

順番前後いたしますが、新国立劇場にてオペラ『蝶々夫人』を観て参りました。
https://www.nntt.jac.go.jp/opera/madamabutterfly/
オペラは滅多に鑑賞いたしませんが、初心者にもおすすめであると教わり、またバレエでも全幕版や抜粋、
スピンオフ風のコンテンポラリーで鑑賞した作品でもあるため久々に足を運んでみました。
新国立劇場でのオペラ鑑賞は2023年の『ラ・ボエーム』以来、『蝶々夫人』は2007年3月の新国立劇場以来18年ぶりの鑑賞でございます。
精通者によれば2007年と演出は変わっていないそうですが、いかんせん記憶の彼方にあり、装置がシンプルであった点だけはうっすら記憶にある程度です。
まず、字幕が英語表記も追加され、近年の海外からのお客様の需要を思うと自然な流れでしょうか。
日本にオペラをご覧に来日される方や、観光に合わせて劇場にいらっしゃる方も増えているのかもしれません。
以下、普段から頻繁にオペラをご覧になっている方からすると首を傾げる感想でしょうが悪しからず。
まず驚いたのは、全幕通して装置が全く同じで転換がないこと。終盤になって少し装置抜き出し転換はあれど、ずっと同じなのです。
精通者によれば、歌で聴かせるから装置はこれくらいでもちょうど良いらしく、
蝶々さんのお部屋が開演から終演までずっとそのままであるのは目を疑いましたが
終わってみれば歌で上手いこと纏め上げていて、3時間弱不動のお部屋装置であってもそう違和感は感じなかったように思えます。
しかし話も音楽も甘美でドラマティックである構成に対して装置の場面転換が一切ないのもううむ。
オペラ愛好者からすれば、歌でしっかり聴かせることが最重要なのかもしません。
バレエ版ではKバレエで初演と2023年の再演で観ており、船着場から遊郭、結婚式、結婚生活、と
めくるめく展開で今思えばかなりよく出来た構成だったのだろうかと回想。
オペラにはそうスピーディーな展開は求めませんが、身体表現で訴えるバレエとなるといかに変化に富んだ進行であるかを再確認です。
オペラで気づかされたのはピンカートンの狡さや無責任ぶりもとことん描いていて、もしやアルブレヒトよりクズではと思いました笑。
蝶々さんにとっては自身はあくまで現地妻だなんて知る由も無いとはいえ、3年待ち侘びた挙句に母国の妻を連れて夫が帰国です。
シャープレスの存在がせめてもの救いと思えました。板挟みのスズキはお辛いであろうと心境を察します。
Kバレエの熊川さん版はそこまで重たい悲しみに浸らぬような結末で、蝶々さんは最後まで儚くも美しかった印象で終わっていたと記憶。
再演時に私が観た日は飯島さんマッケイ主演で、ジュリアン・マッケイのピカピカピンカートンだから許された、そんなことではありません笑。
昨年鑑賞したプッチーニの生涯を描いた朗読歌舞踊合体劇では、少しだけ蝶々夫人もピンカートンも登場するも
さくらさくらにのせて春爛漫な美を奏でながらのパ・ド・ドゥがあったりと、両作品ともに澄んだ部分を掬い上げた路線で描いていたと捉えております。
水色軍服でメルヘンアイドル風衣装にも驚愕したピンカートンはそのまま『星は光りぬ』の曲にものせて踊っていらした、なかなか謎演出な企画でしたが。
それはそうと、偶にはオペラも良き、そしてバレエとは客層もだいぶ違って出勤の如く通い詰めている劇場であってもアウェイな気分になったのも妙に新鮮でございました。
そうでした、高所から迫り出した、登場人物達が度々行き交う大きな曲線描いた階段。
落下防止柵も何もついていないが、皆様高所は平気な方ばかりとは限らないでしょうに。しかし柵があると歩く姿が見え辛くなる、うう難しい装置です。

来期オペララインアップを眺めていると、オルフェオとエヴリディーチェ再演があるようで、バレエダンサー出演も話題になりました。
しかしオルフェオ、、、といえばエメラルドプロジェクトで誕生したドミニク・ウォルシュさん振付版が
バレエ団オリジナル作品として2007年に初演以来再演なし。18年以上も衣装装置を眠らせているのは勿体ない。どうか再演お待ち申し上げます。
特にオルフェオはコンテンポラリー踊りながら物語伝える能力が不可欠!妻に先立たれ、苦悩する中で冥界へ行くも
目を合わせてはならず、もがき苦しむ20分超えのパドドゥはそれはそれは抉るような迸りがありました。今、適任者いますー!!






ブラックジャックの病院が初台に⁈テラスから見えました。来月はハートのジャック、初日から楽しみです。
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