2023年11月28日火曜日

若手の挑戦ベテランの円熟味 新国立劇場バレエ団   DANCE to the Future: Young NBJ GALA パ・ド・ドゥ集/NBJ Choreographic Groupより/ドゥエンデ





11月25日(土)26日(日)、新国立劇場バレエ団 DANCE to the Future:Young NBJ GALA  パ・ド・ドゥ集/NBJ Choreographic Groupより/ドゥエンデを観て参りました。
若手ダンサーに焦点を当てた、バレエ団として初の企画公演です。
https://www.nntt.jac.go.jp/dance/young-nbj-gala/


◆パ・ド・ドゥ集
『ラ・バヤデール』第3幕より
【振付】マリウス・プティパ
【音楽】レオン・ミンクス
【出演】廣川みくり 石山 蓮

今回の4本のパ・ド・ドゥの中で最難度な変則構成で、音楽は切り貼りで2幕の男性ヴァリエーション挿入、小道具としてベールあり。
しかもトップバッターで装置も何もない中で幻想的な悲恋を表せねばならず、試練たっぷりな条件でのご披露です。
初日はお2人とも緊張でガチガチで(そりゃそうだ)ベールを持ちながらの回転場面ではベールが徐々におしぼり或いはしめ縄状態になってしまったり
廣川さんの衣装に巻き付いたりと冷や汗展開続出でしたが2日目にはだいぶ改善され、ベール扱いもスムーズに変化。
廣川さんはステップが場面によってはたどたどしく、ニキヤの幻影として伏し目がちを意識し過ぎたか眠そうに見えてしまう箇所は少々気になったものの
時折はっと唸らせるフォルムを描き出していて、背中の柔らかさ雄弁さを生かしての訴えかけは好印象。
石山さんは明るい踊りが持ち味なイメージを持っておりましたが、取り返しのつかないことを起こしてしまっての
猛反省な悲しみを背負ったソロルの登場から物語を立ち上がらせていたのは良き仕事ぶりで技術は安定し、
サポート時も静かな語り合いが聞こえてきそうで、悲劇物もいけそうな印象。楽しみでございます。


『眠れる森の美女』第3幕より
【振付】ウエイン・イーグリング M.プティパ原振付による
【音楽】ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
【出演】中島春菜 渡邊拓朗

初日、珍しく拓朗さんも緊張されていたご様子で本当に珍しいと思うと同時にグラン・パ・ド・ドゥの尊さ、特別感を再確認。
サポートがおぼつかなくなってしまったり、中島さんもヒヤリとした部分もあれど、
2日目はきっちりと纏め上げ、ゴージャスな迫力で魅了。イーグリング版の、3幕の主役達の衣装には全く合っていないバランス取れていない
重厚美術や装置にも負けぬ存在感、オーラで満たすお2人と想像いたします。登場したときの盛大な結婚式に似つかわしい雰囲気や
中島さんオーロラ姫の大らかな華やぎ、拓朗さんデジレ王子の風格はバッチリでしたからその印象を維持しつつコーダまで繋げていければ
輝き麗しい祝福感に満ちたグラン・パ・ド・ドゥとなるでしょう。


『ジゼル』第2幕より
【振付】ジャン・コラリ/ジュール・ペロー/マリウス・プティパ
【音楽】アドルフ・アダン
【出演】吉田朱里 仲村 啓

吉田さんが全幕を思わす完成度の高いジゼルで驚かせ、今夏の急遽の『白鳥の湖』全幕主演での鍛錬が窺える出来栄え。
身体の置き方、角度、役の掘り下げ、音楽の細部をも踊りで表現して持て余さず隙なく、精霊ジゼルとして存在していた気がいたします。
ただ手脚が長いだけでなくその強みをしっかりと生かしていて、特に腕のラインが描く弧が抜群に美しく、音楽と柔らかに溶け合って浮遊感を漂わせていた印象です。
仲村さんは最初の歩き方が日常生活っぽさを残してしまっていた点は惜しかったものの、立ち方は上品で(これ大事)
思えば昨年の『シンデレラ』ヒマラヤフレッシャーズこと王子の友人抜擢時もポジション組んで正面立ちしていても目を惹く端正な立ち方であったと記憶しております。
純白でピュアゆえに崩れてしまった悲恋物語を読み進めている心持ちとなり、
住む世界は変わっても互いを慈しみ合う空気感ですら愛おしいと感じさせるパ・ド・ドゥでした。
そうでした、月明かりが照らされていましたが、何時の間にか消えていました。月は何時消えた事件、意見があれこれ飛び交っていた昨年の全幕上演が懐かしい。


『ドン・キホーテ』第3幕より
【振付】マリウス・プティパ/アレクサンドル・ゴルスキー
【音楽】レオン・ミンクス
【出演】金城帆香 山田悠貴

つい最近まで全幕上演していた作品なだけあってプレッシャーもあったかもしれませんが
キトリの金城さんは手堅いテクニックの持ち主でサクサクキビキビとした足運びも爽快。初日はフェッテ、悔しかったと察しますが2日目はきっちり。
顔の付け方はやり過ぎず上品に抑え、対するバジルの山田さんはアダージオでも全身からドヤッとした自信たっぷり笑。
新国立ではなかなかいないタイプかもしれません。されどガラであっても瞬時にお祭りな光景を体現できていたと思うと大物の片鱗はありそうと思えました。


◆NBJ Choreographic Groupより  
『Coppélia Spiritoso』
【振付】木村優里
【音楽】レオ・ドリーブ、カール・ジェンキンス
【出演】木村優子 木村優里

木村優里さんワールド全開な作品で、可愛らしさと危うさおどろおどろしさが隣り合わせな展開。
テーブル下からマジックショーのように身体がにょきにょきと見えてくる光景や序盤の時計の音の響きも、とんでもない世界に飛び込んできてしまったと思わす仕掛けです。
パッと見て、コンセプトや内容の詳細が分かるかと聞かれたら再演の今回も私は解釈が難しく思えているものの(我が理解力の欠如です)
ダブル木村さんが並んで踊る箇所は無機質になったかと思えばゾーンに入った木村優子さんが前回以上に独特のダーク感を醸して
お馴染みのスワニルダのワルツが不気味に聞こえてきたほど。フリルは白い衣装がかえって2人の存在の摩訶不思議な魅力を更に浮き立たせていた印象です。


『人魚姫』
【振付】木下嘉人
【音楽】マイケル・ジアッチーノ
【出演】米沢 唯 渡邊峻郁

待望の再演。前回のプログラムによれば、「人魚姫が人間に恋をし、人間になりたいがために魔女の元を訪れ、
美しい声と引き換えに人間になる為の飲み薬をもらった後のお話」との説明。
劇中の大らかなスケールも持ち合わせた曲の部分は海の揺らめきと昂ぶる思い双方の溶け合いを帯びた膜を彷彿させて2人を優しく覆うようにも聞こえ
静かな部分は王子がそっと近づきながら接するうちに人魚姫が心を少しずつ開き、2人の距離感が近づく語らいに思え、音楽の選曲にも再度唸りました。
悲しくも清らかな物語を米沢さん渡邊さんがリフトや手の翳しで丹念に紡ぎ、
リフトが豊富にありながらも何処かの『くるみ割り人形』とは違ってやみくもに詰め込んだのではなく
人魚姫と王子の高揚する感情をそっとのせた美しいリフトばかりであったのも好感を持ちました。
渡邊さん王子の心の襞の表現や追いかけて光と消える幕切れにも身震い。
人魚姫と出会い、歩けず転倒しそうになるときの身体の支え方や急かさない接し方も優しいことよ。
またリフトにて持ち上げるときのみならず降下させるときの丁寧な過程にも目を奪われ
人魚姫は勿論のこと王子の指先に至るまでさりげなく美しさを見せながらこなす力量に脱帽。
後味は変に重たくならず、このあと人魚姫と王子の運命はどうなったか、王子が観客にそっと疑問を残しての幕切れとも受け止めました。
何もかもを浄化させ洗い流すように神秘的で美しく、涼やかな潤いに抱かれた思いに駆られる作品です。
尚、王子の衣装が一新され、前回は暗めの緑色っぽい長袖襟付きシャツで現代風だったデザインから、白いブラウス?に白い棒タイ。
跳躍するたびに顔にバシバシ当たるのが気になってしまい(効果音が入りそうなほどずっと激しく当たっていました汗)もう一工夫あれば尚素敵に映ったかもしれません。
前回の現代風シャツでも、王子であっても海に行くときは動きやすい服を選ぶ可能性もあり得ると解釈して観ており
モダンな風味はあっても何ら違和感はございませんでしたので、前のデザインもまた観たい気もいたします。


『Passacaglia』
【振付】木下嘉人
【音楽】ハインリヒ・ビーバー
【出演】小野絢子 福岡雄大 五月女遥 木下嘉人

4人とも白い衣装で小野さんと五月女さんは短い丸みあるスカートが付いていて、宇宙にて繰り広げられていそうなSF風な雰囲気。
小野さんと福岡さん、五月女さんと木下さんが光を浴びながら同じことを交互にこなしていても
ふとした仕草や角度が少しずつ異なっていて、されど音楽にぴたりと嵌って気持ち良く両ペアの踊りを堪能。
照明も工夫されていて冒頭から静寂の中に光の道が出来上がり、2階から観ると奥から1階席全体に広がるように道が光っていていた印象。
身体を自在に絡めたり、静かな間の取り方も含めて立体的な美しさを次々と表していく4人の技術力にも脱帽。
後半、照明を灯す福岡さんの指パッチンも2階席奧までよく響きました。


◆ドゥエンデ
【振付】ナチョ・ドゥアト
【音楽】クロード・ドビュッシー
【美術】ナチョ・ドゥアト、ウォルター・ノブ
【衣裳】スーザン・ユンガー
【照明】ニコラス・フィシュテル
【ステージング】キム・マッカーシー
【オーガナイザー】カルロス・イトゥリオス

振付・美術
ナチョ・ドゥアト

【出演】
「パストラル」 直塚美穂、木村優子、中島瑞生
「シランクス」 花形悠月、西 一義
「フィナーレ」 山田悠貴、石山 蓮、小川尚宏
「神聖な舞曲」 赤井綾乃、徳永比奈子、山本涼杏、中島瑞生、西 一義、森本晃介
「世俗の舞曲」 全員

2015年以来8年ぶりの上演。これまでベテランが主軸を担当してきた印象が余りに強く、また2008年のバレエ団によるワシントンD.C.公演でも上演され、
現地の客席で観ていた私も細胞が暴れ出しそうなほどに大喝采を受ける好反応。
バレエ団の底力を見せた作品でもあるため、今回は若手中心での上演と聞いたときは正直不安が過ったものです。
しかしこれまでさほど気にとめずにいた方の力量がぐっと示されたりと収穫たっぷりでした。
まず木村さんの体幹の強さ、独特の質感に釘付け。重心を下に落としてのポーズはずしっと力強く、そうかと思えば身体が音楽と触れ合うように流れが鮮やかで
この作品はやや暗がりで踊られるため顔の表情での誤魔化しも不可能な中で身体の動き1つ1つから不思議な魔物感を放っていたと思えます。
それから中島さんは、何しろ嘗ては山本隆之さんが長年務めていたパートを担当と知ったときは大不安ばかりが募りましたが大変失礼な心配で
2階から観ていても立体的な身体の使い方やパストラルでの直塚さん木村さんを包み込むように纏め上げながらリードする力にもびっくり。
頭を床につけてのポーズも全く危なげなく、奇怪な彫刻のような体勢もくっきり。恐れ入りました。
フィナーレでの小川さんの背中が機敏に動くしなやかさも目に留まり、全員で織りなす最後の「世俗の舞曲」は神秘的な音楽と振付がじんわりと溶け合い
何度観ても体内にまで森の精霊達が放つパワーが流れ込んでくるような気分。ドビュッシーの曲の中で最も好きであり
また私自身人生初のコンテンポラリー作品の鑑賞が2006年のナチョ・ドゥアトの世界(ドゥアト作品3本立て公演)でしたから
思い入れが深くなった17年前を思い出したりと感慨深いものがありました。
ナチョ・ドゥアト3本立て公演でも上演されたポル・ヴォス・ムエロ、そしてジャルディ・タンカート
(センスや成熟して研ぎ澄まされ、洗練された色気も不可欠な作品で、渡邊峻郁さんに是非踊っていただきたいと夢を抱いております。
勿論、トゥールーズ時代に踊っていらっしゃるポルヴォスも)再演お待ち申し上げます。

日本ではガラを観る機会も多く、例えば10分ごとにフランス王宮、ギリシャの海、深夜の森の墓地、バルセロナの街、と
次々と異なる物語の舞台が登場して一瞬で作品の世界観を表現し伝える光景にすっかり慣れてしまい
公演におけるパ・ド・ドゥ集で若手が挑戦してこなす大変さを感じた企画で厳しめな意見も出してしまいましたが
ただ誰にでも初回、初挑戦はあるわけです。2日目に見違える出来になったペアもいたりと1回の本番の大切さも身に沁みました。
しかし全パ・ド・ドゥが初日から冷や汗物オンパレードであるのはそれはそれでバレエ団の公演としては成立が難しいでしょうから
今後は中堅のダンサーも混ぜつつのパ・ド・ドゥ集企画も期待したいところ。大王道の、ダイアナとアクティオンやタリスマン、サタネラ等
ズンチャッチャ音楽系統のものを新国立の公演として上演したらどんな舞台になるか興味はございます。
そしてドゥアト作品は世代問わず、ベテランの味わいも観たい作品ばかりで、定期的な上演を心待ちにしております。

※2006年に上演されたナチョ・ドゥアトの世界の概要。こういう企画もまた観たい!
https://www.nntt.jac.go.jp/enjoy/record/detail/37_004939.html


※ご参考までに、2021年秋のDance to the Future感想です。『Coppélia Spiritoso』、『人魚姫』、『Passacaglia』が初演されたときの公演でございます。
https://endehors2.blogspot.com/2021/12/dance-to-future-2021-selection-112728.html


※ワールドバレエデー、確か今月末までだったか。私も駆け込みで再度視聴の予定でおります。
新国立劇場バレエ団もSNS駆使して宣伝していました。このポーズ、立体感といい鮮烈さといいカメラに向ける眼差しといい何度でも見つめたくなります。






2日連続で、オペラシティのパスタフローラの後に新しくできたキンボシパスタカフェへ行ってみた。人魚姫な色彩の翠で乾杯。
そしてドキドキしながら観た若手パドドゥ集の話も弾みました。



翌日はミント入り



バジルクリームパスタ。名古屋での2日目バジル、海老フライの話も聞いていただき(海老フライの存在が2日目バジルと並んだ笑。まあ滞在中8本も食べたのは事実である)
今振り返っても、カロリー過剰摂取も含め楽しかった名古屋でございました。


2023年11月24日金曜日

ステージバレエアカデミーにて江藤勝己さんによるバレエセミナー  ライモンダ




11月19日(日)千葉県柏市のステージバレエアカデミーにて開催された、
江藤勝己さんが務めるバレエ音楽セミナーを受講して参りました。今回は『ライモンダ』です。
https://www.stageballet.net/

https://www.stageballet.net/pdf/ballet_communication.pdf#zoom=100

結婚式場面の上演機会はしばしばありますが全幕上演の機会は少なく、しかし度々当ブログでも触れております通り、私の中では音楽も振付も最も好きなバレエ作品です。
昨日11月23日にはバレエカンパニーウエストジャパンが神戸で全幕上演が行われ、
阪神とオリックスの同時交代優勝パレード以上に興味をそそられましたから、どこでもドアーがあれば観に行きたかった私でございます。
(それよりも、同日開催でチーバくんも参加した千葉県県制150周年記念パレードも観てみたかったが)

それはそうと毎回のセミナーもですが江藤さんの一方的な進行の説明ではなく受講者達もああだこうだと映像や音楽を鑑賞しながら言い合ったりと和気藹々。
今回は以前にも同じテーマで開催もされていたためか少人数の参加者であったため、一層親密度も高まりながらの学びとなりました。
今回は開始にあたってまず江藤さんから『ライモンダ』を「生での全幕鑑賞」経験有無について質問。
咄嗟のことで私も整理がつかぬまま後出しであれも観たこれも観たとお伝えしてしまうこととなってしまいましたが今一度整理。
生での全幕鑑賞最多は新国立劇場バレエ団で2004年が1回(人生初新国。用事が入りそうだったため1日空けていたら入らず、
そこで新聞の告知で気になっていたため当日券で行ってみた次第。これで我が人生の主軸が決まったモンダ)、
2006年が東京公演でゲネプロ1回本番5回、大阪公演が1回。2008年ワシントンD.C.公演で2回、新潟公演で1回。
2009年が6回、2021年が5回。計22回?です。計算に自信ございませんが。
他にはABTが2回、キエフ(現ウクライナ国立)が1回、牧バレヱが1回、バレエ協会1回、と思います。
「生での全幕鑑賞」は恐らく約30回でしょうか。発表会ではほぼ全幕が姫路で1回、2、3幕のみ愛媛県西条市で1回ございます。
映像での全幕はボリショイLD(ベスメルトノワ)、シネマ(スミルノワ、)、キーロフのコルパコワ、ミラノ・スカラ座復刻版、です。
安西先生からお叱りを受けそうですが、計算はもう諦めます。トラベリングだけは散々やらかして試合終了です。

もしかしたら回数だけは観ている方かもしれませんが、また作品関連の講座はこれまでに守山実花さんのラファエラ・アカデミアや
福田一雄さん、井田勝大さん、と複数の講座を受講しているものの切り口が皆様違っていて毎回が発見の連続。
今回初めての気づきも勿論あり、まずは転調が多いこと。1曲の中で場面によっては数秒ごとに転調が行われていて
少しずつずらしながら不思議な高みを目指しているように聴こえ、心がすっと昂ぶっていく気分となる曲が多々ある気がいたします。
私が世界で一番好きと綴っております、1幕のグラン・ワルツも胸がふわっと吸い上げられそうになるわけです。

もう1点は管楽器の多さ。よくよくオーケストラ編成を見ると本当に多い。元吹奏楽部員もびっくりです。
だからこそ、序曲における静かであってもロマンを掻き立てるファンファーレや、2幕の帰還・マントでジャン!の箇所、
迫力もさることながら強弱も自在で耳にも残りやすい旋律と感じます。バレエ音楽の中で、吹奏楽用に編曲された曲をいくつか聴いたことがありますが
実は最も違和感がなく聴けたのが『ライモンダ』で、管楽器の豊富さが影響していると思うとようやく納得できました。
なぜかピチカートのヴァリエーションも入っていましたが、クラリネットが弦楽器の代わりに頑張っています。
そういえば、吹奏楽部の先輩が『白鳥の湖』の吹奏楽バージョンもあるけれどあれは本物の弦楽器がないと厳しいとぼやいていらした姿は今も記憶にございます。

また管楽器に限らず、1曲の中で様々な楽器が主旋律を交互に奏でつつ、調和が取れている部分にも注目。
特に2幕のライモンダと友人たちの踊りのコーダを聴いてみると、楽器同士で会議でも行っていそうに思えるほどです。
それから余談ですが東京どころか関東に1人いるかいないかの珍しさでしょうが私が世界で一番好きなヴァリエーションである2幕のライモンダのソロ。
女性ヴァリエーションの中でこうにも次々と異なる管楽器が立て続けに主旋律を奏でる曲はそうそう無いと思われ
特別ドラマティックなわけでも派手な見せ場もありませんが、好んで観て聴いてしまうヴァリエーションです。
チャイコフスキーが行書で装飾もふんだんにある文字ならば、グラズノフは楷書であっても文字の太さ細さ、濃淡は豊かに連ねていくイメージを勝手に持っております。

また女性だったらスカーフを贈ってくれてそのまま出征したジャンと、貢ぎ物わんさかなアブデラフマンに挟まれたら揺れ動くか否か、
3幕ヴァリエーションの重み等、各キャラクターの魅力や、現在の情勢下で上演する難しさについても説明。
私もつくづく思いますが、いくら19世紀末に振り付けられた作品とはいえ、
バヤデールや海賊等以上に、あらゆる全幕古典バレエの中での東洋世界の描写において最も上演が難しい作品と捉えております。
いくら綺麗にサラセン達を描いたところであっても結局勝利はヨーロッパ側であり、(決闘しても絶命しない版も近年誕生しましたが)
ただ綺麗に上品にサラリとし過ぎるとインパクトが残りにくく、かといって悪者には描きたくないのが現状でしょう。
新国立が米国で上演できたのはサラセンの描き方や衣装が極力品良く仕上げ、
フランス側(ヨーロッパ側)とサラセン側が互いに敬意を払って接する様子をしっかりと描写した点が大きな理由の1つと思っております。
新国立のワシントンD.C.公演時に、到着した空港内で地下鉄乗り場へ行くシャトルバスで移動する時、
運転手さんのお名前がムハンマドさんで、お顔立ちからしてもイスラム圏にルーツがありそうでしたから
米国で生計を立てて暮らしているムハンマドさんが仮にご覧になっても嫌な気持ちにならないか、到着早々から考えが巡ったものです。
実際には2幕の芸人達の踊りで客席では笑いも起きていたくらいでしたので、ひとまず受け入れてもらえたのでしょう。
そうはいっても私が牧さん版で毎回笑ってしまうのはお饅頭の騎士かと見紛うジャンの肖像画が登場したときで、あれだけは描き直しを要望笑。
そんなわけで、令和5年に初演したバレエカンパニーウエストジャパンの山本康介さん版は気になる演出です。

話を戻します。映像は主にミラノ・スカラ座バレエ団による初演復刻版に沿っての説明で、私も所有していながら観るのは10年ぶり。家の何処かに眠っているはず汗。
とにかく出演者大人数で、エキストラも多し。夢の場面や結婚式も多層コール・ド構成で立ち役もたくさん、舞台に隙間が無い。
そして衣装が妙にカラフルで、ただ十字軍の格好は写実的で歴史書から飛び出した感があります。
帰還の場面は危機感に欠けてやや迫力不足に思えたものの、当時の観客は東西の文化の交差が織りなす悠久の歴史ロマンに浸りながら観ていたのであろうと考察。
(ただ武勲を立てての戦地から帰還である上に婚約者が誘拐されかけていた状況を思うと、
2021年6月11日の初台にて慄いた、目をぎらつかせて全身から炎上げながら颯爽と出現のほうが理想だが)

また江藤さんも携わっていらした2018年バレエ協会での全幕上演時のエピソードもお話しくださり、更に作品の面白さに触れたセミナーでした。
協会公演は2日目の昼夜2回公演を観ており、衣装の一部が十字軍時代よりもだいぶ近代に思える云々と不満もかなり書き連ねておりましたが
ロシアのプロダクションを丸々上演できたのは今思えば幸運であったとしみじみ。アリーエフ版の再演も願っております。




ミラノ・スカラ座復刻版『ライモンダ』DVD。主演はノヴィコワとフォーゲル。フォーゲルは円熟味と締まりが増した現在の方が魅力ある気がいたします。



夕日が綺麗に照らす南柏駅のホーム。

2023年11月21日火曜日

古典の味を重んじた新版   東京バレエ団『眠れる森の美女』11月11日(土)








11月11日(土)、東京バレエ団『眠れる森の美女』を観て参りました。斎藤友佳理さん新演出版の初日です。
https://www.nbs.or.jp/stages/2023/sleeping/


※キャスト等はNBSホームページより

音楽:ピョートル・チャイコフスキー
台本:イワン・フセヴォロシスキー、マリウス・プティパ(シャルル・ペローの童話に基づく)
原振付:マリウス・プティパ
新演出・振付:斎藤友佳理
ステージング・アンド・プロダクション・コンセプト:ニコライ・フョードロフ
舞台美術:エレーナ・キンクルスカヤ
衣裳デザイン:ユーリア・ベルリャーエワ
照明デザイン:喜多村貴

国王フロレスタン14世  中嶋智哉
王妃          奈良春夏
オーロラ姫       沖 香菜子
デジレ王子       秋元康臣
カタラビュット、式典長 岡崎隼也
悪の精カラボス     柄本 弾
リラの精        政本絵美

- プロローグ -
妖精たち:
カンディード(優しさ)         三雲友里加
フルール・ド・ファリーヌ(やんちゃ)  涌田美紀
パンくずを落とす精(寛大)       足立真里亜
歌うカナリヤ(遊び心)         安西くるみ
ヴィオラント(勇気)          伝田陽美

- 第1幕 -
4人の王子: フォルチュネ王子     ブラウリオ・アルバレス
シャルマン王子      鳥海 創
シェリ王子        安村圭太
フルール・ド・ポワ王子  後藤健太朗

- 第2幕 -
公爵令嬢             榊優美枝
ガリフロン、デジレ王子の家庭教師 安村圭太

- 第3幕 -
宝石の精: ダイヤモンドの精       伝田陽美
サファイヤの精        二瓶加奈子
金の精            足立真里亜
銀の精            加藤くるみ
プラチナの精         池本祥真、安村圭太、鳥海 創、加古貴也
長靴をはいた猫と白い猫    後藤健太朗、涌田美紀
青い鳥とフロリナ王女     生方隆之介、中島映理子
赤ずきんと狼         安西くるみ、岡﨑 司
親指小僧とその兄弟と人食い鬼 髙橋隼世
大野麻州、小野陵介、小仲 花、野本紗世、長谷川結子、花田純之介、矢崎佳奈海

指揮: トム・セリグマン
演奏: 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
協力:東京バレエ団OB・OG、東京バレエ学校


沖さんのオーロラ姫はオーラが実に眩く、登場時に薄茶なカーリー鬘付きであった衝撃もやんわりと中和させてくださったのは
ぱっと華やぐ顔立ちで小顔、手脚が長く恵まれたプロポーションであるため装着の違和感が最小限であった救いによるものでしょう。
やや技術で不安定な箇所はあったものの、ゆったりした音楽を持て余さず四肢が伸び、終始姫らしい輝く気品を放っていた印象です。

プロローグの妖精は技術達者な方々ばかりで盤石な踊りを堪能。さりげなく小難しい回転取り入れられた
難度高き振付ながら、ぎこちなさ皆無で紡いでいく光景に層の厚さを再確認。
とりわけ足立さんが爪先で細かく奏でるように踊るパンくずを落とす精(寛大)、
シャープに潔く切り込んで角度を整えていく伝田さんのヴィオラント(勇気)が脳裏に焼き付いております。
伝田さんの職人芸な踊りは古典、モダン問わずいつ観ても気持ち良く目が冴え渡り
3幕での硬質に捌くダイヤモンドも宝石隊の隊長としてびしっと場を引き締めていらっしゃいました。
フロリナ王女中島さんの張りのある強さと優雅さを放つ踊りや生方さん青い鳥の柔らかく高く舞い上がる飛翔も目を惹く2人です。

事前に目を通した斎藤監督のインタビューにて非常に力を入れた旨が書かれていた幻影の場面の
オーロラ姫、、デジレ王子、リラの立ち位置関係は上の階から眺めるとリラを軸にオーロラと王子の間に、リラのお付き達と森の妖精達が整然と壁を作り隔てながら
王子の恋心を更に昂らせていたと見て取れ、もどかしさの強まりが伝わるひと幕。
秋元さんが着こなし難しい白っぽい衣装ながら(絵になるのはハードル高きデザイン汗)
繊細な恋心を全身で体現され、ポーズ1つ1つの連なりも端正。もう少し踊る場面もあれば見応えある場と化していたかと思います。
しかしこの場面、1階席での鑑賞者によれば姫と王子達が妖精達に隠れて何をしているのか非常に見え辛いそうで
床照明でもないのに上の階から観るほうが流れがよく分かるとは皮肉なこと。再演時は要改善な点の1つかもしれません。
加えてリラが何でもかんでも御膳立てな進行で王子が剣も持たずそんなにも踊らず
王子の試練乗り越えが見えにくく残念。何時の間にか眠る姫出現な流れも少し首を傾げました。
舟のリラ号は大き過ぎず小さ過ぎず、船舶免許なくても問題なさそうなサイズで一安心。(無駄に大きい団もある汗)

通常はオーロラが踊る部分も担当するなどやること盛りだくさんな大忙しな妖精として描画されているリラを
政本さんは凛とした威厳で魅せ、すらりと高い身体を粗なくコントロール。優しい母性よりもクールな統率力で惹きつけ安堵感を与えるリーダーでした。
柄本さんカラボスは烏の頭がデカデカとリアルに屋根部分に設置された椅子に腰掛け登場したときは烏の頭にばかり目がいってしまい困り果てましたが笑
(夜行バスに乗車されたことがある方、顔を覆う半球型のカバーがついている座席のカバーが烏の頭とご想像ください)
腰を曲げて歪ませながら歩く姿もふと上げた顔からも恐怖より寂しさが入り乱れ、招待枠から漏れてしまった悲しみが仕草からも伝わって
薄幸な雰囲気を醸し出し、悪女では全くない造形。だからこそお城を脅かす存在となってしまっても何だか頷けてしまう説得力がありました。
歩くときに杖に手と脚がやっと追いつくような、歩くのも精一杯な姿も、他日に王子を踊る人と同一人物に思えず。

特に演出で好ましい印象を持ったのはじっくりと描写した目覚め。目覚まし時計倍増なファンファーレも好きであると同時に
オーロラと王子が愛情を確かめ合う所謂目覚めのパ・ド・ドゥの音楽両方好きであるため
どちらも取り入れた振付観てみたかったのです。前半に眠りの静寂から少しずつ解放され王子と心を交わす過程を丁寧に、
後半ではファンファーレ目覚まし音楽にのせて両親達を起こしにいく晴れ晴れとした様子を描写。
オーロラのベッドがいたく狭そうで新幹線のグリーン車席1席分かと思わせた点を除けば(柵もないため寝返り打ったら落下しそう)工夫光る演出と捉えております。

記憶が正しければ2005年まで上演していたバレエ団オリジナル全幕版の衣装美術が
とにかくコテコテ大レトロな色味、デザインであったためひとまず衣装や美術一新はめでたきこと。
前版を私が観たのは2005年夏の小出領子さんとマニュエル・ルグリ主演の1回のみで、
創立早々から海外公演多数の名門バレエ団ですから三大バレエもさぞ豪華絢爛な衣装美術であろうと予習もせず期待だけして行ったら
巨大なピンク色リボンが描かれた背景といいフラダンスか南国の舞踊を思わす森の妖精達といい
目を疑うようなセンスの連続に上演時間中は空いた口が塞がらぬままであったのは未だ忘れられぬ衝撃でした。
ただこれは序の口に過ぎず、翌年の世界バレエフェスティバル全幕プログラムで初めて観た
『白鳥の湖』村人衣装やロットバルトのアップリケがもう1段上を行くセンスでしたから眠りの衝撃は薄れていったものです。
ただ前版眠りは制作時期が昭和の真っ只中でしたから平成半ばの時代に観て今ひとつ時代錯誤な印象を持たせたのは仕方ないと諦め
その後はマラーホフ版眠りが取り入れられて2006年、2015年の2回鑑賞したのち、遂に令和になってようやく東京バレエ団の新版眠りが完成。まずは安堵です。

そうはいっても令和の日本のバレエ団の全幕新制作にしては衣装において疑問を投げかけたくなるセンスもあり
中でも姫の鬘がローズアダージオ登場時に視界に飛び込んできたときは思わず脳内ソ連にタイムスリップして「セミゾロワ??」
幸いにも私が観た日の沖さん、そして他日主演された秋山さん金子さんともに写真で見る限り似合ってはいたため良かったものの
繰り返しにはなりますが日本のバレエ団の新制作で姫の鬘付きはびっくりでございました。
私もロシアバレエ特にボリショイは好きですし、斎藤監督のロシアバレエへの愛着は分かりますが姫の鬘は疑問に残りました。
また古典バレエの最高峰と呼ばれる、究極のお伽噺な作品なだけあってしかも3幕は贅を尽くしての結婚式。
一部の衣装だけでも調和がずれると途端に全体のバランスも危ういと思わせ、親指小僧とその兄弟と人食い鬼達の色違いベッタリ原色勢揃いデザインは
いくら他の物語からの客とはいえども場違いな印象を抱かせてしまった気がいたします。赤ずきんは可愛らしかったが赤と緑の主張が強すぎた感が拭えずでした。

一方でうっとり見入った衣装も勿論あり、プロローグ妖精達は色味も頭飾りのデザインも全て異なり、
石だけ色違いですと言われても客席からは分かりません状態になる初台と同じ事態にならず笑。
カヴァリエ?達はリラ色で纏められたと思われますが色味が強いせいかラベンダーにも思えたものの男性陣の踊りもレベルが高く統制が取れていてラベンダーズ大活躍。
(初台はブルーインパルス。どうしても呼び名を付けたくなる性分や風変わり着眼点をお許しください)
ヴィオラント(勇気)のルビーで纏められたような高貴できりりとした色彩や、フロリナ王女の胴部分はベルベットでチュチュは淡めのブルーで整えた組み合わせも上品。
宝石女性陣もそれぞれの宝石が持つ特徴をよく表し、サファイアの渋めな青もまた良きスパイス。
対して男性4人のプラチナが皆お揃いである上に宝石らしい煌めきは随分と抑えめであったのが惜しい気もいたします。
1幕オーロラはひとまずピンク色であるのは胸を撫で下ろしたところですがテカリが目立った印象が先行してレトロな漫画や絵本を彷彿。
沖さんに似合っていたから良かったが。

郊外の高速道路から見えるゴテゴテな宿泊施設思わすセンスから脱却して装置は壮麗且つ洗練度も上がり、3幕の多層な柱とアーチで彩られた大広間は隅々まで観察。
貴族は1着1着衣装も違って凝った作りながら1幕も3幕ももう少し人数増やした方が隙間が無く豪華さも前面に出ると思いました。
一部東洋人にはしっくりしづらいピンクもあり、これまた少女漫画趣味かと思えたものの
初日の客席も舞台もまだ緊張走る日であったせいか私が何でもかんでも過敏反応してしまっただけかもしれません。
ロシア(旧ソ連含む)の古典の味を重んじた斎藤監督版、現在ではもはや貴重かもしれないメルヘン要素が濃いめな王道眠りでございました。





2幕装置



3幕装置



上野駅近くの喫茶古城へ、ど迫力な入口。






1幕オーロラ、ピンク色衣装で安堵、ふわふわと泡立ついちごジュース。



翌日、秋山さん宮川さん主演日を観た我が後輩と合流してロゼで乾杯。キャスト違い感想に興味津々!

2023年11月19日日曜日

世田谷ダイフク  DAIFUKU Strong.B 2023  11月5日(日)《東京都世田谷区》




11月5日(日)、下北沢の北沢タウンホールにてDAIFUKU Strong.B 2023昼公演を観て参りました。




GUEST MUSICIAN & DANCER
HIRONA
井上興紀  大塚卓  梶田留以  二山治雄  福田圭吾  林高弘  横山柊子  渡邊拓朗


同題のStrong Bは2020年に横浜で観ておりますがキャストも入れ替わり、新鮮さが迸る舞台に仕上がっていました。
ビートボクサーHIRONAさんの声と舞踊がぶつかり合い生じる刺激が痛快であるのは変わらず。
設置された上下2構造のステージを生かし、福田さんを筆頭に黒系の衣装でダンサー達がクールにうねりながら踊り続ける光景は終始ゾクゾクとした快感が舞い降りてきました。
作品名は全てがBで始まる名称で揃える粋な演出。Bのみで振付にぴたりと嵌る名称がよく12本も思い浮かぶものだなと大和さん福田さんの構想力の高さが窺えます。

まもなく開幕するバレエの美神で上演される予定の某作品の日本語版ともいえる「Ballet」の後継者は渡邊拓朗さん。
卒業式での挨拶に臨むために壇上を歩く総代の如く大真面目な風貌と足取りでバレエ学校の生徒のような格好で現れたかと思えば
福田圭吾さんによる「あ・アラベスク、、、」等の五十音順の語りにのせて、ゆったりのときもあれば早口のときもある
変化に富んだ予測不可能な語り口に柔軟に対応しながら次々とポーズを披露。とにかく背も高く貫禄も備え、ガシッとした身体つきであるため
何をするにしてもタウンホールが狭く思えてくるほど大きく見栄えするにとどまらず
滑稽或いは可愛らしいポーズを取ると余計に可笑しく映り、締めた螺子が取れかけ発展していく様子に笑い止まらずでございました。
特にバレエのあの女性芸人さんの決めポーズは吹っ切れたキュートぶりで、またもし吉田都監督が来ていたらメンタルが心配云々の下りは
ドンキのボレロでもジプシー頭領でも何でも、初役であっても全くそう見せず、余りに堂々としているため
緊張とは無縁そうに見える拓朗さんのオドオドした様子はここでしか見られないかみしれぬ貴重なお姿で、そう思うと更に笑いが加速。
(ファンの方からはお叱り受けるかもしれませんが、ドンキを連日観ておりましたら
拓朗さん、ロレンツォもすぐさまできそうな気がしてなりません。頑固を超えて雷親父になる予感笑)

そしてDAIFUKUでの大きな楽しみの1つ、梶田さんのしなやかさにこの度も痺れ、静動の対比も巧みに操りながら体現なさっていく踊りに釘付けでした。
今回様々なダンサーとペアを組まれていたお姿も何だか新鮮。横山さんの地底からパワーが沸くような颯爽とした踊りも観続けていたいと思わせ
空中剃刀のようにスパッと登場しては瞬時に旋風を巻き起こしていく二山さんの存在感も鮮烈でした。

北沢タウンホールは初訪問。私が所属していた高校の吹奏楽部がこのホールを定期演奏会で利用していた年もあったと聞いており、
会場構造確認も目的の1つ。前後左右どの席に座っても観易そうな作りで、DAIFUKUでは均一料金の場合が大半のため大概前方を購入しがちでしたが
今回は珍しく後方席。全体がよく見渡せると同時に観客の反応も視界に入っていて、これまでとはまた違った面白味もたっぷりに鑑賞いたしました。
後方席とはいえども、団体の垣根超えた共演で身体能力の高さやしなやかさを息遣いが間近に感じる空間にて鑑賞でき、楽しい公演でした。是非継続を願います。
昨年板橋区で披露された上演重ねているHOME、サラリーマン達の哀愁を盛り込んで初演された作品も再演お待ちしております。



ダイフク帰りは福田さんがアトレインタビューにてお好きと語っていらしたことを知って以来はハイボールで乾杯。
そして下北沢訪問時はカレーが必須な私です。通りすがりにメニュー見て入店。スパイシー感度が強く濃い、しかし後味爽快。半熟卵も味変化に貢献。



映画『風の谷のナウシカ』公開年の西暦が記された自家焙煎コーヒー店を発見。この年の生まれの方々は子年です。
そういえば、新国立ドンキ愛知公演にて、名古屋訪問初日に訪れたコーヒーハウスかこは1972年創業。ともに子年と縁あるお店のようです。



ドリップコーヒーをテイクアウト。カレーの後のコーヒー、一段と美味しくすっきり。嬉しい1杯でした。

題名を書いていて思い出した。下北沢の駅隣、世田谷代田も箱根気分を味わえる温泉やトトロのシュークリームのお店等立ち寄ってみたくなる場所が揃っています。
各駅停車しか止まらぬ駅のため、住みたい街の上位に入ることが多い下北沢の影に隠れている感はありますが
機会あれば世田谷代田もぶらり途中下車なさってみてください。

2023年11月16日木曜日

でら楽しい名古屋ドンキ 新国立劇場バレエ団『ドン・キホーテ』愛知公演 11月3日(金)4日(土)《愛知県名古屋市》





11月3日(金)4日(土)、新国立劇場バレエ団『ドン・キホーテ』愛知公演を2日間観て参りました。
https://www-stage.aac.pref.aichi.jp/event/detail/000987.html


会場地下のビジョン看板






愛知県芸術劇場フェイスブックより、2日目主演の木村さん渡邊さん組の晴れやかな写真もございます。

新国立劇場バレエ団『ドン・キホーテ』が閉幕しました。 2日にわたりたくさんのご来場ありがとうございます。 素敵な舞台を届けてくださった本日の主役のお二人をパチリ!木村優里さん、渡邊峻郁さんをはじめ、ダンサーの皆さまおつかれさまでした。 昨...

愛知県芸術劇場さんの投稿 2023年11月4日土曜日





3日キャスト



4日キャスト



※愛知県芸術劇場ホームページより

芸術監督:吉田 都
振付:マリウス・プティパ / アレクサンドル・ゴルスキー
音楽:レオン・ミンクス
改訂振付:アレクセイ・ファジェーチェフ
美術・衣裳:ヴャチェスラフ・オークネフ
  照明:梶 孝三
指揮:冨田実里
管弦楽:セントラル愛知交響楽団

【11/3公演】
キトリ:米沢唯
バジル:速水渉悟
ドン・キホーテ:趙 載範
サンチョ・パンサ:福田圭吾
ガマーシュ:奥村康祐
ジュアニッタ:廣川みくり
ピッキリア:飯野萌子
エスパーダ:木下嘉人
街の踊り子:奥田花純

メルセデス:渡辺与布
カスタネットの踊り:朝枝尚子

ジプシーの頭目:中家正博
2人のジプシー:小野寺雄、宇賀大将

森の女王:吉田朱里
キューピッド:五月女遥

ボレロ:益田裕子、渡邊拓朗
グラン・パ・ド・ドゥ
第1ヴァリエーション:池田理沙子
第2ヴァリエーション:直塚美穂

【11/4公演】
キトリ:木村優里
バジル:渡邊峻郁
ドン・キホーテ:中島駿野
サンチョ・パンサ:宇賀大将
ガマーシュ:奥村康祐
ジュアニッタ:山本涼杏
ピッキリア:花形悠月
エスパーダ:井澤 駿
街の踊り子:柴山紗帆
メルセデス:益田裕子
カスタネットの踊り:原田舞子
ジプシーの頭目:中家正博
2人のジプシー:木下嘉人、上中佑樹
森の女王:中島春菜
キューピッド:廣川みくり
ボレロ:川口 藍、中島瑞生
グラン・パ・ド・ドゥ
第1ヴァリエーション:五月女遥
第2ヴァリエーション:飯野萌子


愛知県での観劇は16年前2007年のBALLET NEXT  市川透さん振付演出の『ドン・キホーテ』以来でございます。
当時高校生ぐらいのご年齢であっただろう現在ファーストアーティストとして活躍中の原田舞子さんが森の女王役に抜擢され出演なさっていました。

初日キトリの米沢さんは登場時から盛大な拍手で迎えられ、地元愛知の方々の待ち侘びた気持ちが伝わる盛り上がり。
本来ならば3年前『不思議の国のアリス』愛知上演予定が中止を余儀なくされ、3年越しに叶った凱旋公演の成功が1幕序盤から確信させるものが光っていた気がいたします。
あとにも少し触れますがこの日私は愛知県芸術劇場での観劇は初で、5階席つまりは最上階鑑賞。
5階席も座席は10列はあったか、正面扉を開けたときの舞台までの遠さやオーケストラピットの穴に吸い込まれそうな距離にびっくりしたものですが
始まってみると1列目であった点を差し引いても臨場感たっぷりに観易い。
直前まで目にしていた劇場隣のオアシス21で開催中であった大規模なマルシェにも負けぬ生き生きとしたバルセロナの活気が
プロローグ直後から眼前を覆い、そこへ米沢さんが鮮やかに颯爽と登場。跳躍1つ1つも高く、街並み全体の幸せの色が濃くなっていく光景が広がっていました。
お扇子フェッテもクリアに難なく披露され、東海以西では漏れなく付いてくるのか手拍子にも狂わされず。
(16年前に観た愛知ドンキでの手拍子有無の記憶が彼方で今回検証したかった事の1つでした)
薄いピンク色チュチュを纏ったドルシネア姫の澄んだ美しさも印象深く、脚を優しく差し出すときといい柔らかくも強靭なコントロール力といい
街中や酒場で賑やかに舞っていた人物と同じには思えず。パステルカラーの優美な世界観を体現されていました。


速水さんは東京公演初日の勢いまっしぐらに比較すると振付ももしや少し変えていたかやや抑え目に思えたものの
1つ1つの要素が丁寧になった印象。そうはいってもハイレベルな技巧繰り出しの連続で酒場では隣のテーブルも回るサービス笑。
床屋開業前は酒場勤務だったバジルであるのかはさておき、終始沸かせてくださいました。
また米沢さんをしっかり引き立て、中でもカーテンコールでは故郷の止まらぬ大声援大歓声に応える米沢さんを大事に支え、深々とお辞儀する清々しさも好印象でした。

一段と目を惹いたのは吉田さんの森の女王。ただ手脚が長いだけでなく全身にきちんと芯が通っていて、その上ですっと伸びる美しさに目を奪われました。
場を支配する強さや格調高さ、威厳がありながらも身体の節々から放つ空気は優しく、心の隅々まで癒される妖精の女王で見事。
五月女さんキューピッドの地面に脚が付いてなさそうな軽やかな足取りにも殊更注目で、
ヴァリエーションにて斜めに回転移動して行くところだったか、後にも記しますが目の前に太い手摺りの影響で一部見え辛い箇所がある中
五月女さんの上半身は全く見えず脚先だけが見える事態に暫くなったものの、
脚先、ポワントワークの数秒だけでもスタスタと巧みに語る技術の高さに再度平伏したくなりました。おかしな鑑賞方法であったかと思いますがご了承ください。
それから3幕直塚さんの第2ヴァリエーションもよく眺められ、くっきりとした立体感や存在感、
そして音楽を全身でたっぷり使いながら抑揚を付けた踊りに目が自然といきました。跳躍も軽く高く、力みもなし。

2日目キトリの木村さんは終始薔薇の如き華麗な舞台姿で魅了。東京公演で無事全幕復帰を果たされましたが
踊りにパワーが更に増してアクセントの付け方もはっきりと出していて、序盤の賑やかな音楽の迫力にも負けぬ登場であっと驚かせてくださいました。
カスタネットのソロでの空気を切るように潔く刻んでいくステップも爽快で、体幹や軸が随分と強く安定したと天晴れ。積み重ねたトレーニングの成果でしょう。

※暫く長く続きます。急に寒さが訪れ、温かいものを摂取なさってください。食べ逃した味噌煮込みうどんを今こそいただきたい管理人でございます。

渡邊さんは熟練の難技や高度なサポート、茶目っ気も連発。東京公演でも感じましたが脇の初役者多数で木村さんの全幕復帰第一弾作品における舞台を取り纏める姿は
まさに大黒柱な男前バジルで、名古屋でも健在でございました。今思い出してもニンマリが止まりません笑。
ギター持っての登場からして背中で街の賑わいを引っ張る頼もしさを見受け
単に背が高いからではなく、大人数が立ち並ぶカラフルな街を背景にしても舞台姿が実に大きく思えたのでした。

また舞台全体を捉えての目線の配り方も余裕があり、例えばキトリのカスタネットソロでの
手拍子や音頭を取りつつも(日本の祭りではないのだが笑)友人を始め街の人々と語らいながらキトリを盛り立てる姿からは度量の大きさに触れた思いがいたします。
1幕片手リフトなんぞ、いつまで持ってりゃー?と叫びたい衝動に駆られるくらいに長くそして更に高く持ち上げてまたキープ。気は優しく力持ちです。
テクニックも東京に続きいたく好調で、サラリとした品の良い持ち味とはまた違った豪快且つ美しい技を次々と繰り出していてアピール度も上昇。
ああやはり思い出すボリショイ来日公演でございました。体格も前回バジルの2020年に比較するとだいぶがっしりとした上に技の1つ1つの鋭さや精度も抜群で
踊りの輪郭が濃く太くなられた印象です。技巧の大博覧会なお姿の連続に酔い痴れました。
しかしただ跳んで跳んで回って回ってだけの技術特化店ならば
例え夢想花は好きな曲であっても(お若い世代の方、各自お調べください)即座に閉店作業に私は入るところですがそれにとどまらず。
共演のキトリ友人に抜擢された花形さん山本さんとのトロワでの2人を安心させ伸び伸びと楽しんで踊れるように一呼吸置きつつ
2人の顔を見て気遣い、両脇の2人の背中を押すようにしてのズンチャカチャッチャン飛び出しや(高速な曲ですがバジルが1人爆走してもあかんのです)
一見真面目そうでも大の浮気性で(これ大事)、キトリが好きであっても友人の美女達にに弱い情けない部分もさらけ出して憎めず笑
キトリに烈火の如く怒られて逃げ去るとほほな姿や序盤に両腕に花状態で3人見つめ合いながら立ち去り
放置されたキトリとやってきたガマーシュのやりとりを野次馬同然に傍観しているもののキトリのイタズラ成功を見るなり駆け寄って一緒に過ぎ去る様子といい
その場面毎に主要な女性キャラクターの間を往来もがっちりとリード。
酒場では東京と似ていて薔薇をワインに浸けて新しい味と香りを開発していたようで笑、キトリ、友人との女子会に1人男で仲睦まじい会合な光景でした。

ただ今回のドンキ2023にて最大のひやりハプニングが起き、狂言自殺実行のために登場したバジルが飛び乗った下手側のテーブルがぐらぐらと大揺れ。
新国立ドンキ史上では2000年頃だったか、私はまだ観ていないころですが雑誌の批評にも記載されていた
酒井はなさんのポワントのリボンが解けてしまったときと同様の冷や汗なハプニングかもしれません。
テーブルは転覆寸前な舟同然な状態で、バジルの体幹が相当強かったのか踏ん張りながらどうにか横転は免れましたが客席の一部からは驚きや悲鳴も聞こえてきたほど。
乗っかる直前にガタンと大きな音が聞こえましたから何かアクシデントは起こっていたもようで
そのまま滞りなく舞台は進行したものの、居酒屋店主の西川さんが青ざめながらテーブルを確認されていて
素なのか演技かもう分からず。少々不安が残る酒場ハイライトの始まりでした。

しかし主役お2人は何のそので、マントのお布団に倒れこむ寸前にキトリとちゃっかり打ち合わせの合図を交わしもたっぷりと笑いを誘い、
3幕グラン・パ・ド・ドゥでの、ファンダンゴの方々が咲かせた真っ白い花々が覆い尽くしていた舞台上の空気を更に一段階引き上げながらの堂々のご登場や
アダージョはリフトも繋ぎの部分も含め全てがダイナミックに映え渡る完成度でございました。
木村さんのお扇子フェッテも東京より好調で、舞台から脚が生えているかと目を疑ったほど。パワフルに嬉しそうに回転する姿に、
また手拍子にも惑わされず(西日本はどうしても発生してしまうもよう汗)安定感を維持なさっていた点も含め大拍手を送った次第です。


そうでした、誠に失礼な話ですが渡邊さんは私の中では鑑賞において歴代最たる540(よく男性ダンサーがソロやパドドゥコーダに取り入れている身体を捻るような回転ジャンプ)
ヒヤヒヤダンサーに輝く1位でしたが今回は印象激変。そもそも新国立劇場では初披露だったかと思いますが
4年前の発表会での創作作品にて披露されましたがかなりの低空飛行で床スレスレな上に、高身長でしかも手脚が長いダンサーには元々不向きな技と思っておりました。
当時近くにいた、生徒さん達のお友達と思わしき中学生達と共に客席でヒヤヒヤと声をあげてしまったひとときが懐かしく思い起こされます。
ところが、2021年のライト版白鳥の湖初演時の前のインタビューで仰っていた踊り方改革から拡張を遂げ
渡邊さんの中で身体改革、技術革新も実践されたのか、この度私の中ではヒヤヒヤから一転、余裕部門の殿堂入りを果たされました。
年齢の経過には抗えないはずが、技術においても一層勢いや精度が高度化しているお姿に拝みたくなったドンキ2023でございます。
あとそうだ。感情のルーレットも巧みで、貴公子やシリアスな鬱屈系の役のみならずバジルのようなお調子者で浮気性の下町青年として
喜劇も難なくこなしていらしたお姿から、うう2月にフランツを生で観たかった無念さが再び募りました。

思えば前日が地元愛知県ご出身の米沢さん主演日でしたから、公演概要発表当初は愛知や東海とは
所縁が決して深くはなさそうな木村さん渡邊さんの全幕本公演主演に心配もしていたものの1幕からすぐさま客席の温度も上がり、心配もどこへやら。
振り返れば、2019年には子ども『白鳥の湖』大阪フェスティバルホール公演における直前(2日前くらいでした)での木村さん渡邊さん代役主演決定もあり、
そのときも最初こそロビーは変更告知版を見るや否や「誰やー??」とぼやく方々もいたり、
甲子園球場並みの野次を飛ばさへんといてと背後から祈らずにいられぬお客様もいたものの笑(もし我が手元にパイン飴あったら差し上げたかも。いや、当時は矢野監督だった)
始まってしまえば客席の集中度がみるみると高まり、立派な務めを果たされた日が懐かしく呼び起こされました。

他、印象に残った方々も大勢。宇賀さんサンチョがトランポリンにて名古屋スペシャルだったのか飛び上がったときに鯱な反りポーズで沸かせ、
宿の見習い子供達に追いかけられた挙句にお尻をロレンツォに叩かれるときは海老反りな空中姿勢を披露。動き1つ1つも大きく細かくなって、ご主人にお仕えしていました。
両日サンチョがラッパを吹いて倒れ込んだとき帽子が取れてしまったものの、初日は背後にいた原さんと木村優子さん、2日目は原さんと廣川さんだったか
さりげなく拾って不思議がりつつそうこうするうちにサンチョが返却求めにやってくる流れを自然に作っていらして、咄嗟の判断見事でした。

カスタネットの女性を挟むギターペアの1人の大木さんからは演歌が聞こえてきそうな身体のしなりが感情を熱く響かせ、
嘗て私が家電量販店販売係員をやっておりました建築現場対応可能な広角レンズ搭載カメラの気分で
酒場テーブルとカスタネットギタートリオを上手いことフレームにおさめつつ鑑賞。我が眉間が長くなったに違いない笑。
3幕飯野さんの雲がふわりと溶けるように優美な職人芸光る第1や、五月女さんの無重力な連続跳躍に口あんぐりな第2も東京に続き匠の技を堪能した気分です。

名古屋特別版!?であったのが、いつもは研修生と思わしきジプシー野営地の人形劇を新国立ダンサーが演じ、
見間違いでなければ東洋の王子を池田さんが演じていたかと思います。人形全員背が高くなった気がして目を凝らして双眼鏡で確認した限りですが、
全国公演の場合人件費抑制策も重要となってくるため特別版なキャストもなかなか楽しいものです。間違いなければ2日目は貴族に福田さんも入っていたかと思います。
忘れもしないのが2007年『シンデレラ』新潟公演にて1幕ダンスレッスン場面にて本来ならば実際のヴァイオリン演奏者が2人登場してくるところで
新潟公演では録音音源のため、オケ帯同無し。しかし大事なダンスレッスン場面でありさあどうするのか見守っていたところ
千歳美香子さんと本島美和さんが男装してエアーヴァイオリン披露でございました。
2013年新潟公演では千歳さんと長田佳世さんだったか。他にも2007年新潟は馬車の引き手御者が全員王子の友人で、
広いとは言い難い舞台で息を合わせながらカーブもやり遂げたり、2019年のアラジン富山公演では
東京ではエキストラが入っていた浴場の番人?な方々を演技達者な新国立ダンサーで賄う等、思い起こせば全国公演限定特殊部隊の活躍も色々ございました。

今回東京から通して宿屋の様子も一段と楽しく観察。前回2020年は密を避けるため見習いコックの子役なしで
宿屋はロレンツォ夫妻も悩む宿泊施設人手不足ツーオペ営業だったわけですが今回はこれまで通り3人の見習いの子供が入りました。
実は芝居量、移動も多く、ただ立っているだけでなくキトリの登場を一緒に盛り上げた後バジルが登場する寸前にロレンツォに呼ばれ中へ入って開店作業に取りかかったり
バジルの姿を見て激怒ロレンツォの飲み物落としの後始末やタイミング見ながらドン・キホーテ達への接客をもこなす、
流れを自然に見せるための入念な準備と大人顔負けのアドリブ対応力も不可欠な役どころ。
時にはロレンツォ夫妻にたっぷり可愛がられていたり、街の人々ともお話ししたりとどの日を観ても上手にこなしていた印象。
子供の労働と思うと孤児か何か暗い影が背景にはあろうかともふと過ったものの、バルセロナに活気づく街での活躍ぶりに拍手を送りたくなりました。
2日目はドン・キホーテがガマーシュの頬っぺの赤らんだ部分を褒めて愛おしむ場もあったかと記憶。お互い愛する人を求めるのは共通で、
しかし実は同じ人物に心を寄せていたと判明しても、修羅場にならなかったのは宿テラスにて人間関係の構築がなされていたのも理由かもしれないと思えたひと幕でした。

東京公演感想でも触れたように、辻褄が曖昧でキトリバジルとジプシー達の絡みもなく、
結婚式は公爵の館開催のため両親も臨席しない、一貫性に欠ける、縦に伸びた簪が古い味を与える、
闘牛士達が立てたナイフを間をパ・ド・ブレしていく街の踊り子の教習所ジグザグダンス(新国立ドンキテレビ放送時に妹が命名した)も
ロシアのドンキをあまり目にしていなかったせいか最初は目を疑い、ファジェーチェフ版を初鑑賞した2005年から疑問が残っておりました。
当時既に再演も重ねていましたから我が前回愛知観劇である2007年BALLET NEXTの市川透さん版のほうがよっぽど物語に無理矢理感がない上に
(ボレロを踊るのが野営地でキトリ達の世話をしたジプシーの男女で、結婚のお祝いに駆け付けた設定だったかと記憶)
せっかく団員の振付演出である点も面白く、市川さん版の取り入れを提案してアンケートに記入したこともございました。
結局新国立劇場バレエ団では初演の1999年から本物の馬使用や途中幕前でのレベランスを除けばほぼ変わらずのまま上演。現在に至っております。
ただ館でのファンダンゴは今回再度唸らせ、上から観ても1階舞台近くから観ても、白レースや白帽子に白衣装を纏っての大行列が圧巻。
後半以降はいよいよグラン・パ・ド・ドゥが始まる気運を盛り立てる高揚感を全員で体現していて
街の広場に戻っての式ならばこの踊りはなかったかもしれないと思うと公爵の館もまあ良いか笑。

それから私の学習不足で、5階席最前列で鑑賞したところ手摺りが被ってしまい、視界の舞台上は終始斜めに金色の太い手摺りの線が描画。
こればかりは仕方ない。私と似た、身長163cm座高高めの体型の方は特にご注意ください。
ただ手摺りがキンキラキンとした立派な作りで、これはこれで見る価値ありです。

尚、4日(土)は公開クラスレッスン開催。先着200名で先頭の方は何時頃にお並びになったのか分かりかねますが、5月の東京と同様大盛況ではございました。
男性ダンサーは全員、女性ダンサーはアーティスト以外はいらしたかと思います。
定点観測でしたので(少し前でもないが天体観測という素敵なドラマがございました。懐かしい)
全体の詳細感想は割愛。気になる方はご自身でお調べください。相変わらず無責任な姿勢をお許しください。
1階と2階の中間のような2階席が見学エリアとなり、見学者一同名古屋野鳥の会と化して双眼鏡手にカチカチ、ではなく舞台を懸命に覗きながら見学いたしました。
これを書いていたらもう紅白の出場者発表、白組の顔ぶれがだいぶ変わりましたが1年早いものです汗。
管理人は先述の通り定点観測でしたので、プリエ終わったらもう脱いでピチピチ短パンにノースリーブじゃ
やはりガタイが逞しくなった!等と心の中で呟きながら終始観察。
舞台袖での待機中のお姿やバジル取り入れたポーズに至るまで、観察が楽しうございました。
お隣との方とも一緒にお腹抱えて笑ってしまったのが、センターレッスン時にあるグループに2人しか入らず、もっとちゃんと入って!!と陳さんが叫んでいたかと記憶。
オープンクラス初級とさほど変わらん注意に客席もドッと笑いに包まれたひとときでした。
山田さんは相変わらずバレエ大好きTシャツをお召しになっていて、ウェアが目立っていました。西川さんの、半袖に長袖と書かれたシャツも目が行ってしまいます笑。

3年越しの愛知公演が実現し、米沢さんの凱旋公演を観て、クラスレッスン見学もして、渡邊さんの大黒柱な逞しいバジルも観て
大満足な16年ぶりの愛知観劇でした。東海地方随一の大都市で公演も多数ありそうな地域ながら2007年以降鑑賞での訪問は遠ざかっており
名古屋駅での乗り換えは姫路市での鑑賞前日に三重県の伊勢神宮や鳥羽水族館を訪れる道中では何度か利用いたしましたが
まさか16年の年月が経過した頃にようやく名古屋を再訪し観劇する機会に恵まれるとは、
しかも演出は異なれど、一番のお目当ての出演者は変わっても作品は『ドン・キホーテ』。人生の旅路の巡り合わせは不思議でございます。


※ざっとしか観ていなかった、11月1日に愛知県芸術劇場から中継されていたワールドバレエデー、やっとこさ視聴いたしました。
指導は着任したばかりのバレエマスター森田健太郎さん。
広々としたスタジオでドンキ出演者ほぼ全員でしょうか、壮観な光景でした。
新国立にて、ここまで大人数でのレッスン中継は初かもしれません。
遠方に住む友人が、渡邊さんが英語で流暢に話していると興奮気味な連絡をくれまして、再度じっくり視聴。
そして5月のクラスレッスン見学でウェアが似た組み合わせであると嬉しく注目してしまった岸谷さん。
今回も注目していると、今回もやはり似ていて、パステルカラーの袖短めレオタードに
黒いショートパンツ、ピンクタイツでレッグウォーマー等無しのシンプルな組み合わせ。
日頃黒や紺系の寒色を好んで着用している、スカートもまず履かぬ私の姿形を知る方はゾッとなさるでしょうが
普段に着ないからこそレッスンでは膨張色を着用と決めております。
上中さんだったか、サッポロクラシック生Tシャツは新千歳空港で売っているのでしょうか。売っていたら購入したい笑。
そして渡邊さんのピチピチ短パンと筋肉くっきりの逞しく美しい脚線から繰り出すジャンプや回転も凝視。また週末ゆっくり視聴いたします。



※2泊3日して参りましたので愛知と名古屋写真集でら多めです。50枚はありそうです。辛抱強さに自信がある方や忍耐力を鍛えたい方のみご覧ください。
公演初日前日入りし、ジブリパークにも行きました。また名古屋のトラウマ、16年前の2007年愛知での初観劇となったBALLET NEXT 『ドン・キホーテ』にて、
早朝に東京出発するバスに乗って午後3時すぎに到着して遅めの昼食をとったところ
味噌カツで胃もたれ発生。きしめんとのセットできしめんはさっぱりといただけましたが
味噌カツはー初めて味わう濃厚濃縮なソースに加えて巨大なカツ。もたれるのも無理はありません。
うううう唸りながら会場へ行ったわけですが笑(開演してしまえば気分も溌剌。
キトリに歌を捧げるも呆気なく拒絶されるでらお茶目な山本隆之さんバジルに見入っておりました)
味噌カツは鑑賞前には食べないと決意。ところが今回は味噌カツどころか巨大な海老フライとの組み合わせ丼を食べても全くもたれず。
油や揚げ方も良かったと同時に我が胃袋、16年の時を経て丈夫に膨張化したようです。
また名古屋といえば、モーニング。3回行きまして、関係者や遠征組でも話題となりましたコンパルは公演初日の朝へ行き、朝も早うから海老フライサンド。
ひつまぶしはやはり鰻の苦手意識が先行して断念。せっかく米沢さんがダンスマガジン記事でもお勧めなさっていただけに
悔いは残りますがいつかミニサイズがあれば(あるんか?)食してみたいと思っております。
天気は連日晴天、他様々な名古屋の味や観光を満喫いたしました。それではどうぞ見てくだせえ。




11月2日(木)、ワールドバレエデーで盛り上がった翌日朝には栄に到着。バレエデー、中継時が昼休みと重なっていたためちょこっと視聴と、
出発直前に英語のご挨拶をチラッと見ましたがアーカイブ終了前にじっくり視聴する予定です。



さて、お目当ての喫茶店コーヒーハウスかこ花車本店へ。1972年創業です。この年にお生まれの方は子年でございます。



きました華やぐモーニング、シャンティールージュスペシャル。コーヒーはすっきりとした味。ママレードは創業時から変わらぬレシピだそうです。
カップの柄はそのときのお楽しみに、私に運ばれてきたのは金の獅子柄でした。管理人、獅子座寸前のぎりぎり蟹座。
負けず嫌いな情熱家と言われるらしい獅子座とは大違いな、でらマイペースで諦めが早い(時と場合にもよる)性格です笑。



地下鉄東山線で藤が丘まで行き、(平日通勤ラッシュの時間帯、オノボリ観光客が1人失礼いたしました)リニモに乗り換え。改札もジブリ模様!



本当に磁気浮上式のリニアモーターカーであるリニモで向かいます。無人運転で平日のそこまで込み合っていない様子であったため最前列へ。
2018年の新国立眠り初日終演後の着物企業主催トークショーにおける座席取りを思い出したものです笑。
(自由席と知り、着物着用のまま小走りでゲスト席近くを確保した管理人。執念が汗)



最寄駅改札。ジブリパーク看板がお出迎えです。



リニモは車両によってはジブリ柄。2024年には魔女の谷がオープンします。ラピュタやナウシカはオープンしないんかあ??
魔女の谷があるなら風の谷、腐海の世界、ペジテの工房、空飛ぶ島、スラッグ渓谷、などもご検討ください。
皆さん頑張って話についてきてください。一応バレエの感想ブログです。



ゲート。いよいよ入場。



空想科学なエレベーター。



地球屋。『耳をすませば』に登場する西司朗さんのお家です。カントリーロード~。青春の丘のチケットが無くても外観は撮影可能です。
映画の舞台を満喫されたい方は、東京の京王線ご乗車もおすすめです。



私が取れたチケットはジブリの大倉庫のみ。チケット購入が遅かった汗。先日ジブリ好きな方々とパークの話題となり、
そうでしたチケット購入したのは2ヶ月前。東京都小平市で渡邊さんがグラン・パ・クラシックを踊られた日の前日でございました。
大倉庫のチケットは平日であればまずまず取りやすいようでしたが、トトロ、そして11月1日にオープンしたばかりのもののけの里は既に入手不可能でした。



カオナシ。大阪の心斎橋パルコより大きめだったかと思います。先日初めて知りましたが、千と千尋の神隠しの略称はセンチヒと言うそうです。
ジブリ博士が教えてくださいました。



空から降ってきた少女。親方、空から女の子が!!の場面です。
10年以上前からぼやいておりますが、新国立劇場オペラパレスの舞台機構を使えばラピュタのバレエ化も夢ではない気がしており
その折にはムスカ役は来年ホフマン物語でリンドルフに初抜擢されたダークな敵役が似合う某ダンサーに
ご担当いただきたいと思っております。シータの背後から囁くなど、さまになりそうな予感がしてならん笑



名場面です!このあと、パズーはよくフラップターからずり落ちなかったと救出瞬間を見るたびに思います。



もののけ姫ハイライト



ラピュタにで出てきそうな空飛ぶ船。



散髪の文字にドキドキ。翌々日には初台から出張のあの床屋さんにお目にかかれると思うと胸がキュッと引き上がりました。



バルスと叫んではいけません。でもムスカの「目がー目がー」は名場面と思います。 そういえば新国立ドンキ、夢の場に変わるとき
急にぱっと明るくなるため目への衝撃が強く、偶にこのムスカ台詞が心の中を通り過ぎていきます。



リアルな作り。国内のラピュタっぽい遺跡と呼ばれる箇所にはいくつか行っておりますが
ドン・キホーテ東京公演レポートにて触れた我が後輩と彼女のご主人はイタリア旅行にて、宮崎駿さんが訪れたらしいラピュタの参考にした街を旅したとか。
私が新国立名古屋公演初日前日にパークへ行く旨を話したところ当時を振り返りながら教えてくださいました。
バレエとそれ以外の話でも盛り上がった東京後半土曜日夜公演前であった。



めいとこねこバス。三鷹の森ジブリ美術館でも鑑賞いたしましたが、少しお姉さんになっためいちゃんと小さなねこバスが冒険に繰り出す楽しい作品です。
トトロ御大も登場!!



センチヒ(私の中で今年の前向き部門の流行語大賞になるかも)湯婆婆が事務作業真っ盛り。



もののけ姫のこのポスター、場面、アシタカの眼力の鋭さに毎度仰け反りそうになります。ミュージカル化はしておりますからバレエ化も夢ではない気がいたします。
そうでした管理人、今年は1月に米良美一さんのコンサートへ行き、生でもののけ姫を聴けたのでした。



喫茶室カウンターにマスターのトトロ。美味しいコーヒーを淹れながら悩み事をおおらかに受け止めてくれそうです。



大人も乗れますねこバス!!



後方にはねずみさん。目が赤く点滅。イーグリング版と似ております。(今シーズンはクリスマスから翌年成人の日まで上演。怪我人出ませんように)



大倉庫を出ると、センチヒに出てきそうな朱色の門。



どんどこエリアのチケット取れなかった方も、サツキとメイの家が見える展望台からの撮影は可能です。展望台へ行くまでの道からもよく見え、
和洋折衷面白い作りです。考古学者タツオお父さんの書斎も覗いてみたくなります。
そしてメイちゃんに真似して、バケツ覗いて「オジャマタクシ」と言いましょう。



無料循環バスで移動し、もののけの里へ。こちらもチケット取れませんでしたが入口近くの坂上から撮影は可能のようです。まだ前日にオープンしたばかり。
ただですねえ、今年9月に訪れた福島県の白河関の森公園のほうがリアリティがありまして。
特にもののけ姫制作にあたって参考にしたとは記されていませんが、公園に身を置くとアシタカやヤックルが現れそうな気がしてなりませんでした。
私が行った日は貸切状態でしたので(だだっ広い公園に本当に1人ぼっちでした。
オーバーツーリズムになっても困るがもう少し観光客いても良いと思うんだが)是非お出かけください。



前回16年前を教訓に公演鑑賞前は避けて、この日の昼食に味噌カツを含んだ丼を。JR鶴舞駅からすぐの気晴亭へ。蔵屋敷のような外観です。



さあいただきます、鯱丼!!!大きな海老フライが鯱風に刺さり、間には味噌カツ、焼きロースカツがのっており、名古屋でらボリューム食のトリプル・ビルです。
パーク内もたくさん歩き回り、運動量はダンサーには及ばぬもののそこそこは有酸素運動してお腹もちょうどよく空いた頃合いでした、
一瞬16年前の記憶が過ぎり、しかも年齢も重ねて今や経過年齢は当然更に若さとは逆方向なわけで、加えて16年前の味噌カツよりも量も多し。
ところが、使用油や揚げ方が良いのか、さくっと美味しく箸が進み、胃もたれ一切なし。
深い酸味のあるタルタルソースや刻み葱もたっぷりあって味に変化を持たせたり、赤味噌汁にも葱多めでした。
味噌カツソースも変な重たさがなく、我が胃袋が膨れたのか丈夫になった、だけではないと思います。
(胃袋は若返らんでええがな。しかし年数回の舞踊有酸素運動では明らかに小中学生の頃より身体が疲れにくくなっております。ああ講師マジックか)



地図を見ると宿泊するホテルや愛知県芸術劇場までは高速道路下の大通り沿いを30分程度歩けば到着しそうであったため、天気も良いため腹ごなしに徒歩移動。
全く土地勘のない地域を歩くのも楽しい。そういえば、直塚さんが昨年の入団時にシーズンガイドインタビューだったか、
楽しいので知らない街を気づけば長時間散歩してしまうと仰っていたかと記憶。



夕刻の愛知県芸術劇場。



地下のチケットセンターに行って見た。この日はなぜか地下にあった、初台から出張の看板達。あれ、もう1組分はどこだ??と思って探したら、喫茶コーナーとチケット販売受付の間にあった!!昨シーズン開幕公演における
このお2人のおぼこいジゼルと意地悪であっても惹かれる部分多々なアルブレヒト、また観たい!



オアシス21の上から。



何だこの作りは!?オアシス21にて。



オアシス21のすぐそばにもドン・キホーテ。風車ではなく観覧車があります。



ドンキの裏にあと2文字足したい店名の大衆酒場。



もらってきた冊子。3年前の中止を経て既に前祝い!!愛知県芸術劇場での鑑賞、いよいよ翌日から!



お通しの自家製豆腐。マスカルポーネのような滑らかさ。昼が味濃いものであったため、何もつけなくても十分美味しい。
寧ろ舌が一休みできて手羽唐揚げに備えました。



手羽唐揚げ。サクサク食感が軽く、お肉はジューシー。味は甘辛く、ビール進みました。それにしても16年前は遅めの昼食に味噌カツときしめんのセットを食べたら
夕食は何も摂れずであったが今回はあの量の丼を昼に食べて夕方5時にはビールと手羽唐揚げ。胃袋、かえって若くなり膨張。
体重が増えやすい体型が膨れやすい体質であることを忘れつつある愛知滞在でした。
ちなみにこのお店、もう少し遅い時間帯に再び通りましたら仕事帰りの方々でごった返していて、地元で愛されている大人気な酒場のようです。



夜の名古屋、中部ミライタワー



名古屋グランパスのキャラクター。グランパスくんしか知らなかった!グララちゃんもいるらしい。



おはようございます。朝は噂のコンパルへ。出発前の喫茶店調査の段階から必ず行きたいと願っておりました。朝から食べてしまおう、エビフライサンド。
これまた2種のソースとのバランスが食欲をそそり、朝から美味しくいただきました。断面からして美味しそうです。



よく晴れています、タワーから公園沿いを北上し徒歩移動。海老フライのカロリー消化、できていないと思いますが。
札幌の大通公園と同様、メインストリートに大きな公園があると、歩くのも一層楽しくなります。



快晴の名古屋城!!キンキラ鯱!!



16年前2007年9月当時は観光も何もしなかったBALLET NEXT公演プログラムも記念に持ってきて撮影。その頃はまだ旅鑑賞始めて間もないときであった。



金シャチ横丁にて、金箔ソフト。今夏の札幌以降、敬意を表してこのポーズで撮りたくなります。



キンキラキン



それにしても良いお天気。季節外れな暑さで、25度超えていました。
中部ミライタワーから。3階までは無料開放されています。オアシス21では賑やかに大マーケット。
しかしこのあと14時からは、隣の大ホールではバルセロナのマーケットが開業です。果物屋さんやお花屋さんも出店します。



劇場内の5階ロビー。金色扉に赤絨毯。



大型ポスター、劇場内に登場。



夜は劇場常連の方と鳥開へ。お酒をお飲みにならない方ですが、3年前の新国立眠り札幌公演にて大衆酒場へお連れした方です。
(私が注文した地酒が札付き小瓶に入っていたため、アリスみたいだと喜んでくださったりと、ありがとうございました)
名古屋御膳とグレープフルーツジュースを召し上がっていました。味噌串カツが濃厚そうです。管理人はビールと尾張鶏丼!スライスした鶏肉の縁がとっても香ばしい



朝のミライタワー正面




おはようございます。朝は栄駅近くのべら珈琲でモーニング。名物ウィンナコーヒーと小倉追加の黒糖トースト。
甘甘メニューでしたが名古屋と思うと何だかわくわく。闘牛士達を観る前から牛さんと一緒です。



宿泊していたホテルからはこの歩道橋を渡ると近道でした。階段の上にドン・キホーテが見えます。



クラスレッスン見学並び列に行く前に撮影。この日のバジルを彷彿する爽やかな青空です。



並んでいるとき、後ろの親子さん達と暫し話し、待ち時間もあっという間でした。
前日公演をご覧になり、小学3年生くらいと思わしきお嬢様は米沢さんのことを尊敬な眼差しで「米沢唯さん」とフルネームで呼んでいました。
新国立のDVDブックシリーズを図書館で時々借りて観ていたそうで、前日の感想を聞くと注目ポイントが私よりも遥かに細かく鋭く、
照明演出にも言及。主役のみならずサンチョとガマーシュの踊りも気に入ってしっかり観察していたようです。
もし私が何かしらの事情で当ブログ閉鎖になったときには引き継いで欲しいお嬢様でございました。
お母様とはお嬢様のバレエのことやコンパルのサンドイッチや愛知の観光地等、色々お話しでき嬉しい待機時間でした。



こちらのパネルも名古屋出張!記念撮影なさっている方もいて、微笑ましい光景でした。



帰り、名古屋駅の新幹線乗り場近くで偶然見つけ友人と入店したあんかけスパゲッティチャオ。これが大当たり。
まずは金鯱ビールで乾杯。友人は青、私は赤。名古屋らしい締め括りです。



出ました、東京ではまず食べないあんかけスパゲッティ。どんなものだろうかと思っていたら
あんはトマトと思わしき酸味が効いていて、意外とさっぱり。昼にひつまぶしを食べた友人も、
異なる味のものが食べたい気分だったから今の時間にぴったりと好評でした。
私はまたまた海老フライメニュー(3本のせ)を選択、友人は1本トッピング注文。これまたサクッと音がするような揚げ上がりで2人してニンマリ。
そして私は自身が海老フライが好物であったとは今になって知りました。愛知滞在3日間で8本食べるなんて、16年前の自身が聞いたら驚愕することでしょう。



帰りの新幹線自由席車両は連休中日のせいか乗車率は半分程度、空いていました。
到着日はジブリパークへ行って、2日目は米沢さんの凱旋舞台も観て、3日目は大黒柱な男前バジルを観て、楽しかった愛知滞在2泊3日でした。
さらば愛知、また会う日まで!!