2023年3月20日月曜日

プティさんに聞きたい  新国立劇場バレエ団ローラン・プティ版『コッペリア』  2月23日(木祝)〜26日(日)




今更ですが、一応全日鑑賞いたしましたので忘備録。2月23日(木祝)から26日(日)まで新国立劇場バレエ団ローラン・プティ版『コッペリア』を計6回観て参りました。
https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/coppelia/


※全6公演客席にはおりましたが雨の中をワイパーが破損した車が走行する状態で度々視界が滲んでは曇りがけ、舞台が見えていたのは実質半分程度の時間です。
アテにならない非常に簡素淡々とした感想であり、また渡邊峻郁さんファンの方はプティ版コッペリアの文字を見るだけでも
今も寒気がすることと存じます。もうコッペリアは忘れたい方も少なからずいらっしゃると察します。無理に読もうとはなさらないでください。



2023年2月23日(木・祝)
スワニルダ:小野絢子
フランツ:福岡雄大
コッペリウス:山本隆之

2023年2月24日(金)
スワニルダ:米沢 唯
フランツ:井澤 駿
コッペリウス:山本隆之

2023年2月25日(土) 13:00
スワニルダ:柴山紗帆
フランツ:福岡雄大
コッペリウス:中島駿野

2023年2月25日(土) 18:00
スワニルダ:小野絢子
フランツ:福岡雄大
コッペリウス:山本隆之

2023年2月26日(日) 13:00
スワニルダ:池田理沙子
フランツ:奥村康祐
コッペリウス:中島駿野

2023年2月26日(日) 18:00
スワニルダ:米沢 唯
フランツ:速水渉悟
コッペリウス:山本隆之



小野さんのスワニルダは壁にもたれての登場から魔性も宿る魅力で香りを放ち、脚の色気にゾクゾクさせるステップでも魅了。
福岡さんとは2017年にこの作品でも共演経験はあり、急な変更ではあっても盤石なパートナーシップは健在でした。
福岡さんは結果として小野さんスワニルダ2回、初役且つ代役の柴山さんスワニルダとの計3回フランツ役で出演となり、25日は昼夜連投。
ベテランプリンシパルにバレエ団は頼り過ぎている(それどころか甘え過ぎている?)気すら感じてなりませんが
緊急事態においても見事に務め上げ、テクニックは若返りの兆しすらまたもや見え、2幕のシャンパンの垂直鯨吹きは後世に伝わる名芸でしょう。
柴山さんとはほっこりされどちょこっと恋模様に波のある危うさを体現され、
小野さんとは1出せば5返ってくる、みるみると膨らむやりとりで楽しませてくださいました。
柴山さんは木村優里さんの代役でスワニルダ役初挑戦。色っぽさや魔力は物足りませんでしたが、
コッペリウスの家では清楚なイメージからは想像つかぬ暴れん坊ぶりで驚かせ、持ち前の基礎しっかり備わった美しい踊りでボレロやジグも披露。
ただ見るからに艶かしい姿を求めるのは理想が高過ぎるとは思うものの、ぴたりと合う役ではなかった気がしてならず。
柴山さんのシンデレラやライモンダ、ミリオンやインCは好きなのですが。

米沢さんは2人のフランツと組んでの出演。井澤さんには恋する少女っぷりが可愛らしく、速水さんには勝気でガシガシ迫る少女。
前回配信時は健全な女の子風味が残っていましたが今回は色気、しかも魔力も踊りから弾けていらした気がいたします。
井澤さんはプレイボーイ度が増し、スターな輝き強まったフランツ。米沢さんスワニルダから猛烈に恋い焦がれるもさらっと交わす様子が
前回配信時よりもくっきり伝わってきた印象です。
フランツ役初挑戦の速水さんは髪撫で仕草ががちびまる子ちゃんのはなわくんに見えかけたときもあったものの
お調子者っぽさは全フランツの中でダントツであったかもしれません。米沢スワニルダに怒られても平然と他の女子たちと語らう姿も嵌っていました。

恋の高まりやすれ違いの描画においてより質が向上していたのは池田さんスワニルダと奥村さんフランツ。
テヘヘと笑い声が聞こえてきそうなフランツに、顔をしかめるもやはり恋心を止められないスワニルダのやりとりが
配信時は実のところそんなに惹かれなかったのが嘘のように感じられ、全日程中、最も舞台が見え辛い座席であったはずが、今もぱっと思い出すお2人です。


フランツ、もう1人いたはずなのに。


そして大救世主であったのは山本さんのコッペリウス。初日登場時は冒頭での吉田都監督による声が震え上がっている挨拶に動揺がおさまらぬ客席に対し、
助け舟を出すかのようにご登場。おかえりなさい、待っていました!と割れんばかりの拍手が起きたのは言うまでもなく
スワニルダ登場を観客に示す仕草、そして2幕におけるコッペリア人形とのワルツの華麗なる凄みに驚嘆。
だだっ広いオペラパレスにて1人と人形のみであってもいよいよコッペリアへの恋心が盛り立つ感情が熱くお洒落に伝わってきたのでした。
中島さんは段取りのカウントが聞こえそうな日もあった配信時より大進化して、人形との接し方も滑らかでコッペリアから体温が届いてきそうに思えたほど。

ただお2人に全く非はありませんが、顔の白塗りメイクや踊り方や仕草のどれもが滑稽さを誇張する方向に行ってしまったのは残念で、
指導監修担当のルイジ・ボニーノさんがコッペリウスを踊られたときの喜劇俳優風なコピーを作りたかったのかとも思うくらいに違和感もあり。
映像でしか鑑賞は叶っておりませんがプティさんのコッペリウスはよりお洒落でダンディな魅力があり、お顔もナチュラルメイク。
ボニーノさんが監修指導にあたると、プティさんが大切にされてきたであろう洗練や粋の要素がみるみると薄れ、
かわりに大衆芸能な要素が色濃くなっているとしか思えず。ボニーノさん色に染まって行くご自身の作品をプティさんはどう感じていらっしゃるか、聞いてみたい。

今月上旬での記事では山本さん渡邊さんの共演の生鑑賞が叶わなかった無念ばかりを綴ってしまいましたが
小野さん渡邊さんの全幕共演を生で観るのも大きな夢でした。渡邊さんがこれまで主役同士として共演している米沢さんや木村さん、柴山さんとはまた違った
良い意味で少し健全路線からは外れる、危うさをも秘めた色気の掛け合いを観たくて仕方なかったのです。
しかもプティ版コッペリアはポーランドの村ではなくフランス、マルセイユで都会が舞台設定。
終わってしまった後ではもう何と言おうと取り返すことも不可能ではあっても、お洒落で粋な掛け合いを想像すると
このコッペリアにおいては配信にはなってしまった2021年の発表時から私の中ではファーストペアは小野さん渡邊さん、
小野さんスワニルダには渡邊さんフランツ、渡邊さんフランツには小野さんスワニルダしか考えられず。
そこへ山本さんコッペリウスが入ってくるのですから、しかも主要役は3人のみの作品でこのトリオに終始スポットが当たると思うと
そりゃ発表の夜なんぞ興奮して寝付けなかった2年前の3月半ばだったわけです。

連日幕間や終演後はまだしも客席に座り上演が始まると鬱々としてしまい、目当ての人が不在でも舞台に立つ人達に敬意を払い全編集中して観るようお叱りを受けるのは重々承知ですが
眼前が大量の降雨状態になってしまい、中身がスカスカな感想となってしまったことをお詫びいたします。
山本さんに対しても、心晴れやかにして大拍手を送りたかったのは山々ですが、5日の記事からの繰り返しにはなりますが
隣に立つファーストキャストフランツは渡邊さんで観たかった気持ちが消え失せず。
今回の件は神経図太い私もそう容易には切り替えができず、器の小ささ心の狭さに再び嫌気が差してはくるものの生涯引き摺っていくと思います。
スワニルダ友人のABそれぞれキャストの比較はする余裕もなく、1回だけサザエさん風なカーテンコールで楽しませてくださったのは
以前からサザエさんのエンディングに似ていると強調していた私からすると思いがけぬ笑みを引き起こしてくださいました。
衛兵さん達もなかなか観察できず、木下嘉人さんお目覚め隊長や福田圭吾さんのフランツソロ最中の仰け反りは印象に刻まれております。

二・二三事件の悲しみを生涯背負うと思うとここ最近は長寿願望も更に弱まり、考えてばかりおりますといよいよ寿命が縮みそうですのでこの辺りで。
23日と25日に着用しようと購入した2着のワンピース、(初日はピンク、土曜日は黒)見ると思い出してしまうので、要望があればどなたかに差し上げるか。
それは横に置き、山本さんが初台のオペラパレスに戻ってきてくださったお姿を目にできたのは誠に幸せでした。今回の大救世主です。



※ダンスマガジン2021年6月号最旬リハーサルスケッチの記事にて、配信になってしまった『コッペリア』2021年公演の
渡邊さんのインタビューとリハーサル写真が掲載されています。
聞き手に対し、コッペリアを振り向かせようとする首の振り方をお見せになっていたりと
子供の頃からお好きであったと語るこの作品のフランツ役に選ばれた喜びや
小野さんスワニルダとの恋のすれ違いを描くパ・ド・ドゥのポーズも、写真のみでもマスク装着姿でも恋模様が伝わります。
小野さんとの全幕初共演やバレエ界の"レジェンド"山本さんがコッペリウス役で共演についてもしっかり書かれていて、(執筆ご担当者様、ありがとうございます)
もしお手元や図書館等で見つけましたら是非お手にとってご覧ください。






25日夜公演を大阪から観に来た友人と。大阪フェスティバルホールでのこども白鳥の湖にて渡邊さん緊急代役出演のとき、
観たいねん!!と出先から駆けつけてくれた友人です。2021年コッペリアでもチケットは購入され、来場予定でした。今回が初台デビューです。
せっかくだからといつものテラスへ案内。山本さん渡邊さんが並んでいるのを生で観たらどんなんやったかなあとしみじみ。



最終日に大阪から来た女子大生と。彼女のお母様にもお世話になりっぱなしで後ほど会場で合流。
私のオアシスだからと店舗に案内し、着席した途端に渡邊さんの踊りの好きなところを延々スピーチ。
単なる気遣いか励ましか!?と思いきやそうではなく、大阪フェスティバルホールにて急な代役出演された
こども白鳥の湖王子や配信コッペリアフランツの魅力をずっと語ってくれました。
中継で流し大勢の方々に聞いてもらいたかったくらい涙。
米沢さんや速水さんともレッスン一緒に受講されたり、米沢さんや福岡さん、井澤さんら新国立始め著名なダンサーとも舞台共演経験があり
そのときの舞台の話題は後回しにしてとにかく渡邊さん語り。
お母様とは合流後、随分と心配してくださいました。本当に多数の方から慰めに励ましに、ありがとうございました。



連日ずっと励ましてくださったお世話になりっぱなしのお方と。泡を呑みながら、山本さんに初台復帰を祝しました。
本日も再度関西の方角に向けて祝杯を上げたいと思います。山本隆之さんは偉大だ!

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