2021年10月24日日曜日

早逝した偉人達が駆け巡る作 モーリス・ベジャール・バレエ団『バレエ・フォー・ライフ』10月17日(日)







10月17日(日)、モーリス・ベジャール・バレエ団『バレエ・フォー・ライフ』を観て参りました。
バレエ団の来日公演は2017年にも観ておりますが、この作品は15年ぶりの鑑賞です。
https://www.nbs.or.jp/stages/2021/bejart/index.html

※キャスト等はNBSホームページより抜粋

振付:モーリス・ベジャール
音楽: クイーン、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
衣裳:ジャンニ・ヴェルサーチ

イッツ・ア・ビューティフル・デイ
タイム/レット・ミー・リヴ
カンパニー全員

フレディ
ファブリス・ガララーグ

ブライトン・ロック
ソレーヌ・ビュレル、アランナ・アーキバルド、アントワーヌ・ル・モアル、大橋真理、ガブリエル・アレナス・ルイズ、キアラ・ポスカ、大貫真幹

ヘヴン・フォー・エヴリワン
マッティア・ガリオット、ガブリエル・アレナス・ルイズ
 天使:パオロ・ランドン

ボーン・トゥ・ラヴ・ユー
ヴァレリア・フランク
 花嫁:フロリアーヌ・ビジョン
 天使:アントワーヌ・ル・モアル

モーツァルト 「コジ・ファン・トゥッテ」
大橋真理、ガブリエル・アレナス・ルイズ、キアラ・ポスカ、大貫真幹
カインド・オブ・マジック
ドリアン・ブラウン、ドノヴァーヌ・ヴィクトワール、マッティア・ガリオット、クララ・ボワテ、
フェデリコ・マテティッチュ、シプリアン・ブヴィエ、ファブリス・ガララーグ(フレディ)、ハビエル・カサド・スアレス、岸本秀雄、アントワーヌ・ル・モアル、
クウィンテン・ギリアムズ、ヴィト・パンシーニ、リロイ・モクハトレ、アンドレア・ルツィ

モーツァルト 「エジプト王タモス」への前奏曲
ガブリエル・アレナス・ルイズ

ゲット・ダウン・メイク・ラヴ
大橋真理、ガブリエル・アレナス・ルイズ

モーツァルト  ピアノ協奏曲21番
アランナ・アーキバルド、ハビエル・カサド・スアレス、マッティア・ガリオット、カルメ・アンドレス

シーサイド・ランデヴー
マノエラ・ゴンサルヴェス
アンジェロ・ペルフィド、フェデリコ・マテティッチュ、オアナ・コジョカル、ビアンカ・ストイチェチウ、イ・ミンギョン

テイク・マイ・ブレス・アウェイ
大橋真理、ガブリエル・アレナス・ルイズ、岸本秀雄、アレッサンドロ・カヴァッロ、カルメ・アンドレス、マノエラ・ゴンサルヴェス
モーツァルト 「フリーメーソンのための葬送音楽」
ガブリエル・アレナス・ルイズ

Radio Ga Ga
リロイ・モクハトレ

ウインターズ・テイル
大貫真幹
マッティア・ガリオット、カルメ・アンドレス

ミリオネア・ワルツ
クウィンテン・ギリアムズ、シプリアン・ブヴィエ、ドリアン・ブラウン、アレッサンドロ・カヴァッロ、アリステール・マダン

ラヴ・オブ・マイ・ライフ
大橋真理、ガブリエル・アレナス・ルイズ、キアラ・ポスカ、大貫真幹
ブライトン・ロック
シプリアン・ブヴィエ、岸本秀雄、ユーレ・ドイチュマン、アリサ・ヴェリエ

ボヘミアン・ラプソディ
カンパニー全員

ブレイク・フリー (ビデオ)
ジョルジュ・ドン(ビデオ)とカンパニー

ショー・マスト・ゴー・オン
カンパニー全員


※15年前に観ているとはいえ、楽しめたものの想像以上に私には難しいテーマ作品でございましたので
(我が理解力や感性の乏しさが原因です)幼稚で大雑把な感想ですが悪しからず。


開演前から冒頭演出に用いられる客席内にスモークが立ち込めた状態で火災ではない旨を
伝えたいためか、東京都の条例に従って安全に開催しているアナウンスが入ったほど。
幕が開くと期待に違わず、もくもくと焚かれる中に白い布を布団のように掛けて仰向けに寝そべる
ダンサー達が並ぶ光景が広がり、イッツ・ア・ビューティフル・デイで始まりです。
床への光の当て方や色味の帯び方もよく計算された演出で、道筋が出来上がったかと思えば丸みを帯びた形状が散りばめられていたりと凝らした工夫が続々。
厚底靴の踵の輝くデザインや上着の透け具合だったか、細かな模様もお洒落なヴェルサーチの衣裳も見所が尽きずでした。

バレエ団に詳しいわけではありませんが、15年前に比較すると求心力のあるダンサーが減ってしまった気も否めず。
当時も予備知識無しで鑑賞に臨んだものの、エリザベット・ロスとジュリアン・ファヴローも出演し
キューバ出身カトリーヌ・ズアナバールのしなやかな迫力に度肝を抜かれたりと強烈体験があっただけに、
また今回のもう一方のAキャストはロスやファヴローといった古株が今も中心を担い支える構成であったようで、バレエ団は過渡期真っ只中なのかもしれません。

ところでこの作品、単にクイーンの曲を集めた爽快な娯楽物では全くなく早逝したフレディ・マーキュリーやジョルジュ・ドン、モーツァルトら偉人達を悼み
そして讃える作風と思われ、予想以上に重たいものがのしかかっている印象を抱いた次第。
中でも映像のジョルジュ・ドンが大きく映し出された表情に見えた孤独感を秘めた寂しそうな眼差しは直視できず。
ちょうど行きの電車内で森下洋子さんの文庫本著書『バレリーナの情熱』を読んでいたところ
ベジャールに振り付けられた『ライト』とドンとの共演についての章があり
ドンの繊細な人柄の逸話が綴られ、私生活で大きな悩み事があると切り替えができず仕事にも身が入らず、
ドンは舞台をすっぽかしてしまい森下さんは急遽若手の代役ダンサーと踊りどうにか舞台を終えた時もあったとのこと。
お詫びの電報が届いたそうですが、その話を思い出しながら映像を眺めておりました。

今年夏には新国立劇場バレエ団の福田圭吾さんが振付演出を手掛けられたロックバレエも鑑賞し、奇しくもクイーンの数々の楽曲を用いた作品を同年に2本鑑賞。
福田さん版は楽しくお洒落に、最後は胸躍り心浮き立つ幕切れで、勿論出演者人数や舞台機構、コンセプトに至るまで条件や事情は異なりますから当然とはいえ
同じグループの曲構成であっても楽曲選びも含め、実に大きな違いが出る面白さも体感できた思いでおります。



帰り、マハラシュトラ地方の料理を出すインド料理店にて、まずは太陽のお顔が面白いインド産赤ワインで乾杯。
この日は1日寒空でしたが、イッツ・ア・ビューティフル・デイで始まる公演、満喫です。
※ボトルは記念撮影用にお店の方が持ってきてくださり、1本飲み干したわけではございません。飲んだのはグラス1杯分でございます。



ムンバイ名物パンバジターリをいただきました。中央はムンバイパン、ふっくらとして美味しうございました。
手前の楕円形のお皿は野菜エキス凝縮なカレーで、食べたあとは身体がすっきりとした気分に。
予約制月替りターリもあれば、もう少しボリューム抑え目のメニュー、おつまみと飲み物(お酒、ソフトドリンクも可)のスパイス飲みセットもあるようです。

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