英国ロイヤル・バレエ団から配信中の『眠れる森の美女』を鑑賞いたしました。まだご覧になれます。(恐らく8月7日まで)
金子さんのオーロラ姫第1幕ヴァリエーション。瑞々しさ、華やぎがぱっと広がる踊りです。
※英国ロイヤル・オペラ・ハウスシネマ公式ホームページより抜粋
【振付】マリウス・プティパ
【追加振付】フレデリック・アシュトン、アンソニー・ダウエル、クリストファー・ウィールドン
【プロダクション】モニカ・メイソン(ニネット・ド・ヴァロワとニコライ・セルゲイエフに基づく)
【美術】オリバー・メッセル
【デザイン追加】ピーター・ファーマー
【音楽】ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
【指揮】サイモン・ヒューイット
【出演】
オーロラ姫:金子扶生
フロリムント王子:フェデリコ・ボネッリ
国王フロレスタン24世: クリストファー・サウンダーズ
お妃: エリザベス・マクゴリアン
カタラビュット:トーマス・ホワイトヘッド
カラボス:クリステン・マクナリー
英国の王子:ギャリー・エイヴィス
フランスの王子:ニコル・エドモンズ
インドの王子:デヴィッド・ドネリー
ロシアの王子:トーマス・モック
伯爵夫人:クリスティーナ・アレスティス
フロレスタン:ジェームズ・ヘイ
フロレスタンの姉妹:マヤラ・マグリ、アナ・ローズ・オサリヴァン
長靴を履いた猫:ポール・ケイ
白猫:レティシア・ストック
フロリナ姫:ヤスミン・ナグディ
青い鳥:マシュー・ボール
赤ずきん:ロマニー・パイダク
狼:ニコル・エドモンズ
~プロローグ~
澄んだ泉の精: ロマニー・パイダク
お付きの騎士:アクリ瑠嘉
魔法の庭の精: マヤラ・マグリ
お付きの騎士: ヴァレンティノ・ズケッティ
森の草地の精: クレア・カルヴァート
お付きの騎士:カルヴィン・リチャードソン
歌鳥の精: アナ・ローズ・オサリヴァン
お付きの騎士: ジェームズ・ヘイ
黄金のつる草の精: 崔 由姫
お付きの騎士: セザール・コラレス
リラの精:ジーナ・ストーム=ジェンセン
リラの精のお付きの騎士:ニコル・エドモンズ
オーロラ姫の金子さんは瑞々しさと華やぎがふわっと広がるヒロインで煌々とした輝きが眩しいほど。
とても当日の代役で登板したとは思えず、花が零れるような表情に指先脚先からも気品が香り立ち目を見張る麗しさでした。
役柄上は勿論日頃からもカンパニーに愛され、だからこそオーロラ友人や求婚者、国王と王妃からも
それはそれはにこやかで安心感を与える祝福を受けていたと窺えます。
当初はリラの精の予定だったそうですが、包容力のある妖精も観てみたいと思うと同時に
当日に告げられリラの準備を封じ込め、こうも初々しいまさに薔薇の蕾の開花を見届けるかのような姫として舞台に登場できるのかとすっかり見入らずにいられず。
2幕の幻影であっても隠しきれないプリンセスオーラも魅惑的で、3幕は金粉を振り撒いているとも錯覚させる格式と煌きを放つ姿には恍惚と魅了されました。
金子さんの舞台はロイヤルの来日を除いては2012年の大阪にてMRBスーパーガラにて蔵健太さんと披露されたでの『眠れる森の美女』グラン・パ・ド・ドゥを鑑賞。
最前列にて拝見し、近くの小さな女の子がじっと集中して観ながら綺麗綺麗と何度も口にするほどの美しさであったのは今も記憶しており
あれから8年。映像ではあっても全幕主演舞台を鑑賞できたのは幸運でした。
フロリムント王子のボネッリは真っ直ぐで柔和そうなお人柄が覗き15年程前と容姿が不変で技術も衰えも見えぬ点にも驚かされた次第。
とにかく姫を立て、金子さんが落ち着いて踊れるよう心の砕きようが伝わる王子でした。
ダイナミックな潔さで盛り立てていたのはリラのストーム=ジェンセン。背が高く長い手脚、スパッと腕を掲げて城内を落ち着かせる様子は
王子より遥かに強そうではあったが、金子さんと同じく急な登板とは思わせぬ堂々たる舞台姿でした。
パイダクの滑らかで場を持て余さない澄んだ泉の精や崔さんの威厳ある黄金のつるぎの精も印象に刻まれ、
フロレスタンの姉妹とは何ぞやと疑問を抱いていたら宝石の場面に登場。
ロイヤルの眠りを全編通しで観るのは初で、精通者からしたらお馴染みであろう場面や設定も斬新に映り
プロローグの妖精達に至っては名前が覚えられず笑。「優しさ」「鷹揚」といった2、3文字に慣れてしまうと暗記は困難でございます。
衣装が1点1点異なる模様が大胆に彩られた凝ったデザインで、観察も楽し。
そういえば、英国ロイヤルの眠り衣装は何回か改訂されているのか私が長きに渡ってロイヤルをそこまで注目せずにおりましたため
フロリナの衣装が明るめの青を重ねていたはずが随分と渋くシックになった印象を持ったり
黒を基調とした迷宮のような宮殿を模した舞台美術は誰の版であったか思い出せず(ダウエル版であろうか)
学びの範囲を更に広げて行きたいとも思えた英国ロイヤル眠りでした。
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