2022年10月25日火曜日

【速報でもないが】【前半終了】新国立劇場バレエ団の新制作『ジゼル』





※ご訪問ありがとうございます。総括感想はこちらです。
https://endehors2.blogspot.com/2022/11/10211030-8.html



新国立劇場バレエ団の新制作『ジゼル』を前半4回観て参りました。いよいよ2022/2023シーズン開幕でございます。
https://www.nntt.jac.go.jp/ballet-dance/news/detail/77_024340.html

開幕レポート
https://www.nntt.jac.go.jp/ballet-dance/news/detail/77_024340.html

ステージナタリー、写真入りで掲載。
https://natalie.mu/stage/news/498562


小野さんジゼル、奥村さんアルブレヒト、福田圭吾さんヒラリオン、寺田さんミルタのキャストによるリハーサル映像




まだ公演は続きますので詳細な感想につきましてはここでは申しませんが、(気になる方は色々検索なさってみてください。
読者の皆様の中にミルタはいらっしゃらないと信じておりますので沼に落とさず、管理人の無責任な面はどうかお許しください。
せめて来年2月のコッペリア終了までは生かしてください汗)
これまでのセルゲイレフ版とは打って変わって中世ドイツの田舎ではあっても洗練されたセンスに纏められ美術は緻密。
村人達の役回りを躍動的に、特にペザントがパ・ド・ドゥのみでない活躍ぶりを示しています。貴族達、村人達のやりとりもより演劇的な要素を加味した演出です。
2幕のウィリ達の基盤は維持するも所々に鋭さを増した斬新なフォーメーションも取り入れ、是非上の階からのご鑑賞おすすめでございます。

主役達に関しては、全員誰も似たり寄ったりの解釈、造形がなく全ペアまるで違う物語を構築されていて組み合わせの妙にも毎度驚くばかりです。
特にアルブレヒトは4名ここまで皆異なるとは、ピュアなひたむき路線もいれば鼻につく遊び人も笑。複数回ご覧になる方は見比べもどうぞお楽しみください。
今週末の土曜日昼にアルブレヒトデビューされる速水さんもどんな解釈で現れるか、心待ちにしているところでございます。
またこれまで以上にプログラムのあらすじも細かく明記され、役の背景が浮かびやすくなっています。じっくり目を通してお読みください。





主役ペアが写された大きなポスターも入口付近に立て掛けられています。
バレエ団のSNSもカウントダウンしながら更新されていました。
見返り和顔美男、身体の線や眼差しの深い目力も美しうございます。
渡邊峻郁さんアルブレヒトの感想につきましてはまた後日綴って参りますが、前回5年前公演とはアプローチをがらりと変えられてのご登場でした。
こりゃ嘘でも騙されても良いからついていきますわ、墓場でミルタに刃向ってでも助けますわ笑。土曜日夜も待ち切れません。

2022年10月18日火曜日

秋山瑛さんのニキヤデビュー   東京バレエ団「ラ・バヤデール」10月15日(土)







10月15日(土)、東京バレエ団『ラ・バヤデール』を観て参りました。 https://www.nbs.or.jp/stages/2022/labayadere/index.html

※キャスト等はNBSホームページより

振付・演出:ナタリア・マカロワ(マリウス・プティパの原振付による)
音楽:ルトヴィク・ミンクス
リハーサル指導:フリオ・ボッカ、オルガ・エヴレイノフ
舞台美術:ピエール・ルイジ・サマリターニ
衣裳:ヨランダ・ソナベント

◆ 主な配役 ◆

ニキヤ(神殿の舞姫):秋山 瑛
ソロル(戦士):秋元康臣
ガムザッティ(ラジャの娘):二瓶加奈子

ハイ・ブラーミン(大僧正):安村圭太
ラジャ(国王):中嶋智哉
マグダヴェーヤ(苦行僧の長):井福俊太郎
アヤ(ガムザッティの召使):菊池彩美
ソロルの友人:大塚 卓
ブロンズ像:生方隆之介

【第1幕】
侍女たちの踊り(ジャンペの踊り): 政本絵美、平木菜子

パ・ダクシオン:中沢恵理子、工 桃子、安西くるみ、長岡佑奈
     政本絵美、髙浦由美子、長谷川琴音、平木菜子
     ブラウリオ・アルバレス、南江祐生

【第2幕】
影の王国(第1ヴァリエーション):涌田美紀
影の王国(第2ヴァリエーション):金子仁美
影の王国(第3ヴァリエーション):長谷川琴音

指揮:フィリップ・エリス
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団


秋山さんは序盤から只者ではない感醸すニキヤで、身体、特に背中の使い方が大きく、静かな調べにそっと寄り添うように
且つ空間を目一杯使う踊り方に登場のソロから魅せられました。インタビュー記事にて、大人の女性らしく視線の運び方にも注意を払い励んでいると話されていた通り
咄嗟に大僧正を見上げる場面においても慌ただしい様子がなく、達観しているようにも見えたほど。
踊る最後の恨み節の情念もや、佇む姿や現れては走り消えて行き、更にソロルを窮地に追い込んでいく表現も演奏の迫力に負けず見事でした。

秋元さんは揺らぐ弱さ、ガムザッティに追い詰められる苦しさにとことん悩むソロルで
虎を退治しそうな勇猛な戦士には見えなかったものの、あれよあれよと出世欲と純愛に掻き乱される男性の心の脆い内側をはっきりと示していたように思います。
ガムザッティとの初対面でのすぐさま一目惚れ状態にならず、ニキヤの存在があるはずが
王の娘にも惹かれてしまう衝動に困惑する表情で全ての悲劇はソロルの浮気が起因とは簡単には言い切れぬ説得力を持たせました。

特筆すべきは秋山さん秋元さんのパ・ド・ドゥの息の合い方で、まず秋元さんのサポート大万全で、手の僅かな動きに至るまでシンクロ。
しかも機械的ではなく2人して音楽と一緒に呼吸するように踊り、中でも静けさの中で曲もヴァイオリンソロが続いたりとシンプルに削ぎ落とした影の王国のパ・ド・ドゥは
ほんの少しのずれが全体に亀裂を引き起こす恐れもありながら隙が寸分もなく、ニキヤのぽっかりと浮かび上がるようなポーズの連なりや
ソロルの手の添え方の柔らかさが合致して、幻想の国へと誘われていきました。

二瓶さんは恐怖やおっかなさよりも順風満帆であったであろう人生が初めて狂う現実を受け止められぬ戸惑いが露わで可哀想と同情誘うガムザッティ。
ニキヤとの争いでの落涙しそうな表情も目に残り、政略であれ何であれ一度は決まった結婚が
踊り子によって邪魔され壊れる寸前な不安を思えば、実は彼女が一番の被害者でしょう。
抹殺宣言のポーズは打って変わって決意が滲んでいて恐ろしい印象を抱かせ、ぶるっと震えを覚えました。
姫ではなく一見観音様を思わすとんがり風ティアラも似合い、姫に見えた点も高評価です。

ハイ・ブラーミン(大僧正)の安村さんは生気と貫禄のバランスが宜しく、立ち姿に威厳や重厚感はあれど
ニキヤへの求愛も迫り過ぎぬ程度に抑えていた点を思うと、立場上いけないとは言えども恋する健気なお坊さんにも見えた印象。
終幕、ずっしりとした歩みで登場する儀式の支配ぶりも威光に圧倒され、最後まで重たさを引き摺るマカロワ版の肝を押さえたご活躍でした。

この日は落下物事故が多発し、あろうことか花籠の踊りの最中に籠から蛇が落ちてしまい
井福さんマグダヴェーヤがその場で独自演出を編み出し拾って芝居で繋いで
ニキヤは身体の異変は毒蛇が原因と気づき強調して秋山さんも応え、一件落着でした。
1幕前半の苦行僧達の場では空中体勢が抜群にしなやかな跳躍を見せ、宴の最中は機転を効かせて数秒で状況に応じた台本を執筆された井福さん、15日のMVPでしょう。
パ・ダクシオンの誰かの装飾品も落ちてしまい、王の家臣(竹本悠一郎さんだったようです)が
ささっと拾って無事綺麗な状態でソロルは無事ヴァリエーション披露。拾いに行くタイミングや極力目立たぬよう控えめな所作も好感を持ちました。

生方さんはこれまで観たブロンズ像の中では最も高身長で、当初配役を目にしたときに心配が募った手脚の持て余しもなく、
それどころか怒りは込められていても何処か優雅に浮遊する姿を懸命に目で追ってしまいました。
マカロワ版では最終幕に登場するためカーテンコールにも現れたものの塗料の事情なのでしょう、共演者と手を繋げず笑、ずっと孤独なブロンズさんです。
重要局面でソロルに助言を行っていた友人役の大塚さんが良い味を出していて、王に仕える戦士の同僚として、ガムザッティとの婚約を拒みそうになるソロルを窘めたり
3幕だったか、いよいよ結婚に臨む場でも気弱状態にあるソロルをきっぱり叱咤して王の命令に従うよう促したりと
友人ではあれど言うべきことはしっかりと意見する性分が、厳しい階級社会の側面をよりはっきりと見せていて納得いく流れを構築。

一番の見せ所とも言える影の群舞は幻ではあっても整然とした連なりに見入り、坂がジグザグのほうが好みではあるものの
舞台に下りたあとの並び、脚の上げ方まで一斉に揃う光景は厳粛な空気にも包まれ壮観でした。

マカロワ版特有の、影の王国が終わった後にも休憩入れて更に結婚式を入れる演出は、継ぎ足した感もあって決して好みではありませんが、
ニキヤの怨念やブロンズの君臨、ガムザッティの執念のソロが覆う終幕 で、後を重く引く幕切れへと繋がってこれはこれで面白味がある気もしております。
当初は新制作『眠れる森の美女』初演の予定が延期となった関係でバヤデールの再演となったようですが
大掛かりで壮麗な作品の久々再演を鑑賞でき、秋山さんのニキヤデビューや、鑑賞は叶わずでしたが
中島映理子さんが主役デビューでいきなりニキヤ、しかも大成功を収めたとの感想も耳にし、次回は是非ともお目にかかれるよう願っております。




鑑賞前、楽しく飲茶ランチ。蒸籠を眺めつつこの後はどんな花籠登場かと思っていたら、まさかの蛇落下事故。



特製さわやか杏仁豆腐。ライチを使用しているのかすっと抜けるような爽快感残る味でした。おすすめでございます。
ライチ紅茶もポットにたっぷり。2人で分け合うぐらいでちょうど良い量でした。



帰り、南インド料理店へ。



ハイデラバード・ダム・ビリヤニとのこと。インドの結婚式やお祝いの席でも好まれる料理らしい。香り高い炊き込みご飯です。
いくつかの店舗でビリヤニは食べておりますが、香りの芳醇さは断トツな印象。きちんと炊き上げ手間をかけているらしい。
ところでバヤデールは祝宴が婚約式も結婚式も修羅場と化していますが汗、参列者の中にトラウマとなった方は少数ではない気がいたします。
もし参列した結婚式で新郎新婦どちらかの浮気相手が現れただの、毒蛇が登場したりと修羅場に居合わせた状況を想像しただけでも背筋が寒くなる思いです。
量が多めのため万一食べきれない場合は持ち帰りも可能とのことでしたが、中学生なんて太古の昔のはずが現在も常に食べ盛りな管理人。
スパイスの調合やヨーグルト風のソースも好みにあっていたためか完食してしまいました。一駅分歩いてから電車乗車でございます。



私が初めて観たバヤデールがマカロワ版でしたので思い出深く、今年で初バヤデール鑑賞から早30年。英国ロイヤル・バレエ団の来日公演です。
ブロンズアイドルは熊川哲也さん、俊敏とした跳びっぷりに衝撃を受けた舞台でございました。



年数経過しておりますので中身をチラッと。若かりし頃の熊川さんも載っています。
貼り出し表を同行者が書き写したのであろう裏ページのメモによればニキヤはバッセル、ソロルがソイモジー、ガムザッティはチャドウィックでした。
同行者はムハメドフを観たかったようですが時間が合わず断念したもよう。まだボリショイから移籍間も無い頃かと思います。
グリゴローヴィチの申し子な印象があっただけにまさかロイヤルへの移籍に当時は驚きましたが、
ソ連崩壊によりボリショイも一時混迷期となり(現在の状況のほうが心配だが)、キャリア転換を決意されたのであろうかと
今も知識豊富かと聞かれたら首を縦には振れないが、まだバレエを観始めて3年弱の鑑賞初心者でありながら感じておりました。

2022年10月13日木曜日

柴田実樹さんのオーロラ姫   バレエシャンブルウエスト『眠れる森の美女』10月9日(日)《東京都八王子市》





10月9日(日)、バレエシャンブルウエスト『眠れる森の美女』を観て参りました。
http://www.chambreouest.com/performance_info/眠れる森の美女(全幕)

オーロラ姫:柴田実樹
デジレ王子:芳賀望
カラボス:伊藤可南
リラの精:石原朱莉
水晶の泉の精:神谷麻依
魅惑の庭の精:荒川紗玖良
森林の空地の精:石川怜奈
歌い鳥の精:坂本菜々
黄金の葡萄の精:村井鼓古蕗
宝石:斉藤菜々美  窪田希菜  早川侑希  古郡士英生
フロリナ王女:川口まり
青い鳥:藤島光太


柴田さんのオーロラ姫は登場の壇上アラベスクから堂々お目見え。ただでさえ豪奢なプロローグを終えてからの登場なだけあって、
また登場後にはローズ・アダージオまで待ち受けている幕ですから心臓破りな振付にも思えたものの
ぴたりと静止して格の高さを明示していました。異次元な美しいオーラの強い印象から16歳の姫君は似合うか実のところ少々心配もありましたが
両親のもとへ走り寄る後ろ姿がたいそう可憐。4人の王子達には恥じらいを見せつつもポーズは1つ1つ安定し、すくすくと育って大輪の花を咲かせる姫君そのものでした。
幻影の俯いた表情や細かなステップから醸す物寂しさも上階席まで伝わり、冗長になりがちな場面であってもオーロラ姫の時間軸や感情をしっかりと体現し
赤ずきんちゃんらを冒頭でお出迎えせず、結婚式の最後の最後で登場するグラン・パ・ド・ドゥにおいても空気をがらっと変える威厳と品位が備わりたいそうお見事。
清里フィールドバレエでは組まれたことがあるのか、芳賀さんの王子とも相性が良さそうで、きっちりと古典の美を作り上げつつ華々しい幸福に溢れる結婚式でした。

石原さんのリラの精は明朗な包容力でオーロラを導き人々を安心させていて、全身から放つにこやかさにカラボスが弱ってしまいそうになるのも頷けます。
あとにも述べますが、色違いカヴァリエも6名つく大掛かり部隊からなるプロローグでも張りのある強さで統率。左右の移動少なめの英国系振付と思われる
ヴァリエーションにおける、1点からスケールを一気に開花させるダイナミックな、されど母性もしっとりと伝う踊りも目に留まりました。
カラボスはマイム中心で長いゴージャスなドレス姿であっても1人歩きせず、お城を瞬く間に
黒くさせてしまうかのような立ち居振る舞いで魅せた伊藤さんの表現に引き寄せられました。

演出でユニークと感じさせたのは針仕事の現場が見つかり処刑されそうになった3人組を許すよう王様に求める人々の中にいつのまにか4人の王子達も加わっていて、
来賓までもが城の関係者や花のワルツ陣と一致団結し、結束感が生まれた面白い光景が広がりました。
ローズアダージオの最中も含め王子達は何語で会話を交わしていたのか、立候補の条件に仏語必須が記載されているのか毎度気になりますが真相は分かりかねます。

また『シンデレラ』四季の精達の場面でも似た演出がありましたが、プロローグ妖精達のソロでは、リラの精達も周りにて
各々の妖精達になぞらえた振付を見せてソロと連動し、盛り立てる役目も果たしていました。

基盤はウエストモーランド版と思われ、プロローグからして構成や衣装がこんもり豪華絢爛。
パ・ド・シス妖精達の衣装が非常に凝った模様で色のみならずデザインも様々、丸みのある線模様もあればオレンジ地に光沢のある大きな葡萄を彩ったデザインもあり
されど全体を眺めると不思議と調和。カヴァリエ達のお仕えする妖精に合わせた色違いの羽頭飾りや白を基調に色味が入った服装も華やぎを与え
王宮戦隊ロクレンジャーに見えたのはさておき、始まり早々から目にも豪奢な世界が出現していたのは明らかでした。
シャンブルは戦隊、某国立は青色でお揃いのブルーインパルス、都内においてもバレエ団によって
こうも異なる趣きに、古典バレエの最高峰と呼ばれる作品とはいえ衣装の閃きの違いに再度驚かされます。

昨年『シンデレラ』主演を鑑賞した川口さん藤島さんがフロリナ王女と青い鳥で登場され、
機敏でパワーもあり、互いに遠方から飛び込んでからささっと組んでの展開も呼吸がぴったり。2人して、歌うように楽しそうに踊る姿も好感を持ちました。
順番前後して、水晶の泉の精(ロシア系では優しさの精と呼称が多いか)の神谷さんが、曲も振付もこれといったメリハリが欠ける
しかも短時間ヴァリエーションながらポジションをくっきりと見せながらの踊り方で好印象。
また逸見智彦さんがリラのカヴァリエ、4人の王子の中軸、(恐らくお国はフランスか)、結婚式はポロネーズ、とあちこちで舞台の品を一段と加えるご活躍。
男性陣の中では誰よりも王侯貴族な気品に覆われ、端正な容姿も健在でこれからも長く舞台に出演し続けて欲しいダンサーです。

美術は水色がかった、爽やか清らかな趣きが映える色調でオーロラ姫の登場では澄んだ泉が湧いてきそうな風景を更に想像。
衣装とのバランスも宜しく(これ大切)、終始快き優美な宮廷世界で満たされました。早くも再演が楽しみな、新制作作品です。






帰り、京王八王子駅近くにて昨年のシャンブル公演『シンデレラ』公演後に立ち寄ったBASELへ。
JCOMホール催し物一覧。池上彰さんの講演会、気になるところ。



淡いピンクが可愛らしいピンクグレープフルーツケーキとスパークリングワインで乾杯。さっぱりして爽やかな甘さのケーキでございました。
容姿と選ぶメニューがいたく不釣り合いな珍客であろうと思いましたが好きなものは好きなのだ。

2022年10月10日月曜日

【人生3度目】アーキタンツにてレッスン受講





アーキタンツにて、渡邊峻郁さんの初級Ⅱクラスを受講して参りました。3月中旬の初受講に続きアーキさんは人生3度目の受講。
レッスン自体は5ヶ月ぶりで、どう目を凝らしても劇場での鑑賞或いは教室や図書館でのバレエ作品の歴史研究向きな
跳んでも宙に浮きそうもない、跳んだとしても着地と同時に床に穴を空けそうな管理人の、今年は増加傾向にある!?ズンドコドッスン日記2022年第5弾です。
http://a-tanz.com/ballet/2022/10/05124823?fbclid=IwAR2eFQ99M4rhZ20U3w2-fQHNuUCxfNONOpjxdcG1qeFH1hDvlDK1CmwzkU8











アーキさんでの過去2回はレベルフリークラスを受講いたしましたが今回は初級Ⅱ。レベルフリーに比較するとよりシンプルで、
バーの時の一連の長さも短めに区切ってくださったり、軸足変更頻発はなく(少しはありましたが)巡回もまめ。
※巡回は警備員やパトロール、見回りは試験官を彷彿とさせる表現で、バレエ界では何か独自の用語があるのか。ご存じの方いらっしゃいましたら一報くださいませ。
センターも含めクラスの空気は和やかでお手本の示しも多く、前に出るのを躊躇していると安心して出るよう解きほぐす言葉を全体に発してくださった上に指摘は細やか。
覚えの宜しくない選手権を開催したら間違いなくグランプリ獲得であろう私も怯えることなく歩み出ることができ、大変救われるお言葉であると感じております。
姿勢の保ち方や私にとっては初挑戦のパの構造もじっくり教わり、人生の宝が更に増えた1日となりました。
それにしても私が行うと欠陥だらけの間抜け人間コンパス状態になってしまうパも、渡邊さんがなさると
何てうっとりするほど滑らかでポジションのおさまりも美しいのでしょう。
上半身と下半身が連動してふわっと跳び上がるジャンプも眼前にて拝見し、しかも良い例とそうでない例の違いを
わかりやすく示してくださり、間近で観察でき幸運でございました。

ピアノは江藤勝己さん。(あとにも述べますが実はCDを所有しております)有名古典バレエ曲の数々やアダージオにて『アラジン』パ・ド・ドゥも弾いてくださり、
2008年の世界初演前日のゲネプロから3年前には富山公演も観ている思い入れある作品ですから聴き入りつつも
グラン・プリエでただ沈みっぱなしであった私をお許しください汗。下には行けど、引き上げを忘れてはならぬのです。気をつけます。
バーのときは『ラ・バヤデール』が数曲あり、先日はパリ・オペラ座ドキュメンタリー映画で、
来週には東京バレエ団公演でマカロワ版を鑑賞予定であるこれまた好きな作品ですから胸が高鳴ったものの、古い人間な管理人。
ブロンズアイドル曲が聴こえるなりマカロワ版と言えば30年前のロイヤル来日公演にて熊川哲也さんが踊られたときを思い出し、金塊が飛び交っていた光景が未だ忘れられず。
影のヴェールのワルツでは耳にしてすぐさま思い浮かぶ3年前の3月9日昼の初台にお目見えしたソロルが
本日はすぐ近くにいらっしゃる現実に一瞬興奮を覚えるもそんなことやっている場合ではありません。
興奮ではなく順番覚えなあかんと、今年3月の2年ぶり再開以前にお世話になっていた先生も嘆かれ再び法隆寺の鐘が虚しく鳴り響くのは目に見えております。
ここ数年間の鑑賞とレッスン比率がおおよそ90回対1回である私ぐらいかもしれませんが鑑賞中心者あるあるでしょう。
(これでも今年は5回に達しておりまだ多い方なのです)

他には『タリスマン』や『カルメン』、『眠れる森の美女』等の馴染み深い曲が多めで、
最たる驚きはセンターでのアレグロにおける『うる星やつら』ラムのラブソング。最初は順を覚え追うことに夢中で気づかず、
しかし次第にもしやと耳を傾けていると間違いなくラムちゃん。その作品の世代ではないながら傑作アニメ特集系番組の影響か曲は知っており
私の世代では先述の通り古い人間ですので『鉄腕アトム』や『エイトマン』等の白黒テレビ期の作品のほうが親しみがあるか否かはさておき
発表会の子供作品やレッスンでもしばしば使用され、レッスンCDも発売されているジブリやディズニーでもなくラムちゃんでバレエ。
バレエの受け皿の大きさに思いがけぬ形で触れる、珍しい体験でございました。

最後のジャンプは『ライモンダ』スペインで、あらゆるバレエ音楽の中のスペイン曲で地鳴りがしそうな迫力に圧倒され最も心揺さぶられる曲であるため思わずニンマリ。
これだけは(これだけかいとの突っ込みは受け流します汗)意識しようと前回の注意点が実はこの5ヶ月間ずっと脳内を巡っており
顔と身体をぎりぎりまで残してから跳び上がるよう心掛けましたが果たして出来ていたか否かは、自信無し。
されど子供の頃のように、スタジオではなく放課後の幼稚園の広いとは言い難い空き部屋を使ってレッスンしていたために身長の伸びによる飛距離対応ができず
上に跳べば天井の出っ張りに手が届き、横に跳べば積み木や園児達の作品に衝突寸前で
上下左右どの方角にも跳び過ぎるな、本気で跳んだらバス停まで行ってしまうだろうからと先生から忠告を受けていた私からすれば都内においてはアーキさんの01スタジオは天国も同然で
一緒のグループの方々の誰かにぶつかりさえしなければ飛距離を気にせず上下も横も思い切り跳ぶ、移動が許される環境に益々幸が募りました。

鑑賞が日常でレッスンは学校で言う文化祭や修学旅行、遠足に相応する一大行事である特殊な習慣であり
毎度レオタードだけ一人歩き状態でいつ床が抜けてもおかしくない、ぼってりズンドコ人間でございますが、機会あればまた頑張って参ります。
それにしても毎度思います。今回は初級Ⅱとしてクラスレベルが明確ながらオープンですから受講者は様々で
上はプロ並みにお上手な方から、下は年間レッスン5本指にも満たない私のような底辺住民までレベルの幅は広いにも拘らず
楽しく気持ち良い、最下層レベル且つレッスン2日ほど前から不安の塊と化してしまう私も変な緊張を強いられずに安心して受講できるレッスンを組まれ、
言葉掛けもなさる渡邊さんの教え方にこの度も感激いたしました。ダンサーとしてもご指導の面においても、心を惹かれてやまないお方です。




所有しております、江藤勝己さんのレッスンCDライモンダ。2013年9月のレッスン再開の時期に
ピアノの音色にも慣れようとバレエショップを覗きにいったところ、見つけ購入し
1本の作品をピアノ1台で、レッスン網羅できてしまうのかと驚きながら聴いておりました。
ちょうど江藤さん振付の日本バレエ協会マリー・
アントワネットを鑑賞した頃だったかと思います。
今年5月、16年ぶりに鑑賞したシャンブルウエストのタチヤーナの選曲もなさっています。
江藤さんはこの日の前に行われていた13時半からのレズリー・ワイズナー先生のレッスンでも担当され、待つ間スタジオの様子を見つつ音楽にも注目していると
最後のジャンプにてメサジェ作曲『イゾリーヌ』を弾いていらしてびっくり。
太古の昔、子供の頃に先生がこの曲に振り付けた作品を踊りまして、音楽は好きでしたが
冗談抜きに膝下及び悲嘆に暮れるほど手脚も短い自身はクラシックチュチュなんぞ着てはならぬ、鑑賞が向いていると悟った作品でもあり色々思い出深い曲ですが
他所で聴く機会がないまま早何十年。まさか待機中に耳に飛び込んでくるとは嬉し懐かしい時間でございました。



レッスンとビールはセットです。今年3月の2年2ヶ月ぶりの再開以降これまでは毎度1人呑みで、一緒に受講した方々と初乾杯です。
前回の5月は駅反対側の海鮮酒場にて、田町駅ご利用の皆様お疲れ様でございますと窓から見える駅に向かって掲げつつ1人で呑んでいたものです。



お魚天国な一皿。魚を食べると頭が良くなるのなら、幼少時から魚好きな、前世はアザラシとまで言われている私は今頃天才やねん笑。天性の賢さと努力も必要かと思います。
レッスンや舞台出演経験も豊富な、上級者レベルなお2人のお話からも学ぶこと多し。
そして勿論一番の話題は、この日のレッスンの楽しさや分かりやすさ。話が尽きぬ時間でございました。

2022年10月6日木曜日

機構を生かした大掛かりな気鋭の3作  Kバレエ  オプト  プティ・コレクション  K-BALLET OPTO  Petit Petit Petit  10月1日(土)夜





10月1日(土)、KAAT神奈川芸術劇場にてKバレエ  オプト  プティ・コレクション  K-BALLET OPTO  Petit Petit Petit夜公演を観て参りました。
https://www.k-ballet.co.jp/contents/2022opto


Petite Ceremonie(プティ・セレモニー)"小さな儀式"
振付:メディ・ワレルスキー
音楽:A.ヴィヴァルディ「四季」ほか

序盤は無音或いは無音に近い静けさに包まれ、もしやこのまま無音続きな我が苦手路線作品かと暫くは不安が過ったものの
ランシエさんのジャグリングや語り、直方体な装置を各々手に移動しながら形を作っていく過程もなかなか面白い。
詰め込まれていたものが一気に飛び出して繰り広げるような展開でした。四季の曲はコンテンポラリーでも馴染み深いながら
終盤においてはフォーマルな格好をした男女が大勢で踊り狂う光景が斬新に見て取れ、ぞわぞわとした緊迫が体内を巡回いたしました。


Petit Barroco(プティ・バロッコ)"小さな真珠(ゆがんだ真珠)" 振付:渡辺レイ
音楽:D.スカルラッティ=チャールズ・エイヴィンソン「合奏協奏曲第5番 ニ短調」ほか

今年1月公演にて渡辺レイさん振付FLOW ROUTEのダレる瞬間が微塵もない躍動感の連鎖や照明にも凝った演出に虜となり、今回最大のお目当て作品。
実のところコラボレーションを前面に打ち出していたSaluteの下着の衣装はさほど気にならず
腰が隠れる程度の短い丈のスカートに見えたくらいでしたが(失礼、座席の事情もあるかと思われます)
前半、ハイヒールを履いて繰り出す鋭い脚線にて自由に歌うような颯爽とした歩みや、身体を歪ませても美が宿る不自然さの連なりにも驚嘆いたしました。
主軸を務めた飯島望未さんの綿の如く軽やかで急速なテンポの真っ只中であっても気づけば次のポーズやステップに移っている
つまりは助走の踏ん張りを感じさせずコントロールしてしまう身体能力にも目を見張るばかり。
袴のような黒い衣装に身を包んだ男性4人の斬り込む存在感もアクセントとなり、振付と厳粛な曲調のバロック音楽との組み合わせのアンバランス感が
歪みが作り出す一風変わった危うい作風にもしっくり。官能的であっても痛烈な刺激が身体を伝い、痺れました。
後半においては舞台の奥側に置かれたハイヒール達のオブジェのような装置もインパクト大でした。


Petite Maison(プティ・メゾン)"小さな家"
振付:森優貴
音楽:S.ラフマニノフ「パガニーニの主題による狂詩曲」ほか

黒側の悪魔、白側の天使にグループ分けされた構成で、それぞれの持ち場に黒と白の丸められた紙らしき物体が散らかっている状態で開始。
上から観ると、白側は一昔前の作家が失敗した原稿を投げ捨て執筆滞り真っ盛りな部屋、
黒側は書道家が失敗した半紙を投げ捨て続けている部屋に思えてならずいかにしてダンスが展開するのか見届けていたわけですが
序盤から私が好むショスタコーヴィチの哀愁感が巡るワルツが流れたり(ボリショイの明るい小川や
宝満直也さん美女と野獣等ありとあらゆる作品で使用されているかと思います)
日髙世菜さんの瞬発力のある身体の使い方や杉野慧さんの作品をがっしりと纏め上げる力強さも目に留まったりと開始間もなくして気に入りそうと期待。
そしてこれまた幾多の作品で使用されているであろう、私としては不動産の宣伝映像曲の印象も強いパガニーニの主題による狂詩曲の中に潜む
悲しみや希望、大らかさやスケール感といった次々と変化していく曲の構造に、希望を抱くように舞う天使達の姿や
毒々しく時には這うように場を突き動かしていく悪魔達の持ち味がパズルのようにぴたりと嵌り、曲の魅力に一段と心惹かれた次第です。
天使の中では世利万葉さんの小柄な華奢な身体から想像がつかぬパワーの宿りに魅せられ、音楽負けしない機敏でダイナミックな踊りにも驚かされました。

座席はチケット代金もお手頃な点に惹かれて椅子付き立見席でしたが、見切れはあるものの
舞台からの距離は遠くはなく後方までを駆使した演出もよく観察でき、気に入りました。
椅子付きであったのは大変助かり、幕が開く寸前までは着席して足腰を休ませ整えておけますので、
また各作品30分程度の上演時間。疲労もなく、何しろ全作品飽きぬ面白さ全開でしたからこれといった支障は感じずに終演を迎えました。
立ち見席は2014年のオーチャード25周年ガラ以来で、そのときは椅子は無しでベランダのような場所に3人ほど入り
(集合住宅のベランダから家族で広場の祭りを眺めるようなイメージです笑)
何しろ通常座席が非常にお高い価格の公演でしたのでお得感はありましたが、休憩1回は挟むものの第1部と第2部それぞれ通して立ちっぱなしでしたから
演目と演目の間の暗転時には屈伸しながら鑑賞に臨んでいたものです。ただ同じベランダに入った者同士、
次第に仲間意識が芽生えたのか初対面ながら打ち解けたのは良き思い出で、終演後も足の疲労を心配し合ったりとこれはこれで楽しき珍しい体験でございました。

渡辺さん振付のコンテンポラリーが再び鑑賞できるならと横浜まで足を運びましたがどの作品も予想以上に大掛かりでKAATの舞台機構を存分に生かした演出も見応えあり。
そしてKバレエカンパニーのダンサー達が現代作品を踊る姿をまだ多くは目にしていなかったためか斬新に感じたと同時に質の高さにも仰天。
古典とのミックスプログラムやガラではなく、アジア初演1本に世界初演2本からなるトリプル・ビルで
こうにも満たされた気分になるとは予想外でした。継続して欲しい企画公演です。




せっかく最寄駅の1つが日本大通り駅である地域に来たのですから帰りは横浜中華街へ。
今年は1972年の日中国交正常化から50年。1972年といえば、熊川さん始め日本の男性ダンサー黄金世代に多き生まれ年であったはず。



錦里へ



まずは紹興酒で乾杯。ティーポットのような容器がお洒落です。しかし中身はお茶ではありませんから、慌てずゆっくり呑みましょう。
配布されたプログラムは小型であってもリハーサル写真や振付家による作品解説、対談、と読み応え十分。



麻婆豆花炒飯。管理人、麻婆豆腐と炒飯が好物の上位にあり、両方同時にいただける料理を調べたところ見つけました。
セットメニューならともかく、夜の単品メニューでそれぞれを1つずつ注文したら
いくら胃袋はまだ中学生な身であっても1人分には多かろう、一皿にのった料理があればと思っていたわけです。
山椒の味があとから誘い、すっと抜けるような気持ち良い辛さでございました。豆花が炒飯の四方を固めている
メニュー写真と異なり上から大胆にのっかっていて、これはこれで嬉しい盛り方です。
お店は変面ショーが名物らしく、開催の時間帯は混雑していそうですが訪問時は終了後で1人客も入り易い雰囲気、広々とした空間でした。
私が退店する頃、横浜スタジアムでのベイスターズとジャイアンツの試合が終了した時間帯であったようで、
駅や駐車場方面の道はホームのベイスターズファンの皆様の装いの青尽くし。



壁には素敵な絵がたくさん。お店の方からも撮影どうぞと言ってくださり、壁画を撮影。
随分とモダンな自転車で麻雀に来た客のようです。私も自転車は好きですし日々の生活でも場合によっては旅先でも利用いたしますが
現在は様変わりしているかもしれませんが報道映像に映る天安門広場等の北京の街中における自転車通行量の多さには
たまげており、あの場所を走る自信はございません。環状八号線の交差点が限界です。



この近くのザ・ホール・ヨコハマも何度かいっており、昨年5月は鑑賞後そのまま羽田空港に直行して札幌に飛び、
翌日には熊川さんのご出身スタジオである久富淑子バレエ研究所の記念公演に足を運んだ日も懐かしく思い起こされます。

2022年10月2日日曜日

スタジオ名を改称しての再スタート第1弾  COCON de Ballet.Arts(ココンドバレエアーツ)発表会  9月25日(日)《大阪市淀川区》





9月25日(日)、新大阪メルパルクホールにてCOCON de Ballet.Arts(ココンドバレエアーツ)発表会を観て参りました。
https://coconballet.info/

ホームページにも記載されている通りBallet Studio Mから改称して2021年再スタート、クラス数やダンスの種類も増え、ホームページも開設!(お待ちしておりました)
主宰の岸本繭子さん、大人クラスの生徒さんの1人でしばしば都内の公演に来場され新国立劇場や東京文化会館等でお目にかかっており、度々お世話になっております。
Ballet Studio M時代の発表会は2016年と2018年に鑑賞しておりますが、 今回改称後初の舞台開催が実現。
ゲストに山本隆之さん、木下嘉人さん、長谷川元志さんを迎え、多彩な作品で楽しいひとときを届けてくださいました。

最初は市川薫さん振付のジャズクラス『ウエストサイド』よりメドレー。半々の割合で赤と青の色違いのワンピース衣装を付けてのチーム編成で、
仲睦まじく踊るかと思えば恐らくはジェット団とシャーク団に色ごとに分かれての場面もあり
中高生くらいの世代から大人まで、耳に馴染み深い曲の数々にのせてパワフルに、曲によってはしっとりと全身で伸び伸びと現し次々と繰り広げられました。
全ての楽曲をじっくり聴いてみたいと思い今年2月に公開された映画も観ておりましたので
(内容は人種差別や貧困、誤解やすれ違いを始め想像以上に重たいものが終始押しかかり、音楽のみならず話の土台が分かったことも収穫であったが)
同時に映画の場面を思い起こしつつバレエと照らし合わせ、現在も頻繁に脳内を音楽が流れております。

岸本さんは山本さんとR+Jをご披露。『ロミオとジュリエット』バルコニーのパ・ド・ドゥをネオクラシックな風味で情感たっぷりと見せてくださいました。
岸本さんは黄色い光沢のあるワンピース、山本さんは深緑なシャツに白いパンツでお2人ともシンプルな格好ながらロマンチックな世界にみるみると引き込まれたのは
滲み出る穏やかな優しさで紡がれる踊りが音楽と、加えてお2人を見守るように輝く満天の星空と溶け合って昇華していたからでしょう。
ウエストサイド繋がりや衣装効果もあってかマリアとトニーにも見え、洗練された味わいを堪能いたしました。
それにしても、岸本さんが以前にも増して可愛らしく感じたのは山本さんマジックであるのは明らかです。

『パキータ』はジュニアから大人までほぼ総出演で、大人チームが着用していた紺地に細かく凝った植物らしき模様がデザインされた、
膝丈程度のふわっとしたチュチュがこれまたまたお洒落。動くたびに少し覗くエメラルドグリーンな裏地も視覚を一層冴え渡らせました。
経験やレベルも様々なメンバーでも纏まって楽しく踊れるよう、また華やかな構図に見えるよう工夫に富んだ振付、色彩センスでございます。
最近になってから小さな子供の生徒さんのクラスも開設され、たった1人でコーダの1部分を踊ったお子さんの一生懸命で堂々とした姿も目に残っております。
きっとコツコツと練習を積んで先生の指導をしっかりと聞きながら臨んだのでしょう。舞台上にいたコール・ドの方々も頬を緩ませながら応援しているご様子でした。

リュシアンを務められた木下さんは、衣装がきらきらな白地に赤ネクタイでややエスパーダ風ではありながら
斜め対角線登場から熱さを秘めつつ静かな流し目もあって、場の格がぐっと上がる立ち姿。
パキータ役の生徒さんの緊張を解すように、静かに触れつつもさっと踊りやすい方向へと導くサポートの美しさを凝視せずにいられませんでした。
音楽特にコーダが通常よく観る版よりも長めで主役2人が組む箇所も増えていましたが、恐らくはユーリ・ブルラーカ版を参考になさったかと推察。(違っていたらご指摘を)
パキータ役の生徒さんがきちんと美しく踊る姿が好感を与えぱっと華やぐオーラもあり
恐らく昨春に吹田市で上演された山本さん版『白鳥の湖』にて白鳥達の役で出演されていたかと思いますが、その頃の紹介写真よりぐっと綺麗に大人びた印象です。
木下さんも好調で鋭い跳躍や回転も盤石。よりゴージャスに祝福度高まるコーダでございました。
それにしても今年の下半期は『パキータ』当たり年で今回で5本目。年内あと1回、関東で鑑賞予定でおります。

実は今回、来場叶わなかった木下さんのファンの方の気持ちも背負って管理人は訪阪。目は4つある意識でこれまでで最も木下さんを観察していたわけですが
思えばこの夏も関東の公演や発表会でも各地で拝見する機会に恵まれ、私の中では福岡雄大さんや福田圭吾さん紘也ご兄弟に続く
東西各所で目にするダンサーのお1人に加わった2022年でございます。 8月なんぞ、連日あらゆる舞台に出演されていたようですが
踊りもサポートも毎度の安定の職人な質をいかに維持しているのか、本拠地初台の公演においても全体の引き締め役として木下さん頼みな部分は非常に大きいと思われ
中でも昨年のライト版『白鳥の湖』は代役でベンノ役が増えた上にワルツもチャルダシュも花嫁候補の王女を引率する枢機卿?もこなし、
困ったときの木下さん状態な救世主級の活躍であったのは今も尚記憶に残り続けております。

最後全員出演のフィナーレは『ウエストサイドストーリー』の曲にのせて登場。そして締めはアメリカに合わせて総踊り。
山本さんロミオも木下さんリュシアンも、眠りとグラン・パ・クラシックのグラン・パ・ド・ドゥに出演され
雅やかなお姿を披露された長谷川さんも勿論一緒で、スタジオの新たなスタート第一歩の舞台は無事幕が下りました。
生徒さん達の頑張り、そして子供から大人まで皆が主役のように活躍でき、見応えとセンスが光る舞台に纏め上げた岸本さんの手腕に再度拍手を送りたい思いでおります。
指導の仕事も大多忙でしょうに、頻繁に東京のプロの公演にも駆け付け鑑賞者の視点からの学びをも継続されている姿勢には頭が下がります。
更には上京されると時に訪れる、鑑賞中心の踊れぬド素人な私の延々言いたい放題な感想に付き合わされる宿命を嫌な顔1つせずに受け入れ(笑)
そんな寛容なお人柄な岸本さんが主宰者だからこそ、コロナにも悩まされ決して平坦ではないであろうスタジオ運営や舞台開催も実現できたのであろうと思います。
心から尊敬し好きなダンサーのお1人が山本さんである点を始め共通項もいくつかありますが、男性のマント姿観察評価連盟(と私は勝手に思い込んでいる)仲間でもあり
2人して筆頭に挙げるのは間違いなく山本さんで、(お互い平成最後に観た山本さんの舞台が
姫路での全幕眠りで、アポテオーズにてマント装着。帰り姫路駅まで黄色い歓声な会話していた日が懐かしい笑)
そして絵になる人とそうでない人の違いは何か、肩のラインであろうか等々、
また金曜日ジャンのマント違和感無しの凛然崇高な姿は山本さんの系統を継ぐ云々と例によって私の言い分を聞かされても
大阪出身者の福岡さん奥村さん、Ballet Studio M時代の2018年の発表会にゲストとして招いた井澤さん の名前を出さないんや、と
不満も一切口走らず理解を示してくださったりと笑、昨年の新国立劇場バレエ団による12年ぶりの全幕上演『ライモンダ』にいらしたときも語ったものです。
時間が許せば夜明けまで論議していたでしょうし、今秋の新制作『ジゼル』でも同様の話題が飛び出すのは目に見えております。(マントありますねん)

話があちこちに逸れました。ココンドバレエアーツとしての初の発表会、おめでとうございます。スタジオの発展を願い、次回も心待ちにしております。





2週連続で大阪来たで。そして朝食に食べてみたかった、阪神百貨店の中にある喫茶室KOHOROにてモーニングメニューのカスタードトースト。
カスタードクリームがこんもりと塗られ、香ばしく焼きあがっています。まろやかなコクのあるコーヒーも好みでございました。
前日前々日からは打って変わり、快晴の空が梅田のヨドバシカメラと阪急百貨店の間から見えていました。



JR東海ツアーズの日帰りずらし旅プランの特典を複数の中から選択可能で、せっかく晴天予報が出ていましたから
あべのハルカス入場券とヘリポート見学プランを選択。(ヘリポートではなくオリジナルマスクプレゼントも選べるらしい)
あべのハルカスは2017年1月以来5年半ぶり。何より屋上ヘリポート見学が気持ち良く、
地上300mから遮るものがない中での眺めは最高でございました。高所好意症も大満足。



東大阪や奈良方面の生駒山。そういえば、明日から始まるNHK朝の連続テレビ小説『舞いあがれ』の舞台の1つが東大阪。
「鑑賞ではない」バレエにてご縁ある地域ですので視聴が楽しみです。



大阪湾方面。見晴らしが非常に良かったため明石海峡大橋も見えました。



あべのべあがお散歩中でしたので記念撮影。子供が踊る小品集を思わすバレエな動きをしていました。画像に再生ボタンがありますが、恐らく静止画状態かと思います。



生駒山と吉野山の位置関係がようやく分かった。把握した上で牧阿佐美バレヱ団『飛鳥』幕開けの古い地図風な映像、再度見たくなります。



無造作にプールに浸かるあべのべあ。ここでバーレッスン行ったら楽しそうです。(高所恐怖症の方からは不評でしょう汗)



VRでバンジージャンプ。人間ししおどしのような器具に掴まり足首を固定された状態で地上300mからの落下をVRで体感できました。
ふわふわとパラシュートで落ちるものと、急降下版と2種あり選択可。私は急降下を選び、さっき見学したヘリポートの淵部分を歩いて思い切ってバンジー!!



帰り、新大阪駅にてぼてちゅうの2色とん玉。2つのものがぴたりとくっついて色合いも賑やか。R+Jを思い出しつつ、乾杯です。



VRバンジージャンプ証明書やら新大阪駅で見つけ購入した大阪弁珈琲を並べてみた。
シマウマの哀愁ある背中を眺めていると、今夏の『ペンギン・カフェ』にて初挑戦された木下さんシマウマも思い出します。
また今年のニューイヤーにおける、後世に伝わるであろう前代未聞なトラブル名処理を披露された奥村さんシマウマも。
最近木下さん奥村さんファンの方々とも縁あって繋がりができ、嬉しい今日この頃。
新国立の新制作『ジゼル』、全キャスト開幕が楽しみです。ひとまずはさらば大阪、今年はあと1回は訪問できそうか。