となるとくるりと振り向いてピンクチュチュで晴れやかに登場。
切り替えの上手さと、それから新国立好きとしては1幕オーロラ姫がピンク色であるのも歓喜要素でございました。

漫画にも掲載されているらしい『森の詩』の取り入れも嬉しかった場面の1つ。2017年年末の旧キエフバレエ団来日公演150周年ガラにてコール・ド付き抜粋で観て、
平成に観ても古めかしさがなく妖精達の見応えあるコール・ド展開も面白味を感じた作品です。
またいつか目にできたらと願っていたらバレエ団の来日とはまた違った、しかも新国立の好きなペア主演による形で叶い、短い時間ではあっても喜ばしい限りでし た。
森の精マフカを柴山さん、青年ルカシュを渡邊さん、畑の精ルサルカを木村さん、火の精ペレレスニクを中島さん。
伸びやかにされど妖精と人間の道ならぬ恋の切なさも含んだマフカとルカシュのパ・ド・ドゥに吸い寄せられました。
ただルカシュの靴が黒いせいか、時折太極拳や気功に見えまして笑。渡邊さんが精神統一なさりながら取り組む姿を重ねてしまいましたが笑
カーテンコールにて新国立カルテットが勢揃いして、小夜子の復帰公演ともあって仲間から、
そしてそのまま観客も劇中の観客と同化して拍手で讃える、不思議な喜びが入り混じる体験ができました。

最後の令和のスワンレイクは、、、衣装もモダンにしたのは分かるのだが蛍光色なラインが目に入るたびに、 屋外での夜行バス受付案内係の方々に見えてしまい、
22:30VIPライナー〇〇号梅田難波行き、と案内が聞こえていそうでした。そんな事態を思い浮かべたのは私くらいでしょうが、賑やかに、
そして後日のインスタグラムライブにて福田さんが仰っていた「オリンピックの開会式」が当てはまる賑わいに満ちたフィナーレではございました。

プログラムにて原作者の有吉さんのインタビューを読むと、インターネットもダンスマガジン始めバレエ関連書籍資料も少なく、
しかもロシアではなくソ連の頃で瞬時の情報入手がまだまだ困難であった時代。
いかにしてバレエ場面を仕上げていったのか手法を知り、気の遠くなるような作業の継続の賜物です。
更にはコンクールや留学、ソ連デビュー等臨場感ある展開を思いついたのか、リアリティある怪我の挫折や苦悩を描き出せたのか。
国立バレエ学校開設の夢や、日本の創作バレエ(海外のプロダクション輸入が難しかった時代、今でいう新国立劇場バレエ団のDTTFや東京バレエ団コレオグラフィックのような
団内振付家発掘企画は日本のバレエ黎明期の時代からあり、関直人さんも参加なさったりと日本の創作バレエは多種あったらしいが、外部には伝わりにくかったかと思われます)と
未来に投げかける内容の鋭さにも驚かされ、有吉さんの先見の明に敬意を表したいと思うばかりです。
バレエ大精通者であった川端康成さんの作品『舞姫』『花のワルツ』においても、職業と趣味の境界の曖昧さを始め今日に至る日本のバレ工界特有の問題点を当時既に、
しかもバレエの文献ではなく小説の中に織り込んだ内容に我が硬い身体も反り返りそうになったものですが、
少女漫画においても有吉さんがここまで説得性を持たせて緻密に描き込んでいたとは、正直漫画なんてと軽く見ていた自身を恥じる思いでおります。
ダンサーの葛藤や挫折も想像以上に生々しく吐き出されていて、観ているこちらも胸が苦しくなるほどでしたから演じる側はもっと精神に堪えていたかと推察いたします。
ダンスールノーブルになる夢は難しいが、独自のキャラクター性を見出そうとしていく葵の決意の感情も胸にくるものがありました。

後日拝聴した福田さんと飯島さん、福田さんと大野さんのインスタグラムライブによればバレエの振付も大半は大野さんで、
福田さん曰く、バレエ監修との掲載の影響でこのままでは大野さんの振付貢献も全部自分のものと化してしまう恐れもあって笑、ライブ実行を決められたようでした。
そうはいっても、大多忙者ばかりの面々をキャスティングして纏めたバレエ監修の福田さんにも拍手を送りたい思いでおります。
ご本人も綴っていらした通り、本当にどの日程もオールスター感謝祭なキャスト陣です。(誰が初台マラソン走るのだ笑??)

まだまだ留学や海外でバレエを踊ることが夢のまた夢であったであろう、中盤にはバレエ先進国ソ連と、対する右も左も分からない、前例がない状況下にあった日本の差を示す場もあり、
ぶっ飛んだ描写も時折あれど、そんな時代にひたむきにバレエに情熱捧げる昭和の若者達の姿を令和の今まさに脂が乗ったダンサー陣や
リーディング俳優陣が爽やかに熱く踊って語っていて、見応えある耳も目も心も躍る舞台でした。
時代設定は1970年代半ばであってもバレエダンサーを目指す人達のバレエへ向ける真摯な心は不変なのでしょう。
審査やバーレッスン等公演では観られぬ光景もたっぷりで、リーディングとバレエも予想以上に一体化がきちんとなされた演出で3回楽しく鑑賞いたしました。

バレエ愛好者は慣れていない、全席均一料金や決済後まで座席が分からぬ購入に、何種もの手数料の高さ、
パンフレットが四捨五入で4000円であったりと強気な販売三昧でしたが3回鑑賞楽しみました。写真集を買ったと思っておきます笑。
手数料はともかくせめて座席は先行販売の時点で選択させて欲しかったが、例えば東京ドームのアイドルのコンサートなんて
5万席もある構造であっても基本均一料金で割り当てられる席も分からないそうですから、それに比較すれば約1000席で端席でも見切れが少ない
新国立中劇場で座席指定不可くらいでボヤボヤ文句言うのは心が狭いのでしょうが
もう1ランクお安いお席価格設定と合わせて次回続編上演時には検討願います。

そろそろ原作は読むべきか。まだそれぞれのキャラクターの漫画の中の絵を知らず。飛翔も真澄も小夜子も葵も、私の中での新国立4人のビジュアルで残したい気持ちがございます。
漫画を読まれている方からは原作に目を通すことも勧められましたが、飛翔は漫画の絵とはだいぶ違うらしい。
髪が長いとか?漫画に登場の髪が長い男性なんて、殆ど漫画読まずに来た私からすると『スラムダンク』におけるグレている時期の三井寿しか浮かばないが
バレエがしたいです、と勝手に吹き出し作成してしまいそうです。
それはそうと私の中では9/5夜9/6夜9/8夜のバレエキャストのビジュアルにとどめておきたくて。
来年辺りには原作目を通してみようとは思いますが、今年いっぱいは渡邊さんの朝ドラ彷彿の昭和の古風な、髪型ぱりっと固めた爽やか熱血好青年の余韻に浸らせてください。
そうでした、千秋楽から約1週間も経たぬうちにSWAN延長編なる楽しい事件もございました。その話はまたいずれ。




Tシャツ、千秋楽近い日に鑑賞予定の友人の分を売り切れ前に購入。



キャスト表



初台から徒歩約6分のパークハイヤット東京2階のケーキ店にザ・スワンも購入。何層にも作られた翼も美しい、今にも飛翔しそうです。



鑑賞初日昼下がり、とあるバレエ鑑賞愛好者な集まりにて毎度の会の幹事を務めたのだが、そのときいただいたお菓子。
一度購入したことがあり、また食べたいと思っておりました。甘さ塩っぱさほろ苦さ、同時に渦巻いて舌に響きます。しかも青と白、草壁飛翔カラーだ!!



19年前のスワンマガジン。創立10周年を迎えた当時の新国事情が詳しく書かれていて、まだSNSも普及前の時代。インターネットはあれどまだまだ書籍頼みな時代でした。
レパートリー拡充しながら先輩達が土台固めに奔走していた頃のお話に加え、当時の新国バレエ愛好者達による座談会も掲載されています。
公演回数増加やゲスト頼みにならず新国ダンサー主演日の増加希望、再演希望レパートリー等、赤裸々に語り尽くしています笑。
ワシントンD.C.公演もいらしていたあの人この人らしき方々は今お元気かしらと懐かしい方々も参加なさっていて。
もし来年創立30周年記念座談会開催あるとして、私呼ばれるかしら、まだまだ新参者だから呼ばれないか笑。
それはそうと、もし図書館等で見つけられましたらどうぞお手に取ってみてください。



同じキャストで3回!しらかわん、昭和の男前な地元の王子様を堪能です。



千秋楽までお疲れ様でした!!スワンレイクビールで乾杯です。新宿ヨドバシカメラのお酒売り場にありました。爽やかな喉越しです。



ビールを見るしらかわん。



しらかわん、パンフレット読みながらふと疑問。飛翔はトリプルキャストだがグラビア用衣装の着方が三者三様でボタン全て掛けている人、下で結んでいる人、しらかわんの地元の王子様ははだけ過ぎています。



お色気担当なのか、いずれにせよ美しく香り立つ胸筋に卒倒してしまったようです。
13歳(しらかわん、2013年生まれらしい)にはまだ刺激強すぎました。
それから少し舞台の話からは逸れますが、渡邊さんのインタビューに、
留学のきっかけになったコンクールの審査員をなさっていたエヴァ・エフドキモワさんのお話が上がっていました。
昔から理知的な眼差しのオディール写真を誌面に穴が空くほど見つめておりましたので、インタビューに上がっていて喜びもひとしおです。
今月に入ってからは目黒学園バレエへの招待 鑑賞講座にてラ・シルフィードを学ぶときもエフドキモワさんの映像を鑑賞。
今観ても、音楽が喜びながら踊り出しているような上品な軽やかさに魅せられました。エフドキモワさん祭りな今日この頃です。



SWANにも少し登場したウラノワ。お墓も立派で目を惹きます。



飛翔さん達が眺めていたであろうと想像すると懐かしくなったモスクワの景色をいくつか。
上のウラノワのお墓も含め、2009年の新国立劇場バレエ団ボリショイ劇場公演を観に行ったときに撮影いたしました。
チャイコフスキーが『白鳥の湖』構想を練ったノヴォテヴィチ修道院の池でマト撮り。観光客はあまりおらず地元民の散歩道な雰囲気でした。



ロシア語でのコミュニケーションが殆んどできず、朝食部屋にてアメリカからいらしたお2人連れが話を聞いてくれたのは救いでした。
観光時はクレムリン近くのモスクワ川治いを散歩しながらカモに話しかけていたのは良き思い出です笑笑。
飛翔達は流暢なロシア語駆使してこの辺を歩いていたことでしょう。それより皆様いつロシア語習得を?漫画では描かれているのかもしれません。



モスクワ、赤の広場といえばこちらです。



ボリショイ劇場の裏通り。飛翔達も歩いていたことでしょう。この辺りはソ連時代とあまり変わっていないはず。



「草壁」「飛翔」といえば即座に浮かぶのは9/5夜まではこの絵でした。
『となりのトトロ』にて、草壁サツキ、草壁メイ姉妹がトトロにつかまって飛翔する名場面。名古屋のジブリパークにて。


草壁ファミリー。名古屋のジブリパークにて。今は草壁といえば飛翔です。



スワンものが相次ぎました。マイ千秋楽の日に傘を置いてきてしまったため翌日は鑑賞はせずとも初台に行きましたところ
東京バレエ団『白鳥の湖』初日にいらした知人と会い、SWAN他のキャスト感想を聞かせてもらい、嬉しいひとときに。
SWAN続編上演もお待ちしております!!

2026年9月30日水曜日

スーパー歌舞伎もののけ姫 7月19日(土)昼の部








話がだいぶ前後いたしますが7月19日(日)、新橋演舞場にてスーパー歌舞伎もののけ姫を観て参りました。
https://mononoke-kabuki.jp/

歌舞伎に関しては花道の存在を忘れ去っていたほどの大のド素人で、鑑賞は玉三郎さんの舞台、『風の谷のナウシカ』以来3回目。
バレエに例えるならば三大バレエが1本も分からない、小野絢子さんも米沢さんも知らない、熊川哲也さんなら知っている、といったレベルです。
ナウシカはジブリ好きであるため足を運んだ次第でございます。もののけ姫は映画館にて、そして3年前には米良美一さんコンサートにも行き生で主題歌を聴く機会にも恵まれました。
また歌舞伎鑑賞の2週間前には新国立劇場バレエ団公演にて宝満直也さん振付のString SAGAを4回鑑賞し、奇しくも久石譲さん音楽にどっぷり浸かった7月となりました。

ここでの紹介はバレエ迷いましたが、本来バレエ雑誌であるはずのダンスマガジンでも隔月刊への移行が決定して定期的発行の書物としては掲載が益々貴重になりつ つ最中に
スーパー歌舞伎『もののけ姫』「謎の」大特集が組まれてはアシタカ役の市川團子さんが表紙まで飾る事態となり、(ならば歌舞伎雑誌でもバレエダンサー登場させても良いと思うのだが)
ターゲットをバレエ鑑賞愛好者にも広げる目的であろうと察しておりますため、一応記録として大雑把ではございますが紹介して参ります。
尚、細かいジブリネタが出る予定でおり、ついていけなくなった方は無理に読もうとなさらずに。

映画を繰り返し観た方々や関連書籍を読んでこられた方々も、展開や音楽も変にいじっておらず、そこまで違和感なく入り込める内容に仕上がっていたかと思います。
『風の谷のナウシカ』と違い原作がなく、『もののけ姫』と言えば映画のみ。だからこそアシタカの髪型等演出で少しでも映画と異なるアプローチがあると
首を傾げがちになりはしたものの、ここぞというときの決め台詞はそのまま。
ただどうしても映画における松田洋治さんの凛々しい声(アシタカ)や石田ゆり子さんの可愛さと鋭さ同居の叫び(サン)、
美輪明宏さんのこの世のものではないような厳かな声色(モロ)、森光子さんの柔らかくも芯ある語りかけ(ヒイさま)が同時再生なる場もありましたがこればかりは仕方ない。
公開時に劇場で観た、パンフレットやアニメ雑誌の特集を読んだ世代は共通かと思います。映画の公開は新国立劇場開場の数ヶ月前、来年で30周年です。
乙事主さまは今回市川中車さんで観ていると半沢直樹の修羅場を彷彿笑。

そうはいっても、歌舞伎で上演するが故の事情であろうと分かっていても序盤から疑問が生じたのは、タタリ神から呪いを受けて旅立つ前の、アシタカの髷切りの場 面。
映画ではお団子のように結った髷を丸ごと切って、所謂大相撲の断髪式状態になって以降おかっぱ頭に。
しかし歌舞伎ではポニーテールのように々長めの髷にしてあり、半分程度に切って、髷はそのまま維持。
歌舞伎の舞台で序盤ですぐにおかっぱ頭になるのは避けたかったのかもしれません。
しかし公開時映画のパンフレットに掲載された宮﨑駿さんのインタビューを読むと、日本刀持ってちょんまげの少年が出てくると侍になってしまい
それまでの時代劇のイメージのままになってしまうため、侍ではなく少年であることを明示したかった、といった内容を語っていらっしゃいます。
また、髷を切った瞬間にもう人間ではなくなっている、自分の意志で出ていくのではなく実は村が追い出している、との考えをも示されていました。
おかっぱ頭は宮﨑さんの意図がはっきり表れた髪型だったのです。
映画自体は面白くも内容が重たいため、劇場で観たのは1回でその後は金曜ロードシヨーで放送されてもトトロやラピュタとは違って所々観る程度でしたが
公開当時はインターネットもまだ現代ほど発達していなかった時代。映画のパンフレットは繰り返し目を通していたためインタビューが脳内に残り続けており
歌舞伎版にて序盤の段階で作品の根幹部分がひっくり返された気分になってしまったのは正直なところです。

それからアシタカが森の地面に横たわり眠る場面にて、見せ方の事情からか岩に苔付きの大きな椅子風な台に腰掛けて眠っていて、
随分たいそうな椅子に寝かせられている感があり、『ラ・シルフィード』のジェイムズ状態でございました。(来年新国立劇場バレエ団が10年ぶりに再演します)
舞台機構を目一杯活用した回転式の舞台転換や板の上に苗が植わっている田んぼの作り方はロンドンで観た舞台版となりのトトロとも似ており嬉しい共通点。

歌舞伎ですから、映画のままの疾走感や猛スピードの斬り込みは当然ながら困難で、早う逃げたほうが安全でしょうにと、見得を切っている間に何度思ったことか笑。
あっ、ヤックルも首を回して見得を切っていてご主人アシタカを守り抜いたことを誇らしげに主張していたのは歌舞伎ならではの表現で笑いと喝采に溢れました笑。
サンとエボシ御前の対決は屋外にて行われたはずが、屋内になっていたのも不思議と言えば不思議でしたが、
階段や物置から飛び降りてきたりと迫力をあちこちから放っていましたからこれはこれで良いかと納得です。

観客の年齢層は非常に幅広く、夏休みであるためか家族連れも目立ち、或いは古株であろう歌舞伎大精通者も多数。
團子さんご贔屓のお若い観客も大勢見かけ、『もののけ姫』を映画ではまだ観ていないが團子さんのビジュアルが素敵だから、とのお声も。
思えば『もののけ姫』映画公開はかれこれ29年前で、エボシ御前役の中村時蔵さん(1987年生まれ)が当時9歳で映画館でご覧になっているとのこと。
公開時に映画館で鑑賞していた世代としては一番若い世代でしょう。
またSNSもインターネットも発達前で、少しでも映像観たければ映画館に足を運ぶしかなかった時代。のちにDVD発売や金曜ロードショー放送、リバイバル上映の機会はあれど、
公開当時特有の熱気、期待と緊張の異様な高まりは居合わせた観客にしか味わえなかった体験かと思います。
例えば1930年代公開の街の灯と違ってリアルタイムを体験した観客がまだ多数いるわけですから、映画がきっかけで、ジブリ好きで
歌舞伎版を鑑賞した方々からは疑問や不満が全くないことはないでしょうが、まずはナウシカに続き歌舞伎化の実現に拍手を送りたい思いでおります。
次はラピュタを是非!但し、何度も観ているこの作品こそあれやこれや口煩く希望が出続けるのは目に見えておりますが笑。肉団子が小さいやら、目がー!の甲高さが足りないやら笑笑。

話を戻します。團子さんはお顔立ちが可愛らしい印象があり、高貴な身でありながらヤックルに跨り意を決して命懸けの孤独な旅に出ては森を駆け回るアシタカにはどうかと
当初は感じたものの、孤高の少年をきりりと演じていて好印象でした。
お若いファンの方々にも、團子さん達のビジュアルを目に頭に残したいお気持ちは分かるが映画も是非ご覧になってほしい、
宮﨑さんが描いたサンやアシタカも目にしてほしいと願ったのも約1ヶ月半。
今度は私が、原作全く読まず絵も頭に入れず、出演者ありきで足を運んだ企画舞台が9月上旬にあり、
出演者版のビジュアルを目に頭に焼き付けたい残したいお心が痛いほど分かる経験をいたしましたので前言撤回。原作映画鑑賞の無理強いはしません笑。
次回は昭和の大作バレエ漫画の舞台版SWANです。



お弁当等のメニュー



時間区分け表



もののけ姫特集書籍も持参。



幕間



7年前のナウシカ以来、人生3度目の歌舞伎鑑賞で日頃バレエ中心の観劇のため、
歌舞伎なら当たり前であろう客席でのお弁当食べる行動に対して余分に心張り詰めていた私でございます。
甲子園球場ならば朝からビールとカレー味わえるのに笑、劇場客席となると感覚が全く違ってくるのです。



提灯。写真売り場にて、ずらりと各場面の写真が100点以上⁈貼り出されていて、番号書いて申し込む方式のよう。一昔前の遠足写真申し込みと同じでしょうか。種類の多さは羨ましい。



3年前の大阪、Kバレエスタジオの舞台鑑賞前に立ち寄った、ジブリなかき氷販売しているお店にて。
私は千と千尋のメニューを注文いたしましたが隣席の方々と打ち解け、もののけ姫かき氷の写真も撮らせていただきました。ふかふかヤックルもいます。



もしバレエ化したら精霊のコダマはジゼルと同じく女性コール・ドの見せ場になりそうです。
アシタカは、、、いやあ凛然とした目元や眼差しといい高貴な風貌といい敵対する勢力同士の仲介に入る複雑な立場の表現といい益々想像が巡りました。
こちらのポスターは愛知県のジブリパークの撮影可能エリアにて。
それからもののけ姫音楽といえば。2年前だったか、アーキタンツにてレッスン終了後に待合スペースにてアンケートを記入していたら
次のクラスが始まり、ウォーミングアップが映画の終盤に流れる「アシタカとサン」。
再び呼んでいただきたい講師のことを綴りつつ、極上BGMでございました。ともに生きよう!のところです。