2024年1月5日金曜日

大晦日前夜に名曲アルバムなクリスマス  ウクライナ国立バレエ『雪の女王』12月30日(土) 《埼玉県川越市》




12月30日(土)、ウクライナ国立バレエ『雪の女王』を埼玉県川越市で観て参りました。
https://www.koransha.com/ballet/ukraine_ballet/

クラフチェンコはほぼ全編出番が途絶えないまさに物語のリード役な主人公ゲルダで、カイを助けるために冒険へと繰り出す姿が痛快。
踊りも盤石で、自宅の居間、スケート場、花園、宮廷、山賊達の場、そして雪の国と
次々と移り変わる風景にも勇んで足を踏み入れつつ多彩な技術や表現で楽しませてくださいました。
髪をキュッと結い上げ膝丈のワンピースな衣装を纏う様子は可愛らしいものの度胸は無限大にあるヒロインで
山賊達とも臆せずに接して危機を乗り越えていくのは並大抵のことではないでしょう。
カイに対しては一途でいじらしい愛情を持ち、頬が緩んでしまいそうな微笑ましさ。
クリスマスパーティーでのお菓子を持ちながらのほっくりと温かい空気感に心癒された思いでおります。

スハルコフの少年役は当初なかなか想像できずにおりましたがいざ観ると背はあっても初心な青少年な印象。
ドタバタ騒ぎを起こしたり、でもゲルダとは相思相愛な睦まじさがピュアに映りました。
ゲルダに比較すると出番は短めであっても要所のパ・ド・ドゥにおけるパートナーリングの美しさにこの度も見入り
ゲルダとは純朴な、雪の女王とは神秘的な貴さを静かに醸して全く異なる世界観をスケール大きく示していた印象です。

雪の女王のシェフチェンコの近寄り難い美の貫きも圧巻で、見惚れると同時に刃向かったら即座に罰が下されそうな冷たさも湛えた女王。
正面は勿論、後ろ姿、特に背筋がすらりと毅然と伸びた美しさに観客席までもが支配下におかれそうな心持ちになったほどです。
雪のコードと背景のブルーとの一体感もキラキラッと綺麗な輝きを放っていました。

場面展開も面白く、ゲルダと一緒に様々な国、場所を訪れている気分。中でも山賊達の場面はパワフルな踊りの見せ場盛りだくさんで、
主軸の女性山賊役のテルヴァルが繰り出すダイナミックでされど荒っぽくはならぬ強靭なテクニックに天晴れ。
クラシックの基礎が万全に身についているからこそ見せられる踊り方でしょう。

音楽は噂に聞いていた通り耳に馴染み深い曲がずらり。時の踊りやスケーターズワルツ、ベルリオーズの幻想交響曲にシュトラウスのウィーンの森の物語もあったか。
宮廷の場ではなぜかバレエ『マノン』1幕物乞い達の踊りの曲など名曲アルバムな構成で、寄せ集めであっても不思議と違和感は薄く思えました。
ただ現在の状況を思えば我儘は許されないでしょうが、元のチャイコフスキー曲での構成もいつかは耳にしたいと思っております。

夏の公演時のアフタートークにて、寺田監督が是非観に来て欲しいと大宣伝なさっていた理由にも納得。
クリスマスを舞台にゲルダの冒険が描き出す様々な場所での物語展開における素朴な場面もあればパワフルな場面もあり、
そして雪の女王が司る銀世界の美しさも体感でき、結末はハッピーエンド。クリスマスや年末にぴったりな作品でした。
ロビーで見かけた寺田監督が翌日にはテレビに映ったNHKホールでの紅白歌合戦審査員席にいらしてなんだか不思議でしたが、
ウクライナ国立バレエについて一層広まればと願います。また作品を堪能しておいて矛盾もあり、バレエ団の中でも意見は分かれているでしょうが
三大バレエができぬもどかしさも同時にあるかと思います。それとも戦況が収まらない限りチャイコフスキー物は一切無しである判断が今は望ましいのか。
音楽構成も大きく変えての上演作品から再び考えさせられた年末になりました。




川越の小江戸な街並み。27年前に訪れたときはもっとのんびりとした風情があったが一転して大観光地に。海外からのお客様の多いこと。人気ぶりに驚きです。



川越の名物時の鐘。翌日には日本各地で除夜の鐘。



年末になって翔んで埼玉!コバトンです。



ドンキの曲でノリノリなチンタイガー。気分はキトリかもしれません。



川越駅近くの飲食店並ぶ建物。イルミネーションが雪の女王の世界なブルー



駅近くにてささっとパスタ。ふわりとしたチーズたっぷり。



クリスマスのお話を観た後であり、お菓子をもらってはしゃぐ場面もありましたから、私もケーキを。
クリーム多め、クリスマスカラーなピスタチオのイチゴケーキです。

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