2024年1月31日水曜日

チャコット代官山店 井上ユミコさんの写真展BALLET DANCERS





順番前後いたしますが、チャコット代官山店にて井上ユミコさんの写真展BALLET DANCERSを見学して参りました。明日2月1日迄の開催です。
http://164.70.9.181/information/detail/?id=kidwr1dgh3


井上さんの写真展は昨年のこの時期に下北沢にて開催されたときに訪れ、そのときは井上さんのご本人にお目にかかれて
更には朝一番でまだ見学者も殆どいない状況であったためゆっくりとお話しもでき感激。
下北沢では展示されていなかったグラビアの話に関することばかりを聞いてしまったにもかかわらず
気さくにそして壁を作らず心にすっと飛び込んでくるようにフランクな語り口で話してくださったことは今も忘れられず。
この度はレッスンでは何度かお世話になっている代官山チャコットに出向いた次第です。

目当てはもうお分かりでしょうが笑、昨年の下北沢で井上さんご本人を前に話題の中心に私が勝手に持ってきてしまった、
2021年夏の25ansに掲載された小野絢子さんと渡邊峻郁さんの写真。大きなサイズで見るとお2人が放つ神秘的で危うい色気の化学反応に益々ドキリ。
古い上海映画に登場しそうな、或いは禁断の道へと突き進む主人公達にも見えます。中国王朝絵巻にも溶け込みそうと想像が巡り、全幕共演を「生」で必ず観たいペアです。
鋭さを秘めた訴えかける視線、そして渡邊さんが小野さんの腰に回した手の美しさにも溜息がこぼれました。あああ。

写真撮影可能か念のため売り場の方に尋ねたところ、勿論です、宣伝宜しく!と3階売り場の方々が皆様陽気に答えてくださり楽しい月末。
仕事帰りに急ぎ足で駆けつけましたが、何だか活力いただいた気分です。
計約30点のスタイリッシュなダンサー写真が展示されていますので、もしお時間許す方は是非ご来場ください。



























レッスンでは過去4回!?訪れている代官山チャコットですが、カフェコトーでのケーキやコーヒー注文は初。
(レッスン後は代官山であればここのスムージー或いは近場のビールに走ります汗)
ケーキは代官山価格でしたが、白苺、中の薄切り苺も瑞々しく、クリームはふわり。塩キャラメルバスクチーズケーキと迷いました!
3階売り場の朗らかなスタッフの皆様に元気付けられながらも、ウェアは店舗で購入する機会は滅多にない管理人。カフェで貢献させてください。
コーヒーは深煎りな味わい。私にはお洒落過ぎる空間でしたが、寛ぎの時間となりました。

2024年1月26日金曜日

【人生7度目】アーキタンツにてレッスン受講




少し遡りますが1月14日(日)、アーキタンツにて初級IIのレッスンを受講して参りました。講師は新国立劇場バレエ団の渡邊峻郁さんです。
レッスン自体は昨年12月初旬以来、今年最初のズンドコドッスンでございます。




この日の受講者は約20名でしたが、クラス後に海外カンパニーオーディションがあったためかどう観てもプロ志望者や上級者な方が大勢。
男性も多めで、熱気がいつも以上にあった気がいたします。開始前は私今日来て良かったんやろうかと
将来有望なプロ志望者の方々の邪魔をしないよう私なんぞ隅っこでやらねばと身が縮みかけましたが汗
昨年6月25日(日)に受講した渡邊さん初級Ⅱクラスのときと同様、難しいことをやっても何もかもが新鮮に思えて楽しく、年数回レベルの私も落ち込まず。
そう思わせてくださったのは渡邊さんの指導力あってこそでしょう。脚の出し方や床の押し方、立体感出るアームスのコツ等基礎指導もたっぷりで実演をじっくり観察。
また脚の角度の説明における耳に残る言葉と振りの語呂合わせもお上手で、この日以来1日に1回は脳内再生しているほどです。
更にはマジックワード「僕も一緒にやりまーす」(この言葉が命綱なんです私は笑!!)も出て、私のような初級Ⅱにも届かぬ低層レベル者も安心できるような導きもあり
プロ一歩手前な上級者が多数を占める一方、下はズンドコドッスンな私まで、レベル幅あり過ぎるクラスにもかかわらず纏めてくださるお力に再度頭が下がりました。
また、上級者の方々からの学びも大きく、踊る姿を見ていると目が離せなくなってしまうことも度々。

これまでも何度か記している通り、アーキタンツさんはクラス編成は色々設けられてはいるもののプロやそれに準ずるレベル者の出入りも多く、
近寄り難い印象がもしかしたらあるかもしれません。私も初受講の一昨年3月時に比較すれば腹痛には襲われなくなったものの、やはり毎度緊張は走り
15時頃の開始レッスンの場合であっても昼食なんてとてもじゃないが胃に入らず、塩レモンタブレットと水以外は何も口にできません。
(そういえば酒井はなさんやペリさんのときは殆ど緊張しなかったか)

また上級クラスに初級者が行くことはまずないでしょうが、今回のように初級に上級者が来ることは
オーディション前の身体慣らしや中には基礎の見直しをされたい方も含め、度々あるでしょう。
世の中を見渡せば、先生の中には例え初級クラスであっても将来有望株な、バレエ界舞踊界の底上げに大いに貢献していくであろう若き上級者達がわんさか集まれば
彼らを最優先して上級レベルに合わせた内容を組み込んでしまい、本当の初級なレベル者を置いてきぼりになさる先生もひょっとしたらいらっしゃるかもしれません。
先生も人間ですから、将来有望株な受講者のほうが教え甲斐もあるでしょうし、例えば私のような劇場には多少貢献していても
(そもそも公演をどの程度観ているかはスタジオ、しかも踊る側を専門とした方々が多数出入りするスタジオからしたら尚更知ったこっちゃないでしょうが汗)
年数回とはいえ習う側としては貢献どころか全体のレベル引き下げしかしていない者なんぞ
上級者達と並んでいたら目に痛いのは当然で、仮に切り捨てられてもバレエ舞踊界には全く影響はなく、除外対象とみなす方も中にはいると思うのです。

しかし渡邊さんはあくまでクラス名称の通り、初級者にもとても優しく分かりやすく、置いてきぼりなんて絶対なさらず。
基礎的な動きも繰り返し行いつつお手本も一緒に何度もやってくださったりと、私も不安なく受講できた90分でした。
上級者やレッスン慣れしている方の中には、先述の「一緒にやります宣言」を聞くと、
余りに丁寧な声かけや一緒にお手本見せながらの指導の必要性を疑問視する方もいらっしゃることでしょう。
しかし笑われてしまうことを承知で申し上げますと、私からすればどれだけ大きな救いになっていることか。
今回も受講して良かったと心底感じており、有酸素運動は貴重なレッスン頼みの年数回である典型的運動不足人間な私ながら毎度同じく疲れも皆無。
終了後、すぐにでも丸々90分同内容を受講したいと思わずにはいられませんでした。
筋肉痛も起きず、一度も起きなかった一昨年、昨年に引き続き今年も無縁でありますように。

レッスン中、先生のお手本や教えてくださるご様子を目に心に焼き付けようと凝視する一方、
スタジオに必ずあるもので視界に入れたくないものが1つあります。それは「時計」。
なぜならば終了が寂しいから。うっかり視界に入ってしまうと、残り時間の僅かな事実に肩を落としてしまいます笑。時間の経過があっという間なのです。
当時の先生には失礼極まりなかったと反省するばかりですが、早う終わって欲しいと思いながら習っていた、また先生からいただいた公演チラシの件を除いては
周囲にもレッスンの内容や感じたこと等を一切話すことはなかった子供の頃とは大違いでございます。




田町駅からスタジオへの道。澄み切った青空です。しかしこのあとは、この青空以上に爽やかな先生のレッスンです。
謎な看板、気持ちは分かるがどこの企業の看板であろうか。6日後に繋がる文言となりました。



帰り、年間レッスン回数は私の30倍はこなしているであろうストイックレッスン人と。私のマイペースぶりも寛容に受け止めてくれています。多分。
ストイックレッスン人はノンアルコールカクテル、私は大ジョッキ!



リクエストで白子。柔らかく艶のある質感でビールと合います。うさぎさん、そして夕空に輝いていた三日月と同じ絵柄のお皿で可愛らしい。



鮮魚の大団円!



このお店に来ると、シュワッとスパークリングワインを注文してしまいます。私がレッスンで感じたことと同様、ワインも泡の楽しそうな弾けが止まりませんでした。

2024年1月25日木曜日

清泉女子大学ラファエラ・アカデミア バレエへの招待 最終回





順番が前後いたしますが、1月20日(土)清泉女子大学ラファエラ・アカデミア  守山実花先生が講師を務めるバレエ鑑賞講座「バレエへの招待」が最終回を迎えました。
https://rafaela.seisen-u.ac.jp/lecture/detail.php?lecturecd=20232003


この講座に限らず、清泉女子大学の生涯学習講座ラファエラ全てが休止となり、まことに寂しいばかり。
語学や美術、歴史など様々なテーマに沿った講座が用意され、大人が学ぶ場所として重宝されてきたと思うのですが。
また学び始めに年齢は関係なく、現役で通う大学生は20歳前後の若年世代が大半かもしれませんが
(そうはいっても近年は益々、年齢を重ねてからやはり学びたい意欲が増して大学に入学するケースもよく聞きます)
大学での通常授業とは異なる形で用意し、そして学びの場へ年齢性別問わず集うことは大変重要と感じてきたのですが。
特にバレエへの招待は全講座の中でも最長な講座で、世間で騒がれていた2000年問題を無事切り抜けた
2000年春に開講ですから25年目、つまりは四半世紀目に突入するところでした。
1人の先生が受け持つ生涯学習講座としては珍しいくらいの長く続く講座でしょう。
バレエ鑑賞や作品の歴史について肩肘張らずに色々知りたい、守山先生の話を聞きたい、
初心者でも通いやすいところに行きたい、オタク気質だけれども受け入れて欲しい云々
目的も鑑賞経歴や好みもバラバラな人々が入れ替えはあれどずっと集い続けていたからこそ
何より先生の慕われるお人柄が人を呼び込み結果として25年目に入る長期寿命講座となっていたのでしょう。
私は2013年からの受講ですから昨年でちょうど10年でした。もう鑑賞はそこそこしていたつもりではあっても
なかなか縁のない作品やダンサー、作曲家についての知識が増え、好きなバレエ団はあれど、
団問わず国内外問わずひとまず何でも観に行く傾向姿勢になったのはラファエラの影響が大きかったのは1つの理由です。
それからここに記すのは初かもしれませんが、新国立の渡邊さんの虜になって最初に打ち明けたのは守山先生でした。
忘れもしない2017年1月の谷桃子バレエ団『ドン・キホーテ』での幕間で、恐る恐る切り出した上に
『(ベラルビ版)美女と野獣、買ってしまいました』『まもなく(ベラルビ版)海賊も購入予定です』と、男性ダンサーに関しては12年間一筋であった私の大変化を
最初に打ち明けたいと思わせる受容力、信頼感があったからこそです。勿論理解を示してくださいました。
その後は半年が経過するまで話したのは2人くらいでそれだけ大衝撃な事件だったわけですし、
劇場でお世話になっている方々を含めなかなか周囲にも言えずにいた中でも守山先生は数少ない、何でも言えてしまう存在でした。

ラファエラに話を戻します。最終回ではラファエラが開講した2000年以降のバレエ界、世界情勢の変遷を辿る内容で、(遡って東西ドイツ統一やソ連崩壊辺りからを含む)
歴史と共にバレエも動く光景がぱっと目に浮かび続ける内容でした。
また近年における、門外不出であったはずのバレエ団ならではのプロダクションが世界各地のバレエ団でレパートリー入りする現象や
古典改訂時の課題、バレエにおける差別化表現の浮き彫りや若い人々をいかにして生のものを時間をかけて体感する劇場へと呼び込むか等
ここ10年、20年の間に浮上してきた動き、変化についての説明もあり。機械環境も大きく変わり、講座の初期の頃はVHSビデオをどっさり持ってきて見せていたご苦労や
予習のために同じ箇所をご覧になり過ぎてテープが擦り切れてしまった騒ぎなど、当時の機械事情も振り返ったりと懐かしい思い出がたくさん語られました。
25年前、インターネットはあったがSNSもまだまだ発展途上でYouTubeは無し。色々進化したものです。
携帯電話もそこまで流通せず、ドコモのカラーiモードが出てきた頃でしょうか。まだポケベルやPHSの利用者も多かった時代でしょう。

ぱっと目に浮かんで仰ぎ見るようなスターが不在である現在や、仲間達系ではないダンサー主催のガラの増加といったガラの変化も取り上げてくださり
そういえば少し前まではマラーホフの贈り物、ルグリトと輝ける仲間達、イーゴリ・ゼレンスキーガラ、
マリインスキーでは日替わりでロパートキナのすべて、ヴィシニョーワのすべて、といったスターの冠が付けられたプログラムの存在が色々あったと思い起こされます。
講座スタート時、私は受講者ではなかったもののバレエ関連の書籍はまずまず読んでおりましたから、
時代に君臨するスター達、ギエムやアナニアシヴィリ、フェリ、ルディエール、プラテル、マラーホフ、ルグリ、ルジマトフ、パトリック・デュポン等の
名前、活躍は頭に入っておりましたので、最終日も話を聞きながら頷きが止まりませんでした。
同時にもしその頃つまりは2000年前後、私が仮に今のように年間80回や90回程度バレエを鑑賞していたとしたならば、
先ほど挙げたスターの誰かの虜になって、例えば講座に行ったら私は◯◯派といった意見を持っていただろうかとも考えが浮上。
2000年頃でしたら、海外国内問わずダンサー図鑑を読んでも満遍なく目を通していた記憶があり
国内でしたら下村由理恵さんや斎藤友佳理さんは好きでしたが男性はまだその当時はこれといって虜になる人もおらず、誰も現れんと思っておりましたが数年後以降は笑)
当時に行って確かめたら思いもよらぬ好みであったかもしれません。
そして25年後のバレエ界を想像してみたり、自身の尺度を持っての鑑賞の大切さについてもお話がありました。
ああ、尊い講座が休止になるとは返す返すも残念でなりません。何かしら違った形での開講を心待ちにしております!




清泉の校舎内、格式ある応接室。



客間?でしょうか。テレビドラマでも時々撮影に使用されています。



大学の地下1階にて、最後のケーキ。恐らくはガトーショコラが最もよく食べた種類かもしれません。
ムンタ先輩が注文されたスコーンも半分いただき、これで最後と思うと寂しい。



今回は本当に最終回であったので、こちらについても。4年ぶりに打ち上げ食事会を行いました。
今回は前回の20周年と同様に立食形式でしたのでバレエ鑑賞初心者もベテラン勢も、より交流を深め合う時間になったかと思います。
管理人、2017年から幹事を続けており、年2回は会場探しや取りまとめを担当しておりましたが(2020年後期から2023年は除く)
毎回参加者が優しい方ばかりで幹事の口煩い協力要請にも快く反応してくださって助けられました。
初参加の方々も不安なく楽しめるように毎回努めましたが、リラックスしたひとときとなったならば幸いです。
写真は幹事作成名札達。会場の下見にて、あらかじめ店主にBGMをクラシック中心にお願いしたところお店のスマホから似たジャンルが次々と流れるよう設定してくださり
韃靼人の踊りやコッペリアグランパ・ド・ドゥ、眠りの花のワルツもあったか、そしてマノンの娼館のワルツまで!!お店のBGMとしては珍しい曲もあり、興奮でございました。
管理人は二次会後はそのまま五反田に宿泊し、翌朝羽田空港へ行き西日本へ。その話は次の次の回にて綴る予定でおります。

2024年1月19日金曜日

新風吹いた連続リフト小説  新国立劇場バレエ団『くるみ割り人形』2023年12月23日(土夜)〜2024年1月8日(月祝)





だいぶ更新が滞り遅くなりましたが、2023年12月23日(土)夜〜2024年1月8日(月祝)、新国立劇場バレエ団『くるみ割り人形』を6回観て参りました。
今回はクリスマスから翌年の成人の日にかけて全17回公演でございました。全てに足を運ばれた方は何名かは恐らくいらっしゃいます。
https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/nutcracker/


大千秋楽カーテンコールの様子。無事17公演終演でき安堵。



12月23日(土)夜
クララ/こんぺい糖の精:木村優里
ドロッセルマイヤーの甥/くるみ割り人形/王子:渡邊峻郁 ドロッセルマイヤー:中島駿野
ねずみの王様:渡邊拓朗
ルイーズ/蝶々:奥田花純
雪の結晶:渡辺与布、広瀬 碧
スペインの踊り:花形悠月、山本涼杏、仲村 啓 
アラビアの踊り:益田裕子 中国の踊り:五月女 遥 ロシアの踊り:山田悠貴* 花のワルツ:飯野萌子、原田舞子*、原 健太、森本亮介


12月29日(昼)
クララ/こんぺい糖の精:木村優里
ドロッセルマイヤーの甥/くるみ割り人形/王子:渡邊峻郁
ドロッセルマイヤー:中島駿野
ねずみの王様:渡邊拓朗
ルイーズ/蝶々:奥田花純
雪の結晶:渡辺与布、広瀬 碧
スペインの踊り:花形悠月、山本涼杏、仲村 啓
アラビアの踊り:益田裕子
中国の踊り:五月女 遥
ロシアの踊り:小野寺 雄
花のワルツ:飯野萌子、原田舞子*、原 健太、森本亮介

12月31日(日)大晦日
クララ/こんぺい糖の精:柴山紗帆
ドロッセルマイヤーの甥/くるみ割り人形/王子:速水渉悟
ドロッセルマイヤー:清水裕三郎
ねずみの王様:小柴富久修
ルイーズ/蝶々:池田理沙子
雪の結晶:渡辺与布、広瀬 碧
  スペインの踊り:花形悠月、山本涼杏、仲村 啓
アラビアの踊り:関 晶帆
中国の踊り:赤井綾乃
ロシアの踊り:上中佑樹
花のワルツ:飯野萌子、原田舞子*、原 健太、森本亮介

1月3日(水)
クララ/こんぺい糖の精:小野絢子
ドロッセルマイヤーの甥/くるみ割り人形/王子:福岡雄大
ドロッセルマイヤー:中家正博
ねずみの王様:木下嘉人
ルイーズ/蝶々:飯野萌子
雪の結晶:金城帆香、花形悠月
スペインの踊り:原田舞子、朝枝尚子、中島瑞生
アラビアの踊り:渡辺与布
中国の踊り:奥田花純
ロシアの踊り:福田圭吾
花のワルツ:中島春菜、吉田朱里、渡邊拓朗、仲村 啓

1月6日(土)昼
クララ/こんぺい糖の精:廣川みくり
ドロッセルマイヤーの甥/くるみ割り人形/王子:速水渉悟
ドロッセルマイヤー:清水裕三郎
ねずみの王様:小柴富久修
ルイーズ/蝶々:五月女 遥
雪の結晶:金城帆香、花形悠月
スペインの踊り:花形悠月、山本涼杏、仲村 啓
アラビアの踊り:関 晶帆
中国の踊り:赤井綾乃
ロシアの踊り:上中佑樹
花のワルツ:飯野萌子、原田舞子*、原 健太、森本亮介

1月8日(月祝)
クララ/こんぺい糖の精:木村優里
ドロッセルマイヤーの甥/くるみ割り人形/王子:渡邊峻郁
ドロッセルマイヤー:中島駿野
ねずみの王様:渡邊拓朗
ルイーズ/蝶々:奥田花純
雪の結晶:金城帆香、花形悠月
スペインの踊り:花形悠月、山本涼杏、仲村 啓
アラビアの踊り:益田裕子
中国の踊り:五月女 遥
ロシアの踊り:小野寺 雄
花のワルツ:飯野萌子、原田舞子*、原 健太、森本亮介





※2017年の初演からかれこれ7年観ており、初期時期に比較するとさらっとした内容な感想かもしれませんが悪しからず。


年始の最初に鑑賞歴をした小野さんは戦闘中も怯えるよりも参戦しそうな闊達さを見せていて、兵隊達を鼓舞するようなパワーを放っていた印象。
2幕後半では一変し、とりわけ金平糖ソロ冒頭のソフトで繊細な足取りに目を奪われ、ただポワントで突きながら歩くその姿だけでも甘やかな香りが漂うように魅せられました。
福岡さんは今何歳ですかと年齢問いたくなる体力にこの度も脱帽。中でも松林のパ・ド・ドゥでのリフトとジャンプを繰り返しての振付も
今も尚いとも簡単そうにこなしてしまうのは異次元レベルの身体能力としか思えずです。
また終盤に近づくほど疲弊するどころか全身から楽しそうな迸りまでもが感じられ、
また意見は色々としたきなるイーグリング版ですが、松林の場面含め小野さんとの強固で滑らかなパートナーシップの凄みを最も感じさせる高難度作品かもしれません。

大晦日に鑑賞した柴山さんは、横断走りする子供クララからのバトンタッチがよりナチュラルに見える可愛らしいあどけなさを見せながらの登場と、
2幕での大人びた様子を一層振り幅広く体現。感情表現も細やかで、リフト三昧で忘れがちになりそうであろう
憧れの甥っ子に触れるだけでもキラリとしたときめきを踊りから示して、パ・ド・ドゥやソロも精緻な輝きで魅了。
速水さんは前回は初役でこなすだけでも手一杯、ひとまず無事故ならそれで良しなところもありましたが(失礼)
柴山さんクララと調和したパ・ド・ドゥを作り上げていてだいぶスムーズになった印象です。4階席からもメッシュは気になったが、きっとお気に入りなのでしょう。

そして今回の大注目でしょう。廣川さんがクララ役で清々しく全幕主役デビュー。
全幕初主役しかもこの難しさの詰め合わせセットなイーグリング版にもかかわらず余りに堂々としていて座長な貫禄すら漂わせていたほど。
全幕を引っ張る力を十二分に持っていると証明していたのは明らかです。上階隅から観ても舞台姿が大きく、客席に語りかけながら音楽とも呼応していて
目線の送り方も雄弁で踊りも縮こまらず立体的。ネグリジェで登場したときの怯え方やネズミ達に囲まれての恐怖も可愛らしく
且つ動き方が大きいためか美術や装置に負けぬ迫力があり、甥っ子との出会いにおける恋心の昂ぶりもリフトされたときのポーズを伝って急上昇。
ぶつ切りになりがちな(イーグリングさんすみません!)連続リフト小説な展開をもくっきりと物語を浮かばせながら踊りこなす力量、度胸の据わりも驚かされました。
主役デビュー者と組む大役を任され、今回は2人のクララと組むこととなった速水さんの功績も大きく
廣川さんクララが伸びやかに輝くよう安心感を持たせる明るい支え方や受け止めも全体をパッと照らして勿論ご自身の踊りも万全。

木村さんは、2023年のお正月公演での転倒による怪我で長期離脱を余儀なくされた演目であり、
最初は少し慎重に見えましたが徐々に煌めきが増して、まずは昨年12月23日夜はくるみ全幕復帰安堵。
ドンキのときにも感じましたがトレーニングによって体幹が一層しっかりとして
踊りの1節1節の輪郭が強くなっていた印象です。特に金平糖のソロのマネージュ部分は私の周りの観客も息を呑みながら見守る緊張気味な呼吸があり、
無事通過するとほっと胸を撫で下ろすタイミングもコール・ド・バレエ並に息が合っていたと思えたくらいです。心から祝福したいくるみ全幕復帰でございます。

渡邊さんは1幕パーティーの場面から振る舞いや芝居も非常に細かく、凛々しい軍服姿にも7年連続ああ毎度うっとり。
ドロッセルマイヤーの人形劇準備手伝いにおける、マントの蝶々結びを入念に確認するなど丁寧な仕事ぶりも花丸で親族であり主従関係も垣間見える間柄です。
招待客の子供達にかかりっきりで1人プレゼントを貰えず悲しみに暮れるクララをずっと心配そうに見つめ隣近所にも事情を伺う様子も毎回丹念な描写で
だからこそくるみ割り人形を貰うクララの喜びや、去りぎわにクララが追いかけて頭飾りのリボンを手渡しする流れに辿り着く説得性が生まれると再納得。
今回一段と目を見張ったのは品性が香る所作で、去りぎわにピアノの上に置いてあった帽子を取りにきたとき、
持ち方や埃の払い方が頗る品があり、このシーンは観たどのキャストをためしてガッテンの調査員並に凝視しておりましたが
渡邊さん甥っ子の仕草の美しさ、しかも王侯貴族ではなくあくまで士官学校卒業した若者らしい、無理のない爽やかな品があったと見受けております。
打って変わって戦闘場面でのねずみの王様と対峙しての行進の腿上げは随分と潔くて鋭く
気球に乗ってから地上に錘を落とす場面におけるねずみ達に遠慮なしに投げつけるなど攻撃性も同時に強く、場面によって優しさと強さの振り幅が実に広く思えた次第です。
グラン・パ・ド・ドゥのシャンパンゴールドなお衣装姿はいつ観ても眩く、また年齢を重ね(初演から7年ですから)
初演時から貫禄はありましたが成熟した厚みが一層加わっていらしたのも、例え特別好きなプロダクションではないながらずっと観続けている喜びにも繋がっております。
ふわっと高い跳躍から最近はぐっと強度が増した印象も抱いており、時間軸戻りますが
腕が捥げそうな振付のサポートも含め、スイスイと滑らかに見せる術にも恐れ入りました。

出会い、松林のパ・ド・ドゥは私としては心の距離が少しずつ近づく描写のほうが好んでいるものの
最初から捻り上げな振付満載である点がそれを許さないのか未だよくわからぬままではありつつ
出会ってぱっと恋の花が開く描写な木村さん渡邊さんの練り上げは振付ともよく溶け合っていて、心の昂りが最初から止まらぬ疾走感を描出。
この版だからこそのスピーディーな展開ともいえますが、しかし後にも述べるがリフトが半減すれば尚良いのだが。

ドロッセルマイヤーも三者三様で、中家さんは最も奇怪な魔術師。手品披露や人形劇の導きもゆったり取る間のあとに豪快な動きではっとさせ、
魔力で封じ込めるパワーもたっぷり。ヘンテコリフト連続な場や蝶々とのパ・ド・ドゥもいともスムーズで盤石。
清水さんは廣川さんクララの天真爛漫で無邪気なところを見守る様子がそれはそれは優しく、
時には甥っ子置いてけぼりで笑、2人の睦まじいやりとりがまた物語に面白みを加えていた気がいたします。
大晦日のフィナーレとなったメッセージ投影や紅白歌合戦風のテープ発射を合図する仕切りもまた2023年最終日の特別感を演出。
中島さんはスタイリッシュですっきりとした所作も綺麗で、甥っ子との結びつきは最も強そうであり
人形劇の準備の着替えでは甥っ子は付き人のように手伝いし、マントのリボン結びを入念に確認。落語の師匠と弟子に見えたのは気のせいか。
それからドロッセルさんの白塗りが無くなったのは宜しく、魔術師だからといって白く塗って滑稽に見せる必要性はないと思いますので一安心。
それを思ったら昨年のコッペリウスさんもだが。プティさんが好むとも思えぬが白塗りは。(2023年の二・二三事件については触れるときりがないため次行きます)

ねずみの王様も個性色々。木下さんは1コマ辺りの描写が非常に細かく指先の動かし方もくっきりしていて、俊敏な上に全体の舞台運びもボリューム満点。
渡邊拓朗さんはまずクララのベッド前に現れたところからしてガリバー旅行記な迫力を示して(背丈の高さに加え上下左右全方角への移動距離も大きい)
クララの少し手を持ち上げたり覗き込んだりする行為からして観ているこちらがおっかなびっくりするほど。
ここ数年の名物にもなった、くるみ割り人形との兄弟対決も年々強度が増していて
大掛かりな装置に囲まれスモークが立ち込める空間であっても闘争心がぶつかり合い炸裂。
小柴さんは何処かまろみがあって可愛らしく、雪の場でのリフトだったか部下を叱るときもソフトにピシャリ。
そしてネズミ王の皆様、アドリブ舞踊は誰一人として分からず終いでした。申し訳ございません汗。
歴代の志村けんさん、DA PUMP、ニジュウの縄跳びしか分かりません。あああ。
戦闘の中盤にお城から飛び出してくる石山さん騎兵隊長のパリッとした切れ味も目が冴え渡り、宜しうございました。

パーティー名物客人達の振る舞い観察も今回も連日楽しく、両親がホスト業務で多忙で1人プレゼント貰えず悲しそうにしているクララは泣き喚いていた日もある一方
クララの異変に一足早くに気づいてそっと慰める客人もいたり、以降は夫と目を合わすと夫からさっと促されてクララ励まし係となっていたりと
表現も様々。小川さん吉田明花さん演じる夫婦が、クララが悲しみの暮れないよう気遣う様子に救われ
クララちゃん、日によっては明花ママと話すことで悲しみが和らぎ、笑みも浮かべていたときもありました。
23日夜だったか、泣き喚いていたときはさすがに両親気づかんかいとコールしたくもなったものの
甥っ子はいたく心配そうに見つめていて(そりゃそうだ)、後から思い切り優しくしてもらえたことでクララも気持ちが晴れたに違いありません。きっと。
大晦日は再び客人達が一斉に登場してシュタルバウム一族が中央に集合する場にて、客人の樋口さんが躓いたのか登場しながら転がるように大移動しながら転倒してしまい
あわやな状態になりましたが、先に出てきていた客人隊や妻役の吉田朱里さんが介抱しつつ
樋口さんもこの役は熟練者なのでしょう。飲み過ぎてしまった、と思わしき表現を芝居に取り入れながら話は自然に進行。
大晦日にびっくり且つ咄嗟の対処の上手さ、結束力に一層触れた気がいたします。
年明けは一時中島駿野さんが休演された関係で陳バレエマスターがクララ父を代演。
もう代役を団員で立てられないギリギリの人数だったと察しますが、颯爽とした、威厳あるお父様ぶりでございました。
初役、関優奈さんのシュタルバウム夫人の貫禄ある雄弁なマイム、邸宅の支配力、仕切り上手なマダムなお姿にも仰天。
近年ソロの役が付いてきて嬉しくもあり、ただ踊る役でのソロももっと観たいダンサーです。
そういえば初めて気づいたのは、幕開けにピアノを演奏しているのがルイーズと青年であったこと。(この7年私は今まで何を観てきたんだ笑)

何度も通いたくなる大きな理由の1つである雪の結晶達の場はダイヤモンドダストが散りばめられたような細やかさと
移動やジャンプの多い振付のダイナミックな味がブレンドされ、うっとり。
上階席から観たときにまさに全員が放射状に広がって行く形状が巨大な雪印マークに見え、私が特に好きな部分でございます。
衣装がクラシックチュチュで、銀色の模様や立派なティアラ型頭飾りも照明に反射しては
きらりと目に飛び込んでくる瞬間はどれも心をきゅっと煌めきで満たしてくれます。
何処かの1日だったか、舞台袖での待機の様子が見えてしまい(待機場所を間違えてしまった?)どうか今後お気をつけ願いたいところです。

全て男女ペアで構成され、パワフルな要素をもたっぷり盛り込んだ花のワルツも、目が慣れてきたのか衣装のオレンジも温暖な花々に見えてきて
これはこれで良いかとも思えてきたものです。女性だけでなく男性も大忙しで、サポートしては踊るそしてまたサポート、と慌ただしい振付ながら
またコーダでは男性群舞のみで魅せる隊列変形も毎度見応えがあり、各々のテクニックが
余程しっかり備わっていないと瞬く間に緩んだ出来になってしまうであろう難しさでございます。

おとぎの国(魔法の国?)の各国の踊りの方々とクララが一切顔合わせ挨拶もしないまま踊りの披露が始まるすれ違いな2幕や
モデルルームの如くスッカラカンな舞台も寂しい印象は拭えず、各柱に付けられた椅子は結局ドロッセルマイヤーしか使用していない点も考えもので汗
終電後や始発前の駅の地下広場かいと毎度思うわけですが、そういうものと思っておきます。

それからイーグリング版でしばしば話題の中核となっている「リフト」。再度脳内で分解分析しながら観察しておりましたが例えば松林のパ・ド・ドゥは
互いにアラベスクしながらジャンプしてスライディングしてからのリフト、辺りまでは高揚感がまさって胸が高鳴るものの
その後も延々と腕が捥げそうなほどに繰り返されるので何度観てもこちらまでが息切れしてしまいそうになってしまいます。
2幕冒頭の空中ブランコあたりまでは気球に乗って雲間を突き抜けて降下してのふわふわとした浮遊感引き継いでいてまずまず楽しき振付に見えるものの
その後もぶつ切りな様子での持ち上げ振付が続くため、首を傾げた次第。リフトが全体から半減すれば、もう少し気に入りそうな版に感じてきた2024年初頭でございます。

あとはクララと出会ったあとの甥っ子のお面も、魔法が再びかかった設定とはいえつけ外しの煩わしさのほうが前面に表れる上に
甥っ子は汗塗れで。2幕冒頭も装着の必要性について疑問が残ります。イーグリングさんの意図はあるのでしょうが今ひとつ伝わらずです。

ルイーズが蝶々に変身して葦笛踊る展開も未だ分からず、背中に羽が付いていながら腕からの垂れ布の必要性も毎度疑問視。引っかかりそうで危険です。
ただ謎な衣装を忘れられるくらいに奥田さんの超人級な、しかもこれ見よがしにせずに
さりげなく高難度なバランス、回転を微塵の隙も粗もなくこなす姿には平伏したくなりました。
エピローグで、クララとフリッツが例え少し外に出るだけとはいえども甥っ子とドロッセルさんが(夜通し宴会やっていたのでしょうかその辺りの時間展開も気になるが)
完全防寒な格好で別れを告げている気候を思うと、お洋服を着て欲しいと願ってしまいます。
あとはやはりくるみの最後はあの終曲が聴きとうございます。

あれやこれやつらつら書き連ねてしまいましたが、7年前のバレエ団初演時から主演ペアほぼ不変の摩訶不思議作品に
今回は廣川さんの新風が吹き、バレエ団としての1作品の公演としては最多であろう17回を無事上演。
コール・ド・バレエの方々は毎回何かしらで登板され、心身も限界に近づいていたと察します。まことにお疲れ様でございました。


※上の写真、12月29日(金)昼公演ぴあデーの特典クリアファイル。ツリーと一緒に撮影。
この日は初の、仕事納めからの観劇!ロビーの合唱がクリスマス季節感残す演出でした。





初回マエストロ、クリスマスイブの前夜祭。乾杯!



前菜



ペンネ。粉雪のようにチーズがふわふわ舞い降りています。



胡桃のヌガーグラッセ。くるみ割り人形なデザートです。



くるみ割り人形たち



マエストロ2回目、前菜。ポークリエット、鴨の生ハム、スモークサーモン。
この日は福岡帰りに羽田空港から初台へ直行!シャンパンで乾杯!ちょうど公演終了して暫く経った頃の時間帯に到着し、
お世話になっている常連な方々に劇場前でお目にかかれました。この日の鑑賞客と間違われたがそりゃそうだ笑。ただ年末の挨拶ができ、嬉しいうございました。




タリアテッレ 和牛のボロネーゼソース。もっちりとした麺にソースたっぷり絡んでいます。



真鯛のポワレとポタージュ



熟成牛の薄切り



大晦日はツリー眺めながらお蕎麦!立ち食い蕎麦オペラパレス庵です。



あけましてくるみ割り人形!(千秋楽の王子様がインタビューで仰っていて、名文言です)。
クリスマスは続きます、成人の日まで。海老とトマトクリームのチーズリゾット。白ワインと合います。ネズミ王達のチーズの食べ方、応用方法が気になります。
王族ですから、三角柱な塊のまま毎日食しているとは思えず。王宮食堂の週間献立を見せてほしい。(社食かい)



廣川さん、全幕主役デビューおめでとうございます!終演後所用で訪れたお店でハウス白ワインとゴルゴンゾーラソースパスタで乾杯。
ソースが面白い質感で食べ始めた前半はさらりとしたトロトロソース、後半は徐々にパスタに馴染んでこってり。2種の質感楽しめました。
くるみ割り人形に出てくるネズミたちは敵側ですが、本当はクララとも仲良くなりたかったのかもしれないと、
怯える廣川さんクララに対してどこか憎めない楽しそうなネズミたちを見ていてふと思いました。



いちごのパンケーキ。可愛らしい形です。どら焼きにも見えるが。
(管理人、お店でどら焼きを注文し頬張っていたところ どら焼きが似合うとお世話になっている方から褒められました。
かの猫型ロボットに体格は似ておりますが四次元ポケットは持っておりません。手助け道具は出せませんので、困ったときは自己解決願います)



成人の日。自身にとって成人式の日は人生を大きく揺るがした日となりましたが、今年は今年で嬉しい日。客人気分でシャンパンで乾杯!



帰り、オアシスで。カウンセラー且つストイックレッスン人と会えましたので乾杯です。
今年は、この場所で悲しむことがない年になりますように。(昨年2月はここでどれだけ色んな方に、関西からいらした方々からも含め昼夜や日替わりで励まされ慰められたことか)

2024年1月5日金曜日

大晦日前夜に名曲アルバムなクリスマス  ウクライナ国立バレエ『雪の女王』12月30日(土) 《埼玉県川越市》




12月30日(土)、ウクライナ国立バレエ『雪の女王』を埼玉県川越市で観て参りました。
https://www.koransha.com/ballet/ukraine_ballet/

クラフチェンコはほぼ全編出番が途絶えないまさに物語のリード役な主人公ゲルダで、カイを助けるために冒険へと繰り出す姿が痛快。
踊りも盤石で、自宅の居間、スケート場、花園、宮廷、山賊達の場、そして雪の国と
次々と移り変わる風景にも勇んで足を踏み入れつつ多彩な技術や表現で楽しませてくださいました。
髪をキュッと結い上げ膝丈のワンピースな衣装を纏う様子は可愛らしいものの度胸は無限大にあるヒロインで
山賊達とも臆せずに接して危機を乗り越えていくのは並大抵のことではないでしょう。
カイに対しては一途でいじらしい愛情を持ち、頬が緩んでしまいそうな微笑ましさ。
クリスマスパーティーでのお菓子を持ちながらのほっくりと温かい空気感に心癒された思いでおります。

スハルコフの少年役は当初なかなか想像できずにおりましたがいざ観ると背はあっても初心な青少年な印象。
ドタバタ騒ぎを起こしたり、でもゲルダとは相思相愛な睦まじさがピュアに映りました。
ゲルダに比較すると出番は短めであっても要所のパ・ド・ドゥにおけるパートナーリングの美しさにこの度も見入り
ゲルダとは純朴な、雪の女王とは神秘的な貴さを静かに醸して全く異なる世界観をスケール大きく示していた印象です。

雪の女王のシェフチェンコの近寄り難い美の貫きも圧巻で、見惚れると同時に刃向かったら即座に罰が下されそうな冷たさも湛えた女王。
正面は勿論、後ろ姿、特に背筋がすらりと毅然と伸びた美しさに観客席までもが支配下におかれそうな心持ちになったほどです。
雪のコードと背景のブルーとの一体感もキラキラッと綺麗な輝きを放っていました。

場面展開も面白く、ゲルダと一緒に様々な国、場所を訪れている気分。中でも山賊達の場面はパワフルな踊りの見せ場盛りだくさんで、
主軸の女性山賊役のテルヴァルが繰り出すダイナミックでされど荒っぽくはならぬ強靭なテクニックに天晴れ。
クラシックの基礎が万全に身についているからこそ見せられる踊り方でしょう。

音楽は噂に聞いていた通り耳に馴染み深い曲がずらり。時の踊りやスケーターズワルツ、ベルリオーズの幻想交響曲にシュトラウスのウィーンの森の物語もあったか。
宮廷の場ではなぜかバレエ『マノン』1幕物乞い達の踊りの曲など名曲アルバムな構成で、寄せ集めであっても不思議と違和感は薄く思えました。
ただ現在の状況を思えば我儘は許されないでしょうが、元のチャイコフスキー曲での構成もいつかは耳にしたいと思っております。

夏の公演時のアフタートークにて、寺田監督が是非観に来て欲しいと大宣伝なさっていた理由にも納得。
クリスマスを舞台にゲルダの冒険が描き出す様々な場所での物語展開における素朴な場面もあればパワフルな場面もあり、
そして雪の女王が司る銀世界の美しさも体感でき、結末はハッピーエンド。クリスマスや年末にぴったりな作品でした。
ロビーで見かけた寺田監督が翌日にはテレビに映ったNHKホールでの紅白歌合戦審査員席にいらしてなんだか不思議でしたが、
ウクライナ国立バレエについて一層広まればと願います。また作品を堪能しておいて矛盾もあり、バレエ団の中でも意見は分かれているでしょうが
三大バレエができぬもどかしさも同時にあるかと思います。それとも戦況が収まらない限りチャイコフスキー物は一切無しである判断が今は望ましいのか。
音楽構成も大きく変えての上演作品から再び考えさせられた年末になりました。




川越の小江戸な街並み。27年前に訪れたときはもっとのんびりとした風情があったが一転して大観光地に。海外からのお客様の多いこと。人気ぶりに驚きです。



川越の名物時の鐘。翌日には日本各地で除夜の鐘。



年末になって翔んで埼玉!コバトンです。



ドンキの曲でノリノリなチンタイガー。気分はキトリかもしれません。



川越駅近くの飲食店並ぶ建物。イルミネーションが雪の女王の世界なブルー



駅近くにてささっとパスタ。ふわりとしたチーズたっぷり。



クリスマスのお話を観た後であり、お菓子をもらってはしゃぐ場面もありましたから、私もケーキを。
クリーム多め、クリスマスカラーなピスタチオのイチゴケーキです。

2024年1月4日木曜日

謹賀新年2024




2024年が始まりました。昨年もこの知名度低く存在感薄きブログにお越しいただき目を通してくださった皆様、
まことにありがとうございました。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

元日から能登地域の大地震、翌日は飛行機の大火災、3日は福岡の商店街の火災や東京の電車内での斬りつけ事件など
「あけまして」のあとに、喪中でなくても祝福の言葉を付けて申し上げ辛い新年の幕開けとなってしまいました。
未だ嘗てないであろう、大変なお正月としか言いようがありません。

なかなか前向きな話題に移るのも難しい新年ですが、昨年末から年始にかけて鑑賞した公演もいくつかありますので明日以降順次紹介して参ります。

飛行機の大火災報道を見ていて、私も飛行機はまずまずの頻度で利用しているほうであり、昨年は札幌2回、愛媛、宮崎、福岡、と5度利用。(愛媛は復路のみ飛行機)
離陸前に緊急時の脱出方法や酸素マスク装着方法についてCAさんのデモンストレーションやモニターでの上映もきちんと見ているつもりではありますが
いざというとき本当に実践できるのか、落ち着いて行動できるのか不安に駆られました。
しかも2日の事故は着陸後の発生で、機体が飛行を終えて地面に触れ始めるとそれだけで何処か安心感覚え、つい気も抜けがちになるであろう状況です。
また非常扉近くの座席は広々としていているものの、着席者にはCAの指示を乗客に伝えたりとサポート業務員として相当な力量が求められる旨が
座席指定時にも事細かに明記されていますが、余程の使命感や責任感のある人でないといざという時は乗客全体が一層大混乱に至ってしまう恐れもあると再確認。
勿論非常扉近くの乗客のみならず、全員が規定を守りながらの迅速且つ落ち着いた行動が求められると報道を見ながら考えさせられました。

さて話題を移しまして恒例の管理人の年末年始の過ごし方。(ご関心のない方が大半かと存じます。無理にお読みにならず次回をお待ちください)
昨年は30日が土曜日であったため管理人は仕事納めが29日でした。しかも、13時からは新国立劇場バレエ団『くるみ割り人形』鑑賞がありましたため
昼過ぎをもって2023年の仕事は終了。例年とはだいぶ異なる終わり方でした。
ぎりぎり間に合い、ドア近くの席を購入していたため着席もしやすく無事終演。生活の大きな節目日にお目当ての方の主演で締め括れるとは幸せなものです。
翌日は東京公演日程は慌ただしくなってしまい鑑賞を見合わせていたウクライナ国立バレエ『雪の女王』鑑賞のため埼玉県川越市へ。最後の最後で翔んで埼玉です。
駅から少し離れたところにある小江戸な街並みを眺めつつ(久々に大混雑な観光地へ足を踏み入れた。
昔来たときはゆったりした風情に包まれていたが時代は変わったらしい)
バレエはチャイコフスキーの曲が使用不可のため聴き馴染みある曲で新たに構成され、親しみやすいストーリーや躍動的な見せ場もあったりと楽しい公演でした。
川越のロビーで見かけた寺田監督が翌日にはNHKホールでの紅白歌合戦審査員席に着席なさっていて、不思議な驚きがございました。
元日は親戚が1名来てのんびり宴。3日は予定にはなかった新国立くるみ鑑賞でした。

纏まりないまま2024年初回記事となりましたが、今年は管理人、新国立劇場バレエ団の鑑賞歴20年を迎えます。そして年齢も大々節目を迎えます。
ただ心配事が。ここ5、6年くらいか、年齢に対して体質の反比例傾向が止まらず。「ああ、年をとった」と思えることがございません。
かえって危険信号ではなかろうかと、もう少し年齢相応な年の重ね方をするべきと言い聞かせております。
そうだ、考える内容や発言は時折明治や大正の人間と思われがちのため、総合しての平均値はちょうど良いのかもしれません。(ならないか)
こんな私ではございますが、本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。


※写真は大晦日に我が家にやってきた迎春アレンジメント。紅白の鶴の器で我が家を見守ってくれています。