2023年5月30日火曜日

チャコット代官山スタジオ特別講座初級レッスン




5月22日(月)、チャコット代官山にて特別講座初級を受講して参りました。講師は新国立劇場バレエ団プリンシパルの渡邊峻郁さんです。
チャコット代官山での受講は昨年のオープニング企画レッスン以来1年2ヶ月ぶり、
レッスン自体は2ヶ月ぶりで今年2回目。この度もズンドコドッスンと受講して参りました。
https://www.chacott-jp.com/lesson/studio/daikanyama/schedule/detail031388.html

前回は移転開店直後であった事情もあり、スタッフ含め全員がそわそわ様子を窺い合うように緊張している状況でしたが
あれから1年以上が経過し、通い慣れている方も多くいらしたのでしょう。前回と比較すると終始全体がだいぶリラックスした雰囲気であったように思えます。
渡邊さんは毎回どのレッスンでも優しく教えてくださるのは変わりなく(萎縮させる指導でしたら私は受講もしておりません笑)
受講者のレベルをよく見て内容をすぐ調整してくださったり、お手本も繰り返し何度も示してくださった上に
同じアンシェヌマンを何度か行ってから少し難しいものを取り入れてバージョンアップさせて楽しく次段階へ向かえるよう進めてくださるなど
相変わらず順番覚えられぬコンクールなら全国1位になるであろうレベルな私も安心し、信頼を寄せてこの度も受講できました。

教えてくださる踊る上でのポイントでは、はっとさせられることの連続でしたが特にバーのときに腕を伸ばし過ぎず
サークルを綺麗に描くようにとのお話は(恐らくこういう内容であったかと記憶)
手脚の短い典型的なずんぐり俵体型であるが故に何処もかしこも思い切り伸ばしたくなってしまい
少しでも長く見えるようにせねばと焦りがちな私の脳に心に瞬時に浸透いたしました。

そして今回私の中では珍しい体験であった点が2つ、まずCD使用のレッスンであったこと。
誠に贅沢人間と思われるのを承知で申し上げますと、私は10年前の再開以降レッスン回数は現在約25回で
(つまり年に2回目程度、年間鑑賞回数のおよそ40分の1。ほんまに習っているんかとのご指摘はよく受けますがあくまでバレエは鑑賞中心で生きとります汗)
うちCD利用レッスンは2回。つまり大半がピアノ伴奏つきでのレッスン受講なのです。
子供の頃は当然ピアノ伴奏なんぞ夢のまた夢でCD使用もなく、私の時代ですから蓄音機でレコードか否かはご想像にお任せするとして
CD使用時のレッスンがどんなものであるか、想像しづらかったのでございます。
結果、CDならではの魅力も発見。選曲が伴奏者に任され、大概は教師も次に流れる曲が分からないピアノ伴奏レッスンと異なり、
CDの場合手元に曲目が明記或いはざっとかけながらの確認もできますから
開始前に音楽の特徴やこだわり部分⁉の解説が付き、よりイメージしやすくなったのです。
以前受講時のCD利用レッスンでの先生はそういった解説は無く、勿論先生によりきりではあると思いますが
プロコフィエフの『ロミオとジュリエット』や『シンデレラ』といった2年前のダンスマガジンにおける好きなバレエ音楽のインタビューで
渡邊さんが挙げていらした作品の曲が何曲も収録され、つい解説にも力をお入れになっていたのかもしれません。聞き入ってしまいました。

ちなみに他にも我がツボを押し続ける好みな曲揃いで、気になって終了後に確認したところ
今夏大阪と東京でコンサートを開催されるウィーン国立バレエピアニストの滝澤志野さんのCDであったようです。
写真では清楚な印象のあるお姿からは良い意味で想像がつかぬ力強いタッチな演奏で、特に興奮を抑えるのが困難になってしまうほど驚きを覚えたのが
エイフマン版『アンナ・カレーニナ』第2幕でのアンナがいよいよ追い詰められて行く群舞の見せ場の悲愴、そして『ライモンダ』第2幕帰還のヴァリエーション。
ともに大変思い入れがあり、前者を聴くともう渡邊さんが例えTシャツをお召しになっていても
実現はしていなくてもヴロンスキーにしか見えずもうグランバットマンどころではありません。(我が夢配役を再び描画してしまった、すみません)
後者は関東では1人いるかいないかであろう一番好きなヴァリエーションで、当たり前ですが踊ったことはございませんが
例えバーでもこの曲でできたのは何だか夢が1つ叶った気分。公演でも発表会でも抜粋でこの部分のみ踊られることは滅多になくだいぶマイナーな曲かもしれません。
ただ鑑賞中心者及び講師の舞台見過ぎているバレエ愛好者あるあるで、この曲を聴いていると
そろそろジャンは舞台袖でマントの装着をなさっている頃合いかと2年前の6月へ記憶が飛んでまたもや想像が脳内大旋回。
今は先生です。要集中とは分かってはいても、思い出してしまってああ。
そうでした、カウント取りつつお手本見せつつ更にはこの曲を音程しっかりと歌っていらした渡邊さんの歌唱力にも恐れ入った次第です。
この曲、教師でも歌える方はそういらっしゃらないかと思っております。それにしても、我が最たるお気に入りヴァリエーション曲しかも知名度は高くはなさそうな曲を
渡邊さんが歌いながらバーにて教えてくださるとは、今月の運を使い果たしたとしか思えません。
他にも『ライモンダ』夢の場のワルツ、『オネーギン』、『白鳥の湖』幕開け等、CD購入を考えてしまうほど耳をずっと澄ませていたくなる曲目ばかりでした。

それから珍しい体験の2つめ、平日の退勤後のレッスンであったこと。人生2度目でございました。
何しろ私にとってレッスンは年間大行事な位置づけで、行く1ヶ月以上前から大騒ぎ。
特に3年前までは昼頃からの開始であっても始発の電車に乗り、特急に乗り換え、
下車すればエスカレーターの立ち位置は右側になる文化へ足を踏み入れておりましたので(どこまで行ってんねんとお思いになるでしょうが)
レッスンといえば休日必須であったのです。ですから仕事帰りにレッスンなんて可能なのか、
日頃NHKの首都圏ニュース845を自宅でのんびりと脳みそも眠りつつ視聴している真っ只中な時間帯にセンターレッスンなんぞできるのかな些か不安もあったのでした。
そこで、せめてもの安心材料として急遽当日は出勤用鞄をレッスン時に愛用の鞄に変えて従業員証や定期券等も入れ替えて出勤。
また渡邊さんのレッスン受講も7ヶ月ぶりで怯えさせるような教え方は決してなさらないと分かってはいても
午後3時を過ぎると緊張が襲い、4時を過ぎると、閻魔大王のような怒らせ方したらどうしようかと
『夏の夜の夢』におけるパックにお仕置きする強面のオーベロンが他室への書類届け帰りの廊下でふと過ぎり
退勤時には心配そうな顔で警備員さんに挨拶してしまい、勤務中に何かあったかと誤解を招いていたでしょうが
(勤務先、コンプライアンス等かなりきちんとしていますのでご心配なく汗。それより昨今の出来事から芸術界芸能界の心配が尽きませんが)
和やか優しい教え方でホッと一安心でございました。
センターにて、高い背丈でのふわり跳躍を真後ろで拝見すると4回のオーベロン思い出し再びニンマリが止まらず。
前日にもジュエルズストーリー『ラフマニノフの旋律』があった中、月曜日夜にありがとうございました。
2ヶ月ぶりの有酸素運動ながら筋肉痛にも全くならず、疲れることも一切無く、楽しく気持ち良いレッスンでした。
この日の渋谷駅は東横線側もマークシティ方面もアイドルのグループの写真ポスターなるものが通路沿いに何点も登場し、撮影者も多数。
世間の方々の趣味は様々であると感じつつ、レッスンでの幸溢れる時間を刻んだ胸を張って、乗り換えへ向かった人生2度目の仕事帰りレッスンでございました。




アートオブジェな外観。



帰り、乗り換え駅にてふと思い出し、以前仕事帰りに立ち寄ったお店へ。レッスン後はビールに限る。
後日何名かの方とレッスンウェアの話題になり、歩くコンクリ、動く暗幕、可動式土壁と言わんばかりの地味目の色合い中心の私服着用者な私が選ぶとは思えない
パステルカラーなウェアの着用に驚いたとのこと。レッスンが非日常なもので、例え膨張色でも普段とはがらりと変えたことをやってみたい気持ちに駆られるのかもしれません。
着用物も最小限で所謂大人バレエらしくなく、年甲斐もなく小学生の頃とほぼ変わらん格好でやっております。
いかんせん重たいズンドコドッスンな身体なもので、可能な限り嵩増しをしたくない切実な事情がございます。



客足絶えぬお店でビールとまろやか担々麺!スープとともに幸せが沁み渡ります。ああ。

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