2020年5月10日日曜日

【おすすめ巣篭もり】福岡雄大さんのインスタグラムライブトーク『雄大の部屋』

新国立劇場バレエ団の福岡雄大さんが、巣篭もり企画として連日バレエ団のダンサー1人ずつと対談する
インスタグラムライブトーク通称『雄大の部屋』が4月28日より配信され、引き続き明日以降も行われますのでどうぞご覧ください。
https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/news/detail/26_017434.html

1回30分、日によっては1日に複数回行い既に何名ものダンサーとの対談が開催されましたが
とにかく福岡さんの司会進行がお見事。同僚とは言え入団後の経過年数や年齢も様々なダンサーを相手に
時には学校の進路相談中の先生と生徒或いは上司と新入社員との定期面談と化してしまうのもご愛嬌、
緊張気味であれば話をゆっくり引き出してあげたり、さりげなく褒め言葉をかけて自信を持たせたり
女性ダンサーとのレオタードや化粧品の話題においてもしっかり会話もこなされていて
臨機応変柔軟に対応なさり、絶え間なく到着する質問やコメントにも目を通しながら拾うタイミングの見計らいも万全で
毎回心和む笑いと楽しい時間を届けてくださっています。
またメディアへの登場が殆んどない普段コール・ドを踊るダンサーにも焦点が当たり、話を聞ける機会に繋がったのは嬉しいこと。
テレビ番組においてもこういったゲストを招いてのトーク番組、コーナーは多々あり
時間のあるときは欠かさず見ていた昼番組に重ね、「福岡雄大のごきげんよう」(敬称略)や「新国でいいとも!インスタショッキング」など
勝手に名付けては福岡さんが小堺一機さんやタモリさんに見えて1人笑って楽しんでおりましたが
どうやらバレエ団公式SNSにおいても『雄大の部屋』が定着したもようです。
確かにスタジオではなく実際の福岡さんのご自宅のお部屋からの配信ですので、本家『徹子の部屋』よりも現実味ある名称かもしれません。

休日は極力、平日も在宅時には視聴しており2回目から見ており特に印象深く残っている内容をいくつか挙げますと
木下さんのヨーロッパでの豊富な舞台経験話や双子のお嬢さんも登場し前に抱え背中に乗られて素敵なお父さんぶり、
稲村さんのお辛い出来事も多々あったのであろうと見受けながらもクールに発言なさっていた「何やかんや」に
フェスにも行くほど日本のロックバンドがお好きでレッスンでのTシャツがバンド系ばかりといった趣味のお話や
説明が非常に明確で論理的な中家さんによるサプリメントとバレエダンサー特有の偏った身体をメンテナンスする大切さについて語っている最中に愛猫が目の前を通過。
今村さんの、2009年モスクワのボリショイ劇場公演『椿姫』に備えて現地の舞台条件に慣れるためスタジオが傾斜状態になっていながら
同年12月初演の牧阿佐美さん版『くるみ割り人形』衣装試着と回転までさせられたなど牧先生の大胆な指示が窺えるお話にも笑ってしまい
怪我のため研修所修了公演にて『ドン・キホーテ』第2ヴァリエーションが踊れず悔しさが残っていたが昨年のバレエ・アステラスで悲願の披露が叶ったと
福岡さんからも感動秘話と何度も言われていた廣川さんのエピソードや、イーグリング版『くるみ割り人形』花のワルツの男性コール・ドの難しさと
回数をこなしていくうちに組みやすくなったとパートナーから褒められたときの喜びを語る太田さんのひたむき精神にも胸が熱くなりました。
本日の小野寺さんの前半はゲーム話一色。ドラゴンクエストに登場するのはピーチ姫と勘違いしていたほどゲーム音痴の管理人、理解できずも楽しい趣味話でした。
原田さんは印象深い作品として『ファスター』を挙げ、ビントレー作品初出演であったため難しいカウントも含め好きな作品と目をきらきらさせて熱弁。
実は研修所入所前の原田さんの舞台を名古屋で観ており、2007年のBALLET NEXT市川透さん版『ドン・キホーテ』森の女王を踊られ
今後が期待される若手とプログラムの紹介文の通り、初々しくも美しい妖精でした。

とても全ては書き切れませんが、そうでした福田紘也さん笑。眼鏡にスーツ姿で決めて登場し、カメラを高めに設置していたため尚且つ声も通り饒舌過ぎて
まるでインターホン越しの胡散臭い訪問販売営業(しかし思わずドアを開けてしまいそうだ)。内容が余り入ってこなかったのは言い訳になりますが
コメントに寄せられていた、道化とエスパーダが観たいとの要望を見て管理人ニンマリ。東京在住者では数少ないと思いますが紘也さんの両役、鑑賞しております。
道化は2018年徳島の清水洋子バレエスクール第20回公演『白鳥の湖』で登場した瞬間の印象、まあ大きい笑。
しかしおっとり味わい深さと懸命なお仕えぶりは外見バランスの違和感を超越。
ちなみに王子は福岡さん、今回の対談と異なりこの公演では紘也さんを大事にしていらっしゃいました笑。
エスパーダは2015年大阪にて、Kバレエスタジオ第30回記念コンサートでの全幕『ドン・キホーテ』。
従来のエスパーダの概念を覆し、登場するや否や流し目で観客を見渡す姿に黄色い歓声は無く場内を良い意味で不思議な笑いが包んでいたのは明らかで
ケイスタの上演史に残るキャラクターであったとのこと笑。思い出したが2015年はドン・キホーテ大当たり年で全国各地で鑑賞。
福岡、徳島、大阪、世田谷区、愛媛にて観る機会に恵まれましたが福岡県と世田谷区での山本さんの王道色男、徳島での福岡さんのキレキレ男に比較すると
紘也さんの流し目エスパーダは実に独特の趣きであったと回想いたします。

それから新国立劇場は画伯揃いなのか福岡さんの似顔絵を披露されたダンサーもいらっしゃり、廣川さんはipadで描いたと思われる優しいタッチの漫画風で
稲村さんは黒系のペン1色でギリシャ彫刻のような描画。紘也さんも渾身!?の1枚で黒ペンを用いて
斜め下に向けて画面を見ている視線を矢印付きで描き、服にはブランド名がカタカナで明記笑。

さて、今や黒柳徹子さん以上に司会進行で手腕を発揮されている福岡さんですが決してお話が頗るお上手なタイプでは決してなかったはず。
公の前で話をなさる姿を初めて拝見したのは2012年の朝日カルチャーセンターにおける講座で、新国立劇場バレエ団によるビントレー版『シルヴィア』前の時期で
守山実花先生との対談形式での開催でしたが、大阪ご出身とはいえ底抜けに明るそうでもなく所謂我々が想像する関西人とはやや違いそうな印象があり
話が続くのか、守山先生の助け舟によってどうにか1時間経過となる事態を友人らとも心配していたものです。
しかし開始すると福岡さん、一生懸命言葉を選びながらチューリッヒ時代での高所恐怖症には辛過ぎる高い位置で寝そべりや滑り降り体験や
ヴァルナのコンクール、新国立入団後のことをたっぷり語ってくださり
狙ったわけではなくてもふと出た一言がどれも面白く、和やかな笑いを度々起こしてくださいました。
その次が翌年チャコット新宿南口店で開催された新国立ダンサーイベント。2本の企画で1本が寺田亜沙子さんと堀口純さんによる公開バーレッスンで
もう1本が福岡さん、八幡さん、厚地さん、奥村さんが登場の男性ダンサーによるトーク。(容貌が同系統かはさておき4人は新国ジャニーズと呼ばれていた気が笑)
そのときには既にリーダー格な存在で頼もしくチームを引っ張り、奥村さんのはしゃぎっぷりが止まらなくなると調整役をこなしていらしたと記憶しております。
そして現在は外出自粛最中の救世主であり『雄大の部屋』の主。新国立入団前の舞台から拝見している者としては、振り返っていくと妙に感慨深い思いに駆られます。

ところで『雄大の部屋』ではライブトーク中に質問やコメントを送ることができ、皆さん素早く器用にこなしていらっしゃるもよう。
しかし質問コメント云々以前に管理人、インスタグラムの使い方を把握できておらず初視聴の際は何処を押せばライブ画面に遷移するかも分からずあたふた。
奥村さんの回は少し遅れての視聴となってしまいました。ライブ画面に遷移すると自身のハンドルネーム?と参加表明の文字が表示されびっくり。
服装髪型全て自由であった校風を活用せず高校時代に周囲から化石と呼ばれていたとは言え、
現在も尚流行文化の先端からいかに疎遠状態にあるか、思い知らされた次第です。
それにしても質問やコメントは皆さん短文でまとめ上げ絵文字も入ったりと色とりどり。
更には会話中の話題はみるみると変わりますから送信には素早さも求められ、私なんぞ眺めているだけで精一杯でございます。

しかし、昨日5月9日に限っては何か送ると心に決め(そこまで決心する必要もないとは思うが…)
恐る恐るされど即座に送信、アイコンと自身が送った文字がそのまま表示された画面を見ると1人感激していた
冗談抜きで誕生時テレビは存在したか、国道20号でアベベに声援を送っていたであろうと
1964年の東京五輪以前生まれとしばしば誤解されがちである流行の先端には程遠い管理人でございました。
そして外出自粛の状況下に連日楽しいひと時を届けてくださっている福岡さん、ご準備も大変かと存じますが毎回ありがとうございます。
また昨日は数ある中から我が駄文の質問を読み上げていただきましたこと、心より感謝申し上げます。
久々に乙女になった(いや、なっていないか)昨日、今月分のエネルギーを使い果たしたと言っても過言ではありません。



本日、予定通りならば全日程通っての『ドン・キホーテ』千秋楽でした。
バレエ団の快挙とも言える、契約ダンサーのみで日替わりバジル6人
しかも誰1人似たり寄ったりではなく個性様々、このままスライドしての上演を切望いたします。
新国立巣篭もりドンキと先日紹介したヌレエフ版3幕抜粋含む映像を再度眺めながら気分だけでもバルセロナで乾杯。

2 件のコメント:

ひふみ さんのコメント...

私もインスタグラムはよくわかりませんで、結局みることができませんでした。
でも、こちらのブログで、十分雰囲気を味わわせていただきました。
管理人さま、いつもありがとうございます。
ドン・キホーテの中止も本当に残念でしたね。
10日は本当に日がな一日、忸怩たる想いで過ごしておりました。
往生際の悪い私でございます(笑)。

管理人 さんのコメント...

ひふみ様

こんばんは!
私もインスタグラムの仕組みが未だよく分かっておりません笑。
ライブ配信視聴にはひとまず登録が必要なようですが
スマートフォンの基本的な使用方法も危うく汗、家族に指摘されたばかりで
どうも流行の先端にはなかなか辿り着けずにおります笑。

福岡さんの司会進行がお手の物で、ひょっとしたら本家黒柳徹子さんよりもお上手かもしれません。
大変聞き上手で、時折自身のエピソードも交えつつ対談相手、視聴者双方が喜ぶ内容を毎回届けてくださっています。

往生際が悪いなんて仰らずに笑、ドン・キホーテが上演されていたら
10日の千秋楽の劇場はどんな様子であったかと私も想像してしまいます。
看板ペアが締め括る、会場一体となっての大祭りになっていたでしょうね。