
先日川崎市の新百合ケ丘にて、ENB イングリッシュ・ナショナル・バレエ団シネマ デレク・ディーン版『白鳥の湖』を観て参りました。
https://www.culture-ville.jp/enbswanlake
演出:デレク・ディーン
オデット/オディール:イ・サンウン
ジークフリート王子:ギャレス・ハウ
ロットバルト:ジェームズ・ストリーター
今回延長による上映で鑑賞が叶い、好評のようですのでもしかしたら再度延長上映もあり得る?かもしれず、さらり程度にとどめて綴って参ります。
以前配信で視聴した、同じくアルバートホールで開催されたクリストファー・ウィールドン振付の360度『シンデレラ』も
特に舞踏会はブルーのドレスがめくるめく翻って舞台上を広がって大迫力でしたが、白鳥となれば渡り鳥か⁈いや、スイミーの白鳥版か⁈と思わす壮観ぶり。
360度の角度から眺める、大型円形舞台で踊られるスケール大きな演出で白鳥コール・ドは60人とのこと。
カメラワークも多彩な位置からの撮影で、湖畔の場を真上から観るとチュチュの揺らぎが海月に見えたりと目が離せず。
幾何学模様のフォーメーション変化もよく練られ、上からの映像では数学や化学番組における図形の移動や粒子の集合と分散の仕組み解説を観ている気分。
時には白鳥コール・ドに呑まれそうな錯覚になる、王子と同じ目線で駆けていく撮影映像もありました。
360度客席ですから背中、後ろ姿でも一層雄弁に語る伝える力が必須な中、どのダンサーも背後の観客を意識していたのでしょう。背中からのパワーも張りがあった印象です。
冒頭はロンドンの街並みやアルバートホールを上から俯瞰しての映像で幕開け。日本の川崎市にいても、気分は現地ロンドンの観客です。
ソリスト人数も大掛かり対応していたり、ロットバルトはサッカーやラグビーの主審彷彿させる走りっぷりでホイッスル持っているのではないかと確認したくなったほど。
マントも巨大で重そうながら豪快な羽ばたきで舞台を力強くリードしていました。
例えばトロワや四羽は組数を増やして分散化させ、360度広大舞台に柔軟に対応できていたものの、主要役3名はそうもいかず。
高難度条件付きであっても、少なくとも今まで私が映像含めて観てきた中で最長身女性ダンサーであろうオデット/オディールのイ・サンウンは
182センチの細身の身体を涼やかにコントロールするラインで魅了。パ・ド・ドゥも、オディールのフェッテも
方向転換を行いながらぐるりと取り囲む観客全てに向けての踊りがお見事でした。
群舞60人を従えても埋もれずであるのは身体条件を思えば当然かもしれませんが、主役として惹きつける崇高で気高いオーラから繰り出す美しいテクニックもあってこそ。
これまでのキャリアについては把握しておらずですが、組めるパートナーは限られているでしょうし
仮に日本であったら、女性で180センチを超えそうであればバレエではなく宝塚や他の舞台芸術への転向を周囲も勧められてきそうですが
360度白鳥における主役を観た印象からすると、バレエを継続してくださって良かった。
王子のハウは歩き方や表情が少々庶民っぽく、もう少し背筋をすっと伸ばした美しさが観たかったのが正直なところ。
ただ通常の版と比較すると走行量が何十倍も増えた事情を考えると、粗が出がちになっても致仕方ないかもしれません。
皆、とりわけ王子やロットバルトの走る量は自ずと多くなり、途中からは爆風スランプのランナーが脳内を駆け抜けたほどです笑。
衣装デザインも全体通してセンスが良く、1幕ワルツは2グループだったか村人風な集団と宮廷の人々風な集団の構成で、
宮廷チーム女性の抑えたエメラルドグリーンのスカートが品良き色合い。3幕舞踏会はどれもずっしり重厚。
それからワルツ等に元新国立劇場バレエ団の横山柊子さん、池田紗弥さんのお姿も目にできました。
中でも、2023年のDAIFUKUにおいてもスタイリッシュな舞台姿で活躍された横山さんの独特のパワー溢れる踊りが好きで観ていて幸せになり、
大所帯の中にいても埋もれぬ存在感。また舞台姿に会えたらと願っております。
大谷遥陽さんのパワフルゴージャスに舞台を牽引するナポリや(だだっ広い舞台で2人っきり)、1幕での柔らかく滑らかな身体の使い方が巧みな猿橋賢さんも印象深し。
猿橋さん、かれこれ長いキャリアをENBで築いていらして、ご出身教室の記念公演に凱旋出演された2016年びわ湖ホールでの『コッペリア』フランツや
翌年ENB来日公演にて様々な場に出演されていた『海賊』が懐かしく思い出されます。
実質休憩無しでお尻が少々痛くなってしまったものの、数字で読み解くディーン版白鳥の湖と題してのコール・ドや出演者人数、衣装完成までの日数や
教育プログラムやパーキンソン病療養へのダンス取り入れに協力する体制等、幕間映像も見応えある内容。
舞台と1列目の客席は非常に近く、大相撲中継のように1階前方客ははっきりと映し出されていました。開演前には客席も映し出されるため、内部構造を楽しく観察です。
360度舞台の鑑賞は元新国立劇場バレエ団所属団員の大和雅美さんと福田圭吾さんが発案や企画を行なっている
DAIFUKUシリーズにて、公演によってはスタジオを使って360度型舞台公演を実施。
『くるみ割り人形』ハイライトや、日本の古き良き家族模様(只今スポンサー問題が色々とありそう汗)を描いたHOMEを横浜のスタジオで観ております。
大和さんも元々はアルバートホールでの舞台に憧れ、日本でもやってみたいと意欲が沸いた旨を記事で話されていたことをふと思い出し
映画館の大スクリーンや整った音響で360度『白鳥の湖』鑑賞できたこと、興奮な体験でございました。
※https://www.angel-r.jp/staff-blog/10009/

映画館へ行くと、まもなく公開の話題作品について知識が広がるのは嬉しい。しかし管理人、ホラー映画が苦手で予告も目を背けたくなる性分。
その昔予告で『リング』が紹介され、咄嗟に気分が重くなってしまったものです。ただ色々なジャンル作品を知るのは大切と思っております。
今回観た中では、中世の世界へと飛び込んでいくドラえもんの最新作に興味を持ちました。

新百合ヶ丘駅前の街並み

実写版『白雪姫』も上映とのこと。我が家には何体か可愛らしい鹿のぬいぐるみがあるため、鹿さん目当てに観に行ってみようか。
(奈良或いは宮島に行けや、と言われそうですが笑)
またあくまで個人の趣味嗜好ですが、昔からバレエを多く見過ぎているせいか王子様のハードルが自然と高くなり、ディズニーの王子貴公子にはなかなか惹かれず。
バレエにおける『白雪姫』は大阪にて矢上恵子さん振付のコンテンポラリー版と(再演希望)、新国立劇場での2017年子どもバレエにて(お蔵入りだろうか)観ており
それぞれどなたの王子で観たかはご想像がつくと思いますが笑、当然白雪姫王子のハードルが更に上昇でございました。
新国立子どもバレエ版では、森の中で白雪姫の背後から王子が姫の頬に接吻する場面も設けられ、それはそれは甘酸っぱい恋模様であったのは言うまでもありません。

幕間の映像も見逃せず、3時間座りっぱなしであったためエネルギーを大消耗。
今回はアルコールではなく、駅近くの喫茶店ダージリンにてダージリンブレンドとアップルシュトゥルーデル。
ショーケースに何種ものケーキが並んでいました。ドイツオーストリア系のケーキも複数あり。
少し前にテレビ放送されていた『サウンド・オブ・ミュージック』を視聴していたらオーストリアのお菓子を欲し、こちらに決定です。
煮詰めたりんごぎっしりで温かい状態で出してくださり、シナモンの香りも豊か。こんもりとクレープ風の丈夫な生地に包まれ、ボリュームもしっかりあります。
あ、白雪姫もりんごか。

雪を被った山のようです。

ポットにたっぷりの紅茶。お湯の注ぎ足しは1回可能で、店員さんが行なってくださいます。
すると砂時計も置いてくださり、3分待つようにとのこと。
物覚えとは反対に、ノンアルコールな飲み物を飲むスピードは早い管理人。待機中落ち着かず、ソワソワ。ムスカの気分で、3分間待ちましょう。3分経ったら、時間だ、紅茶を飲もう!です。
ムスカ3分タイマーも存在するらしい。

ENB、また来日叶いますように。前回観たのは2017年来日公演での『海賊』でした。
直後に愛媛県西条市での鑑賞に合わせてしまなみ海道自転車縦断(実際にはとても完全縦断はできず、途中からは船で尾道へ)にも行ったため、
日本の海賊の縁の地でチラシ並べて記念撮影!このとき帰りに新幹線乗り換えのため、修学旅行以来2度目の福山駅利用を体験いたしました。
2度の乗り換えのみ利用を経て、ようやく初めて下車したのは昨年のSSBガラ福山のとき。
想像以上に大きな駅で、バスターミナルも立派。少しバスで移動すれば大らかな鞆の浦に到着。
バレエ鑑賞を通して全国津々浦々へ出向いており、目指せ伊能忠敬!まではいかずとも、楽しき人生です。
そうでした、新百合ケ丘からの帰りに通った沿線駅に幼い頃に通っていた水泳教室があり。
西城秀樹さんの名曲思わすアルファベット4文字の名称で、子供の頃この曲を知らずにいたため
水泳教室名を口にすると周囲から両腕掲げてのアルファベット4文字を体現され、何のこっちゃ?と疑問符が浮かんでいたものです笑。
帰りにその駅を通りかかった頃にちょうど7月の新国立劇場ヤングガラの概要が発表され、手が震えるような驚き嬉しい抜擢もありました。
そんな出来事もあって、また昨日は朝から気持ちが重たくなる列車事故が発生し、
帰宅後は九州のある教室での熱血特別講師と元気いっぱいボーイズが繰り広げる映像も再度目に触れたりと、以後自宅ではヤングマンばかり聴いております。
0 件のコメント:
コメントを投稿