2月23日(金祝)、新国立劇場バレエ団『ホフマン物語』初日を観て参りました。
https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/hoffmann/
初日の様子
https://www.nntt.jac.go.jp/ballet-dance/news/detail/77_027363.html
カーテンコール
『ホフマン物語』初日公演カーテンコールより🎥
— 新国立劇場バレエ団 The National Ballet of Japan (@nntt_ballet) February 23, 2024
webサイトの開幕ニュースに初日公演の舞台写真を掲載しましたので、ぜひご覧ください!https://t.co/kGh3teZpzD pic.twitter.com/npBqGJTiGT
リハーサル映像。やる気満々、目が勝負師なスパランザーニがいます!
3幕、娼館。
この作品、切り貼り型であるとの意見が大半なのか?人気今ひとつですが、私は2015年のバレエ団初演時からとても好きな作品です。
同じダレル版でも2002年に牧阿佐美バレヱ団で観ておりますが、(22年前か。サッカー日韓W杯の年です)
牧ではより陰鬱な色味が後押しされていて、色鮮やかな衣装の数々に彩られた新国立での上演とは印象がだいぶ違っておりました。
音楽はオッフェンバック。オペラとはほぼ同じ流れと思われ、星空を描画するような浪漫に満ちた旋律もあればおどろおどろしい快楽が走る曲もあり
聴き惚れてしまう音楽構成で、特にオリンピアのワルツと、アントニアの心情が高らかに奏でられる曲を私は好んでおります。
全幕バレエでは珍しく男性が主役で、しかも主役ホフマンを1人が3世代分踊り演じる面白さ、そして幕ごとにがらりと変わる世界観にも魅力を感じます。
衣装がとにかくお洒落で洗練されていて、3幕はご意見様々ですが笑、 明日は昼夜、明後日は昼に上演ありますのでお時間許す方は是非ご来場ください。
内容とは反してそこまで重たい作風ではなく、未だルイジアナの沼地から抜けられずにいる方も心配なさらずに初台へお越しください。
それはそうと今回は昨年の二・二三事件から1年、まず予定通り幕が開きました、監督からの詫び挨拶も無しで一安心でございます。
バレエ団初演時から務めていらっしゃる福岡雄大さんホフマンの幸福から急転直下する悲哀感、
彼の恋模様を色付けてきた1幕オリンピア(池田理沙子さん)、2幕アントニア(小野絢子さん)、3幕ジュリエッタ(柴山紗帆さん)、
プロローグエピローグのラ・ステラ(木村優里さん)の競演も見所です。
そして、もしかしたら実質の主役は悪魔の化身リンドルフ/スパランザーニ/ドクターミラクル/ダーパテュート(本日は渡邊峻郁さん)で、
幕ごとに色味が全く異なる4役に変化しながらホフマンにつきまとい追い詰める重要難役。
今月上旬の『シェヘラザード』に続き変わり者を承知で申すと、渡邊さんで観るならホフマン役よりも、
敵役4変化するリンドルフ(他)役の方が私はやって欲しいと願っていたため今日は感無量でした。
恐怖で冷徹な圧、剽軽、怪奇、妖しさ、と色が異なる4役を踊り分けてホフマンを追い詰め、
敵役の食品成分表を隈なく網羅。突き抜けた狂気で全幕を支配なさっていた印象です。
プロローグは着席姿のみであっても周囲とは距離を置いて悪巧みな威圧感を静かに醸し
1幕の急速テンポでの踊り狂い、2幕は佇まいから棘のある色気を内側から放出したかと思えば福岡ホフマンをいよいよ極限状況へと追い込む肩揺らしが悍ましい悪魔、
3幕娼館での半魚人風の衣装姿やジュリエッタとの共謀も妖気が凄まじい。
全編通して、幕ごとに魂から大化けする凄みに呼吸が止まりかけたほどでした。ダブルキャストの中家さんとの比較も大変楽しみでございます。
本日は福岡ホフマン目当てにいらしていた福岡さんの出身スタジオKバレエスタジオさんはじめ、
大阪からの観客の方々からも私の顔を見るなりひょっとしたら福岡さん以上に⁈褒め言葉多々いただき、嬉しうございました。
福岡さんを追い詰める役ですから嫌われないかと心配もありましたが吹き飛び、立ち姿で色気あんなん出せるんかー等、胸が一杯です。
明日明後日、是非『ホフマン物語』ご覧ください!
昨年の二・二三事件の悪夢から1年、時の流れは早い。
無事2月23日!
可愛らしいデザートも。シャンパン飲んでいらしたお二人組も話しかけてくださり、目に留まったようです。
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