2020年1月28日火曜日

清泉ラファエラ・アカデミア2019年度春期秋期/来期のテーマはパリ・オペラ座




暫く更新が滞っており申し訳ございません。ロイヤルシネマ鑑賞や福田一雄さんによるバレエ音楽講座
そして贅沢な有酸素運動等当方におけるバレエの話題も溜まってこれから整理して綴って参る予定でおりますが
まずは継続受講しているこちらから。五反田の清泉女子大学で開催されている生涯学習講座
バレエ評論家の守山実花先生が講師を務めていらっしゃるラファエラ・アカデミアーバレエへの招待ーを
2019年度も春期秋期ともに受講いたしました。守山先生の講座はラファエラの数ある講座の中でも長寿で今年で開講20年。
受講者の鑑賞年数やバレエ団、ダンサー、作品の好みも千差万別ながら
初心者に分かりやすく、ベテラン鑑賞者にとっても新鮮な発見連続な内容を毎回伝えてくださる先生の魅力が尽きぬからこそ
長期間続き、初期の頃から受講されている方もいらっしゃるのでしょう。
https://www.seisen-u.ac.jp/rafaela/lecture/details/201923.php

今回のテーマは20世紀における時代、社会とバレエの関係について。中学生の頃学業で唯一関心を持っていたのが
現代史であった管理人にとっては、バレエと組み合わせての講義と考えるだけで胸が高鳴った次第です。
まず、ソ連独自のドラマ性に富んだバレエ確立に興味津々。
『パリの炎』映像の現代と1950年代頃?の見比べも面白く、一昔前の映像を観ると
画面からダンサーが飛び出してきそうな錯覚を与えるほどはち切れんばかりに情熱が迸り
良くも悪くも規範からのはみ出し必須な踊りと表現で圧巻でした。
『バフチサライの泉』でのマイヤ・プリセツカヤとガリーナ・ウラノワ競演と韃靼人の群舞に再度感嘆するしかありません。
現在進行形のバレエとしてはコンテンポラリーの取り入れに触れ、『眠れる森の美女』3幕グラン・パ・ド・ドゥと
フォーサイスを踊るギエム比較では、身体の操りの違い一目瞭然。いったいどんなケアをしているのか気になりましたが
当時以上にコンテンポラリーの比重も大きくなった現在、クラシックと両方に対応できるよう
そして怪我なく両立させるためのケア方法が更に進化していると窺えます。

古典は古典でも、近年は単に王室万歳な趣きでは終わらず。『白鳥の湖』では
明記はされていないが英国王室のスキャンダルを基盤にしたオーストラリアバレエ団のグレアム・マーフィー版を観ると
世相の関係でどうしても思い出すヘンリー王子王室離脱はさておき、今鑑賞しても大胆な解釈。
2007年の来日公演にも足を運びましたが、英国でも受け入れられたと知った際には
スキャンダル含めて王室に寄り添っているのであろう国民性に驚いたものです。
ただほんの13年前ながら細かな振付が記憶から飛び気味であるのは、最も引き込まれた役柄が主役でも群舞でもなく
子供ながら背中から哀愁を漂わせ、舞台後方で静かにじっと釣り人を演じていた子役であったため。
恐らくは東京バレエ学校の生徒さんであったと思われますが、竿を持つ姿や糸の調子の確認作業もいたく自然で
途中で女の子がやってきて身を寄せながら湖を眺める光景は映画『小さな恋のメロディ』を彷彿。
脇役でも一切手を抜かぬ子供ながらにプロ顔負けの心構えに仰天し
気づけば主役を軸にした物語の進行を殆ど見届けぬままであったのでした。
ところで管理人、釣りの経験が無いにも拘らずなぜ釣り人の子供に惹かれたのか。
山田洋次監督が手掛けた、日本映画を代表するシリーズ作品の影響か苗字を名乗ると
しばしば親族身内に釣り好きの男性がいると昔から疑われていたのは
のちの豪バレエ来日公演鑑賞予兆であったのか定かではありませんが、それは横に置いて次行きます。

一見純古典な衣装装置であっても国王の葬儀から描き、王室礼賛な雰囲気がほぼ無く
黒を基調とした衣装装置美術に彩られ何処か陰鬱な印象を残すピーター・ライト版も少し鑑賞。
今秋新国立劇場バレエ団が採用する作品ですが、吉田都さんも主演を務めた1989年のサドラーズウェルズ来日記事は
繰り返し眺めておりましたが2015年のバーミンガム来日公演でも鑑賞しておらず実は映像で目にしたのも初でございます。
『白鳥の湖』といえばお祭りわっしょいな祝祭感や終盤には王子による羽根捥ぎ取りと必殺連続回転跳躍で悪魔を追い詰めて倒す
勧善懲悪明確なセルゲイエフ版を好んでいるため、いくら王子の感情を事細かに描いているとはいえ
葬儀から始まる版なんぞ好きになれそうにないとつい最近まで、新国立劇場バレエ団の来期上演作品一覧を眺めながら思っておりましたが
映像で観てみると、王妃を避けたがったりベンノに駆け寄ったりと兎にも角にも王子の感情表現が想像以上にまあ細かい。
踊るテクニックのみならず心の機微の表現に相当卓越した人でないと場を持たせるのが非常に困難な役柄であると分かり
そう考えると現時点で決定の新国立10月24日(土)夜公演のジークフリード王子、ぴったりであろうと捉え
案外好きになるプロダクションかもしれぬと映像にお姿を重ねつつ考え転換。
人間とはかくも単純で身勝手な生き物であると2020年も再確認でございます。

世界各地の同一作品レパートリー化や移籍増加等、現代特有のボーダーレスな動向や
クリストファー・ウィールドン『不思議の国のアリス』を例に、共同制作によって瞬く間に伝播し
短期間にあちこちのバレエ団においてレパートリー入りする素早さにも納得いたしました。

来期のテーマはパリ・オペラ座バレエ団。未だヌレエフ世代で時が止まっている管理人、
今春の来日公演は今のところ鑑賞予定はなく(当初の発表通りヌレエフ版ライモンダ上演なら勇んで通い詰める決意であったが)
ロシア系のバレエ団に比較すると我が鑑賞回数は少ないバレエ団であるからこそ
世界最古のバレエ団成立から現在に至るまで、しっかりと学んで参りたいと思っております。
パンフレットは既に刊行され、内容は来月初旬にホームページにて掲載されるもようです。



追記:ラファエラバレエへ招待講座20周年記念と題しまして。
20年前当時の管理人の年代など様子の詳細は想像にお任せし、バレエオタク街道を歩み始めてから10年が過ぎた頃で
2000年問題が何事も無く終わり、インターネットは普及していたもののスマートフォンは無く
docomoのカラーiモードが出た云々話題となっていた時期。バレエ界での最たる重要出来事は
新国立劇場バレエ団において山本隆之さんがパトリシア・ニアリーさんの抜擢により
『テーマとヴァリエーション』での主役デビューでしょう。のちに新国立劇場に通い始めてすぐ
雑誌のバックナンバーを探し、当時の記事も勿論大事に保管しております。
さて20年前は管理人、携帯も持たずインターネットにも触れずバレエの情報も書籍頼みでしたが
当時ダンスマガジンやクララと合わせて読み続けていたバレエ雑誌の1冊が
数年後には休刊となってしまった音楽之友社発行のBallet。
ダンスマガジンよりも親しみやすい記事が充実し、表紙は私服姿のスターダンサーが飾っていた点も特徴でした。
守山先生のお名前は既に存じ上げており、中でも数多くのダンサーへのインタビュー記事は毎回楽しみに待っていたものです。
ダンサーから引き出される言葉は勿論のこと、合間合間に先生による
当のダンサーの受け答えにおける表情や仕草の細やかな描写がまことに面白く
中でも一際強烈であったのがパトリック・デュポン。
日本語も堪能でややせっかち!?なデュポンのペースに巻き込まれていきながらも
注文したメニューを店員さんに確認したり、ファッションを自慢したりと
次々と繰り出されるスターダンサーの行動の様子をも事細かな解説で読者を案内。
こんなにも個性が強いダンサー相手にインタビューをなさっている
守山さんとはどんな方なんだろうかと気になっていたことは今も覚えております。

それから約13年後の2013年春、ラファエラを受講開始。その期のテーマは『ライモンダ』でした。
バレエ情報入手を書籍に頼っていた頃、最も好きな作品ながらチャイコフスキー三大バレエに比較すると圧倒的に文献は少なく
あったとしても簡素な作品解説程度。ようやく見つけたのが
先にも挙げた雑誌Balletでの連載、バレエを読み解くシリーズの作品解説だったのです。
大学で美術史を専攻なさっていたご経験を生かした
絵画を例に示しながら掘り下げての『ライモンダ』解説で、文字も数ページに渡って凝縮。
いたく喜ばしい思いで読み耽けていたのは言うまでもありません。
この作品について語り出すと我が口煩い性格露呈となるため
先日の英国ロイヤルシネマ・トリプルビル鑑賞にて違和感を覚えたが故に
再度読み進めた旨も含め、次回あたり感想にて綴って参ります。



以下、アド街ック天国にも登場していないであろう五反田食いしん坊万歳。
※タイムリーなことに2020年2月1日(土)放送、再びテーマは五反田とのこと。管理人、視聴決定。
今期もほぼ毎回通いました、大学地下の清泉カフェ。こちらはほっくりとしたバナナケーキ。


受講者の方の分と並べて、マーブルケーキ。飲み物とセットで350円位から購入できます。
この日はアイスコーヒーを選びましたが、深煎りと思われ苦味が強く濃い目に淹れたホットコーヒーもお勧めです。


五反田界隈食紀行。以前アド街ック天国でも五反田は特集されていましたが
登場していないと思うが管理人が気に入ったお店2選。まずはメキシコ料理店ハッピージャック。
大通り沿いで、清泉女子大学寄りの立地です。


ランチではタコスのセットもございます。スパイスが効いていて具沢山、生地はしっとりしていて美味しいセットでした。
ジャックなだけにその名の付いたお酒も並んでおり新国立のアリスの舞台を脳裏に浮かべながらニンマリ。
しかしまだ昼でしかも講座前ですので我慢です笑。達磨はお客さんがお土産に置いていかれた高崎達磨とのこと。
高崎といえば、今夏新国立劇場バレエ団の『不思議の国のアリス』が上陸。


とある平日夜に所用で五反田を訪れた際に立ち寄ったイタリアンのLa Belle。
元々はフレンチだったそうで、店名はその名残らしい。
サーモンとトマトクリームパスタをいただき、野菜も入っていることでクリーミーではあるが
しつこさが抑えられていて白ワインとの相性も良し。窓辺では五反田の景色を独り占めです。
通常は平日のみ営業ですが、パーティープラン利用の際には土日も開店。
先日とある行事で利用させていただき、このパスタを参加者の皆様に味わっていただけて幹事としては誠に嬉しうございました。
『美女と野獣』や『眠れる森の美女』を彷彿させる店名にも心惹かれたのだが(実は行事での利用会場決め手の1つであった)
店内には野獣もデジレ王子もおりません。その代わり、居心地良い空間にて穏やかで素敵なスタッフさん
そして美味しいお料理やお酒に出会えます。どうぞご利用ください。

それにしても管理人、諸々連絡のためお店に電話をかけようと掲載された食サイトにて店名を目にするたび
野獣は1人、デジレ王子は2人同時に脳内再生。人間とはかくも単純な生き物であると痛感する瞬間は
2020年も多々起こりそうでございます。

2020年1月17日金曜日

新国2020発車! 新国立劇場バレエ団 ニューイヤー・バレエ 1月11日(土)〜13日(月祝)




1月11日(土)から13日(月)、新国立劇場バレエ団ニューイヤー・バレエを3回観て参りました。
2020年バレエ鑑賞第一弾です。
https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/newyearballet/
※キャストは新国立劇場バレエ団ホームページより抜粋


『セレナーデ』
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー 振付:ジョージ・バランシン
【全日】<1月11日(土)14:00、12日(日)14:00、13日(月・祝)14:00>

寺田亜沙子、柴山紗帆、細田千晶
井澤 駿、中家正博
渡辺与布、飯野萌子、川口 藍、中田実里、
赤井綾乃、今村美由起、加藤朋子、
菊地飛和、北村香菜恵、小村美沙、
関 晶帆、中島春菜、原田舞子、
土方萌花、廣川みくり、山田歌子、横山柊子

宇賀大将、清水裕三郎、趙 載範、浜崎恵二朗

2007年の開場10周年記念式典における初演から翌年のワシントンD.C.公演を含め
再演を重ねているバレエ団得意演目。女性コール・ドの本領発揮で淡いブルーが織り成す繊細な美に酔い痴れました。
時にきびきびと素早く、かと思えばしっとりと歌うように踊る場面へと変化に富んだ展開も鮮やか。
ソリストも充実し、寺田さんが登場の瞬間から色気と華を醸しながら駆け抜けて涼やかな世界へと一気に引き込み、
跳躍を繰り返す際も型が崩れず狂いない緻密さで積み上げていく柴山さんの揺るぎない技術にも目を見張りました。
優美さや透明感、楚々とした印象が強い細田さんは打って変わって近寄り難いほどの堂々たるダークエンジェル。
衣装は他のダンサーと同じながらオーラはまるで違い、パとパの繋ぎ目に至るまで隙なく神秘性宿る踊りに魅せられました。
井澤さんはほんのり晴れやかな空気を広げ、中家さんの職人芸たるセレナーデ名物ダークエンジェルの脚回しも盤石でお見事。


『ライモンダ』より パ・ド・ドゥ
音楽:アレクサンドル・グラズノフ
振付:マリウス・プティパ
改訂振付・演出:牧阿佐美

【1月11日(土)、12日(日)】
小野絢子、福岡雄大
【1月13日(月・祝)】
米沢 唯、渡邊峻郁

2004年の初演、2006年の1度目の再演、2008年のワシントンD.C.公演、2016年ニューイヤー3幕上演では披露されたものの
2009年公演ではカット。バレエアステラス2012では本島美和さんとマイレン・トレウバエフさんが踊られましたが
ヴァリエーションなどの有無は記憶曖昧でお許しを。
全幕におけるカットには再度頷けた振付で、グラン・パ・クラシックを目一杯踊った後に踊られるため
言い方は良くないが無駄に体力を消耗させる余計なパ・ド・ドゥに思え、音楽は仰々しい始まりで迫力はあれど
ボリショイのグリゴローヴィヂ版では3幕の冒頭にて演奏される曲であるため
前奏曲が2度流れたようにも思えて初演鑑賞の時点で違和感を覚えたと記憶。
そして今回、抜粋で披露するとあたかもお笑い公演の若手芸人による前座の如き扱いに感じる呆気ない短さ。
ニューイヤー特別構成にしてヴァリエーションを挿入するなり一工夫欲しかったのは正直なところで
お蔵入りするかそれとも来期の全幕上演で復活なるか行く末が気になるパ・ド・ドゥですが
2組とも格調高く纏め上げ、底力を見せた会心の出来であったのは救い。
小野さん福岡さんは威厳や気高さで、米沢さん渡邊さんは淀みない優雅さで各々異なる魅力を堪能いたしました。
脚掴みリフトも難なく決めた福岡さんと渡邊さんに拍手。
さて復活と言えば渡邊さんの髪型がやや古風な趣きに舞い戻った気がいたしましたが、2020年も観察に勤む所存です。

繰り返しになるが、来年2021年6月干支一回りぶりの全幕上演は歓喜に沸かずにいられず。
全幕においては、男性主演陣が十字軍から帰還した威風堂々たる騎士に見えると期待しております。
特に2幕のライモンダ救出でのマント着けて剣を携えた姿は要注目。
そして前回の全幕上演時と最たる違いはジャンのみならずアブさん候補もわんさか揃い、男性層が厚い点。
両役とも似合いそうなダンサーも複数浮かび、日替わりで白黒双方で登場願いたいと欲が募ります。



ワシントンポストで報じられた2008年ワシントンD.C.公演記事に
寺島ひろみさんとデニス・マトヴィエンコさん主演日の脚掴みリフト写真が大きく掲載されました。
帰国時にロナルドレーガン・ワシントン・ナショナル空港にて管理人が購入。
新聞購入時の店員さんやシャトルバス移動で地下鉄乗り場を教えてくださった運転手さん、
乗継地のデトロイトからワシントンまでの国内線機内にて、うっかり炭酸飲料を飲んで
むせる管理人を優しく気遣ってくれた隣の乗客2人組といった機内や空港でお世話になった方だけでも
外見やお名前からしてイスラム圏の方が何名もいて、『ライモンダ』アブさん陣営の描写や表現の難しさを
考えさせられたものです。

上記のワシントンポストや今回の公演チラシやポスターの通り、見栄えするポーズがふんだんにあるためか媒体登場率は高し。
ダンスマガジンでは初演時のゲストスヴェトラーナ・ザハロワさんとアンドレイ・ウヴァーロフさんによる
付録ポスターでも起用され、2005年の山本隆之さん服部智恵子賞受賞ニュースでは
志賀三佐枝さんと組まれた際の写真が掲載されました。
(隣ページには寺田さんや細田さんの新国立入団決定の告知記事も。年月の流れは早し)


『海賊』より パ・ド・ドゥ
音楽:リッカルド・ドリーゴ
振付:マリウス・プティパ

【全日】
木村優里、速水渉悟

初日と2日目はお2人とも本調子ではなさそうで悔しさも滲ませていらしたかと思いますが千秋楽で大挽回。
若さ溢れる攻め路線なパ・ド・ドゥを見せてくださいました。
ただ木村さんはオディールやキトリ、速水さんはベンヴォーリオや黄金の神像を以前観た限り
もっと力を発揮できそうな予感。既に活躍目覚ましく将来を嘱望されているからこそ次回に期待です。
木村さんメドーラの煌びやかなターコイズブルーの衣装はとてもお似合いで、瑞々しさで一杯。
速水さんアリはハーレムパンツ?はともかく上半身の斜めがけ網網は必要だろうかと疑問を持ち
歴史考証の結果ならともかく、アリなら潔くシンプルが管理人の理想でございます。
(潔くシンプルでうっとりできるか否かはダンサーにもよるが)

ともあれ千秋楽は勢い含んだ舞台で満足感は高かったものの以下は完成個人の趣味及び体験談であるのだが
いかんせん『海賊』我が鑑賞史上最大の衝撃であった昨年夏の浦安伝説と位置付けている
(海近くの会場であったが浦島伝説ではない。しかし今年はこどもバレエで竜宮を初演、浦島伝説誕生なるか)
舞台が刷り込まれており、登場するや否や心臓貫通とはこのことで客席からのずり落ちや仰け反り寸前たる状況で鑑賞。
1都4県計9回に及ぶ昨年8月の鑑賞最後の最後で『海賊』パ・ド・ドゥにおいて
単なる超絶技巧お披露目会ではない、1分弱のヴァリエーションであっても視線の送り方や腕の出し方など隅々に至るまで
密に作り込まれ、瞬時の低姿勢ポーズの締まりといい実にドラマが凝縮したアリを目にしてしまったがために
時空を飛び超えてフォンティーンとヌレエフの舞台でも観ない限り
当分は胸に響く『海賊』にはお目にかかれないと思っております。
この話は書き始めると夜明けを迎えますため、出発に乗り遅れぬようそろそろ列車乗車準備に入ります。


『DGV』
音楽:マイケル・ナイマン
振付:クリストファー・ウィールドン
美術:衣裳ジャン=マルク・ピュイサン
照明:ジェニファー・ティプトン

【全日】
第1区 本島美和、中家正博
第2区 小野絢子、木下嘉人
第3区 米沢 唯、渡邊峻郁
第4区 寺田亜沙子、福岡雄大

池田理沙子、木村優里、奥田花純、玉井るい、
広瀬 碧、益田裕子、朝枝尚子、廣田奈々
井澤 諒、福田圭吾、速水渉悟、原 健太、
小柴富久修、中島駿野、中島瑞生、渡邊拓朗

ウィールドン振付のバレエ団初演作品。電車をモチーフにしたバレエの振付といえば
エイフマン版『アンナ・カレーニナ』終盤の人間機関車の迫り来るパワーは強烈でしたが
ゆったりと旅情に思いを馳せながら旅をしていく感覚のほうがこの作品のイメージには近いと捉え
移りゆく景色を眺めながらの列車乗車気分で滑らかな疾走感に包まれる走行列車をセンス良く舞踊化した印象です。
新鮮ペア続出である点も見所で、冒頭の暗闇から本島さんと中家さんがクールにじわりと攻め寄り
早々からのめり込むように見入る展開。小野さんと木下さんの精巧な歯車の如く噛み合う力も集中を研ぎ澄ませ
吸い付くように繰り返すリフトもお手の物。このお2人が組むとは思いもしませんでしたが予想を遥かに上回る相性の良さでした。
ムード一転、色っぽく魅せたのは米沢さん渡邊さんペアで、両腕を掲げ飛行機のような体勢のまま
高々とリフトされた米沢さんのまあ艶かしいこと。リフトにおいて弧を描画するかのように
正確且つ滑らかに自然に見せる渡邊さんのサポート術にも驚愕するしかありません。
寺田さんと福岡さんの明朗快活な斬り込みも鮮烈で、どの場面にもじっと見入ったためか音楽が脳内旋回に陥ったほどです。

コール・ドの振付の語彙も豊富で飽きさせず、縦1列に並び肩幅に開いた足で立った姿で左右に揺れたり(恐らく踏切)
ソリストペアの場と場の合間にも薄い壁の隙間から身体をくねらせながら登場したりと目が離せず。
管理人が度々真似をしてしまったのは(絵には全くならんが笑)女性コール・ドが横1列に並び
片脚を横に差し出して同じ横向きに屈みながらアンオーもポジションをする箇所。
他にもユニークな振付が散りばめられ、次の展開に胸を高鳴らせるばかりでした。

終盤には両バルコニーに配置された太鼓演奏者による力強い叩きっぷりで
終着駅を知らせているのか会場中に鳴り響く太鼓の音色に興奮は極致へ。
そうかと思えばしっとり静かに、暗闇に消えていくような幕引きで
掴みどころがないと言ってしまえばそれまでだがイメージは観客に委ねられ、
だからこそ私も観る日によって装置も振付も異なる物を想像させられたり
ぽっかりと現れる月や太陽の背景も時間軸を明確にさせて過去の列車に乗っての旅路を何本も代わる代わる想起。
男女とも渋めの色を組み合わせたシンプルな衣装も洗練された印象を持たせていて早くも再演が待ち遠しく
テレビ放送も喜ばしい。ご覧になれる方はどうぞお見逃しなく。

バレエ団お得意のバランシンから古典のパ・ド・ドゥ、そして若手に属する振付家作品も含んだ構成で
新年からおめでたい心持ちとなる公演でした。
新国2020幸先良い発車、今年も通い詰めたい劇場であると心新たに決意です。


※来月テレビ放送が予定されています。是非ご覧ください。
2月17日(月)【2月16日(日)深夜】午前0時00分~ 早速舞台写真も掲載されています。
ライモンダパ・ド・ドゥ、小野さん福岡さんも素敵ではあったのは紛れもない事実だが
短いのだから別キャストも合わせてお届けしますと案内して放送しては…くれないか。
https://www4.nhk.or.jp/premium/



DGVを鑑賞し、まず目に浮かんだのは2016年のKバレエスタジオ出雲公演帰りに乗車した特急サンライズ出雲。


現在の状況は分かりかねますが最安値車両であったためベッドが硬い笑。共同部屋です。


堅固な鉄橋


まさにサンライズ。美しく眩しい日の出を寝床の窓から眺めました。
サンライズ以外に浮かんだ列車は2015年福島県のいわきアリオスでの
下村由理恵さん、山本隆之さんが主演された公演鑑賞の往復で利用した常磐線。
日立の海と夕日にうっとり見惚れておりました。
もう1車両は昨年新国立こども白鳥長野県岡谷市公演の往復で利用したあずさ。
往路は8時ちょうどの出発でしたので狩人の名曲とこども白鳥千秋楽及び
暫くはお別れとなるセルゲイエフ版踏襲振付演出に思いを馳せながら乗車。
バレエに限るが旅回数が多めで、2時間サスペンスや西村京太郎ミステリーを好み
自動車運転免許未所有で旅の足は公共交通頼みである中途半端な鉄道愛好者からすると
DGVは何かと心に迫る要素満載です。


遂にニューイヤーでも限定カクテル登場。スタッフの方にも新年の挨拶。(新国立カクテル常連客です笑)
トニック入りミカンとピーチカクテル、シュワっと爽快。


いちごのカーディナルケーキ。(名称の記憶曖昧) たっぷり入ったいちごにを生クリームとカスタードクリームが包んだ
しっかりとした甘さのケーキでございます。
イベントでいただいた四季折々の絵柄が可愛らしい福島のミネラルウォーターと一緒に。
先述の2015年以来福島での鑑賞はまだなく、再びの機会が訪れますように。


バレエ好きな中でも共通項の結束力が妙に強い3名揃って初食事。
まずはシャンパンで乾杯し、真鯖のマリネとじゃが芋のスモーク、鱸のカルパッチョ。
昨年の我が1人ひっそり誕生日祝いや当ブログで知り合った常連読者様との2017年の眠れる森の美女終演後の初食事でも
利用しており、何かと節目や記念日に訪問しているビストロです。初利用者のお2人にも喜んでいただけたようで安堵。


しらすとじゃが芋のキッシュ。香ばしくほっくりした味わいでワインが進みます。
お店の看板メニューとのこと。今回飲兵衛は私1人でしたが、好きなペースで飲むよう寛大に接していただき深謝。


クランベリーソースがかかった鹿肉グリル。脂身ほぼ無く締まった赤身、赤ワインが止まりません笑。
ちなみにワインは赤白ともにフランス南西部の地域ラングドック産とのこと。
メニューのワインの中でも一番手頃な価格とは思えぬ、特に赤の渋みと品ある重厚さがすっかり気に入りました。
ラングドックや仏南西部と聞くとある都市を思い浮かべ、ニンマリする3名でございます。


2日目は昔馴染みの3名でドイツ酒場へ。


私含む2名が飲兵衛で、ビールの後に赤ワインボトルとデカンタを飲み干した…笑。
適度なフランスワインを選んだところ、火の鳥を思わせるラベルが華やぐデザイン。
そうであった、干支一回りぶりの大事件であった心境の確かな変化は
3年前のお正月、前年に撮影されたフランスでの火の鳥リハーサル映像であったと回想。


来場者には3日間日替わりで異なるグリーティングカードをプレゼント。
全部集めましたが一番欲しいと願っていた分を千秋楽にようやくいただき嬉々たる思いでおります。
何度眺めても、見返り美男。

2020年1月9日木曜日

新国立劇場2020/2021シーズン バレエ&ダンス ラインアップ発表



昨日1月8日(水)、新国立劇場2020/2021シーズン バレエ&ダンス ラインアップが発表されました。
吉田都さん芸術監督就任最初のシーズンプログラムです。

新国立劇場ホームページ
https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/news/detail/26_016638.html

スパイスイープラスには会見の模様が掲載されています
http://spice.eplus.jp/articles/263560

※新国立劇場ホームページより抜粋。一部はキャストも発表されています。
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2020/2021シーズン バレエ ラインアップ

白鳥の湖 [新制作]
2020年10月23日(金)19:00 オペラパレス
2020年10月24日(土)13:00 オペラパレス
2020年10月24日(土)18:30 オペラパレス
2020年10月25日(日)14:00 オペラパレス
2020年10月27日(火)13:00 オペラパレス
2020年10月29日(木)13:00 オペラパレス
2020年10月31日(土)13:00 オペラパレス
2020年10月31日(土)18:30 オペラパレス
2020年11月1日(日) 14:00 オペラパレス

音楽ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
振付マリウス・プティパ、レフ・イワーノフ、ピーター・ライト
演出ピーター・ライト、ガリーナ・サムソワ
美術・衣裳フィリップ・プロウズ
照明ピーター・タイガン
指揮ポール・マーフィー/冨田実里(日替わり)

管弦楽
東京フィルハーモニー交響楽団

2020年10月23日(金)19:00
オデット/オディール米沢 唯ジークフリード福岡雄大

2020年10月24日(土)13:00
オデット/オディール未定ジークフリード未定

2020年10月24日(土)18:30
オデット/オディール小野絢子ジークフリード渡邊峻郁

2020年10月25日(日)14:00
オデット/オディール未定ジークフリード未定

2020年10月27日(火)13:00
オデット/オディール未定ジークフリード未定

2020年10月29日(木)13:00
オデット/オディール未定ジークフリード未定

2020年10月31日(土)13:00
オデット/オディール未定ジークフリード未定

2020年10月31日(土)18:30
オデット/オディール米沢 唯ジークフリード福岡雄大

2020年11月1日(日)14:00
オデット/オディール未定ジークフリード未定


くるみ割り人形
2020年12月12日(土)13:00 オペラパレス
2020年12月12日(土)18:00 オペラパレス
2020年12月13日(日)13:00 オペラパレス
2020年12月13日(日)18:00 オペラパレス
2020年12月18日(金)19:00 オペラパレス
2020年12月19日(土)13:00 オペラパレス ぴあスペシャルデー
2020年12月19日(土)18:00 オペラパレス
2020年12月20日(日)13:00 オペラパレス
2020年12月20日(日)18:00 オペラパレス

音楽ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
振付ウエイン・イーグリング
美術川口直次
衣裳前田文子
照明沢田祐二
指揮アレクセイ・バクラン
管弦楽
東京フィルハーモニー交響楽団
合唱
東京少年少女合唱隊

2020年12月12日(土)13:00
クララ/こんぺい糖の精小野絢子ドロッセルマイヤーの甥/くるみ割り人形/王子福岡雄大

2020年12月12日(土)18:00
クララ/こんぺい糖の精 未定ドロッセルマイヤーの甥/くるみ割り人形/王子 未定

2020年12月13日(日)13:00
クララ/こんぺい糖の精 未定ドロッセルマイヤーの甥/くるみ割り人形/王子 未定

2020年12月13日(日)18:00
クララ/こんぺい糖の精木村優里ドロッセルマイヤーの甥/くるみ割り人形/王子渡邊峻郁

2020年12月18日(金)19:00
クララ/こんぺい糖の精米沢 唯ドロッセルマイヤーの甥/くるみ割り人形/王子井澤 駿

2020年12月19日(土)13:00
クララ/こんぺい糖の精 未定ドロッセルマイヤーの甥/くるみ割り人形/王子 未定

2020年12月19日(土)18:00
クララ/こんぺい糖の精 未定ドロッセルマイヤーの甥/くるみ割り人形/王子 未定

2020年12月20日(日)13:00
クララ/こんぺい糖の精 未定ドロッセルマイヤーの甥/くるみ割り人形/王子 未定

2020年12月20日(日)18:00
クララ/こんぺい糖の精 未定ドロッセルマイヤーの甥/くるみ割り人形/王子 未定


ニューイヤー・バレエ
パキータ / デュオ・コンチェルタント [新制作] / ペンギン・カフェ


2021年1月9日(土)14:00 オペラパレス
2021年1月10日(日)14:00 オペラパレス
2021年1月11日(月・祝)14:00 オペラパレス

指揮ポール・マーフィー
管弦楽東京フィルハーモニー交響楽団


パキータ
音楽レオン・ミンクス
振付マリウス・プティパ
美術川口直次
衣裳大井昌子
照明立田雄士

デュオ・コンチェルタント
音楽イーゴリ・ストラヴィンスキー
振付ジョージ・バランシン

ペンギン・カフェ
音楽サイモン・ジェフス
振付デヴィッド・ビントレー
美術・衣裳ヘイデン・グリフィン
照明ジョン・B・リード

主な出演新国立劇場バレエ団


吉田都セレクション ファイヴ・タンゴ [新制作] /A Million Kisses to my Skin [新制作] / テーマとヴァリエーション
2021年2月20日(土)14:00 オペラパレス
2021年2月21日(日)14:00 オペラパレス
2021年2月23日(火・祝)14:00 オペラパレス

指揮マーティン・イェーツ
管弦楽東京交響楽団

ファイヴ・タンゴ
音楽アストル・ピアソラ
振付ハンス・ファン・マーネン
美術ジャン=パウル・フローム
照明ヤン・ホーフストラ


A Million Kisses to my Skin
音楽ヨハン・セバスティアン・バッハ
振付デヴィッド・ドウソン
美術デヴィッド・ドウソン
衣裳竹島由美子
照明バート・ダルハイゼン


テーマとヴァリエーション
音楽ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
振付ジョージ・バランシン
美術牧野良三
衣裳大井昌子
照明磯野 睦


主な出演新国立劇場バレエ団


コッペリア

2021年5月1日(土)14:00 オペラパレス
2021年5月2日(日)14:00 オペラパレス
2021年5月4日(火・祝)14:00 オペラパレス
2021年5月5日(水・祝)14:00 オペラパレス
2021年5月8日(土)14:00 オペラパレス

音楽レオ・ドリーブ
振付ローラン・プティ
芸術アドヴァイザー/ステージングルイジ・ボニーノ
美術・衣裳エツィオ・フリジェーリオ
照明ジャン=ミッシェル・デジレ

指揮
冨田実里
管弦楽
東京フィルハーモニー交響楽団

2021年5月1日(土)14:00
スワニルダ小野絢子フランツ渡邊峻郁

2021年5月2日(日)14:00
スワニルダ未定フランツ未定

2021年5月4日(火・祝)14:00
スワニルダ木村優里フランツ福岡雄大

2021年5月5日(水・祝)14:00
スワニルダ未定フランツ未定

2021年5月8日(土)14:00
スワニルダ未定フランツ未定


ライモンダ

2021年6月5日(土)14:00 オペラパレス
2021年6月6日(日)14:00 オペラパレス
2021年6月8日(火)~11日(金)のうち1日程
2021年6月12日(土)14:00 オペラパレス
2021年6月13日(日)14:00 オペラパレス

音楽アレクサンドル・グラズノフ
振付マリウス・プティパ
改訂振付・演出牧 阿佐美
美術・衣裳ルイザ・スピナテッリ
照明沢田祐二
指揮
アレクセイ・バクラン
管弦楽
東京フィルハーモニー交響楽団

2021年6月5日(土)14:00
ライモンダ米沢 唯ジャン・ド・ブリエンヌ福岡雄大

2021年6月6日(日)14:00
ライモンダ小野絢子ジャン・ド・ブリエンヌ奥村康祐

2021年6月8日(火)~11日(金)のうち1日程
ライモンダ未定ジャン・ド・ブリエンヌ未定

2021年6月12日(土)14:00
ライモンダ未定ジャン・ド・ブリエンヌ未定

2021年6月13日(日)14:00
ライモンダ未定ジャン・ド・ブリエンヌ未定


2020/2021シーズン ダンス ラインアップ

中村恩恵×首藤康之×新国立劇場バレエ団 Shakespeare THE SONNETS

構成・演出・美術原案中村恩恵、首藤康之
振付中村恩恵
音楽ディルク・P・ハウブリッヒ
照明足立 恒
音響内田 誠

11月28日(土)14:00
渡邊峻郁、小野絢子

11月29日(日)14:00
首藤康之、米沢 唯


ダンス・コンサート
舞姫と牧神たちの午後 2021


2021年3月26日(金)19:00 小劇場
2021年3月27日(土)13:00 小劇場
2021年3月27日(土)18:00 小劇場
2021年3月28日(日)14:00 小劇場

出演
酒井はな&森山未來
演出・振付島地保武
音楽・演奏藤元高輝(gt.)

加賀谷 香&吉﨑裕哉
出演・振付
加賀谷 香&吉﨑裕哉
音楽・演奏坂出雅海

山田うん&川合ロン
出演・振付山田うん&川合ロン

湯浅永麻&小㞍健太
出演湯浅永麻&小㞍健太

Danae
(「DANCE to the Future 2019」にて初演)
出演木村優里&渡邊峻郁
振付貝川鐵夫
音楽ヨハン・セバスティアン・バッハ

Butterfly
(2005年「舞姫と牧神たちの午後」にて初演)

出演新国立劇場バレエ団(ダブルキャスト)
構成・演出平山素子振付平山素子&中川 賢
音楽マイケル・ナイマン、落合敏行
照明杉浦弘之
音響河田康雄


Co.山田うん
オバケッタ


2021年7月2日(金)19:00 小劇場
2021年7月3日(土)14:00 小劇場
2021年7月4日(日)14:00 小劇場

振付・演出山田うん
出演Co.山田うん

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例年はセンター試験の時期での発表が恒例でしたが今年はお正月明けての最初の週で早い時期の発表。
バレエ団ファンの方々はここ数日、赤鉛筆を耳に掛けて演目配役ダービーをなさっていたことと存じます。
さてざっくり独断と偏見塗れな我が意見をつらつら綴って参りますが、
リスナーからの投書に丁寧且つユーモアを交えて回答なさる
生さだでのさだまさしさんのような軽妙巧みな話術もございませんので悪しからず。

ラインアップを見ての第一印象、想像以上に作品のカラー多彩で
古典からコンテンポラリーまでバランスが取れていると感じました。
特に2つの要素がとりわけ鮮烈で、1つは英国色が当初の予想ほど濃厚ではない点。
吉田さんが芸術監督就任と知った際には前ブログのこちらの記事に不安な点をつい書き連ねてしまったり
就任第一弾の演目がピーター・ライト版『白鳥の湖』と先駆けて昨夏に発表された際には
いよいよ新国立もレパートリーが英国ロイヤル化するのだろうかと危惧さえしておりましたが失礼極まりなく
ローラン・プティ版コッペリアや、全幕上演は2009年2月以来遠ざかっている『ライモンダ』、
2003年の初演以来お蔵入りしていた『パキータ』復活も含めた揃いぶり。
更には古典のみならず、新しい作品やまだ取り入れていないバランシン作品を
ニューイヤー・バレエやトリプル・ビルにクラシック作品と一緒に上手いこと組み込み
ダンス公演ではダンス界の名だたる方々と新国立ダンサー出演作品を含めた珍しい構成による
コンサート形式での小作品披露にも期待が膨らみます。
バレエ団が取り組んできた幅広いレパートリーを入れつつも初挑戦の作品も何本か上演。
作品のカラーも多彩で、誠に楽しみなラインアップです。

もう1点は従来の固定ペアの組み替え。鉄板であった小野さん福岡さん、
しばしば組まれていた米沢さん井澤さん、木村さん渡邊さんのペアは現在のところ『くるみ割り人形』のみで
他の作品では組み替えての披露。新鮮味が何倍にも増し、生じる化学反応に立ち会えるのが俄然楽しみになってきております。
最たる意外性は『コッペリア』での木村さん福岡さんペア。これまでは考えたこともありませんでしたが
未知なる領域を見せてくださるような気がしてなりません。『ライモンダ』では小野さんと奥村さんが組まれ
記憶違いでなければ2017年の『テーマとヴァリエーション』以来。
小野さんと渡邊さんも主演で組むのは初で、早速シーズンオープニング『白鳥の湖』で登場。
芳醇で大人の世界たるドラマティックペアになりそうで、悲劇の結末の『白鳥の湖』に拒絶反応を起こしてばかりいた私に
光が差し込んできた思いがいたし、人間とはかくも単純な生き物であると何度目だか分からぬが再確認。

それは横に置き、ダンサーの待遇や環境改善にも全力を尽くす意向を示されている点にも注目しており
次々と具体案を提示なさっていることから、現状の把握と良い方向へと導くために必要な策を
非常に深く細かく考えていらっしゃると推察いたします。

では作品ごとに。冗談抜きに、私の勝手過ぎる意見感想が続きますのでお許しを。
第一弾は先にも触れたピーター・ライト版『白鳥の湖』。
近年では2015年のバーミンガムロイヤルバレエ団公演でご覧になった方も大勢いらっしゃるかと思います。
残念ながら私は観ておらず、書籍やウェブ媒体での記事にも余り目を通しておらず
(マシュー・ゴールディングが1幕だけ踊ったのはこの公演だったか?)
ライト版白鳥と聞いて真っ先に浮かぶのは1989年のバーミンガム(当時はサドラーズウェルズ)来日での吉田さんの写真。
真っ白でないややクリーム色がかったチュチュや、当時既に英国で活躍し
主役まで任されている日本人女性の存在にまず驚いたもので今も当時の記事が鮮やかに目に浮かぶのであると思っております。
今回の発表会見において、登場人物のキャラクターが明確と仰っていたことが作品への興味をより抱かせ、
楽しみになって参りました。但し、王子は白タイツではなく、その点はやはり寂しい気も。
しかし王子の陰鬱な心情をただ暗いだけで終わらせない表現者がきっといるはずで、いざ観れば堪能しそうな予感もしております。

12月はイーグリング版『くるみ割り人形』。またもや昼夜公演の連続の過密日程ですが、客入りはきっと良いでしょう。
このときに来場した、バレエ初鑑賞者や初心者の心をいかに繋ぎ止めるかが鍵です。
紗幕は無しで、クララとの出会いのパ・ド・ドゥ以降は王子のお面を外してあげてください。観客も辛うございます。
スカスカなモデルルーム状態な2幕は非番ダンサーでも研修生でも柱近くに誰かしら座らせて見栄えを良くしてください。
2幕との関連を持たせるためにも、1幕ではクララでも友人でも誰かに蝶々のおもちゃを贈ってください。
終幕、クララとフリッツには暖かいお洋服を着せてあげてください。いくら夢から覚めたばかりとはいえ、凍死します。

ニューイヤーは3作品一挙上演。まずは『パキータ』、2003年以来18年ぶりの再演です。
ディアナ・ヴィシニョーワとイーゴリ・コルプがゲスト出演した回はテレビ放送もされ、
ヴァリエーションを湯川麻美子さんや前田新奈さんが踊っていらしたのは覚えております。
管理人も当時は新国立初鑑賞1年前の時期でテレビ放送でしか観ておりません。
ダンスマガジンには各ペアを一言で表現した批評があり、正確ではない記憶である点はお許し願いたいが
ヴィシニョーワたちは華やか、宮内真理子さん小嶋直也さんは音楽性、酒井はなさん山本隆之さんは品格と評し
今ほどバレエは多数鑑賞していない時期ではあったが、「品格」の文字は自然と目にとまり
評されたダンサーに不思議と惹かれていったと回想。それは後々数年後も現在も当て嵌まる。
それはさておき、衣装に関しては女性ソリスト、コール・ドともに赤一色で物寂しい印象も。
小林紀子バレエシアターのような、装飾もたっぷりなゴージャス感があったほうが尚望ましい気もいたします。
せっかくのニューイヤーですから。
デュオ・コンチェルタントは映像でも目にしたことがありませんが早く観たいと募らせます。

そしてペンギン・カフェ。再演があるとは嬉しい限り。ニューイヤーだからといって
おめでたい華やかな作品が義務上演ではないわけで、ユーモアと風刺が融合した作品の久々上演です。
初演と再演両方で主人公のペンギンを務めた、古典の主役は豊富だったが近年の作品主役は初?だったさいとう美帆さんと
主役はそのものが初であった井倉真未さんの抜擢には双方驚き、されどさいとうさんはお澄ましが可愛らしくほんのり淑やか
井倉さんは朗らかで開放的な前半と終盤の悲哀感の対比が見事であったと記憶。
新生ペンギンはどなたになるのか楽しみであり
ペンギンウェイターの2人(主人公ペンギンが水戸黄門ならば助さん格さんといった役どころ)の抜擢にも興味津々。
以前は西山さん、大和さん、加藤さん、伊東さん、といったベテランと若手混在で面白い配役であったはず。
気になる熱帯雨林のお父さん、背中から漂う哀愁と静かに語りかけるような妻と子への溢れる愛情が不可欠。
初演再演ともに山本さんが、衣装の都合上見た目は随分ワイルドでしたがまあ魅力ある父親姿であったのは忘れられず。
後継者、求む!(1人いるか?)
それからこの作品は、新国立の全国公演では珍しく古典物ではない作品として上演された数少ない例で、
2013年の静岡グランシップと御殿場にてシンフォニーインCと合わせて上演。
両方足を運び、グランシップは平日夜公演ながらほぼ完売で観客全員が鑑賞教育を受けていたと見紛うほど幕開けから大喝采。
対する御殿場は客席が温まるまでは時間を要したものの最後は割れんばかりの拍手に包まれ
いずれにしても古典でない作品でも上質な舞台ならば歓迎されると示した全国公演でございました。

公演名からしてなかなかの強烈な吉田都セレクション。私が選んだのだから観に来いと気概が伝わってきて好印象。
2021年いよいよ天皇誕生日の祝日が公演に生かされる運びにもなりました。
新国立お得意作品で、NHKホールを轟かせ、鳴り止まぬ拍手を静めるためぬ無理矢理終わらせて
幕間に入ったほどの会場での喝采や、日曜夜のゴールデンタイムに世に全国のお茶の間に凄みを伝えた
『テーマとヴァリエーション』2017年NHKバレエの饗宴の名演は語り継がれていくでしょう。喜ばしい再演です。
フィナーレへと向かう、パンパカパッパッパッパッパーンの旋律から続く高揚感は病みつきになります笑。
A Million Kisses to my Skinは未知なる作品で、とにかく観てみたくなります。
ファイヴタンゴも初めて目にする作品ですが、ピアソラの曲にのせたタンゴと聞くだけで熱を帯びてきそうな予感。
そういえばヨーロッパでのタンゴ経験者、いらっしゃいます。
(しかも土の上で踊られ身体中土埃塗れになられたという何ともハードワーク)。

ゴールデンウィークはプティ版『コッペリア』。フランス物も再演決定で安堵です。
びっくりペアである木村さん福岡さんがどんなペアになるか未知数。
そしてフランツの皆さん、幕開けの煙草ふかしは色っぽく決めておくれやす。
これまで観た中では1人だけ絵になる飛び抜けた色男少年がいらっしゃいましたが、
2009年以来、幕開け場面から魅せるフランツ誕生なるか。なるであろうファーストキャストのフランツよ笑。
来年ゴールデンウィークは毎日シャンパンで乾杯だ!
これで山本さんのコッペリウスが登場なさったらこの上ない喜びなのだが。

さあ、いよいよ待っておりました。語らせてください、遂に遂に『ライモンダ』12年ぶりの全幕再演です。
繊細で美しい衣装美術を所有していながら全幕上演は長きに渡って行われず。
来シーズンこそはと願って早何年かは計算しておりませんが、我が短い首を長く長くして待ち侘びていた再演決定に
思わずキターーーーーーーーーー!!!!!!と連呼。グラズノフの格調高い音楽を全幕聴ける喜びも募ります。
2008年にはワシントンD.C.でも上演し日本らしい美が上品に纏まった
何ともエレガントな作品であるか一段と感じ入ったことも忘れられぬ鑑賞です。
(現地で鑑賞いたしました。芸人たちの登場場面で観客が声をあげて笑っていた光景には仰天したが国民性の違いでしょう)
前回の全幕上演した2009年2月は前年のリーマンショックから月日が経っていない影響だったのかチケット販売大苦戦。
加えてインフルエンザ流行の影響でキャスト交代が相次ぎ、山本さんが両日ジャン役へと変更となってアブさん見られず涙
人手が足りず?ライモンダ友人のベランジェかベルナールのどちらかと務めた
グリゴリー・バリノフさんが2幕では途中からスペイン人に変身したり
アブさんの冨川祐樹さんが2幕最後で決闘で敗れ劇的な死を迎えた、はずが
3幕ではグラン・パ・クラシックの一員として涼しく馴染んで登場。てんやわんやな公演であったことも懐かしく思い出します。
次回こそは満席に近い状況に、そして交代混乱がありませんように。
ただ1点だけ改善願いたいのは、ジャンの肖像画。過剰なほどふっくらした体型なる名付けてお饅頭の騎士。
あの絵を観て、愛しのジャンとうっとり眺めるライモンダに感情移入できません笑。
ここはアリエフ版を上演した日本バレエ協会に頼み込んで、紗幕越しに本人が現れる演出を借りた方が望ましいかと。
アブさん役の早期発表も切に願います。そしてライモンダさんは、初演時のザハロワのように
決闘直前の鬼気迫ったジャンのマントを踏んづけないようお気をつけください。(管理人の初新国バレエ鑑賞はこの日でした笑)
それにしても男性主役、白黒両方で観たいダンサーばかりで男性の層が厚くなったと再度実感。
お2方とも両役似合いそうですから、渡邊さん井澤さんは日替わりで白黒対決なさったら
恐ろしく絵になりそうな予感大。醤油顔とソース顔の頂上対決実現なるか笑、妄想は膨らみ夢は広がり続ける管理人でございます。

吉田さんがゲスト出演されたときのライモンダ2004年の概要
https://www.nntt.jac.go.jp/season/s240/s240.html

公演写真。写本のような緻密な美しさです。
https://www.nntt.jac.go.jp/frecord/ballet/2004%7E2005/raymonda/raymonda.html


だいぶ長文化して参りましたのでダンスは短めに。
ソネットはどんな舞台であったか全く知らず。ただ想像する限り静謐でしっとりした作風で
両ペアとも楽しみが尽きません。

ダンスコンサート舞姫と牧神たちの午後2021ではこれまた再演を待ち望んでいた2019年初演のDanae登場に歓喜。
リンク先をクリックして飛び込んでくる大きめの舞台写真を目にしただけで、当時の衝撃が身体中を巡り夜眠れず笑。
誘惑するゼウスと異世界へと徐々に入り込んでいくダナエの呼応に再び火照るのは間違いない。
酒井はなさんと森山未來さんの共演にも注目。それからButterflyは2012年に鑑賞した平山素子さん作品集公演にて
本島さんと奥村さん、丸尾さんと宝満さんが披露された、ピアノの静かな旋律に
舞い上がるような激しい振付が自然と溶け込み、心地良さを感じさせた作品と思いますが
また何処かで観たいと思ってきただけに楽しみでございます。

非常に長い、読み辛い記事で恐縮。2020/2021シーズンも楽しみが尽きそうにないシーズンとなりそうで
長生きを頑張ろう決意。最後までお読みいただきありがとうございました。

返す返すもオリンピックパラリンピック年である2020年の今夏、ビントレーさん振付『ファスター』上演がないのが心残り。
お正月明けより五輪特集番組が目に入っては妄想キャストを組んでおります。
終盤に1人、赤バンダナ付けてにこやかに通過する競歩は今ならどなたが適役だろうか。
観てみたい気持ちは大だが、バンダナではなく鉢巻き付けて黙々真剣に
実際の競歩の細かな規定を厳守して歩く姿のほうが似合うか。

2020年1月5日日曜日

アリス事件ー上巻ー

明日から仕事始めの方も多いことと存じますが天気にも恵まれた本日、皆様それぞれの1日をお過ごしかと思います。
昨年の今頃は祖母が亡くなり正月明け早々慌ただしい日々でしたが、今頃祖母は20年以上前からファンであった
木村拓哉さんのドラマを満喫していることと想像しております。

前回管理人の年末年始についても少し触れましたが、恒例のテレビ放送が抜けておりました。
新国立劇場が会場となっているだけの理由で楽曲や歌手ではなく舞台機構の生かし方や
ホワイエあたりからの中継が目当てで毎年視聴しておりましたレコード大賞は管理人、
昨年は仕事納めが30日であったため視聴叶わず。しかし翌日の紅白歌合戦は視聴し
益々見分けがつかなくなる新進気鋭の男性集団の存在に時代の経過を感じつつ
年越しは長年『ゆく年くる年』派であった私も近年はバレエの絡みが嬉しい東急ジルベスターに移行し
東京バレエ団による木星と第九を堪能。(第九チームは屋外でも披露していたため強風による寒さが心配であったが)
そして元旦はウィーンフィルのニューイヤー。ジョゼ・マルティネス振付による
バレエ場面が振付衣装ともいたくお洒落で良き幕開けな夜となりました。
しかし管理人、ウィンナワルツといえば昨年末から年初にかけて
有名どころを近所の某大手価格挑戦スーパーマーケットでの大音量店内放送。
買い物を終え、退店しようとするも『こうもり』序曲が流れ始めては最後まで聴かずにいられず
ああ、ローラン・プティ版『こうもり』を新国立劇場バレエ団にて再演熱望。
日本人ながらこれぞ伊達男色男と唸らせた大名演者の舞台が色褪せる日は到来しないでしょうが
恐らくは役所か銀行勤務の係長で部長と部下の板挟み状態であろう生真面目なる
新生ヨハンお父さんも鑑賞したいと欲が募るばかりです。新聞黙読や最後しょぼくれての帰宅もお似合いでありましょう。
序曲での中心のドレスアップした女性は関晶帆さんで決まりだろうか。妄想巡りが止まらずでした。
新国立劇場の2020/2021シーズンラインアップ発表まであと数日、
赤鉛筆耳にかけてのダービーに明け暮れるバレエ団ファンも多数でしょう。

長々とした前置きはこの辺りにして。新国立来期のラインアップ発表後すぐに控えている公演はニューイヤー・バレエで
バレエ団初演作品としてDGVが上演。旅と列車をテーマとした作品であり第1区、第2区、と走行区間を設定しているようで
新春の恒例であり今年は区間新記録が多発した箱根駅伝を彷彿。旅といえば管理人もここ10年以上は幸いにして
バレエを通して全国津々浦々出向く機会に恵まれ、2020年は初訪問が1県、13年ぶりの訪問が2県
そして昨年に続き北海道と九州両方を訪れる予定が立ちそうであり、今年も旅三昧な1年となりそうです。

さてここからが本題。昨年ゴールデンウィーク期間に発生した、何処かで紹介と書きながら結局書かず終いであった
英国バレエ史に刻まれる偉大な振付家フレデリック・アシュトン版『シンデレラ』鑑賞後に
TGVではなく日本産の高速列車東海道新幹線に乗車して出掛け
DGVと同じくクリストファー・ウィールドンが手がけ今シーズン再演される『不思議の国のアリス』も絡んだ事件でございます。
以下、文字数多量で更には事件と呼ぶには過剰であるとのご指摘もあるかもしれませんが悪しからず。

遡ること昨年の4月下旬の新国立劇場バレエ団『シンデレラ』初日、終演後はそのまま東京駅へ向かい
翌日の関西における午前中に開始の誠に贅沢な有酸素運動に備えた前泊のため新大阪へ。
本来ならばそのまま宿泊先に直行が望ましいのでしょうが、その日の新国立『シンデレラ』は最たる楽しみな主演者でしたので
人生初、公演会場とは異なる地方にて乾杯の1人打ち上げ。当時の記事には、地下鉄中央線に乗って移動と綴ったところ
荻窪や吉祥寺を通る中央線と思われた方もいらした様子。よくご覧ください、JRではなく「地下鉄」中央線。
つまりは関東圏ではなく大阪メトロの中央線を指していたのです。
翌日の目的地は地下鉄中央線上の奈良寄りの地域であるため宿泊地も同沿線の宿を予約。
夜に新大阪駅到着後、翌日の目的地最寄駅1駅手前の深江橋にて素敵なお店を見つけて乾杯いたしました。
それがこちらです。






















東京でバレエを観た帰りであると話しつつチラシを見せると「同じナベの字や!シュッとした男前な顔しててええなあ」と
気さくに嬉しそうに反応じてくださり管理人ニンマリ。当時はまさか約5ヶ月後に
子ども白鳥大阪フェスティバルホール公演にて地元出身者の代役で急遽主演務めるとは知る由もありませんでしたが
大阪の方々にもっと観て欲しいダンサーであると語る私の話にも耳を傾けてくださり、
金色の装飾に彩られ鮮度も抜群なお造り盛り合わせや酒粕チーズにご主人厳選の美味しい日本酒をいただき
東京での鑑賞後に大阪にて乾杯するという異例中の異例ながら大満足な1人打ち上げでございました。

しかしこのとき大阪に来た主たる目的は翌日の用事ですからここは『シンデレラ』に倣い
日付が変わる0時には初台の魔法を解いて頭を切り替えようと決意。
0時前には宿に到着してチェックイン、さあこれですっきり大阪色に覆われると何ら疑いもせず
部屋の説明を受けていたとき事件は起きました。所謂ユースホステル型施設で
部屋ごとに名前が付いていたのですが、フロントスタッフの方から言い渡されたのは

「お客様のお部屋は、、、アリスです」

思わず耳を疑いましたが手渡された用紙には確かにAliceとの文字が明記。
あくまで部屋の名称であると言い聞かせても思い出すのは、構想から4年かかっての大プロジェクト上演であった
前年11月のバレエ団初演で連日完売であったウィールドン版『不思議の国のアリス』。
まあ国問わずよくある名前ですし偶然であったと考えようと再度言い聞かせて部屋へ。するとその途中、事件再び発生。
廊下に掲示していたフロアマップに目をやったのがあかんかった。飛び込んできたアリスの部屋の上に記されていた名称は

Jack





















冷静になろうと管理人、ジャックもまた豆の木の話や映画『タイタニック』主人公始めよくある名前である。
どうしても新国立でのウィールドン版アリスが脳裏に浮かんで消えないのであれば
ここは大阪、Kバレエスタジオ出身の福岡雄大さんジャックを想像すれば筋が通った結果に至ると考え付いたのも束の間
常日頃の思考を瞬時に変換させるのは極めて困難であり、もう諦めるしかない。
こうなったら朝食は以前にも利用して手頃でボリュームもしっかりあり気に入った難波の喫茶店カヴァリエでモーニングや。
その日は前年と同様夏のカヴァリエであろうかと黄色い外観を見ても阪神タイガースが脳裏に思いつかず想像は瞬く間に膨らみ
(東京の方からの連絡によればやはり夏カヴァリエ友人で他日も鑑賞)


















結局午前10時には脳内を大阪色で塗り替え、本来の目的地へと向かった管理人でした。
毎度変わらず優しくしてくださる関西の方々には頭が上がらず、幸福極まりない時間を過ごしたのち
無理矢理ではあるが星の精と感じさせる夜行バスに乗車して帰京し自宅に戻り小休憩したあとは再び新国立劇場へ。





















このときのバスでは殆ど眠れず約2時間睡眠であったにも拘らず睡魔にも全く襲われずむしろ目は冴え渡るばかり。
我ながら、中高大学時代よりも現在の方が体力があると思うのは実に疑問な不可思議な身体であると思いつつ
それはそうと素敵で渋い魅力ある夏カヴァリエも登場され、平成最後に鑑賞した新国立公演及びバレエ公演となりました。

ちなみにアリス事件、もう1発ございますが今回思いの外長い内容になってしまったため下巻としてまた後日。
我が親族も絡んだ呑気過ぎる事件ですのでお忙しい方は読み飛ばしいただき、その後は
新国立劇場2020/2021シーズンラインアップ発表における、毎度の当ブログ恒例
独断と偏見ばかりな意見繰り出しをNHK今夜も生でさだまさしの如く行う予定でおります。
勿論さだまさしさんのように機転の効いた言葉巧みな語りには管理人、到底及びませんが
私の中では年1回の大行事。『防人の詩』や『関白宣言』を流しながらあれやこれや綴って参りたいと考えております。
もう少し祝福感のある曲を選ぶべきとのご意見もおありでしょうが、
さださんの曲、管理人世代にて分かる曲は限られておりますのでご理解願います。

2020年1月4日土曜日

2020年代幕開けに伴いブログ新装開店





















2020年を迎え、皆様お正月を満喫なさっていたことと存じますが如何お過ごしでしょうか。
年末は管理人、30日まで仕事があり仕事納め日の朝は実に空いた電車で出勤。
31日の大晦日以降も遠出はせず、せっかくの子年及び年女なる幕開け。
昨年末の新国立くるみ第1キャストのネズミ王オリジナル振付による
股関節踊りを家で試すものの通常の5倍強の飲食摂取による身体の膨らみ重さが原因による床抜けを危惧し
加えて警察出動級の無様な怪しさには肩を落とし、プロが行うからこそ味があり絵になると反省し数秒で取り止め。
都内の百貨店にて開催の玩具展や物産館に出向きつつ過ごしております。

昨年も当ブログにお越しくださった皆様、誠にありがとうございました。
年々内容偏重及び文字多量更には更新速度も年末を除けば非常に遅くなるばかりで
舞台終演から1ヶ月も経過してからの感想掲載も1度や2度ではなく
編集や校正と手順が多いはずの専門家による寄稿が掲載された雑誌書籍や
新聞の発売の方が早いことも少なからずございました。
また素人感丸見えな読み苦しい箇所も増加傾向にあるにも拘らず何度もお立ち寄りくださっている方や
近年は鑑賞した発表会のスタジオの関係者様、保護者の方々もお読みになっているとの話も耳に入り
一層身が引き締まる思いでおります。関東近郊の公演や発表会であっても鑑賞記のみならず
必ずや酒場放浪記状態なる記事ばかりで方向性が怪しい内容ながら
目を通してくださいましたことに心より感謝申し上げます。

昨年大晦日の冒頭挨拶の通り当ブログ、容量が満杯間近となりましたため
2020年代突入に伴い引っ越しこちらにて新装開店する運びとなりました。
新たなブログ名称は迷いましたが、リラの精からすれば名付けの手抜き加減に唖然とするであろう
「ア」で始まるからと30秒程度で考えついた、以前の「アンデオールバレエ日和」を
当方も気に入っておりますためそのまま踏襲。区別化のため最後に何かしら文字や数字を入れようと思い
『ふぞろいの林檎たち』のようにパートⅡとしてローマ数字を付けるか、
『釣りバカ日誌』のようにひとまず数字を付けて長期化によっては副題を考えるか
『男はつらいよ』のように続や新、篇とするか、山口百恵さんの『プレイバックPart2』のように英数字を合わせるか
それとも『渡る世間は鬼ばかり』のように長期シリーズ化しても同名を貫くか映画や流行邦楽、連続ドラマを参考。
現代の若年層が親しむ文化にも目を向けんかとのご意見発生も重々承知しておりますが
熟考を重ねた結論、最後に「2」をつけて「アンデオールバレエ日和2」といたします。
本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
以前のブログはそのまま残しておりますので、2019年以前の記事はこちらよりご覧ください。
http://endehors.cocolog-nifty.com/blog/

尚2020年のバレエ鑑賞始めは成人の日を含む3連休に開催される新国立劇場バレエ団『ニューイヤー・バレエ』。
暫く日程が空きますため、昨年書きそびれた内容や呑気にも程がある親族日誌なる記事が続きます。
年始早々にそんな記事を読む暇なんぞない方が多数かと推察いたしますので、
通常の感想記事をお待ちの方は恐れ入ります、どうぞ3連休明けまでご辛抱ください。
また新しい仕様に慣れておらず写真の掲載方法も把握できず
レイアウトやデザインの変更が度々生じる可能性大ですが悪しからず。










上の写真:今年も愛飲いたします、金水晶さんのお酒と年女記念の贈り物としていただいた干支ウイスキー。
下の写真:昨年末最後の外食にて選んだチーズケーキ。
トッピングのマスカットとクリームが二匹のネズミさんに見えます。