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2022年8月23日火曜日
モルダウと立ち上がる民衆 谷桃子バレエ団『レ・ミゼラブル』 8月10日(水)
8月10日(水)、谷桃子バレエ団『レ・ミゼラブル』を観て参りました。
https://www.tanimomoko-ballet.or.jp/ticket.html
高部尚子監督へのインタビュー。作品の見どころや掘り起こし作業、配役のお話等たっぷりと語ってくださっています。
https://spice.eplus.jp/articles/305799
演出振付選曲:望月則彦
ジャン・ヴァルジャン:今井智也
ジャヴェール警部:三木雄馬
コゼット:山口緋奈子
ファンティーヌ:馳麻弥
マリユス:檜山和久
エポニーヌ:竹内菜那子
テナルディエ夫妻:市橋万樹 山田沙織
ミリエル司教:小林貫太
バチスチーヌ嬢:永井裕美
マグロワール夫人:古澤可歩子
アンジョラス:吉田邑那
ガヴローシュ:松尾力滝
ジャン・ヴァルジャンの今井さんは生来のすっきりしたお顔立ちからは到底想像がつかぬ生死を彷徨う極限状況での荒んだ表情や老いた容貌も違和感なく
長い年月を経た時間経過をごく自然に体現。三木さんの冷徹なジャヴェール警部の黒い光も悍ましく、
立って帽子に手をやり顔を客席に向けるだけでも冷ややかさが背筋を伝う迫力でした。
竹内さんの男前で潔いエポニーヌも嵌まり役で、武器を手にした立ち姿に惚れ惚れ。
マリユスの檜山さんであったか、階段転げ落ち演出も仰け反り(ミュージジカルのSHOCKにて堂本光一さんが毎度行い話題になっている演出と同じ?)
怪我がないか背中を痛めないか心配にもなりましたが、何事もなかったかのようで身体の強靭ぶりを確認です。
迫り出し舞台の形も効果的で、2階で観ていてもより立体感が現れていた印象で
両脇に階段のある橋の形をした装置は終始そのままに時には彷徨うジャン・ヴァルジャンの道のりとなり、或いは革命の激闘地にも化したりと状況に応じて変貌。
照明の妙技も光り、各人物の姿形のみならずじっくりと心理部分にも焦点を当て、
舞台に2人程度の静かな場面においても沸き上がる感情をぽっかりと浮かび上がらせる効果をもたらしていたかと思います。
2幕では民衆達の見せ場としてスメタナ作曲の『モルダウ』使用の群舞に驚くも、地底から盛る民衆達の叫びが舞台を覆い尽くし
この曲を耳にするとすぐさまプラハの風景が再生されてしまうはずが今回ばかりは
熱を帯びて行く曲調と困難に屈せずに立ち上がる人々の行動が丁度良く重なり、賛否両論あるとは存じますが面白味あるセンスと感じさせました。
大変お恥ずかしい話、私自身が作品のあらすじや登場人物の知識が皆無に近く、嘗ては帝国劇場にて島田歌穂さん出演回のミュージカルも鑑賞していながら
いったい何を観てきたのか疑念を抱かざるを得ないわけですが、音楽もがらりと異なる望月さん版のバレエも興味を誘う演出でした。
予習をしっかりした上でもう1回観てみたい作品ですが、予備知識無し同然に観ても、『民衆の歌』は演奏されなくても
音楽や照明にも導かれるようにして舞台中央へ座席ごと引っ張られていくかの如くパワーに覆われた心持ちとなりました。
会場最寄駅の1つ、フランスのお肉屋さんビストロな大門駅直結のお店にて赤ワインで乾杯。
平日のみ営業でしたので行く機会がなく、やっとこさ来店です。
名称、鹿肉のラグーソースのリガトーニグラタン仕立てブルーチーズソース。
濃厚にチーズが絡み、重ための赤ワインが進みました。
平日のみ営業が惜しまれますが、味も値段も満足がいく、帰りも便利な立地ですので(改札の目の前)機会あればまた訪れたいお店です。
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