8月16日(金)、大阪府堺市にて野間バレエ団公演Progressive Dance Part9 『みだれ髪』・・・晶子賛歌
『ボレロ・フェニーチェ』 『ロミオとジュリエット』よりバルコニーを観て参りました。
http://www.noma-ballet.com/schedule/schedule_240816_1.html
※1996年上演時のみだれ髪。山本さんがセクシーです。このときは裸体系衣装。
http://www.noma-ballet.com/gallery/cont_midaregami.html
野間バレエ団インスタグラム。今回のみだれ髪の写真も豊富です。
前記事の同日開催広島県福山市でのガラから続く、後編でございます。福山市のガラを前半のみ鑑賞して大阪へ移動。
結論から申しますと、関西山陽の交通機関が順調であった点に助けられて、また検索の○○路線よりもだいぶ速足で移動して乗り換え
無事に第2部『みだれ髪』には間に合いました!!!到着すると第1部終演後の休憩時間で
知った瞬間張り詰めていたものが解かれたのか全身から力が抜け落ち、客席への足取りがゆったりとなりました笑。
まず、おおよそのタイムテーブルや出演時間、プログラム順を問い合わせ時に丁寧にお答えくださった
福山SSBガラと野間バレエ団のご担当者様にも感謝申し上げます。ありがとうございました。
『みだれ髪』は野間バレエ団が拠点とする堺市が誇る偉大な文人与謝野晶子与謝野鉄幹を題材にした作品で、今回28年ぶりの再演。
10年前の野間バレエ団『ロミオとジュリエット』のときだったか、ソフィア堺での鑑賞前に与謝野晶子記念館にも足を運び
いつか観てみたいレパートリーとして再演を願っておりました。また2001年にダンスマガジンで特集された「関西バレエ事情」でも写真が大きく掲載され、
目を通したのは数年後の2005年頃でしたが日本に実在した文人をいかにしてモダンな風味も合わせた演出となったのか知りたい欲も募っていたものです。
山本さんのインタビューも掲載され、ちょうど新国立の登録から契約ソリストになられた頃でした。歴史の流れを感じます。
与謝野晶子:野間景
与謝野鉄幹:山本隆之
山川登美子:藤本瑞紀
晶子と鉄幹は野間景さんと山本隆之さん。野間景さんは前回28年前は登美子役で、晶子役は野間彩さんだったとのこと。
景さん山本さんともに驚異且つ円熟味ある美しさであると同時に、山本さんは複雑な感情が絡む多情で苦悩に打ちのめされながら色気を纏い中年へ達していくこの役を
20代前半で務めていらしたとはどういう青年だったのかと良い意味で不気味さすら募るほど。
そして私は、とても20代前半の若者が演じる踊るには土台からして到底困難そうな大人な役柄をもやってのける
成熟した感性、表現力を若い頃から持つ舞踊家に惹かれるらしい。
(ちょいと話はずれますがスルタンも22歳だったはず。東西のお2方の共通項だ)
話が福山に戻りかけたため堺に戻します。
舞台装置は至極シンプルで、後方にある大きな台を生かした場面転換も見どころ。
妻子ある鉄幹が晶子と危うい関係が発覚して誹謗中傷に悩まされる鉄幹の嘆きや、晶子の執筆完成の喜びも台の上でのダイナミックな佇まいで展開されました。
要所要所で簡素なレオタード姿な群舞も登場して2人を見守るようなときもあればガシッと追い詰める光景も描いて舞台進行を支え
加えて野間さんも山本さんも醸すオーラと時に重厚で時に繊細な心情の表れの何とも豊かなこと。
やがて結婚して12人の子供に囲まれての穏やかな日々や、鬱々と内向きになる鉄幹をパリに行かせようとの語りかけや
パリに着いてからの手を取り合い歩く様子は希望を見出すような姿に魅せられました。
最後は先に逝去した鉄幹を、『源氏物語』新訳を完成させた晶子が台の上で後ろを向き、飛び上がって幕。(記憶が正しければ)
淡くもダークな色彩を帯びた照明も効果的で、揺らぐ人間関係や感情の綾を包み込んで照らす摩訶不思議な魅力をもたらしていました。
私の感性の乏しさもあって非常に分かりやすい構成ではないながら、1場面1場面を再度じっくり味わいたい思いに駆られ、早くも再演が観たくなっております。
28年後と間を空け過ぎず、衣装は28年前は鉄幹も裸体系であったようですが時を経てお洋服付きに変化。3年後くらいにはまたの再演をお待ち申し上げます。
『ボレロ・フェニーチェ』
ラヴェルの名曲で、振付は野間景さん。水速飛鳥さん(貞松・浜田バレエ団)が務めるフェニーチェ(不死鳥)を主軸に、
地、風、水、火をイメージした役柄がソロや群舞で表現され、記憶正しければ全員レオタードな衣装。
ほぼ全員女性の構成で、天を突き抜けていきそうな研ぎ澄まされたシャープな展開です。
ボレロと聞くと、音楽にも耳を傾けると、どうしたってベジャール版が目に浮かんでしまいがちですが
自然界の力が渦巻くカラフルなパワーが咲き誇り、その中で水速さんが(失礼ですが本名でしょうか。この作品踊るために名付けられたような素敵なお名前!)
身体のラインをきりっと描き出しては軽やかに飛翔したりと、目が離せず。こちらもまた観たい作品です。
『ロミオとジュリエット』バルコニーのパ・ド・ドゥ
トリは新国立の小野絢子さんと貞松・浜田の水城卓哉さん。2014年に全幕版で野間景さん佐々木大さん主演、ティボルトを山本さんで鑑賞した日が懐かしい。
スピーディーな移動が多彩に組まれていましたが、小野さんが羽根のようにふわりと可憐で、
水城さんの一直線且つ優しげなロミオとの吸い付くような新鮮なパートナーシップを構築。
お2人も眼力がキラリとしていて、見つめ合いながら互いの熱量がぐっと上昇していく化学反応がまた心を誘いました。
フィナーレは、恐らく第1部のクラシカルシンフォニーの曲であろうプロコフィエフの古典交響曲で全員登場。
『みだれ髪』に間に合い全て鑑賞できた歓喜と、鑑賞はできずでしたが第1部のクラシックな演目もあれば
緊迫する世界情勢と実生活の結び付きから生み出された新しい作品もあり、3作品ともどれも観てみたくなりました。
プロコフィエフ、プッチーニ、ショスタコーヴィチの選曲並びにも注目してしまいます。
それより何より、『みだれ髪』。遅れず到着できて全編鑑賞も叶って、フェニーチェ堺も初訪問。広島県福山市から大移動で来た歓喜が今も呼び起こされます。
堺到着!予定よりだいぶ早し。新大阪駅から地下鉄御堂筋線乗り換えは管理人、大得意分野ですので、○○路線よりかなり早くに移動ができ
南海なんば駅がなかなかの大きな駅であったものの小走りで移動すると予定より3本ほど早い電車に乗車。
まさかの急行橋本行き。え!?多摩センターや南大沢行くんちゃうかと不安になったもののそれは東京の京王線の橋本行きです笑。
なんばから出るのは和歌山県の橋本行でございます。
福山駅を出発した頃から、福山ガラを断念された東京の友人達と最初のうちはガラについて話題にしておりましたが少し時間が経過すると
野間バレエの話題に切り替え、また考えてみれば米沢さんと小野さんを1日の中で2箇所しかも西日本の異なる県府での鑑賞に私も驚いていると 「それよりも◯◯さんの中のツートップを観るのだから!!」と更に励まされ、そうや、二大貴公子!!
新幹線運休により本来ならば観るはずであった公演の鑑賞叶わず、しかしスリル満点な手段でノコノコ出向いている私に対し当たり散らすなんて一切なく
それどころか道中の心配よりも、きっと両方鑑賞できると励ましが絶えず。暴風雨の東京から声援を送ってくれていた友人達に感謝するばかりです。
フェニーチェ堺、初訪問。ライトアップも内装もとても美しい立派な劇場でした。
次はもっとゆっくりと、内部の構造も観察したい。
『みだれ髪』のあとビュッフェにて。冷えたビールありますと大宣伝。いただいてしまいました。
本当にキンキンに冷えていて、山本さんの鉄幹を鑑賞後に飲めて、ああ極楽。
会場ではお馴染みな顔見知りの方やお世話になっている方が驚愕の表情で迎えてくださり
交通の混乱もあったので今回来場できないと思われていたもよう。しかし、第2部の『みだれ髪』から来たのは福山市でのガラと掛け持ちであったからと知るやいなや
「はい????」と天を仰いでのご反応。しかもガラは前半のみ鑑賞でみだれ髪のためにすぐ移動した経緯を申し上げると、声にならぬ驚きを見せていらっしゃいました笑。
まず新幹線止まっているはずなのに広島にはどうやって行った?前半だけ観たって、お目当ての人はちゃんと観られたのか云々
驚きは一段と強まっていらしたようです。そりゃそうだ笑。
トラベルミステリー気分で、愛と執念で参りました!!
ちなみに前記事の福山ガラと当記事の野間バレエの題名、愛と執念の福山・堺バレエルートは
フェニーチェでのこの幕間に思い付き、寛大な心で聞いてくださいました。ありがとうございました!西村京太郎さんは偉大です。
野間バレエも無事終演。梅田に向かい、安堵の乾杯。一番搾りの名称を読みつつ
私の中の1番なお2人を同日開催公演にて堺市と福山市で鑑賞。こりゃあ奇跡だ。いや、可能であると天からの贈り物!?
当初は福山から堺東への移動がスリルな旅情サスペンス、トラベルミステリー犯人気分になりそうなんぞ冗談混じりで口にしていたのが
5月の東京都港区の田町駅近くで開催された池上直子さん振付の学園物コンテンポラリーEdenの公開リハーサル帰りの山手線内。
いやあ、まさか実現するとは笑。さあ、これからバスで名古屋経由で帰京だ。
たこやきトリプルビル!
夜行バスで名古屋駅到着。ジブリパーク、また行きたい!!次こそもののけ姫エリアに行く。昨年行ったときはもののけ姫エリア開園翌日で、早々に売り切れであった。
早朝の空が吸い込まれそうな深い青で綺麗。
改札。ひかりの自由席で帰京。意外とすいていました。
海老フライ!鹿次郎も記念撮影。昨年の新国立劇場バレエ団ドン・キホーテ名古屋公演滞在中の3日間で海老フライ8本食べた私でございます。
なぜかここ数年で揚げ物好きになり、大好物。ドンキ名古屋公演、鑑賞も観光も飲食も何もかも楽しい滞在でした。
広島県への里帰りも、初の大阪滞在も興奮の連続であった鹿次郎。そして十津川警部も仰天な、
天候不順や交通混乱すり抜けての乗り物駆使しては少しずつ早倒ししてインターネットの路線検索通りにいかぬ大移動を
どなたか2時間サスペンス(あっ、あまり重くない程度に)にしてください汗。そして十津川警部、亀井刑事の横には素敵な刑事さんを登場させてください笑。
(理想としては目元がきりっとしていて真面目一徹そうで、スラリとしていてですね。あれ!?福山ガラ第1部の中世ドイツ物の出演者なんてぴったりでは!?) それはそうと、しかしこれだけ時間を要しても2時間に纏められてしまうのか。
富士山眺めながら、やがて東京の田町駅を通過し、翌日行こうかと決意しつつ帰京。さらば大阪、また今週末!!!
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