2023年1月29日日曜日

井上ユミコさんの写真展 BALLET DANCERS





reload下北沢にて、井上ユミコさんの写真展 BALLET DANCERSを鑑賞して参りました。明日30日(月)まで開催中です。
https://www.alexandre.jp/exhbition

これまで大勢のバレエダンサーを撮影されてきた井上さん。無背景のみならず時には屋外の自然や部屋のインテリアも溶け込ませ
モノクロであっても内側から伝う美を切り取った、舞台とはまた一味異なるポーズや衣装を纏う作品の数々が登場し展示されています。
陽光差し込む空間も気持ち良く、シックな内装ながら居心地の良い空気が流れる中で鑑賞。幸せなひとときでした。
入場無料でふらっと立ち寄りやすい雰囲気ですので、どうぞ足をお運びください。
reload下北沢の建物の造りもユニークな形状で、駅からは徒歩約5分。下北沢の土地勘のない私は、電車からは何度も目にしていても
駅前の本多劇場ですら場所を把握しておりませんでしたが汗、ようやく立地を確認。本多劇場の前を通りながら直進していくと分かりやすいかと思います。
会場建物前にて、柴山紗帆さん立て看板がお出迎えです。

それから畏れ多くも、思い切って井上さんご本人に話しかけ、勿論初対面。とても気さくに丁寧に言葉を交わしてくださり感激いたしました。
そのとき感じたのは、自然と心を開かせ打ち解けやすい空気を作ってくださること。
展示されている写真の他スターダンサーのグラビアや新国立劇場バレエ団ダンサーの団員プロフィール、
そして25ansにおける小野絢子さん渡邊峻郁さんのパールを付けた神秘的な美の凝縮なる写真を撮影された井上さんご本人を前に
私なんぞ緊張して上手く言葉をなかなか発せず辿々しい話し方しかできずにいたわけですが、にっこりしたお顔で頷きながらじっくり耳を傾け
こちらの拙い口調に気持ちを寄せてくださる優しいお人柄に触れた思いがいたします。
バレエでは取らぬような珍しいポーズやびっくりするような場所、衣装を纏っての撮影であっても、
モデルとなったダンサーの方々の心を汲み取り安心感や解放感を与えつつモデルと撮影者お互いの呼吸を大切に撮っていらっしゃるからこそ
内側からも光を発するかの如く鮮烈な一瞬を捉え、作品が出来上がっていくのであろうと想像できました。

新国立ダンサープロフィール写真が井上さん撮影写真にほぼ一新されたときに抱いた、
紺色を背景にスタイリッシュ且つ肌の質感や奥行きと立体感のある陰影が織りなす美しさの衝撃や
(思い起こせば2018年アリス初演前の公開リハーサル時に配布された出演者案内で渡邊さんの新写真を初見。切れ長の凛とした目元に見返り和顔美男と何度呟いたことか)
25ansでの小野さんと隣り合った渡邊さんの鋭く色気ある容貌やジュエリーの装着姿にも目に大刺激が舞い込んだ旨といった
大半が展示外作品についての話であったにも拘らず、しっかりと聞いてくださった井上さん、本当にありがとうございました。
井上さんが企画を務められた昨夏のBallet the New Classic鑑賞においての古典とモダンを往来するような面白味や不思議な空間に身を置いた気分になった照明演出、
中村祥子さんを間近で目にできた嬉しさや全員で『ライモンダ』抜粋等の感想もとても喜んでくださり、私の一層晴れ晴れとした心持ちになりました。

30日(月)まで開催ですので、どうぞお出かけくださいませ。




展示会場、写真撮影可。モノクロでシックな空間。



写真と共に青空を眺め、陽光も差し込む心地良い朝の時間帯。



外壁もお洒落。



下北沢駅周辺はカレー天国。帰りに立ち寄るお店を事前調査したところ、写真展帰りにちなんでフジカラーのお店を改装したカレーの惑星へ。



合挽肉のスパイシー焦がしキーマ、2種豆と季節野菜のポタージュカレーの2種盛りと、自家製ペーストのグリーンカレーを小鉢で。
汁気少なめでぎゅっと詰まった濃いキーマ、ほっくりした舌触りのポタージュカレー、
トロトロとペーストの食感しっかり残るグリーンカレーで3種のバランスも丁度良いものでした。
自家製レモンサワーは滑らかな甘みのあとに、ひりひりとスパイスの刺激が体内に充満。おすすめです。
カウンター奥であったため、スパイスの容器を眺めながらいただきます。
開店後すぐに着いたため先客2名ですぐ入店できましたが、帰りは外に10名は並んでいたかと記憶。小さな店内ですので1人か2人連れ向けのお店です。



reloadに戻り、展示会場の階下(1階)にある小川珈琲ラボラトリーへ。一覧表から客それぞれの好みの味や香りを聞き取りながら豆の種類を選んでくださいます。
以前来店した家族から教えてもらい、同じ品種を選択。挽く前と挽いた直後の良い香りに期待が膨らみ、
淹れている様子は目の前で観察も可能です。写真も快く許可いただき、ご参考までに。



小さなお店でテーブル席は少なめですが、壁に沿って一列ベンチ型席になっているため、便利です。
柴山さんの写真入りチラシを眺めながらすっきりとした1杯をいただきました。品種紹介のカードも貰えます。
コーヒーは以前ならば濃く苦味強めのみが好みでしたが、近年は程よい酸味を含む味も好きになり、今後も幅を広げていきたいものです。



1階の出入り口前スペースでは、ワインフェア開催。https://twitter.com/wsoleic/status/1619171378762219521?s=21
イタリア、スロベニア、モルドバ産ワインを一杯から販売していてモルドバ産白ワインを飲んでみました。
ぱっと華やぐ味わいで、晴れたこの日は外のベンチで飲むも良し。モルドバといえば、
マリインスキーのエカテリーナ・オスモールキナの出身国と知って興味を持ってはおりましたが下北沢でワインを飲めるとは。良き昼下がりでございました。



井上さんが撮影された写真で最大の衝撃を受けたのがこちら、申すまでもありませんが。一昨年2021年夏のアステラス時期であったかと思います。
ウェブ上で、書店で雑誌開いて写真が視界に入った瞬間身体に電流が走りました。

2023年1月27日金曜日

米良美一さんと加藤昌則さんのトークdeコンサート




バレエとは異なる分野の話ですが先日の22日(日)、上野の東京文化会館小ホールにて米良美一さんと加藤昌則さんのコンサートへ行って参りました。
東京文化会館へバレエ以外の用事で足を運ぶのは初めてでございます。また歌のコンサートに出向くのは
2018年にオペラシティコンサートホールで開催された中丸三千繪さんの公演以来です。
https://t-onkyo.co.jp/ticket/mela_katou


偶々記事で見つけ、米良さんの『もののけ姫』を生で聴けるならとその目的1つで行ってしまいましたが
他の童謡や唱歌、合唱曲でも馴染み深い作品まで多岐に渡る曲を聴けた上に
ピアニストで作曲家の加藤さんとのお話もほんわか、されど少々毒舌風味も効かせたテンポで楽しいばかり。
米良さんの地元宮崎県での音楽祭における関わりがきっかけで交流が始まったとのことで
加藤さんはすぐそこの学校を首席で卒業、と上野の立地を生かして東京芸術大学首席卒業の加藤さんを米良さんが讃えたかと思えば
時々宮崎弁が飛び出す米良さん、2部にてお召し替えをしての登場における米良さんのブラックレッドな衣装に感激の声を上げる加藤さん、と
お互いをよく知る仲だからこその漫才な会話をも繰り広げ笑いをたっぷり起こしてくださいました。
米良さんが宮崎県ご出身であるとはこのとき初めて知り、親しくお世話になっている方が現在お住まいの県であることや
実はこの日、友人間でも宮崎が大きな話題になっていたため、更には年末に米良さんの歌声を繰り返し聴いていらしたとも伺ったりと嬉しい偶然に喜びもひとしおでした。

1部では加藤さんによる音楽豆知識講座も取り入れてくださり、『赤とんぼ』の前には作曲者山田耕筰が
日本語歌詞を音に当て嵌めるときのお話や(確か)観客一同大きく頷きつつ学びの時間でした。
実は私の出身高校の校歌が山田耕筰の作曲で、焦点を当てたお話に興味津々。しかも校歌では珍しいワルツでございまして、
チャイコフスキー『眠れる森の美女』『くるみ割り人形』「花のワルツ」やプロコフィエフ『シンデレラ』等と大きく異なり抑揚が殆ど無く、淡々とした曲調。
学校の創立年の節目に音源が配布され、ピアノソロ版を聴いてみるとバーレッスンでの脚で半円を描くロン・ドゥ・ジャンブにうってつけかと存じます。
余りに淡々としていて高校の校歌に大概は含まれる若さ溢れる飛翔飛躍を思わす要素が無いのだが、
(バレエ音楽のイメージとしてはラ・バヤデール影の王国ベールのワルツに近いかもしれません。
そもそも校歌が3拍子しかもおっとり曲調の学校は我が母校以外にあるのか知りたい)
ピアノ版を聴いたとき、もし生まれ変わってバレエピアニストになったら弾きたい曲に加えたいと考えたのでした。
しかし高校時代吹奏楽部に所属し野球部の甲子園予選試合の応援演奏にも行っていた若かりし管理人は
仮に運が良過ぎて野球部が甲子園に出場し更には1勝したら、球場で流れる勝利校の校歌としては迫力に欠けるのではなかろうかと要らぬ心配もしたものです。

米良さん加藤さんに話を戻します。2部にて念願の『もののけ姫』、1997年夏公開ですからあれから約26年。早いものです。
映画のときとは少し違った声色だったかもしれませんが、艶のあるお声を聴けて大満足。
当ブログでここ最近話題になりやすい1997年、舞台芸術界においては新国立劇場が開場しためでたき年でしたが、金融界は大打撃の連続で
大企業の破綻が相次ぎ、上層部幹部らが記者会見で頭を下げる報道が連日なされ冷え込み厳しい時期であったのは今も記憶しております。
潔いキャッチコピーや台詞も突き刺さって物事を深く考えさせられる重たい余韻が残る作品を、
そして包み込むような米良さんの歌声を26年前に映画館で鑑賞できたのは幸運であったと思っております。
当時の映画のパンフレットには、この曲はアシタカがサンに向けた言葉であると書かれていて、よくよく読んでみると納得できたものです。
ちなみに、私も1997年は2005年、2017年には及ばずとも人生における大きな転換期でしたので、何かと年の出来事や時事関連が頭に残っているのかもしれません。

話があちこちに飛び失礼、歌のコンサートは久々ながら終始リラックスして和やかな雰囲気の中で歌とお話を思い切り楽しんだ公演でした。
終演後チラシ置き場の辺りに行くと、あらま清泉女子大学でのラファエラアカデミアの顔見知り受講者の方とばったり。
美術館へ行くところだったようで偶々チラシ置き場に立ち寄ったとのこと。
何処へ行っても、異なる分野が目的で出向いたとしても、バレエとの繋がりは良い意味で「根深い」ようです。
それにしても、以前にも脳裏を過り綴っておりましたが『もののけ姫』はバレエ化した舞台を想像。サン、アシタカ、エボシ、似合う人が浮かんではニンマリです。
コダマは精霊ですからロマンチック・バレエの特性に合い、コール・ド・バレエにも生かせるかもしれません。



大ホール、この日はお休みでした。



終演後移動し、唐木田のオデットこと当ブログレギュラーの後輩と、後輩と同じスタジオにも通っていらっしゃる唐木田のバジルこと大人の生徒さんの方と合流。
お2人はレッスン後に、私は米良さんを聴いてから、時間も丁度良し。とにかく真面目に真摯にバレエと向き合い仕事とも両立させている姿から学びが尽きずにおります。
見るからに麗しい可愛らしさのある後輩を「歩く花園」と例える私だがこの日も話題となり、花に例えるならばピンク色の薔薇か、そぞろ咲くチューリップ、と華やぐ花々が次々登場。
そしてなぜだか花の例えについて私にも話が向けられ、「菖」とのこと。
すっと伸び、派手さは無いが凛と咲く渋みある紫の花である菖は昔から心惹かれ、嬉しい例え。励みにいたします。

2023年1月19日木曜日

事態急変を乗り越え競合他社とは対話と連携に踏み切った新年会   新国立劇場バレエ団ニューイヤー・バレエ   1月13日(金)〜15日(日)計4回





1月13日(金)から15日(日)、新国立劇場バレエ団ニューイヤー・バレエを計4回観て参りました。
https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/newyearballet/



初日速報。透き通るように清らかな米沢さん、逞しさと色気兼備な渡邊さんが放つ視線とお2人のフォルムが描き出す形に注目です。



身を重ね合わせたお2人、官能的でございます。






A Million Kisses to my Skin
【振付】デヴィッド・ドウソン
【音楽】ヨハン・ゼバスティアン・バッハ
【美術】デヴィッド・ドウソン
【衣裳】竹島由美子
【照明】バート・ダルハイゼン

13日(金)、14日(土)夜
米沢 唯 柴山紗帆 小野絢子    五月女遥 中島春菜 根岸祐衣
渡邊峻郁 速水渉悟 中島瑞生

14日(土)昼、15日(日)
直塚美穂 柴山紗帆 飯野萌子  五月女遥 山本涼杏 川口 藍
奥村康祐 速水渉悟 森本晃介

中止を乗り越えやっとの上演。バッハ『ピアノ協奏曲第1番』の厳粛な音楽との溶け合いや
ステップが淀みなく連鎖しての舞台空間を目一杯使った、研ぎ澄まされたシャープな展開も気に入り
身体の線や移動の軌跡がよく見えるシンプルな照明も好みな作品です。(顔の判別がつきにくい黒影照明は見辛かったが)
ダンサーの出入りも工夫に富んでいてパ・ド・ドゥあればソロ、トロワも用意。
女性陣は人によって各々少しずつ色味が異なる水色系レオタード1枚でも、男性陣の透け網?ぴったりTシャツ型ウェアや水色タイツ姿もしなやかで美しい。
男性陣の髪型は全員ぺったり七三分け指定だったのか、古式ゆかしい趣な方もいらっしゃいましたが
高品質な整髪料なのか、激しい動きを繰り返しても誰も『シンデレラ』宝石商状態な靡きにならぬ髪型維持も安堵でございます。
「ミリオン」の呼び名も定着し、早くも再演が待たれる作品です。

Aキャストは主役級を何名も投入。まず主軸の米沢さん渡邊さんペアの引き伸ばすポーズの造形美にうっとり。
互いに後ろ側に掲げた腕で、算数数学の授業で使用可能であろうくっきりと平行四辺形を作画していらっしゃいました。(上の写真参照)
渡邊さんの各関節から先端まで、音楽に触れては全身の細胞活性化を思わす踊り方や時折放つ肉食獣な視線にも仰け反りそうになり身震いの感覚に襲われた次第。
特にアダージョ部分において、ただ怪しいのみならず繊細詩的な米沢さんの内面の扉をふわりと開かせ
心を解きほぐすような誘いを思わすパ・ド・ドゥの連なりは目にも心にも不思議な快楽もを呼び起こし
物哀しい音楽の中で身体同士で呼応し放っていく細やかな波動からも目が離せませんでした。
モダンな作品は恐らく初見である根岸さんのスタイリッシュで機敏な、斜めに取るポーズも見事。コンテンポラリーでも一層観たくなったダンサーの1人です。

面白味濃縮であったのはBキャスト。ベテランプリンシパルから今シーズン入団の新人まで大混在編成で、
奥村さんは直塚さんと、飯野さんは森本さんと等ベテランや中堅も今まで目にしたことがないペアで登場し、フレッシュな刺激いっぱいな布陣でした。
中でも話題大沸騰であったのは直塚さんの存在感。入団は今シーズンであるバレエ団の中では「新人」ながら
ロシアで培った長年のキャリアに裏打ちされた技量、押しの強さ、作品牽引力にも拍手。
(バレエ・アステラス2019ではモスクワ音楽劇場バレエの団員として『海賊』グラン・パ・ド・ドゥを披露されています。鮮やかなテクニシャンな印象でした)
身体を隅々深々とパワフルに操って大地を切り開くように踊り刻む姿、そして大先輩奥村さんにも物怖じせず渡り合うパ・ド・ドゥも目に残る衝撃でした。
奥村さんの、パートナーを落ち着かせながら(褒め言葉)気持ちよく踊らせていくサポートや、相手に翻弄されているようでされど安泰な踊りっぷりも好印象。
そして幕開けにソロで飛び込んできた山本さんの空間支配力、巧みなオフバランスや無駄のないしなやかな躍動も鮮烈でした。

全日程出演の五月女さんによるソロでの踏ん張りを全く見せず立体感のあるポーズで決めながら踊り繋いでいく展開も圧巻で
舞台にたった1人、しかも決して大柄ではない背丈とは微塵も思わせず、音楽の中で自在に身体を奏でていく姿に何度目を見張ったことか。
公演2日目以降、キャスト変更により全日程出演となった柴山さん速水さんの鋭く突き進みつつ、
針穴に糸を通すように2人接近したままするりと移動しながらも身体の傾けや手の掲げまで息の合い方が抜群であった序盤の見せ場も刻まれております。


眠れる森の美女
【振付】マリウス・プティパ
【音楽】ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
【衣裳】ルイザ・スピナテッリ
【出演】ヤスミン・ナグディ、マシュー・ボール(英国ロイヤルバレエ)

休憩後、無背景の空間にていきなり結婚式の場面であっても、恐らくはアステラスでもよく使われる白カーテンやシャンデリアであっても
踊る姿からカーテンコールまで上階席まで届くゴージャスな佇まいな英国ロイヤル・バレエ団のお2人(特にナグディ)でした。
ナグディはやや粗削りになるかと思いきや、パの1つ1つにメリハリがあり脚のおさめ方も丁寧。王子衣装の光具合の無さにびっくりしたが(失礼)、ボールは淡白端正。


ドン・ジュアン(抜粋)
【振付】ジョン・ノイマイヤー
【音楽】クリストフ・ヴィリバルト・グルック、トマス・ルイス・デ・ビクトリア
【衣裳】フィリッポ・サンジュスト
【出演】アリーナ・コジョカル(ハンブルク・バレエ ゲストダンサー)、
アレクサンドル・トルーシュ(ハンブルク・バレエ )

タイムテーブルを見て尺の長さに驚いたものの、しんみりな作風ながら浮世離れした貴婦人コジョカルの身の寄せ方や身体が透けて反対側が見えそうな幽玄ぶり、
トルーシュに掲げられたときの体重を感じさせぬ浮遊姿にも見入りました。コジョカルが予定通り来日し、予定通りの作品を踊ったことにまず安堵(これ大事)。
コジョカルとナグディの並びから本来の座長コジョカルと、偶々他公演のために来日中であった関係で急遽呼ばれた代役ながらナグディが実質の主役となった
2020年2月に開催されたアリーナ・コジョカル  ドリームプロジェクトを思い出す私でございます。
今だから申し上げられますが客席も豪華でございました、殊に男性陣。行けなくなった知人の代わりに行ったはずが、
某着席者を上演演目に重ねては想像を巡らせたり、(1本は初台でのお披露目の願い叶いました)
こんなにときめく思いを満喫して宜しいのか身体がそわそわした忘れられない出来事です笑。

それにしてもNBSとは対話と連携(外交か笑)に転向したのか、新国立来場者に向けた今回のゲストの出演宣伝として
今春のハンブルクと今夏のロイヤル来日公演特別チラシも刷られ、新国立劇場開場記念公演時期の1997年10月に発売された
SPEEDの代表曲White Loveの歌詞「雪が溶けてやがて春が来る頃」なる関係を、開場から約四半世紀の時を経てようやく構築と見て取れます。
(在籍時期は異なりますが作詞作曲者が同じ高校の出身でございます。ちなみに管理人はSTEADY派、お若い皆様はご自身でお調べください。私の中では近年の曲である)
2015年頃であったか、東京バレエ団が新国立の中劇場で初公演のときも遂に和解の時代かと話題にはなりましたが
新国立劇場とNBSの文字が手を組む意味合いで同じチラシに掲載される日が到来するとは、時代の変遷を思うと同時に
初台における世界バレエフェスティバル短縮版開催も含め、佐々木忠次さんが天国で何と仰っているかは想像を控えることといたします。


シンフォニー・イン・C

【振付】ジョージ・バランシン
【音楽】ジョルジュ・ビゼー
【衣裳】大井昌子
【照明】磯野 睦

第1楽章
米沢 唯  福岡雄大(13日、14日夜)
柴山紗帆  福岡雄大(14日昼、15日)

広瀬 碧  飯野萌子  中島駿野  小柴富久修

第2楽章
小野絢子  井澤 駿

玉井るい  廣田奈々  清水裕三郎  趙 載範

第3楽章
池田理沙子(13日)  木下嘉人
奥田花純(14日昼夜、15日)  木下嘉人

奥田花純(13日)   広瀬 碧(14日昼夜、15日)  五月女遥  小野寺雄  佐野和輝

第4楽章
吉田朱里  中家正博
渡辺与布  川口 藍  原 健太  浜崎恵二朗

バレエ団の十八番と言えるでしょう、デヴィッド・ビントレーさんが就任された2010/2011シーズン開幕公演における初鑑賞以来ずっと観続けております。
2013年のゴールデンウィーク公演でのトリプル・ビル上演時にはプログラム最初の上演であったため、
知人の結婚式に行く前にインCのみ鑑賞し、おめでたい気分上々で式場へ向かった日も良き思い出でございます。

第1楽章の米沢さんは精緻なステップと、少し柔らかみが増した感もある腕の使い方にも注目。初役の柴山さんはミリオン全日程出演となってしまいながらも
正確な足運びやきりっと決まる且つ丹念に描き出すポーズも美しや。そして福岡さんがきびきび歯切れ良く踊りつつ日替わりダブルキャストの2人を好サポート。
同日にミリオン兼任の米沢さん、初役な上にミリオンと兼任になった柴山さんをきっと精神面でも支えていらしていたかと思わせる
頑丈鉄壁ぶりで観る者にも安心感を与えてくださいました。米沢さんもですが、2010年からずっと第一のプリンシパル専門の福岡さん。若さの秘訣が気になるところです。
全楽章の中でもベテランから昨年入団の若手まで混在編成であったコール・ドの統一感も好印象。
音楽が放つ明快さを身体の角度や移動のタイミングも守りつつ晴れ晴れとした美を描き出していました。

第2楽章は小野さんの憂いを含んだ踊り姿に鷲掴みされ、過剰に押し出さなくても隙のない、クールな女王の風格。
冒頭にてパ・ド・ブレでの登場からして空気をひんやり神秘的な色へ変えていた印象です。
フィナーレにおける、音楽が益々高らかさを帯びていく箇所での井澤さんにサポートされながら片脚立ちで腰を捻りつつもう片脚を差し出す振付も
急速な中にも情緒を匂わせる美しさに背筋がすっと伸びる思いがいたしました。
井澤さんとは意思疎通の深さまでは感じ辛かったものの、バランシンですしこの楽章においては近寄り難い女王をひたすら引き立てる構図が好ましいのかとも推察。

第3楽章は初日、フィナーレ途中で池田さんが離脱し木下さんも舞台袖へ。第3楽章の部分では呼吸の合う跳躍を
次々と繰り出していただけに、フィナーレにおける全楽章女性プリンシパルが横並びでの回転箇所にて
池田さん不在の光景が、最後のポーズにて第3楽章の主役2人が不在の光景が視界に入ったときは茫然となり、身体の状態が大変心配になりました。
余程の事態だったのでしょう、状態悪化を防ぐためにも途中離脱は良い判断であったと思いたい。
(周りでも話題は持ちきりでしたが、昨秋のジゼルとペザント、春の祭典、くるみで昼主役同日夜ルイーズといった過酷な配役日程に限界があったかとしか思えず)
この日は初日、しかも平日夜公演でしたから終演は20時半頃。次公演は翌日土曜日昼ですからもう時間もなく
当初ダブルキャスト予定であった廣川さんがお正月くるみにて本番中に転倒で怪我をされ、既に降板。池田さん頼みであったところにこの事態で
女性は登録ダンサーまでもが総動員で臨む大人数作品のため、代役探し奔走の現場はさぞかし緊迫していたかと察します。
そして翌日以降は初役で奥田さんが代役で登場。盤石な軸を保ちつつ溌溂軽快な脚捌きが実にクリアで表情も明るい音楽そのもの。
前夜からの翌日昼の急遽の代役ましてや初役とは到底思えぬ大好演でした。代役初回はカーテンコールにて
出演者全員から拍手が沸き、奥田さんを讃える様子に胸が一杯になりました。
思えばこちらも初役木下さんとの跳躍での掛け合いもそれはそれはにこやかさが溢れ返り、
しかもサポートも名手、加えて勝手に呼んでおります「困ったときの木下さん」。奥田さんとのパートナーリングも安定感の上をいく楽しさで見せてくださいました。
奥田さんが抜けたコリフェには広瀬さんが1と兼任して担当。(鉄人ペンギンと呼んでしまった点、お許しください)磐石な支え人として活躍され、疲労感も皆無。
配役急変更に伴い、初日は終始奥田さんと、翌公演以降は3楽章部分は広瀬さんと、
フィナーレは原田さんの3人と組んだコリフェ(現在はドゥミ・ソリストと呼ぶらしい)佐野和輝さんの功績も讃えたいばかりです。
そして3楽章、土曜日以降は女性プリンシパルとコリフェが3人ともビントレーさんの就任と同時の入団組。ベテラン職人トリオ、天晴れでございました。
コリフェ小野寺さんの技術達者且つほのぼの純朴ぶりも和む要素の1つでした。

あれよあれよとフィナーレになだれ込みながら終わってしまう第4楽章には木村優里さんの代役で吉田さんが登場。
手脚、特に腕がまことに長く急ピッチな曲調に合わせての方向転換にやや苦戦していたかもしれませんが堂々たる優雅さに注目。
そして中家さんの登場してすぐのハノ字ジャンプにー幸福度は更に急上昇。(忘れていたが初役であった中家さん)
踊った直後に立膝から立ち上がってのサポートも慌ただしさを感じさせず寧ろ心から楽しんでいる姿でいつでも安心中家さんはバランシン作品でも健在でございました。
ところで女性プリンシパル横並び回転における足踏み振付にて、真横に伸ばした両手の掌が上向きと下向き、人によって違いがあり。その点が少々気になりましたが
フィナーレ終盤、隊列が真っ二つに割れながらの大移動は上階中央席から眺めているとモーゼの十戒の名場面をも彷彿させる
吸い込まれそうな舞台展開で(例えが宜しいのか否か)全出演者の壮観な光景に、とりわけ今回は
プリンシパルペアが1から4まで揃う状況がこうにも愛おしく思えるとは、高揚も極致へと到達いたしました。

ただ今回いたく首を傾げた点があり、第1楽章のテンポと演奏の特色。随分とゆったりそして穏和に思えたのです。
ドン・ジュアンから休憩無しでの上演でしたからしんみりした雰囲気を私が引き摺ってしまったのか
或いは年明けから約2週間経過した金曜日夜で暗めの落ち着いた空間に身を置くと疲労が襲い掛かってきたのか当初は初日特有の自身の勝手な印象と自覚。
ところが、2日目以降も印象は変わらず、第1楽章に長年抱いていた歯切れ良さ、鋭い潔さ、ピリッと引き締まる感覚が
封じ込められてしまったと感じてなりませんでした。2010年の初鑑賞時から1、2、3の中では
格調高い調べが彩る1が最も気に入っているが故の単なる思い入れの強さからくる印象かもしれませんが。
唯一ティンパニと思わしき打楽器が要所要所にて、目を覚ませて鼓舞させるような大音量での叩きっぷりが独走状態とはいえ私には救いにすら感じ取れたものです。

今回はメリー大晦日あけましてクリスマスなる年末年始過密くるみの影響もあり故障者が続出。
初日から本番中の負傷発生でヒヤヒヤになり、配役の負担具合や日程調整の課題が更に浮き彫りになった公演でした。
来年はいかにして開催か。年末年始に再び二桁台の公演回数を打つのであれば、主役以外の配役にも今一度目を配って負担具合を確認するなり
ニューイヤーの演目の組み合わせを考え直すなり、1月の2週間過ぎ辺りは世間もお正月、新年な気分にはもう浸っていませんから
時期をずらして厳冬ガラにするか(来場者が見込めぬ名称だが汗)由々しき事態に至った今回の課題を生かして欲しいと願います。

また、女性は登録ダンサーまで大総動員ながら男性の出演者が少なく、これまた勿体無い。
ミックス・プログラム等に相応しい男性主体作品のレパートリーがあれば(除くトロイ・ゲーム)尚望ましいかと思います。





マエストロメニュー、サインはゲストの4人。



バーニャカウダ。めでたいカラフルな野菜達です。



ゴルゴンゾーラクリームとほうれん草のペンネ。チーズの癖が程よく抜け、白ワインによく合います。



いちごのグラタン。ほかほかまろやかな甘さでございます。



踊り盛り、抜擢が続くダンサーの故障者が相次ぎ、しかも本番舞台上で発生。
公演回数の増加は嬉しいことである一方、配役の負担具合や日程調整は要課題です。



ロンドン出身のドウソンさん、スタイリッシュで澄んだ美しさのある作品をありがとうございました。



店内でスタッフさんが売り歩いていたため、ちょうど次の1杯を考えていた機会でしたので購入。確かカシスとウイスキーのブレンドらしい。
前回『ジゼル』公演期間中の購入時は葡萄がのっていましたが、今回はいちごです。そしてウイスキーのときはコインチョコレート付き。
ああ2020年2月、1回きりにはなってしまったものの渡邊さんで観たいと望んでいた色悪系役なるレスコーを思い出します。
ただ悪人ではなく、周囲との橋渡しや金欲の塊な部分がチャーミングでもあり、
人間味の深い人物として描写されていた点に大変好感を持ちました。しかも狡猾そうな風貌からの色気も備え、束ねた髪のおリボンもお似合い、
GMに向けた憎悪の眼差しの最期も忘れられず。うう、もう1回観とうございます。

2023年1月11日水曜日

行き場のないペットボトルとビニール傘達の声 Kバレエ  オプト  プラスチック K-BALLET OPTO PLASTIC 1月8日(日)《横浜市》




1月8日(日)、KAAT神奈川芸術劇場にてKバレエ  オプト  プラスチック K-BALLET OPTO PLASTICを観て参りました。
前回の昨年10月開催のオプトにも足を運び、舞台機構を目一杯使った大掛かりな新作上演が予想以上に見応えがあったため今回も鑑賞に至りました。
https://www.k-ballet.co.jp/contents/23_opto_julian

ペットボトル迷宮
音楽:J.S.バッハ:前奏曲とフーガ  ホ短調  BWV.548「楔」、G.リゲティ:ヴォルーミナ、他
振付・演出・台本:アレッシオ・シルヴェストリン
企画:高野泰寿
舞台美術:アレッシオ・シルヴェストリン、坂田直哉、蘆  雨凡(東京工業大学 塚本研究室)
照明デザイン:伊藤雅一
衣裳デザイン:アレッシオ・シルヴェストリン


スモーキーグレーやブルー系のレオタード衣装のダンサー達があちこちから現れては機敏に踊って去り行くスピーディーな展開で
きちんと構築されたフォーメーションも観ていて気持ち良い緊張感を与え
車輪付き壁型装置をダンサー達が動かしたり配置する箇所も含めよく計算されていました。
上階席からは一見引っ越し等の梱包で使用される気泡緩衝材(通称プチプチ)に思えた複数の壁型装置こそ大量のペットボトルを積み重ねたもので、
確認できたときは作品名になっているとはいえども衝撃が目を覆ったほど。
(公演趣旨に賛同した街の美化や資源回収の効率化を図る企業FORCETEC による協力で実現したとのこと)
後半にはペットボトルを腕や脚に装着した状態で踊られ、動くたびに邪魔になってしまうと感じたのは僅かな時間で、
それこそ実は再生利用もなかなかされず、処理に困る物として待ち受けるペットボトルの行く末を風刺した演出にも見て取れました。

ゲストのジュリアン・マッケイは良い意味でバレエ団と一体となった自然な姿で沸かせ
端正且つエネルギッシュな踊りで飯島さんらと組む場面もスムーズな舞台運び。ハードな作品であっても
心から楽しんでKバレエのダンサー達と共演する様子に好印象を持ちました。マッケイを観るのは2019年11月のミハイロフスキーバレエ団『パリの炎』以来です。
当時の感想と大幅重複の点は悪しからず、2018年に遡る話ですが、ソビエト連邦時代にモスクワで上演されていた全幕作品のある版を
現代に即したものにしてミハイロフスキーが所有している旨や、作品について調べる際には
リハーサル映像や舞台装置も写した写真も含まれているマッケイのSNS投稿が参考になると
職人級バレエ精通者から教えていただいたことがマッケイについてより知るきっかけに。
しかし令和に入った現代においても華やかし映えたる写真投稿共有の使用方法や閲覧方法が
把握できずにおりましたので、慣れぬ操作を繰り返しやっとこさ投稿を閲覧。妙な自撮りばかりではなく
舞台構造が分かる写真や舞台袖からとらえたリハーサル撮影映像も載っていてマッケイ自身よりも(失礼)作品の舞台美術や演出に興味を持つ私も2018年当時、大いに参考になったのです。
『パリの炎』は革命軍の勇士にしては少し強さが不足にも感じてしまったため、今回のようなコンテンポラリーで鑑賞でき、良き方向へ印象が変わりました。

それから、昨年1月のFLOW ROUTEを観て以降飯島さんが踊るコンテンポラリーが頗る好きになり
今回も軽々と空気を切り裂く研ぎ澄まされた四肢の可動に魅せられっぱなしに。
終盤、これで閉幕かと思いきや下りかけた幕が再び上がり打って変わって照明も客席を当てながらぐるぐると旋回してノリの良い展開となり
スパスパっと身体が躍動し繋いでいく光景や天井から次々と降下するアルファベット文字(これらもペットボトルを組み合わせた作りであったかと思います)に
こちらの体内の情熱までもが循環止まらず、突っ走りそうになりました。
環境問題を提起しペットボトルの行く末を悲しむ風刺と最後は後味良くダンスの洪水な幕切れ、双方を堪能できる哀楽凝縮な作品と受け止めております。



ビニール傘小町
音楽:
I.クセナキス:ジョンシェ(蘭草の茂る土地)、
L.v.ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 Op.73「皇帝」より第2楽章、他
振付・演出:渡辺レイ
企画・構成・台本:高野泰寿
原案:三島由紀夫『近代能楽集「卒塔婆小町」』、太田省吾『小町風伝』
舞台美術:渡辺レイ
照明デザイン:伊藤雅一
衣裳デザイン:貫井倫佳


私の予習や知識不足で物語の理解にまでは残念ながら至らなかったものの演出に工夫が富み、静動のメリハリも大きく終始見入った作品です。
まず、舞台前方下手側にて上演中ずっと捨てられたビニール傘を数えては試合の得点札ような道具の札をひたすら捲り数えていく様子が、
行き場がなく処分に悩まされる傘の悲痛な叫びを摘み取っては観客に投げかけていると見て取れ
最後まで一定のリズムでずっしりと重たいものを引き摺る心持ちとなりました。

白石さんの老婆が傘を持ち歩く佇むだけでも不気味な悲哀が伝ってじめっとした感触が肌に迫る感覚に襲われ
そうかと思えば中盤には伊勢佐木町ブルース!しんみりと踊っていたダンサー達がムーディーな装い、メイクも変わったか
正面側の断面を切り取ったクローゼットのような箱の中でテーブルを囲み、戯れる姿に仰天でございました。
意図はよく分からずではありながら大胆な場面転換、そして初演のご当地曲であり、サックスがふんだんに活躍する私も好きな曲であるためどっぷり笑いながら鑑賞。
仮に大阪市周辺での初演であったら、『雨の御堂筋』が流れたのであろうかとも想像が巡ったものです。

プログラムには、回収率は高いが作業分担が細かく物流コストも高い点が課題とされる日本のペットボトルリサイクル事情や
『ビニール傘小町』の美術とし登場した、展覧会で使用した特注カーテンの再利用について等、読み応えある内容を掲載。
地球環境問題を取り入れたバレエ作品はこれまでにも目にして参りましたが
ペットボトルとビニール傘といった非常に身近な物に焦点を当てて問いかける舞踊作品は初鑑賞。
また近年はコロナ禍による緊急事態宣言中における飲食店が営業が困難な時期に
持ち帰り対応に踏み切る店も増えましたが、一方で大量に増加したプラスチック容器の処分が追いつかない問題も報道で見聞きしただけに
作品そのものは舞踊の見せ場もしっかり設けつつあからさまに訴える作風ではないながら、
処分され行き場のないペットボトルやビニール傘の声が自ずと充満し入り込んできた思いがいたします。
KAAT大劇場の舞台機構を存分に生かし、予期せぬ場所から装置や美術が出現する仕掛けや精鋭揃いのダンサー達の踊りも堪能できた上に
まさに身近な環境問題についても考える、ユニークで鋭い発信力が込められた企画でした。





会場最寄駅の日本大通り駅から少し歩くと現れた『よこはま・たそがれ』なる夕暮れ時。横浜の名所を眺めます。



横浜海岸教会。日本で最古のプロテスタント教会とのこと。白い壁がすっきりと聳えています。



帰りは横浜中華街へ。KAATを出たと同時に脳内では銅羅が鳴り響きます市場通りを歩いていて見つけた、地球を思わす名称のお店へ。まずは紹興酒で乾杯。
KAATに来たら、1人の場合は間違いなく中華街へと繰り出します。



好物2種盛り、麻婆炒飯。炒飯の僅かに覆われたお焦げから香ばしさ広がり、麻婆豆腐は広東風だからかそこまで辛くはないが
炒飯との組み合わせならば丁度良い味付けでした。

2023年1月8日日曜日

メリー大晦日あけましてクリスマス  新国立劇場バレエ団『くるみ割り人形』2022年12月24日(土)夜〜2023年1月2日(月)昼




2022年12月24日(土)夜〜2023年1月2日(月)昼、新国立劇場バレエ団『くるみ割り人形』を計5回観て参りました。
https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/nutcracker/



前回公演時のハイライト映像。主演は柴山紗帆さんと渡邊峻郁さん。
パーティーにて、子供クララと踊る甥っ子の凛々しくも優しいことよ。※英語音声です。



2022年12月31日大晦日公演、主演は木村優里さん渡邊峻郁さん。大晦日特別フィナーレが披露されました。
一昨年の紅白歌合戦な豪華路線ではなくほっこり和やか。最後は指揮者の仕草な渡邊さん、三本締め等に見えなくもない、きっちりとした締め方でございます。
お衣装はシャンパンゴールドな洋装でも、どこか和の年末な趣き。そんなところも魅力です。





※キャスト等は新国立劇場ホームページより抜粋
12月24日(土)夜
クララ/こんぺい糖の精:木村優里
ドロッセルマイヤーの甥/くるみ割り人形/王子:渡邊峻郁
ドロッセルマイヤー:中島駿野
ねずみの王様:渡邊拓朗
ルイーズ:池田理沙子
雪の結晶:渡辺与布、広瀬 碧
花のワルツ
飯野萌子、廣川みくり
原 健太、福田紘也*

12月25日(日)昼
クララ/こんぺい糖の精:柴山紗帆
ドロッセルマイヤーの甥/くるみ割り人形/王子:速水渉悟
ドロッセルマイヤー:清水裕三郎
ねずみの王様:小柴富久修
ルイーズ:五月女 遥
雪の結晶:飯野萌子、廣川みくり
花のワルツ
中島春菜、吉田朱里
浜崎恵二朗、渡邊拓朗

12月25日(日)夜
クララ/こんぺい糖の精:小野絢子
ドロッセルマイヤーの甥/くるみ割り人形/王子:福岡雄大
ドロッセルマイヤー:中家正博
ねずみの王様:木下嘉人
ルイーズ:奥田花純
雪の結晶
柴山紗帆、広瀬 碧
花のワルツ
飯野萌子、廣川みくり
原 健太、福田紘也*

12月31日(土)
クララ/こんぺい糖の精:木村優里
ドロッセルマイヤーの甥/くるみ割り人形/王子:渡邊峻郁
ドロッセルマイヤー:中島駿野
ねずみの王様:渡邊拓朗
ルイーズ:池田理沙子
雪の結晶
渡辺与布、広瀬 碧
花のワルツ
飯野萌子、廣川みくり
原 健太、福田紘也*

1月2日(月祝)昼
クララ/こんぺい糖の精:木村優里
ドロッセルマイヤーの甥/くるみ割り人形/王子:渡邊峻郁
ドロッセルマイヤー:中島駿野
ねずみの王様:渡邊拓朗
ルイーズ:池田理沙子
雪の結晶
渡辺与布、広瀬 碧
花のワルツ
飯野萌子、廣川みくり
原 健太、福田紘也*


※昨年末の速報でもないが記事と謹賀新年2023記事に類似部分多くございますが悪しからず。 2017年のバレエ団初演以来6年連続の上演で、振付や演出に関しては申したい事柄を並べ始めると
成人の日を過ぎても終わらぬ文字数となるため、感想は他公演に比較するとだいぶ割愛度高しです。順不同で綴って参ります。


柴山さんは前回初挑戦経験が生かされ、堂々溌溂可愛らしいクララ。登場時の少女感も違和感がない上に
盛大なクリスマスパーティーを開く家のご令嬢らしい楚々とした品もあって
話の展開は分かっていてもこの先々で待ち受ける試練を乗り越えて欲しいと応援目線に自然となりました。
そしてくるみ割り人形、甥っ子とのパ・ド・ドゥではこれまた前回の経験が大いに生かされたのでしょう、
何があっても動じなさそうなくらいに終始溌剌と頼もしい導きでリードしていました。
全幕主演は初となる速水さんは無駄に難しいリフト等も安全第一に乗り切り、破綻なく終えて一安心。
怪我なく終われば良し、欽ちゃんの仮装大賞で例えるならば得点パネルの合格点に少しでも到達すれば良し、のど自慢で鐘が2回鳴れば良しとしか言えぬ振付のため
この作品が全幕初主役は荷が重かったでしょうに、更には初演から6年目にしてようやく作品主演初挑戦の男性ダンサーとして名を連ね、
6年連続の猛者な先輩達に並んでよくやり切ったと思います。

小野さんはクララの眼前に現れたくるみ割り人形に対する怯えから人形が甥っ子へと変貌した後の徐々に目覚めていく恋の昂りを段階を丁寧に辿りながら表現。
上階の隅々まで行き渡る視線に毎度惚れ惚れしておりますが、リフトされぐるりと回される遠心力真っ只中であっても目が合った気がしてしまったほどです。
福岡さんはご年齢を考えると超人級かと思わす舞台姿で、ネズミや兵隊達がわんさか詰め込まれた場において
勇猛に駆け抜ける戦闘シーンも圧巻。若返りが止まらぬ!?恐るべき身体能力の持ち主でしょう。
小野さん福岡さんが繰り出す超人パートナーリングには再釘付けとなり、高難度なリフト4連続もあるであろうパ・ド・ドゥも滑らかで高らかに歌い上げる姿に感嘆。
一時期は組み過ぎな印象もありましたが、この作品においてはペアの盤石を超越した底力を発揮されていた気がいたします。

木村さんは憧れを募らす少女クララがぐっと色めいていく過程を色濃く描画し、戦闘場面であっても
恐怖心よりも好奇心沸きたっている様子でドロッセルマイヤーにとっても頼もしき存在であったかもしれず
一段と優雅さが増し丹念に紡ぐヴァリエーションにも見惚れました。

渡邊さんは士官学校主席卒業と思わす凛々しい軍服青年もシャンパンゴールド上着もサマになり
力強い張りが増した踊りも目に福。嬉しい楽しいクリスマスイブに大晦日、お正月となりました。
ドロッセルマイヤーが開く人形劇の準備もせっせとお手伝いしていて、マントを留める作業にやや手間取っていたかもしれず、
ひょっとしたら普段はおじさんからこき使われている関係性かもしれぬと背景の想像を膨らますひと幕でもありました。
お正月だったか、パーティーの去り際クララに貰ったパッチン留めを手にして歩くとき、見つめながらニヤッと嬉しそうに微笑む表情を管理人は見逃しておりません。
クララちゃんの部屋へと走り、報告に行きたい欲に駆られたものです。ところであのパッチン留めリボンはあの後甥っ子は机の引き出しなり何処かにしまったのでしょうか、
それとも自身の髪に試しに装着もしてみてドロッセルおじさんにお披露目していたか、これまた描かれぬ場面であっても想像を膨らませました。
木村さん渡邊さんによるパドドゥの醍醐味もとことん味わい、雪の前の出会いにて、振り子時計もびっくりなリフト多用振付も疾走感たっぷり且つ
夢見心地に見せたのは技量の高さの証でしょう。幸福のシャンパンゴールドに覆われる展開となった2幕のグラン・パ・ド・ドゥも
音楽を丁寧に掘り起こすように2人の呼吸が合い、各国の踊り手要員も一切不在である魔法の国のモデルルームの如くスッカラカンな舞台上であっても
眩い煌めきで満たし、上階から観ていても物寂しさを感じさせないのは華やぎのみならず、再演を重ねて積み上げた凄腕ぶりであろうと思います。
大晦日公演では最後木村さんが代表し挨拶。全幕を踊り切った直後の一生懸命な語り口に出演者も観客も大応援な視線を送り、大きな拍手に包まれました。
そして花のワルツ終盤部分が演奏され、出演者が手を振りながらお開き。大量の紙吹雪が舞い降りた一昨年とはだいぶ異なっていた演出ではあっても
ほっこり和む路線も宜しいと感じ、渡邊さんが指揮者の仕草兼賑やかな空気を取り仕切る感もあったお開きの手捌きは場を締める役目を果たされいました。
(拍手をびしっと締めるタモリさんにも見えた気が笑)

年内最後の鑑賞を幸せ一杯な締め括り、自宅に直帰しテレビをつけると吉田都監督が森保一監督と松本潤さんの間に腰掛け
紅白歌合戦審査員なさっていた2022年大晦日でございます。

年明け昼公演の2日は途中までは日本のお正月気分とクリスマス融合な幸福のシャンパンゴールドに覆われる展開でしたが
木村さんが金平糖のヴァリエーションにて転倒してしまい暫く立ち上がれない事態に。
そのまま続行し中断もなくコーダも踊り切っての終演でしたが、明らかにコーダでは脚がもつれかけ、主役2人はカーテン前に登場しての挨拶は無しで
一斉に揃っての前進も無し。極力短時間で終了させようと全員が木村さんを気遣い、観客も応えたのであろうカーテンコールでした。
木村さんをずっと支え、恐らくはその場での咄嗟の判断であったであろう、指揮者お出迎え役等の役割変更もこなし
陣頭指揮を取っていらした渡邊さんの存在がどれだけ心強かったことか。

とにかく木村さんの具合が心配になってしまい、転倒時ショックもおありだったでしょうに
優雅さを壊さぬよう、舞台進行を止めないよう気力を振り絞って最後まで務められたことと察します。大事に至っていないことを願っております。

主要役も個性様々で、ドロッセルマイヤーは中家さんは全身から怪奇っぷりも発揮されながら場を支配。
しかも小道具使いからパ・ド・ドゥまで、毎回楽しそうになさっていて、いつでも安心中家さんです。
清水さんは初役であっても終始どっしり構え、落ち着いた芝居運びで魅了。
2幕におけるスッカラカン空間(失礼)での1人司会進行の身体捌きも綺麗に決まって、次の出番の皆様を活気づける活躍でした。
中島さんは、前回の冒頭で披露する手品からして甥っ子のみならず乳母やクララ達からも心配そうな視線を集める緊張もすっかり無くなり笑
変な段取りも見えず、スマートな身のこなしで牽引。蝶々パ・ド・ドゥも、謎な振袖風な蝶々衣装に負けず(要改善ですあのヒラヒラ)
花畑を舞う蝶々さんを描き出し、見事でした。

ネズミの王様もそれぞれに魅力が更に開花。小柴さんは怒っていてもあまり怖くなく、角がまろやかネズミ王。きっと子ネズミ達にとっては優しい父親な存在と想像。
木下さんは指先迄遊び心満載で機敏な動きから目が離せず、ちょこまかミリ単位な細かさで
クイックターンもお手の物。常時愉快な事を考え王国を楽しませていそうな王様でした。
渡邊拓朗さんは巨大な被り物に押されてしまっていた感があった前回とはまるで別人で、身体の内側から解放させて踊り、威厳も倍増しで帝王なるオーラを放散。
ツリーを大きくさせる場でのガシッとした体躯から想像つかぬ柔らかな背中反らしには目を疑い、
マトリックス大会或いはリンボーダンスも易々とこなせそうな身体でした。
くるみ割り人形との兄弟ダイナミックバトルも前回に続き再実現し、興奮なイブ、大晦日、お正月でございます。
一見豪胆なネズミ王、本当ならばくるみ割り人形を王宮に招いてネズミ子分達をしっかり接待させて、チーズの宴を催したいところでしょう。

ところで、イーグリング版恒例の年末年始ネズミ王かくし芸大会の箇所は(戦闘場面前半、下手側で披露)今回何も分からず汗。
以前は井澤さんによる志村けんさんや、奥村さんによるUSAやNiziU縄跳びダンス等
流行に鈍感な私でも分かるものが目立っていたように思え、年々流行難易度が高度化しているのかもしれません。
大晦日、拓朗さんは格闘技のようなポーズを繰り返しなさっていて、この年を沸かせた選手でぱっと浮かんだのは井上尚弥さんくらいでしたが
直後に反復横跳びをなさっていましたから恐らくは違うか。大晦日でしたからRIZINの選手か。大晦日の上演中に暫く考え込んだものの
すかさず世にも勇猛なくるみ割り人形が斬り込んできましたから観る方こそ益々多忙になり考える時間もなく笑、
もし分かった方がいらっしゃいましたら一報お待ち申し上げます。

他にとりわけ印象深かったのはルイーズ五月女さんの蝶々の跳躍ポーズの格好の美しさ、
花のワルツでの吉田朱里さんが描く踊りの軌跡の鮮やかさや渡邊拓朗さんとのはっと目に留まる華やぎあるペア、
廣川さんの大らかで花が開くような腕遣いや、混沌とした戦場に新鮮な息吹を一気に注入した石山さんの騎兵隊長も心に残る場面です。

雪の合唱がバルコニー側に復帰も嬉しく、マスク着用で苦しいでしょうに客席に向かって温もり広がる歌声を届けてくださいました。
上階で聴くと自身をふわっと歌声で浮かせてくれるような気持ちに、1階で聴くと
天上から歌声が舞い降り包まれる気持ちとなり席位置によって違った響き方を体感できたのも幸せに思います。
時間軸戻って、私のみであろう、1幕にてパーティー場面に移り変わり、ツリーの下に置かれた羊滑車の位置や角度確認。正面に近い向きのときもあれば
大砲の中を覗いている状態のときもあり、グッズ化されたら直ちに購入へ走るに違いないと初演時から考えており、つい注目してしまう小道具です。

この版の最大の問題点と思えるのは繰り返しにはなりますがリフトの多さ。6年連続で観ていても、勿論踊りこなしは見事なものですが気になるのは毎年変わらず。
よく見ると、例えば雪の前のパドドゥはクララと甥っ子の交互のアラベスクや跳躍はいたく伸びやかで観ているこちらも心も躍るのも束の間、
その後リフトが何連続も続いて疾走感よりも疲労感がまさってしまうのが正直なところ。
リフトを大幅に除けばだいぶ見心地の良さも向上するのではないかと近年益々思うわけです。
温室効果ガスではないが、リフトも5割削減を目指す方向でご検討を。
くるみ割り人形のお面はつけ外しの回数も多く、魔法が解けたり戻ったりを見せるには至りません汗。
2幕は不要と思います。無駄に汗まみれなお顔を目にするたび、お気の毒にしか思えずです。
2幕のクララがお出迎えもされず各国の人々と接点がないままディヴェルティスマン開始は、紗幕は、スッカラカン空間は、もういいか笑。
雪国で戯れるネズミも、実は雪達との調和を目指して踊っているようにも見え、最近は愛おしく感じてきました。慣れって恐ろしい。

子役達の人数や出番の多さも発表会風になって気にはなりますが、近年は保護者達の観察が面白いのでリフトに比べれば許容範囲。
前回に続きお父さん達の見比べが楽しみで、威厳ある拓朗さんお父さんもいれば、にこやかに子供に手を振ったりと童心のままな太田さんお父さんの観察、
見応えありました。来客接待に忙しい両親に変わってクララの相手をするのが毎度よその親達で
今回は中でも吉田明花さんだったか、母親代わりにクララに付き添っている様子が優しく映りました。
客人達の全員異なるシック且つ洗練された衣装も毎度じっくり観察。

雪の完成度は特に上階から観ると溜息もので、大小様々な結晶を描いてはすぐさまフォーメーションを変えていく変化術は全員が職人肌だからこそ成し得るもの。
頭飾りやチュチュが反射してきらりとする輝きも銀世界に身を置いている心持ちとなりました。
花のワルツのパワーある趣き、初演時から綴ってはおりますがフィナーレにて男性のみで三角形を描きながら跳躍で展開する流れもいたく好きで毎回の楽しみな見所です。
最初は温州みかんや宮崎マンゴーにしか見えなかったオレンジ色衣装も、雪国から温暖な国に来たと思えばまあ良いでしょう。

前回今回と年末年始も上演し、上演回数が増えるのは観客としては大晦日もお正月も新国立劇場で過ごせる嬉しさに万歳したいものですが
ニューイヤーとの間隔が非常に短く、クリスマス後も28日や29日も上演を設け(29日は昼夜)
関係者は疲労困憊な事態になっていたであろうと推察。年始にクリスマスの夢も愉しいものの、出演者側は非常に酷であろうと一層察した今年のお正月でございます。
今年もこの版で年末年始にかけての上演実施かまだ分かりかねますが、祝賀のみには終わらなかった、
されど初台で過ごす年末年始がいかに尊いものか感じた2022年末から2023年始の初台クリスマスでした。




夜公演、光り輝くツリー。2階3階の壁にも装飾が連なります。



25日も行って参りましたマエストロ。シャンパンと前菜7種、気分はシュタルバウム家のパーティー。
注文したコースが前回と異なり、前菜の品数が多めに。



鱈とカリフラワーのトマトソースパスタ。ご一緒させていただいたお世話になっている方が、トマトが大好きと仰り、
私も今回はトマトソースを。果肉がしっかり入っていて食感も嬉しい。 2022年はジゼルのときマエストロで茄子とトマトソースパスタを、
そして6月には群馬県高崎市にて高崎芸術劇場レストランでいただいたトマトソースボンゴレパスタも美味しうございました。
東京バレエ団ベジャール版『火の鳥』上演含め、美空ひばりさんの名曲以上にまっかに燃えた2022年。



大山鶏と白隠元豆のカチャトーラ。トマト味に隠元豆のほっくりした食感が混ざり、これまたワインが進みます。



ガトークラシックショコラ。チョコレートぎっしりでございます。ゆっくりと味わいました。



メリー大晦日。和洋折衷、今年は天ぷら蕎麦。海老天が2匹、サクッと丈夫な衣付きです。
くるみの前に蕎麦といえば、2017年の長野県上田公演を思い出します。しかも上田城のすぐ近くにて胡桃蕎麦を食したのち、渡邊さん王子を鑑賞したのでした。
大晦日やお正月をも劇場で幸せな時間を過ごせるのは年末年始も出勤となってしまった劇場、公演関係者の方々のお力があってこそです。感謝尽きません。
これまでは大晦日はおせちの準備や蕎麦打ちを習慣になさっていた関係者も多いことと存じます。
この日の王子、鉢巻締めて真剣な眼差しで蕎麦打ちするお姿も絵になると想像いたします。



2日後、あけましてクリスマス。ツリーを眺めながらスパークリングワインとお汁粉。最早国が分からぬ混在状態で新年をお祝いです。
この日の王子、首から手拭い掛けてせっせと小豆を茹でるお姿も絵になると想像いたします。



銀座松屋で開催中のアニメージュ展。入口のねこバスを見ると、ライトのねずみがくるみのネズミさん達と目の赤い光り具合が似ています。
スペースによってはバレエでも耳にしたことのあるジブリの音楽も流れていました。
発表会では『千と千尋の神隠し』の主題歌や『魔女の宅急便』、『天空の城ラピュタ』ラピュタ到着時の「大樹」だったか、使用作品にお目にかかったことがありますが
『風の谷のナウシカ』は昨年3月に大阪で鑑賞したEsuko バレエアトリエ公演にて
佐々木大さんが踊っていらしたプログラムに含まれいたく喜びを覚えたものです。
この展覧会、1980年代のアニメージュ掲載の作品がほぼ網羅され、見応え十分。お若い世代の方々も是非どうぞ。
1990年以降の冊子は展示されていなかったと思いますが映画のポスターはジブリ中心に多々あり。
一昨年の年末に大阪開催時にも行きましたが(偶々梅田で広告を見かけ、すぐさま会場の阪急百貨店へ向かった次第)
今回のほうがよりゆったり見学できた気がいたします。

ところで1984年は吉田都監督がプロデビューした年でございますが、
映画界においては『風の谷のナウシカ』『うる星やつら2』『超時空要塞マクロス』が公開された、劇場アニメ映画史上大きな転換年であったとキャプションに記載。
どれも劇場で目にしたかった作品で、当時アニメ映画に関心を持っていなかった自身が悔やまれます。
しかもマクロスは公開日が7月21日であったらしい。管理人が生まれるちょうど◯年前!?
興味を惹かれてやみません笑。

2023年1月2日月曜日

謹賀新年2023





あけましておめでとうございます。昨年も当ブログに目を通してくださった方々に再度心よりお礼申し上げます。本当にありがとうございました。
本年の3月末には開設10年を迎え、奇しくも10年前の開設当時と同様に新国立劇場Dance to the Futureの時期でございます。
これといった努力もせず文章力無き人間がただ正直に感想を綴っているうちに何時の間にか2桁年数に突入となり
これまで存続の危機は2度ほどございましたが、継続できたのは立ち寄ってくださっている読者の皆様のおかげです。
毎度ぼやいております通り、内容薄くも高脂肪で存在感は埋没である私の人格を
そのまま晒しておりますブログではございますが、本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

早速ですが、2023年の鑑賞はじめは本日1月2日(月)、新国立劇場バレエ団『くるみ割り人形』昼公演を観て参りました。
https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/nutcracker/

主演は木村優里さん渡邊峻郁さんで、途中までは日本のお正月気分とクリスマス融合な幸福のシャンパンゴールドに覆われる展開でしたが
木村さんが金平糖のヴァリエーションにて転倒してしまい暫く立ち上がれない事態に。
そのまま続行し中断もなくコーダも踊り切っての終演でしたが、明らかにコーダでは脚がもつれかけ、主役2人はカーテン前に登場しての挨拶は無しで
一斉に揃っての前進も無し。極力短時間で終了させようと全員が木村さんを気遣い、観客も応えたのであろうカーテンコールでした。
木村さんをずっと献身的に支え、恐らくはその場での咄嗟の判断であったであろう、指揮者お出迎え役等の役割変更もこなし
陣頭指揮を取っていらした渡邊さんの存在がどれだけ心強かったことか。
昨年分も含めて鑑賞した全5回分はまた後日綴って参りますが、祝祭気分とはだいぶ違った形での2023年1発目鑑賞となりました。
とにかく木村さんの具合が心配になってしまい、この後ニューイヤーも間近に迫っているだけにご無事でありますよう願っております。


※以下はお正月の恒例、どうでも良い不要不急な内容の頂点であろう管理人の年末年始を綴った内容です。お忙しい方は通常に戻るであろう次回以降をお待ちください。

12月24日25日に計3回初台にて鑑賞し、翌日は早退して平日月曜日17時開演のウクライナ国立バレエへ。
日時の関係上来場者数は決して満席状態ではなかったものの、出演者やオーケストラ、そして観客との拍手反応のキャッチボールがまことに熱く、大満足!

翌日27日は退勤後一旦帰宅し、大急ぎでやるときゃやります、ウクライナ国立ドンキの感想を運動会徒競走の音楽が鳴り響いているんか心境で概ね綴り、
(タイムリミットがあると、無いに等しい脳みそも案外稼働してくれるらしい笑)荷物持っていざ新宿のバスタへ、夜行バスに乗って大阪へと向かいました。
晴天に恵まれ、深川秀夫さん作品等舞台も大充実した28日は2022年遠征締め括りに相応しい鑑賞をして当日夜のバスで帰京し翌朝29日東京到着。
これまた無いに等しい脳みそが意外にも働いてくれまして笑、移設前も含めて最短記録、猛スピードシャワーの勢いの力を借りて朝の出勤前にほぼ完了。
昼休みに写真解説文(これがあるから高脂肪ブログになるのだが汗)も終え、その日の夜には無事更新。
通常はこんな急ピッチ調子は無謀でございますが、年の瀬のめまぐるしい時期に限っては今後も頑張ってみます。

仕事納めは30日。定時で終わり、管理人の勤務先は現在も同僚同士複数人数での昼休憩や食事、お茶も厳禁ですので(見つかると通報されるもよう)
当然忘年会もなし。ただ上層部も含め誰も困っておらず、ここ数年は親睦会のしの字も、会食のかの字も話題にならず
退勤後は各自の生活にすぐ切り替えよ路線は私としても嬉しい指針でございます。
そんなわけで管理人は1人楽しく自宅近くで餃子とビールで乾杯。帰宅したらレコード大賞終わっていました。

そして31日大晦日は新国立劇場へ。クリスマスツリー眺めながら天ぷら蕎麦を食し、ほっこり特別フィナーレも見届けまっすぐ帰宅し紅白歌合戦を視聴すると
吉田都監督が森保一監督と松本潤さんの間に腰掛けていらっしゃいました。
吉田監督、ゆずの「もう一回」コールやタオル回しもなさっていたのでしょうか笑。新国立の宣伝は、無かったがまあ仕方ない。
近年の日本の流行邦楽は全然分からず、私としては喜ばしかったのは年代は違えどともに我が節目に発売され当時は一斉を風靡した記憶がある
KinKi Kidsの『硝子の少年』と篠原涼子さんの『恋しさとせつなさと心強さと』を聴けたこと。両曲発売日が7月21日でございます。
だから何だと聞かれたらそれまでですが、篠原さんは発売当時は二十歳そこそこだったか、髪を掻き上げる仕草の色気に驚いた記憶が未だにあります。
因みに、舞踊や機械と同じく歌も大音痴な管理人の稀少なカラオケレパートリー2曲のうちの1曲でもあります。(繰り返し申しますが大音痴です汗)
これまでの人生におけるテレビゲーム経験回数は5回にも満たず、テーマ曲となったゲームソフトについては今も全くの無知ですが
歌は歌詞も曲調も脳裏にざくっと刻まれたのでした。私生活は波乱もあったようですが、私の中では松下奈緒さん田畑智子さんに並ぶ好きな女優さんの1人です。

年越しは夜はジルベスターを視聴し、カウントダウンの『新世界』よりも年明け最初に演奏された『雷鳴と電光』に歓喜。
ああ、プティ版『こうもり』ヨハンの大名演者によるグラン・カフェの伊達男なソロを回想すると同時にこれから観たいお方のお姿も勝手に想像。
カフェ場面のみならず、1幕の新聞読むお父さんからしてぴったりと図になることでしょう。あけましての元旦は恒例ののんびり正月で、
親族少数で各々のペースで食しては呑んで過ごし、全員一旦どこかのタイミングで昼寝もしつつ(誰も見てはならぬ光景です汗)
夜はウィーンフィルのニューイヤーコンサート。しかしこの時間帯は毎年だいぶ酔いが回っている管理人、バレエ場面の振付家等頭に入らず
衣装の美しさや今年は苺ピクニックやら舟漕ぎやら寸劇多めな印象だけ持っているうちに何時の間にかラデッキー行進曲。
我が尊敬する知性に富んだお若きブログ執筆者の感想を拝読し、理解を深めようとした元旦で
翌日は箱根駅伝中継にて往路の戸塚中継所に位置するぴかぴかの黄色い看板つり具のタックルベリー付近を目にしてから出発、新国立劇場へ向かった次第です。

年始からつらつらと失礼をいたしました。本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。