2023年11月7日火曜日

加わったボリショイの息吹 新国立劇場バレエ団『ドン・キホーテ』10月20日(金)〜10月29日(日) 計6回





10月20日(金)から10月29日(日)まで、新国立劇場バレエ団『ドン・キホーテ』を計6回観て参りました。
https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/donquixote/


※愛知公演もありますので、程々の長さになるよう努めます。速報と重複する部分もございますが悪しからず。それより当記事、愛知公演に間に合うんか??
載せる頃には間に合ってなさそうでまた書き足し感想あると思いますが愛知滞在の3日間で海老フライが8尾入った身体で書き進めつつひとまず載せて参ります。


公演SNS写真、ギター持って歌い上げるバジル、男前ですなあ。





米沢さんのキトリは登場から涼やかシャープな踊りで魅了し、真っ赤な衣装であっても何処か爽やかさをもたらしていたのは
進化やスピード感が止まらぬ動きを全身からさらりと繰り出していたからこそでしょう。
3幕でのフェッテの速度や精度も相変わらずどころかまたギアを上げてきたかと思わす勢いで圧倒。
前回3年前の公演にて全幕主役デビューを果たした速水さんは、とにかくやりきることに一辺倒であった当時に比較すると全体を見渡しながら臨む姿勢が感じられ
だいぶ周囲とのコミュニケーションもスムーズに。今回のポスターを見ると大メッシュな髪型が懐かしくもあるが笑
勢いづくテクニックはそのままに踊り方も落ち着きを増していた印象です。
狂言自殺での膝のぽりぽり掻きはびっくりでしたが笑、ピシャッと止めるキトリがこのときばかりが面倒見の良いお姉さんにも見えました。
場面によっては米沢さん速水さんが互いを高め合うかのようなスリルあるテクニック掛け合い炸裂!
特に酒場や3幕グラン・パ・ド・ドゥでは双方の回転と回転が煽るように語り合い、
されど規格から大きくはみ出ることなくあくまでバレエの美を追求しつつの高難度技術応酬であったせいか爽快な感覚をもたらされた気分となりました。

柴山さんは前回よりも遥かに伸びやかで勝ち気なキトリを造形。父の反対に負けない恋する強い女の子で、意思表示もはっきりと、そして色っぽさも増加。
持ち前の美しい踊りが一段と色づいて雲がかる箇所は一瞬たりともなく、舞台空間の使い方も大きく、すっと描く軌跡も実に綺麗なこと。
井澤さんはバジルを前回以上に心から楽しんでいらっしゃる様子で、庶民過ぎず(外見が華やいでいますから仕方ない笑)
美容師寄りであった3年前に比べると、貧しいながら理容室経営に一生懸命勤しんでいそうな床屋さんでした。
柴山さん井澤さんペアによる『白鳥の湖』は今年は鑑賞できずでしたが、品ありつつもパッと花咲く愛情のやりとりを目にできほんわか気分に。
殊に同じ振り付けを並んで踊るときなど、2人して上品な庶民として生き生きと披露する波長もよく合っていて
3幕コーダでは惜しくも井澤さんが回転が想定以上に増えてしまったのかゆっくりと転倒してしまうハプニングもあったものの
その直後に出てきた柴山さんがこの場を立て直すと言わんばかりの気概で高速ピケで対角線上をブンブンとかっ飛ばして空気を一変。
心配の色が広がっていた客席も安堵し、再び晴れ晴れと喝采を送る運びとなりました。
どんなときも手を取り合い助け合いながら生活を送っていきそうなキトリとバジルの将来までもが見えた気がいたします。

池田さんは活発で強気ながらも育ちの良いお嬢さんなキトリで、スカートを摘まむ仕草が妙に可愛らしく映った印象。
変わってカスタネットソロのジャンプで、酒場登場の円形移動はパワフルで、底抜けに大胆さを秘めたキトリであったと推察いたします。
福岡さんはスカッと明るく芸細かなバジルで、
登場直後にロレンツォに見つからぬようキトリとの抱擁を試みる作戦は間合いといい剽軽ぶりといい新喜劇も驚くであろう可笑しさで笑わせてもらいました。
技術も衰え見つからず、思えば入団してすぐバレエ団デビューが2009年ドンキであったことを振り返ると恐るべき若さです。
池田さん福岡さんは全幕で組むのは初。未知数なペアでしたが、互いに気が強く生活感にリアリティあるドタバタカップルぶりで妙に新鮮。
しかしいざパ・ド・ドゥとなれば滑らかに踊りこなし、中堅とベテランが臨む伝統プロダクションであっても珍しさを含む面白み連続でございました。

小野はさんキトリはお茶目な町娘、笑い上戸でとにかく愛くるしい。カスタネットソロでの跳躍が以前より少々小さく小粒に纏まってしまった感もあったものの
踊り1つ1つの連なりが滑らかである上に溌剌とした味わいも備え、天真爛漫。4階後方で観ていても笑みが自然と零れます。
中家さんはバジルは力強さがありつつみ落ち着きある踊りを披露され、久々の古典全幕主演ながら頼もしさは毎度のいつでも安心中家さん。
大きな強みの1つであろうサポートは盤石ぶりのみならずサポート真っ只中でもとても楽しそうで
1幕にて小野さんキトリを移動しながらリフトする箇所なんぞ天高く軽々。しかもぴたりとおさまりも安定。
インタビューでもお2人が仰っていたように、これまで全幕主演で組むのは勿論相思相愛な関係を構築する共演もなく大概は敵対関係の役ばかり。
これまた未知数なペアでしたが、大人の余裕ある香りを放つペアとして現れ、
一方で小野さんの可愛らしさがぐっと引き立つ面白さも生まれ、なかなか鮮烈な共演でございました。

木村さんはこの作品で今年お正月の『くるみ割り人形』以来の全幕復帰。体幹も相当鍛えられたのか華奢過ぎた時期よりも安定度が増して、
華やぎにパワーが加わった印象です。品がある中にも、宿の手伝いも元気にせっせとこなしていそうな生活が見えてきます。
バジルへの愛情も可愛らしく、3幕のお扇子持ってのフェッテも、2回目は特に軸の強さを維持しながらの気持ち良い回転の連続で、あっと沸かせてくださいました。
お正月のあの日を私も客席で観ており、回転の場を見ると最初は心配も過ぎりかけましたが全くの無用。全幕復帰姿を自信たっぷりに頼もしく見せてくださり
観客に対しても、全幕ではただいま!と挨拶するような明るさで照らしていらっしゃる舞台でした。


以下長くなります。東京も東海も季節外れな暑さが続いているようです。小休止をどうぞ。

渡邊さんは前回2020年とは打って変わってボリショイ味付けたっぷりな成熟ダイナミック、俺を見ろ舞台は任せとけな男前大黒柱バジルで参上!
大変失礼な話、ドンキ全幕と聞くとどうしても3年前を思い出してしまいやや本調子ではなさそうであった不安が
ずっと過っておりましたが、杞憂に終わりました2日間でございます。テクニックも多彩に繰り出し
技巧の百科事典状態で熱量を全身から沸かせつつコントロール力も抜群。饒舌に語り尽くす余裕もあり。恐れ入った次第です。
ボリショイ好きながらもこのプロダクションはそこまで好んでいない矛盾だらけな捉え方をしている私も
ボリショイ来日公演を懐かしく思い出しながら鑑賞。しかし渡邊さんの場合大味になることは一切なく、品やラインの美しさは終始維持。
ドンキであっても通俗的になり過ぎず、渡邊さんを軸に品格ある舞台が広がっていた気がいたします。
殊に今回は木村さんの全幕復帰でしかも最初から出番多きキトリ役。また脇の方々もベテラン含めて初役者多数で、
取りまとめ役も期待されたことと思いますが渡邊さんの絶対的安心感、大黒柱な存在感にどれだけ助けられたことか。
ロレンツォに隠れての小走り等お調子者で所々間抜けな漫画風表現も可愛らしく、
狂言自殺前の舞台袖への飛び上がりながら捌ける姿は少しだけ萩本欽一さんを彷彿させ笑、
ギター持っても哀愁漂う流しに見えてしまった前回とはすっかり様変わりしたお姿でございました。
酒場の場面も、前回は初めての飲み会な初々しさすらありましたが今回は店員とにやりとりも円滑で、ワインの取り替えや(バジル、多分ワイン通らしい)
エスパーダの薔薇で生け花してそのカップを持ったまま盛り上げ隊もこなし、居眠りしかけながらの退店はご愛嬌。バジル、お酒は弱いらしい笑。
床屋の窓辺にはいつも綺麗なお花を花瓶に入れて飾り、客を癒してくれているのでしょう。
開店前の清掃から閉店作業の売上金の計算も銀行員の如くきっちり行い誤差があれば振り返ってやり直していそうな、床屋生活も目に浮かぶ青年でした。
加えて今回は陽気で弾ける性分も覗けて、愛知公演で再び拝見できると思うと嬉しくてなりません。
木村さんの全幕オペラパレス公演復帰と支えつつ脇の方々のデビュー多き舞台を引っ張った渡邊さんの統率力に
吉田朱里さんが代役での主役デビューとなった6月の『白鳥の湖』で組まれたときと同様に恐れ入った公演はないかもしれません。

ドン・キホーテの趙さんは悠々と貴い雰囲気での足取り、中島さんは踏み締めもしっかりとした冒険心溢れる造形。
サンチョの福田さんはもう日本遺産と思わす隅々まで行き渡った至芸で魅了。
中でもトランポリン前にラッパが引っかかって取れずにいたとき、どうなることやらと冷や汗をかきながら見守っていると
そのまま付けたままトランポリン開始。引っ掛かりが危険なためでんぐり返しはなく、
抱えたり果てにはラッパ吹きのポーズで飛び上がったりとハプニングを逆手に取った行動にまたまた拍手。
宇賀さんは闊達で伸び伸び可愛らしく、小野寺さんば朴訥ほのぼの系。 三者三様で満喫です。
宇賀さんの日だったか、降下するときやや位置が端になってしまい、太古の昔に私が通っていた中学校で胴上げ事故が発生し新聞沙汰になった経緯もあり
またもやひやりといたしましたが場所修正もなされて一安心。

単なるおかしな貴族にとどまらなかった奥村さんガマーシュは実に貴い求愛で、
現れたときの観客の拍手からして敬意が感じられ、待っていましたと言わんばかりの喝采。
キトリのカスタネットソロでも街の人々と一緒に誰よりも熱い応援を送り、終盤にはギター持ってのリズムの取り方も妙に綺麗。
小柴さんはほっこり系の摩訶不思議な可愛らしさで、人差し指掲げる仕草のまろやかな品も味わいがありました。

エスパーダもそれぞれ魅力が全く異なり、木下さんは人生の悲喜を背負った至芸の闘牛士。
爪先からも熱を放つ剃刀のような鋭い踊り方や音楽のパズルにぴたりと嵌め込むまさに職人。ムレタの投げ方置き方に至る迄隙無く
女性陣を虜にさせる術にも長け、登板日は全て髭付きで愛と情熱が迸っていました。
中島さんはきらりと輝く金箔放つ闘牛士。こちらの都合上1回しか拝見できず、
名古屋でもし登板されたら鯱もびっくりなキンキラエスパーダになったでしょうが(勿論木下さん井澤さんは楽しみでございます)
髪を束ねて丸める伝統ヘアスタイルで登場されたのは新国立バレエ史上初かと思います。
踊り子や酒場での2人の女性のほうが強そうで笑、大変な修羅場になっていたであろうと想像いたしますが汗
すっと花を咲かせて周囲を引き込む踊り方も役柄に合っていたと見受けました。
井澤さんは東京千秋楽は髭付きで登場され、ドカンと派手に豪胆に場を制する様子は4階最後列席から観ても目立つ目立つ笑。
序盤がキザな交通整理風振付酒場ソロ(道路上であんな交通案内あったら困るが汗)も笑ってしまう位ド派手でしたが吹っ切れた熱さがあって宜しうございました。
狂言自殺の罠を知ったロレンツォをジョッキで交わしながら宥める優しさは独自の表現なのか面白く観察。

結局エスパーダには愛人?恋人?が3人いるのか、時間帯ごとに区切っているのか(シフトがあるのか、そんなわけないか)未だによう分かりませんが
そんな辻褄を気にさせないほどに街の踊り子、カスタネット、メルセデス、それぞれの役も目移りしてしまいそうな美しさを踊りで奏でていた印象。
中でも奥田さんの踊り子の上体や肩の雄弁な艶やかさ、直塚さんの踊り子の押しの強さや立体感のある動き、
カスタネットは前回に続き朝枝さんの往年メロドラマな悲哀が宿る姿や初挑戦原田さんの悲しみを帯びた美が滲み出た存在感も脳裏に焼き付いております。
キューピッドは広瀬さんの羽の如きふわふわな踊りが優美、五月女さんは地面から脚が常に宙に浮いていそうな跳び回りが抜群に上手く
廣川さんは大らかで天真爛漫な愛嬌があり。連日見比べがたいそう幸せでございました。

森の女王では抜擢に一番びっくりはご本人でしょう、内田さんが印象深く
師事された先生(大阪MRB松田敏子さん)が主催するガラをグランキューブ大阪で何度か鑑賞していた関係で松田さんのブログを拝読する中で
もう随分前にお名前とお顔は目にした覚えがありますが、背がすらりと高く手脚の長さやお顔立ちの神秘的な美しさにもはっとさせられたものです。
インCを踊る中でも目を惹き、正団員になったときはそれはそれは嬉しく 思え
今回の初回は硬さもあったものの2回目は登場しただけで、次のポーズに 写る瞬間に覆い尽くすような圧倒される美しさに衝撃を受けました。今後一層楽しみなダンサーです。

他にもデビュー者多数な効果か新たな息吹が伝統作品に多々注入され、双方とも盤石な技術の持ち主でもある友人役の花形さん山本さんの瑞々しさが全身から解き放ち
中堅バジルとのトロワでも勢いやパワーも引けをとらない度胸にも拍手。くるくると大きな花々が開花したような光景にも一層胸をときめかせました。
(勿論バジルの統率力もあってこそ)

キトリの両親として、ロレンツォの清水さんとロレンツォ妻今村さんも初役。
清水さんは濃い強面な少々お堅いお父さんながら、狂言自殺の罠の把握後は優しく受け入れて居酒屋主人と飲み交わす懐の深い父親ぶりでした。
今村さんはキトリの肝っ玉母さんよりも心強いママな雰囲気で、何があっても娘の味方になる覚悟が据わっていそうなお母さん。
愛娘の恋の話には誰よりもしっかりと耳を傾けていただろうと想像できます。
ガマーシュ撃退をやってのけたキトリを気持ち良さそうに見守ったり、結婚はお金だけではないとロレンツォに理解を求めたりと娘を信じる一生懸命なお母さんぶりでした。

ボレロはどの組もスタイリッシュで、益田さん渡邊(拓)さんは貫禄があり腰の入り方や力強さも効いていて、渡辺(与)さん仲村さんはすっきりと四肢が伸びて明るさがあり
川口さん中島さんは女王と臣下っぽい関係を匂わす香りが立ち込め、それぞれ特色は様々。共通していたのは強烈な茄子色衣装が絵になっていたことでしょう。

そうでした私の大きな楽しみでもある酒場騒動記に入りますが(吉田類さんではないため川柳はございません)
特に面白さがあったのはまず池田さんと福岡さん組。パン食べ放題な2人で笑、しかし味付けもなさそうなあのパンのみでお酒が進むのか知りたいところ。
ワイン系酒場チェーン店でお通しのフォカッチャとオリーブ練り込みパンの2種がおかわり自由な店舗があり、そこならばパンのみでもワインが止まらずでございます。
小野さん中家さん組は小野さんが途中で目がトロンとしてうたた寝笑。バジルはエスパーダにライバル心を煽ったりと修羅場になりかけていました。
(前回はもっと喧嘩売っていた記憶あり汗)
前回は初めての飲み会に見えた木村さん渡邊さん組は、渡邊バジルがそこまでたっぷりと飲んでなさそうにも拘らず味が宜しくないのはすぐわかるのか
取り替えを要求したり(ソムリエの資格も持った床屋なのかワイン通?)薔薇をワインに生けたりと行動が読めず笑。酒場騒動記、今回も堪能いたしました。

バレエ団で採用しているアレクセイ・ファジェーチェフ版は1999年の初演以来変わらず上演を重ねているレパートリーで
新国立におけるプティパ作品においては最も伝統あるプロダクションのはず。近年は2020年に上演しており、速水さんが主役デビューしたり
自前でバジル6人参上したりと記憶にある方は多くいらっしゃるかと思います。
正直申し上げますと、衣装にしても展開にしてもやや古色蒼然とした趣h色濃く、好きな作品かと聞かれたら首をすぐさま縦には振れずにいる私で
2005年に初鑑賞したときは、キトリバジルとジプシーとの絡みもない、先に酒場狂言自殺後に野営地、夢の場面、
そして3幕は両親も臨席しない結婚式へと続くぶつ切り感やプロローグ、酒場の長さにもびっくりしたものです笑。
またドン・キホーテ達が野営地で鑑賞する人形劇の内容が新国立初演時の1999年時点でもだいぶ問題提起な筋書き。
ペトルーシュカやライモンダのような全体の骨格部分ならともかく、ごく一部であり正直あっても無くてもよさそうな場面にて(失礼)
東西文化が交差する偏りある描き方もどうかと思うわけです。しかし2005年以来にこの度ファジェーチェフさんがいらしてのご指導もあってか
細かい繋がりはともかく、ボリショイな勢いや味付けが全体へ行き渡って非常に躍動感ある舞台へと仕上がっていた印象です。
若手のみならず、清水さんや今村さんといったベテラン勢もロレンツォと妻に初挑戦されたりと
新たな息吹が伝統作品に注入され、衣装や演出は古風ながらもいたく新鮮な舞台と化していました。
またドンキかい、バージョンも不変かい、なんぞ思っておりましたが祝祭感たっぷりな作品が更に底上げされ活力もたっぷり。思いのほか大満喫でございました。
名古屋編は次回お送りいたします。




毎度のサイン入りメニューも目当てに来店マエストロ。渡邊さん、最近サインが変わったもよう。
流れるような文字体から丸みある文字とWの組み合わせとなりました。今宵はロゼワイン。酒場でのバジルによる薔薇の一輪差しも思い出しながら乾杯です。
きっと床屋さんでも窓辺か何処かに花瓶にお花を生けて飾り、利用客の心を癒してくださっているのでしょう。



牡蠣のガーリックバター焼きメルバトースト添え。



パスタは帆立稚貝とほうれん草のトマトソース。鮮やかな赤、目が覚めるようなドンキ色です。



ホワイエメニューレポート。ブリオッシュケーキ、色とりどりのフルーツがのっています。クロックマダムは卵のボリュームたっぷり。



後半土曜日夜公演前。当ブログレギュラー後輩とご主人、ご主人の後輩の方の中のお邪魔して乾杯。パンだけでなく生ハム他色々並びまし
バレエ堪能してくださったようで何より。そしてバレエ以上に!?野球特にヤクルトスワローズの現在と過去の話や阪神とオリックスのCS、
関西の私鉄等の話題で盛り上がりました。
私も関西圏には度々足を運び、甲子園球場にも出向いたことがございますので、
また師匠の1人が筋金入り阪神ファンでいらっしゃるのでつい身を乗り出して会話。ありがとうございました。
またドン・キホーテでの帽子やグラス投げ、ライト版白鳥の湖における最後の兜投げといったバレエでの物投げシーンについても話題に。
忘れもしない、今年6月の某日の兜投げで放物線を描きながら飛距離伸びず舞台袖まで飛ばず、白鳥達の真後ろにロットバルトの兜が落下した事件笑。
悲劇なのに、壮絶な終幕なのに、新人代役主演を全身で支えていらしたのに、笑ってしまい申し訳ございません愛しの王子様、でございました。



チラシとワイン。バルセロナではなくナポリな1幕美術ですがまあ良いか。



マエストロ、2日目のプレシアターメニュー。前菜の盛り合わせ。カラフルドンキ色。



鮟鱇のパスタ。ちょうどよい塩辛さでワインが進みます。あの酒場、行ったら楽しそうだ。生ハムも欲しいところだが、パンだけでも十分にワインが進みそうです。
そして第三者としてエスパーダ達の修羅場を眺めるのはワクワク興奮しそうです。




ハロウィーンな入口



無事に終わった千秋楽。再度思う、珍しい小野さん中家さんサインの組み合わせ。マエストロな師匠なお方とシャンパンで乾杯です。



帆立のポシェ ラタトゥイユ添え。帆立、好物でございます。来世は多分ラッコです。
そして家族からは決して理解を得ることは無かろう、中学生の頃から金閣寺より銀閣寺派な私の好みも理解を示してくださり、心安らぐひとときでございました



サルシッチャとピーナッツ南瓜のクリームソース。かぼちゃのホクホク感とサルシッチャの塩気が交互に伝わる甘じょっぱい味で、ワインも更に進みます。



鶏肉のフリカッセ エストラゴン風味。クリームがよく具材に溶け込んでじゃがいもの香ばしさも嬉しい。ワインが進みます。



バナナのパルフェ。ねっとり滑らかな舌触りです。



小サイズクリアファイル。眺めてしまいます。



ホワイエには愛知公演ポスターもあり。3日の米沢さん凱旋公演は勿論、尾張で観る4日のバジル、楽しみでございます。
愛知県での鑑賞は16年ぶり、しかも前回も『ドン・キホーテ』でした。
BALLET NEXTの公演で、愛知県ご出身で当時は高校生位の年頃であっただろう原田舞子さんが森の女王役で出演されていました。





2020年公演時にも紹介いたしましたがお持ちの方がいらっしゃいましたら嬉しい、音楽之友社出版Ballet 1999年7月号。(2000年代前半に休刊となったはず)
23年程前、地元の図書館での図書引き取りキャンペーンで大放出されていて、職員の方に一言断り同雑誌を10冊以上は持ち帰ることができました。
表紙は英国ロイヤルバレエ団プリンシパル時代の吉田都芸術監督。巻頭インタビューにて、控えている来日公演における『リーズの結婚』で組む若いカルロス・アコスタにもっと教えたい、
そしてパソコンを遂に購入しブルース・サンソムに設定など教わっているお話など嬉々として語られ当時の英国ロイヤルのご様子や関係性が垣間見え面白いインタビューです。聞き手は守山実花さん。
ちょうど吉田監督が新国立劇場でのファジェーチェフ版『ドン・キホーテ』初演にゲスト出演された頃で
(まさか約20年後に芸術監督に就任し、世界中を巻き込む困難極まる情勢での自身の監督シーズン始動の演目になるとは当時は知る由も無かったでしょう)
いかにしてロシア人スタッフが結集し、リハーサルや衣装合わせ、装置製作が行われたか、また装置の船便レポートや搬入の光景に至るまで初演特集記事にて実に詳しく紹介されています。
ファジェーチェフ版ドンキは他所で上演されたプロダクションではなく新国立の依頼で振付演出、衣装装置も全て新制作された大掛かりプロジェクトであったことや
デザインを手がけた、既に新国立での仕事経験も豊富なオークネフが日本人に合うよう気を配った装飾など興味を惹きつける逸話満載です。
牧阿佐美さん、島田廣さん、石井潤さん、小林紀子さんが並ぶ写真もあり。

この頃は本物のお馬さんにドン・キホーテが跨って登場、ゲストの長瀬信夫さんの威風堂々なる姿が写っています。
(まだ団員のダンサーだけでは男性の主要役の一部分や年配者の役まではできず、眠れる森の美女の国王などは長瀬さん頼みでした。
エスパーダもガリムーリンさんがバジルと兼任。ゲスト無しで全役回せるようになったのは近年のことです)
勿論吉田監督とアンドレイ・ウヴァーロフの新国立史上に残る身長差ペア誕生のリハーサル、本番両方の舞台写真もカラーで掲載されています。

1999年当時はインターネットは存在したもののまだまだ今ほどには普及せず、
管理人は利用経験ないがポケットベルやPHSが出回っていた時期でございます。(移動通信機器を極力敬遠したかったため、連絡取りたいときは家の電話へどうぞと周囲にも話していた)
SNSや動画サイトも当然無く、書籍の記事がどれだけ愛おしかったことか。 現在は街の図書館にも置かれてはいないと思われますが、開場の頃から新国立をご覧になっている方も、最近になってから足を運び始めた方にもおすすめの書籍です。
度々の再演を重ねているファジェーチェフ版『ドン・キホーテ』のバレエ団初演幕開けまでの道程が詰まっています。




愛知、既に行きました。憧れの場所にも行って参りました。詳しくはまた愛知公演感想レポートにてお届けいたします。
愛知入り後、3日間で海老フライを8尾食した管理人汗。胃袋は太古の昔の中高生の頃より膨れて丈夫になってしまいました。
次回は名古屋飲食三昧付きドンキレポートの予定。クラスレッスン見学もして参りました。辛抱強さに自信のある方は次回をお楽しみに。
海老ふりゃー!!

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