2025年2月13日木曜日

団体出演が減少傾向 NHKバレエの饗宴2025  2月1日(土)




順番前後いたしますが、2月1日(土)NHKバレエの饗宴2025を観て参りました。
https://www.nhk-p.co.jp/ballet/


※3月23日(日)にEテレクラシック音楽館にてテレビ放送予定のため、さらりと参ります。


牧阿佐美バレエ団『白鳥の湖』2幕
オデット:秦悠里愛
ジークフリード王子:小池京介
フォン・ロットバルト:米倉大陽


牧のウエストモーランド版『白鳥の湖』は2006年以来観ておらず19年ぶり。演出等記憶の彼方にあり、新鮮な心持ちで鑑賞です。
秦さんは新国立のイーグリング版くるみ初期の頃の2017年、2018年に子役クララとして出演されていて、いつの間にか背もスラリと高くなって驚き。
(いかんせんイーグリング版くるみにおける過酷な王子陣は2017年の初演時のダンサーが全員毎年、今年に至るまで出演。8年の間に、子クララはオデットになりました)
長い手脚から繰り出す抜群の美しいラインにまず目を見張り、一方まだまだピュアで初心な要素が強いのは今ならではのオデットでしょう。
恐らくは主役デビューでいきなり全国放送の舞台ですからバレエ団の期待は相当かと思われますが、きっとこれから化けていくことでしょう。
王子の小池さんは昨年の団員振付作品上演のDANCE ALOUDにて、美術館の警備員さんを
警備室にてマグカップでコーヒー飲む姿からしてたいそうリアルで笑わせてもらったのは記憶に新しいダンサー。
恵まれたスタイルで秦さんとのバランスも良く、王子の友人達も大勢出てくる演出の中で
白鳥達を撃たないよう訴える様子の表現もくっきりで歩き方も綺麗。アダージョは2人で1つ1つを丹念に作り上げる姿がいたく清らかに映り、とても良き若手主演でした。
大きな白鳥陣を三宅さんや久保さんら、ベテランな職人達が固めていたのも心強し。
冒頭、情景の音楽の最中から舞台中央に霧がかった中からオデットが登場していた気がしており(確か)、
なかなか面白いと思えた次第です。テレビ放送にてよく確認いたします。


『ラ・シルフィード』からパ・ド・ドゥ
前田紗江    中尾太亮   ともに英国ロイヤル・バレエ団

前田さんが、それはそれは麗しく可愛らしい妖精で目を合わせただけでも蕩けそうな魅惑的なヒロイン。
上の階から観ていても、横に長い舞台空間を思い切り使って軽やかに爽やかな空気を吹かせながらジェームズを虜にしていました。
中尾さんジェームズは婚約者がいる身でフラフラと妖精には走らなそうな実直さも伝わってきたものの笑
シルフィードに恋する純朴な青年ぶりが微笑ましく、踊りは端正に決まって脚捌きが鮮やか。今や次々と大きな役も得ているようで、
旬なお2人のパ・ド・ドゥを目にできたのは幸運でした。そうでした、演出として切り株はもう気持ち大きめサイズが宜しいかと思います。中尾さん座りにくそうでした笑。
ところで、前田さんのファーストネームは携帯電話にて漢字変換すると候補欄にすぐ出てきまして、羨ましい。


『Five Brahms Waltzes in the Manner of Isadora Duncan』 振付:フレデリック・アシュトン
佐久間奈緒

佐久間さんが踊る裸足のソロで、イサドラ・ダンカンとアシュトンの組み合わせが当初は今ひとつ結び付かず。
しかしいざ幕が開くと、佐久間さんの円熟した魅力が全開で大胆に、ときにしっとりとブラームスのワルツに乗せて披露。
そういえば、NHKホールの最寄り駅の1つである原宿駅近くの裏道に、ブラームスの小径があるはず。


『椿姫』から3つのパ・ド・ドゥ
振付:山本康介
中村祥子  厚地康雄

椿姫、3つのパ・ド・ドゥと聞くとどうしたってノイマイヤー版が思い浮かんでしまいますが、
曲も衣装も振付も全くの別物。音楽はリストで、愛の夢も使用されています。
元々は関西のカンパニーウエストジャパンでの瀬島五月さん主演の幕物作品として上演されたとのこと。
3つそれぞれ違う色の扉をそっと開けて入り込んでいくような気分になり、
繋げ方や装置転換もぶつ切りにならず、前の段階の余韻をそっと引き継ぎながらスムーズに進行していきました。
1つめのパ・ド・ドゥでの中村さんが艶やかな香りを振り撒く社交界の華で、見惚れている男性客人達が自ずと見えてくるような
近寄り難い凛とした美しさで、深紅の衣装もよくお似合い。最後は咳込む姿が痛々しく、
本番中のたった10分少々で更なる病魔に襲われて身体がやつれて弱っていくような描写力にもたまげました。
厚地さんは上品でロマンティックな表現が作品にもぴったりで、1月のバレエトラディションではちょいと辛口感想になってしまいましたが
序盤からずっと中村さんを優しく包み込む、そして舞台上で詳細に描かれていなくても確執や後悔を経た後であろうラストシーンもじんわりと余韻残す幕切れでした。
 

『ロミオとジュリエット』からバルコニーのパ・ド・ドゥ
振付:ケネス・マクミラン
高田茜  平野亮一   ともに英国ロイヤル・バレエ団

高田さんジュリエットは愛くるしくも恋する意思の強さがひしひし伝わる少女で、すいすいと流れるようにロミオへの恋心を体現。
ジェットコースターのように上下の移動も豊富な振付を何とも滑らかな踊りこなしです。
平野さんはロミオにしては少々豪胆な印象が否めずですが、高田さんジュリエットが
天にも昇る心地な様子を支える鉄壁サポートの連続に恐れ入りました。人体乱高下ジェットコースターな振付の連続を再確認。
バルコニーはもう気持ち大きめサイズが望ましかったかと思われ、手を伸ばせばすぐさま触れてしまう高さは、いくら抜粋披露とはいえ演出として疑問でした。


スターダンサーズ・バレエ団『コンサート』

振付:ジェローム・ロビンズ
渡辺恭子  林田翔平  中川郁
ピアノ:本田聖嗣


スタダン初演から3回目の鑑賞。広大なNHKホールで対応できるのか少し不安もあったものの
客席でのマナー騒動の数々から(最近上野で何かと話題、いや問題になっているらしいが)
厳格なルール、タイミングを死守している上に盤石の技術芝居力があってこそ笑いが起きるミステイクワルツやヘンテコな格好でのリフト横切りもお手の物。
本田さんの芝居心もチクリと響き、初役中川さんによるへそ曲がりな妻役もモノにしていてお見事。
渡辺さんの仰天空気椅子から次々と大胆さを炸裂させていく不思議バレリーナで、今週末のシンデレラを最後に退団されるのが寂しい限りです。

ただでさえ大箱なNHKホールにて2日間開催のためか空席が非常に目立ったのは心残りで、初期の頃や2022年の満席まではいかずとも
いくつものバレエ団が纏まった部分を上演するため傾向が減少しているのも一因か。
後日のテレビ放送も各地の方々にご覧いただけると思と喜ばしく、継続を願う企画です。



牧のオデット秦さん、2017年には新国くるみ上田公演にも出演されていました。私も現地で鑑賞。



どーもくんがクラシカルな指揮者に。気分はモーツァルトかハイドンでしょうか。



夕空に輝くシャンデリア。



夜空に輝くシャンデリア。



郷ひろみさんが久々に電車に乗って代々木八幡で下車してNHKホールへいく電車でGO企画番組を思い出し(お父様は駅員さんだったらしい)
行きは渋谷駅周辺の混雑を避けるため代々木八幡駅方面から徒歩でホールへ。富ヶ谷交差点を曲がると案外近いと判明。




帰りは3度目の訪問、パルコの地下にあるグッドラックカリーへ。ハイボールが白くも銀色にキラキラ。グラスの文字も嬉しい。
前田さん、何て可愛らしい華のある美しさでしょう。



カレーの饗宴。ルーローとほうれん草豆の2種盛りに煮卵トッピング。付け合わせの刻みりんごの甘い酸味も全体のバランスを図っています。
カレーの辛さは控えめですが、スパイスが爽やかなに凝縮していて身体に良いものをいただいたと思える後味です。



カレー上から。

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