新国立劇場バレエ団『白鳥の湖』が6月10日(土)に開幕、現在上演中です。
https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/swanlake/
吉田さんのオデットを始め、舞台写真も早速掲載
リハーサル写真も複数枚。伸びやかで美しいお2人。渡邊さんは、鉢巻(バンダナか)でも品格ある気高い王子です。
初日と本日14日(水)の2回鑑賞し、只今折り返し地点でございます。(11日は西の都へ行っておりました。その話はまたいずれ)
初日は米沢唯さん福岡雄大さんペアが技術の高さは当然のこと以前にも増してドラマティックな味わい深さがしみじみと伝わり、
ベンノの木下嘉人さんは何かと不穏になりがちな宮廷の空気を良き方向へと変える名手な活躍で
人力高性能空気循環器かと思わす好演。踊りも舞台の仕切りも前に出過ぎずされど絶妙な立ち位置を把握されていて、
王子の頼れる友人である役柄に説得力をもたらしていました。中家正博さんロットバルトの豪胆で暗闇を一気に切り裂くような君臨もお見事。
そして今回の大注目でしょう、本日はアーティスト階級から大抜擢された吉田朱里さんが主役デビュー。
記憶が正しければ新国立バレエにおける全幕作品での女性の主役デビューは2016年12月の『シンデレラ』池田理沙子さん以来で約6年半ぶり。長かった汗。
しかも吉田さんの場合主役デビューといっても最初からの配役ではなく公演本番まで1ヶ月を切った頃に木村優里さんの代役として発表。
これまで代役経験のある吉田さんであっても、全幕の主演でしかもプリンシパルの代役、
チケット発売からもだいぶ日数が経っており、プレッシャーの大きさは想像に難くありません。
しかしリハーサル写真を目にしたところ渡邊峻郁さんとのバランスにまず魅せられ、ピュアな透明感を発するポーズにも惚れ惚れ。
元々私は吉田さんの腕のラインが好きで、『くるみ割り人形』花のワルツでの曲中で最も静かであろう
冒頭でのパートナーに支えられたアラベスク姿を一目観ただけでも見入るものがあり、
いかにしてあの繊細な曲線が出るのか不思議で帰宅後自身で試すも、我が腕の魚肉ソーセージの如き丸み膨らみに落胆して終わった冬の夜だったわけですが
それはさておき渡邊さんとの並びで観てみたい、腕の羽ばたきを観てみたいと日に日に興味をそそられたここ1週間でございました。
そしていよいよ本日。吉田さん、鮮烈主役デビュー!清純で透明感溢れるオデットで私まで助けたい感情に駆られたわけですから
間近で出現を目にした王子なんぞいったいどんな気持ちであったことか。
まだ重たい悲しみを背負っているよりも、事態を呑み込めずにいるまま白鳥に変えられ、王子に救いを求めているのであろうと勝手に推察した私でございます。
オデットの訴えに対してせわしなく反応するのではなく、そうか、そうか、と落ち着いて頷き、どんと構えて受け止める王子にオデットも安心感を持ったことでしょう。
すらりと長身で気高い美しさのあるお2人のアダージョに、吉田さんの弧を描くアームスや伸びる脚線に釘付けとなり
何よりガラス細工に触れるように丁寧に導きつつオデットの心を開かせていく渡邊さんの包容力と信頼感あるサポートは溜息ものでございました。
吉田さんにとって、どれだけ心の支えになっていたことか。
勿論、王子の鬱屈した内面表現や、重厚な装置に負けぬ、品格と厚みの双方宿る踊りにも脱帽です。
小柴さんのロットバルトと吉田さんオディールのやり取りも素直な父娘関係が垣間見え、土曜日昼公演も楽しみでございます。
ピーター・ライト版白鳥は暗闇がずっと覆い被さる展開がそこまで好きでもないと新国立初演時の前半日程はぼやいていた私ですが
今回も渡邊さんで観ると、同じ暗がりな心情であっても油性ペン、墨汁、油彩画、水彩画、ときには混在型も発生したりと空模様の描き方が豊富で
心の変わりようを追いたくなる王子に思えたのでした。人間とはかくも身勝手な生き物と再確認。ひとまず土曜日昼も待ち焦がれております。
神秘的な白鳥達のコール・ドや霧深い演出、男性陣の勇壮さが引き立つ 1幕の乾杯の踊り等見どころ凝縮で、千秋楽まで引き続き楽しんで参ります。
※一番上の写真、マエストロのサイン入りメニュー。終演後に乾杯いたしました。吉田さん、サインをお書きになるとき、きっとドキドキとなさっていたことでしょう。
ホワイエで販売中、スワンシュー。前回より躍動感ございます。
マエストロにて、前菜盛り合わせ。赤色でめでたい!
羽のようなふわふわのシュレッドチーズがのった海老とズッキーニのクリームソースパスタ。
デザート、メロンのスープ仕立て。本日の主演2人を彷彿とさせる爽やかな品が舌を伝いました。
2 件のコメント:
朱里さん、素敵な白鳥でしたね。
感動の主役デビューでした。
周りのダンサーみんなが見守る舞台、新国バレエの総合力を感じる舞台でもありました。
峻郁さんはお兄さんの様な頼もしい王子でしたね。
Akiさま
吉田さんの主役デビュー、フレッシュな美しさに満ちた素敵な舞台でしたよね!バレエ団総力で出演者も観客も大応援体制で見守り、久しぶりの感覚でした!
他のオデットオディール達の主役デビューを思い出したり、まずは新主役誕生を祝すばかりです。
渡邊さんが吉田さんを安心させながらのサポートも頼もしくて、時折優しいお兄さんにも見えました!そんな姿にもうっとりでございました〜。
吉田さんの主役デビュー、しかも白鳥のような大作での代役、相手が渡邊さんで良かったです。
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