2023年4月5日水曜日

中学校の先輩 坂本龍一さん





音楽家の坂本龍一さんが3月28日に逝去されたニュースが連日報道され、著名人からも追悼する声が多数寄せられていることや
音楽活動にとどまらず、身を捧げていらした社会活動についても報じられているのは皆様もご存じかと思います。

当ブログで何度か触れていたかもしれませんが、坂本さんは私が通っていた中学校の先輩でいらっしゃいます。
勿論面識はございませんが中学が誇る卒業生の1人であり、創立の節目の記念誌に寄稿してくださり
音楽のみならずバスケットボールにも夢中な、運動好き少年でもあった思い出を綴ってくださっていたかと思います。
偉大な先輩でありながらどこか親しい存在にも思える方でした。

私が坂本さんを知ったのは実に遅く、YMOを聴いていたわけでもなく、確か映画『天空の城ラピュタ』が地上波初登場のときのテレビCMにて
ソニーのビデオカメラを手にした姿がきっかけでした。映画『戦場のメリークリスマス』も観ていなければのちの『ラストエンペラー』も未だ観ておらず
こういった場所で語る資格なんぞないかもしれません。しかし、テーマ曲は世代を超えて耳に届いているであろう『戦場のメリークリスマス』や
テレビCMでも使用された『エナジーフロー』、ドラマはストーカーを題材にした恐ろしい内容で視聴できなかったものの
悲しくしっとりと伝う雫が思い浮かぶ主題歌The Other Side of Loveは特に好きで
耳に心にすっと入っては徐々に澄んだ潤いに触れた思いに駆られる曲調に今も聴き惚れております。
親族の中には中学校そして高校も結果として坂本さんの後輩になった者もおり、特別坂本さんの虜ではなくても入学が決まったときはいたく喜んでおりました。
高校は都立の普通科進学校のご出身で、そこから芸大へ。学業に音楽に坂本さんはいかにして両立なさっていたのか、
そして世界中が注目する作曲家へとなられたのか。今となって益々知りたい心持ちになっております。

本当に偶然ですが、この3月はバレエを通して坂本さんについて考える機会が何度かありました。まずハンブルク・バレエ団『シルヴィア』。
2幕であったか、日本語で記された森を守ろうの立て看板を持ったキャラクターが唐突に登場し、思わず目を疑いましたが
ちょうど都内では神宮外苑再開発の件の報道が飛び交い、また神宮球場神宮第2球場ともに縁がある私としても考えが脳内を巡って止まらず。
公演後日に感想を書いていた頃、東京都知事に対して再開発見直しを訴える手紙をしたためられたのが坂本さんでした。
今思えば病床にてとても苦しい状態であったでしょうに、それでも訴えたいお気持ちの強さは胸を打ちました。
そして『シルヴィア』公演の翌日、我が5ヶ月ぶりのレッスンにて、バーの最中にピアニストの工藤さんが弾いてくださった中の1曲が『戦場のメリークリスマス』。
坂本さんの曲でのレッスンは初めてでしたから、偉大な先輩の曲がアーキタンツの広いスタジオに響き渡っていた様子が妙に嬉しく感じたものです。

それから下旬にて、新国立劇場バレエ団のDANCE to the Future2023。最後に上演された遠藤康行さん振付の招待作品『3 in Passacaglia』の音楽欄に
坂本さんのお名前がヘンデルと並んでプログラムに明記。しかし耳を懸命に傾けても坂本さんがどう絡んだか、我が体格と違って肥えていない耳では聴き取れず終い。
何しろバレエ団ファンでありながらこの公演自体行くか否かも分からず鑑賞した初日の昼のキャストがABどちらであるかも
往路の電車で会った友人に教えてもらう事態でしたので、曲の予備知識はまさに皆無で向かっていたわけです。
結局千秋楽になっても分からず、しかしお名前は確かに掲載されていますから何かしら関わりはあるはず。
坂本さんの逝去のニュースは4月に入ってから報じられましたが、息を引き取られたのはDTF千秋楽翌々日の3月28日であったとのこと。
パッサカリアの謎、いつかは知りたいと思っております。

決して話題に便乗したのではなく、偶々ではあってもこの3月にバレエにおいて坂本さんについて考える機会が度々あり、この場で綴った次第です。


※だいぶ話は逸れますが、通っていた中学校の先輩方の中には芸能界で活躍されている方がいらっしゃり、しかもバレエが絡むご活躍もあり。
木梨憲武さんは一時テレビ番組の企画で憲武バレエ団を結成し、追い越せ熊川目指せロンドンだったか、
随分大胆な目標を掲げて大滝愛子さんのご指導を受けていらした光景は覚えております。
バラエティ番組でのバレエの扱いに当初は首を傾げた私でしたが、 当時はネスカフェCMの放映時期の最中か直後の頃であった熊川哲也さん(80年代後半のダンスマガジンでとんねるず好きとご発言)や下村由理恵さんも登場されたり、
『パリのアメリカ人』を上演したりと本格志向な活動であったかと思います。
木梨さんはバレエは全くの初挑戦とはいえ、中学高校時代はサッカー部で活躍され身体能力も抜群であったようで
家電量販店での勤務で関わりがあった営業の方と同じ中学出身と意気投合したとき、サッカー部でいらしたと伺い
世代からしたらもしやと思ったら木梨さんと在籍時期が重なっていたとのこと。当時から一目置かれる上手さであったようです。

もう1人、辺見えみりさんは子供の頃から松山バレエ学校で学ばれ、15年は前であろう関口宏の東京フレンドパークに出演されたとき
ルームランナーで仲間たちが走りながらだったかご自身の所縁ある分野についてのクイズ回答で
森下洋子さんが出演された作品を4本か5本(曖昧で失礼)答えよとの問題が出題。古典作品をすぐさま回答なさっていたと記憶しております。
9年ほど前の『アド街ック天国』に出演されたときは、千歳烏山の特集にてすぐさま母校を紹介され、山田五郎さん達から誰も分からないよと言われながらも
美術部での活動を語り始めたりと(確か)、在籍時期は重ならずであっても同じ部活出身者として幽霊部員に近い出席率であったとはいえ汗、嬉しくなったものです。

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