2021年12月31日金曜日

2021年バレエ総括









2021年もあと僅か。今年も昨年に続き大変な状況下で、管理人の勤務先は現在も昼休みや帰りの従業員同士での食事やお茶も含め禁止令継続中で1人且つ黙食徹底。
飲み会や会食、親睦会は消え失せる方向にございますが、劇場では多くの素敵な舞台に出会い
管理人と同じ誕生日でいらっしゃる元競泳選手の岩崎恭子さんの名言の真似ではなく、紛れもなく今まで生きてきた中で1番幸せな年でした。
プロアマ問わず、好みが云々はまず置き、劇場にて極上のショータイムを届けてくださった
舞台関係者に皆様への感謝は尽きません。ありがとうございました。時には中止や配信切り替え、演目変更等も発生し
封じ込めが第一とは言えどもゴールデンウィークにおける突如の緊急事態宣言には肩を落とし
人流抑制のためとは分かってはいても悔しさが残った、生で立ち会いたかった奇跡の、世紀の共演コッペリアファーストキャスト陣でございます。
どうか再び主役級同士としての共演が叶い、次の機会は客席から拝見できますように。
また作品においてはあらすじ、振付、音楽全てにおいて最も好きな『ライモンダ』大当たり年。
私がプロフィールに挙げている数少なき心から好きなダンサーのお三方である元祖王子、新鋭王子、アレクサンドロワ姐様、そして大事な大事な後輩、と
全4名とも『ライモンダ』全幕或いは何かしらの曲で踊った2021年でした。

ところで当たり前ですが年齢を重ね中高年のいずれかには属する管理人、近年はお若い方からも学ぶ出来事が益々増え、来年何処かの機会に紹介予定でおりますが
先日劇場の席にて隣になったZ世代の女性とのやり取りで心が誠に洗われた日がございました。
私も今一度純粋な感性を持ち、そして他人からの時には納得困難な指摘や助言であったとしても
うっせえわ、なんぞ口走らず不満を募らせず、謙虚な人柄でありたいと思ったものです。
そのお若いお方はまだ観劇回数が少ないとのこと。お1人で購入しての来場時は隣席者がどんな人であるか霊能者でない限り分からず
マナーの良い、こんな人が理想だなあと願っても自身でも選べず、まさに隣席者ガチャ。隣近所の方次第で劇場でのひとときの楽しさを左右される場合もあり
私は何も貢献しておりませんが次回もまた初台に行きたいと思うきっかけになったなら嬉しいと
その方のお母様と同世代であっても何ら違和感のない管理人は願ったのでした。

振り返ると当ブログも移転前も合わせれば来年で開設9年が経ち、開設間もない頃から読んでくださっているらしい最年少世代!?当時中学生であった方が今や成人となり
お酒が飲めるようになったとのこと。年月の流れは早く、そしてこの青少年の健全な人格形成には不向きな捻くれた呑兵衛が書いたものを
思春期の頃から目を通していても素直で優しい大人になっていて、保護者の方々の育て方が宜しいのでしょう。
加えて年月の経過と共に表現においても一層留意する必要性も感じております。中でもジェンダーフリーが叫ばれている昨今
女性らしい、男らしいといった表現は控えるなり、気をつけねばと日々表現の引き出し増加を目標に掲げる今日この頃です。
そうは言っても私がつい妄想を綴りがちであり、今夏に叶った初台における干支一回りぶりの某作品の全幕上演中盤での
1人の女性を男性2人が命懸けで奪い合う修羅場に胸は高鳴り、目は心臓印になり
理想の助けられ方だの守られ方だの女子の夢なんぞ巡っていたのはお許しください。(但し金曜日公演限定)

さて今年もやります、年末恒例のバレエ総括。2021年は一部配信も含めおおよそ80回鑑賞(数える気力がない汗)、北は北海道から南は佐賀県まで
全国津々浦々ゴン攻めして参りました。同じ年に東北2県へ出向いたのは初でございます。
今回の総括は以前よりは簡潔志向にしており鑑賞後の一杯の写真を載せず、特に記念の一杯や料理等のみに絞ってちゃっかり後ほど載せるかもしれませんが
それでも長々延々続きます。今夏世界をある意味で沸かせた、ぼったくり男爵による長時間スピーチに終始耳を傾けられた
勇者並みの忍耐力の持ち主でいらっしゃる方は以下、どうぞ。



※1番上の画像は2021年この6本!なる舞台のチラシ等を貼り合わせた写真。中央は圧倒的公演ですが、これまでの人生最大の幸福を運んでくださったのは事実です。
★★★新国立劇場バレエ団 ローラン・プティ版『コッペリア』5月8日(土)
★★新国立劇場バレエ団『ライモンダ』6月11日(金)
★★板東ゆう子ジュニアバレエ25周年記念発表会『ライモンダ』2、3幕ほか 9月5日(日)《愛媛県西条市》
★★バレエ スタジオ プラネ 第35回記念発表会『パキータ』『眠れる森の美女』3幕ほか 9月19日(日)《福島県白河市》
★★新国立劇場バレエ団『白鳥の湖』10月31日(日)、11月3日(水)
★★篠原聖一リサイタル『アナンケーノートルダム・ド・パリーより』 11月7日(日)

※一応各舞台名をクリックすると感想に飛ぶようにしておりますが、不具合があったら申し訳ございません。
※延々好き勝手に、普段以上に折り目正しさ無き振り返りでございますが悪しからず。


●1月
【お茶の間観劇】キャピトル・バレエ団(トゥールーズ)  ヌレエフ・プログラム
渡邊峻郁さんが新国立入団前の在籍バレエ団であるため興味津々に昨年大晦日と今年の元旦に視聴。
大変上質で丁寧な舞台でヌレエフ特有の複雑でややこしい振付もきっちりとこなしていた印象を持ち
ライモンダ3幕の紫や濃い目のピンクを重ねた衣装も上品且つゴージャス。

【お茶の間観劇】新国立劇場バレエ団ニューイヤー・バレエ  1月11日(月祝)
本番2日前ぐらいだったか直前に中止決定。吉田都監督やドンキでの開幕にスポットを当てたNHKプロフェッショナルの放送翌日であったかと思います涙。
バレエ団としては18年ぶりのパキータ、米沢さんの磨き上げられたクリアで美しく艶やかな踊りに
残念衣装であっても(無難系白地クラシック衣装)観るからに「青年将校」な渡邊さんのリュシアンで新国立2021年幕開けでした。
そして管理人宅の窓ガラスから差し込む光やテレビの位置の関係で、時折リュシアンの眉毛が浮いて見えてしまい、こち亀の両さんに見えかけた笑。
ペンギン・カフェはあらら来年2021年のニューイヤーでも上演。今度こそは観客入れての再演!

谷桃子バレエ団『海賊』エルダー・アリエフ版  1月16日(土)
福岡雄大さんがコンラッド役で客演。
アリは不在。花園の夢を見るのはコンラッドで、開始から早々に下手側手前にてうつ伏せで倒れて夢見る設定。
その姿がどうしても事件現場に見え笑、うつ伏せコンラッドに沿うように全身の回りをロープで囲んで
パシャパシャッと音をけたたましくたてながら撮影する捜査員達が視界に入ってきたのは気のせいか。
それはそうと、仲間割れや犠牲者も出ず最後は皆で大団円、平和な海賊。

東京シティ・バレエ団 ウヴェ・ショルツ・セレクションⅡ  1月23日(土)
シティが踊るショルツ作品は毎度観たくなり、清水さんを軸としたオクテットに今回も惚れ惚れ。そして来年早々にアレグロ・ブリランテに代わって再演が急遽決定。
air!の瑞々しさ、天地創造はバレエアステラスで観て以来また観たい作品であったためレパートリー入りが嬉しい限り。

バレエカレッジの講座 マエストロ・井田勝大氏「バレエ音楽の魅力と秘密」『眠れる森の美女』前編  1月30日(土)
眠りの音楽大解剖シリーズ。眠りの中で最も好きな部分の1つであるパ・ド・シスの振付と音楽の関係が少し分かり、勉強になりました。

松山バレエ団2021新春公演 新『白鳥の湖』1月30日(土)
初めて森下洋子さんのオデット/オディール拝見。年齢を重ねたからこそ滲み出る云々を超越し、ううむ。30年前に観たかった気持ちは拭えず。
日中国交正常化前からの中国公演開催の道のり等松山バレエの軌跡を綴った、創立者清水正夫さんによる書籍は読めば読むほど引き込まれただけにああ。

●2月
日本バレエ協会主催創造されたバレエの夢 Ballet Creation 2020 Special 記録映像上映   『真紅の風流るる地にありて踏みしむ土の薫黒き』『Bourbier 』 2月6日(土)
矢上恵子先生振付の中で初めて鑑賞した作品である『Bourbier 』(初鑑賞は2007年の大阪初演、映像は2009年のバレエフェスティバル公演)を映像で目にでき感激。
今観ても、訓練に訓練を積み矢上先生の精神が宿る方々の凄みがスピーディーに展開し、そして若き頃の福岡さんのソロも圧巻。

NBAバレエ団 ヨハン・コボー版『シンデレラ』2月6日(土)
リモート指導の先駆け!?としても話題となった、バレリーナを目指す少女の物語にしたコボーさん版シンデレラ。
序盤は話の展開がちょいとゆっくりめにも感じましたが、浅井杏里さん岩田雅女さんによる鉄壁姉妹
そしてヘイワードに代わり急遽英国ロイヤルからのゲストとして登場した高田茜さんシンデレラのナチュラルで高らかに歌うテクニックを駆使した踊りも堪能。

日本バレエ協会主催創造されたバレエの夢 Ballet Creation 2020 Special 記録映像上映 『真夏の夜の夢』『七つの短編』2月8日(月)
真夏は2014年に、七つの、、、は2017年に鑑賞。後者は難解なシリアス作品でしたが、
キミホ・ハルバートさん版真夏の白を基調とした可愛らしいユーモア一杯な振付演出は久々に観て胸が甘く染まり
本島美和さん山本隆之さんによるタイターニアとオベロン夫婦の崇高なだけでなくどこか可愛げな面も引き出された作品でした。

バレエカレッジの講座 マエストロ・井田勝大氏「バレエ音楽の魅力と秘密」『眠れる森の美女』中編
ワーグナーとの関連にも触れ、これまた面白い発見の連続でした。そして楽譜を用いての説明は、携帯電話の画面をそのままテレビ画面に映すアプリが活躍。

新国立劇場 スカイツリータウンにて舞台美術展で巡るオペラとバレエの世界
立地柄、観光や買い物に来た客層がふらりと立ち寄り易く思いのほか賑わっていました。竜宮の映像紹介が子供達の興味を惹き
1幕大団円場面ではお魚さんたちがヨーイドンしている!と嬉しそうに眺めている男の子も。
太郎やイカの衣装展示もじっと見入りました。

新国立劇場バレエ団『眠れる森の美女』2月20日(土)〜2月23日(火)  計4回
吉田都セレクションに代わっての上演。(そして来年も一部変更が涙)まず木村さんと、急遽の代役登板の奥村さんによる
本拠地全幕での初組み合わせの並びのバランスと言いストーリーの運び方といいお似合いペアで驚嘆。
淡いタッチの絵本から飛び出した、ピュアな恋物語が存在していました。
奥村さん王子の、悲しい寂しそうな表情がまた宜しく、そこへ愛らしいお姫様の幻影が現れた、と妙に納得な展開でした。
米沢さんと渡邊さんは完成度が非常に高く、グラン・パ・ド・ドゥでの格式、威厳がもはや戴冠式(友人の表現拝借)。
薄目の色味の衣装と重々しい色彩の装置のアンバランスも忘れさせてくださったほどです。
イーグリング版の王子はリラのお膳立てでハイ、姫と口づけな進行でむちょっと王子に試練を与えて欲しいと不満はあるが笑
ツンツン戦法(剣先で蜘蛛の巣を2回ほど軽く突つくとハイ、カラボス退陣)でもこれはこれでまあ良いか。
そして、プリンシパルになられてもやっぱり観たいのは渡邊さんの韃靼王子ことロシアの王子。
あの中央アジアの騎馬民族っぽい渋めの衣装が生来の鋭めの目元のあるお顔立ちにいやあ似合うんです。
茶色い軍馬に跨って草原を駆けてきたのだろうなあと容易に背景まで想像。
井澤さんによる白いレースっぽい衣装でイタリア王子に扮した姿の隣に並ぶと金閣寺と銀閣寺が同時出現したかの如き存在感に圧倒された2017年が懐かしい涙。
話を2021年に。細田さんのリラはやはり絶品。マイムの雅やかさ、妖精らしい透明感、年齢を重ねるたびに美しさが増している印象です。

東京バレエ団『ジゼル』2月27日(土)
秋山さんがジゼルデビュー。秋元さんアルブレヒトと丁寧に感情を重ねていく清らかなヒロインでした。浮遊感あるウィリもお見事。
ウィリ達のおどろおどろしさ、冷たさが抑えられ柔らかさを出した変化も面白く鑑賞。佐野志織さんの事前解説記事も勉強になりました。

井上バレエ団2月特別公演 関直人を偲ぶ   2月28日(日)
白河が生んだ偉人、関さんの追悼公演。日本舞踊とワーグナーの震える曲調との融合がマッチしていたゆきひめ、
プロコフィエフの古典交響曲を用いたクラシカルシンフォニーのカラフルな色彩美も宜しく古さを思わせぬ作品でした。

●3月
日本バレエ協会公演コンテンポラリーとクラシックで紡ぐ眠れる森の美女 3月6日(土)7日(日)  計2回
今回は異例で、コンテンポラリーに眠りとクラシックに眠り3幕の2部構成。
木村さんと渡邊さんが前者に主演です。これまたあんまり強そうな王子ではないのだが笑、代わりにセーラー戦士彷彿の強き妖精達が大活躍。
王子は銀色スーツに銀色ヘアで初日は何じゃこりゃでしたが笑、ローズアダージオを丸々使ってのパドドゥにおける
本来ならば大人数を使った絢爛な空間で流れる壮大な曲であっても身体の奥底から感情を沸かせ且つ危険度も高そうなスリル多きサポートも
音楽の抑揚と呼応して難なく、しかも喜びの顔を浮かべながらこなしてしまうお姿にびっくり。
渡邊さんならば、ドミニク・ウォルシュ振付で新国立のオリジナル作品発信公演エメラルドプロジェクトで初演以来再演から遠ざかっている
『オルフェオとエウリディーチェ』の後半に登場する20分?にも及ぶ複雑な長いパドドゥも
妻を助けようと奮闘する心の内も表現しつつ出来そうに思います。山本さんの名演の印象が真っ先に浮かぶ役ですが、いつか観たいなあ。

篠原さん版の眠り3幕は、篠原さんご自身が国王役を務めていらした2018年の北海道厚生年金会館閉館公演での同作品3幕の振付にも通ずる
王様がダンスを披露する演出で何だか嬉しく(そのときのデジレ王子は渡邊さんであったのだ!)
日替わりの長靴猫&白猫ペアが両日見応えあり。テクニック達者ペアといたずらっぽさが愛らしいペア、共にハイレベルでございました。

牧阿佐美バレヱ団プリンシパル・ガラ2021  3月13日(土)
ル・コンバとライモンダ3幕の順序が歴史大河ドラマな構成。特に初見の前者は音楽がまさに歴史映画を観ている気分となり、また観たい作品です。

吹田市制施行80周年・メイシアター開館35周年記念第186回吹田市民劇場『白鳥の湖』3月21日(日)《大阪府吹田市》
山本隆之さんが振付演出の、オディールの存在をより目立たせロットバルトとの親子愛にも焦点を当て
オディールのグラン・パ・ド・ドゥはオデットの名前にしか表記がない米沢唯さんが踊るあっと驚く仕掛けで意表を突く展開。
山本バレエ団結成かと感じさせる、所属団体バラバラとは思えぬ一体感も素晴らしや。
山本さんのお人柄の魅力にも再度触れた気がいたします。井澤さんの感情の入り込みやパドドゥもこれまで以上に良く、山本さんの指導が隅々まで行き届いた成果と思います。
そして衣装の大半が新国立劇場で使用の牧版白鳥のもので、幕が開いてびっくり!!山形公演を前にまた目にする機会が持てるとは!!

舞姫と牧神たちの午後2021  3月26日(金)〜3月28日(日)計4回
コンテンポラリー界の紅白歌合戦並みに豪華な面々が集結。初日は1演目終わるごとに出演者が客席にいる振付家につないでの挨拶で、NHKのど自慢のようで面白かった笑。
そして初演時以上に官能性を色濃く出し、身体の可動域の豊かさや狂気じみた視線、
脂肪が一ミリも無さそうでミケランジェロが生きていたら間違いなく彫刻刀を握りモデルにしたい欲に駆られるであろう渡邊さんの裸体ゼウスに感嘆。

  ▼バレエ音楽の魅力と秘密《第16回》 「眠れる森の美女」後編
予定2回が追加で3回目も開催。ポロネーズ挿入事情を始め、3幕の音楽解剖でした。
現地参加者、オンライン参加者双方が聞きやすいよう画面に映し方など配慮がなされた構成に毎度感謝でございます。

●4月
新国立劇場バレエ団山形公演『白鳥の湖』4月10日(土)《山形市》
人生初の山形上陸。昨年の中止を経ての新国立初の東北公演及び最後の牧版白鳥。花嫁候補たちの清楚なお国柄デザインの白い衣装や
パドトロワの男性ブルー&女性のレース状緑の気品ある衣装ともおさらばでちょいと寂しい。
んで、キャストは主役のみ事前発表であとは到着後のお楽しみという昨年の札幌と同じ状況。
ロビーにて念じてプログラム開いてみると、トロワにお名前ありました、ヤッター!
山形来て、米沢牛も食べて、ワインも飲んでからの渡邊さんトロワを目に焼き付けました笑。
私にとって人生初のバレエ鑑賞が白鳥で、しかも当時最も印象深かったのが主役ではなくトロワであったため(何でかはようわからん)
時はだいぶ経過してはいるが、最後の牧版白鳥にて思い入れある役での見届けを渡邊さんでできたのは嬉しうございました。
山形交響楽団さんの張りとゴージャス感ある演奏も大変素敵で好みな演奏でした。山響さんのファンの方々も大勢いらしていたようで、また新国立と共演を。

「踊れ、その身体がドラマになるまで〜振付家・矢上恵子 作品上映会&メモリアルトーク〜 」
恵子先生の作品を多数映像で鑑賞し、しかも4人の愛弟子達が登壇した夢のような企画。
とにかくどの作品もスタイリッシュでそして過酷そうで踊りこなすダンサーの力量には平伏すばかり。
恵子先生作品は関西や山陰、東京、横浜でも観てはおりますが、これからも継承して行って欲しいと願います。
司会進行の桜井多佳子さんから次々と飛び出す恵子先生のエピソードにも聞き入ってしまいました。
開催当時のバレエカレッジでは、オンライン視聴人数が歴代最多だったとか。

【お茶の間オンライン】上野の森バレエホリデイ2021
今年こそは現地企画も盛り込んで、のはずが直前に発令された緊急事態宣言のために今回もオールオンラインに急遽切り替え。
それでも在宅で楽しめるプログラムを発信してくださり実行委員の方々や大急ぎ⁉で作られた感が寧ろ感謝を一層募らせる
ダンサーリレーインタビューなど、関わった方々の即座の切り替え力に頭が下がりました。

5月
★★★ 【お茶の間観劇】新国立劇場バレエ団 ローラン・プティ版『コッペリア』配信  5月2日(日)〜8日(土)計4回
これはもう今年の、いや、生涯の決定打!8日の千秋楽は地球上で最もうっとり見惚れる男性お2人が、
鑑賞歴32年の歳月において男性ダンサーで心から虜になった、たったお2人が、揃って同じ舞台に上がって共演!!!!!!!!!!
しかも互いに主役級での登板。恐らくは、人類でこの共演を最も喜んだのは私やと思います。14時40分、その時歴史が動いた!!!
山本さんと渡邊さんが同じ舞台に並んだ瞬間、我が1ページに記念として刻まれました。
この作品、軽やかな喜劇であるのは勿論魅力なのですが、
千秋楽を観て思ったのは翳りある美しい場面こそ見所でもあること。2幕序盤で
コッペリウスに腰掛けさせられ、蝋燭の炎に照らされ本にも興味を示す知的好奇心旺盛そうな渡邊さんフランツと
フランツの背後から近づく山本さんコッペリウスの宿る神秘的な美の凝縮度よ!!!
フランスの古い文芸映画の一コマのようでした。
山本さんコッペリウスの洗練されたお洒落な仕草からのコッペリア人形を愛おしむときの狂おしさと
人形が壊れてしまったときの悲哀、コッペリウスのドラマティック物語にも思えた極上舞台でございました。
プティ版コッペリアには干支一回りぶりのご出演!前回はフランツでの登板でした!
それにしても繰り返しにはなりますがコッペリウスとはシャンパンパーティー、フランツとは恋仲でほっぺをツンツンされ最後はお姫様抱っこされる
世界一幸せな小野さんスワニルダよ!!!!!!

さて話を世紀の奇跡の共演に戻します。軽妙洒脱な作品共演も歓喜いたしましたが、表現の深さや厚み、内面の歪みや狂おしさをも追求できる造形力も共通するお二人で
パートナーとの会話が聞こえてきそうな、そしてパートナーを乙女にさせてしまうパドドゥの技術も長けたお二人ですから(だから好きなんだ!!)
より重厚な、運命の歯車が狂う作品や生死がかかった壮絶系でも観たいと欲が沸騰。
まだ諦めておりません、エイフマン版『アンナ・カレーニナ』そして15年前に映画で鑑賞した『トリスタンとイゾルデ』。
両作品とも大人の余裕と風格ある男性と、負けん気の強い情熱家な若者が1人の女性を巡り対峙する展開で
特に後者の作品ははお仕えする王の妻と昔から関係が出来上がっている、武勲誉れ高い戦士が抱える一層複雑な苦悩も求められ、いやあ観たいものですー。
どちらにしても究極の男前対決、ふあっほーーーー!!!!!!!!

DAIFUKU VOL.7 DAIFU”Q”昼公演5月22日(土)  《横浜市》
ダイフクサスペンス劇場が横浜に登場。サスペンスであれどきちんとパ・ド・ドゥが
各カップルの、時に仲睦まじく時に怪しく軸として盛り込まれているためバレエの土台も盤石で見応えある演出でした。
中でも、スターダンサー役の渡邊拓朗さんが銀幕のスター並みに(最近殆ど使われない表現かも笑)
貫禄、オーラが強く驚き。八幡さんの刑事もソロから聞き込みまで達者で楽しませてくださいました。
登場人物の名前を何かの拍子で調べていたところ、あの某人気刑事物シリーズに由来していると発見。

久富淑子バレエ研究所65周年記念公演   5月23日(日)《北海道札幌市》
昨年開催の予定が延期に次ぐ延期を経て無事開催。(今年は同様の団体、数多くあるかと察します)
卒業生で新国立劇場の菊地飛和さんが上演時間2時間以内で全幕シンデレラを纏め、生徒さんゲスト双方から魅力を引き出して手腕を発揮。
2018年の北海道厚生年金会館(ニトリホール)閉館公演にて宝満直也さん作品を伸びやかに踊る久富バレエさんに好印象を持っておりましたので
ようやくスタジオ公演も鑑賞でき良かった。ゲストの王子役渡邊峻郁さんと継母の菅野さんのやりとりが
妙に愛情がこもっていたと見えたのは気のせいではないでしょう笑笑。
渡邊さんはシンデレラが落としたガラスの靴を手に持ち主捜索宣言をする様子が、一斉捜査の陣頭指揮をする刑事さんのようで
使命感に燃えるお姿に惚れ惚れ。ここまで真剣に愛されるシンデレラのまことに幸せなことよ!!!
弟君がご出演された舞台を前日に横浜で観ていたためか、2日連続で刑事色の濃いバレエを横浜と札幌で観た気分。
名付けて札幌横浜バレエルート⁉  管理人、西村京太郎ミステリー読み過ぎかもしれません笑。

深川秀夫さん追悼展示上映会『深川秀夫の世界』ー深川秀夫を想うー5月27日(木)
代々木上原にて開催。深川さんの舞台映像、愛用品も公開され、入退場自由。
所縁ある方々も集まってのあたたかな雰囲気に包まれた企画でした。それにしても踊りも振付も纏う空気も、何てお洒落な方だったのでしょう。

NBAバレエ団『ドン・キホーテ』夕方公演  5月29日(土)
翔んで所沢2021、カラフルでパワフルなNBAドンキ。緊急事態宣言下の東京とは違い、まん延防止何とかであった埼玉は全席100%販売で観客満員。
(同じ首都圏しかも一都三県仲間でもこうも違うんかね)
大いに盛り上がりました。そして冒頭挨拶、ではなくもはや漫談に近い久保監督によるプレトークも名物化。

6月
★★新国立劇場バレエ団 牧阿佐美版『ライモンダ』  6月5日(土)〜13日(日) 計5回
首を長く長くして待っていた牧さん版全幕ライモンダ、干支一回りぶりの全幕再演です。
2004年私が初の新国立バレエ鑑賞時の演目でもあり、瞬時に魅せられたコール・ド、写本のような緻密な模様の衣装や
新国のワシントンD.C.公演でも鑑賞その他思い入れをあげたらキリがございません。
感想文字数最多記録を更新いたしました。(誰も喜ばないでしょうが笑)
崇高で美しい姫でありながらオーロラと違い、誘惑されてもまずは自力で耐え忍びそして自身を巡って男性2人がぶつかり合う流血沙汰な修羅場に巻き込まれ居合わせるため
より成熟した内面が求められる面白さがあると捉えております。音楽も格調と繊細さが同居した展開で中世らしい吟遊詩人な曲調もあり
地鳴りがしそうな民族舞踊といい愛してやまぬ楽曲ばかり。あらゆるバレエ作品で最も好きでございます。
とにかく今回は、私の夢であった渡邊さんの騎士姿を目にできた、これに尽きます!
しかもマント装着で重たそうな剣を腰にさして手袋嵌めて、マントでジャン!で帰還しライモンダ救出。これが観たかったんです、夢だったんです!
情けない王子も良いけれど、軽いツンツン戦法でカラボスの力弱めるあっという間なデジレ王子でも良いけれど、くるみ割り人形はお面付けているし笑。
マントでジャンの場面、切迫場面であるため結構慌ただしいのだが、それでも抱き寄せた姫の目をしっかり見つめて大きく頷き安心感をまずは与えてから後方に避難させたりと
頷きの名手だ!(この辺のチェック項目、ためしてガッテンの調査員並みに私は細かく厳しいのだよ笑)
危機に瀕していてもここまで力強く頷いてくれたら、そりゃ姫も委ねるしかございません。
全身から憎悪の炎を滾らせての帰還のお姿も惚れ惚れで、まさに最前線で敵を次々薙ぎ倒し続け勝ち抜いてきた経緯が見えてくる騎士でございました!!!!!!!!
(実際の十字軍は蛮行の嵐だったようですがここでは目を瞑ります)
仮に当時の十字軍のバケツヘルメットに鎖帷子等の格好をなっても全く違和感なさそうで
その時代を生きる騎士に見えて仕方ないと想像。柴山さんライモンダとのパドドゥの息はもう一歩でしたがアステラスでは大挽回。
淑やか姫と愚直騎士なカップルでフランスが舞台でも勿論素敵でしたが日本版でも頗る観たくなるお二人です。堅物武士と、通っている道場の道場主の娘が静かに惹かれあい
決闘は巌流島⁈(時代がだいぶ近代になるが)など、妄想がーーーー。
と、また長くなりそうなので次行きます。
あっ、金曜日の夜はライモンダ気分に近づこうと(この容姿では無理と分かっとりますが)ベールの代わりにバスタオルを椅子に掛けて就寝した管理人、
結果夢にジャンが出現、なんぞ叶うはずもなく、金縛りに遭いました。まあ人生そんなモンダ。

井脇幸江舞踊生活35周年記念公演『トスカ』同時上演『Mozartiana』『サタネラ』6月19日(土)20日(日)  計2回
サタネラに新国立の奥田さん渡邊さんがご出演。どこか妖艶で洒落た趣と柔らかなポワントワークに惚れ惚れな奥田さんと
前週の、闘志が漲りぎらついた目つきで決闘に挑んでいた、度胸と根性も据わり
激戦地で勝ち抜いてきた経緯が明らかであろう戦闘能力に長けた騎士と同一人物には到底思えなかった渡邊さんの
悪魔の娘に首ったけで能天気そうな(褒め言葉)青年のバランスが抜群。
しかも青年、登場が颯爽とした跳躍ではなく、カーテンからにょきっと顔を出してニコッと笑みを送る、まるで突撃隣の晩御飯。
サタネラってこんなに面白みあるパドドゥだったっけー???とこれまた干支一回り前の
(今年の我が流行語、いや、人生におけるキーワードかい、この周期笑)大阪で目にして以来の愉悦感でございました。

『シンプルな情熱』
セルゲイ・ポルーニン主演のバレエは関わらない実写映画。アダルトな官能場面が続出で衝撃刺激は濃すぎた感はあったがモスクワやパリの風景はどこも絵になる映画。

牧阿佐美バレヱ団『リーズの結婚』6月26日(土)昼
リーズ初挑戦の阿部さんを経験豊富な清瀧さんコーラスが優しくリード。綾取りも微笑ましい。
リーズの友人達のベテラン勢の引き締めも綾取り含め見事で、リーズとシモーヌの和解も心がホロリとする結末です。
牧バレエの方々が誇りを持って取り組んでいることが窺える力演でした。

●7月
東京バレエ団  HOPE JAPAN 2021  7月4日(日)
オールベジャールプログラム。特にロミオとジュリエットの、群舞も交えた重たい悲劇性強い作風に驚き、
ギリシャの踊りの澄み切った爽やかさは何度観ても幸せに。

ROCK BALLET WITH QUEEN   7月8日(木)
福田圭吾さんが手がけた、クイーンの楽曲にのせた1幕物のバレエ。より親しみやすいメジャー曲を並べつつ
バーのマスターに扮した福田さんが舞台転換の軸となって自転車に乗って出てきたりと面白演出もたくさん。
我が家もクイーン猛烈ファンな母と妹も参り、大満足でした。フレディーにも観て欲しいと言っとります。
そしてこの日は父の命日からちょうど10年。3人揃う機会は滅多にないはずが、目的は違えどロックバレエに導かれるように集結した不思議な一夜でした。

東京シティ・バレエ団 石田種生版『白鳥の湖』〜大いなる愛の讃歌〜  7月17日(土)
チャイコフスキーパドドゥのアダージオ部分を使用した終盤におけるオデット、王子、白鳥達全員に希望が降り注いでくるような展開に身震い。
キャラクターダンスの張りのある踊り方もハイレベル。

清水純子バレエアカデミー第38回発表会  7月25日(日)
当ブログレギュラーである我が後輩が2回目のグラン・パ・ド・ドゥ挑戦。昨年の予定が中止となり、ようやくのサタネラ披露でした。
ほんのり色っぽく麗しく、パートナーの東京シティの吉野さんとの視線の交わしも自然で
プーニだかドリゴだかのズンチャッチャ音楽がより起伏と表情を添えて聴こえてくるようでした。
ライモンダの曲で構成された、大人数構成のロマネスクもロマンティックで優美。
フィナーレがそれまでの夢の場音楽ではなく1幕のグランワルツ後半部分使用であってもむしろ盛り上がっての終了でいたく自然。
それにしても後輩よ、私と身長は3cm程度違うだけのはずだが、腰位置の高さ、脚の長さ、華やかな美貌から実際の数値よりも10cmは背が高く見えます。ああチュチュが似合う。
同じ日本人でも、胴長短足でっぷり体型な私とは明らかに異人種です。

新国立劇場バレエ団『竜宮』7月25日(日)昼  27日(火)昼夕 計3回
今夏も渡邊さんのおサムライ姿にお目にかかれました。(そこかい笑)やや鋭い目元のお顔立ちに髷と着物が似合う超越してこれまた物語の時代、国に息づく人物に見えた次第。
友人の名言が再び脳内を走りました、渡邊さんは武士にも騎士にもなれる。
あっ、太郎は武士ではないが、昨年誕生日ケーキで亀に乗った太郎を3Dデザインしていただいたところ
持ち帰ると目にした家族が「ねえ、浦島太郎って優しい漁師でしょ?目眉がきりっとし過ぎでないのこれ?武士じゃん」と指摘。それで良いのです!!

話を竜宮に戻します。昨年以上に世間の状況が悪化し、今回もまた観客平均年齢がアダルトなこどもバレエとなってしまいました。
大人は勿論、子ども達にももっと観て欲しいですし、東京五輪開会式で抜粋上演したら世界に誇れたと思うが。(開会式のセンス、どうもねえ汗)
海の大団円も、四季折々の美しさも、ぴったり嵌ったと思います。
それはそうと、今夏は渡邊さんのマントと髷姿両方拝見。良い年だのう。

井上バレエ団『コッペリア』7月31日(土)
結婚式に臨むスワニルダとフランツがコッペリウスの大事な人形を壊してしまった後ろめたさを引き摺りながら結婚式会場にやってくる様子から
どこか救われた気持ちになり、仲介役の市長さんの朗らかさがまた良い味。
森田健太郎さんコッペリウスが、徐々に心を開き最後はワインを飲みながらスワニルダの結婚を見守る光景にも和みました。
淡いタッチの絵本を捲るような美術も素敵。

●8月
佐々木三夏バレエアカデミーPerformance 2021  8月6日(金)《神奈川県大和市》
噂に聞いていた、佐々木三夏先生のセンスを満喫。早退して大和市へ。概要発表からして、ハチャトリアンの薔薇の乙女たち等、バレエで観てみたいと願っていた曲が多数。
キャラクターダンスの晴れやかさ、レベルも高水準!
トップバッターには渡邊さんがしっとりエスメラルダ(パ・ド・シスの版) に登場。
芝居心のない人がやるとただ右往左往しているだけに終わってしまうある意味難しい振付であっても、仮の結婚相手という距離感が難しい設定であっても
背中から哀愁漂わせ(これ大事!!!)、俯きがちなエスメラルダを優しく励ますように踊るお姿や見守る立ち姿の美しさにも感激。
エスメラルダ役の小形さんの迸る表現力も大変魅力がありました。
そして事件はお楽しみフィナーレで起きた笑。
BTSのパーミッショントゥーダンス(歌手名と曲名あとから知りましたがなかなか良い曲です。)にのせて出演者が次々と登場しゲストもひと踊り、だったのですが
ノリにノッて自在に弾ける小形さんや友人役の方々に対してぎこちない腰振りで迫る渡邊さんのチャーミングなことよ笑笑。
でも良いのです。変にBTS乗り移りました感が出るような妙にスタイリッシュな決め決めぶりよりも
例えるならば、堅物の武士が道場の師範に無理難題な舞踊課題を出され忠実に踊り出すも
当初は気合の一声でどうにか乗り切りぎこちなかったが徐々に愉しさに目覚めていった、そんな印象がかえって好ましく映ったのでございました。

NBAバレエ団  DRACULA夜公演  8月7日(土)
堅固で不気味なお城を舞台に宝満さんドラキュラが冷酷さを帯びて登場。西洋版肝試しとして、夏の恒例にいかがでしょう。

東京バレエ団子どものためのバレエ『ねむれる森の美女』午前の部  8月8日(日)
足立さんが鮮烈な主役デビュー。あのド派手アニメ調ピンクの背景美術でも違和感がなく、絵本から飛び出したお姫様そのもの。
コール・ドからスタートしながら着実に役が付いてきて今後も楽しみです。
結婚式にて、青い鳥や赤頭巾ちゃんたちもきちんと臨席している点も好ましく、どこのバレエ団でも赤頭巾ちゃんら招待客達は
どこで式を眺めるておるんじゃ?数百年後の疫病を予見して、当時から別室でモニター越しで祝福??

大和シティー・バレエ SUMMER CONCERT 2021 想像 × 創造 Vol.2『追う者と追われる者』8月14日(土)《神奈川県大和市》
面白い、趣異なる4作品を上演。アルバレスさん作品は女性陣は黒や青、赤などお花の刺繍が洒落た衣装で良いセンスだったが
男性陣あれはハワイアンセンター(表現拝借)、昔のアイドル、リゾートホテルスタッフかいと申したくなり笑、そしてかなりの短編作品。
まあ渡邊さんの可愛らしい表情が見られたから、五月女さんと組むパドドゥも明るかったから良いか。
オペラ座の怪人の渡邊拓朗さんのどしっとした貫禄、鬱屈した内面の描き方も秀逸で、大迫力。
ふるカフェはるさんの渡部さんが舞台で踊る姿も新鮮でした。

第16回 世界バレエフェスティバル Aプログラム  8月15日(日)
まさかの!?開催でびっくり。
東京五輪の時期で、メディアに殆ど取り上げなかったのがむしろ良かったのか、いずれにしても賛否両論はあれど無事開催でき安堵。
クリサノワとキムによる所属を超越したパートナーシップでの『海賊』がダイナミック且つ正統派な王道で好印象。
ソロでは超絶テクニックを見せているお二人でも、パドドゥでは丹念に心を通わせて踊っていた印象です。
海外のダンサーで一番好きなアレクサンドロワも来日、しかも一番好きな作品ライモンダ!背景の映し絵?が十字軍時代っぽくはなかったが
また周囲や世間は絶賛しているらしいラントラートフのマント姿にはそこまで感心しなかったが
(失礼。何しろ6月のある金曜日、まさに激戦地で揉まれ勝ち上がってきたのであろう逞しく美しい騎士のマント姿が焼き付いておりますのでほっほっほ汗)それは横に置き
こんな状況下で信じ難いかとは思いますが、本当に良い年でした2021年。

新国立劇場 子どもたちとアンドロイドが創る新しいオペラSuper Angels スーパーエンジェル 8月21日(土)22日(日) 計2回
2回観たが、未だにあらすじが理解できません汗。渡邊(峻)さんの青色ボンバー頭や、
活躍目覚ましい渡邊拓朗さん、中島瑞生さんが虫歯の仕組みを紹介する健康番組に登場するバイキンマンのような格好にもびっくり。
ただ、制約一杯な中でも振付は流れに沿った見せ場を作っていて貝川さんに拍手。
渡辺与布さんの無機質でカチンと音がしそうな、人間ぽさ皆無のアンドロイドも見事。

BALLET NOW バレエ ナウ 第14回発表会『真夏の夜の夢』ほか  8月25日(水)《東京都八王子市》
2017年に上演した真夏の夜の夢をキャストを少し変えて再演。早退して京王線に揺られて八王子へ。
来年1月のニューイヤーバレエでのアシュトン版が変更となり、目に心に焼き付けてきました新国立陣の貝川さん版真夏。
もうこのまま主要キャストはアシュトン版上演に持ち越してよさそうなほど皆さんはまり役でした。
渡邊さんオーベロンの、高身長長い手脚を持て余さずにスルスルと素早いスケルツォでの浮遊感、急かされている印象皆無な技術の高さに序盤から圧倒され
跳躍したまま袖に入る箇所なんぞそのまま飛んでいって八王子駅でちゃっかりパンでもお買い物してまたふわーっと飛んで帰ってきそうな、妖精さんでした。
近くにいた小さなお子さんも不思議そうにずっと眺めていた様子です。パックとのサクサク進むやりとりも整理整頓された表現で進行し、
充実されど忙しさを感じさせずに物語を動かしてくださっていました。 威厳ありそうながらも不貞腐れると倒れこんで駄々をこね(あの大きく長い身体で笑)
お仕えする福田圭吾さんパックの健気なこと。インドのあどけない王子を見ると頬が蕩けるを超越し
まるでムツゴロウさん状態に笑笑。魅力多彩な妖精王でしたー。
生徒さんたちの芝居、表現の生き生き自然とこなす力量も一昨年の『長靴を履いたネコ』に続き見入ってしまい、ゲストとの絡みも万全で楽しい妖精物語を堪能です。
小品集の構成も楽しく、親しみやすい曲やミラーボール活用、ゲストの大ジャンプ、と近くにいた幼い女の子達が終始集中して鑑賞し
そして小品集と真夏両方ともに嬉しそうな反応。子供の正直さもまた、舞台構成の上手さを証明です。

バレエアステラス2021  8月28日(土)29日(日)  計2回
初日は研修生出演演目全て取りやめとなり、波乱のスタート。2日目は無事全演目上演でき安堵です。
乗馬服な衣装を着たソト作品での研修生のユーモアとキュートな面を引き出した作風も宜しく気に入った。
大トリはサブちゃんのまつり、ではなく6月の金曜日の柴山さんライモンダ&渡邊さんジャン再来!全幕ではもう一歩であったパドドゥでの呼吸が抜群に合い
(ガラ特別版のアダージオとヴァリエーション、コーダの構成)ガラであっても生死がかかった、命懸けの試練を妖精の手を借りず自力で乗り越えた感のある
凛とした誇り高い姫と、突如の奇襲だろうが動じず対処しそうな逞しく品格も持ち合わせた騎士で眼福。

●9月 ★★板東ゆう子ジュニアバレエ25周年記念発表会『ライモンダ』2、3幕ほか   9月5日(日)《愛媛県西条市》
昨年開催できなかった創立25周年記念舞台、ライモンダ2幕3幕!2幕も入っているのが作品好きとしては実に喜ばしく、
2幕の格調高い序曲、背筋が伸びるような曲調で大好きです。
何と言っても山本さんがアブデラクマンで登場!ボリショイっぽい黒とオレンジの渋め色彩のお衣装でいやあ男前〜。
色気ムンムン、大人の余裕風格もあり、権力財力知性も備えあとは惚れた姫を迎えるのみ、なる貴きサラセンの長でした。
このアブさんに迫られ誘惑されて断る姫、いるんか?そしてこのアブさんに対抗できるジャン、いるんか??誰がやっても壁高し。
(あっ、約1名、ちょうどこの前週末に初台で抜粋踊った人!?!?!?しか浮かばんよ。
そうだこの対決も余裕の器なアブさんVS負けん気強く血気盛んですぐさま敵にがっつく若き騎士なる2人で理想じゃのう)
話を戻します。アブさん手下の子供達の踊りも一体感と明るさがありアブさんを皆で慕っている雰囲気も二重丸。
板東先生の艶やかで悩める姫っぷりも素敵でございました!
ところで私がプロフィールに挙げている数少なき心から好きなダンサーのお三方と大事な大事な後輩、全4名とも『ライモンダ』全幕或いは何かしらの曲で踊った2021年。
こんな幸運な年、今までにあったかー???

★★バレエスタジオPLANE(プラネ)第35回記念発表会『パキータ』『眠れる森の美女』ほか  9月19日(日)  《福島県白河市》
渡邊さん恐らくは初の!?地元凱旋舞台。だるま市や酒蔵など5年ほど前には都庁の観光資料コーナーにて白河について調べ始め既に知識を蓄え始めていたが
初の白河訪問は渡邊さんの舞台にとっておきたかったので、今回感無量なひとときでした。(繰り返しになるが、どんだけ幸せなんだ2021年)
観客も喝采を送り、生徒さん達も先生も大喜びな様子が伝わる記念舞台でした。
コミネスホームページで見た限り眠り3幕のみかと思っていたらパキータもあり、しかも最後の演目であったので珍しいと思っていたらああ納得。
喜び溢れる一体感もさることながら、大仰天であったのは渡邊さんリュシアンの衣装でパリオペラ座もびっくり、ルグリもマルティネスもびっくり、
白地に金色の軍服姿の凛々しく雄々しく美しいことよ!!!!!新国立のデザインより遥かにセンスええ〜な興奮でごさいました。
しかも着こなしが自然で、ブーツを履き手袋をはめて腰にさしたサーベルも見えてくる騎乗姿を容易に想像。
ヴァリエーションも重厚系の質感な音楽で一安心。リュシアンならこれが理想!
そして名店とら食堂にて中華麺を食し、澄み切った深みのあるスープにコシのある麺、脂身無い焼豚、と揃い踏みで
お世辞無しで、今までに食べたラーメンで最も美味しうございました。
人生最後に食べたいものはと問われたらとら食堂の中華麺と回答いたします管理人。

東京バレエ団『海賊』 9月25日(土)
秋山さんがメドーラデビュー。難しいテクニックもさらりとチャーミングに、貴さも合わせてこなしてしまう技術の高さ。
東バが踊る古典ではこれが一番好き。水売りの伝田さんがオダリスク音楽で音頭をとっているお姿も面白い笑。

小林紀子バレエシアター バレエ・ダブルビル2021『バレエの情景』『シンデレラ・スウィート』9月26日
シンデレラ・スウィートは初鑑賞。抑えた色彩で揃えた四季の妖精たち、全員技術達者軍団。
宮殿の間が落ち着いた照明で摩訶不思議な空気感にもぴったり。宮殿にやって来てから
妖精たちがソロを披露した後にシンデレラ登場の展開もごく自然でこれはこれで好み。

スターダンサーズ・バレエ団 RESONATE(レゾネイト)   9月29日(水)
スタダンダンサーによる振付作品発表公演は初鑑賞。4作全て大人数構成で照明も大掛かり。中でも佐藤さんによる空をイメージしたスケールある作品が印象に残る。
他作品では、テレワークからのポチ、もなかなか笑えた。

●10月
NHKバレエの饗宴2021  10月3日(日)
横浜に場所を移して開催。新国立はニューイヤーバレエの中止、そしてセカンドのため配信すらされずであった布陣がようやくお披露目。中堅と若手が魅せました!
牧のアルル、シティのair、谷のジゼル2幕、と各団が得意、誇りとするレパートリーで見応え十分。

Kバレエカンパニー『シンデレラ』昼公演  10月9日(土)
8年ぶりに鑑賞。お城のシルエットが出現する到着場面が壮観で、小林さんと堀内さんの大人びた落ち着いた風格のシンデレラ&王子ペアも素敵でした。
身近な物達が妖精に変身する展開も面白く、最初は奇抜な衣装、お城ではクラシカルな衣装に着替える点も良い。
仙女がシンデレラに相談を持ちかけたりとシンデレラの能動的な部分もしっかり描いていた点も好印象。

バレエシャンブルウエスト『シンデレラ』  10月10日(日)
2日連続で他のバレエ団のシンデレラ。シンデレラと王子が時間をかけ、舞踏会の光景を並んで眺めつつ徐々に心を互いに開く様子が微笑ましい。
父親の毅然とした変化も見所で、妻に従順であった夫が実の娘の存在を靴の持ち主探しにきたお城の関係者にきちんと伝えていてお父さんも成長。

モーリス・ベジャール・バレエ団『バレエ・フォー・ライフ』 10月17日(日)
哲学的な要素も強いのか、15年前にも観ているがちょいと私には難しかった汗。ジョルジュ・ドンの目の孤独感が何とも言えず。森下洋子さんの著書も役立った。

清泉女子大学  生涯学習ラファエラ・アカデミア  2021年春期  3回
度重なる緊急事態宣言を経て、春期のはずが秋開講。パリオペラ座バレエ史、もっと知りたくなりました。

★★新国立劇場バレエ団ピーター・ライト版『白鳥の湖』  10月23日(土)〜11月3日(水)  計7回
幕開けからお祭りわっしょいめでたい宴で始まるロシアのスタンダードな白鳥が好きで、暗い闇深いどんより白鳥なんて嫌じゃーとライト版導入に反対派でしたが
ところがどっこい。31日を境に好みな演出に変わり、ただ暗いだけでなく王子の明暗、幼さが残る人間性や悩める内面をとことん引き出した名演出と考えが転換。
渡邊さんは感情の空模様の描画の名手です。作品に対する私の偏屈な勝手なイメージを覆してくださいました。
特にベンノとのやり取りを始めとする芝居心や考え事をしているときの心の移ろいの事細かな描写力も不可欠。
欠けたら場が持たないこりゃ博打のような作品とも思えた次第です。赤い宝石が散りばめられた頭飾りが似合うハンガリーの細田さんの高貴で艶っぽい踊りや
根岸さんの肩の使い方からしてどきっとさせられる、プレート系甲冑並みに重量感のある豪奢な衣装負けしない体幹、スケールのあるソロも拍手。

●11月
東京バレエ団『かぐや姫』第1幕、『中国の不思議な役人』 、『ドリーム・タイム』  11月6日(土)
かなりお転婆で斬新なかぐや姫。ドビュッシーの選曲は良かったが少々ぶつ切りな印象も。上演を重ねて練り直されていくでしょうし、完成版が楽しみです。

★★DANCE for Life 2021 篠原聖一 バレエ・リサイタル『アナンケ 宿 命』~ノートルダム・ド・パリ~ より  11月7日(日)

初演の大阪、再演の東京、と今回で3回目の鑑賞。重厚で悲しいだけでなく、どんなに悪人そうであってもふとした優しさが細やかに描かれ、善良そうであっても
奥底に眠る欲望や身勝手さも描写。血の通ったドラマを見せてくださる篠原さんの作品、これからも観続けたいと再確認。
少女度アップの恐るべき下村さんエスメラルダ、そして山本さんの身分と欲望の間で静かにされど徐々に本能を露わに苦悩するフロロ、何度観ても痺れます。
原作ファンの方も大満足な振付演出だったとの嬉しいお言葉も。

日本バレエ協会のBalletクレアシオン2021  11月13日(土)
3作品ともなかなか難解でしたが、福田圭吾さん作品の2021年宇宙の旅なる作品は不思議な時空旅行をした気分。
本当は環境問題など色々なテーマが込められていたと後から知り、我が欠乏脳みそが恨めしや。

国際バレエアカデミア(旧東京小牧バレエ団)  バレエ・リュス・プログラム  11月14日(日)
木村優里さんの威厳と艶かしさのある火の鳥が圧巻。奥村康祐さんによる、好奇心旺盛そうな王子もチャーミングで
火の鳥を逃すまいと懸命につかまえようとするパドドゥの上手さもにも見入りました。

新国立劇場バレエ団「DANCE to the Future 2021 Selection」11月27日(土)28日(日)  計2回
木下さん振付、米沢さんと渡邊さんが踊られた『人魚姫』が白眉。浜辺で佇む王子が海から上がってきた人魚姫を抱きながら支える場面から清らかな物語が展開。
照明も秀逸で、海の輝きにも見えたり2人が交わす愛情にも感じたり、拡大版も観てみたくなる作品です。
衣装のまま出かけても何ら問題なさそうなシンプルな格好でも生来の端正で知的な美しさが引き立つ渡邊さんにもうっとり。
10年ぶり、ナットキングコール組曲にて本島さん貝川さんペアのベテランらしい余裕やたっぷり踊るお姿に幸せ気分。
尚、来年2月の吉田都セレクションでは当初の予定演目に変更が生じ、このDTFでの振付家発掘企画披露作品を観客投票によってセレクションにて上演とのこと。
早速政見放送、ではなく振付家による紹介動画も配信されました。開票速報は放送されるのでしょうか、司会進行は菅野さん?
ちょいと想像を膨らませ過ぎました。12月分に参ります。

●12月
Kバレエカンパニー『くるみ割り人形』12月4日(土)昼
これまた15年ぶりの鑑賞。前回は松岡梨絵さん輪島拓也さん主演で観ました。
原作をよく掘り下げた演出で、マリーが正義の味方っぽい理知的で賢い勇敢な少女として描写。
マリー役に抜擢された世利万葉さんの揺るぎないテクニックと大人びていく心理の表現もお見事!
福岡市での田中千賀子バレエ団公演で観て以来注目はしておりましたがKバレエのくるみでマリー役に選ばれたと知りすぐさま鑑賞を決め、観に来て良かった良かった。

Plough Dance Performance vol.2  Bridge 12月15日(水)  夜公演
新国立で活躍されてきた、2007年福岡市でのオーロラ姫がきっかけで虜になり直後に新国立入団とプログラムで知り嬉しさ倍増であった小村さん、
今春に故郷での全幕『シンデレラ』振付演出力に感激した菊地さん、大和市の公演でも大活躍の盆子原さんもご出演。
前半はサイコロ、後半は橋をテーマに踊り繋いでいくユニークな舞台でした。特に小村さん、菊地さんのデュエットは喜々としたひととき。

野村一樹さん演出振付グランドバレエ『くるみ割り人形』12月19日(日)《佐賀市》
人生初、佐賀県上陸!地元出身の中村祥子さんや県内のアクションチームやボーカリストの方々も集結し、佐賀のエンターテイメント性に満ちた楽しいくるみでした。
山本さんによる、マリーのお父さん、雪の王は初めて拝見。優しく愛情たっぷりで寸劇にも挑戦するお父さんもに(シュタルバウム家の年末かくし芸大会!?)、
大概はマリーと王子の出会いがたっぷり描かれる所謂出会いのパドドゥ音楽で雪の王として女王と踊る場面がふんだんにあり
恐ろしいほどに幸運続く2021年、師走もまだまだ到来でございました。

清泉女子大学  生涯学習ラファエラ・アカデミア  2021年秋期  3回
秋に開催した春期から間を殆ど空けず(これは仕方ない)、秋期も受講。黄金期を築いたヌレエフや、彼の作品、弟子達にも着目し、これまたまだまだ学びたい欲が強まりました。

新国立劇場バレエ団『くるみ割り人形』感想はひとまず年内3回分
まだ2022年年明けまで公演が続きますが、年内は5回鑑賞。(木村さん渡邊さん2回、柴山さん渡邊さん、池田さん奥村さん、大晦日には小野さん福岡さんを予定)
ひとまず3回分だけざっと綴りました。また全日程終了後に纏めて書いて参ります。
イーグリング版を新国立で2017年に初演以来、過酷で複雑、十二分なスタミナも不可欠なドロさん甥っ子/くるみ割り人形/王子役で前代未聞、2人をパートナーに渡邊さんが計4回登板。(年内は3回)
体調や怪我の心配もありましたが、なんのその!同作品で共演を重ねている木村さん、初挑戦の柴山さんそれぞれに心を砕いて違った王子像を見せてくださっています。
管理人、来年の鑑賞一発目が柴山さん渡邊さんペアであるためおめでたい年明けとなりそうです。
しかも舞台近くの席を、渡邊さんの代役登板が決まってから購入いたしました。(目的がわかりやすい笑)
尚、18日夜と24日は弟の拓朗さんがネズミ王としてデビュー、兄弟対決が実現いたしました。
私は今年、どんだけ幸せな1年なんだ!?

川上恵子バレエスクール発表会  12月27日(月) 《大阪府吹田市》
今年の遠征締め括り、川上バレエさん。いつも深川秀夫さんの作品を上演しているスクールで、昨年逝去された深川さんをしのぶ舞台となりました。
ドンキを基盤にしつつもエレガンスと洒落た魅力が詰まった『三人のキトリ』、もっと多くの方にご覧いただきたい!
結婚式が夕暮れ時の星空のもとで開かれる設定もお洒落です。
そして今秋の愛媛県西条市に続いて板東ゆう子さん山本さんによるアンダンテ・カンタービレも拝見。
前回以上に滑らかさ、醸し出す色気、大海原にいる心持ちになる穏やかさ、絶品でした。


以上、2021年の総括はこれにて終了。今年もお立ち寄りくださった皆様、本当にありがとうございました。
年々訪問者数が減少の一途を辿る状態が続き、SNS投稿や閲覧の流行事情を差し引いても、相変わらず読む気が失せていく文章力の無さや長い内容ばかりのためスマートフォンでの読み辛さ、
個人の電子機器での更新が可能ながら鑑賞してからだいぶ日が過ぎてからの投稿が大半で幼児期から変わらぬ頭の回転の遅さは重々承知しております。
よく踊りには人柄、人間性が出るとの話は耳にいたしますがブログも同様で、当ブログならば存在感埋没且つ余分な脂肪が多い。まさに私のことです。
長所が何1つ見つからぬものであっても目を通してくださる方は誠に貴重な読者様で、本当にありがとうございます。
来年2022年も、忍耐力に自信がおありの方はお待ちしております。どうぞ宜しくお願い申し上げます。
皆様にとって、どうか心穏やかな年越しとなりますよう心より願っております。良いお年をお迎えください。

2021年12月31日  アンデオールバレエ日和2  管理人

2021年12月28日火曜日

深川秀夫さんの粋なエレガンス 川上恵子バレエスクール発表会 12月27日(月)《大阪府吹田市》





12月27日(月)、大阪府吹田市にて川上恵子バレエスクール発表会を観て参りました。2021年最後の遠征鑑賞です。
http://www.kawakami-ballet.com/


バレエコンサートから深川秀夫さん作品まで多彩に富み、小さな生徒さんも大勢活躍する小品から開始。
川上バレエの生徒さん達は基本をしっかりと品良く丁寧に着実にこなす踊り方である印象で、無理なテクニックは避けている振付である点も含め好感を持っております。
また衣装はチュチュ中心であとにも述べますが星空の背景も洒落ていて麗しく、ロマンティックな気分に浸っておりました。
舞踏会、やプリンセス、などキュッとときめくような御伽噺な世界観の作品をディズニー音楽をも使用して可愛らしい光景を届けてくださいました。

バレエコンサートの中盤には、ラフマニノフの曲に振り付けられた板東ゆう子さんと山本隆之さんによるアンダンテ・カンタービレも披露され
今秋に愛媛県西条市でも拝見したとき以上に滑らかでしっとりとした美しさ、疾走感にも感じ入り、お2人の身体から高鳴って醸される情感や色気にただただうっとり。
山本さんの舞台姿を目に心に刻む幸福が胸に沁みる年の瀬でございます。

生徒さん中心の作品では2016年以来の再演と思われる『うさぎがくれた贈り物』を上演。
バレエを一生懸命頑張る女の子がある日ピンク色のチュチュを着たうさぎさんに導かれ、靴職人ときびきび踊るうさぎさん達も加わって女の子が励まされ
やがてポワントを贈られますが実は夢の中の出来事だった、といった流れかと想像。ピンクうさぎさんが女の子に付き添いつつ(シンデレラと仙女のような関係か)
森の中の仲間達が次々と登場して桜やハチ、森の妖精や桜の妖精、小鳥にリス、てんとう虫さんも一緒に女の子と友情を育んでいく微笑ましい物語です。
てんとう虫さんの、前屈みになると羽がばさっと広がる工夫された作りや、小鳥達の水色とクリーム色の綺麗なグラデーション、と衣装もいたく凝ったデザインでした。
また選曲も光り、女の子が不安を募らせているであろう箇所はカヴァレリア・ルスティカーナの間奏曲で
桜と桜の精たちだったか、ワルプルギスの夜の幕開けの緩やかで歌うような曲で優美に舞ったり、
「リーズの結婚』の木靴の踊りの曲で靴職人さんとうさぎさん達が仕事に打ち込んだり
森の妖精達はチャイコフスキーの弦楽セレナーデのワルツで浮遊していたかと思います。単なるお子さん対象の作品ではもはやございません。

そして最後は、川上バレエが毎回上演を重ねてきた深川秀夫さん振付作品。今回は昨年逝去された深川さんをしのんで、『三人のキトリ』の上演となりました。
『ドン・キホーテ』を基盤に1幕広場のキトリ、ドルシネア、結婚式のキトリに焦点を当てた演出で、中盤の野営地はジプシーのみ。
ドン・キホーテやサンチョ・パンサ、エスパーダを筆頭とした闘牛士も終始不在で、代わりにバジルは最初から最後まで1人のようです。
作品全体の特徴を挙げるとするならば、観慣れたドンキに比べてエレガント。
手脚を勢い良く上下させたりする振付が殆ど見られず、音楽を優しく扱うようにそっと手を胸のあたりに持ってきたり
グラン・パ・ド・ドゥ冒頭でバジルにリフトされたキトリが両腕を高く上げるのではなく
チュチュを横から両手で摘まむように優雅な仕草を見せてとても小粋な印象に一変。
時間軸戻って、第1部バルセロナの広場においても熱気ムンムンとした空気ではなく
スカートを両手で掴み小刻みに振っては肩を少し動かし続けて色っぽさを上品に見せる振付も可愛らしくお洒落。
深川さん作品を毎回発表会で上演してきただけあってジュニアの生徒さんに至るまで洗練された身のこなしが出来ていて
肩動かしやスカート掴んでの前後に振る仕草も、下手すれば媚を売る印象にもなりかねませんが
品が香っていてお手の物。継承がきちんとなされている様子が窺えたひと幕です。
ドンキに抱きがちな情熱溢れる勢いと解放感の連続のイメージは無く、隅々まで優雅で洒落たセンスが詰まった深川さん版を鑑賞できました。
今年5月には東京の代々木上原で開催された深川さんの舞台映像公開や愛用品の展示企画に足を運び魅力に再度触れ
作品上演舞台に早くお目にかかりたい欲が募っておりましたので、川上バレエさんで堪能できたのは実に幸運でした。

バジルの描き方も独特で、キトリの友人が出ている設定であってもお調子者や浮気性の要素は皆無で、ひたすら端正街道まっしぐら。
全編でバジルを踊られた張縁睿さんの真面目そうな、はっちゃけるお姿が想像つかぬ持ち味にもよく合っていたと見受けております。

それから前半のバレエコンサートでも綴った通り、背景の照明の美しさにも感嘆。特に夢の場でのキャラクターごとに変化を見せる空色に見惚れ、
深みある青、時には暁色に帯びていく色彩の繊細な表情と優しく光り瞬く星空に目を向ける度に清らかな心持ちとなりました。
きっと深川さんもこだわりの色味が込められた照明であったかと推察いたします。
音楽も馴染みない編曲が何箇所もあり、なだらかで穏やかな趣が前面に出ていた印象。特別録音された音源か詳細は分かりかねますが
深川さんが思い描く理想に近い、音楽の節々からきらりとした優雅な輝きが表れていたように感じる演奏でした。

全員のフィナーレは恒例のメリー・ウィドウのワルツの音楽が流れる中で行われ、大阪にて川上バレエの舞台でこの曲を聴くと
『くるみ割り人形』や『第九交響曲』のように今年も残り僅かと語りかけられている気分となり、1年が過ぎ去る早さにはっとする自身がおります。
一輪の薔薇を受け取られた川上先生の上品なお姿、そして今年は発表会の予定通り開催、振付作品が無事上演され
一風変わったされど洒落た美的感覚を愉しめる『三人のキトリ』に惜しみない拍手が送られた会場の光景に
深川さんも喜びの笑みを浮かべていらっしゃることでしょう。これからも深川さん作品上演を重ね続けて欲しいと願っております。





※他の写真等は後ほど。帰りは京都と名古屋間の大雪による新幹線の徐行運転により東京到着が約30分遅れ、終電を逃してしまった管理人。
しかしなかなか面白い体験と『三人のキトリ』の余韻が再び巡ってくる出来事もございましたのでまた後ほど紹介予定でおります。





にっこりと微笑む深川さんのお写真と川上バレエ卒業生からのお花。川上バレエで学んだ後に新国立のバレエ研修所を経て現在新国立劇場バレエ団に在籍し
今年の『白鳥の湖』ではハンガリー王女に、そして現在上演中の『くるみ割り人形』では花のワルツのリードにも抜擢されている中島春菜さんからも届いていました。



往路の新幹線車内から。青空に富士山。久々にこの景色を目にできました。



ふと外を見ると岐阜のあたりか、大雪!記念にこちらのチラシと。



昨年のKバレエスタジオの舞台で訪問して以来のお気に入り、お好み焼きのおかる。冬限定かき玉いただきました。牡蠣がたっぷり。
店員さんが描いてくださるマヨネーズアートがお上手。



道頓堀の景色。曇り空を青空が割っているような不思議な空模様。そんな歌詞の曲が約20年前あった気が。19(ジューク)だ。



行ってみたかった鮨店。府内に何店舗かあるようで、曽根崎警察署すぐそばのこちらは今年2021年7月26日開店とのこと。
日本酒の徳利がピンク色であるのは初めて、可愛らしい色味です。剣先イカととろりとしたウニ。



これも食べてみたかった、トロたく。



鰤とサーモン。カウンターに1人で単品注文でも快く受け付けてくださいます。また行きたいお店です。



宿泊したのはビジネスホテルですが、15階ラウンジにてビールとハイボール、その他ソフトドリンク飲み放題。
ビールやハイボール、初めて自身でサーバーから注ぎました。食べ物の持ち込みも自由で、すぐそばで購入したたこせんと一緒に乾杯。
今年を思い出し、色々なことがございました。
ラウンジとは言ってもラグジュアリー感やエグゼクティブ云々なる高級感は我が身の丈に合わぬので笑
このさっぱりとした空間がちょうど宜しい。あべのハルカスも見えます。



大阪訪問約70回目?にして初めての大阪城。上空を飛行機通過中。



白と薄緑が眩しいお城です。



梅田駅に行くと、阪急うめだでアニメージュ展開催!当日空きがあれば現地で当日券購入して入場も可能です。
ナウシカ、ラピュタ、トトロ、好きで止まないジブリの世界がお目見えでございます。
宇宙戦艦ヤマトの頃のアニメージュから、近年の記事まで。また制作現場の裏側や当時の宣伝映像や紙媒体まで、充実した展示会です。
一部のエリアでは写真撮影も可能。1月10日までの開催かと思います。近日中に大阪へいらっしゃる方、是非どうぞ




ナウシカがお出迎え。胞子を育て研究している地下室の巨大絵もあり、人肌に触れるようなあたたかみと吸い込まれそうな色彩美でございます。



ラピュタのポスターも色々。何度か前ブログ時代から申しておりますが、ラピュタはバレエ化できそうであると
ビントレーさんの『アラジン』初演以来妄想が止まらずにおりますが、『もののけ姫』も不可能ではないと思っております。ミュージカル化はされたとか。
そうだ千と千尋は来年帝国劇場にて開幕。



ラピュタの終盤、ムスカの名場面「目がー目がー」の後あたりです。



梅田の新食道街にある、気にはなっていた喫茶店ドリヤード。『ドン・キホーテ』夢の場において
森の女王をドリヤードの女王と表記のバレエ団もございますが、呼び方の基準をどなたかお教えください。
キューブ型フレンチトースト、カリッと香ばしく美味しうございました。



帰りの新幹線。余韻に浸って箕面ビールで乾杯。ラベルのお猿さんも祝杯を上げています。



京都と名古屋間の大雪による徐行運転で東京駅到着が午前を回ってしまい、終電間に合わず。
しかし近畿を襲った大雪でありながら運休にならずであったのは幸運で、安全のためであれば徐行が望ましく、途中駅では車輪の雪を払う作業もあったようです。
新横浜を過ぎた神田辺りのホテルを予約を考えていると、終電を逃した乗客向けに東京駅の新幹線ホームのとある車両を
朝5時まで休憩所として開放してくださるとの放送があり、大変助かりました。
暖房が効き、化粧室の利用もでき、朝5時までは新幹線の座席にて熟睡、までには至らなかったもののゆったり休めたので対応に感謝。
5時過ぎには出発し自宅へ。自宅最寄り駅到着時はまだ外は真っ暗でしたが家に着く頃に
ふと自転車を止めて見上げると、まさに『三人のキトリ』夢の場で目にした暁色の美しい空。思わず舞台の光景が脳裏を過ぎり、再び余韻に浸った管理人でございます。
6時には家に到着し、シャワーや食事等諸々準備してから無事出勤。不思議な一日を過ごした川上バレエさん発表会の翌日でした。
さて、今年の鑑賞は残すところあと1本。初の大晦日にバレエ鑑賞、新国立劇場のくるみ割り人形でございます。31日限定で鴨ネギ蕎麦も販売です。
さらば大阪、また1か月後!!

2021年12月24日金曜日

【速報でもないが】新国立劇場バレエ団『くるみ割り人形』2021 ひとまず3回分大雑把感想



新国立劇場バレエ団『くるみ割り人形』を観て参りました。
現時点では12月18日(土)夜、21日(火)、24日(日)を鑑賞し、25日以降も大晦日やお正月含め複数回鑑賞いたしますのでひとまず大雑把感想です。
因みに鑑賞した3回全て王子が同一ダンサーでございます。19日(日)は前記事の通り佐賀県におりましたので、今冬は佐賀と東京の初台、渋谷でくるみ真っ盛りです。
https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/nutcracker/


初日18日夜、24日夜は木村優里さん渡邊峻郁さんペア鑑賞。木村さんはよりエレガントな魅力が増して
金平糖でのまさにシャンパンゴールドそのものな煌めきを放ちパの1つ1つが一層鮮やかでメリハリも効いていた印象でした。
お2人によるスケールアップした出会いの場パ・ド・ドゥでも惹き寄せ、リフト以外に語彙は無いんかいと言わざるを得ない振付の過酷さを思わせぬ
幸せに溢れる空気感を漂わせ包み込んでいたのも5年連続の練り上げ成果もありお見事です。
パ・ド・ドウの合間にこれまた複雑に組み込まれていながらも渡邊さんの風を切るかの如き跳躍にも愉悦に浸りました。
何より軍服の着こなしで右に出る人はいない⁈渡邊さんの颯然とした王子と、歴代最長身でダイナミック且つ細かな仕草も上手く役デビューと思わせぬ貫禄ある
渡邊拓朗さんネズミ王の兄弟対決実現。接触の度そして握手での讃え合いに興奮せずにいられず。
拓朗さんネズミ王は24日は更に支配感も強まり、豪快ポーズと目玉点滅の演出も合わせた工夫凝らしたカーテンコールでも沸かせてくださいました。
24日は初台に舞い降りた至福のクリスマスイブでございます。

21日は初役柴山紗帆さんクララが意外にも申したら失礼だが登場時はネグリジェが似合う少女らしいあどけなさもしっかり出て、上品な香り放つヒロイン。
そして代役として前代未聞4回王子でしかも異なる、1人はクララ初挑戦のパートナーと組んでの登板となった渡邊さん王子は
心砕いて初役の柴山さんを丁重にサポートされ原点回帰と安全を徹底し冒険しなかった点も功を奏して、2人から自然と笑み零れ少しずつ距離を縮める過程が覗く展開。
1幕の高難度な、リフト以外に語彙は無いんかいパ・ド・ドゥを同時期に違うダンサーと組んでも問題ない力量に恐れ入った次第です。
柴山さんもポジションや滞空体勢も美しく、丁寧に紡ぐお2人の方向性が ぴたりと噛み合っていたかと思います。
柴山さんクララに対しては優しい且つ力強く引っ張るどっしりとした頼もしさも色濃く出ていたりと、渡邊さんの日によってのアプローチの違いも堪能できました。

主役2人の振付については申したいことは山々であれど、5年連続ですので書き飽きた心境も少しございますが(これは仕方ない笑)
戦闘場面の大掛かりな装置転換はあらゆるくるみの中では随一であると思われ、巨大な雪の結晶隊形の作り上げも美しい雪達や、パワフルな要素も強い花のワルツ等
他にもまだまだ書き足らず。今週末から月曜日にかけて西側へ行ったのち大晦日、お正月公演も鑑賞し終えた段階でまた綴って参る予定でおります。

ひとまずは柴山さん渡邊さんのクララ&王子、私は想像以上に好みでございました。我が2022年最初の鑑賞となるであろう1月2日も大変楽しみです。
兎にも角にも男性ダンサーの層が厚くなった今尚、元々の予定日程や回数の事情があるとはいえ最初から出番続きな全幕作品で
同時期に複数人の個性も全く異なるパートナーと組むとは、しかも過酷極まりない振付てんこ盛り作品。嘗ての山本隆之さんを彷彿とさせる現象でございます。
渡邊さんによる、隙無き気配りをなさって組む相手によってがらりと変えてのサポートぶりに、パ・ド・ドゥの名手と呼びたくなる2021年の年の瀬です。



※バレエチャンネルさんの動画に3人のネズミ王インタビューと、リハーサル映像も公開されました。
兄弟対決練習に励む場面もございます!くるみ割り人形役の兄上、
シャツの上でもベルトと剣がさまになり、凛々しく勇ましいのう(心臓印)。リハーサルの為お面未装着、お顔もよく見え嬉々として眺めてしまいます。






ホワイエのツリー。昨年は無かったかと記憶。今年から復活です。以前はト音記号は見当たらず、装飾が少し変わったかもしれません。



ブリッジカフェにて、開演前からブリュレ。クリスマスの装飾に囲まれております。



毎公演かは分かりかねますが、公演ごと来場者向けにメッセージが用意されています。短い映像ですが、嬉しいはからいです。



ブリッジカフェ奥の方でも食事ができます。サーモンとチェダーチーズのカスクートサンド、豚肉と野菜のスープ。お盆にのせたらマエストロ定食。
18日夜と24日のネズミ王は、チーズのサンドイッチをたくさん入手できたときには独り占めせず、部下にはほどほどに配り
敵であるはずの王子を呼び寄せて静かに睦まじく分け合い宴を開いていることでしょう。(想像です)



クリスマスイブの食事。パーティー場面の気分でこの日のドロッセルマイヤーの甥/くるみ割り人形/王子にも乾杯です。ときめく夜が舞い降りました。

2021年12月22日水曜日

地元の娯楽性盛りだくさんな肥前のクリスマス  グランドバレエ『くるみ割り人形』12月19日(日)《佐賀市》





12月19日(日)、佐賀市にて野村一樹さん演出振付のグランドバレエ『くるみ割り人形』を観て参りました。人生初、佐賀県上陸です。
https://bpk-inc-kyushu.amebaownd.com/pages/5202781/page_202108191045

金平糖の精は地元出身の中村祥子さん。2幕冒頭からの登場でしたがピンクのチュチュを着けての立ち姿だけでも芳しく女王然とし、地元凱旋ともあって大拍手。
長身であっても大味には決してならぬ細やかで全神経に行き届いた雅やかで美しい踊りを久々に鑑賞でき、幸福なひとときでした。
カバリエールの遅沢佑介さんは中村さんがすっかり安心して身を委ねるのも納得なしっかりとしたサポートとノーブルな魅力を備え
お2人にとって一区切りの公演となった昨秋のKバレエカンパニー『海賊』千秋楽以来全幕古典にて抜群のパートナーシップを堪能です。

マリーは地元のむらバレエの方で、軽やかでいたく可愛らしく、技術も盤石。両親との睦まじいやりとりや
ドロッセルマイヤーから贈られたくるみ割り人形を受け取るときも戸惑いつつも心惹かれていく様子を丁寧に描いていた印象です。
またあとにも述べますが、音楽が所々くるみ以外の曲も挿入され、そのうち1曲はエイフマン版『アンナ・カレーニナ』での1幕にてアンナが不倫に走り始め
苦悩し狂いを帯びて行く場面で流れるフランチェスカ・ダ・リミの一部分を2幕幕開けにて使用。
(マンフレッドだったか何であったか思い出すのに時間を要し、帰京してから分かった)
大きな時計が映し出されていましたので、1幕の幕開けに描かれた出発場面からスタイリッシュな妖しさで引き込んでくださった
ヴィスラフ・デュデックさんのドロッセルマイヤーと時空を旅するマリーに潜む恐怖心や不安を描写していたと思われ
叫び声の如き仰々しい音楽にも負けぬ表現を駆使しただ可愛いメルヘンな冒険ではない不穏な空気感をも覆わせていたのはお見事です。

くるみ割り人形の池本祥真さんは瞬発力の強さと柔らかさをバランス良く放ち、キレキレな戦闘は胸躍る展開。
花のワルツではふわりとした味を出してマリーを導いていました。

マリーの父ことMr.シュタルバウムの山本隆之さんはマリーだけでなく他の子供達にも対等に語りかけていく優しいお父さん。
実は『くるみ割り人形』にて様々な役で何度も拝見している山本さんによるマリーのお父さんは初見で
素直で愛らしく賢いマリーを娘に持つのも説得力がある知性滲み出る男性。
佐賀県のバレエ界草分けの存在でいらっしゃる野村理子さんによるグランドマザーの朗らかな笑みもチャーミングでした。

面白い演出であったのは人形劇のシーンをマリーの両親も仮面を付けて参加し、シュタルバウム夫妻の華麗なる年末かくし芸大会な趣きで進行。
ねずみ王やねずみ役も登場し、その後の展開を想起させるユニークな演出でした。
驚いた振付であったのは、マリーと王子の出会いが短めで所謂出会いのパ・ド・ドゥの盛り上がるあたりに差し掛かると登場したのは雪の女王と雪の王。
このお2人が目一杯音楽を使ってのパ・ド・ドゥへと切り替わり雪の群舞へ繋いでいきました。
何よりも雪の王に山本さん。この役も初見で、全身白の美しさも健在。まさかこの場面で拝見できるとは
恐ろしいほどに幸運が続く2021年、12月半ばに入ってもまだ終わらずです。(来年の我が運気が心配になるばかり笑)

地元の様々なバレエ教室からの出演者達による纏まり、一体感も忘れられず、パーティーの場面では子供達もメイドさん達もシュタルバウム夫妻とのやりとりが実に生き生き。
しかもやり過ぎず、ごく自然に会話がぱっと生じている印象を抱かせ、クリスマスの幸せなウキウキ感や
人形劇を観ているときのちょっとした緊張感も手に取るように伝わって、日頃の訓練や細かな指導が窺えました。
そして粉雪の精も仕上がりが大変上出来で、所属団体のみならず背丈も皆異なる条件ながら
スピーディーな移動や起き上がってから次のステップに入るまでの小気味良さといい呼吸がよく合い、観ていて爽快感を与えられた雪のワルツでした。

バレエのみならず、チームのご投稿によればバレエのレッスンを日頃から受けていらっしゃる佐賀を拠点に活動するアクロバットパフォーマンスチームVIVOも出演し
まず戦闘場面にて、バレエチームと入れ替わりつつヒーローショーのような激しいアクションを披露。効果音もばっちり入り最初は仰天でしたが
スピーディー且つ長過ぎない締まりある披露でしたので意外にも娯楽性膨らむ演出と思えたのでした。
他にも中国、ロシアで活躍し特にロシアでは前方でバレエチーム、後方では宮廷衣装を着た方々がマットを敷いて整えたところへ
縄跳びやバク宙?をも駆使して猛スピードで大技連発させ同時進行。前代未聞なトレパックでしたが笑
バレエとアクロバット共に音楽にぴたりと嵌ってノリも良く、最後は両チーム仲良く潔いポーズで締め括り。
気づけば楽しんでいた自身がおりました。尚、アクロバットの振付は岡清介さんとのことです。
終盤、マリーが夢から覚めるかと思う寸前には佐賀市ご出身のヴォーカリストで、はなわさんとも共演をなさっている
Shinoeさんによる聖なる声としてきよしこの夜が披露され少しの間だけ時が止まり
歌い終えると終曲が流れ、全員集合した光景を紗幕越し(確か)にクララが見つめる中で幕が静かに下りました。

地元佐賀で活動する複数の団体や分野の方々が集結しての出演で、しかもこの状況下において纏め上げるのは大変の一言では表せぬ道のりであったと察します。
一見珍しい要素も加わった展開であっても鑑賞後は愉悦感に浸ってしまう演出振付を手掛けられた野村さんのお力に頭が下がる思いです。
人生初上陸の佐賀県にて、県内外双方の魅力がたっぷり詰まった楽しいくるみを鑑賞できました。




ロビーに飾られたクリスマスツリーと、県内に工房を構えるtottocakeさんのお菓子で作られたくるみ割り人形のカラフルで可愛らしいキャラクター達が
観客を迎えてくれました。細かな部分まで見事な作りです。



※以下色々写真ございます。お時間のある方はどうぞご覧ください。年末の多忙な時期、そんな時間ないけんとの方は恐れ入ります。
佐賀県を代表するイベントにて何機も浮遊する乗り物が登場する都内のくるみにおける
速報でもないひとまず年内25日まであたりを纏めた感想の更新をお待ちください。




さて、いよいよ人生初の佐賀県へ。佐賀県といえば、中村祥子さんとはなわである管理人。ガイドブックですら佐賀県の本はこれまで開いたこともなく
本で目にした佐賀の記事は、10年以上前に雑誌『クララ』にてご子息を出産されたばかりの頃の中村さんの連載であったかと記憶。
端午の節句の頃で故郷にのぼる鯉のぼりや柏餅の写真もあったかと思います。
はなわさんの代表曲で耳にしたオレンジの看板の吉田屋はあるのか、○○さんち前、との名のバス停は存在するのか。そんな素朴な疑問も持ちつついざ肥前へ。
羽田空港からは一旦バスラウンジへ集合し、バスで乗り場へ移動。LCC以外では初体験です。



ANAでの機内における楽しみの1つ、備え付け機器の音楽鑑賞。好みに合う曲に巡り合う率が高い気がしており、今年の札幌帰りの火の鳥は嬉しかった思い出の一つです。
今回はタイムリーなことに葦笛の踊りもございました。
ただ、離陸時は壮大な曲が好みですので、ボロディンの韃靼人の踊りに決定。
飛行中は別のカテゴリーに収録のハープ版『紅の豚』。気分『風の谷のナウシカ』や『となりのトトロ』、『美女と野獣』等ジブリやディズニーの曲が多数。
絵本でも音楽でも、『美女と野獣』遭遇率が最近高し。チケット発券によく出向く店舗でもしばしば流れております。


佐賀県到着!県の名物達が出迎えてくれました。はなわさんの代表曲を脳内再生しながら、いざバスへ。



この日は休館でした、さがレトロ館。明治20年に建てられた旧佐賀県警察部庁舎とのこと。



長崎街道にて、旧牛島家。



佐賀県立美術館、博物館の中にある地元の食材を使ったメニューが豊富なカフェのテラスにて佐賀県の名物シシリアンライス。
材料はお店によってまちまちで、こちらでは豚肉を甘辛く味付けし、お芋のチップも散らして華やか。バス停も目の前にあるため安心です。
名称の由来は長崎のトルコライスに倣って隣のシリアにした説もあるようです。
一瞬シシリエンヌも過ぎりましたが、それはフォーレの音楽であると思っていたところ、プログラムによれば今回のくるみにはフォーレの曲も使用されていたようです。
そして『ジュエルズ』、初台の団にていつか上演待ち侘びております。



佐賀駅すぐ隣にも県の食材を使った料理のカフェがあり、佐賀の苺がたっぷりのったタルトいただきます。紅茶は嬉野産。
一粒が大きく光沢も綺麗でルビーを彷彿です。土台はずっしり香ばしく、塗り方は薄めであっても豊潤な味で大満足なカスタードクリームも美味しうございました。
ああ『ジュエルズ』、ではなくそれよりも初台の2月公演演目一部に変更が生じ、アラジンの財宝場面を再演。
配役、早う発表を。7月生まれの我が誕生石であるルビー役にて官能坊主が拝見できますように。
ここが肥前であることを忘れ去ったような妄想を失礼、どうやらこの日だったか誕生石の種類を追加との報道が。
身に付ける習慣は生涯縁がなさそうですので気にならぬが、宝石業界にとっては売り上げ促進に期待が持てるのかもしれません。



さて旅先での鑑賞後のお楽しみ、地酒や地元の特産物を味わいます。佐賀の地酒肥前杜氏と透き通ったイカのお刺身。お酒が進みます。この他何種類もの地酒、いただきました。



佐賀駅から電車で15分程度、最寄駅からは徒歩約15分で着くため意外にも交通の便が良い吉野ヶ里遺跡。途中に多く道しるべが立てられています。
数日前からなのか考古学の研究発表の会場となっていたようで、往路にて会った大学の先生らしき方から聴講に来た学生かと声をかけられました。
学問に勤しむ若者に見えたのだろうか。そうであれば嬉しいがいかんせん駅から遺跡の門まで徒歩移動する人が
この先生と私の2人しかおらず、見かけはどうあれ学生の可能性高しと思われたのでしょう。一般観光客と申し上げたところ驚きのご反応でした。



先生曰く、前日まで夜にはライトアップが催され、大混雑だったとのこと。この日の朝は撤去作業があちこちで行われていました。
平日月曜日ともあってか入場した一般客は午前9時半前の時点ではもしや私1人だったかと推察。
物見櫓、貸切で登り放題。卑弥呼の気分です。道すがら会うスタッフの方々がとても丁寧で穏やかで、純朴なお人柄が伝わり心和むひとときとなりました。



さて佐賀駅に戻り、バスで空港へ。電車では空港へ向かう方法が恐らくはなさそうで
またバスも飛行機の発着時間に合わせた回数に絞っているのか逃したらえらいこっちゃです。
そういえば行きも帰りも運転手さんの接し方がいたく優しく、場所は全く異なれど福島県白河市の方々に通ずるものがある気がいたしました。
のどかな田園風景、まさにはなわさんの『佐賀県』にて描かれていた通りです。



前日たっぷり飲食を満喫したため朝は食物がお腹に入らず、ホテル宿泊客対象の1杯までは無料サービスのコスタコーヒーを飲んだっきりでしたので
(マシンから好きなメニューを選べる方式で、カプチーノだったか、滑らかな舌触りで味はほんのり苦くもまろやか。目覚めにちょうど良い量でした)
佐賀空港内にある、滑走路を眺めながら食事ができるお店にて伊万里牛のローストビーフと別売りの佐賀県米ご飯で昼食。
しっかりとした噛み応えと味わいあるローストビーフ、シャキシャキ彩りの良いサラダにふっくらご飯、また佐賀に来たくなる空港昼食でした。
この後に搭乗する飛行機が見え、一緒に写り込み幸運です。



18日(土)夜は東京、19日(日)は佐賀で、21日(火)以降は再び東京。佐賀でも東京でもくるみ三昧です。
出発放送を待っていると、団体で利用の佐賀北高校女子バスケットボール部の方々への搭乗アナウンス時に全国大会出場おめでとうございますと祝福。
出発ロビーに居合わせた乗客達からも大きな拍手が沸き起こりました。
私も我が事のように嬉しく清々しい気分になり、拍手。東京で開催のウィンターカップに出場のようで、明日23日開幕です!



佐賀の一大イベントであるバルーンフェスタにちなんで、搭乗通路ガラスに描かれた色鮮やかな気球達が見送ってくれました。
翌日つまりが21日(火)以降は気球が登場するくるみに再び浸かって参ります。
それにしても2021年の管理人は上昇気流に乗りっぱなしであった。気球くるみも来年にかけて7回は鑑賞いたしますので、来年一気に運気下降となりませんように。


短期間でしたが人生初の佐賀滞在、満喫いたしました。さらば佐賀県また会う日まで!!

2021年12月16日木曜日

サイコロと橋で描く人生の紆余曲折   Plough Dance Performance vol.2  Bridge   12月15日(水)夜公演




12月15日(水)、座・高円寺にてPlough Dance Performance vol.2  Bridge夜公演を観て参りました。 
振付演出は、Plough主宰で一般社団法人バーオソルピラティス協会代表理事を務めていらっしゃる井野美瑞希さんです。
  https://bpa.tokyo/

https://www.excite.co.jp/news/article/Atpress_281027/  


井野美瑞希さんのブログに終演後写真が掲載されています。配信予定の旨もお知らせくださっています。
 https://ameblo.jp/odorueigyoman/entry-12715900767.html


第1部はサイコロを用いたCUBIC、休憩を挟んで第2部は橋をイメージしたBridgeの2部構成。
いずれも人生の描画が軸となっていて、出演者の経歴も実に様々な方が集結しての披露でした。
最近まで新国立劇場バレエ団で活躍された、今春故郷での『シンデレラ』全幕を拝見し振付手腕に驚いた菊地飛和さん、
入団前の2007年夏の福岡の舞台から注目、虜であった小村美沙さん、大和シティー・バレエ公演でも印象深い盆子原美奈さんもご出演です。

開演前から幕は開いていてアンティークな丸テーブルと椅子、CUBICの名の通りサイコロがあちこちに積まれて配置。
英国婦人が静かに物思いに耽りながら案内して本編の始まりです。サイコロはどれも同じサイズで両手で抱えぎりぎり踊れる大きさで、角はしっかり尖った形状をしており
手に持って踊る箇所や移動もふんだんにありましたが人に当たっては大変ですから軽量であっても扱いが非常に難しいはず。
観ている限り衝突はなく踊るときも移動も実にスムーズで、練習の賜物なのでしょう。

1 孤独・自由  2 愛・友情  3 変化  4 遊び・安定  5 破壊・挑戦  6 成長・統一  7  奇跡・光  とサイコロの数字にテーマが込められたプログラムで、
1での盆子原さんを中心としたきびきびとした展開、2でのショパンのピアノの調べにのせた菊地さん小村さんのしっとりとしたデュエットが刻まれ
天真爛漫な雰囲気で溌剌と伸びやかな菊地さんに対して小村さんは優雅な香りと繊細な余韻が残る踊りでそれぞれの魅力が溶け合い、至福なひととき。
中盤(確か4)ではデッキブラシを持った人達の間を縫うようにして入り込んでいくコミカルな流れも楽しく映りました。
本来サイコロにはない7は特別な意味合いがあると思われ、白いロマンティックチュチュ(バランシンのセレナーデの白版といったデザインな衣装)を纏い
テーマである奇跡・光そのものな美しさであった新国立出身トリオの菊地さん小村さん盆子原さんの身体が光り輝くように踊る姿に惚れ惚れでございました。

音楽はショパンからバロック、現代の曲まで多彩でしたが決して混沌とはしておらずそれぞれのテーマに沿うような選曲且つ整理整頓されてぶつ切りにならず。
大きなサイコロを手にした方々を間近で目にするのは小堺一機さんが司会進行をしていたお昼の番組『ごきげんよう』を現場スタジオにて観覧したとき以来で
サイコロの目ごとにエピソードがある点は共通であれど、CUBICの場合は何が出るかなと転がすのではなく
抱えたまま踊っては時には素早く集めて積み上げたりと音楽の中で滑らかに行わねばならず更には生本番ですから失敗も厳禁。
転がしを前提とした、重量感はあっても丸みを帯びているごきげんようサイコロとは異なり
積み上げも振付に組み込まれているため安定感も不可欠で先述の通り角張った形ですので「当たれば」痛みが走るでしょうから(ライオンの洗剤はもらえません笑)
話を戻します。サイコロを駆使しつつ振付もダンサーのパフォーマンス双方がよく練り上げられていた印象です。

第2部Bridgeはベルリオーズの『幻想交響曲』を使った、喜びと悲しみの起伏に富んだ展開でロープを用いて橋のフォルムが描き出されたり
或いはダンサーの配置で道が連なって見えたりと面白い視覚効果。上はグレーや薄いピンクなどのカットソーにタイトなショートパンツを組み合わせた
身体の線がよく出る衣装であったためポーズや並びによっては全身が橋のパーツに思えた箇所もありました。
前半のワルツは今秋に逝去された牧阿佐美さん版『椿姫』冒頭が浮かばずにはいられませんでしたが、
新国立入団後最初の舞台が『椿姫』であった小村さんが久々にこの曲で、しかも中央で歌うように舞う姿に心洗われた思いがいたします。

『幻想交響曲』を使用したバレエは『椿姫』のほか、6年前のバレエ団ピッコロ公演にて山本隆之さんや佐々木大さん、下村由理恵さんが主要役を踊られた
『幻覚のメリーゴーランド』と題したベルリオーズ本人の半生を辿る作品では鑑賞し
いずれも登場人物やあらすじが明確な作品。またパリ・オペラ座バレエ団の映像も鑑賞直前に見つけ、レパートリーにあるとは知らずちらりと視聴し
登場人物達からして恐らくはベルリオーズ本人の伝記風作品と見て取れましたが
(翳りある風貌の音楽家役はもしやと思ったらカデル・ベラルビさん。他にファニー・ガイダの名も。いずれじっくり視聴する予定)
今回はBridgeの名称からして作風や展開が全く想像がつかずでしたが
この音楽が持つ危うさと夢幻のせめぎ合い、そもそもこの曲成り立ちの背景にベルリオーズ本人の恋愛における挫折や苦悩があると本で以前読み
晴れ晴れと橋を渡れるときもあっても迷いや苦しみに覆われてしまう場合もある浮き沈み激しい人生の悩ましさに自然と接点ができると捉えております。
サイコロと橋を用いて人生を描画し、舞踊化された井野さんの創造力にただただ恐れ入った次第です。

座・高円寺は初訪問でしたが、舞台と客席の距離が非常に近く、ダンサーの息遣いが伝わる空間を堪能。
ロビーも客席も赤で統一した色彩美もセンス良く、居心地良い劇場でした。




鑑賞前、2階にあるカフェ、アンリ・ファーブルへ。 シルクスイートのなめらかパフェとホットコーヒーのセットで500円とはお手頃。
ねっとり滑らかなシルクスイートと軽い口当たりの生クリーム、スポンジの3層パフェ、美味しうございました。
コーヒーは濃くも大変すっきりとした味わいで、職場から駆けつけてからの鑑賞前の備えに嬉しい。スタッフの方の穏やか丁寧な接客も好印象でした。
地産地消のすぎなみパスタも気になるメニューです。
絵本が多く置かれ、時節柄クリスマス関連の書籍多数。奥右側に見える横型の赤い本は子供では全くない管理人も今なお愛読、『ゆうびんやのくまさん』。
勤勉なくまさんの職業従事シリーズで、他に石炭屋、植木屋、パン屋とあります。
ただ近年ふと思ったのは、仮に全て同一のくまさんであるとすると、くまさんは転職の名人及び先駆けだったのか。現実味の増した想像を失礼。
一番右手には『くるみ割り人形』。そういえば、原作ではお菓子の国に着くまで王子は現れず
人形のままでマリーを先導だったであろうかとぱらぱら捲りながらざっと斜め読み。太い線の絵で迫力満点です。
そして更に右手には今週の本として紹介であったか『美女と野獣』。どうもご縁がある作品でございますが
盆子原さんも出演されていた、昨年末の大和シティー・バレエが上演した宝満直也さん版をもし今からでも配信視聴できるようであればしてみようか。
8分程度の短縮映像見た目限り好みそうな印象ではあったがいかんせん思い入れ強き他版がありますので、まずは観てからのお楽しみといたしましょう。



帰り、高円寺駅近くの酒場で乾杯。舞台では美しいダンサー達がサイコロを手に踊り、私はサワーの大ジョッキを目指して一振りです。
大吉か大凶が出ると無料で大ジョッキでいただけるようで、何が出るかな、何が出るかな。吉でした。



通常サイズでも十分な量でした。お通しのケバブらしき品、かなりボリュームあり。



客自身が焼く出汁巻け卵。せっかくですので2007年の人生初の九州訪問地であった博多で好物となった明太子をトッピング追加。


火加減に注意しながら慎重に焼いておりました。


ねじめ正一さんの作品で知った、高円寺純情商店街。