2023年1月27日金曜日

米良美一さんと加藤昌則さんのトークdeコンサート




バレエとは異なる分野の話ですが先日の22日(日)、上野の東京文化会館小ホールにて米良美一さんと加藤昌則さんのコンサートへ行って参りました。
東京文化会館へバレエ以外の用事で足を運ぶのは初めてでございます。また歌のコンサートに出向くのは
2018年にオペラシティコンサートホールで開催された中丸三千繪さんの公演以来です。
https://t-onkyo.co.jp/ticket/mela_katou


偶々記事で見つけ、米良さんの『もののけ姫』を生で聴けるならとその目的1つで行ってしまいましたが
他の童謡や唱歌、合唱曲でも馴染み深い作品まで多岐に渡る曲を聴けた上に
ピアニストで作曲家の加藤さんとのお話もほんわか、されど少々毒舌風味も効かせたテンポで楽しいばかり。
米良さんの地元宮崎県での音楽祭における関わりがきっかけで交流が始まったとのことで
加藤さんはすぐそこの学校を首席で卒業、と上野の立地を生かして東京芸術大学首席卒業の加藤さんを米良さんが讃えたかと思えば
時々宮崎弁が飛び出す米良さん、2部にてお召し替えをしての登場における米良さんのブラックレッドな衣装に感激の声を上げる加藤さん、と
お互いをよく知る仲だからこその漫才な会話をも繰り広げ笑いをたっぷり起こしてくださいました。
米良さんが宮崎県ご出身であるとはこのとき初めて知り、親しくお世話になっている方が現在お住まいの県であることや
実はこの日、友人間でも宮崎が大きな話題になっていたため、更には年末に米良さんの歌声を繰り返し聴いていらしたとも伺ったりと嬉しい偶然に喜びもひとしおでした。

1部では加藤さんによる音楽豆知識講座も取り入れてくださり、『赤とんぼ』の前には作曲者山田耕筰が
日本語歌詞を音に当て嵌めるときのお話や(確か)観客一同大きく頷きつつ学びの時間でした。
実は私の出身高校の校歌が山田耕筰の作曲で、焦点を当てたお話に興味津々。しかも校歌では珍しいワルツでございまして、
チャイコフスキー『眠れる森の美女』『くるみ割り人形』「花のワルツ」やプロコフィエフ『シンデレラ』等と大きく異なり抑揚が殆ど無く、淡々とした曲調。
学校の創立年の節目に音源が配布され、ピアノソロ版を聴いてみるとバーレッスンでの脚で半円を描くロン・ドゥ・ジャンブにうってつけかと存じます。
余りに淡々としていて高校の校歌に大概は含まれる若さ溢れる飛翔飛躍を思わす要素が無いのだが、
(バレエ音楽のイメージとしてはラ・バヤデール影の王国ベールのワルツに近いかもしれません。
そもそも校歌が3拍子しかもおっとり曲調の学校は我が母校以外にあるのか知りたい)
ピアノ版を聴いたとき、もし生まれ変わってバレエピアニストになったら弾きたい曲に加えたいと考えたのでした。
しかし高校時代吹奏楽部に所属し野球部の甲子園予選試合の応援演奏にも行っていた若かりし管理人は
仮に運が良過ぎて野球部が甲子園に出場し更には1勝したら、球場で流れる勝利校の校歌としては迫力に欠けるのではなかろうかと要らぬ心配もしたものです。

米良さん加藤さんに話を戻します。2部にて念願の『もののけ姫』、1997年夏公開ですからあれから約26年。早いものです。
映画のときとは少し違った声色だったかもしれませんが、艶のあるお声を聴けて大満足。
当ブログでここ最近話題になりやすい1997年、舞台芸術界においては新国立劇場が開場しためでたき年でしたが、金融界は大打撃の連続で
大企業の破綻が相次ぎ、上層部幹部らが記者会見で頭を下げる報道が連日なされ冷え込み厳しい時期であったのは今も記憶しております。
潔いキャッチコピーや台詞も突き刺さって物事を深く考えさせられる重たい余韻が残る作品を、
そして包み込むような米良さんの歌声を26年前に映画館で鑑賞できたのは幸運であったと思っております。
当時の映画のパンフレットには、この曲はアシタカがサンに向けた言葉であると書かれていて、よくよく読んでみると納得できたものです。
ちなみに、私も1997年は2005年、2017年には及ばずとも人生における大きな転換期でしたので、何かと年の出来事や時事関連が頭に残っているのかもしれません。

話があちこちに飛び失礼、歌のコンサートは久々ながら終始リラックスして和やかな雰囲気の中で歌とお話を思い切り楽しんだ公演でした。
終演後チラシ置き場の辺りに行くと、あらま清泉女子大学でのラファエラアカデミアの顔見知り受講者の方とばったり。
美術館へ行くところだったようで偶々チラシ置き場に立ち寄ったとのこと。
何処へ行っても、異なる分野が目的で出向いたとしても、バレエとの繋がりは良い意味で「根深い」ようです。
それにしても、以前にも脳裏を過り綴っておりましたが『もののけ姫』はバレエ化した舞台を想像。サン、アシタカ、エボシ、似合う人が浮かんではニンマリです。
コダマは精霊ですからロマンチック・バレエの特性に合い、コール・ド・バレエにも生かせるかもしれません。



大ホール、この日はお休みでした。



終演後移動し、唐木田のオデットこと当ブログレギュラーの後輩と、後輩と同じスタジオにも通っていらっしゃる唐木田のバジルこと大人の生徒さんの方と合流。
お2人はレッスン後に、私は米良さんを聴いてから、時間も丁度良し。とにかく真面目に真摯にバレエと向き合い仕事とも両立させている姿から学びが尽きずにおります。
見るからに麗しい可愛らしさのある後輩を「歩く花園」と例える私だがこの日も話題となり、花に例えるならばピンク色の薔薇か、そぞろ咲くチューリップ、と華やぐ花々が次々登場。
そしてなぜだか花の例えについて私にも話が向けられ、「菖」とのこと。
すっと伸び、派手さは無いが凛と咲く渋みある紫の花である菖は昔から心惹かれ、嬉しい例え。励みにいたします。

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