2023年8月17日木曜日

中身充実もガラ飽和状態な現実 バレエ・アステラス2023 8月6日(日)




※改めまして、佐々木美智子バレエ団『ドン・キホーテ』(公演日は2023年7月30日)記事につきまして、関係者の方がリンクを紹介してくださったようで
当ブログでは昨年秋の新国立劇場バレエ団『ジゼル』以来であろう、テレビ番組で例えるならばNHK連続テレビ小説『おしん』並みのアクセス数に喜び驚愕しております。
アクセスしてくださった方、ありがとうございました。
鑑賞後すぐに綴ることが困難な脳みそであるが故に鮮度が薄れた頃に更新されるブログでございますが、宜しければ今後もお立ち寄りいただけたら幸甚です。
気づけば現在5本ほど溜まっておりますが、地道に更新して参ります。


8月6日(日)、バレエ・アステラス2023を観て参りました。
https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/asteras2023/


※昨年のバレエ・アステラス2022フィナーレの様子。グラズノフの『バレエの情景』よりポロネーズにのせた祝祭美満開なフィナーレでございます。
お急ぎの方は開始30秒から48秒あたりまでどうぞ。遂に本拠地でお披露目となった『海賊』、また観たくなります。
予想以上に精巧な作りだったせいか、上半身網網付きアリ衣装もなかなか宜しかった。



オープニング
前回までは『エフゲニー・オネーギン』ポロネーズでしたが今回からは管弦楽組曲第3番ト長調。
テーマとヴァリエーションのフィナーレ部分でございます。管理人、両曲大変好きでございます
今回からはスターウォーズのような吸い込まれるような天体風映像付きで始まりました。


※作品名等は公演ホームページより

『シンフォニエッタ』
振付:牧 阿佐美
音楽:シャルル・グノー

研修所看板演目の瑞々しい作品でアステラスでは度々披露されてきました。今回からか女性の衣装がシフォンスカートからクラシックチュチュのデザインに変更。
音楽にのせてスカートがさらりと舞い翻るさまも魅力だっただけに最初は違和感が少々募るも、クラシックチュチュを着用してのカチッとした踊りもこれはこれで良いかと観察。


『Love Fear Loss』よりLossのパ・ド・ドゥ
振付:リカルド・アマランテ
音楽:エディット・ピアフ
ピアノ演奏:中野翔太

五十嵐愛梨 (アトランタ・バレエ)
セルジオ・マセロ (アトランタ・バレエ)

中野さんのピアノにのせてしっとり躍動、目で追いかけ連なりの軌跡をじっと観察したくなる安らぎをあたえてくれるパ・ド・ドゥ。
五十嵐さんが静かに語りかける身体のラインにも自然と目がいきました。


『サタネラ』よりパ・ド・ドゥ
振付:マリウス・プティパ
音楽:チェーザレ・プーニ

後藤絢美 (アメリカン・バレエ・シアター スタジオカンパニー)
三宅啄未 (アメリカン・バレエ・シアター スタジオカンパニー)

大阪の川上恵子バレエスクール発表会でで度々拝見した後藤さんが曇りのない高い技術で可愛らしく披露。
1つ1つのテクニック、ポジションが正確でしかもひけらかすことも一切なく上品な踊りがある上に悪戯な笑みも浮かべたりと完成度の高さに仰天。
三宅さんは力みないジャンプやパとパの繋ぎ部分に至るまで滑らかさを失わず、何より2人で楽しく戯れるように踊る姿が微笑ましく
そして空間の使い方も大きく、広いオペラパレス舞台がスカスカならず。ガラの大定番である作品を一段と底上げさせていました。


『夏の夜の夢』よりファイナル・パ・ド・ドゥ
振付:リアム・スカーレット
音楽:フェリックス・メンデルスゾーン

吉田合々香 (クイーンズランド・バレエ プリンシパル)
ジョール・ウォールナー (クイーンズランド・バレエ プリンシパル)

衣装やメイクはややモダンな風味がありながら振付はクラシックがベースで、音楽の抑揚と溶け合いながら2人の身体が優美に舞い
満天の星空に吸い込まれそうな美しさに感嘆。全幕で観たくなるパ・ド・ドゥでした。


『コッペリア』よりパ・ド・ドゥ
振付:マリウス・プティパ
音楽:レオ・ドリーブ

ジェシカ・シュアン (オランダ国立バレエ プリンシパル)
山田 翔 (オランダ国立バレエ ソリスト)

白い衣装の2人が花畑を歩くような幸福に満ちた姿で登場。シュアンの強靭な軸に対し脚先や指先は薄い花びらを重ね合わせたような繊細さで紡ぐ踊りにうっとり。
ガラであるため背景や周囲に参列者役の出演者がいなくても観客を参列者に見立ててか上階席にいる私までもが話しかけられている気分になってしまい
それだけ瞬時に会場を作品の世界へと引き寄せる力量の持ち主なのでしょう。
山田さんの伸びやかでクセのない、朗らかな味のある踊りも好感を持ちました。オランダ国立バレエ、いつか来日を。


『アルルの女』よりラストソロ(ファランドール)
振付:ローラン・プティ
音楽:ジョルジュ・ビゼー
出演:吉山シャール ルイ

急遽プログラムに入った作品でしたが、力強い様相に悲哀を帯びていく内面を吉山さんはダイナミックに体現され、
最後の窓からの飛び込みは僅かに片腕のほうが伸びていて、競泳やスーパーマンに見えず一安心。
いつも思うが、飛び込みポーズはどれが正しいのだろうか疑問でございます。


『ジゼル』 第2幕よりパ・ド・ドゥ
振付:ジャン・コラリ / ジュール・ペロー/マリウス・プティパ
音楽:アドルフ・アダン

木村優里 (新国立劇場バレエ団プリンシパル)
中家正博 (新国立劇場バレエ団ソリスト)※次シーズンよりファーストソリストへ昇格

木村さんの復帰をようやく鑑賞。お墓の前で立ちはだかる姿からしてすぐさま舞台空間を墓地に変え、
まだ微かな人間味を残しつつアルブレヒトを愛し求める心やミルタから守ろうとする強さも伝わりました。
中家さんの貴公子系の役は久々、ヒラリオンの印象があるものの大らかなサポートや踊りの芯の太さも安心度を上昇。
もし全幕で踊られたら、純愛系か火遊び系かどちらの方向へいくか気になるところです。
昨年秋は連日、ピュアブレヒトだのダメブレヒトだのあれこれ語り合ったジゼル全幕を思い出します。


ミラノ・スカラ座バレエ・アカデミー

『Largo』より
振付:マッテオ・レヴァッジ
音楽:ヨハン・ゼバスティアン・バッハ
チェロ演奏:上村文乃


『La fille mal gardée』よりパ・ド・ドゥ
振付:フレデリック・オリヴィエリ
音楽:ルートヴィヒ・ヘルテル

『Largo』はフォーサイスを柔らかくしたようなコンテンポラリーで摩訶不思議なクールな空間が出現。
皆身体能力が高く、チェロの響き合うように自在に繰り出される動きも観ていて気持ち良し。
『La fille mal gardée』は編曲が随分とゴージャスで、現地では主流なのか分かりかねます。
表現はもう一歩でしたがのどかで真っ直ぐな、初々しい輝きのある2人でした。


『ドン・キホーテ』第3幕よりパ・ド・ドゥ
振付:カルロス・アコスタ
音楽:レオン・ミンクス

栗原ゆう (英国バーミンガム・ロイヤルバレエ ファースト・ソリスト) マイルス・ギリバー (英国バーミンガム・ロイヤルバレエ アーティスト)

栗原さんのカラッと晴れやかな踊り方が好印象。ただキトリの衣装が白色ホルターネックのせいかリゾートの水着にも見えてしまいセンスには首を傾げます。
全幕で再度観たいかと聞かれるとアコスタ版、2019年の来日公演では鑑賞したものの無駄に目立つ叫び声等突っ込みたい部分満載であったため、以下略。次行きます。


『SOON』
振付:メディ・ワレルスキー
音楽:ベンジャミン・クレメンタイン

刈谷円香 (ネザーランド・ダンス・シアター1)
パクストン・リケッツ (ネザーランド・ダンス・シアター1)

昨年に続き刈谷さんを鑑賞でき嬉しく、光の当て方がずれた位置から身体を覗かせたりと全く予測できぬ状態へと発展させていく踊りで
細胞がミリ単位で迸ってはぴたりとおさまる様子を面白く観察。


『Shakespeare Suite』よりロメオとジュリエット 振付:デヴィッド・ビントレー 音楽:デューク・エリントン 水谷実喜 (英国バーミンガム・ロイヤルバレエ プリンシパル) ロックラン・モナハン (英国バーミンガム・ロイヤルバレエ プリンシパル)

プログラムを読み、エリントンがシェイクスピア好きであると初めて知り、題名と振付家名からしてもずっと観てみたかった作品で
ロメオとジュリエットの世界がジャズといかにして触れるか注視。水谷さんが意思を強く持つジュリエットに見え、ただバルコニーの熱愛を濃く描いた光景ではなく
しっとり優しく、2人をジャズが包むように愛を育んでいくパ・ド・ドゥと感じさせました。
『Shakespeare Suite』にはシェイクスピア文学の様々な人物が登場するそうで、全編通して観たくなります。


『眠れる森の美女』第3幕よりパ・ド・ドゥ
振付:マリウス・プティパ
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー

ジェシカ・シュアン ※ (オランダ国立バレエ プリンシパル)
吉山シャール ルイ (チューリヒ・バレエ プリンシパル)

急遽の組み合わせでの披露、だったはず。光の粒を静かに降り注ぐように踊るシュアンの姫に骨抜きにされ、
吉山さんは王子の印象はこれまで無かったがドンと構えた骨太な貴公子姿でシュアンとのペアもお似合い。


フィナーレは前回まではオープニングで演奏されていた『エフゲニー・オネーギン』ポロネーズ。
先月は東京シティ55周年トリプル・ビルの、昨年にはバレエシャンブルウエスト『タチヤーナ』にて川口ゆりこさんのタチヤーナ役勇退フィナーレにて演奏されたり
聴く機会はまずまずあるため、同じぐらいに頗る好んでいるものの耳にする場には滅多に遭遇しない
前回までのグラズノフ作曲『バレエの情景』ポロネーズが聴きたかった欲がまさる私でございます。(たまには変えたい事情もあると察しますが)
それはさておき、今年も古典からコンテンポラリーまでバランス良く、また各バレエ団ならではの作品も目立ち、しかも基本生演奏。
数年前までは時々見かけた、人選と作品の不釣り合いも見当たらず、上質で充実したプログラムでした。
ただ例年、特に今回は上階席のクオーター貸切状態な空席の多さは目に痛く、視界の良好を喜べるレベルを超えております。
公演が大集中した週末であった事情は十二分に理解できますが来日ガラ、帰国系ガラが飽和状態になった今、更なる販促や工夫が求められることと思います。




新国立劇場の三箇所全ての劇場で舞踊公演開催。



帰りは移動して4日前に大活躍であった渋谷での発表会出演者や関係者の方々を労って乾杯。



生ハムの絨毯!!我が後輩の大好物が敷き詰められています。
それにしても、たくさん食べてもスレンダーな身体を維持しているのは
日頃相当気をつけながら過ごしているであろうと想像いたします。私はすぐにズンドコドッスン汗。



前菜盛り合わせ。そしてパンはおかわり自由。オリーブ等が練りこまれたものと、フォカッチャの2種だったかと思います。
言うまでもなく、何回お替わりしたか分かりません笑。ワインも会話も進みました。



サプライズ成功!予約時に文言をメールで送信、そして一足早く到着してお店の方とささっと打ち合わせ。
真面目で努力家なお2人が日頃の成果を舞台で披露できたことが私にとっては何よりの喜びです。お2人とも、謙遜ばかりしないように笑。

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