2020年12月25日金曜日

【手放しでは喜べないが】【実質劇場1人貸切体験】【愛媛色濃い⁈】映画『10万分の1』

バレエ鑑賞感想とは違う話題ですが、珍しい劇場体験をいたしましたのでやや支離滅裂路線を走りますが悪しからず。

皆様の中で、劇場を1人で貸切体験がおありの方はいらっしゃいますか。 ご自宅にプライベートシアターをお持ちの方ならばともかく
王侯貴族やVIP相当の方といった方々でない限り体験者は少ないかと存じます。
ところが管理人、つい最近似たような体験がございました。約160名収容のスクリーンに私含めて4名程度の入場でしたが
私以外の観客は中央を横切る通路よりもだいぶ後方に着席なさっていて、 通路のすぐ前に着席の管理人より前は観客無し。
また喜劇であれば後方から聞こえる笑い声により他人の呼吸を感じながらの鑑賞になったのでしょうが
お座りの席が最後列に近い上に皆さん大変静かに鑑賞なさっていたため気配も感じず。つまり、劇場にたった1人も同然な状態で上映が開始されてしまったわけです。

もしこの出来事が、世界規模の感染拡大な世の中でなけれな思わぬ幸運VIP待遇体験と喜び、
且つ万一本当に1人観客ならば本編前に上映される盗撮や違法ダウンロード禁止の広告中に立ち上がって踊り出す、なんてことはいたしませんが
(満席であろうと1人であろうとスタッフの方が機材を操作し上映を見守り、客席内での異常発生がないか目を光らせているはずです)
いかんせん劇場に人が集まりにくい事態での出来事ですから、手放しでは喜べず。
大相撲でも収容人数を減らした対応の販売により升席に1人といった贅沢な居心地を体験なさったとのお声も見かけましたが
そういえばバレエでも、つい先日まで開催されていた新国立劇場バレエ団『くるみ割り人形』も4階席は殆どの日程で空席が目立つ例年では有り得ぬ事態で、
全日鑑賞ではないため日程や時間帯にもよるかとは思いますが特に後方列は6席に1人いる程度のゆったり鑑賞でした。
バレエや映画、スポーツ等分野問わず、劇場、会場に観客が集まりづらい状況が長く続かぬよう切に願っております。

話を戻します。予告上映時は客電が落ちていないため、自身よりも前の約90席に誰1人いない空間が視界に入るとそわそわ落ち着かず
シアター内で写真や再現映像を見守りながら著名人の先祖の生き様に迫るNHKの『ファミリーヒストリー』のゲストになった心持ちにもなってしまいました。
仮に実現したとしても管理人の両親祖父母曽祖父母と先祖は優秀、管理人のときのみ突然変化し妹の代で元通り、といった
嘆かわしい自身が目に見えてくる展開ですがそれはさておき、始まってしまえばこの機会を楽しんでしまおう、実質映画館独り占めと前向きに。
前後左右に人の気配を全く感じぬ体験なんぞ滅多にございません。私より前の約90席が空席のまま、後方は気配も無く物音一つせぬ状態で上映開始です。

さて、本題に入ります。鑑賞した映画は『10万分の1』。宮坂香帆さんによる漫画が原作で、ALS(筋萎縮性側索硬化症)を患う高校生が主人公の作品です。
私があれこれ説明するよりも予告映像をご覧いただくほうが分かりやすく伝わりますので、ご参考までにこちらをどうぞ。





この類の少女漫画原作の純愛ものはまず観ない作品で、原作も知らぬ上に外見は乙女の欠片も無い私をご存じの方は
映画館で1人浮いていたであろうと即座にお思いになるのは目に見えておりますが、興味を持った経緯が多々ございますので紹介して参ります。
(無駄に長い予告上映状態ですが忍耐に自信のある方は以下どうぞ)

この映画を知るきっかけになったのが、10月『ミッドナイトスワン』鑑賞時の予告映像で、まず直感で映像とカメラワークが綺麗と思ったのでした。
郊外の小さな駅やお台場のレインボーブリッジを見渡す歩道照らす夕陽、満天の星空、と次々と美しい映像が目に飛び込み
テレビ放映時やDVDではなく映画館のスクリーンで観ようと決意。

次にヒロイン桜木莉乃の不思議な習慣の1つが俳句である点も魅力に映り、季語はないため川柳と捉えて良いかと思いますが
特に腹立たしい出来事があると専用手帳に呪いの一句を詠む習慣があるのです。
実を申しますと、私自身社会人生活初期時代に川柳を毎日詠んでいた経緯があり大変親しみを覚えた次第。
形式自由の研修日報があり、箇条書きでも小見出しを付けつつ綴っていくのも、あたかも遊びの掲示板の如く気ままに書いてもとにかく自由であったのです。
しかし自由と示されると何かしら形式を作りたくなるのが、都立の中でも校風の自由度がいたく高い
制服のみならず校則が無いに等しい高校へ通いながらも髪色も変えず
壁紙のような地味装いで3年間過ごすなど若き頃からの管理人の性なのでしょう。
研修から2、3日が経緯すると記事の題名、まず書き出しは当日の天気 、研修内容、そして私は当時以前以降も物覚えや頭の回転が頗る宜しくなく、なかなか進度に付いていけぬが
これからも希望を見出し努めようと決意する下りを綴って締め括り。そして結びに「今日の一句」として
研修内容を踏まえながらの不出来な自身を嘆く哀愁極まりない様子を五・七・五で詠んでいたわけです。発案以降は約2ヶ月間毎日行っていたかと記憶しております。
理系が圧倒的多数の職場でしたからまさか日報に川柳を綴り続ける社員が出現するとは会社側は想像もしなかったでしょうが今後の業務のためにも簡潔な書き方をするよう
指導が入ることもなく或いは変わり者過ぎる人格を諦め半分であったのか面白がってくださっていたのは救いでした。
私の場合、全従業員閲覧可能である旨は聞いておりましたので読まれても恥ずかしくは全くありませんでしたが、映画では莉乃は秘密の専用手帳に書き込んでおり、
しかもその手帳を落とし、意中の男子生徒である桐谷蓮に中身を読まれてしまったのですから、穴があったら入って塞がりたい気持ちに駆られたことでしょう。

また当時の日報はのちにブログを始める上で書き方の根幹となり、例えばバレエ感想ですと「◯◯を観て参りました」と開催概要リンク先紹介で始まり
主役、ソリスト級、群舞、演出、突っ込みどころ、そして関連飲食(不要かもしれませんが)、と
お決まりの流れを設定且つ誰もしないであろう要素を盛り込む面白さに目覚めるきっかけにもなりました。
ちなみに大人数(でもないか)の前でバレエについて説明したのもこの頃で、テーマ自由のスピーチにて約40名中99%は理系若手男性社員を前に
いかにしてバレエの魅力を伝えるか考えに考えたのは良き思い出。
バレエの歴史云々を語りよりも 跳躍や筋肉美、パ・ド・ドゥでのリフトといった男性ダンサーの力強さに焦点を当てて、
模造紙も用いてダンスマガジンより拡大コピーした資料を見せると驚くほどに真剣に聞き入ってくれた光景は忘れられません。
下着1枚裸体衣装は筋トレマニアやドラゴンボールオタクの男性の競争心に火を付けたようです笑。

時間は飛びますが、今年に入ってからは所謂緊急事態宣言中は休日は基本自宅におりましたため飲酒量が激減し、(バレエとセットでないと気が進まず)
代わって増えたのが伊藤園のティーバッグ式ほうじ茶。そのパッケージ1袋ずつに一般公募による伊藤園入選の句が掲載され、五七五の響きに触れる機会は格段と増えたのでした。

話が逸れました。莉乃と蓮が旅先で星空を眺めるロケ地もまた惹かれた点の1つ。原作では長野県阿智村が登場したようで
今年家族が訪れ、それはそれは美しい星空鑑賞が叶ったと聞いておりましたが映画では同県戸隠地域で撮影。
昨年新国立劇場バレエ団こども『白鳥の湖』長野県岡谷市公演へ行く前に知人から勧められた場所でした。
公演と合わせての訪問も検討いたしましたが狩人の名曲『あずさ2号』の世界観再現に走り新宿駅出発が8時ちょうどのあずさに乗ってそのまま鑑賞する日程を優先してしまい
それよりも直前に岡谷の2日前開催の大阪公演にキャスト変更が生じて岡谷と同じく渡邊峻郁さんの出演が発表された大阪公演も鑑賞する運びとなったため
戸隠どころではなくなり結果お預け。以降長野はご無沙汰状態にあった中で映画のクライマックスに登場すると知り、思わぬ形での堪能に期待が膨らんだのでした。

それから莉乃が食べることが大好きな性格、食べたいもののためなら1人でも足を運ぶ性格にもどこか親しみを覚えずにいられず。
加えてメロンパンを頬張る姿は我が高校時代を思い出し、運動部にも所属せすその頃はバレエも辞めており、
食事制限も特段していない状態ながら今の容姿からは想像できぬかと思いますが謎の体重減少で40kg近くになり生理不順となって半年以上通院。
現在も原因不明で、首を傾げていた医師の様子は転倒回数が増えつつある莉乃を診察しながら原因が掴めぬ映画内での医師にも少し重なるものがあると感じたが
しかし管理人老いた現在は健康そのもののため気にはしておらずですが体重増量に効果があったのがメロンパン始め甘いパン。
嵌ると毎日のようにおやつに食し体重は瞬く間に元に戻りましたが
菓子パンによる増量は好ましくなかったようで、医師の表情は複雑だったがまあ仕方ない。そんな通院も思い出す要素です。

最後に(これが一番大事かもしれぬ)、愛媛と繋がりがあり伊予の国訪問とタイムリーであった点。
11月末の日曜に鑑賞した愛媛県西条市で板東バレエオータムコンサート翌日に思いのほか松山城を満喫できたため帰京後松山市について諸々検索していたとき
坊ちゃん文学賞のアンバサダーを務めていらっしゃるのが主演で桐谷蓮役の白濱亜嵐さんであると知って驚き、松山市ご出身とのこと。
恥ずかしい話、日頃流行邦楽披露の音楽番組を視聴していないため白濱さんの所属グループのGENERATIONS(きちんと調べていないがEXILE系のグループらしい)も詳しくは存じ上げず。
EXILEや三代目何とか…は紅白や新国立中劇場開催である理由のみで毎年末視聴しているレコード大賞にて知ってはおりましたが、日頃テレビを観ていないとこうなるわけです笑。
白濱さんの対談インタビューが大変故郷愛に溢れていて、中でも路面電車への愛おしさや松山駅は今でも駅員さんが切符を切る、
電車の間隔がゆったりしているのも魅力であるいったご発言は、ちょうど行ってきたばかりの松山にて松山道後間を走る路面電車のゆったり感や
電車に間に合わず1時間駅周辺でのんびり過ごした伊予西条への往路を思い起こしたり
俳句や北条海岸(北条風鯛めしもホテルの朝食で食べたばかり笑)など愛媛の旅、史跡ガイドを読んでいる気分になる対談内容で
秋山兄弟や子規堂にも話は及び、見た目に反して(失礼)話す内容はしっかりしていて驚かされたのでした。

それから桜木莉乃役の平祐奈さんは大きな瞳が印象深く、もしやと思ったら女優平愛梨さんの妹で
愛梨さんはサッカー日本代表としても活躍なさっている長友佑都選手と結婚されましたが
長友選手のご出身は愛媛県西条市。W杯の年は伊予西条駅周辺にて垂れ幕も見かけ、地元出身の大スターです。
そんなわけで、莉乃の俳句習慣のみならず愛媛県松山市と西条市から戻ってきて間もない私にとって愛媛色が強い作品でもあると勝手に捉え
愛媛からの帰京以降鑑賞が俄然楽しみになったのでした。

鑑賞するならばTOHOシネマの新宿が良かろうと考えていたのも束の間、新宿含む何館かの劇場は公開から1週間で上映終了し思わず突っ込んだ「ロイヤルシネマかい笑」
どの映画館も現在『鬼滅の刃』の時刻表は松山伊予西条間よりも明らかに賑やかで、それよりもこの状況下ですから1日にそう何回もの公開は 難しいのでしょう。
上映館を見つけて新国立くるみ開幕前に行って参りました。

さてお待たせしました、本編について。まだ上映中ですので手短かにとどめておきますが、
後半の展開が急ぎ足であった点は気になったものの、ときめく青春物語と病気進行の重たい展開をバランス良く配した作品である印象受けました。
私もまだALSについて知識が不足し過ぎており踏み込んだ話が出来かねますが、これまでも報道やドキュメンタリー、ドラマでも取り上げられてきたテーマであると聞いておりますが
青春を謳歌する高校生のような若い人の発症に焦点が当てられたのは殆ど無かったように思います。
元気に生活しているはずが突如転倒回数が増えたり物を掴めなくなったり、医師に相談しても解決策が見つからず、しかし症状は悪化し
せっかくの幸せ一杯な高校生活に翳りが差し始め、身体の予期せぬ硬直によって日常生活にどんな支障が生じるのか直面する壁を時には露わに描写。
前半とは打って変わり心を閉ざしてしまう莉乃を平さんは大胆且つ体当たりで演じていらっしゃいます。

白濱さん演じる、大モテ男ながら莉乃以外の女子には無関心で内面は朴訥、生真面目な蓮の高校生とは思えぬ精神年齢の高さには仰天の連続でしたが
少女漫画で描かれる世の女子が憧れる対象ならば有りかと考察。
また白濱さんの高校生役に違和感があるとの意見も見聞きいたしましたが、絵に描いたような文武両道男子で部活では主将を務め
莉乃から病気を打ち明けられ別れを切り出されてもきっぱり断る潔さと言い
精神面が随分と大人な高校生。病気が進行し何事も焦り気味になる莉乃から性についての質問を受けたときは珍しく狼狽する姿を見せていましたが、
気を取り直して理由を丁寧に説明するあたり安心感を与える人物であると思わせました。
体操着や学校机はやや不自然であったものの髪の色が暗めで短髪、前髪を下ろしていたスタイルも高校生らしさに繋がっていたとも思え
概ねはむしろ良い方向に働いていたと受け止めております。

それに過去に視聴したドラマでもっと違和感あり過ぎる方々、例えば来年年明けすぐのNHKプロフェッショナルにご出演の
新国立劇場バレエ団舞踊部門芸術監督の吉田都さんが英国ロイヤル・バレエ団時代に東京都調布市にてコッペリアにゲスト出演された時期である
1997年1月に放送が開始された『サイコメトラーEIJI』での松岡昌宏さん(当時20歳位?ただ特殊能力の持ち主である設定でしたから同時に説得力もあったかもしれぬ)や
韓国ドラマ『冬のソナタ』での高校時代の主人公達の中にいたぺ・ヨンジュンさんなど何名も見てきましたから、目を疑うような違和感は無かったと言って良いでしょう。
戸隠で撮影された終盤の星空、これは映画館のスクリーンで観て良かったと心底思える美しさでした。

普段足を運ばぬ分野へ出向いた際には、昨年の歌舞伎『風の谷のナウシカ』での幕間のように、詳しそうな方々の会話に耳を傾け学びの時間とする楽しみもありますが
いかんせん今回はほぼ貸切状態でしたので叶わず。今年はまあ仕方ないか。

以上、前置きが長過ぎる記事で失礼。バレエと違い生の舞台芸術ではなく映像鑑賞とは言え、
ゆったりと腰掛け、大きなスクリーンで鑑賞し臨場感のある音響に包まれる映画館で観る喜びと、手放しでは喜べぬが実質貸切鑑賞にも浸れた一夜でした。
バレエやクラシック音楽にも擦らぬ映画の劇場鑑賞は記憶の限り6年ぶりで、新垣結衣さんが主演作品で私と同じ名前のヒロインを演じたなど(母親役が薬師丸ひろ子さん!)
バレエ関連映画以外は余程の理由が無ければ足を運ぶ機会がまずなく遠ざかり気味でしたが、劇場で観る喜びはバレエも映画も同じこと。来年は回数を増やしたいと思っております。




何かと愛媛と縁ある映画であると考えながら映画館近くを通るとタイミング良く、オレンジ色のクリスマスツリー。
イーグリング版くるみの花のワルツオレンジポピーも見慣れてきたが、愛媛に行ってオレンジに馴染み、
朝食で10種類ものみかんを食してホテルでは宿泊客飲み放題の3種類みかん蛇口も活用し蜜柑星人となっていた滞在も好影響か。



少しは日本の映画界、映画館にも貢献しようと作品のパンフレット購入に加え、愛媛にて板東バレエフィナーレ曲として記憶に新しい『鬼滅の刃』ガチャガチャをやってみた。
嘗ては新国立劇場のホワイエに手塚プロダクションとの共同企画ダンサー版ガチャガチャがあり、福岡雄大さんがお好きな方に協力して私もやってみたが結果どうであったか覚えておらず失礼。
さて今回、鬼滅の出たキャラクターを見ても知識不足で何も分からずだが、後日お好きな方に差し上げたところ大変喜ばれ、ご家族の推しキャラクターであるとのこと。



映画に登場する重要な食べ物の1つが、莉乃の祖父(奥田瑛二さん演じる桜木春夫)が作るオムライスでした。高校生が主役の作品を観た帰りですが、白ワインで乾杯。
グラスの中を覗くと花が開いたような形状で、ふと塩入れを見ると、マクミラン アリスの文字。
『マノン』中断と『不思議の国のアリス』群馬、愛知含む全公演中止が過ぎり早々にバレエへ回帰。7回鑑賞した新国立『くるみ割り人形』感想総括は次回綴って参ります。

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