2024年12月31日火曜日

2024年バレエ総括








2024年も本日で終わり。今年もたくさんの鑑賞に恵まれました。 しかし年明けから能登地域が大災害に見舞われ、
辛い年の始動にならざるを得なかった方も大勢いらっしゃることと存じます。
もし裏金の全てが支援費用に回ったならば、もう少し早期復興の望みに繋がったのではなかろうかと感じております。
また物価高騰も止まらず、安易に怪しい仕事に手を出す人も絶えず。まずは並の生活ができるよう、
新紙幣が発行されても状況改善がなされるわけではありませんし、寧ろ機械が対応できないままになっている店舗や施設も多数あることでしょう。
(管理人の勤務先の食堂券売機も新紙幣新500円玉は未だ使用不可です)
ホワイト案件なんて見るからに怪しさ露わな仕事紹介がされないよう国政に携わる方々には経済を回して欲しいと願ってやみません。

さて、当方のような読み通しが苦行に近いブログは益々のSNS発達でアクセス数下降真っ只中である上に、
これといった名言を残せなかったにも拘らず今年もお立ち寄りくださった皆様、ありがとうございました。
ここ数年は年末年始は新国立劇場バレエ団のイーグリング版『くるみ割り人形』鑑賞で過ごす日々が恒例となっており、年明けも通う予定でおります。
かれこれ50回ほど観てきて現在では目が慣れてきたものの初演当初の2017年秋は珍しいを超越して違和感や受け止め不能に思える演出振付の連続に
批評や意見の規格をはみ出た不満をつらつら綴ってしまい、今にして思えば、ふてほど感想の羅列であったかと思っております。

前置きが長くなりました。今年の鑑賞は約90回。正確には数えておりません笑。(必ず誤差がでる)
鑑賞とレッスンの比率は50:50には程遠く、今年は90:4くらい。習っているとは申せません汗。
来年でファン歴20年となる西側の先生に、もうええでしょうと言われぬように気をつけねば。
そうはいっても万年運動不足人間ながら、加えて広辞苑によれば今年初老を迎えた管理人、
年4回のレッスン及び回によっては全国コンクール上位入賞してクララに掲載された方とご一緒させていただいたときも
90分身体動かしても疲労感や筋肉痛一切なし。きちんと動けていないだけなのか、それともそうだ、東西双方講師マジック!
それはさておき以下一気に振り返ります。印象深かった観光地や飲食写真掲載も考えましたが恐ろしい分量になりそうでしたので割愛。
また本日もこのあとはCreepy  NutsではなくNutcracker観に行くため、投稿感想記事のリンク先も今年はもう割愛。
と書こうとしていた矢先、歌手の方をクリスピーナッツと勘違い。ドーナツ店と混在していた汗。
しかも今年の話題曲として報じられていた曲もBling-Bang-Bang-Bornの文字を目にするまでは
ビリーバンバンがリバイバルヒットしたのかと思い込んでいた、趣味においては35年以上バレエ鑑賞界隈に身を置いているが故に相変わらず流行に疎遠な私でございます。
先日50年ほど前の紅白歌合戦再放送視聴していたら聴き馴染みある曲揃いで狂喜乱舞したりと、いつの時代を生きているのか道迷うことが度々発生。

では2024年一挙振り返りですー!!!文字の位置づけがガタガタで誤字脱字も多々ありますので、
大晦日や年末年始も、正月時代劇全編視聴並の忍耐力を鍛錬なさりたい方はどうぞ~!!!


※上の画像  1枚目は2024年我が鑑賞ベスト7!(7本の中では順不同、7本とは半端ですが、主語色々省略しております)
2枚目は今年は出向いた地域一覧。ハートが燃えとりまする笑。

※1枚目、チラシやパンフレット並べて撮影。

★拝見したいと願っていた金の黒奴が叶い、色気に刺激に宴鼓舞する牽引力にも平伏したシェヘラ。

★勇猛有能戦士の転落を品格あるクラシックの中で描写なさっていたバヤデール。

★大先輩の退団及び大看板ペアにアプローチ変えて且つその方々の大舞台に相応しいジーンでお仕えなさった『アラジン』。

★こちらも夢叶い、悪魔からの4役踊り演じ分けが魂丸ごと生まれ変わるような変貌ぶり。剽軽お茶目からダークな色気、狂おしい欲望まで変幻自在だったホフマン物語。作品自体も好きです。

★新幹線運休で夜行バスに変更し、断念した友人達の気持ちも背負いながら執念で観に行き、研ぎ澄まされた品やポーズ造形の美に酔いしれた福山ガラジゼル。

★そして福山ガラから梯子して第一部終了後に大阪へすぐさま移動。西村京太郎ミステリー時刻表トリックな気分でYahoo路線より早く着き、堺市にて私が○○生の頃以来の再演、地元の歌人達を描き与謝野鉄幹の苦悩の憂えに見入ったみだれ髪。

★深川ガラ延期となり同じく交通機関もヒヤヒヤな中、前日に行く準備して運に助けられて着いてお洒落なガーシュイン満喫した愛媛県西条市の板東バレエ。


■鑑賞

◆1月
新国立劇場バレエ団『くるみ割り人形』3日(水)6日(土昼)8日(月祝)  3回
廣川みくりさんが主役デビュー。初主演とは思えぬ堂々たるクララで既に座長な風格すらあり、頼もしかった。
この版色々思うところはあるが、千秋楽における渡邊さん軍服甥っ子の凛々しくも爽やかな出で立ち、クララを包み込む様子はやはり眼福。
陶芸に打ち込んでいるんですかと言わんばかりのわけわからんひねくり回す振付も滑らかにストーリー吹き込んで届けてくださるのだから、頭が下がる。
とにかく男性主役がこれだけハードな役だから、せめてどれかのパ・ド・ドゥの振付はシンプルにしてくれい。
(特に2幕冒頭トロワ後のパ・ド・ドゥ、出会いの昂りでもないしグランでもないのだから)もう少し余韻や余白もあって良いと思うのだが。


バレエ!バレエ!!バレエ!!! 21日(日)《山口県防府市》
当初は前日の岸和田公演のみ発表でしたが2ヶ月後くらいだったか、山口県防府市公演開催も発表。
約10年通っていた講座の最終回(清泉女子大学の生涯学習講座が一斉休止に)&管理人幹事の食事会もあるため岸和田は断念していたところに防府市公演発表で
私以上に友人のほうが喜んでいたかもしれません。しかもあちこちで向いている私でも山口県は上陸経験なし。尚更嬉しがってくれました。
東京から観に行く方は先に発売され、距離も東京寄りな岸和田鑑賞者が圧倒的多数だったもようで防府市では東京組は見かけなかったかも。
プログラムは同じでしたが、団体の垣根越えた集結そしてオーケストラが舞台にのった状態での演奏鑑賞も久々でした。
一番のお目当て池田理沙子さん渡邊峻郁さん組の黒鳥は純粋過ぎるお人好しそうな王子様が
みるみるとオディールの罠に嵌って行く様子が普段よりだいぶ制約ある状況下でも描写。
王子の衣装がトゥールーズのアルブレヒトに似たような全身濃い青で珍しいデザインでした。
防府駅近くでは鑑賞前にレンタルサイクルで天満宮へ行き、終演後は駅近くの居酒屋でフグを食べて下関へ移動。
翌日は山口県での観劇時に行きたいと思っていた巌流島へ。ホテルも巌流島行の船着場へ徒歩20秒の好立地。
何で行きたかったかって?2021年の初台平日昼ライモンダ全幕の決闘を観ていたら中世フランス宮廷と同時に巌流島が目に浮かぶお2人な対決で
しかも今回お2人揃って防府市公演にご出演!またとないタイミングでの訪問となり、
島内にいた観光客は3人程度でしたが武蔵像小次郎像眺めながらお2人を当てはめて観察しておりました。
下関の唐戸市場で食べたフグやカモンワーフでの2段型ネタ寿司も鮮度抜群で、瓦そばは柑橘や辛味も効いていて美味しかった。また行きたい県です。
私は鑑賞も観光も大満喫でしたが出演者や関係者の皆様は2日連続の移動公演で
移動!移動!!移動!!!な公演だったに違いありません。


NHKバレエの饗宴2024  27日(土)
永久メイさんの眠りパドドゥの優美さに感激。久々に観るスチョーピンも相変わらず端正であった。
金子扶生さんムンタさんのくるみ割り人形パドドゥはゴージャス。ワガノワメソッドとロイヤルメソッドを一夜に目にできたのは面白い体験。
新国立はドン・キホーテ3幕。3幕のみでも楽しい結婚式。福田圭吾さんがNHKホールにびっくりするサンチョ!
3月のテレビ放送は途中から視聴。福岡市の博多駅前のホテルで視聴した管理人です~。
豚骨ラーメン店に並んでいる間に友人達から視聴レポートが届き、ありがとうございました!



◆2月
国際バレエアカデミア  『シェヘラザード』『ショピニアーナ』 3日(土)4日(日)
新国立から渡邊さん木村さんがゲスト主演。他新国男性ダンサーも何名か出演。
私の大きな夢の1つであった渡邊さんの金の奴隷(アカデミアでは金の黒奴)を2日間鑑賞。きゃあああああああああ。
元々王子貴公子系の役ではなくトゥールーズ時代の野獣やスルタン、ベジャール版火の鳥といった
野性味尖った系の役を映像で観て虜になりましたため(携帯電話の待ち受け画面は約8年変わらずベラルビ作品です)、シェヘラザードで観てみたかったのです。
鞭打ちされながらの登場も強烈で、虐げられても宿るのし上がりを企むギラついた眼光や隠しきれぬ色気にも心臓打ち破られそうな衝撃。
解放されてからの宴全体を鼓舞する張りのある踊りといい今も脳裏に焼き付いて離れません。
来年8月頭に再演がありますが、また渡邊さんで観たいと願っております。
木村さんゾベイダのゴージャス感、そしてバッドボルドさんの宦官が場を引き締めあたたかみを与える存在感も素敵であった。
カラフルな舞台美術、衣装、生演奏で全編聴けたのも喜び。


オルガンavecバレエ  10日(土)《横浜市中区》
中田恵子さん演奏のオルガンとバレエの共演。振付は遠藤康行さん。ゲストに渡邊さん。
オルガンの演奏を何曲も連続で聴くのは初めてで、クラシックから映画音楽まで多彩。中田さん遠藤さんアフタートークも充実、中田さん曰くバレエ風な衣装で演奏したらオルガンは脚もたくさん使うため動きやすくて気に入られたとのこと。
聴きなれた眠りのワルツも奥行き豊かな演奏でびっくりでした。パイプオルガン特有の構造を生かしての出演者登場も面白く
(オルガンの下辺りなど思わぬところから出現したり)
牧神の午後への前奏曲での遠藤ゆまさん渡邊さんとのデュエットがピュアで熱い絡みで素敵でございやした。
アイガットリズムでのノリノリ渡邊さんも新鮮。あっ、前年12月のレッスンでもこの曲にのせてノリノリでお手本見せていらしたのでした!


山本隆之さん版『白鳥の湖』17日(土)《大阪市北区》
2021年に吹田メイシアターにて初演された山本さん版白鳥の湖。今回はフェスティバルホールでオーケストラ付きでの再演。
生オケ付きでしかもフェスティバルホールならではの豪華な空間で満喫。オディールにより光を当てた面白い演出です。
お世話になっている大阪人救世主のお1人が白鳥コールドで先頭務めました!!!ほんまに頑張った!!!
心の中ではグリコのポーズで賛辞を送った、大阪人より喧しい私です笑。


パリ・オペラ座バレエ団『マノン』18日(日)
天使のようにしっとり軽やかなウルド=ブラームのマノン、繊細であれよあれよという間に恋と欲の闇に巻き込まれていくガニオのデ・グリュー。
ジョージアディスの衣装美術も観察できたのも収穫。ただオペラ座マノンといえば
90年代初頭の映像だったか、ベラルビのレスコーとピエトラガラの愛人があまりに強烈で、これ観てしまうとあとがなかなか難しい。


新国立劇場バレエ団『ホフマン物語』23日(金祝)、24日(土)昼夜、25日(日)  計4回
悪夢の二・二三事件からちょうど1年。無事に無事に予定通り渡邊さんがオペラパレスにご登場。
1人で4役の悪魔で1幕は剽軽に、2幕は怪しくマント翻して、3幕セクスィー半魚人なお召し物でに福岡ホフマンを極限状況へ追い詰め、魂引っこ抜かれそうになった私です。
中でも2幕、ピアノ演奏を止めないようホフマンにしがみ付き肩を押さえつけながら楽譜を叩きつけるように捲る悍ましさよ!!!
大阪からいらした福岡さん応援団の方も存在感や造形に仰天していました。
プロローグでの中年議員としてホフマンに手を覆い隠しながら手渡していた金銭はポケットマネー?それとも今年のトレンド(では困るが)裏金か???ムスカか笑????
それはそうと幕ごとにホフマンの人生を辿ってカラーが異なる面白い作品で
音楽も綺麗でドラマ性豊か、衣装もお洒落なのにこれまで客入りが不調で今回も少ない4公演。私は好きな作品なんですが。
次は回数増えますように。渡邊さん悪魔を再び拝見できますように。


◆3月
エトワールへの道程  2024  新国立劇場バレエ研修所の成果  9日(土)
若者達の将来に幸あれ。ひたむきなスピーチも皆頑張った!
修了生で眠りオーロラの堀之内さん(今シーズンより新国立入団)がゲスト王子よりも貫禄があった気すらいたします。


日本バレエ協会   アンナ=マリー・ホームズ版『パキータ』10日(日)

2016年にラコット版をパリオペラ座来日におけるオスタ&ペッシュ主演で観ているが、妙にコッペリアに似た展開と結婚式しか覚えとりません汗。
そんなわけで新鮮な気分で鑑賞。米沢さんが前日の新国立クラシックハイライト大阪府枚方市公演に続き登板。
チャーミングで上品なロマのヒロインを好演。リュシアンとのテーブルを囲んでのコップを用いたイニゴ居眠り作戦を練るなど
コミカルな部分も愛らしかった。(ただ、体調が心配になったが)
しかし一番印象に残っているのは中家さんリュシアンによる謎の格闘技の1人お披露目。何だったのだろうか笑。
でもバレエダンサーの身体能力に賛辞を送っていたらしい大山倍達さんも唸ると思う。
敵役イニゴの方が見せ場たっぷりでトロワも踊り、高橋真之さんがテクニックと芝居心も炸裂。


スターダンサーズ・バレエ団  オール・ビントレー 『Flowers of the Forest』『The Dance House』『雪女』16日(土)
フラワーは今観ても絶えぬ戦争と重なってしまい、重たい部分はより影を色濃く描いていた印象。
一方でウイスキーに酔っ払ったであろう千鳥足でふらつく男性や幕開けのきびきび脚技で楽しませてくれる場面もあって何度でも観たい作品
ダンスハウスは衝撃あり、ビビッドな美術や衣装だけでなくその中で死へ向かう光景も盛り込まれた作風にびっくり。
新作雪女は渡辺恭子さんの儚くもおどろおどろしいお化けっぷりが恐ろしや。



東京シティ・バレエ団『眠れる森の美女』 23日(土)
大待望の再演。セルゲイエフ版をベースにラリッサ・レジュニナさんが指導。奇を衒わずそしてとにかく衣装のセンスよ。
マリインスキーのセルゲイエフ版のまんまな衣装ですと妖精ソリストのモンチッチ鬘やらワルツ男性のトウモロコシヘアーなど
コントになりかねませんが妙な鬘は無しにして、衣装はパステルカラーと渋めの色を組み合わせて落ち着いた品のある色彩感で統一。
清田さんオーロラの華やぎやエネルギー、植田さんリラは強く柔らかな背中、落ちない腕のラインが語り、濱本さんカラボスのすっと澄ましたカラボスも魅力。


田中千賀子バレエ団『白鳥の湖』24日(日)《福岡市》
ちょうど3ヶ月ぶりに福岡市に来ました~。(前回が2023年12/24でした)田中バレエは2019年真夏の夜の夢以来の鑑賞。
ロットバルトが1幕から王子の成人祝いのお城に存在し、王妃をそそのかす不気味さで場を牽引。山本さんのダークで妖しいロットバルトが覆いつくしていました。
一方で装置は綺麗で爽やか目。宴の明るさと影の表裏の味付けがくっきり。
田中ルリさんの柔らかで優雅なオデット、松田カンナさんが妖艶な中に品ある美しさが宿るオディール。白鳥コールドも統制が取れていて見事でした!
そして翌日にはこれまたちょうど3ヶ月ぶり、マリンワールド海の中道へ。(飛行機からも見える建造物)雄ラッコのリロくんにも会ってきました。


エンドウ・バレエ発表会2024  27日(水)《東京都杉並区》
初鑑賞のスタジオ。時節柄花粉が猛威を奮う年度末に杉並区へ。晴天で暖かく、代田橋から歩いて向かおうかとも思ったが強風且つ花粉の猛威でバスを利用。
代田橋駅からバス乗り場までかなり距離あります。甲州街道渡らねばならず。でも歩道橋から見る甲州街道の景色も良く、道中で銭湯も見つけ楽しい体験。
ドン・キホーテハイライトに渡邊峻郁さんバジル。街の賑わいと夢、結婚式で、
脚技もふんだんにあって長い脚であってもシャキシャキ、素早い動きもお手の物。
通販番組で見る切れ味抜群包丁のようでした。洗練されたバジルでした!


◆4月
マシュー・ボーン版『ロミオとジュリエット』14日(日)昼
現代の矯正施設に置き換えた演出。若者達のぶつかり合いがみずみずしくも悲劇へと一変。
ガランガランであった客席が惜しかった。ゲネプロかと思ったくらい。


K-BALLET Opto『シンデレラの家』27日(土)
もう少しプロコフィエフの曲を多めに、元のバレエシンデレラに即しつつヤングケアラーに置き換えた演出がよかったかも。休憩なしの約90分、理解に至れず残念。
ただ酒井はなさん継母の脆くもおぞましい造形は脳裏に焼き付いた。


グラッシオバレエスクール発表会『ライモンダ』ほか29日(月祝)《兵庫県姫路市》
今年も姫路に行けました!2017年以来の再演『ライモンダ』ほぼ全幕。現世界情勢を考えると上演が一層難しい作品ですが、音楽といい振付といい
女性1人と男性2人の三角関係も潔く、一番好きな作品と再確認。生徒さん達も纏まりがあり、山本さんの久々ジャン、痺れましたー!!


◆4月〜5月 新国立劇場バレエ団『ラ・バヤデール』 ゲネ26日(金) 28日(日)昼夜  5月3日(金祝)4日(土)昼夜5日(日)  7回
数あるバヤデールの中で最も好きな版。(太鼓入れて欲しいが牧さんのインドへの造詣に合わず入れなかったとか)
高所からのジグザグ坂を下りる32人の影たちの幽玄な美しさよ。
1幕ソロルの深緑と茶色、白で彩った誉れ高そうなカチッとしたブーツ付きの衣装が戦士らしさを後押し。
殊に渡邊さんのきりっとした目元や凛とした眼差しにぴったり。きゃあ。
板挟みからの没落も心の揺れが手に取るように伝わりました。
拓朗さんがソロルのお友達役でしたが貫禄あり過ぎて上官に見えた日も笑。
ガムザッティやパダクションの大柄模様のチュチュや豪華な頭飾りに装身具、水色舞姫達の涼やかさ清らかさも目に響きました。


◆5月
Dance Marche Eden  23日(木)
池上直子さん振付の完全オリジナル台本からの原作。学園ミステリータイムリープサスペンスな作品で、近未来医療チームのような青と白の制服身につけて披露。
リハーサル見学時は話についていけるか理解できるか不安でしたが本番観たらびっくり、話が分かりやすく整理されて
今主人公がなぜ悩んでいるかどこの時間帯にいるかよく分かる。それは演出振付の工夫だけでなく、主人公であり優等生ながら妹を事故で失ったあとタイムリープに苦しむタイキ役の渡邊さんの技量によるお力が大きかったのは間違いない。
優等生から一気にどん底へと突き落とされてキマグレに翻弄され追い詰められ最後は静かに狂おしく別次元な境地へと到達する様子を襞を一枚一枚捲るように細やかに体現。
恐れ入りました。
クラスメイトも個性豊かである上にコンテ界の一流どころが集まり、見応えあるダンスでセリフが紡がれていた印象です。


牧阿佐美バレヱ団DANCE ALOUD  25日(土)
遂に牧も振付家発掘企画。一度スタジオでファンクラブ向けに披露したあとに一般客にも見せる運びになったもよう。
収集狂での近藤さんのエリートであろうサラリーマンの裏の不気味さ、ラヴェルのラ・ヴァルスに石田亮一さんが振り付けられ、
文芸作品の世界観を取り入れたナジャが特に面白かった。そうだ、美術館に怪盗が侵入するファントムでの
小池京介さんの警備員ぶりが、警備室でマグカップでコーヒー飲んでいる姿からしてリアルであった笑。


東京バレエ団ジョン・クランコ版『ロミオとジュリエット』26日(日)
足立さんジュリエット、池本さんロミオのまっすぐなぶつかり合いと受け止めが眩しいカップル。
池本さんはダンスマガジン最新号にて2024年ダンサー読者投票にて初のトップ10入りを果たしました。
客人達の茶色で統一されながら各々異なる帽子や装飾も見どころ。そしてシーツ?を使って
柱を包んで階下へ降りてくる3幕ロミオについて消防士ロミオと先に言い出したのは多分私です笑。(違っていたらすみません)


堀内元BALLET FUTURE2024  31日(金)
シリーズ化している公演ですが観るのは初。セントルイスブルースでサックスの生演奏との共演鑑賞が叶いました。
グリンカのワルツ、谷の竹内さんのゴージャスな身体能力にも仰天。


◆6月
K-BALLET TOKYO『ラ・バヤデール』6月1日(土)
ソロルがしっかり救われます。杉野さん、いかにも剛健な戦士らしくなると思っていたらやや本調子でない?印象でしたが
のちに発表されたお身体の状況から、どうか無理なく治療に専念して戻ってきていただきたい。
日髙さんはしっとりニキヤ、そして浅川さんの代役の長尾さんが強靭なテクニックと勝ち気な自信もあって役にぴったり。
バッドボルドさんによる、何百年もの寺院の歴史を1人で背負っていそうな重厚感も忘れられず。
影の王国のふわふわチュチュも可愛らしいお洒落感、そしてK名物戦士達の登場スキップ(グリゴロ版にも似ているが)や、
宴での戦士達によるテーブル使った健康体操な振付はつい笑いが。


新国立劇場バレエ団『アラジン』6月14日(金)15日(土)昼夜 16日(日)21日(金)22日(土)昼夜23日(日)  計8回
入団から18年在籍された福田圭吾さんがアラジン役をもって退団。カーテンコール特別セレモニーでは
ジーンが袖から誰かを呼び込むと獅子舞が現れ中に入っていたのは同門の福岡さん笑。(いつ練習していた??)
そして福田さんはシューズを脱いで山口百恵風に前方に置いて粋に別れを告げました。(しかしシューズは北国にてすぐ取り返すことに汗)
福岡さんアラジンは年々若返り可愛らしさや愛嬌が踊りと共に益々増強。小野さんプリンセスとの強固で歌うようにビントレー言語を語り尽くすパドドゥもうっとり。
大看板ペアと、退団する福田さんにお仕えしたのが渡邊さんジーン。前回よりも支配力が遥かに強まり、福岡アラジンとは競い合っている感、
福田アラジンにはひたすら懐いている、といったお仕え方も全く異なる造形で楽しませてくださいました。ふわふわ飛翔は妖精そのもの。
ジーン5回にルビーも登板(直塚さんとねっとり妖しい灼熱ルビー!!!)、大忙しであったでしょうに、連日ワクワクさせてもらいました。
プログラムにはなぜ中国の要素多めか明記を!!!インチキアジアな誤解を与えぬよう知らせるべきです。


新国立劇場  森山開次振付  NINJA  28日(金)
友人の代わりに鑑賞。初めて観ましたがカラフルな和物衣装や仕掛けが楽しく、研修生から抜擢された府川萌南さんの艶やかな可愛らしさ、身体の使い方にも注目。



NBAバレエ団『セレナーデ』『真夏の夜の夢』30日(日)
団としては初演のセレナーデ、キビキビスピーディーにダイナミックに駆け巡る持ち味を発揮。
真夏は5年ぶり鑑賞。勅使河原さんによるピースブロッサムが舞踊番長として活躍。スピードが全く落ちず軸も強靭それでいてふわふわっと飛び交う妖精さん!


◆7月
ムソルグスキー生誕185周年記念コンサート  1日(月)
山本隆之さんと日本舞踊の藤間蘭黄さんが共演。山本さんが友人ガルトマン、藤間さんがムソルグスキーで友情物語な作風。
病に倒れてやがて命尽きるガルトマンの切迫感がずしりと響きました。
ロシア文化省の主催で、会場周辺には開催反対派のデモもあり。このところスポーツの国際大会にしてもロシア選手出場が許可されず、また次々と中止になっていく傾向にあるロシア系のイベントであっただけに、
文化フェスティバルはほぼ予定通りに演劇や映画などの開催する運びを司会者が祝福感たっぷりに案内する解説は
今ばかりは違和感を少し覚えざるを得なかったのは正直なところ。


新国立劇場バレエ団『アラジン』6日(土)7日(日)《札幌市》
はーるばるきたぜ札幌!!公演鑑賞よりもグルメシフトが大変な我が毎度の札幌滞在です笑。友人達から食べ過ぎ飲み過ぎ注意警報が飛んできます汗。
両日完売で盛り上がりましたが、2日目米沢さんが再び3幕開演前に降板され、福田さん池田さん組に交代。
札幌の観客も当然驚いていて、臨時の休憩中には次の予定地へ電話連絡されながらお待ちの方も大勢いらっしゃいました。
ただ再開後はあたたかく、カーテンコールでは奥村さんが1幕衣装で登場され、3人で手をつなぎながらの挨拶が胸に迫りました。
そうはいっても東京での件を教訓に万一のことがあっても奥村さんが最後まで出演できるような準備は団側はしなかったのか疑問は残りました。
キャスト変更も相次ぎ、直塚さんが初日は渡邊(峻)さん、2日目は拓朗さんとルビーで組むことに。
拓朗さんとは急遽のペアで初でしたが、滑らかにダイナミックな踊りで急遽とは思えず。
クラスレッスンは観客の真剣集中度が凄まじく、背筋が伸びる思い。札幌の方々からの注目度は想像以上に高かった。
私が宿泊していたホテルが劇場近くであったため、開場時間の10分前まで部屋でテレビを見ていたのがなんだか不思議気分笑。
行きの快速エアポート電車で遭遇した観戦帰りの日ハムファンの方々のマナーの良さにも驚嘆。
公演は2日間ながらラーメン3回食べるために木曜の夜から札幌入りし、東京とは時間帯によっては15度近い気温差に身体が悲鳴あげかけるも
帰りの飛行機まで楽しさが詰まった北海道公演でした。


Jewels Story プッチーニの奏でた世界  14日(日)
ちょいと謎に包まれたジュエルズシリーズ。昨年ラフマニノフの話をバレエや朗読、歌で進行する舞台を鑑賞し、
ロシア史も詳細に組み込んでの構成で意外にも面白かった。尚、今回もバレエファン客層は完全アウェイ!
昨年に続き新国立から木村さんや渡邊さんら数名出演。木村さんは儚げな愛くるしい蝶々夫人、渡邊さんが水色キラキラアイドルもびっくりなピンカートン。
作品の綺麗な部分を抜き取ってバレエで披露しつつプッチーニの人生、蝶々夫人が出来上がるまでを描写。
渡邊さんがピンカートン衣装のまま星は光りぬを踊ったときは???な演出に思えましたがまあいいか。
最後は恒例の出演者ご挨拶。渡邊さんによる、朝の生憎のお天気や劇場までの道中に心を寄せる校長先生風大真面目スピーチ、渡邊さんらしくて良かったです。


新国立劇場バレエ団  貝川鐵夫さん振付『人魚姫』27日(土)16:30 28日(日)13:00 16:30 30日(火)13:00 16:30  計5回
貝川さん初の全幕もの作品。以前発表会では同名作品を披露されていたようですが新国立バレエ用となれば大掛かり路線が必要とされ、大変な準備期間だったはず。
全体を涼やか爽やかに描いた作風で結婚相手がいる王子であっても人魚姫に心を寄せる様子が優しく、胸中の複雑さをじっくり描写。
約2ヶ月後に初演されたKバレエとはかなり異なるアプローチでした。音楽は聴き馴染みある曲を組み合わせた構成でしたが驚くほどにそれぞれの場面、心理状況と合致。
2幕のオレンジ対レモン対決の平和感も目を疑うも笑、1幕終盤の夜会の洗練度やタコの魔女のお母さんぶりも愛すべきキャラクター。
渡邊さん王子の沈みゆく体勢からの服すぐに乾いての笑!?ソロの闊達さの中に見える人魚姫への愛情もええもん観た!と思うオペラパレスの夏でした。



◆8月
第17回世界バレエフェスティバルAプログラム 1日(木)
初老フェスであった。(お馬さんにおリボン贈呈、パリ五輪で最も印象に残っているかも)
名は知られていなくても紹介したいと思う若手、いないんか??まあ10年前とほぼ変わらぬ顔ぶれとはいえ、楽しみました。
ただ平日は3階4階はガランガランであったが。
大ベテランでもう本拠地での公演にはあまり出演していないと思われるボリショイのアレクサンドロワとラントラートフが来ると知った時は
いくらアレクサンドロワ好きであっても驚きましたが、観たらもっと驚き
身体も踊りもぐっと締まっての『スペードの女王』しかも音楽がチャイコフスキーの暗雲立ち込める黒みがかった表現も大貫禄。
現在の情勢を考えれば異論はあったかもしれませんが、私としては嬉しい来日でした。
プログラムもよく知らずに劇場入りしたため上演前に投写される字幕で確認しておりましたが
中国語表記が興味深く、菅井さんトルーシュが踊ったHelloはニイハオ、ル・パルクは公園、スペードの女王は黒桃女王。(実際の表記とちょいと違いますが)
クジラの何とか、長かった汗汗。上演作品時間制限設けてくださいー。大レジェンドが共演したり面白い作品ならまだしも。


バレエ・アステラス2024 3日
恒例の新国立劇場研修所開催。海外で活躍する日本のダンサー達が、所属団体ならではの作品を持ってきて披露してくださるのも嬉しく
クロアチアの住友さん鈴木さんのハムレット&オフィーリア、サンサーンスの激しい鋭い曲調にのせた壮絶なドラマ溢れるパドドゥ。
昨年札幌の小泉のりこバレエ発表会公演で拝見した、ポーランドのポズナンオペラバレエ団で活躍中の玉井千乃さん
(昨夏、新国渡邊峻郁さんとくるみ割り人形2幕、ライモンダ3幕では第1ヴァリエーション)が可愛らしいスワニルダお披露目。


※管理人、気管支炎発症。以後数日間声がガラガラ、移動時と就寝時を除くと咳が止まらず肋骨折れるかと不安に。
4文字以上の言葉がなかなか発せず、(例・フェンシングどこに勝ったの?→イタリアと言えず、リア!と回答など)
毎度喋りすぎなやかましい性格が数日間限定でおとなしくなりました笑。
カラオケで叫び過ぎかと疑われ、クリスタルキングの『大都会』熱唱したと職場で冗談混じりに伝えると、信じ込まれてしまった。
カラオケ、何年も行っておりません汗



パークサイドバレエスタジオ10周年発表会『眠れる森の美女』ほか4日(日)《江戸川区》
元新国立堀岡美香さん主宰スタジオ。新国立から4名ゲスト出演。1幕眠りのローズアダージョ求婚者にも4人そのまま出演。
色違いのお帽子やマントで求婚者レンジャーに見え、温厚グリーン(原さん)、冷静ブラウン(西さん)、貫禄ピンク(拓朗さん)、流し目ブルー(峻郁さん)といった位置づけか笑。
渡邊さん、被った帽子に手を添えながらの登場が若い頃のジュリー(沢田研二さん。お若い世代の皆様、ご自身でお調べください。
阪神ではないタイガース、いい曲たくさん出しています)彷彿な決め顔と流し目でした。
生徒さん達の基礎力の高さ、大人生徒さん達の花のワルツの整った美しさも素敵!
久々に観た元新国立盆子原さんの3幕オーロラの完成度の高さ、空間使いの上手さに脱帽。渡邊さんデジレ王子と気高く美しいペアでした。


清水純子バレエアカデミー発表会  6日(火)《渋谷区》
我が後輩がくるみ割り人形グラン・パ・ド・ドゥ踊りましたー!優雅な金平糖の女王様、登場からして歩き方からして心を持っていかれましたよ。
ピンク色のチュチュがまた似合っていて。手脚の長さといい身体のバランスも文句なしなのだが、
努力を怠らず、ずっと謙虚。調子に乗りやすい私の性格を分けたいぐらいです。


エチュードバレエアカデミー発表会『眠れる森の美女』7日(水)《東京都多摩市》
今夏は眠りの夏。まだ続きます。眠り全幕多摩センター、生徒さん達の幻影の場のコールドが淡くもきらりとしたグリーンで統一されて踊りも綺麗。
そして狩の場の王子が登場からとんでとんでとんで回って回って、と1970年代後半に発売された『夢想花』もびっくりな躍動感溢れるご登場。(若人の皆様、ご自身でお調べください)
この場面でここまで王子を踊らせる振付はヌレエフ版でもないのでは??
カラボスへは剣持って回転しながら立ち向かう全体通して勇猛な造形の王子でうっとり。
2幕オーロラの柴山さんが繊細で透明感ありつつも存在感はしっかり、渡邊さんと眠りでは初共演と思いますが2人でしっとり美しい世界を描画なさっていました。
3幕は格調高く、派手さはなくても品位ある美で魅了。夏の夜の夢のオーベロン&ティターニアコンビ思い出しました。


多恵クラシックバレエスクール創立20周年記念第12回発表会『ドン・キホーテ』ほか10日(土)《神奈川県平塚市》
初鑑賞のスタジオ。渡邊さんがバジル、菅野さんがエスパーダで久々の共演。もしや2021年の札幌市での久富淑子バレエ『シンデレラ』王子と継母以来の共演かも。
ロレンツォやサンチョがいない分、小道具の運搬など雑務も含めて床屋も超えた何でも屋のバジルでした!!
1、2、3幕全て異なるキトリと組んでも滑らかなパートナーリングは匠の技ですわ。
帰り、平塚駅の駅ビルにて8/10鳩の日だったため豊島屋が大にぎわい!!ダブルでおめでたい平塚日和でした。


※気管支炎もすっかり治りました。処方のお薬が種類も量も多く、効き目が強烈。心配してくださった同志の皆様ありがとうございました。



徳永由貴バレエスクール第5回発表会『プロコフィエフ交響曲』『眠れる森の美女』ほか  12日(月祝)
2017年以来7年ぶりの鑑賞。生徒数大増加で驚くのも束の間、基礎みっちりで小難しいことを無理にさせず基本のシンプルなステップをいかに美しく踊るか、
美しい姿勢で立つかを重視しているのであろう指導に拍手。ポワント履き始める年齢も他のスタジオよりもしかしたら遅めかもしれませんが
まずはシューズで綺麗にきちんと楽しそうに踊る姿に感激いたしました。
眠り3幕も、例えば人数増やして拡張版になった宝石もきちんと美しく踊るよう訓練された生徒さんたちの踊りにじっと見入り、
王様王妃様が不在である分、渡邊さんデジレ王子の婚礼の式典を取り仕切る頼もしさにも見入りました。
幕間に、大阪で知り合った、毎回徳永バレエの発表会の手伝いに入っていらっしゃる方にもアラジンに続き再会できて、ほのぼの。


ノリコクラシックバレエNEIGE発表会 Dream ガラ  ほか 14日(水)《葛飾区》
初鑑賞のスタジオ。シンデレラの舞踏会に四季の妖精達や他作品のキャラクター達も集結してパドドゥ披露がユニーク。
渡邊さんがシンデレラ王子、でも友人たちともたくさん踊る働き者王子でした!場を支配して亀有を瞬時に宮廷に変えるプレゼンテーションもお見事!!!
実はこちらの発表会の幕間に8/16悪天候予報により東海道新幹線東京名古屋間計画運休が発表。
当日朝に広島へ新幹線で行く予定の管理人、さあどうするか、と思ったのもつかの間。
渡邊さん王子を観ていたら、どうにかルート変えてでも必ず行くと決意。シンデレラ探す王子並の執念が燃え盛りました笑。
帰り道、そのまま新宿のみどりの窓口に直行し、悪天候になるのは関東以東のようだから大阪まで行けばなんとかなるんちゃうか??と
行列に並びながら大阪行のバスをコンビニ払いで予約し、そしていざ番になり、前日入りの場合早めの便しかないため3秒ほど考えて払い戻し決定。
とりあえず15日夜のうちに関東脱出して西へ向かえば光は見えそうと予感したのでした。



SSBガラ  16日(金)  ※第1部のみ鑑賞《広島県福山市》
そんなわけで、無事大阪まで夜行バスで出て大阪から山陽新幹線で福山へ。東京から福山直行よりも早くに到着。ああ、日差し強烈!!
そしてバスで南下して鞆の浦へ。崖の上のポニョの舞台です。 それから循環バスまわローズ(バラが有名な地域です)でリーデンローズへ。宮殿のような内装に仰け反りました。
事情により第一部のみ鑑賞で、渡邊さんと佐久間奈緒さんのジゼルパドドゥ、
織りなす研ぎ澄まされたポーズの美しさで少しまだ体温残るジゼルと後悔に暮れるアルブレヒトのドラマが凝縮していていつか生で全幕観てみたいと願う2人でした。
体調不良により夏場の公演をほぼすべてキャンセルなさっていた米沢さんがガチョークの詩人パドドゥは予定通りご出演。
ピュアで可愛らしくて、パートナーの速水さんも心から楽しみ嬉しそう。頬がゆるりとするペアでした!
オープニングで観た、大塚アリスさんの腕の優雅さにも惚れ惚れ。
会場のパンやワイン売り場のスタッフの方々がアットホームで白ワイン購入時も(ジゼルですからワイン買いまっせ)癒されました。


野間バレエ団   Progressive Dance Part9  『みだれ髪』・・・晶子賛歌  『ボレロ・フェニーチェ』 『ロミオとジュリエット』よりバルコニー   16日(金)※第2部、3部鑑賞《大阪府堺市》
とにもかくにもみだれ髪鑑賞叶った!地元の偉人であり歌人の与謝野晶子与謝野鉄幹を描いた作品で、私が○○生の頃以来の再演らしい。
写真では見ておりましたが、山本さんが20代前半にして隠せぬ色気に脱帽!今回は年齢を重ねて滲み出る情感にもいざなわれ、
野間景さんの晶子との苦悩や希望が入り乱れる物語を描き出していらっしゃいました。
過去の野間バレエ鑑賞時もいつか見たいと綴るほど鑑賞希望しておりましので、執念で観に来てよかったです。

この日は福山と同日に堺へ移動して鑑賞。公演日が重なったと分かった時諦めかけましたが、
ふと開演時間や上演時間によっては福山ジゼル、野間みだれ髪は両方鑑賞可能かもしれないとYahoo路線とにらめっこ。気分は西村京太郎ミステリーの犯人です笑。
福山ジゼルが第一部最後と知り、(問い合わせにご返信いただき主催者の皆様ありがとうございました!) みだれ髪が第2部と伺い(お電話にて応対してくださった野間バレエ事務局の方、ありがとうございました!)
福山ガラ第1部終了後に予約したタクシーで福山駅へ。なにしろリーデンローズから駅まで徒歩では30分ほどかかり、レンタル自転車も品切れだったため大急ぎでタクシー予約。
運転手さんが地元のこと、関東の天候のこと、色々気遣ってくださり楽しい移動となり無事乗りたい大阪方面新幹線にも乗車。
運転免許がない私は、バスも不便な地域では本当に旅先でのタクシー運転手さんには恵まれております。
新大阪到着後は突風のごとく小走りしてYahoo路線より早くに南海なんば駅へ着き、
京王線でないのに急行橋本行きってなんや??多摩センターはこの間行ったし南大沢はまだこの先やし、と思っている暇もなく(和歌山県の橋本行きらしい)
すぐさま堺東駅にとまる電車でGO!
会場着いたら、みだれ髪前の幕間。管理人、膝から力が抜けました笑。会場でお目にかかったお世話になっている大阪&奈良の素敵な方々に
お化けでも見たかのような驚きようで出迎えられ笑笑、福山のガラ観てから来ましたと伝えると更に天を仰いで驚愕なさっていたがそりゃそうだ。
福山ガラってああ唯ちゃんの??と聞かれるも、米沢さん出演も事実ですからはいと答えようとするも
「それもそうやけどお目当てはちゃうねん、出たんやろ???」主語なしでのお言葉が笑。
「西村京太郎ミステリー犯人の気分で、愛と執念の福山・堺バレエルートな旅路で来ました!」とこのとき既にブログ投稿タイトルも決まったのでした。
山本さん渡邊さんの舞台のためなら、私はどうやら何か見えない力が働くらしい笑。


修子バレエアカデミーThe 2nd Study Gala  25日(日)《東京都葛飾区》
昨年の小平市での開催に続き鑑賞。私の夢の1つでございました渡邊さんのアクティオン鑑賞が叶いましたー!!!!!
一度アーキタンツのセンターレッスンにてコーダ曲にのせたグランジャンプを行うときの
ふわっと飛翔する跳躍を「間近で」拝見し、新国立レパートリーにもない上に渡邊さんのいろいろな踊りの表情をもっと観たいと常に欲深い私ですので
アクティオンもすぐさま観たい!!と願うようになったのです。そのアーキレッスン2ヶ月後、そして今回の前日
上野の国立西洋美術館常設展にて同作品を描いた絵も見にいったほど。

ダイアナ役は主宰者の田山修子さん。背が高く美しい女神な容姿で真っ赤なミニスカート衣装もぴったり。
んで渡邊さんは茶色いヒラヒラスカート。できれば頭に鉢巻あったほうが眼光がよりギラリと見えて狩人な役にも合いそうな気がいたしましたが
新国立ではお目にかかっていない、豪快で岩山を全力疾走しながら獲物捕らえていそうな勇ましい狩人でございました。
あっ、アダージョ中盤でダイアナの弓をボウリングのように舞台袖へ投げ入れる場にて弓が大破しまして汗
幸いにも欠片は舞台上には散らばらず袖へとストライク!!でしたがあの弓はどうなったのでしょ??


BALLET NOW  バレエナウ第17回発表会  I Got Rhythmほか 27日(火)《東京都八王子市》
2019年から、内部関係者のみ発表であった2020年を除いては毎回伺っている貝川鐵夫さん川崎浩美さん主宰スタジオ。
渡邊さんが眠りグラン・パ・ド・ドゥ、そしてさらりとこなす速水さんにちょいとおぼつかない動きでくっついていく
アイガットリズムのリハーサル映像に事前に癒されたのも良き思い出。本番はバッチリでした。
生徒さん達のキャラクターダンスの楽しさは毎回客席もノリノリで、観客の小さなお子さんも笑みがいっぱい。
山田悠貴さんがアイガットリズムにて小さい子供達を大勢率いて屈んでハイタッチしたりと優しい山田(星)でした!
4部のヴァリエーション発表での終盤に渡邊さんが私服姿で謙虚そうに現れて、眠りで組んだ、留学控えた生徒さんへのエールがまた校長先生な丁寧さでございました。



東京バレエ団 60周年祝祭ガラ  ダイヤモンド・セレブレーション  31日(土)
久々のエチュード!秋山さんの卓越したクリーンなテクニックを拝みました。後半の群舞も鼓舞されながら畳み掛ける超絶技巧の展開は大興奮。
男性プリンシパルのテクニックをさらりと美しく高度に見せるのも憧れ、
私がもし主役級男性バレエダンサーになれたら一番踊りたい作品です。連続ザンレールなどやってみたい笑。


◆9月
板東ゆう子ジュニアバレエサマーコンサート  1日《愛媛県西条市》

同日開催の深川秀夫さんガラが悪天候影響で延期となり、しかしバスは走るか岡山からの瀬戸内海縦断する特急しおかぜは運行するのか不安がある中、
深川ガラ用に予約していた大阪行の夜行バスをそのまま活用。運休になった関西方面バスも多かったが無事、予定通り出発でした。
前日土曜日は運休であったしおかぜは定刻通り運行。幸運であった。
2009年以来に観るガーシュインな組曲、失礼ながらここは本当に西条市か!?と思うほどお洒落な展開と衣装で
揃って15年間体型美しいままの板東さん山本さんのアダージョも色っぽくてうっとり。
行きの電車の中でいつもの道後温泉(伊予西条からは少々遠いのですが毎回行きたくなります)の宿を予約し、温泉浸かってまた心身清めた道後滞在でした。
鑑賞前に4年ぶりに伊予西条レンタルサイクル利用して西条港へ行き、海鮮丼も食べて大満足!


ROCK BALLET GENJI  14日(土)
源氏物語をぎゅっと凝縮。大河ドラマも観ておらず、昨年は京都府宇治市の源氏物語ミュージアムに行ったはずが原作の知識不足で疑問符が浮かぶ場もあったものの
スリリングなダンスで紡がれて行くモダンになった歴史絵巻。新国立、谷、東バ、シティといった
都内主要カンパニーの職人な面々が大集結!必殺仕事人、と呼んでいらした方も!納得です。


Kバレエスタジオ 38th Concert  15日(日)《大阪府吹田市》
受付に山本隆之さん、ご登場!!!
少人数構成の矢上恵子さん作品やライモンダよりグラン・パ・クラシックを上演。
恵子先生作品、踊り継がれていると安心いたします!展覧会の絵よりひよこの踊りも懐かしい!
(ちなみに私は初舞台の2本のうち1本がこの曲で、ひよこのもふもふした衣装着てズンドコ踊っておりました汗。
もちろん振付は恵子先生作品を1億分の1くらいやさしくした幼児向け振付なものです)
『多重人格』は来年2月に東京都のティアラこうとうにて開催のメモリアルコンサートでも上演されます。


K-BALLET TOKYO  『マーメイド 』21日(土)
端から端までゴージャスな凝ったプロダクション。衣装も細かなレースや模様までお洒落。
原作に忠実で、王子は誠実さに欠け(人魚姫の一時保護者)、かなり冷たい。海底の世界も重きを置いてじっくり描き、ロブスターなど愉快な仲間達も楽しい。
岩井さんが寸分の狂いなくスピーディーな振付を踊りこなして舞台牽引。栗山さんは、好みは別として船に佇む姿を海上から眺めたら惚れてしまうのも納得できる王子。
音楽はグラズノフからの構成。ライモンダの曲もいくつかあり、宮廷で演奏される吟遊詩人の繊細で典雅な曲は
船上のパーティーでの賑わいには違和感あったが他はまずまず。よく合っていた。


スターダンサーズ・バレエ団  Dance Speaks  22日
異なる趣きのトリプル・ビル。ワルプルギスは構成曲どれも好きで特にヌビア人奴隷の踊り、ピリッと締まっている曲調に聴き惚れます。フィナーレ高揚感も丸!
そして待望の再演マラサングレ。セクシーでワイルドで、腰の入れ方も吹っ切れていて全員が粋で潔い!
曲がカルディーコーヒーファームで流れていそうと今回も感じました。
ロビーにて、これやりたい、憧れる!と声にするバレエ関係者の方々も見かけました。
森優貴さん振付トラウムは音楽構成も展開も摩訶不思議な黒い夢っぽい空気感。


バレエスタジオプラネ 第38回発表会『白鳥の湖』第3幕ほか  28日(土)《福島県白河市》
今年も行ってきました!新国立渡邊兄弟のご出身教室発表会。(ゲストとしてはご兄弟+お友達の中島瑞生さん)
演出が今回も洒落ていて、世界バレエフェスもびっくり出演者の投写紹介は映像も抜群に綺麗。リハーサル編集も上手。どなたか名手がいらっしゃる??
メインは白鳥3幕。トロワもいれて華やかに、(渡邊さんのお姉様も今年もご出演。美しうございました)
渡邊(峻)さんが優雅さと伸びのある美しさ、着地から次へ移る箇所も滑らかに整っていて腕のラインも語る王子でした。
ゼンツァーノは飛び過ぎて胸元の青いスカーフが段々CAさんのような位置にいってしまいましたがそれもご愛嬌。長い脚であっても素早い捌き方が匠な職人が研いだ上質な鋏のような正確で綺麗な切れ味でした。
そして!!白河・西郷地域にてラーメンとお酒味わずにして帰京できませんー。とら食堂ラーメン最高です。澄んだスープにコシのある平打ち麺~。
前日にはおやつも1日に4回食べたり笑(南湖公園とまるごと西郷物産館は誘惑の楽園である)レンタル無料自転車で1日中ひたすら移動も楽しい滞在でした。



◆10月
東京バレエ団『ザ・カブキ』13日(日)
16年ぶりくらいに鑑賞。冒頭の現代電脳都市東京の場面はアップデートされているようで、
スカイツリーもあったかと思います。初台らしき劇場もあったが、錯覚だけかも笑。由良之助似合いそうと思い込み過ぎて見えたのかもです。
終盤の四十七士の群舞は黛敏郎の音楽と合わさって頭から離れず。昨年春に姫路での鑑賞前日に赤穂へ行った体験
(今問題になっている観光客過剰集中とは無縁なのか赤穂城と武士道資料館は私1人貸切状態)も役立ちました。
武士道資料館行った時は道場のような外観だったため、稽古を終えたお侍さんが颯爽と出てくる光景を想像。ふあ!!
(東京バレエ団の話からだいぶ逸れていきますので次行きます)


新国立劇場バレエ団『眠れる森の美女』25日~11月3日(日祝)昼  計7回
新シーズン開幕。米沢さんがオーロラは降板するもリラの精でご出演!序奏中に幕が開き、ゴンドラに乗っておりてくるシーンから大喝采で迎えられました。
慈愛深さある宮廷の母のようなあたたかみある妖精のリーダー。
ベルリン国立の佐々晴香さんが粋でスケールある姫君。ゲストと組むのは初であろう井澤さんデジレ王子がしっかり受け止めて踊られ、素敵ペア。
2人で讃えあうカーテンコールもじんときました。シーズン開幕初日、プレッシャー計り知れなかったはず。
内田さんのリラがただ手脚が長いだけでなく優雅にラインで語り、カラボスとの対峙は凛として美しや。
初演の10年前から感じているが、センスが良いと思う衣装とそうでない衣装の落差大きすぎるのだが。せめて妖精ソリスト達は色違いにー。
んで、渡邊さんデジレ王子の品位といい少し翳りある色気といい登場から物語がぐっと大転換するような存在感。憂愁のソロは力強くも脚の伸びが抜群に美しく
結婚式は白いスッキリな衣装でも重厚な背景に負けぬ厚みある踊りで舞台背負っていた印象。髪結ぶおリボンもお似合いです。



◆11月
シュツットガルト・バレエ団『オネーギン』4日(月祝)
作品自体がとにかく大好き。音楽構成の妙に聴き惚れ心を揺さぶられ、
帝政ロシアの華麗さと歪んだ部分の双方を巧みに描き出していると再確認。3つのパ・ド・ドゥも秀逸。衣装の抑えた品ある色彩感も素敵。
看板スターペアではありませんでしたがロシオ・アレマンのタチヤーナの健気な美しさが目の保養。



MAYUバレエスタジオ第24回発表会『ドン・キホーテ』ハイライト 23日(土祝)《京都府長岡京市》
初鑑賞のスタジオ。毎年幕物の全幕やハイライトを上演。ドン・キホーテ、サンチョ、ロレンツォ不在でも配置を工夫して違和感なく楽しい構成が上手い。
頭飾りとショールだけ付けて街娘からのロマへの早替え演出も拍手。これなら衣装着替える必要もなくなり出演者の負担も減る上に時間短縮。
山本さんエスパーダと福岡さんバジルが共演し、2023年の予定外のキャスト変更によって実現した新国立におけるコッペリア同門共演は一切喜べなかったので
心晴れ晴れと今回は鑑賞できて安堵。初台ではキングな福岡さんが山本さんを前にすると微笑ましい雰囲気笑。


新国立劇場バレエ団DANCE to the Future2024  30日(土)夜
諸事情により1回のみ、第1部のみ鑑賞で2作品しか観ておりませんが渡邊さん振付作品(出演は拓朗さん中島瑞生さん)を鑑賞でき、行って良かったと思っております。
ヒトの肉体ってこんなふうに絡まったり吸い付いたりするのか、と発見連続。動く人体図鑑捲っている気分でZ席から眺めておりました。


新国立劇場バレエ団『くるみ割り人形』21日(土)夜、22日(日)昼、29日(日)、※31日(火)も予定  年内4回
8年連続約50回観ていると良い部分も色々あると思うもののやっぱり振付は要改善!!!またゆったり年明けに書きまする。
でもね、渡邊さんの凛々しい軍服甥っ子を観ると幸せになるのは紛れもない事実。
そして大晦日はツリー眺めながら初台でお蕎麦食べないと年越せません。




■講座 / トークショー
1月
清泉女子大学 ラファエラ・アカデミア 守山実花先生によるバレエへの招待講座 ファイナル  20日(土)
清泉女子大のラファエラ全体が休止に涙。最終日は2000年の開講以来今に至る25年間のバレエ界の変化などについての講義で、終わってしまうのはやはり寂しい。
講座後は2020年1月以来の立食食事会。私幹事頑張りました笑。前回も今回も名札も作成したぜ!!勿論成功は参加者の皆様の優しさあってこそですが。
能登の地震でご実家も大変な日々に明け暮れていた佐渡島ご出身の店主も趣味の仲間たちでの利用を喜んでくださり、
そして人気講座の終了を寂しがっていらしたりととても素敵なお人柄にあふれた店主さんでした。
事前には乾杯の段取りアドバイスもしていただき、当日の料理も美味しくて、感謝です!我々の楽しさが少しでも励みに繋がっていたらと願って止みません。
私はそのまま五反田に宿泊して翌早朝から羽田空港に向かって山口へ。岸和田は行けずでも、山口へ行くことは参加者の方々もそして守山先生もとても嬉しがってくださいました。



4月
第1回BAJ 2023 最優秀ダンサー 振付家受賞式 トークショー 13日(土)
後半には特別企画Dance marche主宰池上直子さんとオルガンワークスの平原慎太郎さんの対談。
コンテ界の実態のあれこれをざっくばらんに、こんなに踏み込んだお話まで!?と思う深堀りな内容も満載で、使命や課題と常に向き合い立ち向かう姿勢、
作る時のポイントや重点事項など目から鱗が落ちるお話が噴水の如く溢れ出していました。良い意味で、居酒屋談義な雰囲気で聴講者もリラックスした空気。
池上さんの、惹かれるダンサーの持ち味の話題で、この1ヶ月後に上演される新作エデンの主役男性ダンサーが思わず目に浮かんだ私です。


5月
Dance Marche Eden 公開リハーサル
田町の区民施設が随分と立派で(港区ですからねえ)、綺麗なスタジオ兼ホールな空間で開催。
入場すると既に開始中で、鉢巻の渡邊さん発見!(席も近いからすぐ見えますやん笑)
八幡顕光さんが積極的に声かけして、バヤデール公演でリハーサルに遅れをとっていたのかもしれない渡邊さん木村さんをも気遣いながらの進行で、大変な安心感。
また池上さんの指示にすぐさま身体で反応して見せるダンサーの賢さ身体能力にもだつぼq。
またこのときはトレーニング!!などの場面になっても疑問符しか浮かばなかった私も
アフタートークでの渡邊さんのお話から解決の糸口が見えてきた気分に。公演が一層楽しみになる企画でした。


6月
東京日仏学院  フランス・ダンスの歴史V  ダンスとドラマ第5回  ノイマイヤー『椿姫』
講師の岡見さえさんとは初対面。お名前そしてご経歴に記された南仏の都市名が視界に入ると変なドキドキ感がするのはなぜか笑。
加えて私が卒論でお世話になった先生のこともよくご存知で、初対面な気がしなかったのも嬉しい驚き。
一度はハンブルク来日で鑑賞した椿姫でしたがより細かく紐解いての説明で、今となって発見も多数!


10月
芳賀直子さんによるバレエ史  19日(土)
アーキタンツで開催。ルネサンス期から生き続けていらっしゃるとしか思えぬほど当時の状況を細分化して生き生きお話しになる芳賀さんであっという間の2時間。
座学講座のため、アーキタンツへ微塵も緊張なく行ったのもなんだか新鮮笑。
芳賀さんも大きく関わってこられた京都永楽屋のバレエ手拭い店も1ヶ月後に行きました!


11月
南柏のステージバレエアカデミーで江藤勝己さんによるストラヴィンスキー講座 17日(日)
毎回リラックスしながら江藤さんのお話を聞き、受講者同士その場であああだこうだ語り合うのもまた楽しいひととき。
新国立ピアニストとして勤務時代のこぼればなしも毎回待ち焦がれております。


■展覧会/イベント等
1月
チャコット代官山での井上ユミコさん写真展
以前に雑誌などで公開はされていましたが小野さんと渡邊さんの、古き良きレトロな上海を描いたような妖しくも美しいツーショットに蕩けました。
全幕共演、どうか実現を(昨年のコッペリアを返せーー!)

4月
ロバート・ハインデル展  代官山ヒルサイドテラス
後輩も私も鑑賞オタク度を隠せず、ご主人なお方が懇切丁寧に貴重映像をも見せてくださったりと実りな時間。


5月
上野の森バレエホリデイ2024
今年も武蔵野ルネさんに似顔絵描いていただきました。3年連続、これでライモンダ1、2、3幕全て揃いました!今回は1幕です。
3種とも、特徴捉えつつ実物の1京倍綺麗に描いてくださり感謝しかない。


11月
京都の永楽屋でディアギレフ&マレの手拭い売り場へ。値段は張っていたが職人さんが手染めした
美しい手拭いの実物を目にでき、お店の方から手に取ってどうぞご覧くださいとご親切に案内いただき感激。美術館のような空間にて手拭いが作り出す
リュスやスエドワの、当時の先端を行くスタイリッシュでカラフルな世界観に圧倒されました。



■レッスン
今年は4回。山本さんが1回で渡邊さんが2回、ミン先生が1回。1月のアーキ渡邊さんのときは時間の関係で香港バレエ団のオーディション控えた方々が多数。どこが初級やねん!!な面々ばかりでしたが
最下層レベル者な私も楽しめるよう噛み砕いたご説明も本来の初級クラスらしくしっかりお手本も見せながらの解説で一安心。
山本さんのクラスは初めて初中級受講。以前時々お世話になっていた休日の初級クラスは現在開講されておらず、
しかしちょうど姫路での鑑賞翌日が初中級開催日でしたので、山本さんの優しさは安泰だからと言い聞かせ笑、受講。
まさにその通り、内容はそりゃ全国コンクール上位入賞者や元都内のメジャーカンパニー在籍者がいらしたくらいですから
難しく進度も早めでしたが山本さんの優しい穏やかな教え方は不変。ですから私も一安心。
お2人の先生の共通項、また見つけた。安心感!!!(でも、西の先生は穏やかさそのものですが、東の先生は優しくも情熱もたっぷりで、時々思わぬ刺激も。それも宝物な嬉しさなんですけどね笑)
それから元トゥールーズのバレエマスターでいらしたミン・ファム先生のレッスンも忘れられず。
美しいお手本特に脚のおさめ方といった基本中の基本にすっかり見惚れてしまいました。
上級から、私のような下級の中の下級人間もリラックスして楽しめるクラスでした。
来年は何回受講するでしょうか???



そんなわけで、また思い出したことがあればひっそり追加するかもしれませんが、以上2024年一挙振り返りを終わります。
本年も私と同様に膨張型時代錯誤な分量の当ブログをお読みいただきありがとうございました。来年が皆様にとってより素敵な1年となりますように。

2024年12月31日  アンデオールバレエ日和  管理人

2024年12月23日月曜日

【速報でもないが】新国立劇場バレエ団『くるみ割り人形』2024 初日夜と2日目昼

新国立劇場バレエ団『くるみ割り人形』が開幕いたしました。早速ホームページに初日昼公演の写真が掲載されています。
https://www.nntt.jac.go.jp/ballet-dance/news/detail/77_028965.html

木村さん渡邊さん組リハーサル。美しく、細やかな上にパワーや品格あるお2人です。
渡邊さんの上腕二頭筋や、呼吸合わせようと時折真剣な眼差しについ目を奪われてしまいました(心臓印)



バレエ団として新制作して2017年秋に初演、以降毎年上演を重ねており、小野絢子さん福岡雄大さんへのインタビュー記事の解説によれば
来年1月12日の上田公演をもって99回に到達するそうです。
(3桁台は目指すのか?)
https://spice.eplus.jp/articles/334042

初演から出演し続けている4名へのインタビュー。毎年毎年更なる高みを目指して日々磨きをかけていらっしゃる様子が伝わります涙。
学びをたくさん得るインタビュー内容で、ルイーズの捉え方、ネズミ王成功の秘訣、甥っ子のアプローチ等、今になってそうか!と納得した点も多数。
初演から踊り続け経験積んだ方々ならではの実り溢れるインタビュー記事でした。
https://lp.p.pia.jp/article/news/408567/index.html?detail=true


かれこれ私も50回は観ているとは思いますが、目が慣れてきたのか当初は不満噴出であった一部の演出振付も少しずつは和らいで見えて参りまして
ネズミ王やネズミ達が吉幾三さんの代表曲でもないのに雪国まで追いかけてくる展開や(ネズミ王は本当はくるみ割り人形がお好きなのだろうと結論)、
クララ達との接点なしに進行する各国の踊りも、マンゴー&オレンジな色彩に衝撃と冷や汗が止まらなかった花のワルツ女性衣装も
パーティーにおける子役中心となる場面の多さや、松林や2幕冒頭にて難技オンパレードでリフトは続くよどこまでもな振付も、
受け止めができるようにはなってきました。(ただ完全にではない。特にリフト数は汗)
そうはいっても殆どの衣装、とりわけ1幕客人達や甥っ子のきりっとした軍服、銀色の雪模様で彩られた雪片、
2幕シャンパンゴールドのクララと王子は洗練されたセンスでデザインされ、デザイナーの前田文子さんの腕に再度唸ります。

さて今回の開幕後に現時点で私が観たのは初日夜公演と2日目の昼公演。初日夜は木村さん渡邊さん組で
初演時から8年連続出場で(紅白か笑)揃って組んでの主演を続けており、経験豊富なだけあって細かな部分までより緻密に作り描き出す力量に拍手。
夢見心地でスピーディーながら品の美しさも宿る松林の・パ・ド・ドゥ始め、きらりと光り輝く贈り物をいただいた気分です。
そして菅野英男さん、おかえりなさい!!急遽の依頼であったはずですが久々に再びの新国立でドロッセルマイヤー、
しかも渡邊さん甥っ子との絡みも多い上に、場を締める万全の舞台捌きも見事。
人気者で頼りになるおじさまとしてごくナチュラルに存在し、渡邊さん甥っ子の喜び隠せぬ様子がまた微笑ましく映りました。
渡邊さんの、見るからに堅物そうな優秀な士官学校生ながらドロッセルおじさんに対して今までにないほどにピュアに懐く(褒め言葉)甥っ子からの
勇敢なお人形、煌めき弾けるシャンパンゴールドな王子様まできめ細かやかな踊り分けにも感嘆でございます。
デビュー者の中では、今シーズンからボルドーバレエから移籍された長谷川諒太さんによる詩人のエレガントな身のこなし、見せ方も目に響きました。

2日目昼公演は廣川さん速水さん組。このペア、今年1月に初めて組んだとき以来とてもしっくり合うと思っており
廣川さんの感性豊かに語るクララと速水さんの内面が引き出されて応えていくやりとりが良き印象。
ネズミ王の渡邊拓朗さんの海老反り叫びも巨大化するツリーに負けず、デカイだけでなく機敏に自在に身体が動いて舞台を支配。
入団から7年、シンデレラの御用商人靴屋以外ではきっと初のソロ役であろう
樋口響さんのロシアの堂々と飛び出す絵本のようなジャンプや回転も4階から観ていても爽快でした。

お正月明けまで続きますのでひとまずこの辺りまで。ハード系なくるみですが、
1幕戦闘のスペクタクル展開や雪の精緻な変化、花のワルツのダイナミックな咲き誇りも見どころです。
楽しめる部分は色々ございますので是非足をお運びください。





クリスマスワッフルケーキとプログラム。管理人、アップデートがとうとう諸々できす、最近携帯電話を買い替えまして9年間使用した本体とおさらば。
新携帯で最初に撮影した写真です。記念すべき初めての写真はくるみ開幕初日夜にしたかったのです。




ケーキアップ。ワッフルは食べ応えあります。切るのは少し時間かかります笑。



ロビーのツリー。夜空にきらりと映えます。



初日夜はぴあデー。位置付けが今ひとつよく分からずですが、開演前と幕間のホワイエ合唱も気分高めてくださいました。



クローク近くの階段のツリー。



2日目昼、海老アボカドサンド。海老がプリっと入り、マスタードか辛めのクリームソースともよく合います。白ワインと好相性!



つやつや、大きい海老!



ツリー見上げる。飾りつけ、時間をかなり要する作業でしょう。



卓上カレンダーと壁掛けカレンダー購入!2025年、どんな年になるでしょう。
壁掛けカレンダー2月は久々に山本隆之さんがご登場、2013年小野絢子さんとの火の鳥。イワン王子です!
最新号アトレ会報における、来年イワン王子役に抜擢された渡邊拓朗さんインタビューにて、
小野さん山本さんのポスター写真や山本さん福岡さんも踊られた大役に選ばれた驚きについて触れてくださっていて
歓喜した私でございます。加えてお兄様のお話も。ああー!!

2024年12月20日金曜日

気分は眠り 迎賓館見学




バレエ鑑賞等の記録ではありませんが、先日四谷の迎賓館を見学して参りました。歴史等についてはホームページをご覧ください。
https://www.geihinkan.go.jp/akasaka/


平日且つ大晴天の日に時間を作れたら行きたいと思っておりましたので、朝10:30頃の噴水のあるお庭は貸切状態で噴水の音しか聞こえず。ゆったり過ごすことができました。
本館と本館のお庭の見学のみであれば予約は不要で、和式庭園は予約が必要のようです。本館を庭園からの撮影は可、但し内部は撮影不可。
趣き異なる、一部屋ごとに隅々まで贅を尽くした内装に圧倒されました。
宮殿建築に興味ある方や、またバレエ好きな方は眠れる森の美女で目にしたような美術がそのまま眼前に現れ感激なさるはず。どうぞ足をお運びください。
とりわけ今年は夏から秋にかけて眠り三昧だった私はあの場面この場面が次々と脳裏を過ぎりました。
江戸川の流し目求婚者に始まりいたく勇ましい王子像として描かれていた多摩センター、生徒さんを優しく支えていらした板橋区と八王子市、
そして翳りや色気とテクニックが美しく調和して熟していた本拠地開幕における主演、と止まることなく振り返る2024年眠りでございます。

特に印象深いお部屋を2部屋紹介いたしますが、これらの他も壮麗な空間が広がっています。

https://www.geihinkan.go.jp/akasaka/kacho_no_ma/
花鳥の間。重厚で天井画に吸い込まれそうに。新国眠り3幕の世界に身を置いた気分。グラン・パドドゥ冒頭でオーロラが身体を反らす振付では、天井画がよく見えるのであろうと想像。
同時に、これだけ絢爛豪華な雰囲気に負けずに4階まで届かせる踊りを披露なさっている出演者の方々に再度敬意を表したい思いです。


https://www.geihinkan.go.jp/akasaka/sairan_no_ma/
彩鸞の間。サーベルと日本刀が交差した格式高い黄金色装飾もあり。和洋の粋の双方を放つ空間です。
どちらも似合うお方といえば、まもなく初台くるみ初日夜にご登場です。また和物な役も拝見したい。



新国イーグリング版眠りのプロローグや1幕美術に似ていると以前から感じており、この度検証。



似ています。そのままな外観。どなたか、ガーランドワルツやローズアダージョやオーロラ1幕Va、ご披露を。



斜めから噴水。このとき庭にいた見学者は私1人。オーロラ姫は普段は単独で庭園をお散歩していたのでしょうか。



キティちゃん、50周年を祝福。



正門側、斜め右から。



天球に輝く星。



流線が立派。



テーブルや椅子も設置。アフタヌーンティーは予約制で、2名からとのこと。



遠方から、全景。ライトアップされるとアシュトン版シンデレラの王宮に重なりそうです。



門、見上げながら。ヴェルサイユ宮殿と似ていそうです。


2024年12月18日水曜日

12月18日はバレエ『くるみ割り人形』の世界初演日

しばらく間が空きまして失礼いたしました。
本日12月18日はバレエ『くるみ割り人形』の世界初演日。1892年、マリインスキー劇場にて初演されました。
今や大概どこのバレエ団もレパートリーに持ち、発表会も含めれば世界で最も上演されているバレエ作品とも思えますが
復刻版を目にしたことがなく初演当時の舞台がどんな様子で、例えば現在と音楽構成が異なるか云々は私も把握できておりません。
しかし恐らくはそう変わりない構成で上演されていたのではなかろうかと想像しております。

現在チャコット代官山にて、店内で華やぐクリスマス装飾や世界のバレエ団のくるみ割り人形ポスターやチラシが展示されています。
先日行って参り、クリスマス特別装飾やくるみポスター関連は写真撮影も可でしたので紹介いたします。(レッスンではなく、装飾見学とカフェ利用が目的でございます)
装飾はピンク色が多めで私は違和感が大いにありましたが笑、丁寧に作り込まれたオーナメントのお人形をついじっくり観察。
世界各地のくるみ割り人形ポスターやチラシ展示では中国のバレエ団の場合当然漢字で覆い尽くされていますが
当て字が面白かったり納得したり、それから東南アジア地域のチラシもあったかもしれません。そしてイーグリング版は各地で上演されていると再度驚かされます。



ピンクに煌めくツリー。クリスマスグッズも多種!



金平糖。他にもオデットも飾られていました。



ネズミさんもおめかし。ネズミ達、本当はおとぎの国やお菓子の国に憧れ過ぎるが故にクララ達に意地悪してしまうのかもしれません。



ポワントツリー。精巧に組み合わされています。



くるみ割り人形がお出迎え!



日本のバレエ団のくるみ割りチラシ。



世界各国!



中国語表記も関心持ちます。



ゴージャスなカナダナショナルバレエ。



韓国国立バレエは長年ボリショイのグリゴローヴィヂ版上演しています。管理人が1番好きなバージョン、いつか生で観てみたいがボリショイ鑑賞は難しいか涙。



鑑賞帰りの我が後輩と待ち合わせ、店内カフェでケーキ、バスクチーズとガトーショコラ。ずっしり重ためで濃いめコーヒーとよく合います。



外観、くるみ割り人形がサックス手にしていますが、片手では持ちにくいはず。



くるみ割り人形世界初演日の本日、タイムリーなインタビューが掲載されました。クララの姉ルイーズの捉え方等、初演から7年経ってようやく理解した私です。
対決ではなく助け合い発言も素敵!!
https://lp.p.pia.jp/article/news/408567/index.html?detail=true


新国立劇場のくるみ割り人形はまもなく開幕です!とにかく男性主役があまりに過酷であるほかリフトの多用過多等色々申したいこともあるイーグリング版ですが
洗練された衣装や美術、躍動感に溢れる踊りの洪水な見せ場の連続できっとお楽しみいただけます。
クリスマスシーズンからお正月にかけて上演が続きますので、是非足をお運びください。
https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/nutcracker/







くるみ世界初演日にくるみを鑑賞でき、不思議な喜びが一層込み上げた6年前の初台。
平日昼公演で大半が学校団体が占めていたこの日、4階での鑑賞でしたが生徒の皆様がとても楽しそうに集中して鑑賞する姿勢にも感激。
実は最後の最後舞台上でトラブルが発生したときも、隣席の生徒さん達がいたく心配しながら見守っていて、
無事解決すると「良かった~」と安堵の声。それだけ集中して観ていた生徒さん達で、生の舞台の面白さと怖さの双方を体感していた様子に心洗われました。

https://www.nntt.jac.go.jp/enjoy/record/detail/37_014233.html

https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/18nutcracker/

2024年12月8日日曜日

唯一無二!  新国立劇場バレエ団DANCE to the Future2024  11月30日(土)夜




11月30日(土)夜、新国立劇場バレエ団DANCE to the Future2024を観て参りました。
諸事情によりこの日1回のみ、また第一部のみの鑑賞でしたが、最も観たいと願ってきた作品の当初の予定から4年8ヶ月越しのお披露目を目にでき祝福な1日となりました。
https://www.nntt.jac.go.jp/dance/dtf/


『Seul et unique』
【振付】渡邊峻郁
【音楽】ハンス・ボッタームント(J.シュタルケル編)
【衣裳】山田菜月
【出演】中島瑞生 渡邊拓朗

いきなりトップバッターで登場。曲はパガニーニの奇想曲24番。(実のところどうやって曲分け、構成されているのか詳細は分からず。間違っていたら失礼)
様々なアレンジがなされている曲と思いますが、チェロ演奏による音源のようで、
低めの落ち着いた音色が深々とした所から柔らかくもしっかりと芽生えていくと思わす演奏でした。
バルコニーの舞台から最も近い席の特権⁈なのか、上から近距離で背中の表情も豊かに見えて、躍動感も大迫力でした。
どの角度からもお2人が最も美しく見えるよう、魅力が花開くよう、渡邊さんが拓朗さん、中島さんの個性を知り尽くして考え抜いての振付だからこそでしょう。
力強さと優美さ、情熱と清涼等、相反する個性が味わい深くブレンドされて昇華したような印象を与えてくださり、
冒頭の光の道しるべからの登場も、2人への光の当て方もハッと唸らせるインパクトがありました。
尚、私がいた席は昨年のDTTF2023を始め小劇場DTTFでは度々ご縁のある席。先述の通りバルコニーの中で最も舞台に近い席で
少々見切れはあれどいつも以上に肉体が立体地図のように見て取れる距離でした。
あっ、これまで見切れについては気にしたことがない席でしたが、今回終了後に2人に呼ばれ
振付家として挨拶に現れた渡邊さんの姿が一部しか見えず汗。こればかりは仕方ない笑。しかし満悦そうな兄者なお顔、拝見できて歓喜でございました。
白地のタンクトップと短パンの衣装もお洒落な作りで、手の込んだ細かなレース地で彩られた、単なる健康系ではないデザインです。

今まで男性デュエットは何本か観ておりますが、何処を切り取っても観たことのない斬新且つ洗練された振付が散りばめられ、まさに唯一無二。
リフトもさらりとしつつも熱さが迸るようなパワフルな身体運びで造形され、拝見できて良かったと心底感じております。
渡邊さん、また振付に是非挑戦なさってください!早くも新作が観たくてたまらない状態でございます。
この作品も、渡邊さんご本人と拓朗さんによる兄弟版、渡邊さんご本人と中島さんの白鳥の湖2023王子&ベンノ再びの熱々友情版等
多種の組み合わせで観てみたい欲を刺激です。
当初の予定から4年8ヶ月越しのお披露目となり、とにかくお蔵入りすることなく観客前での上演が実現できて心から祝福したい思いでおります。


『SHIKI』
【振付】福田圭吾
【音楽】フランツ・シューベルト(F. リスト編)
マール・オミン マイケル・ウォール
【衣裳】山田いずみ
【出演】柴山紗帆 森本亮介

アルファベットの文字から、季節の四季か、それとも死期か、意味合いが気になっていた作品。
観てみると両方に受け止められ、柴山さんの危うい身体のしなりや森本さんとの抱擁も怪しげな匂いが立ち込め
そうかと思えば柴山さんが笑みを湛え、突如斜め上を指差して方向転換を図るなどじんわりと流れ行く展開に静かに見入る作品でした。
少々冗長な部分も感じられたものの、柴山さんと森本さんの並びといい、一見堅実そうなお2人が互いを探り合いながら絡み合って行くさまが 新鮮。
柴山さんがにこやかな表情で斜め上を指差したとき、目が合ったと自覚する私でございます笑。

諸事情により第一部のみ鑑賞で、18時開演で18時30分には劇場を退館。新国立劇場での観劇では勿論、約35年の観劇史上初めてです。
入手困難で満員御礼の完売にもかかわらず途中から空席を作ってしまい本当に申し訳なかったです。どうかお許しください。





初台駅通路、コフレの看板。鮮やか開脚ジャンプと紫侍な眼力にくらり。



当初鑑賞が難しいと思っておりましたので、鑑賞の何日か前に新宿サブナードで思わず立ち止まらずにいられぬ漢字四文字を発見したお店へ。 胸に沁み入る四字熟語です。
新大阪店は2度利用したことがあれど、この文字には気づかずにおりました。



正面から。モダン焼きはもりだくさん焼き、が由来らしい。



断面図。キャベツと太めの麺が、小劇場の客席の如くぎっしり詰まっていました。東京でお好み焼きを味わうのは何年ぶりでしょう。
ここ15年位は6年前の恵比寿を除いては大阪で食べるものとして私の中では定着しておりましたので、珍しい体験をする心持ちでいただきました。


2024年12月5日木曜日

全幕らしく見せる工夫演出のハイライト MAYUバレエスタジオ第24回発表会『ドン・キホーテ』ハイライト 11月23日(土祝) 《京都府長岡京市》








11月23日(土祝)、京都府長岡京市の長岡京記念文化会館にてMAYUバレエスタジオ第24回発表会『ドン・キホーテ』ハイライトを観て参りました。発表会の監修は藤木俊彦さん。
初鑑賞のスタジオで、京都は度々訪れているものの長岡京市は初上陸です。
会場は京都河原町駅からは阪急線の特急で12分で到着し、長岡天神駅からも近くアクセスも良き立地。
前日の22日にバレエ関連ではない用事を(昨秋の新国立劇場ドンキ愛知公演前に行ってきた、かのテーマパークです)
名古屋で済ませてきた後、14:30のバスで名古屋から京都入りいたしました。
https://little-march.jimdofree.com/


まずはオープニング・デ・フィレから。世界バレエフェスティバルの幕開けでもお馴染みである
マイヤベーアの戴冠式行進曲が流れる中で、ゲストやスタッフ名、表彰対象の生徒さんのお名前もだったか、アナウンス。
やがて幕が開くと各々の最初の出番演目の衣装を着けて出演者皆勢揃い。そして『ライモンダ』3幕のギャロップフィナーレ曲が始まり、
おおよそ振付はそのままに、そぞろ走りながらなだれ込むように舞台上を覆い尽くして賑わう開幕となりました。
『ライモンダ』衣装出演者はおらず、例えば主役の位置はキトリとバジルが庶民の格好で踊っていてもさほど違和感もなく、歯切れ良くおめでたい曲調がしっくり。

その後はバレエコンサートが10本。古典作品の抜粋もあればディズニー曲、パ・ド・ドゥ等多彩な構成で
小さな生徒さん達はハプニングも色々あれど、助け合って乗り切っている姿にも拍手。
本番は先生達も助けには入れませんから、自分のこともやりつつ周囲見て先導してあげている
生徒さんを観ていると、もしや大人よりもしっかりしているのではと思うほどに感心するひと幕も。
最後を締め括った『ラ・シルフィード』パ・ド・ドゥにて、生徒さんのシルフィードがとても軽やかでふわりと可愛らしい恋心も伝わり、
法村友井バレエ団の竹中朋宏さんの綺麗な爪先や伸びる身体の線も目を惹き、シルフィードとのやりとりも微笑ましく映りました。

続いて『ドン・キホーテ』よりハイライト。ほぼ全幕網羅でドン・キホーテ、サンチョ・パンサ、ロレンツォ不在でも
上手いことやりくりして改訂して全幕観た気分になる配置工夫が光る演出でした。
キトリ1、2、3幕とも主宰の山田真由美さん。記憶正しければ2011年、2013年、2014年に山本隆之さんと共演された
『シルヴィア』、『シンデレラ』、『ドン・キホーテ』パ・ド・ドゥの舞台を京都にて拝見しておりますが
久々に目にでき、エネルギッシュで明るいパワーをお持ちで小柄な身体から繰り出すオーラが相変わらず強いこと!
かなりお調子者なバジルにもめげず笑、舞台を纏め上げていらっしゃいました。
バジルは新国立から福岡雄大さん。ギター持っての登場からしてキレキレ颯爽としていて、京の都に浪速の嵐が吹き荒れました。
一歩の幅が大きいためか舞台がより力強く動いて見え、先述の通り大変なお調子者で街の女性達との戯れたかと思えば、パワフルに動きすぎて
移動時にエスパーダに衝突しそうになるも、寸前のところで身を引いて両手をかざして何事もなかったかのように澄ましていたりと随所でお茶目な魅力も放出。
10月末から11月にかけては初台にて眠り全幕デジレ王子も観ておりますが、庶民の青年のほうが強みがはっきりと出て
何よりこの役が本当に好きでたまらない様子も伝わります。山本さんとの全幕共演もいたき嬉しそうで、
思えば2023年も初台にて全幕共演はありましたが、約35年間の我が鑑賞史上最大の悲嘆観劇となった二・二三事件発生によって止むを得ず実現した同門共演でしたから
申し訳ないが私は一切喜べずでした。ですから今回は清らかな心持ちで同門共演を心底祝福でき、しかもほぼ全幕舞台。
今や新国立ではキングとも呼ばれる別格な福岡さんであっても山本さんとの並びはほっくりと可愛らしくも見え笑、貴重で楽しい瞬間を目撃できました。

そしてエスパーダ役はこれまた久々の山本さん。この役で拝見するのは恐らく9年ぶりで、2015年の愛媛県西条市での舞台以来。
この年は何があったのか各地でドンキ全幕年で、8月に福岡市で田中千賀子バレエ団にてエスパーダ、徳島市の清水洋子バレエでドン・キホーテ役、
9月に大阪の古巣Kバレエスタジオでドン・キホーテ役、翌日に東京都世田谷区にてAngel Rでエスパーダ(何てこったなスケジュールやねん笑)、
11月に愛媛県の板東ゆう子ジュニアバレエのエスパーダ、と全幕ドンキ祭りが続き、全てに足を運んだ私は脳内が麻痺しそうな全国行脚ドンキ脳になったものです。
そんな懐かしさを思い出しつつの9年ぶりのエスパーダが京の都に降り立ちました。
登場や4人の闘牛士達を率いる麗しのスターオーラといいムレタのこなれた扱いといい色男ムンムンで
想像よりも踊る場面も遥かに多い上にメルセデスや街の女性達との絡みも美しや。

所々カットするも全幕観た気分を与えてくださる演出で、先に紹介した通りドン・キホーテを始め主要な男性役が揃って不在であっても寧ろその点を生かし
例えばサンチョの目隠し走りやトランポリンは子供達の賑やかな追いかけっこや旗持っての見せ場に変えたり(目隠し鬼役のお子さんが芝居上手!)
ドン・キホーテも加わる6組のメヌエットはドン・キホーテの代わりにエスパーダが入って対処。
バジルの競争心はより熱く燃え盛り、その後の浮気見せつけも妙に説得力ありました。あのエスパーダには勝てぬと思うが笑
また街の女性達のスペインな段々型スカートの衣装が皆少しずつ色味も異なり、スカートの上にレース地が彩っていてとてもお洒落。
全員の踊りがダイナミックで開放感もあって、決して生徒数が多い教室ではないはずが、華やかに見えるよう全体の畝りや配置もよく工夫されていたと思います。
そして着替え対策として思わず膝を打ったのが、ロマの野営地での女性ロマが、
1幕街の女性達の一部が衣装はそのままで上からストール付けて、頭に輪っか状の飾りを付けて出来上がり。
このあと夢の場(淡いピンクがかった照明が朝焼けの色彩のようで、 とても綺麗な空模様でした!)も控えていたりと
大人数ではない生徒数で全幕やるとなると着替えの手間や用意する衣装の数も最小限に抑えたいでしょうし、名案と思えたのでした。

3幕は結婚式を拡張して思い切って『パキータ』のグラン・パ風にアレンジ。ファンダンゴもクラシックチュチュのままで男性4人と組んで4組で踊られ、
複数人数用もソロもヴァリエーションも増やして、豪華な結婚式と化していました。
最後は居酒屋の狂言自殺劇成功後のフィナーレ曲に合わせての幕引きで、しっかりドンキの気分でめでたしめでたし。
とてもよく纏められ、ハイライトとはいえ全幕観た気分になれたMAYUバレエ版『ドン・キホーテ』でした。
毎年全幕物やハイライト版を上演しているスタジオで、生徒さん達もコール・ド、立ち役も慣れているように見受け、
子供から大人まで、様々なレベルの方々のそれぞれの良さを生かして配置しつつ一体感のある舞台作りをされている印象を持ちました。
初の長岡京、素敵な思い出の土地となりました。





22日の午後から名古屋より高速バスで移動、ちょこっと祇園の夜道を歩きつつ、そのまま宿泊先へ。
通り道にあった都そばの外観。初台も色々大変です汗。九条ねぎの文字に惹かれて入店。



九条ねぎの絨毯!!名古屋のお昼が遅めであったため、またボリュームある台湾料理を味わったため、お蕎麦がちょうどよい量。500円です!



都そば隣のおにぎり店、おにまるにて購入。通りに面して大賑わい。 厚焼き卵イクラと柚子ちりめん。
厚焼き卵はホテル到着後、柚子ちりめんは翌早朝にいただきました。



早朝に宿を出発、徒歩で清水寺へ。朝の四条通りだったか。こちらにも永楽屋 伊兵衛さんのお顔のシャッターが大迫力。



朝の鴨川。朝日を浴びてきらりと光る川景色です。



朝の坂。昨年6月も同じような時間帯に行きましたが、紅葉の時期を差し引いても今年のほうが早朝から人出多し。6:40分頃の時点で団体客が写真撮影していたほど。



宿から歩くこと約40分。清水寺入口!



清水寺のお馴染みな場所です。朝焼けに照らされ、ピンクがかった空が美しい。



再び徒歩で宿の方面へ。



清水寺から歩くこと約50分。宿の辺りを過ぎて、小川珈琲堺町錦支店にて念願の九条ねぎとしらすと卵のサンドイッチ。
和洋を往復する不思議な味で美味しい!!おすすめでございます。コーヒーはセットメニューの中からダークを選択。深煎りで安らぎます。



町家を改装したお店で、離れもあり。落ち着いて飲食できます。入店時は待たずに入れましたが退店時の8:15頃は10人ほど待機され、人気ぶりが窺えました。



宿はホテル代高騰のこのご時世では珍しい、ドミトリーではなく個室で4000円程度。(じゃらんで発行のクーポン利用)
一戸建てを改装していて、リビングは共同。お茶や無印のラテシリーズ等も揃っていて、他の宿泊客の皆さんともゆったりお話できて、楽しいひとときでした。
北欧からいらした方や(1ヶ月ほど学んだようですが、日本語堪能で一同びっくり)
どういうご縁か私の自宅から数分圏内にお住まいの方もいらして、皆で仰天です笑。常宿にされている方も。



チェックアウト後、烏丸御池まで歩いて約20分、永楽屋へ。(以前の記事参照)
その後は四条通り沿いの福寿園の茶寮福茶へ。4種のお茶とお菓子トラディショナルペアリングセット。
私のイメージからはかけ離れた色彩や飲食物ですが、本で知って是非味わいたいと思い注文いたしました。
ウィールドン版『不思議の国のアリス』のフラワーワルツな色合いにも見え、お
菓子の台のガラスの中に細かなお花やビーズがたっぷり。そういえば床はアリスな模様。
お菓子はどれも可愛らしく上品。お茶は冷茶。向かって左から抹茶とショコラオランジュ、煎茶と柚子クリーム最中、
和紅茶とミルティーユショコラ、ほうじ茶とクルミイチジクのタルトです。



せっかくですので拡大。



阪急線の京都河原町駅から特急で12分、長岡天神駅。昔ながらの商店街がお出迎えです。



長岡京記念文化会館の外観。



文化会館の向かいにて、長岡天神の鳥居を望む。



鴨と亀。



会場ロビー、MAYUバレエ生徒さん達が描いた可愛らしい色紙等、たくさん飾られていました。



帰りは新幹線乗り場に近いお店へ、八条ダイニング にて八条ビール、生ハム、湯葉の豆乳オムライス。
京都とスペイン合体型食事で乾杯です!




新幹線へ。



京都からのバスを予約しそびれ、気づいたときにはどこも完売。そこで、今年の8月の愛と執念の福山・堺バレエルートと同様に名古屋までいったん出ることに。
名古屋から東京行きのバスはまだ余裕がありました。何より、夜22:00も過ぎれば名古屋駅ホームも空いていて、
16番線行きの階段途中で撮れました、鳥羽水族館ラッコのメイちゃんキラちゃん看板!!
鳥羽水生まれでいつも大多忙な20歳のメイちゃん、おっとりマイペースで2021年に和歌山のアドベンチャーワールドから引っ越してきた16歳のキラちゃんです。
往路の到着と同様復路出発も名古屋から東京へ。さらば京都・名古屋、また会う日まで!!!