2024年8月20日火曜日

求婚者レンジャー!!   パークサイドバレエスタジオ2024 創立10周年記念パフォーマンス『眠れる森の美女』他 8月4日(日)





※残暑お見舞い申し上げます。今月いったい何回鑑賞したか。先日東京が暴風雨に見舞われた金曜日に、半日で広島県福山市と大阪府堺市の公演を梯子した
西村京太郎トラベルミステリー犯人もびっくり無謀にもほどがあると言われても仕方ない、時刻表と睨めっこしながら大移動した管理人でございます。
その件につきましては9月以降の紹介となるかもしれず、気になる方はご覧になった方のご投稿なり見つけてください。
但し公演当日に東海道新幹線東京名古屋間が終日運休となったため、福山ガラは私の友人も含め関東からの来場予定者が何名も断念され、
鑑賞できた喜びと、断念された方々のお気持ちを思うと心残りも入り交じった公演でした。
私も当日朝の東京駅発の新幹線移動の予定でしたが払い戻しをして急遽交通手段を変え、
当日午前中に福山駅到着できるよう執念で行って参りましたが(渡邊さんがお出になる舞台をそう簡単には諦められず、何がなんでも行くと決意笑)
感想が諸々全く追いついておらず、ひとまず順序通り綴って参ります。今月上旬には声がなかなか出ず4文字以上の言葉の発音も困難になり、
職場ではカラオケで叫び過ぎとの疑惑も持たれ、一応話にのってクリスタルキングの大都会熱唱しましたと答えるも
呼吸器内科での呼吸検査で数値がだいぶ低いとの診断からレントゲンも撮って結果気管支炎でございましたが
肺に異常はなく1週間以内にすっかり治り、胸を撫で下ろした8月。今月は眠り三昧です。



8月4日(日)、江戸川区にてパークサイドバレエスタジオ10周年記念発表会を観て参りました。初めて伺うスタジオの舞台です。
新国立劇場バレエ団にて長らく活躍され、2013年夏を最後に退団された堀岡美香さん主宰のスタジオで、クラシックやコンテンポラリーのレッスンの他
ボディコンディショニングや解剖学にも積極的に取り組まれているようで人体骨模型を手に説明なさる堀岡さんのお姿もプログラム内の写真に収められていました。
堀岡さんの新国立団員としての最後の舞台は今もよく覚えており、2013年夏の『ドン・キホーテ』にて、
同じタイミングで退団されバーミンガムロイヤルに復帰された(現在は日本で大活躍中)厚地康雄さんと組んでの3幕ボレロでした。
舞台袖からの歓声が聞こえてくるほどの情熱的で晴れやかな踊りで、退団は寂しいが
大きな拍手で送り出したいと思わずにいられぬ、お2人揃ってやり切った清々しい表情も忘れられません。


『眠れる森の美女』より舞台稽古含む映像

ゲストは全員新国立劇場バレエ団から、渡邊峻郁さん、原健太さん、渡邊拓朗さん、西一義さんです。
第1部はバレエコンサート。パ・ド・ドゥからコンテンポラリーまで、多彩な作品が並び、演目数は多めであっても構成が練られていてずっと楽しさが続きました。
大人のオープンクラスからお2人パ・ド・ドゥに挑戦された方もいらっしゃり、お2人とも基礎がしっかり備わっていて
ポワントの立ち方も綺麗。堀岡さんがきちんと見極めて挑戦させていると窺えました。
個人教室であっても、大人の生徒さんによる危ないパ・ド・ドゥが散見される昨今
(ゲスト男性と共に本当に危険です。夢を叶えるだけの理由ではあかん)、先生のご指導、実に大切です。
そのお2人のパートナーを務められたのが渡邊拓朗さんで、『サタネラ』と『海賊』にてサポートの安心感安定感はもとより役の表情もよく捉えていて見応えがありました。

それから渡邊峻郁さんが講師の荒木彩さんとチャイコフスキー・パ・ド・ドゥをご披露。
8月4日の時点でバレエフェスの永久さんキムさん組、アステラスでの近藤さんチェンウさん組に続く今月3組目のチャイコ鑑賞だったわけですが、
アクセントの付け方が太過ぎず細過ぎず、爽やかな都会の風が吹きそよぐ踊りで惚れ惚れ。衣装がクラシカルな模様であった点だけ気にかかりましたが
荒木さんも俊敏なテクニックの持ち主で、2人で競い合うように昇華していく様子が爽快でございました。

後半は『眠れる森の美女』よりハイライトで、1幕と3幕の見せ場凝縮版。バレエコンサートの箇所でも触れましたが、
大人の方々中心のガーランドワルツが呼吸がとても合っている上に基礎に忠実で丁寧な踊り、大変感激いたしました。
大人クラスといっても今までのバレエ経験は皆さん千差万別でしょうに、花輪の持ち方も整っていて、全体に纏まりがあり好印象です。

そして私の中ではこの日最大の注目、ローズアダージョの4人の求婚者に新国立のゲスト丸々投入。皆色違いの衣装で羽根つきの大帽子を被って気品高い王子達でした。
更には個性も強すぎて、温厚グリーン(原さん)、冷静ブラウン(西さん)、貫禄ピンク(拓朗さん)、流し目ブルー(峻郁さん)といった位置づけか笑。
サポートの締め部分を担当していたのが拓朗さんでした。対角線上に登場するとき、ちょうど上手側客席にいた我々に向かって4求婚者王子達が歩み出てこられ、
失礼ながら渡邊(峻)さんの大真面目真剣真一文字な表情とドヤ顔流し目の右往左往変化に笑いが止まらず。(良い意味で、でございます)
オーロラのヴァリエーション最中は拓朗さんとマウント取り合いながらの穏やか且つ熱い争いも楽しい場面でございました。
ああ遡れば7年前の2017年春の新国立眠りにて、まだ周囲には2人にしか打ち明けていなかったものの
当時は入団1年目の若きソリストであった渡邊(峻)さんを目当てに連日足を運び、カヴァリエやゴールド、
そして何より韃靼騎馬民族風のロシアの王子が余りに男前で、最大の目当てとして虜になりっぱなしになっていた日々を懐かしく思い出し
3幕でゴールド踊られた最初の2日間以降はローズアダージョが終わると任務終了と化していた管理人でございます。

さて話を2024年に戻し、個性は強しされど求婚者レンジャー級にこんなにも魅力ある王子達に囲まれたパークサイドのオーロラ姫の幸せなことよ。
1幕オーロラ姫役は北見笑菜さんで、プログラム紹介文によればジョン・クランコバレエスクールに留学され、9月からアカデミーに進級されるとのこと。
初々しい可愛らしさ満開で、端正な踊りで頬を緩ませてくださるお姫様でした。求婚者王子達が恋い焦がれるのも納得です。
1幕はオーロラ姫が針に刺されるまでを描き、しかし国王王妃夫妻が不在のため針をよこすように
注意促していたのは拓朗さん貫禄ピンク王子でした。親代わりもこなす求婚者、初見です。
カラボスが正体表し、マントを翻す最中に王子達は剣を手に対抗するもあえなく敗北。
しかしオーロラ姫を4人全員で1列隊形になって寿司詰め状態で懸命に運ぶ姿も目に焼きつき、2幕は飛ばして結婚式へ。4求婚者達はそれぞれの進路へ旅立ったのでした。

結婚式の場面は王道路線で、宝石はジュニアのクラスごとに役を配していたと見受けますがどの生徒さんもきっちりと軽やかな踊りがとても綺麗に纏まっていた印象。
長靴を履いた猫と白い猫が拓朗さんと元新国立の朝枝尚子さんで、ゴージャス長身コンビで目の保養。
朝枝さんの色っぽい仕草がふわっと香って拓朗さんデカ猫とのやりとりも大迫力でした。
朝枝さんは先シーズンでの退団がとても淋しく、舞台姿をすぐさま拝見でき嬉しい。
シンデレラ王子の西さんの優雅な踊りも目を惹き、パとパの繋ぎ部分の滑らかさも注目して観ておりました。

3幕オーロラ姫は元新国立の盆子原美奈さん、デジレ王子は渡邊(峻)さんで、盆子原さんの格調高く全身を大きく使った空間の捉え方が
頗る凛としていて美しく完成度高い姫君。2010年にビントレーさんの就任と同時に入団され、現代作品にも多々抜擢されていた印象があり
今回渡邊(峻)さん王子の好サポート影響もあったとは思いますが、古典のお姫様の見せ方を心得た天晴れな高いテクニックに脱帽でした。
渡邊さんは2024デジレ王子祭りの夏のスタートを切り、ちょっと衣装の上着が大きめ?な部分を除けば盛大な式を締め括るに相応しい品格風格備えた王子で、
パ・ド・ドゥ後に真ん中に着陸していた落下物の処理も自然で上品な拾い方で美しや。

初めて鑑賞するスタジオで、新国立関係の方々が指導、ゲストで関わっていらっしゃる旨は把握しておりましたが
きちんと丁寧なレッスン、身体作り舞台作りをしている印象を受け、変に危なっかしい箇所は子供も大人も皆無。
堀岡さんの徹底した基礎重視の指導が伝わるスタジオです。
 


新小岩駅にモンチッチ!



会場までの道にて、果物屋さん経営のパフェ店へ。



季節限定桃パフェ!全体



瑞々しさやクリームに塩気なビスケット、細かなゼリーなど中身の凝り方驚愕。東京で食べたパフェの中では1番星です!!



上から見ると、ピンクのチュチュ。ラメもきらきら。オーロラ姫の衣装を思い浮かべてしまった。



帰り、ブルーのお酒で乾杯。青い求婚者王子、色っぽかった。ふわふわお帽子もお似合いでした!


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