バレエについての鑑賞記、発見、情報、考えたことなど更新中
2020年よりこちらに引越し、2019年12月末までの分はhttp://endehors.cocolog-nifty.com/blog/に掲載
2023年6月19日月曜日
雨上がりにシューマンの調べ 原美香バレエスタジオ第10回発表会6月11日(日)《京都市》
6月11日(日)、京都ロームシアターで原美香バレエスタジオ第10回発表会を観て参りました。
原さんのリサイタルは2011年4月に旧京都会館(現ロームシアター)にて拝見しておりますが、スタジオ発表会は初見。楽しみに伺った次第です。
https://www.mikahara.com/news/3433/
まずはオープニングから、チャイコフスキーのオペラ『エフゲニー・オネーギン』ポロネーズにのせてほぼ全出演者が登場。
この曲を聴くとまずバレエアステラスが思い浮かぶわけですが、華々しく開幕に相応しいと毎度感じております。
ここで早速目を惹いたのは子供の生徒さん達の踊り方が実に丁寧で堂々としていたこと。
あとのディズニー作品でも同様の印象を持ちましたが、ポール・ド・ブラ1つにしてもきっちりと、しかもくっきりと示していて
基本中の基本である脚の差し出しやプリエにしても一切疎かにせず音楽によく合わせて、自信を持って披露。
レヴェランスも深々としっかり行っていて舞台マナーも良く、すっかり感心してしまいました。
子供の頃の私だったらこんなにきちんと務めることなんぞできなかったはず。
第1部、第2部はヴァリエーションやグラン・パ・ド・ドゥを織り交ぜ飽きさせぬ構成で時間が瞬く間に経過。
子供から大人まで舞台を楽しんでいらっしゃる様子に、観ているこちらまでこの日の京都市の天候と同様、徐々に晴れ間が射し込んできた気分となりました。
それから照明の凝り方やセンスにも魅せられ、手がけていらしたのは松浦眞也さんとのこと。
山本隆之さん版の『白鳥の湖』や川上恵子バレエスクール、深川秀夫さん作品でお馴染みのお方かと思います。西日本の光の魔術師と勝手に呼んでおります。
バレエコンサートでも例えばガラでも鉄板な海賊は薄紫の夜明けのような色味であったり、柔らかめの光で演出する作品もあったりと細かな妙技に驚かされました。
コンサートのハイライトが山本康介さん振付で佐藤美和さんのピアノで奏でられたHommage〜オマージュ〜。
解説によれば、1曲目と3曲目の作曲はクララ・シューマン、2曲目はロベルト・シューマンとのこと。
落とした照明の下、静けさに包まれた空間の下手側にピアノが置かれ、佐藤さんが登場。続いて山本さん、原さんそれぞれのソロがあり
やがてパ・ド・ドゥへと繋がっていきました。
ただソロとは言っても佐藤さんと穏やかに語らうような場もあり、より体温が伝わる振付に心癒されました。
そして原さん山本さんが一緒に踊り出すと、年齢を美しく重ねていったお2人だからこそ醸す、
この日に観察してきた紫陽花を滴る雨雫のようなしっとりとした華やぎに目も胸も潤った思いでおります。
山本康介さんの振付作品はこれまでにモダンでカラフルな味わいが刺激を誘った2022年の東京シティ『火の鳥』や、
2018年の東京都江戸川区での佐藤朱実バレエスクール『くるみ割り人形』における踊り盛りだくさんなドロッセルマイヤーや
人物同士の繋がりがはっきりと見える演出、生徒さんの特性を生かしたねずみ等工夫が行き届いた構成に引き込まれ、また振付作品を拝見したいと思っておりました。
今回は優しさが響き合う大人の雰囲気に満ちた作品にお目にかかれ、大変幸運でございます。
続いては『白鳥の湖』第2幕湖畔の場と第3幕オディールが登場する舞踏会で、オーソドックスな中にも独自の捻りある味付けが光る見応え十二分な内容でした。
まず2幕ではジグザグに白鳥達が登場した後に両腕を翼のように掲げて羽ばたく振付の中にさりげなく両手で涙を流す仕草が含まれ、一斉に行うと白鳥達の悲しみがより強まり
しかも音楽の中に違和感なく溶け込んでいるため不自然さもなし。はっと心を奪われる瞬間でした。
オデットと王子のアダージオのときも後半部分であったか、群舞に立体的な動きが付けられていて
オデットの訴えを白鳥達も共に切々と語っているように見えた気がいたします。
それから四羽の白鳥の生徒さん達の揃い方、特に素早く斜め前に脚を擦り出しながら立つ箇所での顔の付け方も滑らか且つ音楽としっかり連動していて
奇しくも前日に東京で新国立劇場バレエ団の『白鳥の湖』を観てきた者からしても引けをとらない完成度の高さに目を見張りました。
3幕は民族舞踊の構成が実に工夫がなされていて、マズルカ、チャルダッシュ、ナポリは主軸に生徒さんと男性ゲストペアが配され達者に披露。
アンサンブルはナポリは小さな生徒さん達が可愛らしく、チャルダシュは大人の生徒さん達、マズルカは小中学生くらいの年代の生徒さん達、と配置がなされ
それぞれの魅力が花開いていた印象です。中でも大人のチャルダッシュが重厚でしかもポーズも揃い、心から楽しんでいらっしゃる様子が窺えました。
2幕3幕とも王子は青木崇さんで、貫禄と成熟した雰囲気や技術も美しく力強く、オディールに結婚を誓ってしまったと判明したときに大袈裟に嘆かず
静かに胸を当て悔やむ王子は初見かもしれません。タラちゃん或いはクイーンの有名曲を思わすかのように
母親を叫び呼ぶのではなくしんみりと悲嘆に暮れる姿は青木さんの佇まいによく合っていて、好印象でした。
宮廷の装置は舞台袖に至るまで壮麗豪華。中世ドイツかと聞かれるともう少し近代寄りな気もして
少し首も傾げかけましたが(美術史に詳しくないため、あくまで勝手な想像ですが)、幕開けから客席がどよめくほどの華々しさに圧倒されました。
フィナーレはエフゲニー・オネーギンのワルツにのせて、出演者総登場。最後に原さんが登場され、シンプルなワンピース姿がまた美しや。
同時に原さんを初めて拝見したときの2011年4月のリサイタルが思い起こされ、東日本大震災から1ヶ月も経っていない頃で都内もまだ計画停電の実施や物流も順調ではなく
チケット代の入金においても銀行によってはATMが停止中であった記憶もあります。都内では舞台開催も多々中止に追い込まれていた状況下
京都会館で観た『ソワレ・ドゥ・バレエ』等の深川秀夫さん作品の数々や『パキータ』に、
舞台ってこんなに煌びやかなものだったのかと遠くにいきかけていた感性が戻ってきた思いすら募ったものです。
今回はスタジオ第10回の発表会、おめでとうございます。スタジオの一層の発展を願っております。
※以下写真が20枚以上ございます。日帰りでこの枚数なんぞ見ている暇はないと仰るご多忙な方は次回をお待ちください。(次回、恐らくは長いと思いますが)
もう今年も上半期が終了、お時間と忍耐力のある方は以下どうぞ。
当初は昨年夏と同様に貴船へ行き
川床で流しそうめんを堪能する予定でおりましたが雨天予報が出ていたため紫陽花見物に変更。
新国立の『白鳥の湖』初日から帰宅後大急ぎで名所を調べ、京阪沿線にも色々あると知り、行って参りました。
おはようございます。京都駅に参りました。早朝のため、人が視界にいません。
鴨川を北上し、徒歩で祇園四条駅へ。前日までに申し込むと800円で購入できる京阪電車1日乗車券を申し込み
受け取りはいくつかの駅限定らしく、祇園四条駅もその1つ。電車代を使うのが悔しいため、徒歩で向かった次第。
(だから誰も私と一緒には旅行動をしたがらない笑)そして初めて巽橋へ。まだ人がいません。
ガイドブックには必ずといってよいほど載っていますが、静かで新緑情緒ある場所でした。
祇園の道沿いの紫陽花
花見小路通を歩きつつ二年坂へ。まだ人がいません。このとき朝6時30分、そりゃ観光客はまだ疎らか。混雑時には人の頭しか見えないらしい。
清水寺は早朝に行くのが好きな管理人。その代わり、何度も来ていながらお寺周辺のお店事情に詳しくない。
例外で去年2月は昼食時に湯豆腐の老舗奥丹清水へは行きましたが。
清水の舞台、人が写っていません。早朝の雨天のためか、10人もいなかったかと思います。
今日は京都でバレエ鑑賞どすえ。
八坂の塔、サザエさん歌いたくなります。まだ人がいません。今日も「能天気」〜は私のことだ。幼い頃から直りません。人生どうしたものか。
京阪電車の清水五条駅から宇治の三室戸寺へ。1本で行けます。「みむろとじ」と読むそうで、袋とじしか思い浮かばぬ管理人の思考をお許しください。
艶やかな紫陽花達。
蓮の葉に水滴がきらり。
紫陽花の花園!植え込みがどこまでも続き迷路のよう。ここでお江戸版 アリス、いけるんちゃいますか??
老中の家で働く青年が将軍の護衛隊侍に転生し、お江戸のアリスと(名前何がええやろ)脱出を図る大作戦。ああ生垣からひょっこり出現、配役想像が巡ります。
アジサイ・アダージョもどうでしょう??あっ、ここ京都どすえ。次行きます。
道沿いに紫陽花。霧も見えます。あの中から白鳥達が出現でしょうか。それはピーター・ライト版か。
三室戸寺と源氏物語ミュージアムの間あたりに位置する、これが食べたかった、伊藤久右衛門茶房にて季節限定紫陽花パフェ。
紫陽花きんとんが涼やかです。あたたかいお抹茶といただきました。
このお店は混み合っていて、今回の京都で唯一遭遇した混雑地だったかもしれません。
整理券制のため、機械から受け取った券に記載のQRコードを読み取ると
待機者や待ち時間目安状況もわかるようになっていて便利です。
源氏物語ミュージアムへ。貴族の生活を再現した展示。シャンブルのかぐや姫を観てきたばかりのため、思い起こされます。
オーベロンはミタなる覗き見貴族もいます。怪しい。
朝霧橋へ。来年の大河ドラマは紫式部が主役です。
京阪電車に乗り、墨染駅へ。藤森神社の紫陽花見物。コスプレイヤーがたくさんいました。管理人には炭治郎しか分かりませんでしたが。
ふじのもり、と読むらしい。今回の発表会の舞台監督は関西の名手!?藤森(ふじもり)さん。私もお世話になっており、3月に東京での公演会場で偶然お目にかかったとき
2月の例の件についての不納得な事態発生のぼやき嘆きにも耳を傾けてくださり涙、その節はありがとうございました。
京阪で祇園四条駅へ。京都に何度も来ていながら初訪問、松葉のにしんそば。
甘辛いにしんと刻み葱の辛さ、お出汁の優しさが身に沁みます。13時頃の来店でしたがすぐに着席できました。窓の外には東華菜館も見えます。
四条大橋からの鴨川風景。
9年ぶりの訪問、河原町にある喫茶ソワレへ。
ゼリーポンチ。100年以上変わらぬ製法の刺激度弱めな神戸産サイダーを使用とのこと。
原美香さんを初めて拝見したのも京都で、ロームシアター改装前の京都会館でした。
そのとき踊られた2演目に含まれていた深川秀夫さん振付『ソワレ・ドゥ・バレエ』の色彩美に重なり、当時を思い出しつついただきました。
晴れ間が見えてきた。
京阪電車で1駅、京阪三条へ。ロームシアター到着。
東京文化会館と同じ、前川国男の設計です。
帰りは会場から徒歩で京阪三条駅を経由し歩いて先斗町へ。京都の地酒で乾杯!ええ舞台でした。そして京阪線のみで1日過ごしたのでした。さらば京都、また会う日まで!!
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿