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2022年3月27日日曜日
吉田早織さんの主役デビュー Kバレエカンパニー『ロミオとジュリエット』3月20日(日)昼
3月20日(日)、Kバレエカンパニー『ロミオとジュリエット』昼公演を観て参りました。
https://www.k-ballet.co.jp/contents/2022romeoandjuliet
ロミオ:堀内將平
ジュリエット:吉田早織
マキューシオ:金瑛揮
ティボルト:石橋奨也
ベンヴォーリオ:奥田祥智
ロザライン:浦邉玖莉夢
パリス:田中大智
キャピュレット卿:グレゴワール・ランシエ
キャピュレット夫人:山田蘭
乳母:辻久美子
僧ロレンス:ニコライ・ヴィユウジャーニン
吉田さんは意思強く闊達なジュリエットで堂々の主役デビュー。少し粗削りな箇所もあったにせよ、ひたむきで恋に恋する少女を造形され
無邪気に隠れながら乳母を驚かす剽軽な少女が一気に階段を上がって別人のように大人びていく様子を線の強い、しっかりとした踊りで魅了。
当初プロフィール等の写真からボーイッシュな印象があり、貴族令嬢のジュリエット役の想像がなかなか沸かずにおりましたが大変な失礼な思い込みで
舞踏会を暫し上の階から眺める気位の高い顔付きやロミオに引き寄せられ今にも吸い込まれそうになっていても
凛然とした立ち姿が目に残り、それはそれは美しい貴族の娘でございました。
関野さんの代役として登場された堀内さんのロミオに柔らかく包まれたバルコニーでは沸き立つ愛を描き
まだ躊躇していたジュリエットがみるみると殻を突っ切り喜びを露わにしていく昂りが生じた場面と化。
ロミオが心を許したくなる存在であると確信するジュリエットの心が見えたひと幕でした。
吉田さんは新国立劇場バレエ研修所、バレエ団の出身でその後は東京バレエ団を経てKバレエカンパニーへ移籍。
紆余曲折ありながら念願の主役デビューが実現し、誠に喜ばしい記念日となりました。
ジュリエットデビューについては新国立バレエ研修所ホームページにも吉報として掲載されています。
https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/training/news/detail/27_022286.html
特に目を惹いた1人がロザラインの浦邉さん。輪郭のくっきりした踊りで魅せ、貴族の娘が庶民との争いに走る経緯が今ひとつ分かりにくいのだが
描写背景はともかく、上品化したロマ風な衣装も横に置き、小林美奈さん率いる強面なヴェローナの娘たちとの舞踊と体当たり対決もお手の物。
大概はキャピュレット夫人が絶命したばかりのティボルトに居合わせる場も熊川さん版はロザラインが登場し、剣を手に目が据わった表情で暴れ狂い
それまでの華やぐ美女から一変。そこへ上の階からキャピュレット夫妻が眼下の凄惨な光景を嘆く様子が覆い、何重にも悲嘆が畳み掛ける幕切れでした。
山田さんのキャピュレット夫人も忘れ難く、ルネサンス貴婦人画の如き美貌と静かな迫力で場を支配。一見冷徹そうで時に氷のような微笑も恐ろしや。
しかし愛娘ジュリエットの死に直面した途端、大袈裟に絶叫せず徐々に崩れ落ちる姿からは人間の体温が伝わり、
本来は心優しさを持ちながらも日頃から神経を張り詰め名家の夫人としての威厳を維持していたかと推察いたします。
恐らくは他版ではこれといった大きなソロが見当たらぬベンヴォーリオにも見せ場が与えられ、マンドリンの場面にてリード役を担当。
作品中の貴重な穏やかな平和場面に似つかわしく、奥田さんが弾むように軽快な踊りで場を引っ張っていらっしゃいました。
線が細そうかと思ってしまった金さんマキューシオは踊り出すと細かなステップもするする滑らかで驚かされ、
見るからに暴れん坊貴族ではなさそうでおとなしそうな石橋さんティボルトの
静けさから徐々に嵐を巻き起こして行くような怒りの滲ませっぷりがかえって恐ろしく映りました。
全2幕に纏め上げ凝縮したスピードで展開していく点や、冒頭にマンドリンの音楽を取り入れてロミオに光を当て
ロミオの何処か寂しがりやで初心な面を目にして引き込まれる効果もある演出や
ロミオとジュリエットが至近距離ではなく階上と階下で、舞台全体を大きく使って見つめ合う出会う場面も気に入っており
2018年の浅川紫織さん宮尾俊太郎さん主演公演に続き、今年は吉田さんの主役デビュー公演にて目にでき嬉しい熊川さん版『ロミオとジュリエット』でした。
帰りは渋谷駅のヒカリエすぐそばにて、赤を基調としたイタリアンにて赤ワインで乾杯。
16時半頃は空いていましたが17時以降はお客様の数も増え、以前利用して料理も居心地も好印象を持っていたため一安心。
前菜盛り合わせ。大きめの生ハムに、オリーブがごろごろ入っていて嬉しい。
名物のスペアリブ。ほろほろと裂けるお肉と下に敷かれたマッシュポテトとの相性も宜しうございます。
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