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2024年9月20日金曜日
還暦祝い 東京バレエ団 60周年祝祭ガラ ダイヤモンド・セレブレーション 8月31日(土)
東京バレエ団 60周年祝祭ガラ ダイヤモンド・セレブレーションを観て参りました。
https://www.nbs.or.jp/stages/2024/tb-gara/
「エチュード」
振付:ハラルド・ランダ―
音楽:カール・チュルニー/編曲:クヌドーゲ・リーサゲル
東京バレエ団初演:1977年5月4日、東京文化会館
秋山 瑛、宮川新大、秋元康臣(ゲスト)
作品自体は公演での鑑賞は2009年の東京バレエ団公演以来。ゲストとしてサラファーノフとフォーゲルが出演していました。
その3年前に観たマリインスキー来日公演におけるソーモワ、サラファーノフ、シクリャローフの当時の新鋭達の主役競演が恐ろしくハイレベルであったかと記憶。
また2017年頃、ボリショイシネマではコール・ドの精度は頗る高く、主役陣ではスミルノワが1人すいすいと余裕な表情で主役を務め、
男性陣2人はちょいと苦戦していた覚えがございます。
さて2024年の東京バレエ団では女性主役は勿論秋山さん。音楽たっぷり吸い込むアダージョも涼しげな高速回転もお手の物で
淀みが一切ない研ぎ澄まされたテクニックが圧巻。基礎が相当に盤石に備わっていないと成し得ない役柄と思います。
宮川さん、秋元さんも溌剌且つ高難度な技もさらりとやってのける姿で牽引。ただ欲を言えば、秋元さんは8月の広島県福山市でのガラにおけるトップバッターの『ドン・キホーテ』グラン・パ・ド・ドゥで見せてくださった
一気に斬り込んでくる勢いやあっと沸かす熱量は抑え目だったかもしれません。
ただ、サポートあり、テクニックも回転跳躍ともに緩急様々な披露を要求される作品にて体力も切らさずに率いる様子は凄技に連続でした。
コール・ドも目を凝らして観察し、バーの基本な動きからやがて大勢が集結してうねる音楽のフィナーレに至る展開も胸躍って興奮。
冒頭の基礎中の基礎のプリエやタンデュの誤魔化しのない美しさの連鎖から惚れ惚れいたしました。
舞台の上で、脚だけライトアップされながらタンデュを披露するなんて、肝試し以上に度胸が試されることでしょう。
後半での舞台の左右から交互に繰り返し交差してくる大跳躍も、鼓舞するような曲調の気流に乗っていて、
女性ダンサーが横並びでフェッテを易々と乱れず楽しそうに披露する揃いっぷりも目を見張りました。
オーケストラピットが比較的見え易い席で、後半においては木琴の賑やかなアクセントが全体を引き締めていました。
それにしても男性も相当な人数、レベルも求められる中で1977年にはこの作品のバレエ団初演を遂げていたことに、驚きを隠さずにはいられません。
話変わって変わり者を承知で申すと、もし自身が男性ダンサーだったら1番やりたい役がエチュードのプリンシパルで(東京23区に1人いるかいないかの確率と思う)
コール・ドを従えて斜めジャンプや連続ザンレール、女性サポートは優雅に、憧れますが仕事量充満で大変な難役と再確認です。
来春3月、新国立劇場での配役はいかに。発表が待たれます。
「ドリーム・タイム」
振付:イリ・キリアン
音楽:武満徹
東京バレエ団初演:2000年5月27日、東京文化会館
沖香菜子、金子仁美、三雲友里加、宮川新大、岡崎隼也
2021年の『かぐや姫』第1幕初演以来の鑑賞。光がかった寒色系の背景美術、衣装、そして揺らめきつつも静止のポーズがユニークな振付が音楽とじんわり一体化。
沖さんの指先の雄弁さや三雲さんの全身が描き出すしっとりしたラインにも目が行き、題名の通りに夢うつつな気分に誘われる不思議なパワー宿す作品です。
「かぐや姫」よりパ・ド・ドゥ
演出振付:金森 穣
音楽:クロード・ドビュッシー
東京バレエ団世界初演:2023年10月20日、東京文化会館
かぐや姫:秋山 瑛
道児:柄本 弾
横に広大なNHKホールにおいても惹かれ合うかぐや姫と道児の思いやりが静けさに包まれながら伝わり、光が柔らかく差し込むように展開。
光沢ある白い総タイツ姿が先日の中秋の名月が思い起こされる静謐な輝きを放つ秋山さんかぐや姫で、柄本さん道児の受け止めも大らかに映るパ・ド・ドゥでした。
「ロミオとジュリエット」第1幕よりパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・クランコ
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
東京バレエ団初演:2022年4月29日、東京文化会館
ジュリエット:足立 真里亜
ロミオ:池本 祥真
立派なバルコニー装置がなくても今年5月の全幕公演を思い出す足立さんジュリエットと池本さんロミオで真っ直ぐ熱い化学反応が凝縮。
揃って鮮やかなテクニックと情熱的な恋心がカチッと噛み合って2人が交わすときめきが熱量急上昇し
そうかと思えば2人並んでじっくりと愛情を確かめ合う箇所も音楽をたっぷり使って恋模様を描画。また全幕でも観たいペアです。
「ボレロ」
音楽:モーリス・ラヴェル
振付:モーリス・ベジャール
東京バレエ団初演:1982年7月19日、東京文化会館
メロディ:上野水香(ゲスト・プリンシパル)
2023年2月に上野さんオンステージにてゲストプリンシパルへの移行に伴うセレモニーのように上演されたときに観て以来ですが
その後も折に触れての上演頻度が高い気がするものの、特別な節目公演に相応しい舞台。
何だかんだ言って上野さんの求心力、オーラは広々としたNHKホールでも明らかで、
ややスタミナや身体のキレはこれまでのような強さはなくなってきている印象はあれど
リズムの全てを抱擁して中央で昇華させていく華々しい魅力は誰でも容易に持てる強みではないでしょう。より丁寧に、音楽に語るように踊り刻んでいた印象です。
公演少し前には人事発令もあり、カーテンコールには斎藤新団長や佐野新芸術監督、バレエスタッフ、そしてダンサーも皆大集結して手を取り合って挨拶。
創設まもない頃から海外の数多くの大都市の劇場にて古典も現代物も含めたプログラムで公演を実施するなど、まだまだ手探りだったであろう日本のバレエ界にて異質な躍進であったはずで
還暦を迎えたバレエ団がどう歩んでいくか、これからも観続けていきたいと思っております。
50周年記念ガラのときと同じく海外公演ポスター多数掲示。友田姉妹!
シンデレラなど。東バのシンデレラも観てみたい。
ボリショイ公演。
ザ・カブキ
ウィーンにて。
古川さんが目立つ!
外国語キャスト表案内。
帰りは以前に1度訪れているパルコ地下のグッドラックカリーへ。
カレーのときは大概ビール或いはハイボール派な私ですが、ナチュラル白ワインとの名称に惹かれ白ワイン。
これが美味しくて、辛口ですがスッと柔らかく溶け込むような味わいでございました。
1杯の価格、ややお高めでしたが選んだ甲斐がありました。
カレーは3種盛りを選択。この手のカラフルなカレー、好きなのです。
イカとトマト、ほうれん草と豆、ルーローでございます。どれも好みでしたが、特にイカのお出汁とトマトの果肉たっぷりなカレーが一番好きでした。
このお店でアルコールとカレーを一緒に味わうのが1つ夢でして、前回来たときは2022年2月末で、中目黒で何回目だったか記憶の彼方だがワクチン接種後で(3回目?)
短時間で終了した上に晴天に恵まれていたため、帰りは徒歩で渋谷へ移動。
そして閉店間近のチャコットに行き、このとき初めて店舗の上にスタジオがあると知ったのでした。
宮益坂の存在は知りながら本店でもレッスンを行っているとはびっくり。遅すぎる把握でございます。
そんなワクチン帰りにわざわざなぜチャコットに行ったか。その約3週間後に迫った私にとって2年2ヶ月ぶりの、
東京においては6年ぶりのレッスンを新店舗の代官山のスタジオにて受講することが決まり、パンフレットか何かないか探しに行ったのでした。
そうしたらスタジオへどうぞ!とレジにいらした方が案内してくださりスタジオなんてあっただろうか??と思いつつエレベーターで上ったら音楽が聴こえ、
レッスンウェア姿で出入りする受講者やレッスン中の風景もちらりと見えて管理人、
数週間後には自身には全く不向きであろう花園のような空間にてレオタード着て身を置くと考えただけでゾッとしてしまい笑
加えて受講予定の概要が書かれたパンフレットをいただくと講師の顔写真に再度心臓止まりそうに笑笑。
そして帰りにエレベーターに乗った途端「絶対無理やーーー!!!」と無言の叫びを壁に向かって訴えたのち
そうだパルコへ行こうと思い立って入店したのがグッドラックカリーでた。ワクチン接種後であったためアルコールは呑まずでしかも心身に落ち着きがない事態であったため
今回東京バレエ団の還暦祝祭ガラのあとに、しかも訳あってこの日の夜出発の交通機関の運休なしも確認でき
ようやく約2年半越しに、ゆったり寛ぎながらワイン片手にいただいたのでした。
あの2022年2月末、帰りの電車内でもずっと握り締めたまま帰宅しましたが、店名の縁起も良かったのか、幸運は続いております。
これからも利用したいカレー店です。
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