暫く更新が止まり申し訳ございません。
新型コロナウィルスの感染拡大を懸念して立て続けにバレエ公演が中止となり、
2月末から3月にかけて鑑賞のご予定が多数飛んでしまった方は大勢いらっしゃることと存じます。
私の場合は新国立劇場バレエ団『マノン』後半2日間、大和雅美さん福田圭吾さん振付演出のDAIFUKU、
スターダンサーズ・バレエ団『ウエスタン・シンフォニー』『緑のテーブル』、
牧阿佐美バレエ団『ノートルダム・ド・パリ』、Kバレエカンパニートリプル・ビルを鑑賞予定でおりましたが
中止となりました。ただ状況を考えれば致し方ないことと捉えております。
(延期と記載の団体もあり、心待ちにしております。今月末の新国立劇場Dance to the Future2020がどうなるか)
現在大型カンパニーとしてはパリ・オペラ座バレエ団が来日公演中ですが、上演に踏み切ったNBSも
出演者関係者そして何より観客の安全を守ろうと最大限に配慮しながら公演を続行していると思います。
未だ感染源も謎であり、これといった対策も見つからぬ状態で不安な日々が続きますが
とにかく1日でも早く収束するよう今は願うばかりで、できることを真摯に行って参りたいと考えております。
さて、以下はぼやきや呟きな記事でございますが悪しからず。
先週2月29日(土)、阿川佐和子さんが聞き手を務めるTBSサワコの朝を視聴いたしました。
ゲストは松山バレエ団の森下洋子さんです。
https://www.tbs.co.jp/tv/20200229_59DB.html
バレエを習い始めたきっかけやヌレエフとの共演など、既に何度もお話しになっている内容も含まれていながら
表情豊かに朗らかに語っていらっしゃるご様子が何とも生き生きとなさっていて、そしてシンプルな黒いパンツスーツを
さらりと着こなして歩くお姿も美しく、朝7時半から活力をいただいた思いです。
森下さんと言えば、言わずと知れた日本を代表する現役のバレリーナであり
誠に失礼ながら我が家に公演告知の葉書が届くたびに、いつまで踊られるのだろうか
ひょっとして生涯全幕現役として歩まれるのだろうかと手に取る度に考え耽ってしまうのですが
葉書が届くようになってから約15年。今もなお全幕の舞台で主役を踊っていらっしゃるのですから
賛辞を込めて、「怪物」としか思えません。今年は堀内充さんと共演の『白鳥の湖』全幕を控えていらっしゃいます。
http://www.matsuyama-ballet.com/newprogram/new_swanlake.html
森下さんの舞台を鑑賞した回数は少なく、2006年の『シンデレラ』と『ジゼル』の2回のみですが
松山バレエ団の独特な序列で気にかかる点はあれど(2006年鑑賞時は管理人が子供の頃と
さほど変わっていない序列に衝撃を受けたと記憶)豪華な美術装置衣装且つ人の雲海状態と化した舞台上においても
主役以外は考えられぬ人であると分かってはいても1人別格オーラな森下さんに驚愕したものです。
放送は偶々家族と一緒に視聴しておりましたが、森下さんが何か逸話を語るたびに管理人、補足事項を追加。
紹介された子供の頃の写真の作品や、通われていた学校、滝に打たれての精神統一や少女雑誌グラビアでの苦労
共演したヌレエフの口癖、ジゼルを決してか弱い少女ではないと解釈なさっていることなど
森下さんの根っからのファンではなく新書館の書籍やその他森下さんのインタビューで目を通して蓄積した程度の知識ですが
遂に家族が笑いながら放ったのは「マラソン解説の増田明美さんかい」。そして「その時代生きていたのかい笑」
ただでさえ新国立マノンの上演中止1日目の決して晴れやかではない朝、少しでもベクトルを前向きにと言わんばかりに
褒め言葉と勝手に受け止めたものの果たして良かったのか。よくよく考えれば私なんぞ
増田さんが持つ細かく豊富な知識量には到底及ばぬレベルですが
それはさておき趣味が30年以上不変であるのは時には役立つ日が訪れると胸に手を当て、
ささやかな幸福に浸った管理人でございました。
※ダンスマガジン編『バレリーナのアルバム』
新書館のホームページでは品切れ表示ですが、図書館によっては取り扱いあり。
カラーの舞台写真もあり、幼年時代からプロとしてのデビュー以降まで濃いお話満載のおすすめの書籍です。
写真のみであっても恋の喜びに溢れる少女の感情が伝わる森下さんのジゼルが表紙を飾っています。
https://www.shinshokan.co.jp/book/4-403-32006-6/
ちなみに、現在新国立劇場舞踊部門芸術監督の大原永子さんもご登場。
大原さんが落語好きであることやスコティッシュ・バレエの後輩となった下村由理恵さんに
カツ丼を振る舞っていた(カツ丼逸話は下村さんのインタビューにて紹介だったはず)と知ったのはこの書籍がきっかけでした。
残り2回公演の中止や2月26日(水)は開演直前のキャスト変更と続けさまに緊急事態に見舞われながらも
全員が心を尽くして挑んだ新国立劇場バレエ団2020年『マノン』総括は次回にて。
2 件のコメント:
この番組のことは存じませんでした。森下洋子さんは私のバレエ鑑賞の原点とも言える方ですから、見られなくて残念でした。でも、詳細なレポートで、内容がよくわかりました。ありがとうございました。
数多くのバレエ公演が中止となり、気が滅入りますが、一日も早い収束を望みます。
おはようございます。
コメントいただきありがとうございました!
こちらでも告知すれば良かったですね、すみません。
森下さんのにこやかな表情、語り口が朝の時間を大変清々しいものにしてくださいました。
食事時もバレエの話が止まらなかったヌレエフのバレエ愛にも触れていらっしゃいましたよ。
公演の多くが中止となってしまい、寂しい心持ちになりますよね。
いかに劇場が大事な存在であるか、そして
人生において欠かせぬ存在であるかと身に染みております。
早い収束と、各地で舞台やコンサートの開催で賑わう日々の再来を
願うばかりです。
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