
5月6日(火祝)、東京都北区の北とぴあでYUNO BALLET 20周年記念発表会を観て参りました。初めて伺った発表会です。
https://www.yunoballet.com/
節目発表会でゲストが豪華、全幕ドンキにはキトリに根岸祐衣さん、バジルに渡邊峻郁さん、ドン・キホーテが菊地研さん、サンチョ・パンサが八幡顕光さん、
ガマーシュに小柴富久修さん、ロレンツォに森本晃介さん、エスパーダに浜崎恵一朗さんで、新国立劇場バレエ団や牧阿佐美バレエ団関係の団員、元団員の方々が集結です。
まずはバレエ・コンサートがあり、1本目の『ライモンダ』よりグラン・パ・クラシックにはタイトルロールが主宰の藤井由乃先生、ジャンが八幡さん、
そして4つの男女ペア構成で披露されました。藤井先生は小柄な容姿ながら美しいヒロインで、
八幡さんのジャンもなかなかお目にかかる機会は少ないため新鮮。テクニック安定で、ヘアバンド付きでした。
パ・ド・カトル男性陣が今までに観た日本の団体のどのライモンダよりも平均身長が高く、
菊地さん小柴さん森本さん浜崎さんの4人。(グランパペアも兼任)イチョウの木が4本並んだかのような光景でございました。
抜粋上演の場合、女性ソリストヴァリエーションが他の幕からも選曲されていることが多く、使用曲も楽しみの1つ。
夢の場2曲に2幕のゆったりテンポ(多分クレメンス?)、3幕のカエルぴょんぴょこの4曲で、きっちりと折り目正しく踊られている生徒さん揃いでした。
小さな子供の生徒さんが大勢で踊るショスタコービッチ・スイートはそれはそれは可愛らしくチュチュの色分けもパステルカラーで色とりどり。
全員のオープニングからおおよそ年齢分けしての見せ場を順々に設けての構成で、少し風変わりな曲も色々あれど、
発表会でこの手のショスタコービッチ曲集な作品を観るのが以前から好きであるためフィナーレまで楽しく鑑賞いたしました。
ジョコンダ 時の踊りは全員同じお揃いの紺系のチュチュだったかと思いますが、コール・ド・バレエがきちんと出来ていて拍手。
池上直子さん振付のコンテンポラリーも2本あり、バレエを師事した先生が藤井先生と同じ、高木俊徳さんでいらっしゃるそうです。
8人で踊るResonant Chaosと4人で踊るEchoの2本が続き、癖が出過ぎぬクールでスタイリッシュな作風でした。
さて『ドン・キホーテ』全幕は主要キャストに新国立を始めプロを集めた豪華版で、初台では叶わぬであろう組み合わせも実現。
根岸さんのキトリは美しいお姉様な雰囲気120%で、勢い任せに踊らず少し抑えながらポーズを決める踊り方も上品な印象。
渡邊さんは今回は全幕バジル。調布市でのオリジナルキャラクターで雑務?もこなしつつ常に群衆内にいた
「バジルの友人」もそれはそれは貴重で珍しい役柄で喜ばしかったわけですが笑、北区では洗練された爽やかなバジルとしてご登場。
技術もキレキレに冴え渡って攻め度強し。
キトリ友人とのトロワでのザンレールの嵐も、3幕のヴァリエーションにおける限界挑戦級の斜め跳びも鋭い決めっぷりで、全編通して技術の万博を開催。
しかしあくまで品を崩さぬ点は渡邊さんらしい魅力とも思えた次第です。
初全幕キトリであろう根岸さんが踊りやすいよう心砕いてのサポートも光ってのご活躍でした。
一昨年に亀有にて根岸さん渡邊さんが踊られたコッペリア3幕がアダルトキュートなスワニルダとフランツでしたので
お2人が組む機会に再びお目にかかれて、しかも全幕主演として実現するとは喜び一杯でございます。
踊りの節々に繊細なレースを纏っていそうなお洒落な空気感に包まれた大人なキトリ&バジルのペアが誕生です。
ただ、一昨年の結婚式抜粋と今回の全幕では勝手が違うのは当たり前で今回1幕に関しては根岸さんが全幕主役に緊張してお互いまだ手探りな印象もあったものの
踊って芝居して周りともコミュニケーションを取りながらの全幕主演任務は実に大変なこと。しかも指導もしながらの務め上げですから、
両立しながら慣れない主役を頑張った根岸さんにも、根岸さんが伸び伸び踊れるようしっかり支えられた渡邊さんにも拍手で讃えたい思いでおります。
あくまでお姉様なキトリにサラリとあしらわれたときのバジルの逃げっぷりは一昔前の漫画を彷彿させて笑いを誘い、
一方で狂言自殺場面では皆が顔を背けて怯えているときも冷静状態を保っていて目が合ったドン・キホーテを
真っ先に味方につけて、婚約漕ぎ着けのために一芝居やる旨をそっと伝えて僕は死にません宣言していたのはなかなかのやり手です笑。
そうでした、酒場では席が少ないキトリを腰掛けさせてバジルは立ち飲みでしかもワインボトルラッパ飲み。
すぐさま酩酊状態となって目が泳いでフラつき、新橋駅SL広場の酔いどれサラリーマン風になっていたのはご愛嬌。
人柄が良さそうですからテレビ局からのインタビュー対象になること間違いない笑。
それはそうと、このときは一層キトリがしっかりと介抱していたか。帰途につきながら仲間達に挨拶するときもバジルは千鳥足気味で、キトリが支えてくれていたのでした。
しかしそのあと狂言自殺でいかにして朦朧とした意識を戻したのか、密かにしじみ汁ならぬムール貝汁を酔いさましのために飲んでいたのか、今も想像が巡ります。
スタジオの規模に合わせた演出もよく練られ、1幕は闘牛士達不在の部分を街の娘達が踊って
エスパーダの浜崎さんを両手に花畑状態に演出していたりと、自然な流れで生徒さんの見せ場を後押し。
またサンチョが冒険の道中にロレンツォ達に遭遇してうっかりキトリ達がいる居酒屋を教えてしまい頭を抱えるシーンも挿入して
いかにしてロレンツォ達が場所を突き止めたかを示す経緯も盛り込んでいて、随所に工夫が見られました。
菊地さんのドン・キホーテは上品で美しい仕草で楽しませ、夢の場はさりげなく生徒さん達を導いていらしたのも好印象。
八幡さんのナチュラルでお茶目なサンチョも懐かしくも嬉しく、退団後初めて舞台姿を観た浜崎さんは変わらぬスラリ体型維持や花形っぷりを放つエスパーダ。
最たる驚きは森本さんロレンツォで、ゲストの中では最年少とは思えぬ徹底した頑固親父で、
大先輩であろう渡邊さんバジルをおっかなびっくりさせる芝居やキトリにはデレデレな溺愛もおてのもの。
魚持って(お魚は業者からのレンタルかそれとも誰かが水族館のお土産で買ってきたのかフカフカ具合が丸!)
食い逃げサンチョを追っかけ回すのも、行方不明の愛娘探しも一生懸命で同情したくなるお父さんでした。
まろやか優しそうな小柴さんガマーシュ、うっかり居合わせたためにロレンツォから魚で叩かれてしまうも起き上がり方も品があり、チャーミングな貴族さんです。
それから、プログラムの中のイラストデザインは生徒さんが手がけられたそうで、お名前と顔写真見る限り小学校中学年頃のご年齢でしょうか。
水彩画のような柔らかな色合い、描き方でキャラクター達の優しげな表情も素敵。バレエも出来て絵心もあって、羨ましいばかりです。
前半にはYUNO BALLET20年を振り返る映像も流れ、子供のみ少人数で始めた頃から全幕ができるようになるまでの軌跡が分かり、
オリジナル演出の取り入れといった、新しいチャレンジが伝わる映像でした。20周年おめでとうございます!それにしても毎回の全幕上演実現、エネルギーも大消耗でしょうに
それでも全幕の中でバレエを踊る大切さを皆で学んで欲しいと構成を考える藤井先生のエネルギーなも脱帽です。
この日は大雨で、朝から会場入りされたスタッフも出演者も大変だったことと思いますが、
受付でのチケット引き渡しや傘袋のお声かけも丁寧で、おかげさまで気持ち良く鑑賞。
初台に行かず、しかし初台の舞踊家をあちこちで観る異例のGWとなりましたが、連休最終日は都内でめでたい締め括りができました。

2009年に新国のボリショイ劇場公演を観にモスクワに行ったときに訪れたチャイコフスキーが白鳥の湖構想を練ったとされる中庭があるノヴォテヴィッチ修道院の
隣の墓地にてショスタコーヴィチのお墓。お花に囲まれ五線譜が彫られ、今までに見たどのお墓よりも愛らしいデザインでした。

田端駅。以前に営業で訪れておりました。お世話になっていた企業の皆様、お元気でいらっしゃいますように。

路面電車都電荒川線。一度乗車したことあります。早稲田大学の演劇博物館に行きました。
車内に俳句投書箱が設置されている松山市の路面電車がとても好きですが、都内をゆったり移動も良いものです。

鑑賞前に、王子駅近くのコーヒー店へ。王子珈琲焙煎所。

飛鳥山公園の桜をイメージしたパフェとコスタリカのコーヒーです。アイスから桜のいい香り、キュッと爽やか目のコーヒーでございました。カステラも桜型。
コーヒーの淹れ方も様々、メニュー見ていても迷いましたがフレンチプレスにしてみました。赤ポットが可愛らしい。

パフェ拡大!桜型カステラも。

歩道橋好きです。都内で一番ワクワク胸躍るのは飯田橋駅前。

北とぴあ到着!まだ雨が賑やかに降っていました。晴天ならば飛鳥山公園も散策してみたかったが。

小人さん達が夜8時をお知らせです。

帰り、バジル三昧。

帆立拡大

国産バジルたっぷり使用とのこと。ワイン進みます。
4/25(金)夜の東京バレエ団公演の上野で始まり、調布市、杉並区、福岡市、北区、と初台ではない場所での観劇三昧。楽しきGW2025でございました!
公開レッスン、アリ、バジル友人、ボレロ、くるみ王子、くるみ王子、フランツ、バジル、大満喫です。
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