バレエについての鑑賞記、発見、情報、考えたことなど更新中
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2022年1月23日日曜日
貴さと風刺の2本立て 新国立劇場バレエ団 ニューイヤー・バレエ 『テーマとヴァリエーション』『ペンギン・カフェ』 1月14日(金)〜16日(日)
1月14日(金)〜16日(日)、新国立劇場バレエ団ニューイヤー・バレエを計3回観て参りました。
https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/newyearballet/
※キャスト等は新国立劇場ホームページより
『テーマとヴァリエーション』
【振付】ジョージ・バランシン
【音楽】ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
【美術】牧野良三
【衣裳】大井昌子
【照明】磯野 睦
14日、16日
米沢唯 奥村康祐
池田理沙子 飯野萌子 奥田花純 廣川みくり 井澤諒 木下嘉人 小野寺雄 山田悠貴
益田裕子 朝枝尚子 木村優子 中島春菜 原田舞子 土方萌花 廣田奈々 横山柊子
宇賀大将 太田寛仁 小川尚宏 上中佑樹 佐野和輝 西一義 西川慶 樋口響
15日
柴山紗帆 渡邊峻郁
池田理沙子 五月女遥 廣川みくり 池田紗弥
趙載範 中島駿野 中島瑞生 渡邊拓朗
朝枝尚子 多田そのか 徳永比奈子 中島春菜 原田舞子 土方萌花 廣田奈々 横山柊子
宇賀大将 太田寛仁 小川尚宏 菊岡優舞 佐野和輝 仲村啓 西一義 西川慶
2000年の初演以来バレエ団の得意作品の1本で、2017年NHKバレエ饗宴以来5年ぶりの上演。両日幕開きから拍手が沸き
清涼な宮殿背景にシャンデリアが映える空間にて 主役2人と女性陣12名が静止するポーズの折り目正しさ、そして無事開幕を祝す観客の気持ちから自然と出たのでしょう。
初日こそまだ全体に硬さがありましたが千秋楽は実に張りがあり、皆で音楽を豊かに奏で押し出しや調和も強まっていた印象です。
プログラムに掲載された上野房子さんによる解説を読むと、いかにこの作品が変則の連続であるかが分かり
何度か観ている作品であってもパーツごとには振付を覚えていながら順序が混乱する作品であると思え
クラシックを基盤にしつつ何処かお決まりルールを崩しているバランシンのセンスのどんでん返しな面白味にも気づかされました。
またチャイコフスキーの音楽の中でもとりわけ好きな、締まりある気品香る流麗な曲調で、これにキビキビと美しく変則に満ちたバレエも加わり
視覚も聴覚も興奮せずにいられず。中でも後半の大団円ポロネーズは毎度胸が高鳴ってしまいます。
米沢さんはNHKバレエの饗宴のときよりも一層音楽に乗り切っていて鋭い強さと品ある柔らかさがバランス良く共存し
1つ1つくっきりと示す明瞭なステップや大きく使う上半身の語り、女王然とした姿も視界を幸福で満たしていきました。
奥村さんは幕開きから満面の笑みで、パ・ド・ドゥからソロ、群舞従えての前進も安定な仕上がりで
初日と千秋楽は休憩挟んだ次の演目ではシマウマさんとして登場する過密公演であるとも思わせなかったほど。(今思えば今回は代役での登板でした)
米沢さんとの呼吸もよく合い、ただ手を繋いで左右に動く振付でも ぴたりと揃いつつ交わす視線からも爽やかな幸せが紡がれ
スピード感のある忙しいスライディングサポート移動の滑らかさや、支えている時も今幸せの絶頂と言わんばかりの余裕たっぷりなにこやかさに驚嘆。
恐らくは2019年の『アラジン』以来の主役共演かと思いますが、お互いの澄み切った美しい踊りが音楽と溶け合ってコール・ドを引っ張る君主な風格を醸すペアでした。
柴山さんは幕開きの堂々たる姿から、失礼ながら配役発表時に過った、後方の出演者達に埋もれる心配も飛んでいき美しいポーズの数々にはっとさせられた次第。
また『セレナーデ』ソリストのとき以上に強靭な足腰を生かした跳躍に胸躍り、対角線上に迫る大ジャンプは
直前に少し躓いたとは思えぬ豪快且つ高さ、正確さも保ち唸らせるものがありました。
渡邊さんは端然とした序盤から品格があり、幕が開き現れた宮殿の柱を背景に佇む、金と白のシンプルで胸元が広めに開いたやや古めかしい衣装が似合う姿も目の正月。
女性陣が踊る最中に後方から再登場するときの歩き方や、立ち姿からも貴い支配感を示し
昨秋の『白鳥の湖』記者会見で仰っていた「踊り方改革」、止まらずここでも効果が表れていました。
しなやかなバネや滞空時間の長い跳躍も光るソロ、大団円行進の力感ある統率力も二重丸で、今年に入って以降饗宴の録画をおさらいしては、
そもそもトゥールーズ時代バランシン作品の経験も豊富であったとの記事を5年前には読んでいた経緯もあって
遡れば2017年の饗宴開催時やその少し前の同年2月ヴァレンタイン・バレエでの上演時も両公演とも客席にて
いつか渡邊さんのテーマ、、、主役にお目にかかりたいと、まだ周囲には殆ど打ち明けてなかった当時既に願望を募らせていた約5年前が懐かしく思い起こされます。
テーマ、、、は数あるバランシン作品の中でも女王、王者な風格が主役に不可欠な作品と思っており、重厚で華麗な波が増していく音楽にも毎度聴き惚れており
何しろ山本隆之さんが2000年6月に新国立主役デビューを飾られた、目を光らせて観てしまう作品でのちに見つけた当時の記事は大事に保管しております。
(タイムスリップできるなら22年前に降り立って拝見したい)
饗宴録画を観ては、山本さんの記事に目を通しては格調高く君臨するお姿を想像し
いつか渡邊さんで観たい作品上位に入っておりましたので、念願叶っての実現に今も尚酔い痴れている今日この頃でございます。
さて2022年のニューイヤーでもやります髪型観察。今回はちょいと驚きな古式ゆかしい趣きへと回帰な纏め方で
髪全体を少々アップしてから分けたスタイルなのかもしれません。そういえば昨年の配信ニューイヤー『パキータ』と似ていたかと思いますが古風な雰囲気もこれまた魅力。
柴山さん渡邊さんの並びは私はいたく好感を持っているのですが、今回は引っかかるものがあったのは正直な印象。
Aキャストに比較すると音楽がゆったりであったのは理解できるのですが、それにしても遅く感じられ
特に大団円前のヴァイオリンソロを中心としたパ・ド・ドゥの部分はお2人とも時間を持て余し滑らかさに欠け苦戦している様子に思えてしまい
加えて初役同士緊張もあったのでしょう。表情も硬めで手に汗握る展開に見て取れ、好きなペアであるはずがこうも長く思えたのは初であったかもしれません。
管理人、下半身が引き攣った状態で鑑賞しており、パンパカパッパパーンの響きが聴こえると安心しきってやっとこさ全身の力が抜けた、そんな状況でございました。
昨年6月『ライモンダ』での夢の場も時折現実に引き戻されてしまう箇所もあったものの何しろカウントが取りにくいふにゃふにゃ曲調ですし(グラズノフよ、失礼)
それはそうと役柄としての並びは淑やか姫を愚直騎士が守り抜く我が一番なる理想であったため
また8月のバレエアステラス2021におけるガラ特別仕様パ・ド・ドゥは威風堂々としている上に呼吸がよく合い
抜粋であっても命懸けの試練や修羅場を乗り越えた経緯が見えてくる威厳や凛然とした姿で実に天晴れな仕上がりだったのです。
全幕公演における帰還場面のなんぞ、目を心臓印にしての語りを繰り返し延々と聞かされている友人知人の皆様、申し訳ございません汗。
話を戻します。『シンデレラ』も同作品共演の2回目2017年公演は物静かで慎ましいヒロインが王子と少しずつ心を通わせ幸せを掴む展開に頬を緩ませて見入り
直近では『くるみ割り人形』での複雑リフト満載1幕パ・ド・ドゥにおけるクララの躓きハプニングのすぐ後の持ち直しで
寧ろ吹っ切れて愛が深まり疾走感が増した姿も忘れられず。これまでの共演の一部を掘り起こしてみると
今回のテーマのパ・ド・ドゥにおいては会心の出来と言わんばかりの万歳は難しいと感じたのでした。一番引っかかるのは演奏のテンポなのだが。
身長も合わせたのか、米沢さん奥村さん組の水色ソリスト男性陣はやや小柄で小気味良い技巧達者な軍団。
対する柴山さん渡邊さん組は平均180cm超⁈華々長身山脈軍団。渡邊さんが率いての前進場面、格式高くそして大迫力でございました。(これが特に観たかった)
ニューイヤーから1週間が経ちますが、饗宴の録画を眺めては回想しまだ幸福に浸っております。
ところで、2017年の饗宴放送以来この作品鑑賞を夢見ていた妹も15日公演を鑑賞。新国立でのバランシンは2018年の『シンフォニー・イン・C』、
更に遡り2009年の新国立初鑑賞時が『セレナーデ』でしたが5年前の饗宴放送が大衝撃であったようで
新国立劇場バレエ団のテーマ、、、が観たいと願い続け、5年越しに叶ったのでした。
コール・ドにも大満足し、翌日くれた連絡内容には「テーマ爆上がり」の文字。姉も嬉しうございました。
勿論キャスト問わず新国立劇場での鑑賞は喜ばしいことですが、15日キャストで鑑賞してくれた巡り合わせに
もう暫くは前年2021年の幸運を繰り越してもきっと許されるのであろうと初台と満月に向かって手を合わせた次第です。
『ペンギン・カフェ』
【振付】デヴィッド・ビントレー
【音楽】サイモン・ジェフス
【美術・衣裳】ヘイデン・グリフィン
【照明】ジョン・B・リード
ペンギン:広瀬 碧
ユタのオオツノヒツジ:
木村優里、井澤 駿(14, 16) 米沢 唯、井澤 駿(15)
テキサスのカンガルーネズミ:福田圭吾
豚鼻スカンクにつくノミ:五月女遥(14, 16) 奥田花純(15)
原健太 小柴富久修 清水裕三郎 浜崎恵二朗 福田紘也
ケープヤマシマウマ:奥村康祐
木村優里 寺田亜沙子 細田千晶 渡辺与布 川口藍 益田裕子 今村美由起 関晶帆(14,16)
米沢唯 寺田亜沙子 細田千晶 渡辺与布 川口藍 益田裕子 今村美由起 関晶帆
熱帯雨林の家族:小野絢子、貝川鐵夫 谷口奈津(14, 16) 本島美和、貝川鐵夫 坂本藍菜(15)
ブラジルのウーリーモンキー:
福岡雄大
飯野萌子 加藤朋子
昨年のニューイヤー無観客配信でも話題となり、また今回予定していたアシュトン版『真夏の夜の夢』代替演目。
配信とは言え1年前に観たばかりと当初はさほど期待を膨らませておりませんでしたが、当然ながら映像と生では全く違い
終盤に悲しみが全身を覆い尽くす感覚は生だからこそでしょう。配信でしかご覧になったことがない、劇場では初鑑賞の方々も驚きを覚えている様子でした。
ペンギンは昨年に続き広瀬さん。足取り軽やかで愛嬌たっぷり、ちょこっとお澄ましな雰囲気もまた愛らしく
お盆持っての回転はするすると、されど要所要所でのバランスポーズもぴたりと決めたりと巨大な被り物をしていながら音楽の抑揚を表現する技量に見入るばかりでした。
ヒツジのときには序盤、お盆を持ったまま頭を左右に振りながら一緒に音頭を取って後方で見守り、やがて取り外されるヒツジさんのスカート部分をさらりと回収。
愛くるしく走って去り、アシスタントな役目も果たしていたとは実は2010年の新国立初演鑑賞以来初めて知ったのでした。
序盤の洒落た軽やかさからは一転し、終盤雨に打たれながらの悲しみ背負うソロも訴えかけて痛切感が押し寄せ
特に顔を俯き、羽をパタパタとさせる箇所は全身から涙が零れているかのよう。時間軸戻りますが、ウーリーモンキーとのサンバが賑やかさ最高潮に達して潔く終了し
暗闇と化したときには既に後方の隅に静かに佇む姿もまた、胸を突くものがありました。
同じ歩調で仲間達と舟に向かっていてもペンギンだけは乗れず顔を下に向けて片手を下に翳し
しかし乗れた生き物達も決して喜びは見せず静かに客席に視線を送る状態で幕。演奏の震える余韻と舞台からじわりと滲み伝わる悲しみが後をひく幕切れです。
ヒツジ初挑戦の木村さんは初日は少しばたついた様子もありましたが2回目はスタイリッシュな踊り方、歩き方を色っぽく披露。
米沢さんは大胆セクシーな魅力を全身で表し、ヒツジの顔を被っていて表情での変化が見せられぬ条件下であっても肩や腕、脚の雄弁な動きに引き寄せられました。
以前の公演での終演後ビントレーさんが客席前に立ってのお話会にて観客からの投稿質問にあったヒツジを被ったときの視界について、
「殆ど見えません」と即答されていたかと記憶。中でも暗がりはダンスパートナーへの信頼感で左右されると思われ
井澤さんはもう気持ち機敏な足運びになればとも望みも募ったもののダブルキャストのヒツジさんをお洒落に支え、導いていらっしゃいました。
カンガルーネズミの福田さんは一呼吸置く間もない、マラソンのような振付であっても、年齢重ねても、3日連続でも素早さを維持しながらの移動もお手の物。
静寂と愛嬌を交互に操りながらの最後も、観客とお喋りを楽しんでいるかのような余裕でお見事です。
(福田さんに限らず、ひょっとして2013年の再演を除けば新国立初演の2010年時と干支一回り12年ほぼ不変な布陣か)
ノミの五月女さんは弾力性抜群且つ粗も見せずきちんと音に刻み込む スキップに目を見張り、初役奥田さんは伸びやかでエレガントな風味もあり両キャスト堪能。
肩車から滑り台を降下するような着地も面白く毎度観察です。モリスダンスチームは清水さんが軽快で遊び心も濃縮し、チームを引っ張っていた印象を持ちました。
今回救世主並みの大活躍であったのはシマウマの奥村さん。初日と千秋楽は『テーマとヴァリエーション』で
代役である主演登板を忘れさせる好演をなさった上に、休憩挟んですぐシマウマ。
恐らくは汗もひかぬ状態でせっせと黒塗りしたり、上へ上へと引き上げ重要なテーマと打って変わってのずっしりと重心を下に向けた振付を
1日でこなすのはどれだけ過酷であったことか。しかも体力有り余っているような若い年代では決してないはずが
ゼブラガールの無機質なカウントと鬩ぎ合うようにシマウマの孤高な叫びと最期を気高く踊られ
背中のタテガミを見せながらしなやかな質感を思わせる中盤も目が離せずでした。
そして2日目は後世に伝わるであろう落とし物事件解決者として活躍。ノミチームの1人の帽子が落下し中央に放置されたまま終わりを迎えてしまい、
暗転し次のシマウマ登場までの合間に誰か回収に来て欲しいと観客も願ったのでしょう。
時間稼ぎも兼ねて拍手も長めに続いていたかと思います。しかし、誰も来ない汗。
このときばかりは客席もそわそわとした息遣いが充満し、あろうことかシマウマ登場のファンファーレが。
帽子はそのままの状態で幕が左右に開き、後方からシマウマが登場したわけです。固唾を呑んで見守るしかありませんでしたが
前進する振付を生かして帽子を自身の間近に移動させて振り向きざまに袖へ投げてゴール!に一見思えましたが惜しくも及ばず
幕前に落下してしまったようでちょうどゼブラガールとして舞台後方に立った米沢さんが振付の流れに沿ってさらりと後ろ蹴りして帽子は無事舞台袖へと入り一件落着。
帽子が落下したままの状態である旨は時間軸を考えると奥村さんに伝わっていたとは思えず
シマウマ1本での登板である2日目、さあ登場と幕が開いたら舞台中央に帽子が置かれ、不安そうに見つめる観客の異様な空気感も感じ取っていらしたでしょうし
踊りながら対処方法を考えていらしたかと思うと、参りましたと申すしかございません。過去にも落とし物事件には
『アラジン』の財宝場面でアラジンの八幡さんが宝石に見惚れつつ装飾物を回収したり、『ジゼル』にて樽から落ちた一房の葡萄を
ペザントで登場の木下さんが拾って縁起が良いと言わんばかりに奥田さんと喜び合ったり
牧版くるみ時代に出会いの場でなぜか落ちていた筒状の物を雪の精の細田さんがアラベスクジャンプに紛れさせて袖へシュートしたりと
他も含めれば多々居合わせておりますが、今回は物が大きい上に自然な回収ができる役目の人もいない状況下。後世に語り継がれる事件となることでしょう。
熱帯雨林は一層強まった小野さんの母性、短いソロでも本島さんの哀愁と包容力のある踊りそれぞれ見入り、優しい眼差しの貝川さんが両日登場。
慎ましく仲睦まじい愛情に溢れた家族が住処を追われる、静寂な中に潜む悲しさが舞台に暫く残りました。
空気を一変させるウーリーモンキーの福岡さんは音楽の中で遊びながら周囲をぱっと明るくさせ
跳びながら上階末端席にまで向ける挨拶するような視線の余裕っぷりにもびっくり。
終盤の降雨の場面では走りながらノミの五月女さんや奥田さんを日替わりでリフトしつつ下ろしてまた走る繰り返しも
相変わらずの滑らかさで年末年始の『くるみ割り人形』若返りに続き仰天でございます。
幕開きにはペンギンウェイターであった飯野さん加藤さんが今度は濃厚ピンクな衣装でサンバのモンキーのお供をする姿も闊達で可愛い魅力一杯。
ペンギンとモンキーの助さん格さんな役目なのかもしれません(違うか)。
冒頭と少し重複いたしますが、配信と生ではこうも違う理由を再度考えを巡らせてみると、
それぞれの生き物役の見せ場最後に向ける視線と演奏の余韻が交わって会場を包み込む感覚に左右されると捉えております。
英国での初演が1988年ですから、ペンギンを軸にしたお洒落なバレエに環境問題や自然破壊を盛り込み痛烈な余韻を残す作品をいかにして思いついたのか
ビントレーさんの構想力に再度平伏すばかりです。初演から4年後の1992年の英国ロイヤル・バレエ団来日公演での上演時における客席の反応も気になるところで
管理人、この30年前の来日公演は『ラ・バヤデール』しか観ておらず。また知識皆無でプログラムの写真から
ノミが戦隊物にしか見えなかったり、シマウマを着飾る女性達の意味合いも分からず終い。
昨年の配信でも同様の内容を綴った記憶がございますが、当時ご覧になった方の感想を聞いてみたいと思っております。
くるみに続き2022年の幕開けを彩った高貴な宮廷を思わすバランシン作品と、風刺を効かせたビントレー作品。どちらも観続けたい作品です。
今回、年始まで12回公演が続いた『くるみ割り人形』から時間を空けずの開催で練習時間の確保も労苦があったかと察しますが
蓋を開けてみれば、世間の状況を考えると1月半ばまでの日程を組んだのはかえって良かったのかもしれません。
開幕するか否か、直前まで心配が尽きずであったニューイヤー・バレエ。まだまだ不安が立ち込める日々であっても
くるみも終えて2022年の始まりを祝す公演が無事開催でき、未だ安堵と喜びで満ちております。
※バレエアステラス2021フィナーレが少し前に公開されました。グラズノフの華麗なポロネーズにのせて
大トリとして柴山さんと渡邊さんがご登場。堂々たる『ライモンダ』でした。
『パリの炎』には、スロバキアから帰国し新国立に移籍された上中さんがご出演です。
※以下順不同でございますが写真諸々。
幕間にマエストロにて。再度テーマを思い出しつつ乾杯。
洋梨のタルト。小ぶりですが洋梨がざくっと多めに入っています。
中日は無事の開幕とテーマの鑑賞を祝い、静かに乾杯。上品な味付けのイタリアン、美味しうございました。
タコのサラミ仕立て。ユニークな前菜です。
レモンバターのリングイネ。まろやかさの中にレモン爽やかさとピリっと締まりある唐辛子が効いていました。今回はテーマの影響か白いお酒が続きます。
中日、妹も13時過ぎには劇場到着を決意してブリッジカフェにてケーキを食する予定でいたようですが
のんびり屋さんのため(身内といるとき限定か。職場ではきちっとしていそうなのだが)だいぶ遅れるとの連絡。
姉、1人でいただきます。苺がごろごろ、クリームは軽めのふわり感。好みな味でした。
13時40分頃、ようやくやって来た福島県白河市のご当地キャラクターしらかわん似の可愛らしい美女
(つまり妹。昨秋新白河駅到着時に視界に入ったお出迎えしらかわんのポスターを目にして似た傾向な可愛らしさに目を疑ったほど。
私とは大違いで容姿良し性格良し頭も良し加えて芸術家肌。長所無き不出来な姉に似なかった点は親類縁者も安心しているであろう)が向かいに着席。
妹はお茶だけ飲みつつ、プログラムを眺めながら本日のキャストをざっと確認。偶々この日が空いていたらしく、キャストは問わずで来たようでした。
姉の立場を利用し無理矢理土曜日のテーマキャストに鑑賞を合わせるよう強制したわけではありませんので誤解無きように。
妹が新国立を初めて観たのがビントレーさん着任前年の2009年のバレエ・ザ・シックですので
ペンギン・カフェのベテランキャスト勢はまさによく覚えている方々ばかりであるの様子。
本島さんや小野さん、米沢さんや福岡さん、福田さんらのお名前を見ると安心感を覚えると同時に
主演舞台は初めて観るテーマとヴァリエーションの柴山さん渡邊さんペアも楽しみなようでした。
カウンセラー友人と。途中まではアドバイザー友人も。静かに公演振り返り。
そしてユニオンジャック柄の箸袋を眺めているとビントレー作品ももっと観たいと欲が出て、『カルミナ・ブラーナ』是非。
『パゴダの王子』は情報の入手伝達が容易な時代に作られたとは思い難い東西南北の王達の描き方が気に食わぬがそれはさておき
もれなく髷姿にお目にかかれると思うと「キャストによっては」王子役を観てみたい気もいたします。
ただテカテカ光沢な着物が好みでないのだが笑(新国立初演のとき、マツケンサンバを彷彿)。髷姿と着物衣装は浦島太郎で間に合っているが
ああしかし終幕の敵退治の棒アクションは観たいかもしれぬ、と8年前の公演模様が巡ります。
ニューイヤー関連の仲間達。ラスクは干支にちなんだ、阪神タイガース仕様。昨年末のくるみにて、大阪の方からお土産にいただきました。
黄色い模様が入っていて、歌詞はよく知らずでも六甲おろしを歌いたくなります。
甲子園球場には何度か足を運んでおりますが阪神戦観戦の経験無く、一度はあの濃い観衆の中に入ってみたい気もいたします。
ぬいぐるみは4年前の平昌五輪中に購入。家族にスホラン好きがおりました。目眉がきりっとしていて賢そうなお顔です。ー(我が家ではトラちゃんと呼称)
ニューイヤーブレンドコーヒーは妹から。ヤギさんが富士山登頂に成功した、おめでたい赤と金色の袋デザインです。
大切に保管しております、山本さんが『テーマとヴァリエーション』にて新国立劇場で主役デビューされた当時の記事のコピー。
素敵な記事で多くの方にお読みいただきたい気持ちは山々ながら大昔の出版ではない本のページ丸ごと載せるのは憚られ、画質落としております。
このダンスマガジンの評によれば大畠律子さんとの共演について「思いやりに満ちた優雅さで包み込み、素晴らしいパートナーシップを築き上げた」とのこと。
うう、叶うものならタイムスリップして当時の舞台に居合わせたい。
テーマ初演時は4人のソリストで、そのときパトリシア・ニアリーさんの目に留まり、次の上演時の主役抜擢に繋がったそうです。
先に触れた内容と重複いたしますが、王者な風格を備えた高貴な君臨を求められる、バランシン振付の中でも別格と思える作品に元祖王子と新鋭王子が主演。
管理人、2000年の想像と2022年の回想をひっきりなしで往来真っ盛りでございます。
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