2025年1月19日日曜日

妖精達との交流で変身前から内面が変化するヒロイン K−BALLET TOKYO『シンデレラ』 1月11日(土)




再び順番前後いたしますが1月11日(土)、K−BALLET TOKYO『シンデレラ』を観て参りました。2013年、2021年に続き3度目の鑑賞です。
https://www.k-ballet.co.jp/performance/2025cinderella.html


シンデレラ:飯島望未
王子:ジュリアン・マッケイ
仙女:日髙世菜
シンデレラの義姉:戸田梨紗子  小林美奈
継母:ルーク・ヘイドン
バラ:塚田真夕
トンボ:木下乃泉
キャンドル:長尾美音
ティーカップ:弟子丸智絵
4頭の雄鹿・王子の友人:石橋奨也  栗山廉  田中大智  山田博貴
2人の道化師:吉田周平  栗原柊
オレンジマン:堀内將平
2人のオレンジガール:島村彩  布瀬川桃子






飯島さんのシンデレラは1幕前半はいたく薄幸で細身過ぎる身体から常に涙を落としていそうな悲壮感もあり。
しかし少し踊り出すだけでも伸びやかな四肢が空間を大きく使ってはっとさせられる光を放って、オンボロ姿であっても生来の美しさは隠しきれない魅了がありました。
舞踏会に現れるとそれはそれは内側から眩いばかりの発光で満たし、金色に彩られた衣装が霞んで見えたほど。クリアで繊細な足運び、腕のラインにも惚れ惚れです。

2人の義姉は女性ダンサーが務めるためか、またシンデレラを床に転倒させたり布で丸め込んで苦しそうにさせた挙句に母親の肖像画を火が灯る暖炉に投げ捨てるなど
虐める場面が過剰に尖って見えて少々辛辣過ぎる気もいたしましたが、戸田さん小林さんコンビの寸分の狂いもない阿吽の呼吸でサクサクと踊り続ける息の合い方が痛快。
半端な技量者や下手な人がやったらただ痛々しいだけにとどまって舞台の格も大崩壊になりかねません。技術も芝居心も十二分に備えた物でないと務まらない役でしょう。
登場して手を一振りしただけでも空気をピリッと変えていくヘイドンさんの継母も存在感の重みあり。

仙女の日髙さんはしっくりと装着するのが難しそうな白いショートカット鬘も違和感なく(鬘にする必要性については初演時の2012年から疑問で聞きたいところだが)
暗闇にたった1人で踊っていても魔法の広がりをしなやかに体現され、細くも強靭な軸や手脚の先端からふわりと柔らかな光を散りばめていて見事な空間支配力でした。

マッケイは2023年『蝶々夫人』ピンカートン以来に鑑賞。今回もきらめきがあったのは事実ですが
豪華な美術装置やスピード感ある妖精4人や妖精コール・ドに囲まれる、更には王子もたっぷり友人達と踊る場面もあるためか
とりわけ踊り満載の場における頭1つ抜けるオーラに関してはピカピカピンカートンのような仰け反るまでのインパクトは抑えめだったかもしれません。
シンデレラの王子は名前もなく、物語バレエでは貴重であろうこれといった過ちもやらかさず、欠点無き王子の中の王子でしょう。
版は違えど全幕は定期的に観ている作品であり、なにしろ初台の『シンデレラ』にて
2016年クリスマスイブにこの作品で本公演全幕主役デビューされた王子のような、
上の台から人々を見守り取り仕切るプレゼンテーションにおいても抜群なセンスのある、パートナーへの気遣いといい
友人達に囲まれて踊るワルツにて容姿のみならず踊りからオーラを燦然と放つ王子を何度も観ているためか、余程の強烈さがない限り心動かされないのかと思います。
ただ再三申し上げますがマッケイはきらり輝く王子であったのは間違いなく、飯島さんとの見た目のバランスも好ましい上に虐げられてきた可哀想な少女が
光り輝く王子と出会い、ガラスの靴の持ち主探しを経て再会を果たして結婚式にてお城に向かって並んで歩む姿は美しく目に残り続ける風景です。
舞踏会で義姉達に迫られ、継母にも捕まって逃げ場がない危機を歪んだ顔で観客に主張する場面は笑いがあちこちから起こりました。

1幕にて四季ではなく身近な愛用品が4人の妖精に変わる演出や、仙女からの問いかけに対して何を変身させるか、シンデレラが提案する場も設けられているのは
素敵な展開。仙女や妖精達との交流によって変身する前からシンデレラが薄幸な少女からみるみる積極的な女性にまず変化していく様子が温かく胸に響きます。
バラ、とんぼ、蝋燭、ティーカップそれぞれ変身直後は頭飾り含めてバラやキャンドルの被り物、トンボのリアルな羽等の奇抜なデザインに驚かされますが
ソロが終わって1幕途中の段階でシンデレラお見送り係となると早替えでクラシカルにお色直しして登場!
ティーカップの精のウェッジウッドなチュチュ模様がまたお洒落で、トンボのきらりとした透け感あるエメラルドグリーンも目を奪われました。
それぞれのソロも見応えがあり、バラの塚田さんは大ジャンプや軽やかさで大輪の花を体現され
トンボの木下さんは優雅に伸びやかな身体で語る涼しげな踊りが印象に刻まれております。木下さんのことはまだジョン・クランコバレエスクール留学前の2018年に
ご出身の三重県での小原芳美バレエスタジオ発表会『シンデレラ』全幕にて冬の精を踊られ、クールで透き通るように麗しいお姿を目にしていただけに
今回は夏(トンボ)の精の音楽のソロで観ることができ感慨深さが込み上げてきます。

長尾さんは強く潔く鋭い回転や駆け抜けるステップで炎を現し、ティーカップの弟子丸さんの巧みで職人気質な正確なポワントワークも目を見張りました。
全員個性は様々ながら、1幕や2幕にて、星の妖精コール・ドとの猛スピードで絡む展開も誰1人音に遅れることなく機敏に踊りこなしていた点にも仰天!
もう1つ嬉しい演出が、馬車が何周もしてくれる点。パレードのようで、馬車
(Kの場合は雄鹿が引っ張るため鹿車でございます。シンデレラ変身の時間確保のため踊り見せ場もたっぷりあります)に乗って
希望に溢れるシンデレラの表情もじっくりと、また馬車が豪華な作りなため観察たっぷりできるのは喜びも増幅させます。
加えて到着場面も重視され、お城のシルエットや門が現れると背を向けて堂々と入城するシンデレラで1幕が下りるのも胸躍らせる演出です。
オレンジマンとオレンジガールの黒塗りや舞踏会男性達のグレー色の鬘は改善したほうが良い気がしており、
特にオレンジマンとオレンジガールは黒がかなり効いていて令和の時代にびっくり。
オレンジ大玉送りな振付を生き生きと踊るダンサーの姿で十分オレンジ隊の魅力は伝わるでしょう。
(当方太古の昔に通っていた教室での発表会にてシンデレラを上演しましたが、
オレンジ運搬の踊りの役の人達、素肌でございました。オレンジ持っていればそれで十分かと思います)

一部意見も申し上げましたが、めくるめく魔法が織りなす壮大なおとぎ話なプロダクションであるのは間違いなく、だから今回の再演にも参りました次第でございます。
シンデレラが舞踏会で思い切り踊れるよう心を砕きながら支え、盤石な揃いっぷりで弾けつつも出しゃばらず、
されど会を盛り立てる仕事をこなす吉田さんと栗原さんによる2人の道化師の舞台捌きも気持ち良いものでした。
ロイヤル時代にアシュトン版の道化は思い入れがお強い熊川さんでしょうから高度な技の連続で、
身体に染み渡ってナチュラルに揃えて踊りこなすのは並々ならぬ技術不可欠でしょう。
ガラスの靴の持ち主探しにて世界のお国探訪記は描かれないものの、本来はアラビアにて流れる
ゆったりした音楽を用いて靴職人達の奮闘を描いていたのもユニークに思えました。

それにしてもバレエは長年観ておりますが、1幕バラの妖精とトンボの妖精ソロあたりで謎の館内放送が流れてしまい、観客ソワソワ。
1階で何かトラブル発生したと思いきや、やんわりと人の声が聞こえて館内放送ならば災害か、
舞台監督や指揮者にも伝達不可能なほどの緊急事態かとヒヤリといたしました。
しかし一瞬音楽が静かになるタイミングで「グッズ販売を〜」との文言が聞き取れ、放送の予行演習をうっかり大ホール客席に流してしまったのか、真相は謎です。

それはさておき、舞踏会でシンデレラが履いているガラスの靴に見立てたラインストーンで彩られたポワントが夢を一層きらっと瞬かせ、
最後の最後、結婚式でめでたしめでたしと言わんばかりに流れ星が夜空を走る景色がまた、夢見心地な気分を引き伸ばしてくれる演出です。
ホールの事情なのか日程が短期でキャストが多彩なキャストを組めなかったのは惜しく、再演があればまた観た作品でございます。




ポスター色々



展示の海賊衣装、間近で見ると何ともゴージャス!! 涼しげなメドーラ。



ラジャ達も装飾が細かい



メドーラ正面から。トロワのときはチュチュ派ですが、水面が輝く海を思わすこの涼やかなブルー衣装は美しや。膝丈スカートも歓迎です。



メドーラ斜めから。水色に輝く凝った作りの頭飾りもずっと観ていたくなります。



被り物も豪華。



アリ。こんなに宝石が精巧に鎖に付いているとは驚き。選ばれし奴隷だからか。



終演後に電車で2駅移動して、2023年の英国ロイヤル・バレエ団のミックスプログラム帰りに徒歩で向かった
ブリティッシュパブTHE R.C. ARMS 秋葉原店です。当ブログレギュラーの我が大学の美女後輩も一緒です!
後輩はバラの花が飾られたローズノンアルコールカクテル、私はヴィクトリアンアルトビール。シンデレラ家の一輪挿しのバラは妖精に変身!



クリスピーチキン。カリッとしていてガーリックが少し効いたクリームがかかっています。マッシュポテトは滑らか。



ローズハイボール。私に似合わぬ名称で普段まず飲みませんが、ハッピーアワーでした。



一口キッシュ。後輩はKもよく観に行っていますが、私とはキャスト違いの日や別日程が殆どでしたが今回は珍しく同日鑑賞。
飯島さんが大好きだそうで、2回観に来たそう。大満足な様子でした!



デザート。キャロットケーキとレモンケーキ。後輩はケーキかよく似合う可愛らしさです。
キャロットケーキは一昨年私がロイヤル帰りに食べまして、クリームたっぷりでにんじんもぎっしり。
おすすめです。 予約制でアフタヌーンティーセットのメニューもあります。

2025年1月17日金曜日

鑑賞で支援 震災から1年が過ぎた今できること  石川県復興支援公演『ロミオとジュリエット』  1月10日(金)




順番前後いたしますが1月10日(金)、大田区民ホール・アプリコにて石川県復興支援公演『ロミオとジュリエット』を観て参りました。
https://event.lartgroup.co.jp/


主催・企画はハンガリー国立バレエ団やKバレエカンパニー(現K-BALLET TOKYO)で活躍されてきた高橋裕哉さんが代表を務める株式会社LART GROUP。
挨拶文によれば高橋さんは被災地を訪問されて未だ厳しさが続く状況を目にして芸術を通しての復興支援を決意され、振付家も出演者も錚々たる方々が集結。
そしてオーケストラ演奏付きでの公演を実現させ、その行動力企画力には頭が下がるばかりです。


振付:ジョバンニ・ディ・パルマ 

 指揮者:稲垣 宏樹
ジュリエット:マイヤ・マッカテリ
ロミオ:高橋裕哉
神父:塩谷瞬
乳母:鷹栖千香
ベンヴォーリオ:今井智也
ティボルト:浅田良和
マキューシオ:益子倭
ロザライン:ジェシカ・マカン
パリス:中野吉章
キャピュレット:高橋斐乃
ピーター:小笠原征諭

織山万梨子  清瀧千晴  池本祥真  渡辺恭子  阿部裕恵  高谷遼  冨岡玲美  林田翔平  
中沢恵理子  生方隆之介  吉留諒  新里茉莉絵  渡辺与布  三船元維  鳥海創    平木菜子
刑部星矢  渡辺栞菜   土橋冬夢  石井日奈子


高橋さんのロミオは純朴で優しげな青年で、決して大柄ではない身体であっても伸びやかに踊る姿で舞台を牽引。
しかしマキューシオの死を目の当たりにしてカッと血が上ると煮えたぎる怒りが瞬く間に沸き上がり
ジュリエットへは後悔の念を切々を語りかける様子が哀れでならず。高橋さんの舞台の鑑賞は
ひょっとしたらKバレエ時代2022年1月のシンプル・シンフォニーのみかもしれませんが
石川県への現地入りからの企画発案、キャスティングに主演までこなすお力に脱帽です。

2006年の世界バレエフェスティバル以来に鑑賞が叶ったマッカテリは身体のラインの変わらぬ美しさに加え
肉体で自在に物語る力も雄弁で乳母との戯れはそれはそれは可愛らしくあどけなく、
心を許している存在だからこその無防備な愛らしさが刻一刻と迫っている悲劇を把握しているだけに胸にくる魅力です。
先述の通りマッカテリを観るのは久々で、18年前はお人形のような可愛らしさでお兄様のデヴィッド・マッカテリとロミジュリバルコニー披露していたかと記憶。
兄妹で踊る瑞々しい情熱溢れるカップルに、踊りづらくないのか要らぬ心配もいたしましたがそれはそうと
滅多に来日されす、この先日本で鑑賞する機会はもうないかと思っておりましたので全幕のヒロイン役で鑑賞できたのは大きな喜びでした。
マッカテリと高橋さんのペアは観る前は未知数ながら、しっとりと感情を歌い上げる表現の相性が宜しく、
バルコニーの歓喜もあからさまではなく感情を丁寧に紡ぎ上げるように表したりと方向性がしっかり一致。
最後は2人が互いに息絶える前に触れ合う瞬間が描かれ、だからこそ計画のすれ違いが恨めしく運命の残酷さを、
そして僅かであっても命ある状態での再会が叶った喜びが沁み入る物語る幕切れでした。

そしてあちこちで沸いている共通事項な感想でしょう。ソリストもコールドも国内のメジャーカンパニーにおける主要役経験者揃いで私も言わせてもらいます。
何処観たら良いか分からない笑。実はこの日うっかり双眼鏡を忘れてしまったにも拘らず、舞台姿から放つオーラが皆さん強くあるせいか
シータと違って決して視力が良好な数値ではない私の裸眼でも問題なし。
殊に、ティボルトの手下としてダークな色で舞台を覆い尽くしながら踊りは達者で職人芸が光りに光る、清瀧さん池本さんの悪党コンビのエネルギーたるや。
悪さする人間の役のイメージがないだけに(特に清瀧さん)、鮮烈な風で吹き荒らす2人組でした。

やまちゃんこと益子さんは一昨年夏の札幌市での小泉のり子バレエ公演『真夏の夜の夢』オベロン以来ですが、意外と申したら失礼だが
キビキビとしたテクニックで物語を刻むムードメーカーで、プロコフィエフの音楽にもよく乗っていて技術もしっかりとしていたのは驚き。
よく研いだ刃の如くシャープに縦横無尽に駆け回る浅田さんティボルトとの対峙も堂々たるもので
一歩引いた場所から冷静に見据えて仲間達を静かに見守る今井さんベンヴォーリオの配置もバランス良き造形でした。

最も心を掻き乱されたのが、2幕ジュリエットと乳母とのやり取り。愛するロミオをの結婚を主張するジュリエットの想いを受け止めたいのは山々だが
家の厳格なしきたりが許さぬ事情との板挟みになり、ジュリエットの叫びを泣く泣く拒絶するも遂には手を上げてしまう苦しみを鷹栖さんが痛切に表現。
やがてジュリエットも乳母に心を寄せ、互いに悲しみ合う様子が心に刺さりました。
それから俳優の塩谷さんの出演も話題に。戦隊物のテレビ番組への出演で人気を博した旨はお恥ずかしい話今回初めて知り、
バレエの舞台は初出演とのことですが、歩き姿や振る舞いを観る限りバレエの舞台にもよく馴染んでいた印象です。

衣装は和の趣がありロミオとジュリエット以外は着物風のデザインが多し。街や舞踏会の女性達は新国立劇場バレエ団『パゴダの王子』さくら姫を思わす着物とワンピースの合体型なデザインで
キャピュレットの高橋さんは長い髪を下のほうで1つ結びにして赤紫色の和服な衣装であったせいか、
『るろうに剣心』の何かのキャラクターに見えなくもなかったが(作品の詳細はよく存じません。失礼)

舞踏会帰りの古典交響曲を始め所々カットしながらも2時間弱に上手く纏められた構成で、何よりオーケストラ演奏付きであったのは喜ばしいこと。
せっかくのプロコフィエフ音楽を、しかも『ロミオとジュリエット』を生で聴きながら全幕バレエ鑑賞でき、再度高橋さんの企画力に頭が下がります。
冒頭に何本もの剣が天井から落下して床に散らばる演出も悲劇へ走る物語への没入を駆り立て
装置はシンプルであっても隅から隅まで主要役経験者揃いな出演者構成でしたから、舞台の躍動感を巧みに見せる手腕に長けた強者ばかりで物足りなさは皆無でした。

会場では輪島塗の販売もあり、見ているだけでも人の手で大切に作られたからこそ滲む艶と温もりが伝わり、暫しじっと眺めておりました。
10年以上前ですが一度だけ真冬に輪島市を訪問しており、しかしこれといって計画も立てずに滞在していたため午前中に朝市通りを何回も往復。
入りやすそうな広々とした輪島塗のお店にてお箸を購入するだけで精一杯でしたが、
大きなストーブがあるから暖まってお茶飲んでいって、またいつでも休憩にでも来てね、とご主人が優しく接してくださったことは今も忘れられません。
店名も詳細な場所も記憶に留めていないことを悔やむばかりですが、永井豪記念館の近くにあり、
あの辺り一帯は震災でぼぼ全焼していたはず。お店もご家族、店員さん達の安否も把握できぬまま1年が過ぎてしまいました。
今回の公演は当初はいったいどんな中身か不安も感じておりましたがとんだ失礼で、
鑑賞が支援に繋がる明確な目的を掲げての企画で出演者も所属団体の垣根を越えて実力者達が大集結。
震災から1年が経っても未だ爪痕が生々しく残っている地域もあり、復興への弾みになればと願ってやみません。

本日は阪神淡路大震災から30年。20代の方々は生まれておらず、月日の流れの早さを痛感いたします。
当時父方の親戚一族が神戸市灘区に住んでいたため気が気でない日が続きましたが奇跡的に家屋は倒壊せず全員怪我もなく無事でおりました。
しかし周囲の家々はほぼ全て倒壊し、横倒しになった高速道路や壊滅状態になった街並みや大火災、凍えるような寒さの中での避難所生活の報道に、
遠方に住んでいても心が塞がるような衝撃を受けていた記憶があります。
南海トラフの確率予想も高まっており、今するべきこと、準備しておきべきこと、
今回の公演を機に今一度考えながら過ごして参りたいと思っております。




出演者サイン掲示



帰り。もうビールの残りが少ない状態ですが、蒲田駅前の中華料理店歓迎へ。1人でしたが回転円卓にて相席が何とも嬉しく
辣油やお醤油は声掛けあって仲良く利用するのもまた楽しい。



蒲田の名物羽根つき餃子。羽根部分は薄くパリッと、中身は肉汁いっぱい。後味はさっぱり。
そしてつい誘惑に負け、海老炒飯も。パラパラと油っこさがなく、まん丸い海老たっぷり。炒飯好きでございます。
そして蒲田行進曲が脳裏に焼きつく蒲田駅の列車発着音楽です。



炒飯拡大!



2025年1月13日月曜日

バレエ・クロストーク 振付家矢上恵子の世界




順番前後いたしますが、1月13日(月祝)江東区の森下文化センターにて、バレエチャンネルさん主催のバレエ・クロストーク 振付家矢上恵子の世界を聴講して参りました。
https://yagamikeiko-gala.com/TOKYO2025/?p=2267


芸術監督の福田圭吾さん、そして福岡雄大さん、小野絢子さん、木下嘉人さん、池田理沙子さんが登壇。
過酷なまでに心身を削がれる振付についての叫びが訴えかけ、
一音一音のみならずその間にも振りが入る複雑さや矢上メソッドの厳格さ等、いかに難しい挑戦であるかひしひし伝わるお話満載でした。
また福田さん福岡さんといった愛弟子達と、小野さん池田さんの初挑戦者達の意見の違いも納得。
小野さんからは、早う本番用の装置を用意せい!と言わんばかりの要望も福田芸術監督に対してちゃっかり笑。
木下さんは昨年大阪のKバレエスタジオの舞台に客演されたときに矢上作品に初挑戦され、今回上演される『多重人格』に出演されました。
未経験者がご自身のみで食らいつきがハードだったとのことですが、現地で観た者としての印象は愛弟子達と遜色ない仕上がりでびっくりでございました。

残り約1ヶ月、只今追い込み真っ盛りなようです。2007年からほぼ毎年Kバレエスタジオの舞台に通い、今回の上演予定作品7本全て大阪や出雲で既に鑑賞済な者からしても
パ・ド・ドゥ、ソロ、そして大所帯の大作まで、東京での一挙披露が楽しみな強力作品が揃っています。
作品ごとに趣きは異なれど、観ると息をグッと呑みつつもこちらの心身までもが研ぎ澄まされて昇華していく、ときには放心状態にもなるそんな心持ちになる作品ばかりです。
当日は眼をギランギランに光らせる鑑賞者になりそうな私ですが笑、心待ちにしております!
本当のところ各作品についてあれこれ語りたい気持ちは山々ですが、基本恵子先生の作品は上演プログラムにも
詳しい解説がなく、大概はタイトルのみ記載。観る者の感性に委ねてくださっていたのかもしれません。

弟子達教え子達には指導時は猛烈に厳しく怖かった恵子先生ですが、毎年毎年東京から観に来る私のような呑気な観客にはいたく優しく(そして豪快笑)に接してくださいました。
あるとき恵子先生に対して、先生の作品を観るとパワーがじわっと沸いてきて、と訳の分からぬ感想を伝えてしまったときのこと。
コンテだからと難しく考えず、感じたままに楽しんでくれるのが1番嬉しいんや!ありがとう!!と返してくださったにこやかな笑みは今も忘れられません。
本日のレポートは、バレエチャンネルさん及び文章力のある聴講者様が解説してくださるはずですので当ブログはここまで笑。是非会場にてお楽しみください。
ケイスタでの恵子先生作品に助演経験ある、恵子先生からバレエ団のコンテクラスで直に学んだ大阪の佐々木美智子バレエ団の団員の方々や
ケイスタでも学び、現在谷桃子バレエ団で活躍中の梶原麗菜さん、ケイスタでの活動後スタダンでも活躍されてきた井後麻友美さん、
恵子先生の申し子であり作品指導もあちこちでなさっている石川真理子さんら関西拠点或いはご出身の強力な面々が集結します。
売れ行き好調で残席も少ないようで、ご覧になりたい方はお早めにご購入を!

https://yagamikeiko-gala.com/TOKYO2025/

後半は集中緊張等、バレエ全般についての質疑応答も聴き応えある内容でした。
トークを企画してくださったバレエチャンネルさん、そして公演の芸術監督として取りまとめてくださっている福田さん、登壇の出演者の皆様、ありがとうございました!
どの作品も楽しみですが、『Cheminer』主軸を小野さんがラヴェルのボレロに合わせてどう踊られるか、周りを率いるか注目しております。
私が観たときの主軸は山本隆之さんで、凄みやカリスマ性がこれ以上にないほどの迫力でした。山本さんと小野さんが同じポジションを踊られる機会が巡るとは不思議な感覚です。




集合写真、上手く撮れず失礼。皆様素敵な表情です!


駅近にタイムリーな名称のコーヒー店。



アイスコーヒー、すっきりと喉に通り美味しい。ブレンドコーヒーやコーヒーゼリーも量たっぷりでした。





その後は西側へ移動!東京ビールを飲みながら。



次回以降の新国立公演チラシも配布されましたので記念に。



到着早々に漫才パンダ菓子を買ってしまった笑。メモリアルガラ、難波のグリコも本家大阪から応援してますねん!

2025年1月10日金曜日

20年!









新国立劇場バレエ団の山本隆之さんの虜になってから本日でちょうど20年。20年前のあの日の出来事は生涯忘れることはない衝撃の1日でした。
当時のプログラムは勿論、チケットや批評記事も大切に保管しております。
20年の歳月が刻まれ過ぎたのかチケットも記事も色が薄れておりますが、私の中の記憶はずっと色褪せないまま今に至っております。

当時は休日は基本出勤の生活ながらどうしても休まざるを得なかった2005年1月10日。
この前年に『ライモンダ』全幕バレエ団初演にて新国バレエに関心持ちつつ、団員男性としては当時は貴重であった
毎公演主役を任されていた山本さんの写真を見て徐々に惹かれ、同年の『くるみ割り人形』公演の平日にも主演でしたがキエフバレエ鑑賞予定が入っていたため
主演舞台を観るなら翌年1月10日がチャンスと言わんばかりに決行。午前中に用事済ませ、人生2度目の新国バレエ観劇へ向かいました。
しかもその日は日本も、物語も成人式。振袖姿の新成人達眺めながら次はジークフリード王子の成人式!と、胸躍らせたものです。

結果、14:07頃。登場の高貴な佇まいや気品にすぐさま心奪われました。加えて特別劇的でもないスタンダードな印象が強かったセルゲイエフ版にて、
オデット/オディールの酒井はなさんと共に深みと品格あるドラマを練り上げていらしたこと、パドドゥのサポートでは女性側のみならずご自身の見せ方のほか
周囲への心配りや立ち居振る舞いに至るまで何もかもが美しかったこと。
私にとって国内外含めて、初めてこの人!と思える男性ダンサーが現れた日となりました。今も心から尊敬してやみません。

2005年はまだ携帯電話もガラケーの時代で、ようやくYouTubeが登場した頃。
SNSも今ほどは発展せず、mixiがあったくらいかと思われ、新国のホームページを暗記するほど読み込んでおりました。
また国内における男性ダンサー地図も大きく変わり、ゲスト頼みだった新国立も今や自前ダンサーで5組や多いときでは6組もキャストが組めるようになりました。
男性ソリストやコール・ドの体型も変わり、平均身長も驚くほどに高くなりました。
しかし団の設立が浅い頃から先駆者として新国立を率いてこられた山本さんの貢献は絶大で、これからも可能な限りは場所を問わず舞台へも足を運びたい思いでおります。

男性主役はゲスト頼みなことが大半であった当時から団員の中で唯一毎回主役を任される既に別格なスターでいらっしゃいましたから、
もうこの方以外に現れることはないだろう、あるとしたらボリショイ辺りのプリンシパル級に限定だろうと過ごしていたら、12年経った2017年1月から状況は一変。
フランスから移籍の若手ソリストの虜になるとは、誰しも予想しなかったはず。そのときから8年が過ぎ、今や団の大黒柱として大活躍中です。
山本さんの舞台等がきっかけで親しくなった北海道や関西、四国で知り合った方々も、現在の私の体制を喜んでくださっていて楽しい観劇生活を送っております。

あの日2005年1月10日からちょうど20年。偶然にも鑑賞地の東京都蒲田の名物が羽根付き餃子であったため、
羽根が描かれたプログラムと一緒に羽根付き餃子とビールで乾杯!1人飲みが得意になるとは、
それよりもこうにも観劇と合わせてのアルコールや時には旅鑑賞にも目覚めるとは、当時は知る由もありませんでした笑。
この20年間、バレエ関係の用事ではない旅行は2回しか行っておらず。
行動範囲は北は北海道南は九州まで、とりわけ大阪は地図要らずであちこち行動可能になったのも山本さんのおかげでございます。
感謝が尽きることはありません。ありがとうございます!






2025年1月8日水曜日

死にも希望を見出す独自演出  ウクライナ国立バレエ『ジゼル』1月5日(日)





1月5日(日)、ウクライナ国立バレエ団『ジゼル』を観て参りました。 当初はアリーナ・コジョカルがゲスト出演してジゼル役を予定していましたが怪我で降板。
代役をハンブルクバレエ団の菅井円加さんが務めました。
2006年以来であろう、日本でのバレエ界における『ジゼル』公演が続く大当たり年の2025年。トップバッターはウクライナ国立のヤレメンコ版でございます。
 https://www.koransha.com/ballet/ukraine_ballet/#enmokuArea-gisele


ジゼル:菅井円加
アルブレヒト:アレクサンドル・トルーシュ
ミルタ:アナスタシア・シェフチェンコ
ハンス:ヴォロディミール・クツーゾフ
ペザント・パ・ド・ドゥ:カリーナ・テルヴァル   ダニール・パスチューク
アルブレヒトの従者:オレクサンドル・ガベルコ
バチルド:エリーナ・ビドゥナ
クールランド公爵:ルスラン・アヴラメンコ
ベルタ:クセーニャ・イワネンコ
ドゥ・ウィリ:カテリーナ・デフチャローヴァ   ディアナ・イヴァンチェンコ


菅井さんは一昨年の来日公演『シルヴィア』を始め強靭なコンテンポラリー、現代作品のイメージが強いためか鑑賞前は失礼ながらジゼルが想像できず。
一方で2022年のNHKバレエの饗宴『パ・ド・カトル』では誰よりも慎ましく端正な踊りでピンクのロマンティックチュチュを纏い、
中村祥子さんにお仕えしていた姿を思い出すと今回心臓の弱い少女をどう造形するか興味が尽きずでした。
結論、とてもお似合い。病弱、心臓が弱そうには見え辛かったものの、持ち前の技術を誇示せずさらりと織り込んでの細やかな踊りでいたく愛らしい娘に映りました。
アルブレヒトへの恋も混じり気や飾り気がなく純朴そのもので、話かけるときもそっと触れたり、
恥じらいも変にかわい子ぶらず、即座に笑顔にならずに素朴な反応であったりと恋のこの字も分からぬ少女っぷり。アルブレヒトが色々試したくなってしまうのも納得です。
ヴァリエーションではアラベスクからのパンシェを爪先立ちのまま悠々且つさらっと愛らしく空気を優しく吸い込むように披露され、客席がどよめきました。
私も長年生きておりますし『ジゼル』は何度も様々なバレエ団で観ておりますが、初めて目撃するテクニックでございました。
ちなみにお詳しい方曰く、往年のバレエ漫画に同じ様子が出てくるとか。当方バレエ漫画は目を通しておらず、気になる方はお探しください。
狂乱では剣で傷ついた手から痙攣の波動が徐々に全身を伝っていく震えを緻密に体現。
2幕はウィリーとして登場すると乱れが一切ない大高速回転で沸かせ、精霊らしい無重力でふわふわと高く舞う姿も圧巻でした。

トルーシュのアルブレヒトは登場から喜び全開、はみ出し貴族の笑みブレヒト。
ジゼルに会いたい欲望を抑えられず思わずジゼルの家のドアを開けかけて突入を試みる胡散臭い行為を従者に止められ、この時点で客席から笑いがこぼれていたほどです。
衣装が『マノン』にて、3幕ルイジアナに到着してすぐさま装着物を洗濯できたデ・グリューなデザインで、つまり上は白いシャツのみ。
ベストなり何かしら着用していないと寧ろ村人への溶け込みも難しそうに思えますが異端児な村人だから良いのかもしれません。
それはそうとジゼルへは接する度に全力で愛情を注ぎ、軽そうにも見えつつ純愛ではなさそうであったが貴族としての人生の枠を一気に取り払っていたと捉えております。
狂乱にてジゼルが息絶えると強力ガムテープよりも粘着質な性格なのかジゼルから離れようとせず従者によって力ずくで連行される始末。
意外と言ってはこれまた失礼だが、古典の振付もきっちり綺麗に纏めていて、2幕では空間を切り裂くようにミルタへの許しを訴えていました。

厚みを効かせていたのはクツーゾフのハンスで、花をさっさか背後に隠しながら何事もなかったかのように繕って村人と挨拶を交わしていたりと恋が健気。
お花はジゼル家の外テーブルの花瓶に生けていて、その花を束ごと取り出して占いに使い、
挙句の果てには地面に置き去りにするジゼルとアルブレヒトの行動はなかなか残酷に映っていたに違いありません。
技術芝居共に舞台を締め、2幕でのウィリー達からの追い詰められた状況における
恐怖感を身体中に充満させながらの張りのある跳躍やバネのある回転を伴いながらの移動も目を惹きつけました。キャラクターの名手と思わせます。

それからシェフチェンコのミルタの研ぎ澄まされたコントロール力ある美しさ、統率力、ウィリーのコール・ドもよく整っていてふわりとした柔らかさも見事。
そうかと思えば追い詰めて倒れ込んだハンスをそのままドゥ・ウィリー達が2人がかりで引きずりながら運搬して舞台袖へ入れる力技からの
任務完了!と言わんばかりの一斉勢揃いポーズへの瞬時の加わりには笑い起きていたほどです笑。

1幕の収穫祭の場面は活気があり、ペザントパ・ド・ドゥの2人がお祭りの中で執り行われる結婚式の新郎新婦である設定も微笑ましい演出。
パ・ド・ドゥはお祝いとして仲間達に披露する流れとなり、ブーケトスもして
それを受け取ったのがジゼルであるのが今後の展開を分かっているだけに悲劇を増幅させました。

演奏が全体的に明るめで悲壮感は抑えめで、悲劇ではあっても悲劇でない独自演出な結末を序奏から想起。
また2幕ウィリー達の森も陰鬱で鬱蒼とした雰囲気よりもお清めが行われそうな淡いブルーで統一され、死後の世界を過剰に恐怖に描かない手法が取られていました。
独自の結末については賛否両論ありそうですが、今のウクライナの情勢を考えると
死後の世界にも希望を見出したい救いへの願いが込められているとも捉えられる演出で、死を伴う悲劇については慎重に扱っているのは想像に難くありません。
2幕冒頭、命を落とした娘のお墓を探し回るベルタの引き裂かれそうな悲しみの描写から、少しでも主人公が救われる路線に転換にしたのも頷ける気がいたします。

ダンサーもオーケストラも戦時下の困難を思わせぬ上質な完成度で、基礎力の高さと芸術家としての誇りが感じられる公演でした。
ウクライナに平穏な日々が戻るよう願ってやみません。

改訂振付をされたヤレメンコさんが手掛けた作品としては、日本バレエ協会が2020年に上演した『海賊』がとても素敵で
2時間弱に纏めながら要所は押さえ、プロローグとエピローグにバイロンが登場する洒落た演出も印象に残っております。是非再演してくださると嬉しうございます。



門松



『ジゼル』舞台写真も展示されていました。







ミルタ、美しく崇高です。



カーテンコールは撮影可能でした。







讃え合う菅井さんトルーシュ。


帰りは白ワインで乾杯です!

2025年1月5日日曜日

謹賀新年2025 ~年末年始は令和のナベ騒動~







あけましておめでとうございます。昨年も当ブログにお越しくださりありがとうございました。
他のバレエ鑑賞愛好家の方々に比べ、私の頭の回転と同様に更新が遅い当ブログでございますが、本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

さて毎年の年始恒例、1年通して最たる緊急性無しの年末から年明けにかけての日常を綴っている記事ですので、お正月明けでご多忙な方々はお飛ばしください。
当方は仕事納めが30日のため、少し寄り道して帰宅すると前日まで『くるみ割り人形』鑑賞で訪れていた新国立劇場にてレコード大賞真っ只中。
レコ大、いつの頃からか中劇場で開催されるようになり、司会者のアナウンサーを見るとこのたびも思いました。
今回初台くるみに呼ばれ、ドロッセルマイヤーさんを務めていらっしゃる元プリンシパル/バレエマスターとしても活躍されたダンサーに似ていらっしゃいます。

翌日大晦日は16時から2024年観劇納めとして初台へ。『くるみ割り人形』鑑賞です。この日は何と言っても大晦日限定で販売される鴨葱蕎麦!
1幕開演前に購入でき、葱の焼き具合も香ばしい仕上がりで鴨肉も多くのっかっていて満足なお蕎麦でした。大晦日初台蕎麦の儀、2024年も無事完了です。
今年もお蕎麦は大人気で、開演前には準備分は売り切れ。幕間も列の途中で品切れになってしまったとか。恐るべし、大晦日限定メニュー。
公演フィナーレでは大晦日特別演出としてドロッセルさんの魔法で紅白歌合戦風にテープ発射!
ペンライト掲げはなし、(バレエ公演では持ち込み不可です!お正月から始まるある公演で注意喚起があったとか汗)
野鳥の会もなし、蛍の光もなしですが、2024年最終日を彩るに相応しい盛況公演でした。
帰宅後は本当の紅白歌合戦視聴。年々知っている歌手が減少し、先日50年前の紅白再放送を視聴していたら
南沙織さんの17歳、にしきのあきらさんの空に太陽がある限り、尾崎紀世彦さんのまた逢う日までなど
聴き馴染みある名曲揃いで今も脳裏にパッと浮かぶ曲の連続で歓喜した私でございます。
殊にまた逢う日までは旅先からの復路出発時の写真にて当ブログでも度々使用させていただいている文言です。

しかし今年の紅白、いつもと違って我が琴線に触れる一大事が2件。1つは放送100年特別企画の中にて、
にこにこぷんのキャラクター達の登場。じゃじゃまる、ぴっころ、ぽろりの並びにああ大興奮。ぽろりは立派な海賊なのです。
そして、B'z。日本の流行音楽に疎い私も、現在放送中の朝ドラの主題歌、からのLOVE PHANTOM(ドラマ内容は記憶の彼方だがX-ファイル主題歌でした) 、
元々は四半世紀近く前の世界水泳のテーマ曲として発表されたultra soulは存じており、令和のNHKホールで披露されたのかと思うと感激です。
同時に、2022年の新国立劇場バレエ団高崎公演とB'zの高崎ライブ日程が重なった関係で宿泊先の小浴場にて居合わせたB'zライブ来場者の2人組と打ち解け
バレエ観劇で来群している私が20年以上前の曲とはいえ即座に挙げた4,5曲に対して喜びを見せてくれまして、うちの2曲の披露も喜びが再びひとしおでした。
蛍の光も終わり、テープカットでお開きとなった後は5分程度はゆく年来る年を見てからはジルベスター。
アイーダの凱旋行進曲で盛大にカウントダウンして盛大にあけまして2025!

元旦は我が家禁断のお正月祝いで、少人数ながらワイン消費量が多めなのはさておき、
おせちはほどほどに、お酌なども一切なく好き勝手に過ごす午後でございました。
19時からはウィーンフィルニューイヤーコンサート。バレエ『こうもり』の使用曲があると
一層祝祭感が増す私ですが(しかしヨハン、いつか観とうごさいますがもう困難か。新聞の経済欄を熟読するお父さんを夢見ていたが、、、)
バレエシーンはちらちらと眺めておりました。それよりも撮影場所となっていた山の上にあるリゾートホテルの内装に注目してしまいました。

さて題名にもなるナベ騒動とは何ぞやでしょうが。まずは年末編。我が家の鍋にひびが入り、水漏れに気づいたのが大晦日。
代わりになる似た大きさの調理器具があるため困りはいたしませんでしたが、よりによってなぜ大晦日に発生したか。

年始編。ウィーンフィルのニューイヤーコンサートバレエ場面視聴中に、家族の1人が遅ればせながらの年賀状書きに没頭していて
どうやら我が家と何十年も前から家族ぐるみでお世話になっているワタナベさんご一家に書きたいようでしたが
何やら大騒ぎ。どうやら「ナベの字が書けない分からない」の一点張り。どのナベか聞くと「方のナベ」とのこと。管理人、ドキリ笑。
その場にいた家族のもう1人も「そのナベ書く機会ないから私も書けない」と主張。
そうはいっても私書けます、寝ててもスラスラ書けますとは言えず笑、携帯電話で調べた画面を拡大してもらいつつ
「ここってわかんむり?うかんむり??」「ここって点2個、どうやって書けばバランスよく整って見えるんだ??」云々聞いてきたため
そうはいっても酔っていてもスラスラ書けますとは正直には言えず笑。拡大したものを見ながら
文字の作りやら点の位置を、毎日どれだけこのご名字の漢字を目にしているのか信じ難いほどに余り慣れないふりして説明していた私でございます。
昨年9月に福島県白河市の公園で白く美しい蛇の横断を目の前で見た出来事が今回の騒動に繋がってきたのか真相は分からぬまま。
ああ、翌日1月2日はファン歴ちょうど8年を迎え、私にとっては正月以上におめでたい季節なのですが、家族の前では未だおとなしくしております汗汗。
そんなこんな経緯を経て家族は無事書き上げまして、「邊」の字は頑張って書いた感が丸出しでしたが笑、いそいそと投函へ出かけていきました。
一時1人になった私、どっと力が抜けましたとさ。それより家族よ、知る由も無いでしょうが「ワタナベ ワタナベ 方の字難し過ぎる」と敬称略連呼は控えてくれい笑。

整理整頓されているとは言い難い新年1発目の記事で失礼いたしました。次回はもう少し纏まった内容でお送りする予定でおります。
今年第一弾の観劇は初台の『くるみ割り人形』にて既に始まっており、方の字の甥っ子/くるみ割り人形/王子の絶品ぶりを観て参りました。その話はまたいずれ。
本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

2025年1月5日 アンデオールバレエ日和 管理人


※上の画像 3日の初台と、2日に行ったスーパー銭湯のお正月飾り。記者会見できそうな豪華さです。




今年は巳年です。バレエで蛇と聞くと、バヤデールとアラジンのエメラルドが浮かびます。



ツリーのくまさん、鏡餅と大入袋を手にしてお正月バージョンに。



新国アラジンとバヤデール、ついついプログラム並べてしまいます。眼福景色。