2024年3月22日金曜日

全員の進路に幸がありますように エトワールへの道程 2024-新国立劇場バレエ研修所の成果- 3月9日(土)




3月9日(土)、エトワールへの道程 2024-新国立劇場バレエ研修所の成果を観て参りました。研修所の卒業公演は2018年以来2度目の鑑賞です。
https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/24etoile/


※プログラム等は新国立劇場ホームページより

『トリプティーク~青春三章~』

振付:牧 阿佐美
音楽:芥川也寸志
出演:研修生、予科生、上中佑樹(ゲスト)
菅沼咲希、根本真菜美、山本菜月、下川佳鈴(ゲスト)

重厚で哀愁や危うさを宿した曲調がいたく好きでアステラス等研修所が関わる公演では毎回楽しみにしている作品です。
ただ上演回数が多過ぎているせいか、単に私の中で新鮮味が失われ始めたのかこれまでのような感激は減少。研修生達の持ち味を生かしてはいるのでしょうが。
ただ研修生達の瑞々しさや真っ直ぐでピュアな姿勢をシンプルで飾り気のない衣装姿がかえって引き立たせ、
ノンストップの清流のように踊り続ける振付をきっちり端正にこなしていた清々しさは丸でございました。
研修所OGで現在はブルガリアの劇場で活躍中の根本さんがすっかり艶っぽくなっていて、
このあとの眠り3幕貴族でも目を惹く存在感。


『海賊』よりパ・ド・ドゥ
振付:マリウス・プティパ
音楽:リッカルド・ドリゴ
出演:榎本志結、趙 載範(ゲスト)

抜擢の榎本さんは少し緊張も見えましたが、丁寧にしっかりと踊っていて伸びやかさもあり。
まだ額縁の中で一生懸命な印象はあれど、趙さんの安定サポートで更に花開きそうな部分も予感させました。


『Conrazoncorazon』より
振付:カィェターノ・ソト
振付指導:新井美紀子
出演:研修生、予科生、上中佑樹(ゲスト)

アステラス2021では非常に短時間抜粋だったため、全編ではなくてもたっぷり目にでき満足。
全員騎手のような格好で、可愛らしいユーモアと捻りが効いた振付の連鎖に笑みがこぼれ続けました。
カルディコーヒーファームの店内で流れていそうなラテン系のノリと気怠さが混在した歌曲もあったり、音楽の面でも満喫。


『眠れる森の美女』第3幕より

振付:マリウス・プティパ
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
出演:

オーロラ姫:堀之内咲希
デジレ王子:浅井敬行
ほか
堀之内さんは福岡の須貝りさクラシックバレエスクール出身で、昨年末に博多座にて開催された地元オーケストラ演奏との共演舞台『くるみ割り人形』を鑑賞しており
そのときは出演されていなかったためどんな方か楽しみにして参りました。
大変堂々としたオーロラ姫で技術もカチッと綺麗、ポーズも角度をよく捉えた決め方で好印象。ゲストの王子より堂々と引っ張っていた印象すら持たせたほどです。
そして宝石とフロリナ、青い鳥はイーグリング版の本公演衣装よりセンスが宜しい汗。
バクランさんの、後方席までも伝わる愛情深い指揮にも心洗われた爽やかな3幕上演でした。

最後は卒業生達の挨拶。滑らかに話す人もいれば少しつっかえたり、涙したり、されど素直な内面が表れていて心から拍手。
中間部にて上映された研修所の生活を見ると、実技のみならず美術(好きな絵を説明するプレゼンテーションもあったもよう)や
バレエ史、音楽史、栄養学等々密度の恋人カリキュラムに再度驚き、めまぐるしい日々であったのは容易に想像できます。
前所長の牧阿佐美さん系列の教師が多く、指導に偏りがないか勝手ながら心配もありつつも、体制が今後大きく変わるようで、その辺りも注目か。
ともあれ、卒業生全員の進路に幸がありますように!




終演後、若人達の幸を願って乾杯するビールカルテットな大人達。 バレエや音楽を習うことの面白さから、
先月末の『ホフマン物語』回顧まで、短時間滞在ながら話題目白押しでございました。
この時期限定セントパトリックデーにちなんだグリーンビール、色がキラリと鮮やかな緑色です。

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