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2023年10月25日水曜日
全幕になってようやくすっきり 東京バレエ団『かぐや姫』10月22日(日)
10月22日(日)、東京バレエ団『かぐや姫』全3幕を観て参りました。
https://www.nbs.or.jp/stages/2023/kaguya/
※キャスト等はNBSホームページより
演出振付:金森穣 音楽:クロード・ドビュッシー
衣裳デザイン:廣川玉枝(SOMA DESIGN)
美術:近藤正樹 映像:遠藤龍 照明:伊藤雅一(RYU)、金森穣 演出助手:井関佐和子 衣裳制作:武田園子(Veronique)
かぐや姫:秋山 瑛
道児:柄本 弾
翁:木村和夫
秋見:伝田陽美
影姫:沖香菜子
帝:大塚 卓
大臣たち:宮川新大、池本祥真、樋口祐輝、安村圭太
側室たち:二瓶加奈子、三雲友里加、政本絵美、中島映理子
緑の精:伝田陽美、二瓶加奈子、三雲友里加、政本絵美、涌田美紀、中島映理子
中沢恵理子、平木菜子、髙浦由美子、長谷川琴音、瓜生遥花、長岡佑奈、
本村明日香、大坪優花、前川琴音、米澤一葉、佐藤瑞来、鈴木香厘、富田紗永、 居川愛梨、相澤 圭、富田翔子、池戸詩織、橋谷美香
童たち:工 桃子、安西くるみ 岡崎隼也、井福俊太郎
村人たち:中沢恵理子、平木菜子、髙浦由美子、長谷川琴音、鈴木香厘、富田紗永
生方隆之介、鳥海 創、海田一成、岡﨑 司、後藤健太朗、山田眞央、中嶋智哉、小泉陽大
従者たち:ブラウリオ・アルバレス、生方隆之介、鳥海 創、海田一成、岡﨑 司、後藤健太朗、加古貴也、山田眞央、中嶋智哉、
山下湧吾、星野司佐、 芹澤 創、小泉陽大、宮村啓斗、山仁 尚、寺田瑠唯、髙橋隼世
侍女たち:涌田美紀、加藤くるみ、中沢恵理子、平木菜子、髙浦由美子、長谷川琴音、 瓜生遥花、長岡佑奈
本村明日香、大坪優花、前川琴音、鈴木香厘、富田紗永、居川愛梨、栗芝みなみ、富田翔子
光の精:二瓶加奈子、三雲友里加、政本絵美、平木菜子、中島映理子、長谷川琴音 涌田美紀、中沢恵理子、髙浦由美子、安西くるみ、瓜生遥花、
長岡佑奈、本村明日香、大坪優花、前川琴音、米澤一葉、鈴木香厘、富田紗永、 相澤 圭、栗芝みなみ、富田翔子、池戸詩織、橋谷美香、池内絢音
黒衣たち:岡崎隼也、井福俊太郎、海田一成、山下湧吾
1幕は2021年、2幕は2023年に観ておりますが、衣装や全体の空気感等果たして全幕として完成するのか心配すらするほど疑問点が多くありました。
しかし全幕上演にあたって手直し改善の効果もあったのか、想像よりも遥かによくまとまっての構成となり一安心。
記憶が彼方状態にはありますが、1幕の緑の精は確かシャバシャバとした裾が付いていた気がしており(違っていたら失礼)
それらが無くなってすっきりとしたデザインへ。上から観てもゴテっとした印象が薄まり、
舞踊そのものがくっきりと浮き立って序盤からかぐや姫の物語へ導かれて行った印象です。
秋山さんのかぐや姫は動きやすそうな白い服でのお転婆少女っぷりはそれはそれは目を細めたくなる可愛らしさで
2年前の1幕のみ鑑賞時における、絵本で目にするような蝶よ花よと大事に大事に育てられたイメージからは程遠いと思えた違和感は不思議と今回は無し。
四肢が幼さを雄弁に語り、その後に続く道児とのパ・ド・ドゥがあどけなさと大人への階段を行き来するようなもどかしさを
徐々に募らせ、ピュアな世界を構築していく流れが自然に見えたからかもしれません。
しかしやがて緑色の着物(羽織り?)を着用すると一変してやんごとなき姫の顔となり、
生まれどころが俗世界ではない謎めいた美しさに一段とはっとさせられました。
2幕では沖さんの影姫の存在感がやはり強烈。どうしたって総タイツ衣装が引き締め磁気タイツ効果あります感を加えたように思えてならなかったものの
着物から覗く歩み出す一歩一歩の脚線が艶めかしく、似た色味の衣装を着けた大人数の侍女達を従えていても
埋もれぬどころか女王然としたオーラで場を率いていらっしゃいました。
今年の上野の森バレエホリデイ期間中に観た2幕はモダンなのか何なのか中途半端さが残ったはずが
帝の大塚さんの牽引力、求心力が一段と増した成果もあったのか従者達との場面が
宮廷中が揺らぐような大掛かりな統一感があった点も目を追わせる理由であったかもしれません。
最後、中央の階段を上りながら月へと帰っていくかぐや姫の背中から広がる悲哀と決意が滲んだ輝きを
無機質なデザインの装置も引き立て、一層強い光となって目に飛び込んできた印象です。
上階末端席であったため重要人物との絡みも見届けられぬ点もあり、来年NHKBSプレミアムシアターにてテレビ放映されるそうで、よく確認したいと思っております。
奇しくも今年は5月にバレエシャンブルウエストの『ルナ』全幕も観ており、竹取物語を題材にした全幕バレエを国内2つの団体で鑑賞。
シャンブルはグラズノフの音楽を使用して古典バレエの要素をたっぷり馴染ませつつ地元八王子の伝統芸能八王子車人形を取り入れ、
東京バレエ団ではすっきりと削ぎ落とした美しさでかぐや姫の心理を浮かばせる手法で音楽はドビュッシーでしっとり、両団体の魅力を堪能。
日本の古典文学を土台にしたバレエ作品の見比べ、大いに楽しみました。
会場すぐそばの上野バンブーガーデン内のお店へ。今年の上野の森バレエホリデイ時に続き来店。日本酒逆さ月。
ふんわり笹餅豆冨。笹を開いたときのお豆腐の写真を撮りそびれましたが
まん丸い形でほのかに甘みがあり、マスカルポーネチーズのような食感もあり。
お塩、わさび、みたらし、どの味付けも合います。
竹の間から眺める月。
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2 件のコメント:
竹の間から眺める月、いいですね!
音音ですね。
瑛さんのかぐや姫、最高でした!
真里亜さんも、素晴らしかったですよ~
日本発の素敵なオリジナル作品がレパートリーになって本当に良かったなと思います。
初台のカンパニーもオリジナル作品の発信に力を入れて欲しいですね。
ラストシーンのかぐや姫は、あの高さでグラグラ揺れて、とても怖いらしいです・・・
Aki様
こんばんは。コメントお寄せいただきありがとうございました!
足立さんかぐや姫も観たかったです涙。
秋山さんのこの世のものではないような不思議な美しさで階段を上っていく姿、今も思い出す最後です。
あの階段、足元が不安定そうに思えておりましたがやはり!
高さもあり、冷や汗掻きそうですね。
1幕ずつ作りながらのオリジナル全幕上演、とても意義あるプロジェクトですよね。
はい、初台もマクベスに続く作品誕生が待たれます!
はい、音音で月を見ながらゆったり寛ぎました。かぐや姫後にぴったりな乾杯です。
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