2023年9月17日日曜日

魂息づくおまじない Kバレエスタジオ 37th Concert 9月10日(日)《東大阪市》




9月10日(日)、東大阪市文化創造館では初開催のKバレエスタジオ37thコンサートへ行って参りました。2007年から足を運んでおり、今年で創立40年を迎え
新国立劇場バレエ団やスターダンサーズ・バレエ団、NBAバレエ団等プロとして活躍するダンサーを多数輩出している名門スタジオです。
出身者でいらっしゃる山本隆之さん、福岡雄大さん、福田圭吾さんが今年も出演され
ゲストにはスターダンサーズ・バレエ団の渡辺恭子さん、EYA Ballet Sutudioの惠谷彰さん、地主薫バレエ団の徳彩也子さん、佐々木美智子バレエ団の佐々木嶺さんを招き
古典からコンテンポラリーまで多彩なプログラムで楽しませてくださいました。
http://www.k-ballet-studio.com/



Kバレエスタジオさんのインスタグラム。舞台の様子や裏側写真、たくさん載せてくださっています!




Part1の幕開けは子供の生徒さんが大勢登場する、ゴットシャルクの曲に振り付けられた『タランテラ』。
以前にも上演したことがあり、最初のうちは懐かしく思い出しながら観ておりましたが気づいたのが子供の生徒さんがかなり増えたこと。
少子社会においては珍しい現象で、しかもプレバレエのかなり小さい子から中高生くらいの生徒さんまで
次々と入れ替わりながら駆け抜けて行く作品ながら纏まりもしっかりあり、女の子の村娘風のチュチュも可愛らしく
男の子の白シャツと黒ズボン、赤バンダナもきりっと決まっていて、観ていて気持ちがほっと解れる楽しい作品でした。

続いてヴァリエーションやパ・ド・ドゥ集。コッペリア3幕のグラン・パ・ド・ドゥにて長谷川梨央さん福田さんが
全幕の流れを継いでいるようにほわほわと優しい空気を醸しながら披露され、平和な癒し時間。
『ジゼル』は渡辺さんと福岡さんが恐らくは初共演。ウィリとして、すっと遠い存在になって許しと拒絶の双方が入り混じるように感じ取れた渡辺さんのジゼルと
包み込みながら許しを訴える福岡さんの組み合わせがとても新鮮で、またアルブレヒトに対し尚優しく接するだけではない
精霊として生きる運命を受け入れた意思をも感じさせた渡辺さんのジゼル像に説得力があった印象です。

そして特別プログラムとして今年のジャクソンUSA国際バレエコンクールでの準決勝で踊られた矢上恵子さん振付「FROZEN EYES 凍りついた眼」を
金賞、ベストカップル賞を受賞された徳さんと佐々木さんが披露。作品自体は生では2020年にKスタの舞台で
配信では2022年にGGGガチョーク賛歌プロジェクトにて視聴しており、再びお目にかかりたい作品の1本でしたので嬉しい限り。
ウェーバー『舞踏への勧誘』にのせ、冒頭のパリン!と鋭く響く硝子音と同時に
抜け殻と化していく徳さんの少女と、追い求める少年であろう佐々木さんの葛藤の呼応が高らかで身体同士が弾けたり反発しあったり、凄まじいものがありました。
ご自身の振付作品をも踊ってのジャクソンの大舞台で入賞したお2人に、恵子先生の豪快な歓喜の声が聞こえてきそうな大拍手で讃えられた凱旋披露。
徳さんは初めて拝見、堂々とした大胆さと孤独な寂しい内側を捲るように露わにしていく繊細さ双方を持ち合わせ、
脱力と引き上げのジェットコースターな振付をいとも易々とこなしてしまう身体能力にも天晴れでした。

Part2はレ・パティヌール(スケートをする人々)、恐らくは2009年以来と思われます。
同名の作品もありますが大勢の子供も活躍する久留美先生振付版、黒瀬美希さん振付部分も追加され
冬のヨーロッパの森の中に現れたスケート場が目に浮かぶ心躍る作品です。
白いファーで縁取られた衣装が冬らしいお洒落な装いで、床を押しつつ滑らせながら移動するスケートらしい振付もバレエに上手く溶け込ませて
微笑ましく戯れるように子供達が踊る場面もあれば佐々木さんや惠谷さん、福田さんを筆頭に高難度テクニックを駆使していく場面もあり
季節外れな暑さが和らぐ氷上の世界を堪能するひとときとなりました。この舞台後の3連休も真夏日が続き
阪神のリーグ優勝で暑気払いも効かなそうである大阪の熱き空気、少々心配です笑。
中盤のパ・ド・ドゥには長谷川さんと、お待ちしておりました山本さんご登場。
山本さんの実年齢を考えたらお似合いなのが不思議であるスケート青年な格好や、クッション手に取るような肩乗せリフトの
神業としか言いようがないサラリ感にも脱帽で、願わくはもっと長く観続けていたかったのでした。

Part3は恵子先生振付のコンテンポラリーダンスToi Toi。2014年、2016年に続いて私は恐らく3回目の鑑賞です。
冒頭は暗闇の中で福岡さんが静かに切り裂くようなポーズからして空気をガラリと引き締め
石川真理子さんと福岡さんによる嵐の連鎖の如きデュエットに続いて打楽器の激しいリズムやケルト風に絡む音楽が響き渡る中で
四方八方から続々と出現。ある集団がかたまりながら横へ移動している間に別集団が現れて踊り、河川の急流のように流れのパワー止まらず。
また数秒の中に身体の捻りや回転、上下の動きが緻密に詰め込まれた振付を20名超で踊られ
照明が時折暗めの演出もあり、つまり場面によっては顔が見え辛く表情による誤魔化しも一切できず身体そのもので客席に訴えかける力量が問われながらも
計算し尽くされた振付が落とし込まれた肉体の叫びが舞台中で整然と生じ合う光景は圧巻でした。
ベテランの域のご年齢であろう福田さんが若手陣と張り合いながら舞台を率いる姿が年齢不詳な味わいを突き出し恐れ入るばかり。
後方に設置された3枚だったか壁も生かしてひょっこり現れては中に消えて行く掛け合いもチャーミングに映り、しかも誰も音楽の流れから崩れぬ乱れぬレベルの高さに驚嘆。
最後は集合してきらきらと紙吹雪が舞い散る中で両手を掲げ、何もかもを結集し希望を昇華させていく幕切れにただただ胸が高鳴り、暫くは余韻から抜け出せずにおりました。

久留美先生の挨拶文によれば、大人数を要する作品のため佐々木美智子バレエ団と京都バレエ団から6名賛助出演してくださり今回実現とのことでしたが
両団ともに恵子先生がコンテンポラリーの指導を長年行ってこられたバレエ団であり、所属は異なっても
出演者が一心同体となって自身の大作が再演される運びとなったことは恵子先生も喜びの声をあげていらっしゃるに違いありません。
またケイスタの生徒さんの中にも恵子先生から直接指導を受けた経験のない方が増えているであろう状況下
直弟子でいらっしゃる石川さんが非常に細かい指導で引っ張り、再び完成度の高いToi Toiのお披露目に至ったこと、心から賛辞を送りたい思いでおります。
作品上演が途絶えないようこれからも恵子先生の魂息づく作品上演が続きますように。

カーテンコールでは久留美先生が登場されると更に大きな拍手で包まれ、そして福岡さんと福田さんが香織先生、恵子先生の遺影を掲げて登場してくださいました。
香織先生も恵子先生も舞台袖にいらっしゃる気がしてなりませんが、昭和の頃から古典とコンテンポラリー両方に力を入れてきたスタジオらしく、
次回も誇り高く見応え十二分な舞台をきっと届けてくださることでしょう。楽しみにしております。

Kスタさんの舞台を観始めてから今年で16年。大阪特有の会場の熱気や親しくさせていただいているKスタ大人クラスの方々や東大阪会の方々を始め
浪速パワーにこの度も平伏し帰りの近鉄奈良線も賑やか笑、鑑賞遠征の原点ここにありと思い耽けながら梅田へと向かいました。


※今回の舞台へは著名な評論家の方々やバレエイベントの企画関係者の方々を何名も目にし、Kスタ及び矢上恵子先生作品への変わらぬ注目度の高さが窺えました。
2021年に恵子先生作品大特集と愛弟子達集結インタビュー企画を開催してくださったバレエチャンネルの方もお見えになっていて
私も現地参加したこの企画、恵子先生の作品や魅力を東京から発信してくださって内容も大充実、今も忘れられない企画でした。
私が綴った長い纏まりないレポートで記憶違いば部分あるかもしれませんが、ご参考までにこちらに掲載いたします。

踊れ、その身体がドラマになるまで~振付家・矢上恵子 作品上映会&メモリアルトーク~
https://endehors2.blogspot.com/2021/04/blog-post_30.html




御堂筋線のホーム。モダンレトロな趣きがあります。



大阪メトロマナー広告。豹柄のおばちゃんは鉄板らしい笑。ラガーマンがいるのは、東大阪市内も走っている土地柄でしょうか。



開店と同時に心斎橋パルコへ。どんぐり共和国にカオナシが静かに佇んでいます。何を考えているのでしょう。



大中小トトロ。ドンドコ踊りの真っ最中です。



毎度の道頓堀。9月は3年連続、西と東で観たい舞台が重なる珍事。せっかくですので、今回も滞在地名所で撮影。
北海道組、楽しんでおくれやすと道頓堀ドン・キホーテ観覧車前から応援です。
2021年は福島県白河市の小峰城、2022年は大阪の通天閣、今年2023年は大阪の道頓堀で同様な撮影いたしました。来年はどうなりますかな。
それよりもこの日はまだ穏やかであった道頓堀、現在は阪神タイガースの「あれ」で大賑わいかと存じます。歓喜なお気持ちはよう分かりますが、
私が関西圏でバレエ鑑賞を始める前年且つ山本さんを初めて拝見した2005年以来のリーグ優勝とのことで
六甲おろし一緒に歌いたいおめでたい気分は私も募りますが、騒ぎはほどほどに。
よく考えると、つまり私は山本さんのファンになって再来年で20年ということでございます。



2週間位前であったか、NHKのサンドイッチマンの番組にて東大阪をテーマにした内容が放送され、紹介されていた近鉄奈良線布施駅あじろーど内の鉄板焼き店よしひろ。
日本と米国にルーツを持つご一族が営むお店のようで、アメリカンな木目調の内装の中に鉄板テーブル席が並ぶ面白い空間です。1人でも利用しやすい。
まずはこの日も暑い気候でございましたので、中生ビールで乾杯。泡がふわふわです。チケットに描かれたToi Toiのこのデュエットポーズ、痺れます。



スパイシーケイジャン枝豆も注文。本当は2人か3人で分け合ってちょうど良い量かもしれませんが
胃袋は食べ盛りの子供並みに大きく、身体年齢は昨年6月の測定結果によれば18歳である管理人(肝臓は20歳に達してしていることにしてください)、
手が止まりません笑。そしてビールが進んで仕方ありません。



お好み焼きはミックスを選択。海老イカ豚肉だったか。ふわっとした焼き上がりと豚肉のカリカリがたまりません。
お店の方が厨房で焼いたものを持ってきてくださいます。
ソースは自家製で2種から選べ、甘口を選択。コクのあるソースで美味しうございました。
足りなくなったら追加も可能とのことで、追加時は辛口を。ぐっと濃いめで、
今回は1人で行って1枚お好み焼きを丸々いただいたためか、またケイジャン枝豆も注文していたせいか
バランスからすると最初に甘口を全体にかけていただいたのは正解だったかと思っております。
勿論どちらもそれぞれ美味しさがありますので、可能ならば2種ともお召し上がりください。



食後はもう1品、食べてみたいメニュー求めて谷町四丁目のドギャンへ。(まだバレエ鑑賞前です笑)
そういえばKスタさんの本部も谷町四丁目です。



来ました、カオナシかき氷。管理人、かき氷を食すのは2011年の徳島での清水洋子バレエスクールさん鑑賞前に鳴門の渦潮見物に友人2人と訪れたとき以来かと思います。
カオナシは黒胡麻味で、サクッと繊細な舌触り。尚、氷山と同じ原理で氷が溶け出すとラスクが急落下しますのでご注意ください。
中には大学芋も入っていて、口直し用には小さなおかきもついています。
1人で行きましたが、注文すると愉快な仲間達が来てくれました。



私のカオナシが先に到着したことがきっかけで隣席のお2人組と仲良くなり、お互いの注文品を撮影。
お隣の方は『もののけ姫』コダマかき氷。恐らく抹茶味。見守るヤックルがフカフカ過ぎて、アシタカのせて凛然と疾走しているイメージがここでは沸かず笑。
店内は宮崎駿さんのアニメな世界で溢れています。流れる音楽もジブリ祭り。
ちなみにお隣の方はコダマを選びつつもラピュタ派だそうで、私もカオナシ頼みながら同じくラピュタ派でございます。
但し鑑賞を通して観光等に出かけると、Kスタ1週間前の東京都小平市で開催された修子バレエさんと同様
千と千尋の世界へ踏み込む機会が多い気がいたします。



7月末の佐々木美智子バレエ団『ドン・キホーテ』以来、すぐ戻ってきました東大阪市文化創造館。



入口付近。広々としています。



そして花園ラグビー場がある東大阪のマスコットキャラクターはトライくん。
確か市役所の封筒にも描かれていると聞いた記憶あり。
まさにこの日はW杯フランス大会における日本の初戦日で、日本代表のキャンプ地であり初戦の会場トゥールーズも大いに盛り上がっていたことでしょう。
私はキャンプ地情報や関連放送が聞こえるたびに、訳あって街中の風景も映して欲しいとテレビに釘付けになっております。
ちなみに日本での開催であった前回大会初戦は東京都調布市の飛田給で、京王線沿線、調布駅付近もお祭り但し健全な雰囲気で盛り上がっておりました。
(初日はパブリックビューイング会場や出場国の料理屋台が並ぶ光景をぶらりと眺めに行っておりました)



ロビー



昼とおやつがボリュームたっぷりでしたので、帰りはさっぱりと日本酒とお刺身。久々に大阪の海鮮酒場。
前は有酸素運動後にこの手のお店に行って一杯やって帰っておりました。懐かしい。



イ◯◯ンの言葉を好まぬ私からすると、この店名はなかなか宜しい。そう考えつつお店をあとにいたしました。
さらば大阪、きっとまた年内!!


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