2021年12月24日金曜日

【速報でもないが】新国立劇場バレエ団『くるみ割り人形』2021 ひとまず3回分大雑把感想



新国立劇場バレエ団『くるみ割り人形』を観て参りました。
現時点では12月18日(土)夜、21日(火)、24日(日)を鑑賞し、25日以降も大晦日やお正月含め複数回鑑賞いたしますのでひとまず大雑把感想です。
因みに鑑賞した3回全て王子が同一ダンサーでございます。19日(日)は前記事の通り佐賀県におりましたので、今冬は佐賀と東京の初台、渋谷でくるみ真っ盛りです。
https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/nutcracker/


初日18日夜、24日夜は木村優里さん渡邊峻郁さんペア鑑賞。木村さんはよりエレガントな魅力が増して
金平糖でのまさにシャンパンゴールドそのものな煌めきを放ちパの1つ1つが一層鮮やかでメリハリも効いていた印象でした。
お2人によるスケールアップした出会いの場パ・ド・ドゥでも惹き寄せ、リフト以外に語彙は無いんかいと言わざるを得ない振付の過酷さを思わせぬ
幸せに溢れる空気感を漂わせ包み込んでいたのも5年連続の練り上げ成果もありお見事です。
パ・ド・ドウの合間にこれまた複雑に組み込まれていながらも渡邊さんの風を切るかの如き跳躍にも愉悦に浸りました。
何より軍服の着こなしで右に出る人はいない⁈渡邊さんの颯然とした王子と、歴代最長身でダイナミック且つ細かな仕草も上手く役デビューと思わせぬ貫禄ある
渡邊拓朗さんネズミ王の兄弟対決実現。接触の度そして握手での讃え合いに興奮せずにいられず。
拓朗さんネズミ王は24日は更に支配感も強まり、豪快ポーズと目玉点滅の演出も合わせた工夫凝らしたカーテンコールでも沸かせてくださいました。
24日は初台に舞い降りた至福のクリスマスイブでございます。

21日は初役柴山紗帆さんクララが意外にも申したら失礼だが登場時はネグリジェが似合う少女らしいあどけなさもしっかり出て、上品な香り放つヒロイン。
そして代役として前代未聞4回王子でしかも異なる、1人はクララ初挑戦のパートナーと組んでの登板となった渡邊さん王子は
心砕いて初役の柴山さんを丁重にサポートされ原点回帰と安全を徹底し冒険しなかった点も功を奏して、2人から自然と笑み零れ少しずつ距離を縮める過程が覗く展開。
1幕の高難度な、リフト以外に語彙は無いんかいパ・ド・ドゥを同時期に違うダンサーと組んでも問題ない力量に恐れ入った次第です。
柴山さんもポジションや滞空体勢も美しく、丁寧に紡ぐお2人の方向性が ぴたりと噛み合っていたかと思います。
柴山さんクララに対しては優しい且つ力強く引っ張るどっしりとした頼もしさも色濃く出ていたりと、渡邊さんの日によってのアプローチの違いも堪能できました。

主役2人の振付については申したいことは山々であれど、5年連続ですので書き飽きた心境も少しございますが(これは仕方ない笑)
戦闘場面の大掛かりな装置転換はあらゆるくるみの中では随一であると思われ、巨大な雪の結晶隊形の作り上げも美しい雪達や、パワフルな要素も強い花のワルツ等
他にもまだまだ書き足らず。今週末から月曜日にかけて西側へ行ったのち大晦日、お正月公演も鑑賞し終えた段階でまた綴って参る予定でおります。

ひとまずは柴山さん渡邊さんのクララ&王子、私は想像以上に好みでございました。我が2022年最初の鑑賞となるであろう1月2日も大変楽しみです。
兎にも角にも男性ダンサーの層が厚くなった今尚、元々の予定日程や回数の事情があるとはいえ最初から出番続きな全幕作品で
同時期に複数人の個性も全く異なるパートナーと組むとは、しかも過酷極まりない振付てんこ盛り作品。嘗ての山本隆之さんを彷彿とさせる現象でございます。
渡邊さんによる、隙無き気配りをなさって組む相手によってがらりと変えてのサポートぶりに、パ・ド・ドゥの名手と呼びたくなる2021年の年の瀬です。



※バレエチャンネルさんの動画に3人のネズミ王インタビューと、リハーサル映像も公開されました。
兄弟対決練習に励む場面もございます!くるみ割り人形役の兄上、
シャツの上でもベルトと剣がさまになり、凛々しく勇ましいのう(心臓印)。リハーサルの為お面未装着、お顔もよく見え嬉々として眺めてしまいます。






ホワイエのツリー。昨年は無かったかと記憶。今年から復活です。以前はト音記号は見当たらず、装飾が少し変わったかもしれません。



ブリッジカフェにて、開演前からブリュレ。クリスマスの装飾に囲まれております。



毎公演かは分かりかねますが、公演ごと来場者向けにメッセージが用意されています。短い映像ですが、嬉しいはからいです。



ブリッジカフェ奥の方でも食事ができます。サーモンとチェダーチーズのカスクートサンド、豚肉と野菜のスープ。お盆にのせたらマエストロ定食。
18日夜と24日のネズミ王は、チーズのサンドイッチをたくさん入手できたときには独り占めせず、部下にはほどほどに配り
敵であるはずの王子を呼び寄せて静かに睦まじく分け合い宴を開いていることでしょう。(想像です)



クリスマスイブの食事。パーティー場面の気分でこの日のドロッセルマイヤーの甥/くるみ割り人形/王子にも乾杯です。ときめく夜が舞い降りました。

0 件のコメント: