バレエについての鑑賞記、発見、情報、考えたことなど更新中
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2024年8月15日木曜日
毎度の空席対策は早急に バレエ・アステラス2024 8月3日(土)
8月3日(土)、バレエ・アステラス2024を観て参りました。
https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/asteras2024/
※色々立て込んでおり、さっさか参ります。
韓国芸術総合学校バレエアカデミー
Une Promenade
キム・ジヨン チョン・ミンチョル
ショパンの曲にのせた、タチヤーナとオネーギンの関係性をシリアスのみならず、ピアニストも参加して花を贈ろうとしたりと
くすりと笑みも零れるユーモアな表現も散りばめられた作品。 素朴で清純そうなキム・ジヨン、長身でスレンダーなチョン・ミンチョル であったが今ひとつ心に残らず。
The Prejudice
アン・セウォン
バーを用いて黒いチュチュでしなやかに踊る瀕死の白鳥だったが、これも今一つ響かず。アン・セウォンの身体能力の高さは伝わった。
バレエ学校を呼ぶなら、卒業生や少人数作品よりも、例え粗があっても良いのだからどんな教育をしているかも興味があり、アンサンブルを観たかったと思います。
『海賊』第1幕より奴隷のパ・ド・ドゥ
升本結花 (フィンランド国立バレエ団 ファースト・ソリスト) 有水俊介 (フィンランド国立バレエ団 ファースト・ソリスト)
升本さん、有水さん共に手堅いテクニシャンで、アピール力も強し。床が滑りやすかったのか
コーダにて升本さんが回転中に大きく転倒してしまい怪我がなかったか心配に。
『ロミオとジュリエット』よりバルコニーのパ・ド・ドゥ
綱木彩葉 (ドレスデン国立歌劇場バレエ プリンシパル) ジョセフ・グレイ (ドレスデン国立歌劇場バレエ セカンド・ソリスト)
ドウソン振付。思ったほど奇を衒った振付ではなく、音楽に身を委ねてうねるように踊る2人が気持ちよく映えた作品。バルコニーセット付き。
綱木さんジュリエットが、ロミオをぐっと艶めかしく摩るように包む姿やふとした瞬間に捻る身体の美も印象深く残ります。
『白鳥の湖』第3幕のパ・ド・ドゥ
ミルナ・ミチウ (クロアチア国立劇場 プリンシパル) 吉田司門 (クロアチア国立劇場 プリンシパル)
ミチウは細身で長い手脚に恵まれながら、軸が不安定なのか腕もしなやかさに欠け、不慣れな床に苦戦なさったのかヒヤヒヤしながら鑑賞。
吉田さんは晴れやかでダイナミックなジャンプで沸かせてアピール。
『ハムレット』よりパ・ド・ドゥ
鈴木里依香(クロアチア国立劇場 プリンシパル) 住友拓也(クロアチア国立劇場 プリンシパル)
今回の白眉。サン=サーンスの音楽と激しく呼応するパ・ド・ドゥで劇的にしなる身体が語る、ハムレットとオフィーリアが踊る壮絶な振付。
鈴木さん住友さんともに美しい中に鋼のような強さのあるお2人で、ただやみくもに激しく踊るのではなく
音楽の1音1音を身体で刻みながら心情を発していて全幕で観てみたい作品です。グレーと黒を組み合わせた衣装もスタイリッシュ。
『ラプソディ』よりパ・ド・ドゥ
アリーナ・コジョカル(ハンブルク・バレエ ゲストダンサー) 吉山シャール・ルイ (チューリヒ・バレエ ファースト・ソリスト)
ピアノ演奏:圓井晶子
アステラスにコジョカルがやってきた。(奇しくも上野ではバレエフェス開催中)
本来の趣旨から外れているようにも思えたものの、ときには特別豪華ゲスト枠があっても良いかとも捉えた次第。
吉山さんはほぼサポートのみ振付であってもコジョカルを最大限綺麗に晴れやかに見せてスムーズなパートナーシップ。
『眠れる森の美女』よりグラン・パ・ド・ドゥ
柴山紗帆(新国立劇場バレエ団プリンシパル) 井澤 駿(新国立劇場バレエ団プリンシパル)
新国立から柴山さん井澤さん登場。シーズンオープニングに先駆けての眠りお披露目です。
ホームグラウンドにしては小さく纏まってしまっていた印象がありましたが、カチッと端正なパ・ド・ドゥに仕上げていました。
『Conrazoncorazon』より
振付:カィェターノ・ソト
アステラスにて研修所がシンフォニエッタやトリプティーク以外を上演するのは珍しいかもしれません。
よく踊り込んでいるのでしょう、身体の捻じり方やユーモアに富んだ表現もノリにのっていて観ていて益々楽しくなりました。乗馬風の衣装もキュート。
恐らくは府川さんと思わしき方の大きく立体感のある踊りが目をひきました。
韓国芸術総合学校バレエアカデミー
『ライモンダ』第3幕より
ジャン・ド・ブリエンヌのヴァリエーション
イ・カンウォン
大変テクニックに強い生徒さんとは思いましたが身体を反る表現が大袈裟にも見えてしまい、
まだ伸び代たっぷりなダンサーですから真っ直ぐ癖なく成長していきますように。
『コッペリア』よりグラン・パ・ド・ドゥ
玉井千乃 (ポズナン歌劇場バレエ団 コリフェ)
北井僚太 (ポーランド国立歌劇場バレエ団 ファースト・ソリスト)
昨年夏の札幌の小泉のり子バレエ発表会と公演にて拝見した玉井さんを再びしかも東京の新国立劇場で拝見でき嬉しい限り。
発表会『くるみ割り人形』2幕では新国立の渡邊峻郁さんとグラン・パ・ド・ドゥを安定感抜群に踊られ、
夜公演『ライモンダ』3幕では第1ヴァリエーション(カエル跳びの振付)を斬れ味鋭く達者に披露されたことを思い出します。
今回は濃いピンク色スカートの村娘役で、純朴な愛らしさと卓越した技術に裏打ちされたスワニルダ。
北井さんも昨年夏、東大阪での佐々木美智子バレエ団『ドン・キホーテ』以来お目にかかり、颯爽とした踊りが爽快なフランツでした。
『デンジャラス・リエゾンズ』第2幕より 寝室のパ・ド・ドゥ
吉田合々香 (クイーンズランド・バレエ プリンシパル)
ジョール・ウォールナー (クイーンズランド・バレエ プリンシパル)
毎回独自の面白い作品を持ってくるクイーンズランドバレエの吉田さん組。今回は刺激多めな危うい作風で、原作は『危険な関係』。
披露されたのはヴァルモンがトゥールヴェル夫人を誘惑していく様子を描いたパ・ド・ドゥで、振付はリアム・スカーレット。
吸い付いたり離れたり音楽と一体化して流れるように伝う濃密な美しさに引き込まれました。
『チャイコフスキー パ・ド・ドゥ』 近藤亜香(オーストラリア・バレエ プリンシパル) チェンウ・グオ(オーストラリア・バレエ プリンシパル)
パワフルに駆け抜けていく2人で、近藤さんはフェッテで途中止まりかけてしまったのが惜しかったものの立て直しも素早い!
1週間でチャイコ4連発、バレエフェスAプロに続き、今月2組目でございます。
『マノン』第1幕より寝室のパ・ド・ドゥ
アリーナ・コジョカル (ハンブルク・バレエ ゲストダンサー)
吉山シャール ルイ (チューリヒ・バレエ ファースト・ソリスト)
コジョカルがアステラスにやってきた。2作品目でもまだ不思議だが、小悪魔な魅力や軽やかさは健在。
吉山さんはマノンにじゃれつかれても一見落ち着いていそうだが一度のめり込むとぐっと勢い良くマノンに首ったけな様子。
そういえば、コジョカルのマノンは全幕では観ておらず、何年か前のバレエフェスにてコボーと沼地を、
座長公演ながら怪我のため急遽の変更で寝室をフォーゲルと披露していました。
フィナーレは恒例のグラズノフ『バレエの情景』よりポロネーズ。格調高さの中から勇壮さと煌びやかさが弾け、数あるポロネーズの中でも一番好きな曲で
研修所組がコラソンの振付でグラズノフを踊っていても噛み合っていたのも見どころでした。
バレエ団独自の珍しい版、作品もあり、オーケストラ演奏付きでチケット代金も決して高値ではないにも拘らず
今年は横浜バレエフェスのほか世界バレエフェスと丸かぶりであった事情を差し引いても空席多数は心残り。
昨年も周囲がガランとしていてソーシャルディスタンス継続中でもないはずが、残念でございました。
開催当初は珍しかった帰国系ガラが今や乱立していて、しかも開催は同時期。
客足もなかなか伸びにくいのでしょうが、広報も工夫しながら観客動員増加を図っていってくださればと願います。
ビールとプログラム
玉井さん、東京で拝見できるとは感激でした!
中劇場で開催されていたBALLET THE NEW CLASSICを観に来ていた、ファッションや建築関連の仕事をしている徳島の友人と2022年の大阪Kスタ公演以来約2年ぶりに再会。
私は2年前に観ていたBALLET THE NEW CLASSIC感想等、タコカルパッチョなど囲みながら近況報告。喋り過ぎた!
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