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2022年8月10日水曜日
新たな世界を覗きに恵比寿へ BALLET theNewClassic 8月5日(金)
8月5日(金)、恵比寿ザ・ガーデンホールにてBALLET theNewClassicを観て参りました。
https://www.balletthenewclassic.com/
実のところ、恵比寿ガーデンプレイスは存じていながらホールの場所は今回初めて知り、随分とお洒落な立地にまず驚き、
初日とあってか加えて公演の特徴からかファッション関係者と思わしき方々が多数来場。場違いな自身は尻込みしかけておりましたが笑、開演すれば観客は全員舞台を堪能する者同士。
モード系とクラシックを融合したような衣装が物珍しさを超越して構造や細かな部分まで興味が沸いて観察したり
モノトーンを基調とした近未来風な照明の空間に身を置き、2017年11月末の伝説の東京タワー横のスタジオ事件ほどではないが
出演者を間近で鑑賞でき、予想以上に満足度の高い公演でした。舞踊監修はKバレエカンパニーの堀内將平さん、衣装は幾左田千佳さん、
ヘア/メイクはKENSHINさん鷲巣裕香さん、演出は梅田亜希子さん、宣伝美術は石井勇一さん、企画は井上ユミコさんです。
開演すると少しずつ交互に光が照らされ、下手側にて滝澤志野さんによるピアノ演奏が開始。
上演される作品それぞれの音楽の聴きどころを抜粋し繋げた編曲で、1台で管弦楽曲並に多層な調べを奏でながら優しく導いてくださいました。
幕開けは『眠れる森の美女』ローズ・アダージオ。衣装もポワントもピンク色の水谷実喜さんがそれはそれは可愛らしい笑みで登場され、闊達なステップを披露。
衣装も斬新ながらローズアダージオのオーロラ姫であるイメージはそのまま踏襲。早速衣装構造の観察に夢中となりました。
序盤、照明が白過ぎた気もしたものの角度の影響であったかもしれず、後半は気にならず。
求婚者達は全員黒スーツでゆったりめのパンツ、胸元には白い薔薇を差し、シックな装い。
薔薇が白であったのは色のバランスを考慮した結果かと思われますがシックな趣きとなって表れ、これはこれで良きデザイン。髪型はオールバック路線
続いて菅野茉里奈さんのソロ作品HOMEM。背も高く筋肉しっかりな体躯で自在にダイナミックに躍動するさまやオレンジであったか色味のアクセントも目に留まり
シェヘラザードでは横山瑠華さんと堀内さんが黒系衣装で整え濃密さはほんのり程度に、スタイリッシュでクールな味を出して披露。
横山さんの人を容易には寄せ付けぬ高嶺の花なゾベイダにうっとりです。以前バレエアステラスに出演され
軽やかさが香り立つシルフィードを踊られた横山さんは気になるダンサーの1人に加わっておりましたので再び鑑賞でき幸運でございます。
秋山瑛さん、池本祥真さん、太田倫功さんによるMoment in Timeは秋山さんが軽快で力み皆無、次々と繰り出す四肢のしなやかさに驚嘆。
加えていたく細身ながら痛々しさを全く感じさせないのは心から喜びを出して踊っている姿がそれはそれは眩しく映るからこそでしょう。
少し装飾を加えたレオタードな衣装もお似合いでした。
『ジゼル』では一見ウエディングドレスのような衣装で、繊細な素材を思わず観察。
結婚が叶わなかった娘達のせめてもの願いが込められたのであろうかと想像が巡りますが
森田愛海さんのフォルムがより綺麗に見え、ふわりと靡くチュールが優しくも寂しげな残像を描く効果もあり。
森田さんは長身なファッションモデルのような体型にも驚かされましたが、別世界に行ってしまった触れたくても触れられぬ精霊として捉えると納得。
高野陽年さんの、白いロミオ風な衣装のアルブレヒトのすっと伸びた線やひたむき懺悔(褒め言葉)、
滝澤さんの振り幅広くドラマティックに奏でるピアノ演奏も印象に刻まれております。
中村祥子さんの『瀕死の白鳥』は腕と肩甲骨が連動し流線描く筋肉の動きに目奪われ、
衣装は奇を衒う風味は抑えるも中村さんの研ぎ澄まされた身体の美しさが引き立ち眼福。
第1部最後を飾った二山治雄さんのボレロは高野譜希子さん振付。コンテンポラリーを踊るお姿を観るのは2014年5月以来久々で、
噂に聞いていた通り可動域の広さや柔軟性、バネの力にも仰天。ソロで踊るとコケやすい(失礼。苦行に近い駄作を目にしたこともあるため)
ボレロでダレず惹きつけたのは、好みは別としても評価に値すると思っております。
『ライモンダ』より抜粋
プログラム内容について後日話題となった時、目玉は出演者全員による「みんなで踊ろうライモンダ」と口走ったところ
盆踊り大会かいと知人から突っ込まれましたがそれはさておき、3幕はしばしば抜粋上演機会があるものの
1幕や2幕も取り入れている構成に、あらゆるバレエ作品や音楽の中で最も好きである者として誠に嬉しい企画です。
またガラといっても小作品やソロ、パ・ド・ドゥの羅列にとどまらず全員で1つのものを作るコンセプトも好感を持ち、今回足を運ぶ一番のきっかけとなりました。
幕開けから登場シーンとして中村さんが細かなパ・ド・ブレを紡ぎ、高貴で格高い姫っぷり。
1幕の設定ですから僅かな愛らしさも残して、ジャンの帰還をずっと待ち侘びているのであろうただ幸せだけでない哀感も微かに込められた登場ソロでした。
続いて中村さんを主軸にグラン・パ・クラシックのアントレとアダージオ、その後はあらゆる場面からの抜粋があり
特に歓喜したのは横山さんによる帰還のヴァリエーション披露。ホルン、オーボエ?、フルート、と主旋楽器が次々と変わり、これといって派手な技巧がないものの
いよいよジャンが帰還する嬉しさと久々に会うからかどこか恥じらいも含まれ、終盤は堂々格式高く終了。
あらゆるヴァリエーションで最も好きでございますが、同意見の方は東京都民に1人でいるかいないかの割合かと存じます。
横山さんが輪郭くっきりと美しい型を描き出し、格調高く堂々たる踊りで目にも心にも喜びを与えてくださいました。
締め括りはグラン・パ・クラシックコーダで、出演者全員が勢揃いですから圧巻。
物語性よりもライモンダの音楽でお洒落に団結した作風であったのも今回のコンセプトにはよく合っていると思わせました。
一風変わった、且つスタイリッシュな面白い企画公演で 購入時チケット代には仰け反りかけ迷いもいたしましたが、鑑賞でき新たな世界を旅した気分。
一度は中止となり、その事態を乗り越え開催できたこと、心より祝します。
テラス
撮影タイム
撮影タイム
帰り、恵比寿ガーデンプレイス横の静けさに包まれたくすのき通りを歩き、『ライモンダ』音楽を反芻しながら移動。
暑さが少し落ち着き、夜風を浴びながら辿り着いたこちら、
恵比寿に行ったときには訪れてみたかったお店へ。1人スパークリングワインで乾杯。
味わってみたかった、キャラメルナッツパンケーキ。ふわふわのクリームとほろ苦いキャラメルソース、ナッツもたっぷり。
テーブル上にはメープルシロップもあり、時々かけていただきました。健康診断終わったから良しとしましょう。
7月の3連休明けに受診し、結果異常なしの4文字。
鵜呑みにはしてはいかんとは思うが、(中性脂肪等本当に問題ないんか)これまで通り、アルコールや甘味も満喫だ!
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2 件のコメント:
管理人様
アルコールは、免疫力を下げますので、ほどほどに!
どれ位が、ほどほどか、おまかせします。
aruyaranaiyara様
遅くなり申し訳ございません。
ご心配をありがとうございます。
はい、ほどほどを目安に、気をつけて摂取いたします!
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