バレエについての鑑賞記、発見、情報、考えたことなど更新中
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2020年10月30日金曜日
2021年1月より放送開始NHKBSドラマ『カンパニー』
来春1月より、NHKBSにて放送が始まるバレエを題材にした井ノ原快彦さん主演、熊川哲也さん監修のドラマ『カンパニー』。
このたび主な配役、出演者が追加発表されました。
Kバレエカンパニーツイッター
https://twitter.com/kballetofficial/status/1321222014120595456?s=21
NHKの紹介ページ
https://www.nhk.or.jp/dramatopics-blog/20000/438219.html
熊川哲也さん監修ですから海外で活躍するプリンシパルダンサー役を宮尾俊太郎さんが務めるのを始め
Kバレエカンパニーのダンサーの複数名出演の予想は的中いたしましたが、小林美奈さんのご出演も嬉しい限り。
テレビドラマでどんな演技を見せてくださるか楽しみです。
原作は伊吹有喜さん。ごく平凡なサラリーマンが突如出向を命じられ老舗バレエ団再生に奮起する物語です。
2017年5月に新潮社より出版され、一昨年には宝塚歌劇団で舞台化され上演されています。
原作を読み進めておりまだ途中段階ですが、大変面白くリアリティに富んだエピソードも満載で筋金入りのバレエ鑑賞愛好者も楽しめる内容である印象です。
以下ややネタバレな展開ですのでまっさらな状態でこれから原作を読まれる、或いは放送をお待ちになりたい方はお控えください。
まず、ビジネスとして成り立っているとは言い難いお稽古から発展した日本独自のバレエ文化に主人公の青柳が素朴な疑問を次々とぶつける箇所が痛快。
仕事として踊っていながら給料が出ず、アルバイト無しでは生活不可能である団員の実態や
実力ではなく納める費用が配役決定を左右するしきたりに首を傾げ、声を大にしておかしいと意見し
解決策を見出そうと奮闘する姿が丁寧に描写されています。
バレエのバの字も殆ど知らずサラリーマン一筋で生きてきたからこその視点がバレエ団を転換に導くと想像し、展開が一層楽しみになっております。
またバレエと言えば妖精お姫様王子様の印象を持っていたのであろう青柳がバレエ団訪問時に
『ラ・バヤデール』の話を聞き、憎悪渦巻く生々しい人間関係のバレエ化に驚きつつもバレエの寛容性に興味を少しずつそそられいく箇所も面白く読みました。
それからダンサーの心理も現実味あり。男性ダンサーあるある!?かもしれませんが
世界規模で活躍するダンサー高野悠(ドラマでは宮尾さん演じる役)が帰国して『白鳥の湖』に客演する話が上がりますが、
王子役を依頼されながらも正直なところロットバルトに魅力を感じている様子。
貴公子役の印象が先行しがちなダンサーが個性の強いキャラクターももっと踊りたいと
インタビューで語る記事はしばしば見かけますから男性ダンサー心理を細やかに捉えていると思えた次第です。
ちなみに青柳と高野の初対面状況はなかなかの衝撃ある場所で、映像でも同様に描かれるのか想像するたびに笑いが込み上げてきてしまう場面です。
他にもチケット捌きに苦心する協賛企業の社員ならではの悩みも華やかな公演の裏にて目に浮かぶ光景ですし
冒頭にて、青柳が会社内で回ってきたチケットを手に足を運んだ公演にて主役が幕の最中に降板し、上演中に客席が騒ついたのち幕間前に芸術監督が舞台上に現れ
怪我の経緯や王子役ダンサーが代役の女性ダンサーと組むのは初との説明に場内騒然な展開は
2006年のパリ・オペラ座バレエ団来日公演『白鳥の湖』マリ=アニエス•ジロのプロローグ直後の降板により湖畔の場からエミリー・コゼットに交代した公演を想起。
幕間前にルフェーヴェル監督が舞台上に登場し、コゼットと王子役マルティネスは初めて組む旨が伝えられ、
エトワールクラスの代役を控えさせずそんな事が起こるものなのかとその公演に居合わせ、開演直前にアニエス・ルテステュと
会場前の横断歩道にてすれ違っていたこともあり私も驚きを覚えたものです。
物語の舞台はかなり具体的に描かれ、主に京王線沿線。敷島バレエ団は調布市の深大寺周辺で青柳の自宅は調布駅、
高野の日本での仮住まいは調布市と世田谷区の境界周辺で防音設備の整ったアパートも多いと記されていますから、桐朋学園大学のある仙川駅でしょう。
そのうち温泉「湯けむりの里」も登場するか笑、それはさておき京王線利用者の方はより一層親しみながら読み進める物語かと思います。
ドラマではどの程度再現されるか、ロケ地にも注目です。
読む限り、青柳役には井ノ原さんもぴったりと重なりまことに嬉しい配役です。
仕事に一生懸命打ち込み心優しくも妻に別れを切り出されもやもやしながらの生活を続けていた青柳を
細やか説得力のある演技で見せてくださる気がしております。
『ミッドナイトスワン』感想でも少し触れましたが、約四半世紀前に短期ではありますが夢中になった2つのグループの方々が
こうして今、バレエが絡む大きな作品に出演されることに何だか不思議なものを感じます。
井ノ原さんを最初のテレビで観たのは恐らくV6全員が出演した1995年放送の謎の体育会系ドラマ『Vの炎』で
何じゃこりゃな展開に口あんぐりであったと記憶しておりますが、だいぶ年月が経過いたしまして『カンパニー』は期待度大。放送が今から待ち遠しいばかりです。
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