2月8日(月)、渋谷のユーロライブにて日本バレエ協会主催創造されたバレエの夢 Ballet Creation 2020 Special 記録映像上映
『真夏の夜の夢』『七つの短編』2作品を観て参りました。
http://www.j-b-a.or.jp/stages/ballet-creation-2020-special/
キミホ・ハルバート振付作品『真夏の夜の夢』
タイターニア:本島美和
ヘレナ:森田真希
ハーミア:清水あゆみ
オーベロン:山本隆之
ライサンダー:池田武志
デミトリウス:福田圭吾
パック:菊池いつか
ボトム&妖精:横山翼
ほか
上演当時の本島さんのブログに、ハルバートさんや出演者との写真が掲載されています。色気を放つ美男美女な妖精夫婦です。
https://gamp.ameblo.jp/motojima-miwa/entry-11807363199.html
新国立劇場の研修所やハルバートさんが育った岸辺バレエスタジオ発表会などで形を変えながら上演を重ねている作品で、今回は2014年ゆうぽうとでの上演版。
出演者のお名前からして当時私が足を運んだのは言うまでもありませんが、2014年3月ですからソチ五輪すぐあとの頃の時期。
つい最近の出来事のように思い返しながら映像を鑑賞いたしました。
まず、本島さんタイターニアと山本さんオーベロンの並びが実に耽美でこれ以上にない美男美女な妖精夫婦。
タイターニアは膝丈のウェディングドレスのような衣装でオーベロンはシンプルな白い衣装、お2人の生来の美しさがそのまま活かされた印象です。
チャーミングな面もたっぷり描かれ、オーベロンはタイターニアの尻に敷かれてお小姓を取られては悔しがったりすっとぼけた表情を浮かべたり、
相棒のパックと舞台後方の坂道に腰掛けて一生懸命考え事をする様子は可愛らしくもあり。(ドラえもんとのび太が公園の土管に座っている光景が重なります笑)
随所に入るパ・ド・ドゥは互いを慈しむように伸びやかで柔らかく、すっと解放されるかの如く気持ち良い振付。
オーベロンの包容力、勝気なはずのタイターニアがふと見せる甘えるような愛らしさには蕩けるしかありません。
妖精達の平均年齢が非常に若く、瑞々しくユーモアを含む踊りが次々と繰り出されて紡いでいく流れで飽きさせず。
録音音源しかも今回はカメラワークほぼ定位置の記録映像にも拘らずメンデルスゾーンの音楽が更にきらっと輝くように耳に響いてきたほどです。
衣装は白を基調に可愛らしさと爽やかさを薫らせ、タイターニアがお昼寝をする場所は木の根元の穴ではなく、
天蓋白いカーテン付きのスペース配置。(本島さんタイターニアですから素材はシルクを彷彿)
パックの悪戯に翻弄されたライサンダーとデミトリウスの争いも笑いを起こし、テクニック盤石な池田さん福田さんの
表情と身体を張って踊りながらの主張の食い違いには、当時近くの客席にいた小学校低学年であろう女の子も大笑い。
終演後もしきりに楽しかったと親御さんに言葉を発していて、上質な作品は子供心にもきちんと届くことを証明していたのでした。
約30分の作品でありながら楽しさと美しさが凝縮し、実質15分もない印象。それだけダンサーの魅力を引き出す振付、配役、衣装、音楽全ての要素が
見事なまでにぴたりと嵌っていた作品です。再演お待ちしております。
中村恩恵振付作品『七つの短編』
出演:中村恩恵 首藤康之 山本隆之 ほか
2017年メルパルクホールにて上演された、曜日ごとに場面展開していく作品。中村さんお得意の暗闇に黒系衣装のダンサーを配して光を当てる演出が多く、
管理人の脳内構造に問題大いにありなのだが内容が難解でいかにして鑑賞に臨めば良いか分からぬまま終演。
今回の映像鑑賞でも同様で精神性の恐ろしく高い、哲学的な世界観は苦手なのかもしれません。
(中村さん作品の中ではシェイクスピア・ソネットや火の鳥、ベートーヴェン・ソナタは好きなのだが)
小さめの劇場にて、舞台に近い席から鑑賞すれば印象も変わる気がしております。
そうは言っても山本さんの近寄り難いほどの存在感には管理人の目も冴え渡り、支配力に感嘆。至近距離で観てみたい作品と再確認です。
当時のプログラム持参で映画館1階のカフェにて開映前にハーフアンドハーフビールで乾杯。
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