2021年12月12日日曜日

清泉ラファエラ・アカデミア   バレエへの招待  2021年秋期





春期に続き、2021年秋期も清泉女子大学にて生涯学習ラファエラ・アカデミア  守山実花先生が講師を務めていらっしゃるバレエへの招待を受講いたしました。
https://rafaela.seisen-u.ac.jp/lecture/detail.php?lecturecd=20211503

秋期はヌレエフ時代のパリ・オペラ座。芸術監督時代パリ・オペラ座に及ぼした影響や古典の改訂振付作品、
シャルル・ジュドやマニュエル・ルグリ、ローラン・イレールやカデル・ベラルビら現在は指導者として活躍中である愛弟子エトワールのその後にも触れてくださったり
まだまだ聞きたいお話が溢れてくるほど、興味を抱いて止まぬ講座でした。

中でも関心を持ち印象を覆されたのはヌレエフによる古典改訂振付作品の特徴。一にも二にも豪華絢爛で贅を尽くしては
素人であっても財政逼迫が心配になるレベルな作品を続々発表し、また忙しいステップの連続で観ていても疲弊する、そんな印象が根強くありました。
しかし、振付改訂時にあたり作品の時代背景や人物の心理を振付のみならず演出や装置にも反映させたりと非常によく分析した結果であったと知り
珍しく贅沢系衣装装置ではない『白鳥の湖』でのひんやりした触感が伝わる灰色の装置や
『ロミオとジュリエット』で描かれるペストの意味付けについてようやく腑に落ちました。
前者は昨年には無料配信を視聴してコール・ド・バレエの変則的なフォーメーションの面白さには見入っておりましたが
2006年の来日公演で鑑賞しプログラムも購入しているはずが何を観て読んで来たのだろうかと恥ずかしや。(主役の途中降板が余りに衝撃であったのだが)
ヌレエフ版『ロミオとジュリエット』は思えばイングリッシュ・ナショナル・バレエによる来日公演での披露予定が
中止となってしまったのは誠に残念。いつか生で観てみたい作品の1本です。

そして講座で鑑賞し生で観たい欲望が一段と募ったのは壮麗で重厚な『ライモンダ』。頭から衣装の隅々まで大ぶりの宝石で彩ったかの如く豪奢な衣装を始め、
中でも3幕における赤を基調とした美術のずっしりと迫るベルベットの質感に触れるような舞台を目にしてみたい気持ちがおさまらずでございました。
本来であれば2020年のパリ・オペラ座来日公演で上演予定が演目変更となり『オネーギン』と『ジゼル』か、何ぞ思っていたらそれどころではない
最早変更があった経緯すら消え失せてしまう前代未聞な事態下での開催となってしまったわけですが
飾られている甲冑がやや近代寄りな形状な気もしたものの、実際の舞台にお目にかかれば細かな点は気にせず
ヌレエフが築いたパリ・オペラ座黄金期の威信に圧倒されるであろうと想像いたします。
2018年に当時ルグリが率いていたウィーン国立バレエ来日公演ガラにて、抜粋であっても鑑賞できたのは今思えば幸運でした。

バレエ鑑賞を趣味とした頃からソビエトに偏った好みが影響して、ギエム主演のシンデレラや、なぜか実現したノエラ・ポントワとイレールの日本バレエ協会ゲスト出演に
ヌレエフが当時のキーロフに一時戻った話題などは書籍にてよく眺めてはおりましたが、フランスのバレエは映像含めてさほど観てこなかった身としては
前期から計6回、パリ・オペラ座の成り立ちや特徴、そしてヌレエフ時代について学べたことは喜びもひとしおでございます。

そういえば、ヌレエフから直に指導を受けエトワールとして活躍されてきたベラルビさんがのちに振り付けられた作品の舞台写真を
現在携帯電話の待受画面に設定している管理人。今考えれば、最も身近な持ち物の真っ先に目に留まるところに
フランスのバレエ団の写真を用いるとは、鑑賞を始めた頃の自分からしたら想像もつかなかったことでございます。
マクシモワやプリセツカヤ、アナニアシヴィリといったロシアバレエのスター達目当てに入手した
開催時期がソ連崩壊直後で会場からしても国を挙げての大規模行事であったであろうモスクワ赤の広場ガラ公演映像にて
大トリの『ドン・キホーテ』でアナニアシヴィリと組んでいたのがなぜだかパリから参加のベラルビさんであった摩訶不思議なペア実現を
そしてロシアバレエのスター達と題した映像にもかかわらず特例で収録されたのか
カロル・アルボとベラルビさんの『ジゼル』を映像越しであれ何度も観ていた行為が将来を予言していたとしか思えません。




2018年の世界バレエフェスティバル会場にて貰った団扇。パリ・オペラ座が2020年来日公演にて『ライモンダ』予定と記された文字に心躍った瞬間でした。
末端席で良いから通い詰めようと勇んでおりましたがそれも束の間。まさか世界規模でこんな事態になるとはこの時は予想もできませんでしたが。



これは発売直後1991年頃?からよく観ておりました、パリ・オペラ座時代のギエムのドキュメンタリー。
神秘的で厳かな『ライモンダ』やボブヘアのままでの『シンデレラ』練習を集中して眺めたり
このとき衝撃が走ったのは今やガラでも大人気なフォーサイスの『イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッド』。
ギエムの身体能力よりも、確かサンドイッチか何か頬張っていたフォーサイスの姿よりも
スリランカの首都以上に長い題名に驚き、未だ口頭では正確に申せません笑。



今期もお世話になりました、清泉女子大学地下のカフェ。講座後バレエ・クレアシオン公演へ向かう日には初めてピザもいただきました。
舞茸とチーズがたっぷり。紅茶のシフォンケーキは一口大に切られてカップに入れられ、ふわりと軽い食感の生クリームも盛られて小さなパフェのような見た目です。



この日もピザもいただき、はみ出るほどチーズたっぷりで満足。マーブルベイクドチーズケーキは香ばしく甘さ抑えめ。ご馳走さまでした。

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