2020年12月15日火曜日

【速報でもないが】【前半終了】新国立劇場バレエ団『くるみ割り人形』2020開幕




お待たせいたしました。イーグリング版くるみ割り人形2020の大雑把ですが総まとめ感想でございます。
https://endehors2.blogspot.com/2020/12/4-121220.html

順番前後いたしますがひとまずこちらから。12月12日(土)開幕の新国立劇場バレエ団『くるみ割り人形』前半、4回公演を観て参りました。
https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/nutcracker/

今週金曜日より後半日程が始まりますので手短に。まず毎度の話で恐縮ですがこのプロダクションは決して好きではなく
益々若年齢化したと思われる子役の出番の多さや魔法が度々解けかけるとはいえ王子のお面装着の煩わしさなど要改善な点は多々あり。
しかし初演の2017年から4年連続公演である成果が一層プラス方向へ働いて演者がすっかり熟れ、
場面によっては意味なき詰め込みやリフトの繰り返しな振付をも格を上げながら魅せている印象。毎回満喫しております。
子役配置についてはもう諦めましたが笑、華麗なる授業参観であると捉えて観ており、子供達の両親つまりは客人観察が楽しいこと。
全員がすらりとした長身で立ち振る舞いも自然で品があり、前田文子さんデザインのシックな衣装が映えて目の保養。
加えて周囲で繰り広げられているお芝居が細かく面白く、つい追って観てしまいます。
特に聖ニコラスから子供達へのプレゼント配りの最中にて1人プレゼントを貰えず、客対応で多忙な両親からも置き去り状態にされたクララを慰め励ましてあげている夫婦の優しいこと。
交替で稲村さん北村さんと渡邊拓朗さんかと思われますが、娘が貰ってきた羊のおもちゃで遊ばせてあげたり
クララにだけプレゼントが渡されない事態を心配そうに顔を見合わせたりと心癒されるひと幕です。舞台に向かって下手側手前をどうぞご注目ください。
また、舞台転換や照明も大掛かりでスペクタクル感満載なくるみ割り人形率いるおもちゃの兵隊とねずみ軍の戦争も見所です。

1度目の再演時、学校団体が入る平日昼公演で鑑賞した際に近くにいた生徒さんたちが一番夢中になっていたの場面がこの戦闘場面で
次々と兵士やねずみ軍が登場して畳み掛けるように展開する迫力に息を呑み、思わずおおー!と声を発してしまっていたほど。
4階隅の決して観易い席ではないながら、一生懸命鑑賞していた様子が嬉しかったと同時に
クララのような純粋な心で観ている生徒さん達の隣で、好きではない演目なんぞ言って廃れている自身が恥ずかしくなったことも思い出します。
(当時よりはイーグリングくるみ、愛着が沸いてきましたが笑)
2幕でも大変集中しながら鑑賞していて、終盤で主役2人の衣装が引っ掛かるアクシデントが勃発してしまったときも
「どうしよう!引っ掛っちゃった!」と思わず心配を露わにしていて、王子がブチっと力技で勇ましくちぎると「ああ良かった」と安堵。
それだけ舞台を真剣に観ていて、生の舞台の楽しさ怖さを2時間で目一杯体感する生徒さん達の態度からの学び多き鑑賞であったと思い出します。
そういえば、今回は初日に学校団体が入っていましたが、帰りチケット売り場近くの立派なエジプト像も人気であったようで記念写真を撮る男子生徒さん多数。
終演後も劇場を満喫していたようです。

話を戻します。大人数の雪の精達によるまさに巨大な「雪印」を描き出したりと圧巻な銀世界を作り上げている雪の情景や、男性は踊ってややこしいサポートしてまた踊って、と
世界随一の高難度であろう花のワルツは優雅だけでない、力強さも更に増していて要注目でございます。
女性のオレンジ色衣装も見慣れてきたのか、それとも初日の2週間前に 伊予の国にて10種類以上の蜜柑を食するなど
土産物店でも空港でもオレンジ率の高い地域で過ごしていたせいか、ギョッとはしなくなってきました。

また何より、この状況下において全幕作品をオーケストラ演奏付きで鑑賞できる喜びがいかに大きいか身を以て感じております。
現時点では東京近郊のバレエ団において冬公演は予定通り進んでおり、Kバレエカンパニーや牧阿佐美バレエ団、井上バレエ団、
東京バレエ団(このあと山形と兵庫公演あり)は無事に千秋楽を迎え、関係者の方々の努力の賜物と言うほかありません。

後ろ向きなニュースが度々報道されており 初日小野さん福岡さん主演の土曜日昼で学校団体が入ってもB席だったか1種類の席以外は◯印、
他日は日曜の昼に確認した時点では全日程全席種◯がついた状態で、『くるみ割り人形』の売れ行きがここまで順調でないのは開場以来初かと思います。
ただ今年ばかりは仕方ないことで、行きたくても足を運べない方が大勢いらっしゃる事態であると捉えております。
12日(土)13日(日)のそれぞれ昼夜計4回公演は全て4階で鑑賞しておりますが、着席者よりも座席に立て掛けられたクッションのほうが遥かに目立つ状況で手放しに喜んではなりませんが
ゆったりお楽しみになりたい方は4階席お勧めでございます。最終日20日(日)夜公演は有料生配信もありますので劇場へのお出掛けが困難な方は是非ご検討ください。

そろそろお開き、と申したいところですがそうでしたねずみの王様陣。今回も各々アドリブ大会が盛況で奥村さんは今年話題沸騰の某ダンス、
木下さんは昨年も流行した野菜の振付、井澤さんは世代を超えて愛されている伝統の持ち芸に腰を一段と入れて披露。
渡邊さんだけが私の知識不足で分からず笑、盆踊りか或いは、何だ?18日(金)再度しっかり観てきたいと思っております。



スパイスイープラスにて、王子とねずみの王様兼任のお三方である井澤さん、奥村さん、渡邊さんへのインタビュー。難度の高い振付てんこ盛りのイーグリング版の特徴や魅力を分かりやすく語ってくださっています。どうぞお読みください。
最後の方の腕組みした渡邊さんの写真、銀幕のスター(お若い世代には通じないかもしれぬが)のような佇まい。昭和の時代劇俳優とのご意見もございました。
いずれにしても古風で凛然とした容貌に目が心臓印と化し、くらりとしてしまいます。





現在クロークが休止中のため、上着を入れる袋が用意され、いくつかの場所に設置。
お洒落な持ち方を模索中で、上部を絞るように持って歩いていたところ何名もの方々にサンタクロースと呼ばれた管理人。
聖ニコラスではありませんので、プレゼントは入っておりません笑。



12日(土)夜公演にてねずみの王様をたっぷり楽しみ、帰り地元にてきらきらと泡が流れるスパークリングワインで乾杯。
今回も公演限定カクテルやデザートは無しですので、自身で探すなり自宅で楽しみます。



大好きなダンサーによるねずみ王を観た後に食すチーズケーキは誠に美味しい。ずっしりと重ためのケーキで、
長めのお皿の形状やケーキの色合いからしてねずみ軍のチーズ大砲を彷彿させます。
ねずみ王、指示を出す前に閃いたと言わんばかりに頭の横にて指でピカッと光らせるようなマイム、面白過ぎでした。お茶目にもほどがある笑。
そして管理人、12年前のリーマンショックに続き干支一回りした今回も世界規模な大厄年の年女となりましたが、ねずみ年で良かった。



13日(日)帰宅後、夜公演のくるみ王子の余韻に浸って、いただいた林檎と胡桃のトルテを自宅にて白ワインで乾杯。(お皿の上が少し寂しいため、市販の胡桃を散らしてみた)
白河だるまさんとミニくるみ割り人形も一緒に祝福です。
士官学校卒業生の鑑の如き清廉潔白そうな甥っ子、軍服がたいそうお似合いでございました。次の土曜日夜は1階席で鑑賞、目に心に焼き付けて参ります。

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