2021年10月13日水曜日

テアトロ・ジーリオ・ショウワの機構を生かした団員作品   スターダンサーズ・バレエ団 RESONATE(レゾネイト)   9月29日(水)





9月29日(水)、スターダンサーズ・バレエ団 RESONATE(レゾネイト) を観て参りました。団員による振付作品を4本上演し
普段全幕公演でも使用しているテアトロ・ジーリオ・ショウワの機構を生かした大掛かりな作品が揃っての披露です。
https://www.sdballet.com/company/c_archive/p2021/2109_resonate/

上演前に読んだ、ディレクションを担当された鈴木稔さんのインタビュー。
振付経験豊富者もいれば初挑戦者もいる公演にて、いかにして4作品の仕上げにかかったか等、面白いお話満載です。
https://spice.eplus.jp/articles/292632


Message
振付:友杉洋之
音楽:Alexander Vatagin,Arca,2562,Hiroyuki Tomosugi

飛び交うメッセージ(情報)に翻弄され、判断に悩む人々が大勢交錯していくシリアスな作風。
専門家も正解の解決方法を見出せず、陣頭指揮を行うはずの立場の人までが神のみぞ知ると口走るなど、まさに今のコロナ禍の社会を突いたテーマに思えます。
途中で光の道しるべが出来上がったり、人が絡んだり離れたり、照明も変化して行き
先の展開が全く読めぬ振付もまた先行き不安な世相を反映しているとも感じさせました。


@Holic
振付:関口啓
近年増加傾向にある時短やテレワークといった業務形態と飼い犬を起点にした軽妙な展開。
仕事から帰宅した女性が持ち帰った仕事を行おうとパソコンを開くも、遊びたがる愛犬に邪魔されつつ、
不可思議な世界が進行して行く、といった内容でした。(全然違う解釈でしたら申し訳ございません)
愛犬ポチは犬の着ぐるみではなく、耳も付けず、白シャツのお洒落な愛犬で、飼い主の台詞に合わせたふとした瞬間の跳躍やポーズも決まって
群舞も巻き込んでのこれまた展開が見えぬ不安定感がむしろ面白い方向へと動かしていた印象です。


What about...
振付・音楽:仲田直樹

人間の笑顔の裏に潜むものを追求した、重みある作品で生命の奪取や環境破壊等、快楽を辿っていくと行き着くものとは何か考えさせられます。
「存在」の秋山和沙さんを中心に、鬱屈した内面を吐露していく6人の「ヒト」の描写が重々しく進行していきました。


SEASON's sky
振付:佐藤万里絵
音楽:Anoice(本作品のための書き下ろし曲含む)

晴天から星空まで、空の表情の移ろいを大勢で巧みに描写。衣装は淡めの色が中心で、水色やピンクなど明るめの色合いも用意。
振付の語彙も豊富で少人数の箇所もあれば全員でダイナミックに畳み掛ける箇所もあり、照明効果もあってプラネタリウムにいる気分にもなりました。
飛行機の中で聴いてみたい、静かで神秘的な曲の数々も魅力。最後は希望で舞台を覆い尽くすような、優しい空気にも満たされました。


スターダンサーズ・バレエ団の団員振付作品公演鑑賞は初めてで、いつも以上に言葉不足である点は申し訳ございません。
ただ、ドラゴン・クエストやくるみ割り人形といった全幕公演も行う劇場での披露は、踊り手の配し方や照明、音響まで小さな劇場での上演以上に
あらゆる箇所に神経を行き届かせねばならず、困難に直面された日もあるかと察しますが
普段気にかけず見過ごしがちなテーマや哲学の域にまで達しそうな答えが出づらいテーマまでをも舞踊化してしまう
しかも15分程度は時間を用いる作品に仕上げる手腕には終始驚かされました。バレエ団問わず、
団員から振付家を発掘する企画公演にはこれからも足を運び続けたいと思っております。




さて、鑑賞からの帰宅後に家で乾杯シリーズもこの日で最後!?舞台を思い出しつつドラゴンアイ スカイビールで乾杯。
ところでこのラベルを眺めているとドラゴン・クエスト鑑賞欲に駆られ、ならば12月公演 に出向き3年ぶりの鑑賞を計画。
これまで人生にて家庭用ゲーム機に触れたのは5回程度で(自宅で所有したことがない)
ドラクエに登場する姫を「ピーチ姫」と思い込み、スーパーマリオと混在させていたほど
ゲーム音痴な管理人も心から楽しめるバレエでした。

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