2022年11月22日火曜日

ステージバレエアカデミーにて江藤勝己さんによるバレエセミナー『くるみ割り人形』





11月13日(日)、千葉県柏市のステージバレエアカデミーで開催されたバレエセミナーに行って参りました。
今月のテーマは『くるみ割り人形』。講師はスタジオの教師でもあり各方面でレッスンやリハーサルピアニストとして活躍され、
新国立劇場開場当時から長年ピアニストを務めていらした江藤勝己さんです。
https://www.stageballet.net/

会場は南柏のスタジオ内で、各自自由に椅子に腰掛けプロジェクターや白板を見ながら江藤さんの解説を聞き受講。
音楽構造の特徴やチェレスタの配送逸話、いくつかの版の比較まで音楽を軸にしつつ、様々な角度からくるみの作品を解剖していき
音楽の完成度が高いと言われる理由についても計算し尽くされた長調短調の流れを始め、事細かに説明してくださいました。
講座とは言っても物音一切立てずに静かに聞くような堅苦しさはなく、映像を見比べながらああだこうだ意見を交わしつつ衝撃や感激も声に出したりと
初受講、柏市初上陸の私も肩肘張らずに終始楽しんだ次第でございます。
更には人生初・雪の合唱体験までさせてもらい、これが想像以上に難しい!特に歌い始め部分につい出遅れその後全部崩れた私です笑。
カラオケも生まれてこの方経験回数は10回もなく、歌える曲は2曲限定しかもお若い世代は知らぬであろうもので
音痴な私もできるのか不安もありましたが意外にも気持ち良く、観には行けずであったものの
最近お世話になっているお方の1人が目黒にて雪のワルツを踊られた光景を浮かべたり好む版の雪の場面を思い出しつつ体験。
楽しく和気藹々とした雰囲気の中で学び一杯な講座でした。月に1、2回開催されているようで、次回は同内容で11月27日(日)に開催されます。

※12月は11日(日)開催とのことです!
https://www.stageballet.net/pdf/ballet_communication.pdf#zoom=100

現在偶然にも、2013年春から通っている五反田の清泉女子大学での守山実花先生が講師を務める生涯学習講座においても
同じく『くるみ割り人形』がテーマですが話の切り口も全く異なり、両講座の受講によって
クリスマスの風物詩として最早当たり前のように12月中旬以降に何度も鑑賞している作品をより面白く、淵部分まで注意深く鑑賞できそうな気がしております。

江藤さんとは遡ること9年前、振付された日本バレエ協会公演での酒井はなさん山本隆之さん主演『マリー・アントワネット』について綴った
前ブログ時代の感想の件で一旦接点があり、ペンネームではありながら恐らくは江藤さんであろう制作者の方からのコメントに驚き喜んだことは今も覚えております。
私の中で、酒井さんと山本さんはフォンティーンとヌレエフ、マクシモワとワシリエフ、ハイデとクラガンらに並ぶ
バレエ史に刻まれる黄金ペアであると思っており、お2人の主演作品を久々に目にでき感無量であったのです。
当時はお互い本名も正体も明かさぬまま年月が流れること早9年。先月アーキタンツでのレッスンにてピアニストを務められていて、
『ライモンダ』『ラ・バヤデール』ビントレー振付『アラジン』、『うる星やつら』始め選曲が素敵であった等の内容を当ブログに綴ったところご連絡が入り
もしや苦情!?と冷や冷やしながら開封したところ、曲の数々に幸福を感じていた私の反応がとても嬉しかったとの内容で一安心。
そして9年前の『マリー・アントワネット』における接点も確認し合い、セミナーのご案内もいただき
加えて私が極端にレッスン回数が少ない経緯も明かし、ようやく柏市にて対面に至りました。

アーキさんは大手のオープンスタジオで毎日あらゆるクラスが開講され、講師もピアニストも大勢が出入りしている環境で
恐らくは講師とピアニストの決まった組み合わせは無いと思われます。その中で、不定期の渡邊さんのクラスにて偶々江藤さんがピアノを担当。
江藤さんは渡邊さんとは初対面でいらしたと後に伺い驚きましたが更には当ブログの発掘にも仰天。
内容量は各記事ボリュームはあれどいかんせんアクセス数も多くはないため
私自身と同様に容量は重たいのだが存在感は埋没しており、よくぞ見つけてくださったと今も不思議な思いでおります。

実のところ、劇場ではなく熱心にレッスンに励む方々が集まるバレエスタジオにおいて私のようなバレエは鑑賞中心でレッスンは年数回程度、
いざ受講するも踊っているにはほど遠く、毎度ドラム缶が右往左往している状態にとどまる受講者は
スタジオやレッスン運営関係者の方々からしたら受け入れ難い珍型人間ではないかと思っております。
例えば私の身近には鑑賞回数は私と同じぐらいでありながら毎週2回なり3回なりレッスンに通い仕事とも両立させている上級者が何名もいます。
当ブログに時々登場するカウンセラー友人やアドバイザー友人、大学の後輩、後輩通じて知り合った彼女と同い年の方は週4回だったか。
先にも触れた目黒にて『くるみ割り人形』雪のワルツを踊られた方は今年他の舞台にも出演されています。
皆さんレッスンは少なくとも週に2回はこなす上に劇場通いもしていますから作品や音楽、テクニック、舞踊家の名前、と各方面に詳しくそしてレベルは上級。
鑑賞が好きでも自身では一切やらないならともかく私のような大幅な偏りもなく、
先月のアーキさんでのレッスンや、他のスタジオで5人とは何処かしらで一緒に受講しており、当たり前ですが覚えの早さや技術レベルの高さに圧倒され
日々通っているスタジオの先生からも信頼されているのは明らか。ズンドコドッスンな私とは大違いなわけです。
同じ鑑賞好きであっても努力と意識次第ではいくらでもレッスン回数を増やして鍛錬できるのでしょうが、私はそれがどうしてもできず。
伴奏される曲が耳に入りバレエ音楽であると曲によっては瞬時に5バージョンほど振付や舞台光景が脳裏を過ぎり、
或いは講師が踊られた時の舞台を年月日と共に思い出す有様で、音楽からの舞台想像力だけは在住区内グランプリでしょうが
レッスンには起動不要な脳みそであるとは分かっていても毎度脱せずでおります。
先月なんぞ最後のジャンプにて江藤さんが『ライモンダ』スペインを伴奏してださったとき、2021年の全幕公演において講師が踊っていらっしゃらない場面であっても
この曲終了から約5分後にはマントに剣で凛然颯爽と登場なさったあの日あのとき6月11日(金)、と場面外の光景が脳内を巡って
要らぬ想像力ばかりが働き、舞台光景と密に繋げて即座に考えてしまうのは受講者として如何なものかと思いながらもどうしても取り除きができず。
ですから江藤さんからのメールにどれだけ救われたことか。もっと振りの覚えに集中せいとの警告ではなく選曲への反応を喜んでくださった内容であったのは
自身が受講に望ましいとは言い難い対象とみなされる恐れすら時折募る不安をだいぶ和らげてくださいました。
それどころか偏りにもほどがある今の我がバレエ愛好体制を受け止めてくださったのです。

山本さんが出演していらっしゃらなかったら2013年の『マリー・アントワネット』も観に行っておらず。
渡邊さんが講師を務めていらっしゃらなければ今年アーキタンツでのレッスンも受講しておらず。
江藤さんとの9年越しの数奇なご縁はお2方が運んでくださったものと思っております。ありがとうございました。
鑑賞中心でレッスンは年に数回である、今年の比率は90回:5回程度(これでもレッスン回数は今年は大幅増加でございます汗)であろう
オープンクラスにおける、だいぶ珍型受講者な私にも優しく寛容に接してくださった江藤さんに再度感謝を申し上げます。
本当にありがとうございました。次のセミナー受講も心待ちにしております。



※数日前、アーキタンツのブログに江藤さんが紹介されました。CDも多種出していらっしゃり、『ライモンダ』は私も持っております。
そして各CDパッケージデザインが分かりやすい!取り間違い防止になりそうです。
音楽や知識を学ぶ座学の推奨も書かれています。 バレエ検定は協会のページであったか
最近は映像を見てテクニック名を回答する問題もあるようで、これは管理人解けません汗。
ランベルセがランドセルにしか聞こえないレベルでございます。(一応言い訳、小学校卒業間近、集合住宅の階段から滑り台を滑るが如くずりずりと落下したとき、
背負っていたランドセルがクッション代わりとなって背中を守ってくれたのです。
当時は管理人、現在よりも身体の重量数値が高かったため見事なまでにランドセルは潰れましたが
もし薄いリュックや何もない状態であったならと思うと恐ろしい、そんな思い出がございます)
http://a-tanz.com/staff-blog/2022/11/18141208


※江藤さんが手がけられた作品で特に心惹かれたのが、音楽監修を務められ、ウクライナやロシア公演でも好評を博したバレエシャンブルウエストの『タチヤーナ』。
今年5月に再演され、指揮者アレクセイ・バクランさんのご無事もどれだけ安堵したことか。
ご参考までに感想でございます。もっと優秀な方々が誰かしら書いていらっしゃるかと思いますが。
https://endehors2.blogspot.com/2022/06/blog-post.html




バレエ検定、2013年に受検いたしました。



帰り、柏駅にて地ビールと千葉産おつまみ盛り合わせ。店員さん達の柏愛、千葉愛が深し!



現在新国立劇場にて、ビントレー版『アラジン』衣装展示中。



裏から。きらきらとした衣装を眺めつつ、レッスンにおける江藤さんによるパドドゥ音楽のピアノと
引き上げできぬ上に重量感のある私はグラン・プリエで沈みっぱなしであった無惨な姿を思い出します。
せっかく講師が両手用いて軸の大切さや引き上げのコツを提示してくださったにも拘らず、ああ汗。



衣装説明書き。尚、道順がわかりづらいのですが確か2階の橋を渡っていくと突き当たり右辺りに階段があり、上っていくとございます。
プリンセスの入浴を覗き見したアラジンと違い、不法侵入はしておりません。



世界初演時の写真でしょうか、山本さん!

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