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2021年8月18日水曜日
足立さんと大塚さんの主役デビュー 東京バレエ団子どものためのバレエ『ねむれる森の美女』午前の部 8月8日(日)
8月8日(日)、東京バレエ団子どものためのバレエ『ねむれる森の美女』午前の部を観て参りました。
https://www.nbs.or.jp/stages/2021/meguro/
※キャストはNBSのホームページより
◆ 主な配役 ◆
オーロラ姫:足立真里亜
デジレ王子:大塚卓
リラの精:平木菜子
カラボス:二瓶加奈子
カタラビュット(式典長):岡崎隼也
王さま:ブラウリオ・アルバレス
王妃さま:富田紗永
【プロローグ・第1幕】
優しさの精:瓜生遥花
やんちゃの精:安西くるみ
気前よさの精:本村明日香
のんきの精:工 桃子
度胸の精:長谷川琴音
4人の王子:樋口祐輝、生方隆之介、玉川貴博、後藤健太朗
オーロラの友人:菊池彩美、花形悠月、松永千里、中島映理子
【第2幕】
フロリナ王女と青い鳥:中島映理子-生方隆之介
白い猫と長靴をはいた猫:安西くるみ-海田一成
赤ずきんとおおかみ:最上奈々-山田眞央
シンデレラとフォーチュン王子:上田実歩-山下湧吾
白雪姫:菊地彩美
協力:東京バレエ学校
足立さんは、1幕では薔薇の飾りが散りばめられたピンクの衣装姿が実に愛らしいオーロラ姫。
お姫様が可愛いと周囲の子供達が休憩時に連呼していて(子供は正直!)ポーズ1つ1つも揺るぎなく
両親から結婚相手を見つけるよう促され恥ずかしがる表情からのローズ・アダージオも堂々たるもの。立派な初主役です。
ピンクを多用した、玩具売り場にも並んでいそうなアニメ調なお城の美術にも自然と調和するダンサーは珍しいと思え
目がくりっとした、少女漫画にヒロインとしてそのまま登場しそうな容貌も姫らしさを後押ししていた気がいたします。
結婚式では目線の配り方が多方向へと変わって風格を備え、ロイヤル・ウェディングに相応しい姫となっていました。
7月のベジャール版『ロミオとジュリエット』パ・ド・ドゥでの短時間で歓喜から悲嘆まで一気に駆け抜ける振付における
迸る感情を乗せての体現に仰天したばかりでしたがおとぎ話の姫でも魅力を開花です。
大塚さんは背がすらりと高く線も綺麗でノーブルな魅力もあり、出番が少ないながら(こればかりは演出上仕方ない)誠実そうなデジレ王子で好印象。
リラとのやりとりでも意思表示をはっきりと示し、舟にも乗らず(確か)リラに導かれひたすら徒歩移動な場面でも気品を崩さずであったのは立派でございます。
東京バレエ団の応援歴が長い方より注目株とは聞いておりましたが納得で、これから次々と主役を任されていくであろうと思わせ
王侯貴族系も良さそうですが、そうでない役柄で大化けし驚かせそうな予感もしております。
そういえば、ダンスマガジンでの美しい男特集の表紙?ページ担当をなさっていて
所謂往年の少女漫画風なる目がお星様な容貌ではあらずともジーパンにTシャツでも華が伝わる容姿ではございました。
足立さん大塚さんペアは美しい絵にもなり、パートナーリングも滑らかで何より品も香って初々しさもまだ残る点も今だからこその魅力。
子供バレエとは言え古典中の古典である眠りのおとぎ話な世界観によく似合い
『くるみ割り人形』でも組んで主演ですから衣装はあまり好みでないものの足を運びたいところですが現時点では香川と鹿児島公演のみのもよう。
お近くの方、その時期四国や九州南部に滞在中の方、どうぞご来場ください。お出汁も麺も美味しいあまり1日に2回もうどんを食した香川、
桜島を眺めながら温泉に浸かったのち強烈な焼酎を試飲した鹿児島、と管理人も嘗てバレエ鑑賞で出向きいずれも思い出深く且つ1度しか行っていない県でございます。
話が逸れました。最近入団された平木さんのリラはゴージャスな風格で妖精達を統率し、何事にも動じない度胸も据わっていそうなリーダー。
カラボスと対峙しても愛らしいお顔立ちからは想像がつかぬ毅然とした立ち姿で、柔らかな線を描いて行くヴァリエーションもたいそう麗しく映りました。
二瓶さんカラボスの妖気やガツンと押し出す怖さも十二分で、ただ怖いだけでなく黒や茶色、金色が混じったグラデーション調のドレス衣装もさまになり
踊る箇所が少ないのは寂しくも裾さばきや立ち居振る舞いが凛とした美を連ねていくさまに惚れ惚れです。
そしてカタラビュットによる語りと導きは子ども眠りの名物でしょう。オーロラ姫誕生会前夜での招待客対応に関する苦悩までもが描かれ、
めでたい会の裏側の真相に迫る演出。昨年に引き続き岡崎さんで鑑賞し、観客の導き方が上手く、2階席の奥までしっかりと目線を送りながら誘ってくださいました。
子役3人を起用してのオーロラの成長過程を通常は糸紡ぎを行う村娘達の曲に合わせて見せて行く花のワルツ前の場面も工夫が光り、
ボール遊びや読書など姫の楽しい行為には常にカラボスの罠か仕掛けられていて、カタラビュットは毎度危機をいち早く察知してカラボスから姫を救出。
実はオーロラ姫にとっては、デジレ王子よりも正義のヒーローであろうカタラビュットの活躍物語も同時進行と見て取れる演出です。
昨年はさほど意識せずに観ていたのか、子ども向けであっても私が眠りを観る上で長年疑問視していた点を
遂に納得の方向にもたらした演出もありました。結婚式での招待客達の配置です。
恐らくは、眠りのどの版でも結婚式にて青い鳥やフロリナ、赤ずきんちゃん等童話の招待客達が
オーロラ姫とデジレ王子のグラン・パ・ド・ドゥを見守っている図は無いと思われ、少なくとも私が観てきた限りは東京バレエ団の子ども眠りが初。
せっかく招待された方々は主賓の踊りをいったい何処で観ているのか疑問だったわけです。
時代を大幅に先取りして機材を開発及び数百年後の地球規模で流行する病を見越し、密を避けるため皆別室でモニター鑑賞、
なんぞ考えられず或いは控室で勝手に親睦会、であるはずもない。ですから、後方に勢揃いして腰掛け
新郎新婦をにこやかに見守っている光景が儀式ではなく心からの祝福感が伝わってとても幸せな気持ちに包まれる一幕と思えます。
時には狼と長靴を履いた猫が離れた場所同士で少々小競り合いを起こしては赤ずきんちゃんが母親のようにたしなめたり(狼さん、意外と気弱なのかすぐ反省顔に)
そうかと思えば白雪姫とフロリナ(多分)が仲良く見つめ合って喜びを分かち合いつつ友情が芽生えてそうであったりと童話を超えた交流が静か且つ盛んに行われ
本公演と異なり舞台上の人数は多くはなくても寂しいどころかむしろ一体感が強まっている気さえいたしました。
時間軸は戻りますが、王子によるカラボス退治もなかなかよく練られ、最後蜘蛛の巣止めの一突きでは幕が上がるのではなくペロンと引き裂かれ垂れる演出。
ほんの一瞬の出来事ではあっても王子が本当に蜘蛛の巣を破った感が短時間に伝わり、他のある版ではちょいとツンツンで幕が上がって
いつの間にかカラボス退陣な流れになっている演出よりは良かろうと捉えております。
パ・ド・シスの妖精達の衣装のパステルカラーやふわっとしたボリュームのあるチュチュも可愛らしく、色違いのエッグスタンドを持ち寄って祝福もカラフル。
4人の王子はターバンとターメリック色のタイツでカレーの箱のモデルかと見紛うインドの王子意外はお国がよく分からずでしたが笑
シンデレラのトリックも子供の観客の皆様と一緒にびっくり箱を開けたかのように目を見張る早替わり。
家事に明け暮れる灰色の衣装で俯きながら登場するやいなや瞬時に全身から布が外れて頭にはティアラ、白と金で彩られたドレス型衣装に切り替わり
シンデレラの変身手助け係を始め赤ずきんでの木の運搬をも行い式の最中働きづめであったお小姓達にも拍手です。
背景の美術には目が慣れぬところですが随所に工夫を凝らした大人も楽しめるメルヘン眠りで、
今回は足立さん大塚さんの主役デビュー日ともあって舞台上も客席からも応援熱が充満。
子供の観客の皆様もとても満喫していたようで、夏休みの感想文に書いてくれたら太古の昔に子供時代を過ごした管理人も嬉しい限りです。
ご参考までに前回の感想です。東京バレエ団の本公演眠りを知ったきっかけである勝又まゆみさんと当時10代であった首藤康之さんの記事や
実際の衣装は突っ込みどころ満載と分かった16年後(時の流れはオーロラか笑)の衝撃も含めて綴っております。
https://endehors2.blogspot.com/2020/09/913.html
4人の王子のうちインドの王子衣装を観ていたら暑さもあってカレーを欲し、乗り換え駅にて2種盛りをいただきました。
ほうれん草カレーと麻婆カレー、暑い日には冷やし中華よりもカレー派です。(春夏秋冬いつでも好きですが)
帰宅後ピンク色のアルコールで乾杯。足立さん、舞台をぱっと照らす姫オーラが今思い返してもたいそう煌めいていました。
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2 件のコメント:
真里亜さんの主役デビュー、素敵でしたね! ずっと応援しているファンとして、とても感慨深い舞台でした。
紗恵さんも好印象だった様で嬉しいです。
大塚卓さんもカッコ良かった~
真里亜さんのかぐや姫、マーシャも楽しみです。
Aki Ogawa
Aki様
こんばんは。ご感想お寄せいただきありがとうございます!
長年応援している足立さんの初主役、胸に込み上げるものがあったかと思います。
美しく可愛らしい、澄みきった輝きを放つ素敵なオーロラ姫でした!
大塚さんの王子、ノーブルで情熱的な面も伝わりとても良かったですよね。
足立さん、次々と主役を射止めていきそうですね。舞台を楽しみに待ちたいと思います!
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